私にだけわかるメモです。参考になりますか?

2005.10.2 NHK大学セミナー「天野祐吉講演会」
        流通経済大学新松戸キャンパス
      「いまどきの日本語」
講師 天野祐吉氏



2005.9.27 地域教育セミナー 「子どもたちは、いま」

講師  元家庭裁判所調査官 淺川道雄氏

@自己紹介 1931年生まれ(S6)14歳で終戦を迎える。
教育勅語の崩壊を経験する。平和と民主主義を守りぬきたいという思いがある。
全司法労組在職中から「日本子どもを守る会」の常任理事を務める。
  
 家庭裁判所とは・・・大人であれば「犯罪」であるところを「非行」といって犯罪と区別する。
             少年法では少年を犯罪者扱いしない。
 少年法の第1条では目的に「少年の健全な育成を図ること」となっている。
 以上のような理由から、少年係の調査官は独特のシステム。少年法の9条では、
侵した罪の大小にかかわらずすべて調査しなければならない、としている。
 大人の場合、1回目の出来事は不起訴・起訴猶予などと恩恵的な配慮がなされることが
ある。

 一罰百戒・・・大人の刑事裁判・・・1人を罰することによって同様の犯罪がおこることを防ぐ。
しかし、少年(未成年)の場合は

 行状・経歴・素質・環境について調べることと定められている。

※素質は知能、と言い換えることができる。
※この4つの要素を調べなければならない、ということは
非行はこの4つの中から生まれてくる、と考えることもできる。

 医学・心理学・教育学・社会学を活用する。(先生は哲学科出身)
いわば“患者”のような扱いをする。また、少年のみならず、周りの大人に対しても調査する。

A最近の子どもたちの問題行動

 不登校・プチ家出・従来型でない新しいタイプの非行・・・など
 「非行」は増えていないが減ってもいない。
 ・万引き
 ・自転車のかっぱらい(無断借用)・・・遺失物横領 占有離脱物占有など
盗みよりも軽いことが少年には多い。
統計上の数字はアテにはならない。(調べる側の事情がある)

 少年院までいった子→初発非行・・・ここでつまづくとダメ。
 初発非行のときにプラスに変えられるような親子の会話が必要
  ダメなのは・・・兄弟との比較
           「親の顔に泥を塗りやがって・・」などと責めることまた、手を挙げること。
 初発非行というのは、一過性の非行少年。「いつ」だったか、が大切。
いわばはしかのようなもので、小さいときにはたいしたことがないのに、大きくなると
起こす事件も大きくなってしまう。

 従来型と違う方の非行に注目している。
 子どものみならず、大人も、従来であれば
最初は軽い犯罪から重い罪を犯していくようになるステップがあるが、
現在は いきなり強盗・殺人などの重大な事件を起こす。
それまでは「良い子」といわれていた子がどんでもない重大な犯罪を犯す。
至近の例では 板橋両親殺害事件

B子どもたちが陥っている困難な状況
 子どもたちがかわってきた?・・・面接をるとわかる。考えるのが苦手。
                    本人に「なぜ、こんなことになったと思う?」という問いを訊く。
                  →それまで他のことについてはしゃべるのに、突然黙ってしまう。
                   「さあ?」「べつに?}
・出来事の記憶はあるが、再構築できない・・・失敗すると二度と挑戦しない。「あきらめる」
・感情のコントロールも苦手

心とは理性・感情・意思 である。

彼らと話していると年齢不相応に幼いことがわかる。人間らしい心が育っていない。
経験がない。
反射・・・快・不快・・・これは「心」以前の世界 この心の未成熟さがわかると、
いくつかの事件の真相がわかってくる。

これは子どもだけの問題ではなく、親の問題。親が思春期の心の動きに無理解。
思春期には生理的に親に対して疑惑の念を抱く。親に不信感を抱き、他に理想とする
「モデル」を求める。親を超えようとする。そこでこじれていく。
男の子も女の子も今までの自分とは違った自分を発見する。
たとえば女の子であれば化粧など、「こうありたい」を模索していく。
それを理解できない親の心・・・子どもにとっては「殺したくなる親」→プチ家出
ここで親があきらめること。ここで「こんなハズではなかった」とあきらめないと
行動はどんどんエスカレートしていく。

