laset battle

生きている。

自分達は生きている。

嬉しい―――――

生きていることがこんなにも嬉しい。

二人は抱き合いながら泣きじゃくった。

互いに生きていることを確かめあうように。











アスランはヤキン・ドゥーエに突入しジャスティスを核爆発させようとした。

それはもちろん彼自身の死を意味する。

それをためらいもなく実行しようとしたその時、カガリが泣きながら叫んだ言葉。

「逃げるな!生きる方が――戦いだ!!」

簡単に死のうとするな。そんなの戦いじゃない。

それは逃げと同じだ。

精一杯生きようとすること、それが戦いだ。

カガリの言葉によりアスランは生きる道を選んだ。

ジャスティスの爆破コードを入力したら、ルージュに乗り脱出すること。

間に合わないかもしれない。けれど、それでも、今は思う。

カガリと生きたい。

カガリと一緒に生きたい。


気が付いた時はプラントからの停戦要求の周波が流れてきた。

ハッチを開け、外の様子を見る。

嵐の後の静けさ、というのはこういうことを言うのか。

そんな事を思っていたら、カガリが抱きついてきた。

ぼろぼろに泣いている顔を見たら、初めて自分が生きていることに気が付いた。

俺達はまだ生きている。そう思った瞬間、カガリを抱きしめて自分も泣きじゃくっていた。

カガリも俺を離さないように抱きしめて泣いていた。

二人で泣きじゃくった。

でもそれは、悲しみの涙じゃなかった。

ただ、嬉しかった。自分が生きていることが。

そしてカガリが生きていることが嬉しかった。

「ありがとう・・・俺を生かしてくれて」





しばらく泣いた後、見なれたロボットが視界に入った。

瞬間、思い出される大切な友人の顔。

「キラ!?」

カガリにとっても大切な肉親。

カガリもまた気付き「キラは!?」と不安げに問いかけてきた。

キラもジェネシスの近くで戦っていた。

爆発にまきこまれたせいでPS装甲はダウンしてしまったため通信はできない。


どこにいる、キラ――――



カガリを見ると、不安そうに周りを見回していた。

カガリを安心させるように抱きしめながら

「トリィ、キラはどこだ・・・?」


そう問うと、ピィーと理解したとでも言ったのか、クルクル周りある方向に向けて飛びはじめた。

「カガリ、トリィについていこう、キラの居場所が分かるはずだ」

安心させるようにカガリに微笑みかけると、カガリの腕が背中にのばされた。

「うん、行こう!」

ぎゅっと抱き合い、ルージュをトリィの後に進ませた。



「キラ・・・絶対生きてるよな!・・・うん、絶対生きてる、アイツは」

やはり双子だからだろうか、カガリの顔は確信に満ちていた。

「ああ、アイツはそう簡単に死なない」

二人で顔を見合わせ頷いた。

ピィーー

トリィの鳴き声が聞こえた。

はっとそちらの方に顔を向け、モニターで拡大して見てみる。

無惨に壊れたもビルスーツの中をトリィが飛び、その先にあるのは

横たわっている青のパイロットスーツを着た人物。

「キラっ!」

カガリがハッチを開けてその存在を確かめようとした。

間違いなくキラだ。

こちらに気が付いたのか、顔を少し傾け、その表情を驚きにかえた。

「アスラン!キラ、生きてた!」

確信はあったものの不安だったのだろう、カガリの目にはまたたくさんの涙のつぶがたまっていた。

「ああ・・・」

俺も泣いていた。

キラも生きていたのだ。

キラの目にも涙が沢山浮かんでいた。

ルージュをキラの近くによせ、二人でキラを抱き寄せた。

「キラ!キラ、キラァ・・・」

カガリは泣きじゃくってキラを抱きしめた。

「カガリ・・・かガリ・・・」

そんな彼女を嬉しそうに抱きしめながらキラも泣いた。

「アスラン・・・かガリを守ってくれて、ありがと・・」

泣きじゃくるカガリを抱きしめながら涙まじりに俺に顔を向けた。

「アスランも・・・無事でとても嬉しい・・・」

「ああ・・・お前もな・・・」

キラの腕がこちらにのびて、カガリも気付いたように片腕をのばした。


そして、泣きながら笑って。




三人で抱き合った。




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後書き

最終回です。
本編の補完を少ししたかったので・・。
でもアスランやカガリの気持ちはちゃんとした公式の小説を読まないと分からないかもしれないですね・・。
とりあえず、小説5巻目待ちます。
それまでは妄想でのりきります。

っていうか、あれで本当に終わったんですかーーー!!?
サンライズさんーーー!福田監督ーーー!!
絶対伏線はってますよね・・?



ほんとはこの後の話のほうが書きたいんです!!
・・ということで、続くかもしれません。