Believe
アークエンジェルがレジスタンスの明けの砂漠と行動をとるようになって数日。
はじめはお互いに警戒心を持っていたが少しずつそれもとけてきていた。
明けの砂漠の一員のアフメドもいつもと変わりない仕事をしていた。
唯一の心配事を抜かして。
「アフメド、キラを見なかったか?」
問いかけてきたのはカガリ・ユラ・アスハ。
明けの砂漠の中で唯一の女性であり、密かにアフメドが思っている相手でもある。
白い肌に金髪で美しい少女だが、服装は少年のようなものを好む。
今は上着を着ていないため、そのシルエットから少女だということを否応なしに確認できる。
毎回見てはいるがアフメドにとって心臓にとても悪い。
「キラ?」
「あ、あぁ、あの地球軍のパイロットの奴だ」
(また奴のことか・・・)
このところカガリは例のモビルスーツの少年によく会いに行く。
もちろんアフメドの心配事とはこういうことで。
「・・さぁ、知らないな。オレに聞くより地球軍の奴らに聞いた方がいいんじゃない?」
不機嫌になったアフメドにカガリは一瞬驚く。
「そ、そうだな・・わるい、アフメド。」
気まづそうにそう言ってカガリは駆けていった。
「・・・チッ」
思わず舌打ちをついてしまう。
胸がいらつく。
どうしようもなくいらいらし始めたその時、仲間の一人が近づいてきた。
「お〜〜い、アフメド、昼メシにしようぜ。・・・・あれ?、カガリは?」
「知らねぇよ・・」
「めずらしいな、おまえらいつも一緒にいたじゃん。」
そうだ。キラとかいう奴が現れる前はいつも一緒だった。
作戦する時や戦闘している時や食事の時だって。
歳が近いせいか気がよくあっていたんだ。
飾り気ないカガリに惹かれていくのは簡単だった。
ずっと一緒だと思ってた。
だけど-----今はカガリが離れていってしまう気がしてならない。
仕事を一段落中断させて夕食の時間、アフメドの視界に両手に食事を持っているカガリが写った。
イライラしている気持ちを抑えてカガリに近寄る。
「カガリ、何やってんだ?」
「ん?ああ、これ。キラにも食べさせようと思ってな。」
少し照れたようにカガリは微笑する。
「・・・何で・・・なんであいつなんかにそんなこだわるんだよ・・」
ムカっとしてしまい、聞くまいと思ってたことが口から出てしまう。
「え?い、いや、こだわるというか・・・なんか気になるんだ・・」
「気になるって・・?」
声に棘が含まれているのをカガリは感じ少し戸惑う。
「なんか私に似ているところがあるんだ・・・。あ、そ、その、あのモビルスーツについても聞きたいしな」
一瞬寂しげになるカガリに不安がつのる。
「カガリ・・・お前は・・オレたちから離れていくことなんてないよな・・?」
自分が今かなり泣きそうな顔をしているだろうなと思いながらカガリの顔を見つける。
「な、なにを唐突に。あたりまえじゃないか・・・・。」
困惑したようにカガリは視線をそらせ下を向く。
そこには自信が見られない。
「カガリ・・」
あせるように言うアフメドにカガリは顔をきっとあげる。
「それに・・・もし私がお前たちから離れたとしても・・私の居場所はここだ。ここが一番自由を感じられる唯一のところなんだ。」
迷いのない瞳。
自分達の所を居場所と言ってくれる、勝利の女神。
カガリはいつも自分の言ったことは覆したことはなかった。
なにかがふっきれたような感じがした。
「・・・そうか、じゃあオレも一緒に行く。」
「え!?」
驚いた顔をしてカガリは見上げてくる。
「キラって奴を探してるんだろう?オレもついてってやるよ。」
くっと笑い、がっかりしたような、安心したような顔をしているカガリをみつめる。
「カガリ一人だけだと不安だしな。オレがついてないと。お前すぐ周りが見えなくなるからなぁ〜」
「う、うるさいなぁ・・」
アフメドの言葉に口を尖らせながらもいつも通りの彼にカガリは口元が緩んでいた。
(欲を言えばオレたちじゃなくて、オレがお前の居場所だって言ってくれたら良かったけどな)
「キラ!」
「カガリ。あれ?そっちの子は?」
「あぁ、こいつは私たちの-----」
「アフメドだ。いつもカガリが世話になってるな」
カガリの言葉を遮りニッコリ笑いながら手をさしだす。
それに応じたキラの手を握る、おもいっきり強く。
「い、いえ。こちらこそ」
戸惑いながらも穏やかにキラは微笑んだ。
「あ、私飲み物を取ってくる。」
そんな空気にはカガリは気づかず、二人だけが残された。
「あ、あの・・アフメド・・さん・・・?」
この雰囲気が耐えられずキラは思い切って話しかけてみる。
しばらく間があり、ふいにアフメドはキラを睨み付けて
「ぜってー、お前には負けない。」
びっしっと指を向けてそう言い放った。
「ただいま。どうした、キラ?」
カガリが戻ってきたときもキラは固まっていた。
「い、いや、なんでもない・・・」
「?」
困惑ぎみのキラにカガリは首をかしげる。
いつかカガリがオレ達から離れてしまう時がくるかもしれないけど・・。
それでも、その時まではオレがカガリを守る。
とりあえず・・・・・こいつには負けるもんか。
「何か・・・勘違いされてる気がする・・・・・」
一人闘志を燃やすアフメドを背にキラはぼそっとつぶやいたのであった。
----------------------------------------------------------------------------------
あとがき
すみません、すみません・・。小説を書くことなんてほとんどないので・・へぼいです・・。
自分の文章力のなさに泣けてきます。
シリアスはやっぱ無理かも〜。
今回はキラ+カガリ←アフメドっていう感じで。
本当は私はアスカガ派なんですがね〜(汗)
17話見てからアフカガに燃え中です。
これも全てアスランとカガリが出会わないのが悪い!
本編でもカガリとアフメドたちのお別れがあると思いますが、どういう分かれ方をするのか今から楽しみです。
でも分かれてほしくない・・
アフメドも一緒にAAに乗ってくれないでしょうか。
無理かな・・やっぱり。
でもだからこそアスランとカガリが出会うまではアフメド君に頑張ってほしいです
次は小説はアスカガを書いてみたいな・・