ありのままをどう認めるか。


Cその背景としての社会、学校、家庭のゆがみ
 勝ち組・負け組といった分け方。
 ・新自由主義といわれる弱肉強食の価値観はサッチャー政権時代のイギリスで生まれた、
といわれる。それがアメリカにわたり、日本に入ってきた。例えば・・「聖域なき改革」
 ・高度成長時代に生まれた「経済効率優先の法則」が学校にまで浸透してきてしまった。
学習指導要領で教える内容が増え、モーレツに競争させられる子どもたち。
とにかく、覚えさせる。繰り返しのスキル。テストの点=人間の点であるかのような価値観。
反抗するものに対しては管理の強化をする。

義務教育の9年間
・・・子どもの義務だと思い込んでいる受身である考え方がほとんど。
義務教育の義務とは、教育基本法4条に定められた保護者の義務なのであって
子どもたちにとっては「権利」である。
 見抜かなかった親・・・落ちこぼれないように・・・→家庭の雰囲気が変わる
                   ↓
                 学校よりも学校的な家庭
 少し前は「9歳の壁」と言われた。「3才からでは遅い」→胎児にまで教育
生まれる前から徹底的に「受け身」

「神戸事件」・・・新しいタイプの犯罪の最初の事件⇔自殺に近い殺人
  本当の理由は何か? と思っていた
   “思春期の自分探し”をしたところ、自分の中に自分がないことに気づく。

 個人の尊厳を重んじ・・・の教育基本法(資料)

D子どもに内在する可能性
 子どもは、起こした罪の大きさにみあうくらいの深い心の傷を抱えていることが多い
   理由は二つ ・納得のいかないことで「うん」と言わされた
           ・えこひいき・差別はまっぴらごめん

 そんな子を産んだ覚えは無い・・・・→頼んで産んでもらっていない 

 他人に対して思いやりが無い・・・・・だからボランティアの強制などとおかしな話になる

1人はみんなのために みんなは1人のために
 民主主義のモラルは自由・平等・博愛。(順番もこのとおり)
  自由・・・フランス革命のときに他人を害しないすべてのことを行う
       能力と条件があれば
            ↓
        他人もそれを持っていることを知るべきである
  平等・・・尊厳において
 
E大人が果たすべき役割とは
身分社会の子ども観・・・経済効率最優先・・・→人間関係のトラブルをなくす
   子育ても効率がよければOK!?  オムツはとれなくても英会話は得意、という子の出現
親は“自分なりの育て方”を親の権利として取り戻す。
“べきである”をふりかざさずに葛藤しあう。子どもとの目線の高さを同じにする。

心の育たない子はいない。 心の強さ、は家庭での葛藤から。

F子育てと愛情
 “愛情とは本能から自由になった心の働き”
 
人類が長い時間をかけて育てられた文化。
 愛情の対象についてつねに学習が必要。愛情とは自分を変えていくこと。
 相手・自分について学習を怠らないこと。
  
 子どもの話を批判しないできいてやる
 子どもがたのんだことだけを親がやる。

2004.11.11 子どもの輝く個性を伸ばす
                         〜あらためて、子どもたちの夢をはぐくむ子育てを〜
東京大学教授 汐見稔幸氏

【子どもの個性をどう伸ばしていくか】
キーワードは個性。個性って何? なぜ大事なの?
日本人にとってはわからない、ピン、とこないのが「個性」
むしろ、江戸時代、明治初頭の人々のほうが個性的であるように感じる。

私たちは個性のない時代に生きている。
欧米人との「個性」の感覚の違いがある。
他の人との違いがハッキリするように育てるのが大切な親の仕事、という認識。
   一人一人を違う人間に育てるということは、この子はどういう子なんだ? ということを常に
 考える子育て。
<エピソード>
 ハーバード大学に夫婦で留学していた知人の娘二人(当時4歳・5歳)に
お揃いのTシャツを着せて保育園に預けたところ、周囲の母親たちが脅威の目で見られた。
「それぞれに似合うTシャツは違うのに、なぜ同じものを着せるのか?」など
矢継ぎ早の質問攻めにあい、「CRAZY」とまで言われる始末。
<エピソード>フランス人による著書「青い目で見た日本の教育」
このなかで、日本は丁寧に子どもを育てている、と述べられているが、
日本は「すぐ他の子と比べて育てている」これには違和感がある、と述べられている。

