*自慰ネタ。エロしかありません。ご注意ください。




++++ゆめまぼろし+++++



「んっ・・・ふぅ・・・・ぁ」

だらしなく広げられた脚は筋肉質ではあるが綺麗なものだ。それが時折、ぴくりぴくりと震えている。
片手はその両脚の付け根のあたりに置かれて、しきりにその中心におさまっているものを扱いていた。それを擦りあげるたびに、甘い吐息が彼の口からは飛び出している。
もう片方の手は、彼の裸の上半身に置かれ、肩胸の乳首をつまんでいた。転がしたり、つねったりしてそのたびに彼は腰を揺らし小さく声をあげた。
甘く蕩けるような声と、自分自身を擦りあげながら快楽の波を彷徨いつつ、眉を寄せ体を震わせている姿を目にして興奮しない男なんていないはずだ。
そう、伊達政宗は思った。少なくても、自分の股間が膨らみかけていることだけは確かだった。


(Paradiseが目の前に!)


幻かと思って何度も目を擦ってみたが幻なんかではなかった。政宗は感動した。こんな真田幸村がみれるとは奇跡が起きたに違いない。
今、政宗は物陰から部屋の中を観察している。もちろん、覗き見の趣味があるわけではない。ただ、ふらりと幸村の部屋を訪れようとやってきたら、室内の様子がなにやらおかしかったのでそっと様子を窺ってみただけである。
そうしたら、室内では幸村が素っ裸で自慰の真っ最中だった。それだけだ。
男の自慰に、裸になる必然性はないとは思うがこの光景は素晴らしかった。
普段は品行方正。少し暴走の気があるとはいっても、政宗から見る幸村は真面目中の真面目だ。
少なくても、性欲旺盛には見えない。むしろ淡白だ。
なんせ、恋の「こ」の字で破廉恥。と、叫ぶような男である。その男が自ら破廉恥行為に及ぶとはさすがの政宗も想像できなかった。
(予想外だったが・・・・こいつはいい)
喉が渇いてきた。これは、目の前のあいつで潤してもらうしかない。
ニヤリとした。
ペロリと下唇を舐める。政宗は、そっと音が絶たぬように襖を開いて室内に入り込んだ。





















気持ちいい。幸村はフワフワとした気持ちのまま、手を動かす。
(政宗殿)
ひたすら彼の姿を思い浮かべて、自身を慰める。こんな気持ち、本当はいけないことなのに。でも、本当はずっとこうしてみたくて仕方が無かった。
出会ったのは戦場。それも敵同士。斬りあってすぐに、ああこの人だと確信した。
お館様と上杉謙信のような関係になるであろうと思えた相手。それが伊達政宗だ。
それが何度かの対戦を経て、少し違うのだということがわかってきた。
政宗に会うと胸がどきどきして、血が騒ぐ。それは戦いの高揚感と勘違いしていたが、違った。政宗の顔が息がかかるほどに近くなると、下半身が疼くのだ。
彼に触れたい。触れられたい。そんな風に思う自分は、本当にいやらしくて眩暈がした。
こんないやらしい自分は知らなかった。
政宗に触れられて、壊れてしまいたいなんて思うことに死にたくなる。
男なのに、なぜこんな風に女子のようなことを考えるのかも恥ずかしければ、政宗を見るたびにそう考えてしまう己が情けない。
けれど、それは甲斐と奥州が同盟を結んだことで深刻な悩みとなった。
よく甲斐に政宗がやってくる。
戦場と違って、彼は年の近い幸村に気安く声をかける。触れてくる。
その場で叫びたくなる。
彼が近寄るたびに、彼の匂いに反応しかけてしまう己のあさましさ。
彼が触れるたびに、体が震えるこのいやらしさ。
本当は彼に無茶苦茶にしてもらいたくて疼いているこの体を押さえつけ、なんでもないように振舞う己の情けなさ。
全てがたまらなかった。

