高校における総合的な学習の時間       川北 裕之(書きかけです)
1 総合的な学習の時間とは
1−1創設の経緯
1−2学習指導要領では
1−3

2 総合的な学習の歴史
2−1
2−2
2−3
2−4

3 2つの授業観
3−1 
3−3 
3−4 
3−5 日常生活との近さ
3−6 
進路との関係

4 HOW TO 総合学習
4−1 大切なの教師の教育観
4−2 ある分野の世界を見せること
4ー3 調査することの楽しさを短観させる
4ー4 問の立て方
4−5 
問をテーマにする
4−6 内容整理の方法
4−7 
問をテーマにする
4−8 調査方法 量的研究と質的研究
4−9 
アンケートと分析
4−6 インタビュー
4−7 
野外調査
4−8 統計的処理

 

 

 





 高校の総合学習の理念は立派なものですが、現場ではうまく浸透していないようです。その原因を整理して考えてみたいと思います。

 原因の一つは、高校教師自体がどのように学習させていいのかわからないということがあると思います。後で詳しく書きますが、今までの知識内容を教えて込んでいた教科学習と総合的な学習は基本的にその考え方や方法が違います。また、大学や大学院での研究論文とも違います。アメリカのDeweyなどの進歩主義の考え方に求めるのもいいと思いますが、多くの教育実践から学ぶことを通して解決していきたいと思います。

 二つ目の原因は条件整備なしに始められたことです。1クラス40人という高校生を狭い教室につめこんでいる状況が、総合的な学習を行うのに適していないと思います。導入に当たって、予算や人員が増えたという話はあまり聞きません。実際に実践してみると、場所、コンピュータ室が1つしかない、一人の教員で、20から30人にも生徒の研究を見ることは不可能に近いことがわかります。教師や学校だけではどうにもならない問題が噴出してきます。これは総合の問題よりも、日本の教育の問題なのです。このことはあまり語られていません。

 原因の3つ目は、10年前の中教審で答申が出されたことと、教育を取り巻く状況が変わってしまったことです。「学力低下論」の台頭で、「ゆとりの教育」路線が見直され、その象徴でもある「総合的な学習の時間」も見直しを迫られる状況になっています。しかし国際的な学力比較のPISA調査で求めているものと、「総合的な学習の時間」で求めているものの方向はあまり違いがないように思います。「学力低下論」の影響で、詰め込みを強要する受験勉強をさせる風潮が広がってきたようです。不安をあおり、学校、特に公立高校に対する不信感を植えつけているように感じます。

 総合的な学習の問題は、これ自体の問題のみならず、教育全体の問題に通じていると思います。この問題を少し交通整理して考えてみることが必要だと思います。PISA学力と総合の目指すもの方法に違いがあまりないことを考えると、むしろこの時間の縮小や撤廃でなく、総合的な学習の考え方や進め方を、実践者である高校の教師が学び共有していくことが大切です。それと同時に、国や地方公共団体は、人やお金を出し、総合的な学習ができる環境を整えることです。

 このページでは、高校における総合的な学習の最初の問題を、少しでも軽減できるために書きます。この10年、学んだり実践したことをもとにしています。一般的なことを言うのは難しいのは承知しているつもりですが、それでも今の状況を何とかしないと思っているからです。2番目のことは、学校だけその解決はなんとも難しいと思います。総合にかかる労力や時間、設備上の問題を学校関係者以外にもわかってほしいので、できるだけ具体的にしていたいと思います。

まずは、基本的なことをおえておきます

 

1 総合的な学習の時間とは

1−1 創設の経緯

「総合的な学習の時間」の創設を提唱したのは、平成8年(1996年)第15期中央教育審議会第1次答申の 第2部「学校・家庭・地域社会の役割と連携のあり方」第1章「これからの学校教育の在り方」の「(5)横断的・総合的な学習の推進」においてである。

 「生きる力」が全人的な力であると踏まえると、横断的・総合的な指導を一層推進するための手立てとして、教育内容を厳選することで時間を生み出し、一定のまとまった時間を設けることを提案した。この時間を「総合的な学習の時間」と称することにしたのである。

資料全文

第15期中央教育審議会第1次答申を受けて、教育課程審議会「教育課程の基準の改善の基本方針について(中間まとめ)」の「2 各学校段階などを通じる教育課程の編成及び授業時数等の枠組み」に 「総合的な学習の時間」(仮称)」の項目を設けた。そこでは、

 ねらいとして

 1 自ら課題を見つけ、よりよく課題を解決する資質や能力の育成を重視し、

 2 自らの興味・関心に基づき、ゆとりをもって課題解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度の育成を図る。

 知識内容を教え込むのではく、学び方やものの考え方の習得を重視して、主体的に学習することを推進する。

 

1−2 高等学校学習指導要領  平成11年(1999年)3月29日告示、平成15年(2003年)12月26日に一部改正

 

第4款      総合的な学習の時間
 
1    総合的な学習の時間においては,各学校は,地域や学校,生徒の実態等に応じて,横断的・総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。

2    総合的な学習の時間においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとする。
(1)    自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
(2)    学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の在り方生き方を考えることができるようにすること。
(3)    各教科・科目及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。

3    各学校においては,上記1及び2に示す趣旨及びねらいを踏まえ,総合的な学習の時間の目標及び内容を定め,地域や学校の特色,生徒の特性等に応じ,例えば,次のような学習活動などを行うものとする。
   国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題についての学習活動
   生徒が興味・関心,進路等に応じて設定した課題について,知識や技能の深化,総合化を図る学習活動
   自己の在り方生き方や進路について考察する学習活動

4    各学校においては,学校における全教育活動との関連の下に,目標及び内容,育てようとする資質や能力及び態度,学習活動,指導方法や指導体制,学習の評価の計画などを示す総合的な学習の時間の全体計画を作成するものとする。

5    各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めるものとする。

6    総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1)    目標及び内容に基づき,生徒の学習状況に応じて教師が適切な指導を行うこと。
(2)    自然体験やボランティア活動,就業体験などの社会体験,観察・実験・実習,調査・研究,発表や討論,ものづくりや生産活動など体験的な学習,問題解決的な学習を積極的に取り入れること。
(3)    グループ学習や個人研究などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫すること。
(4)    学校図書館の活用,他の学校との連携,公民館,図書館,博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携,地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。
(5)    総合学科においては,総合的な学習の時間における学習活動として,原則として上記3のイに示す活動を含むこと。

7    職業教育を主とする学科においては,総合的な学習の時間における学習活動により,農業,工業,商業,水産,家庭若しくは情報の各教科に属する「課題研究」,「看護臨床実習」又は「社会福祉演習」(以下この項において「課題研究等」という。)の履修と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって課題研究等の履修の一部又は全部に替えることができる。また,課題研究等の履修により,総合的な学習の時間における学習活動と同様の成果が期待できる場合においては,課題研究等の履修をもって総合的な学習の時間における学習活動の一部又は全部に替えることができる。

第5款    各教科・科目,特別活動及び総合的な学習の時間の授業時数等

7    総合的な学習の時間の授業時数については,卒業までに105〜210単位時間を標準とし,各学校において,学校や生徒の実態に応じて,適切に配当するものとする。

8    各教科・科目,特別活動及び総合的な学習の時間(以下「各教科・科目等」という。)のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科・科目等の授業時数を確保しつつ,生徒の実態及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとする。

文部科学省の新旧対照表

 

 

 

 

 

 

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