ALC板について
投稿者:カズさん こんばんわ。マンションディベロッパーで建築を担当しています。私の今期の物件(7階建・RC)でバルコニー・教養廊下壁をALCにて行うことになりました。販売営業担当から「お客さんへのメリットは何かあるのか」と質疑を受けています。無い知識の中、重量(CONの1/4)が軽くなることで、@構造的な建築費の低減による販売価格の低減(よってお客様のメリット)A現場の施工性UP(これはお客様には関係ないかもしれませんが。。。)と答えていますが、あっているのでしょうか。また、遮音性・断熱性に関してCONに比べどうなのでしょうか。(CONよりもすぐれているということは無いように思われますが。)ご回答よろしくお願いします。 |
お答えします。 躯体をコンクリートからからALC板に変えると、躯体にコンクリートを使用しない分、躯体が痩せる結果となり、コストが下がります。カズさんの言う「@構造的な建築費の低減」にあたると思われますが、当方は図面や建物の規模を確認しているわけではないので、大きく影響が出る程ALC板を使っているか判断できかねます。 なお、カズさんのお仕事されている地域はどちらのほうでしょうか? LAC板は凍害を受ける可能性が、コンクリートに比較して格段に高いです。 施工される地区が東北〜北海道等でしたら、建設費でコストダウンできたとしても、X年後の維持管理費で逆転してしまう可能性があり、その場合、お客様に対してメリットがあるとはいえない状況になります。 Aの施工性についてですが、敷地の広さ等の作業環境に左右されます。ALC板を運び込むためのクレーン設備等が設置可能であれば、施工性は上がるといえますが、クレーン等が設置不可能な環境下で、人力でALC板を搬入するということになると、逆にコストが上がる可能性もあります。 遮音性については、コンクリートとALC板では、ALC板が格段に下です。コストダウンした結果失われる遮音性について、どこまで許容されるか?それは施主さんとの話合いになるかと思います。 断熱性については、ALC板の方がコンクリートより多少は良いですが、特筆するほどのレベルではございません。 なお、施主さんに対してALC板を使う事で考えられるメリットは外観です。 仕上げの状態が、打ちっ放しや吹き付けより美しく見えるのは元より、経年による亀裂が発生した際、ALC板による施工を行っている場合は、躯体自体が隠れるので亀裂等の破損が目立ちにくいです。 タイル等で仕上げするには予算が足りない。しかし打ちっ放しや吹き付けだと味気ない。そういう時にALC板の施工は向いているといえます。 |