Promise・・・ ―――さっきまで、触れ合っていた唇が―――まだ『熱い』… 赤のパイロットスーツの少年の背中を見送ったカガリは、まだ唇に暫く指をあてて、その場に立ちすくんでいた…。 暫くして、自分たちが先程降りたエレベーターの『シューッ』とドアの開く音がする―――。 「カガリ、どうしたの? こんな所で?」 青いパイロットスーツに身を包んだ少年――キラが声を掛ける。 慌てて踵を返し、カガリが答える。 「なっ、なんでもないよっ!」 「…本当? 顔、何か赤いよ?」 「本当に、何でもないったら!!」 ムキになって答えるいつもの『カガリ』――― こんなときなのに…やっぱり、そんな仕草をみるとホッとする…。 キラの少し寂しげな笑顔に、カガリは言葉を掛ける。 「なぁ、キラ…お前…」 「…何?」 (…言えないよな…今更、『あの写真』の事…なんて…) 俯くカガリにキラも言葉が詰まる…。 (…言えなかった…カガリに…『本当の僕』のこと…『本当の両親』のこと…でも『本当の事』を知ったら…カガリは…) いつか、話をしなければならないときが、自ずとやって来る。 でも、この戦況で… たった『3隻』の仲間で… 今の『自分のまま』で… 果たして生きて戻ることが出来るだろうか… 『―――帰ってきてくださいますね。』 ラクスのとの約束に…誓うことも出来なかった… 『今のままの僕』じゃ…何も… ―――『最高のコーディネーター』? 人の『欲望から生まれた』という『僕』… 『欲望』と、『妬み』と、『羨望』と… ずっと…戦ってきたんだ…傍にいるナチュラルの…視線から… でも、違う人もいた―――。 初めて出会った、僕を『僕』として、何の虚飾もなく、受け入れてくれた―――『カガリ』 確かカガリに以前話した気がする――― 『―――それって、ナチュラルの『夢』だったんじゃないのかな・・・?』 そのとき、カガリは何て言ってくれたんだっけ? 互いに俯いたまま―――数秒のことが、永遠のように長く感じられる。 …と、意を決したように、カガリが声をあげる。 「まぁ…いいか!」 いつもの真っ直ぐな瞳をキラに向け、真剣な眼差しでカガリはキラを見つめる。 「キラ…お前に『話したいこと』がある。」 「えっ?」 「話を聴きたかったら、絶対『生きて』帰って来いよ!」 「…カガリ…」 黙ったまま見つめ返すキラに、カガリは頷くと、もう一度大きな声で言い放った。 「いいか、話、聴いてもらうまで、私は絶対死んでやらないからな!」 (…なんか、言ってることがメチャクチャなんだけど…) そう思い、ふと蘇る―――あの時もメチャクチャな言い方だった…。 『何でおまえ『コーディネーター』なんだよ―――。』 初めは言っていることの訳がわからなかった…でも、その『コーディネーター』の 『僕』をそのまま直ぐに受け入れてくれた『言葉』だったんだっけ…。 同じようにカガリも思う――― 本当は『話したいこと』じゃなくて、『聴きたい事』なんだけど… お前…私の『聴きたい事』、隠したままにしておくつもりだろう? だから…そんなことさせない。 お前が…私の『弟』なら… こうやって『約束』すれば…守るよな? まぁ、『話したいこと』もあながち『嘘』じゃないか…。 一緒に『生きて』…『話』聴きに行こう… お前の『両親』―――ヤマトの『お父さんとお母さんの所』にさ… ―――キラは黙って頷く。 そしてカガリももう一度、強く頷くと、互いに進むべき先と向かった…。 ・・・to be original story. >48話の『例のシーン』の後の妄想話です。 双子…好きなのに…大好きなのに…「会話がないっ!!(涙)」 …ので、唐突に書いてみたくなりましたv アスランには「死なせない」とカガリが言ったのはアスランが「死を覚悟していた」のを 感じていたから…と(勝手に)解釈したのですが、キラは「自分の存在」(←某エヴァの シンちゃんみたい…)に疑問を持っていたと私は感じたので、あえて『生きる』という言葉 (=いるべき存在)をカガリに使わせてみたつもりなのですが…。うまく表現できませんで した(哀)…誰か、代わりに書いて欲しい(切望!)です。 >Nami
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