これが前田慶次の言う恋なのだろう。
こんなもの知らなければよかった。こんなに苦しくて辛いものなら一生知らなくてよかった。
欲しい。


どうしても欲しい。
―――でも、できない。



幸村が自慰をするようになったのは、こんな気持ちになってからだ。佐助はそういう空気に敏感なのか、そういうときはいつのまにかいなくなっている。
だから、それはドンドン大胆になっていって。はじめは自身を慰めるだけのものだったのに、今は胸も後孔も慰めるようになっていった。
政宗にどう触れられたいか。
それを想像して、自慰をする。
気持ちよかった。だが同時に虚しくもあった。
けれど、現実には無理だからこうして幸村は幸福を得るのだ。
「ぁ・・・・・・んっ・・・はぁ」
十分に育って、はちきれんばかりになったそれを絶頂まで導いてゆく。
(政宗殿っ・・・もっと触ってくだされ・・・・もっと先端を押し開いてそう・・・そこに爪を)
もう少しで出る。そのときだった。





「俺も混ぜてくれよ」





「!」
幻聴かと思った。ピクン。と、反応して目を開く。後ろから抱き付いているのは、紛れも無く伊達政宗だ。彼はなぜか裸であった。
ぴったりとくっついた肌が彼の熱を幸村に伝える。
(ダメ)
ぎゅ。と、目を閉じ身を固くした。
みられた。
そればかりが頭のなかでグルグルと回った。こんな破廉恥な自分を見られた。軽蔑される。そう咄嗟に思って、幸村はその場から逃げ出そうともがいた。
「そんな格好でどこへ行こうというんだ?」
「そ、それはっ」
確かに、こんな裸で外になどいけるわけもない。だが、ここで政宗にこの姿を見られることのほうがいやだ。
幸村は、歯を食いしばった。
その耳元で政宗が軽く息を吐いた。生暖かい吐息が耳をくすぐり幸村はびくり。と、震えた。
「逃げるな」
囁かれた言葉は、短い。だが幸村の動きを止めるには十分だった。
政宗が小さく笑った気配がした。
(恥ずかしい)
ぎゅう。と再び目を瞑った。
そんな幸村を背後から政宗は抱きしめてきて、首筋に唇を寄せた。それから顎を掴んで唇を塞いだ。
「っ」
唇を吸われて、肌が粟立った。政宗の右手が幸村の裸の上半身を弄り、胸のあたりにひたり。と、触れる。
「ここ・・・弄られたいか?」
甘い声で囁きながら、政宗は指先で幸村の乳首の周囲をクルリと一周する。乳輪を辿るようにする動きは、微妙な感覚を幸村にもたらした。
「それとも・・・・ここか?」
「っ」
幸村が答えないでいると、政宗はその指をつつっ。と、下の方へ移動させて幸村の中心の根元にそっと触れてきた。そのものには触れないで、そのまま手を滑らせて、内股に触れてくる。
さわさわと触れられて、幸村は腰をもぞりとさせた。
(ただ触れられてるだけなのに)
幸村は目を開いて自分のそこを凝視した。触れられてもいないのに、政宗の突然の出現で萎えてしまったはずのそこは再び頭をもたげはじめていた。
「このままでいいのか?」
政宗は執拗に敏感な場所を避けながらも、ある意図をもって幸村に触れてくる。触れながら、肌を味わうように口付けもしてくる。ちゅ。ちゅ。と、肌を吸われてべろりと舐める。むずむずとして幸村は悲鳴をあげそうになる。もっと直接触れて欲しくて腰が自然に揺れだしてしまう。
「ま、政宗殿」
「ん?」
政宗はとぼけたような返事をしながら、幸村を撫で回す。その手が腹の真ん中で円を描くように動き、そのまますっとわき腹に触れた。
「っ・・・・・政宗殿っ」
「なんだ? はっきり言ってくれねぇとわからねぇな?」
意地が悪い。だが、このままでは生殺しである。幸村は、ついに音を上げた。
「某の・・・・してくだされっ」
「Ah−,悪い。よく聴こえなかった」
恥ずかしくてごにょごにょと言ったのに、政宗は涼しい顔をして問いただす。
その間も、幸村の体を弄る政宗の手は容赦が無い。尻を揉まれて幸村は観念した。このままでは、おかしくなりそうだ。
「某のここに触れてくだされッ!」
切羽詰ったような声と共に、幸村は政宗の手を掴むと股間へ導いた。
「大胆だな?」
くすり。と、政宗が笑った。幸村は羞恥で死にたい気分だった。政宗の手を股間に自ら導くなど。
(某の破廉恥)
だが、それもすぐに気にならなくなった。
政宗の手が幸村自身を握っている。それを握りこんで親指でなで上げるようにされると、すぐに膨らみを増した。
「アッ・・・ンッ!」
クニクニと揉まれ、きゅきゅ。と、扱かれる。そのたびに、幸村はビクンビクンと跳ねるように震え、喉からは声にならないうめき声のようなものを発してしまう。政宗の指が本当に幸村のそれを弄っている。妄想ではない。それだけで、イってしまいそうで幸村は歯を食いしばった。
