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小金ビオトープ通信 No. 30 小金高校生物科
1997.3.05


アカガエル大活躍


アカガエルの産卵続く

 2月12日に確認したアカガエルの卵塊(5つ)は、その後順調に発生を続けています。すでに日当たりの良い所では、2月20日にオタマジャクシとなって泳ぎはじめたものを確認しています。しかし、日当たりの悪い所では、3月に入ってからやっとふ化をはじめた程度です。
 一方、3月2日には、さらに産卵したての卵塊を1つ見つけました。これでアカガエルの卵塊は6つになりました。この後も卵塊が見つかるかも知れません。

抱接中のカエルを発見

 ところで、ビオトープの池にはウシガエルが少なくとも2個体生息しています。ウシガエルはヤゴなどを食べてしまうので、何とか駆除したいと思っています。
 この日も(3月3日)、池の周囲を巡回していたら、のんびりと水面に浮かんでいるウシガエルを発見。網で捕獲を試みましたが、逃げられてしまいました。
 失意の中、せっかく網を取ってきたこともあり、増えすぎたアオミドロやウキクサを除去することにしました。橋の上から、周囲の水面に浮かんでいるアオミドロを網ですくいます。すくったアオミドロは、すぐには捨てません。一応、生物が紛れ込んでいないか確認するのですが、なんと、アオミドロの中からカエルの頭が見えるではありませんか。びっくりしてアオミドロをかきわけてみると、カエルの下にもカエルがいる。なんと抱接中のカエルを発見したのであります。

カエルの生殖行動

 カエルは、オスがメスの背中の上に乗り、前肢でメスの腹を抱きかかえます。これは“抱接”と呼ばれる行動で、体外受精のカエルは“交尾”はしません。オスがメスの腹を強く押すことにより、メスは卵を放出します。オスはその上から精子を放出して受精させるのです。
 有名な“カエル合戦”は、産卵場所にたくさんのカエルが集まり、オスが手当たりしだいに他のカエルを抱きかかえることから始まります。この時、抱いたカエルがメスであればいいのですが、オスの場合はお互いに困ります。
 そんな時、上から抱きかかえられたオスは「オレはオスだよ」という意味で「ゲーゲー」鳴きます。上に乗っかったオスは、鳴き声で始めて間違いであることに気づき、別のカエルを探すことになります。

捕獲したカエルは何カエル

 網で捕獲したカエルは、上に乗っかっているカエルの模様からアカガエルであることがわかりました。7つめの産卵が始まりそうです。かわいそうなので、自然状態で産ませてあげようと思いましたが、いろいろなデータをとるために、とりあえずバケツに入れて様子を見ることにしました。
 抱接中のカエルを離すのも酷なので、まず、2匹合計の体重をはかりました(24.4g)。産卵が終わったら、別々に体重をはかり、雌雄それぞれの体重を求めることにします。また、産卵数もキチンと数えてみるつもりです。

下のカエルはウシガエル

 さて、翌日、アカガエルは産卵したでしょうか。生みたての卵塊を見たくて、バケツのフタをあけてみました。
 しかし、カエルは相変わらず抱接を続けているものの、肝心の卵塊は見当たりません。「変だなぁー」と思いながら、カエルをよく見ると、なんとなく上のカエルと下のカエルの模様が異なることに気づきました(左頁図)。上のカエルはまぎれもないアカガエルですが、下のカエルは……?
 何と、下のカエルはウシガエルだったのです。アカガエルのオスは、抱きかかえたカエルが鳴かないので、相手をアカガエルのメスと信じているのです。ウシガエルの方は、まだこの時期成熟していないので、卵は産めないし、鳴くこともできない。アカガエルの抱きかかえる力が強すぎて、逃げることもできません。

結果的にウシガエルを捕獲

 今まで数十回となく失敗が続いていたウシガエル捕獲作戦ですが、アカガエルの大活躍により、とりあえず1匹捕まえることができました。まだ少なくとも1匹はいるわけで、引き続き何とか捕まえたいと思います。
 それにしても、「先入観にとらわれると判断を誤ることがある」ということをあらためて思い知らされました。上のカエルがアカガエルだからといって下のカエルがアカガエルであるとは限らない。もし、そのまま池に放していたら、ウシガエルを駆除するせっかくのチャンスを逃すことになっていたことになります。


小金ビオトープ観察記録から……

2月19日 市川緑の市民フォーラム(佐野さん,佐伯さん),自然通信社(田中さん)来園
2月20日 アカガエルのオタマジャクシがふ化を開始。
3月2日 アカガエルの卵塊1)確認。これで現在までに卵塊は6つとなる。
3月3日 アオミドロとウキクサを除去 その際、抱接中のカエルを発見。
さらに、ギンヤンマのヤゴ4)、イトトンボのヤゴ1)を確認。

 コブシの花に続き、春の野草が続々と咲き始めています。オオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、タネツケバナ、ヒメオドリコソウ、セイヨウタンポポ……。池ではメダカたちの活動が活発になってきました。


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