水あわせ


水あわせとはその名の通り生態を水質・水温の異なる水に 移動させる際に行う作業のことです。

魚やエビ等の生態はその体長に見合ったわずかな生命力しか持ち合わせておらず 何かの拍子に死んでしまうということも少なくありません。 そのような生物が輸送の際に受けるダメージは無視できるほど小さいことは まず無く、
きちんとケアしなければ購入直後に"死"という最悪の事態になりかねません。

従ってアクアリウムをやる場合生物へのダメージを最小限に抑える 為の水合わせは
必要不可欠な作業であると言えます。

まず水あわせにおいて最も重要となるのはその目的、 "生物への負担を最小限に抑える"を決して忘れないということではないでしょうか。
これは、水合わせに慎重になりすぎて かえって生物に負担を与えてしまう場合があるからです。

正に石橋を叩き過ぎて壊してしまう状態なのですが 何故かついこうなってしまいがちなので注意しましょう。

具体的な方法は今までは袋を水槽に漬けて・・・が基本となっていましたが 最近はより慎重に水あわせを行える滴々法もポピュラーになりました。

以下にそれぞれの水合わせの方法を記します。

一般的な方法

滴々法


一般的な方法



さて、一般に考えられる水あわせのは時間については多少差はあるかと思いますが
  1. 袋ごと水槽に20分浮かべておく
  2. 袋の中の水を水槽と半分、もしくは3分の一入れ替えて 更に15分程度浮かべておく
  3. 水槽に放す
ではないでしょうか。
水の水温を合わせた後に水質に慣れさせるという手順です。
店舗などでは、特に量販店では進められる方法ですね。勿論間違ってはいません。
しかしながら現実問題として不足であるというのは確実です。

まず水温について、これは20分でも水温がさほど違っていなければ
同程度の値になりますし、まったく同じでなければならないと言うほどでもありません。

問題なのは後者、水質合わせについてです。
少し考えればわかることですが1/2や1/3というのは百歩譲っても少ない量とはいえません。

一度にこれだけの水を入れ替えると生物はまず負担を受けるため できれば1/10か1/20くらいずつ、
しかも入れ替えるのではなく足していくことをお勧めします。

1/10等の理由はわかりますよね。
入れ替えではなく足していくというのはその方が水の変化が少なくなるためです。
袋内の水が多くなったら適量外に出してまた足していきます。

また、水を少しずつ足していくため予め水温を合わせる作業は不要です。

以上のことを整理すると
  1. 水をほんの少しずつ袋に足していく。
  2. 間隔は一度あたりの足す量と比例する感じで、最小で数分おき程度。
  3. 水が多くなったらその都度排出する。


以上のサイクルを一時間はやった方が良。

となります。
はっきりいうとダルイ手間がかかるので、私としては下記の滴々法をお勧めします。


滴々法



滴々法は 上記の方法がより楽に、かつ確実になった方法で、
点滴のようにわずかな水を足していくことから名付けられました。

方法はいたって簡単で
  1. バケツなどの容器(勿論洗剤が付着している可能性があるものは不可) に袋の中身を全部あける。
  2. エアチューブで移す水槽の水を送る。
  3. (送水が長時間にわたった場合は温度を合わせてから)水槽に放す。

と、これだけです。
水を送る際は呼び水をし、そのままでは水量が多すぎて 無意味なので途中で結ぶか、洗濯ばさみではさむ等して水量を調整します。
管にエアチューブを使うのは細いから、そしてアクアリストなら 既に所持している場合が多いからというそれだけの理由です。

この方法の利点はなんと言っても送水を確認したら
しばらくの間ほったらかしにできることと、連続的に一定の水を足し続けられる点にあります。

これはどちらも上記の一般的な方法でネックとなる要素で、
むしろ滴々法が一般化した最大の要因と言えるでしょう。

飛鳥

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