「アンタのここ。ヌメヌメだぜ? もう先走りがこんなにさっきまで自慰してたくせに溜まってるのか?」
「そんなことっ」
政宗の声だけでまた膨らんでしまう。
(政宗殿)
政宗の指が自分の先走りで濡れている。それが自分を擦り、追い立ててゆく。根元から先端へ愛撫されて気持ちよさに息が漏れた。同じように先端からは少しだけ白いものが飛び出した。
「美味そう」
「わっ!」
政宗は一言呟くと、幸村をくるりと反転させてその場に押し倒した。すぐに両脚を開いてそこに顔を埋めてくる。
「政宗殿!!」
焦って名を呼ぶが政宗は気にしない。そのまま政宗は、幸村の性器をつまみ上げるとそれを口に含んだ。
「っっ」
それだけで弾けてしまいそうだ。暖かなそれは、明らかに指とは違う粘膜でそれから絡み付いてきたのは政宗の舌だ。
「アッ・・・・だっ・・・・ひっぁ・・・・・!」
こんな気持ちよさは知らなかった。口に含まれて口をすぼめて抜き差しされる。舌を使って、根元から先端へと執拗に舐め上げられる。
「でっ・・・・でるっ・・・・!
「出せよ」
政宗はそう言って、幸村を口に含んだまま強く吸い上げた。
「あっ・・・・・あっぁっ――っっ!」
あっという間に限界まで持っていかれて、幸村はあっけなく果てた。はじけた幸村の精は政宗の口のなかへぶちまけられた。
それを政宗は受け止めて、ゴクリと飲み込む。
「はぁはぁ・・・・・ま、政宗殿・・・・・そなた・・・」
幸村は驚いて目を見開いた。政宗が飲み込んでしまったことに衝撃を受けた。だが、政宗は気だるそうに顔を上げて、濡れている口元を拭い、政宗はすぅ。と、目を細めて幸村を見下ろした。
「ご馳走さん・・・美味だったぜ?」
ニヤリと、笑う。そのまま幸村の腰をつかんでうつ伏せにさせる。
(なにを)
そう思いかけて、はっとする。
(某の中に)
政宗が入ろうとしているのだ。幸村はどきどきした。妄想はした。自分の指を突っ込んでも見た。だが、まだそれはほとんど未知の場所だ。
「幸村、脚開け。そうだ。四つん這いになれ」
言われるとおりにすると、尻をぐいと割られた。そこに政宗が口を寄せて舌を差し込んできた。
「ひゃっ! き、汚いっ」
「そんなことはねぇ」
ぴちゃ。と、卑猥な音が響いた。政宗が幸村の後孔を溶かしてゆく。そうしながら、政宗は手を伸ばして幸村の股間に触れてきた。
「アッ・・・・ああっ・・・・あんっ・・・ぅ」
ぐちぐちゅと卑猥な音はだんだんと大きくなってきて、幸村はただ悲鳴を上げた。
政宗の舌が内壁をこじ開けて解してゆく。そうしながらなだめるように前を擦られて、その気持ちよさに腰が揺れる。
いつのまにか、四つん這いのまま政宗に尻をこすりつけるようにして揺れる幸村がいた。
「幸村、あんた淫乱だな? 普段はそんなこと知りませんなんていうような顔をしてるくせに、早くかき回して欲しいとばかりに腰揺らして」
「違っ・・・・あんっ!」
否定しようとしたら、いつのまにか入り込んでいた指が中でぐにと曲げられて悲鳴を上げた。
「違わけねぇな。こんなに俺の指に食いついて離れねぇじゃねぇか」
「あっ・・・・・いっ・・・・・・・んんぅっ」
「淫乱」
そう繰り返して政宗は指を引き抜いた。その際、幸村は自分でもびっくりするような声が出てしまい真っ赤になった。
(中がキュウキュウしているでござるよ)
政宗の指がなくなって、寂しげに蠢いている。だが、政宗が背後からどく様子は無い。
胸が高鳴った。すぐに、政宗が幸村の腰をつかんで尻の割れ目に己をあてがう気配がした。その先端は熱い。
「幸村・・・・」
擦れた声が聴こえた。その瞬間、幸村のそこに政宗が張り込んでくる。
「いぁぁぁっ・・・・あっひぃっぅ!」
ビリビリと体が裂けていくようだった。痛みに甲高い悲鳴を上げると、なだめるように政宗は幸村自身を握りこんできた。グニグニと揉まれて、幸村はあえぎ声を漏らした。
「あっ・・・はぁ・・・・んっ!」
グイグイと、入り込んでくる痛みは相当だったが、その熱に幸村の体は喜びにうち震えていた。政宗が今、幸村の中にいる。想像するだけで決して実現するとは思わなかったことが今、現実になっている。
ようやく政宗が幸村の中におさまった。互いに荒くなった息を吐き出す。
「幸村、平気か?」
「政宗殿・・・もっと某を貫いてくだされ」
「っ・・・・煽ったのはお前だぜ?」
ヒトが優しくしようとなどとブツブツいいながらも、政宗は幸村の中でまた少し大きくなった。
「動くぜ」
呟くように政宗が言う。そうして、政宗は己をずるずると引き抜いて幸村のなかへ打ち込むように腰を揺らし始めた。


「あっあっ・・・・ひぁっ・・・・・・あっ!」
ガクガク揺さぶられて、幸村はそのたびに嬌声を上げた。
(気持ちいい)
政宗の打ちつけるものが、内壁を擦り痺れるような甘い感覚が全身を駆け巡り幸村は恍惚とした表情を浮べている。
「政宗殿、もっと・・・・もっと」
「幸村・・・・幸村っ」
何度も抜きかけては突き上げ、揺さぶりその動きがだんだんと激しくなってゆく。
「アッアッ・・・・も・・・・・・・!」
「イケよ」
政宗が手を伸ばし、再び幸村自身を握りこんだ。そうして、先端に爪をかけた。
ピリ。と、した痛みのあと幸村の腹筋が波打った。
「アァァァァァッッ――――!!!!」
その瞬間、幸村は白濁したものを飛び散らせた。
と、同時になかもぎゅと、締まる。その刺激に政宗もまた幸村の中で熱を弾けさせた。











「Hey、幸村」
「なんでござるか?」
政宗は幸村の肩を引っつかんで抱き寄せる。突然のことで驚いていると、政宗は幸村の耳元に口を寄せて囁いた。
「その戦衣裳。本当にアンタの乳首は露出しねぇようになってんだよな?」
「なっ?! 当り前でござろう!」
なにを言い出すのかと思えば。幸村は真っ赤になった。
「ならいい。アンタのかわいらしいソレを含んだり抓んだり吸ったりしたりしていいのは、俺の特権だ。勿体ねぇから、誰にもみせんなよ」
「破廉恥!!」
「HAHAHA!! 破廉恥ついでにこのまま剥いてやろうか?」
政宗が笑いながら、幸村から素早く離れた。


「全力でお断り申す!!」


怒声に近い声で幸村は言った。何事だろうかと前を歩く信玄とそれに付き従う佐助が振り返った。
「どうした、幸村よ」
「旦那?」
幸村が意味不明な声を発して、走り去ったのは言うまでも無い。
だがそれは政宗が破廉恥というよりも。
(某の破廉恥!!)
一瞬の間にいろいろ想像してしまった己が破廉恥だったからだ。





その後。政宗がどう説明したのか。
恐ろしくて問いただせない幸村であった。
















えーと・・・・幸村はこんなんじゃないと。
私が一番思ってます。
もっと清廉潔白なコだと思ってますが、
幸が自慰ってイイなぁ。という、腐りきった思考からできました。
政宗の夢オチも考えたのですが。それはあまりにも不憫だった(笑)
読んでくださってありがとうございました。

21.4.15.青山