他人と比べてはいけない、という根本的なところで「個性」の考え方が違う。
<エピソード>
 京大のフランス人夫妻のエピソードは運動会である。そもそも、運動会はヨーロッパにはない。
運動会は軍事訓練をもとに作られたもの。フランスでは
「自分が本当に大事だと思うことをできる人間に」
「人がやっているからといって安易に同じことをしない」
<エピソード>
 ドイツでは、第二次世界大戦のあと、「なぜファシズムの国になってしまったのか?」
という分析・反省がなされた。
「人と同じことをする、ということを安易に選ぶ人間になってはいけない」
「必要があるときにすればよい」
「自分の考えをちゃんと言わなければならない」
人の真似をしてはいけない。

  「私」にしかできない表現の能力」
Individuality(個性)・・・語源:分けられない存在
「その子でしかない、その子らしさを育てる」

日本の文化は儒教文化の影響をうけている。
あなたはどう思うの?ということを常に問われているということ。
ロンドン駐在の記者が街頭インタビューで感じたこと。
日本ほど高学歴ではないのに、政治問題・経済問題などに
必ず自分の意見を答える。
いつも「あなたはどう思うの?,」
と問われる社会の是非は別として、そういう社会である。
日本は「人の意見が固まるまで、自分の意見をもたない」
自分の意見が言える→自信がある、ということ。

日本は鎖国という歴史をもつ。そのなかで「察し」の文化を育んできた。
しかし、もともとは「議論する文化」を持っている。そのよい例が「小田原評定」
全員一致するまで、とことん議論するのが常であった。
明治時代の坂本竜馬、高杉晋作などの個性が育まれた。
かつてもっていた批判精神と、上手に合意していく術があった。

個性がある、ということは人もそうなんだ、と認めること。
それは「イジメ」をなくすことでもある。
時代が要求しているテーマである。
察しの文化を大切にしながら、議論できる社会をつくる。

自分とは違う、他の自分を自覚する。
持ち味を生かせるかどうか。
「せっかち」「のんき」はそれ自体は良いも悪いもない。
役割を果たせるパーソナリティにしていく。
善くみる、ということが大切である。

子どもが、自分に自信がもてる。「まぁ、いいんじゃない?」
しっとりとした自信をもつことで、人間はどんどん「自由」になる
そして、集団が自由になれる。

<個性は大きくなったら育つもの?>
個性の芽は赤ちゃんのときからみんなにある
それが母親好みでない個性だった場合、親が認められるかどうかということろが
ポイント。ないものねだりをしてもしょうがない。

エピソード
図工の時間の参観日
いいものをつくりたい、という気持ち・・・父ちゃんの見方・母ちゃんの見方は違っていい。
しっとりと自分の持ち味を周りがそう言って伝える。
「クセを善く見る」ことが個性を育てる方法である。
性格・人となり。

しつけは見極めである

2番目に大事なこと
「それがアンタのいいところ」ということを伝える。

3番目に大事なこと
父母が自分自身の個性を大事に認めていくこと。

苦手をさらけだせる練習をする。自分を裏切らないこと。
ありのままを受け入れることで自由になっていく。

統計から
自信をもてない日本の子ども
ひきこもりの若者が80万人とも150万人とも。
「ひきこもり」は日本的な状況。若者のエネルギーが
外に出て行かない。

国際化社会で仕事をするときに、
「違いがあるっておもしろいね」
という受け止め方ができる人が求められる。
自分の個性に対する信頼感が大切です。


2004.10.26 子どもの環境づくりのランドスケープデザイン
                     千葉大学園芸学部 都市建設論 木下勇助教授・工学博士
ノルウェーを代表する世界に活躍する遊び場環境デザイナーのフローデ・スバーネ氏から遊び場の
環境づくりのお話しをうかがう。

ゆかいな遊び場、エコスクール、そして「子どもにやさしいまち」

講師: Frode Svane(今回が初来日)

2歳と7歳のお子さんと昭和記念公園で遊ぶ。
ノルウェーは人口650万人 日本から比べると小さな国
首都オスローでも45万人 まずは、人口・人口密度が違う

国土1755Ku
一番南が緯度としては北海道と同じくらい。
気候も違う。
北は冬は暗い。夏はいつまでも明るい
講師はオスロ育ち。仕事ではデンマーク・幼稚園などを建設
ノルウェーは中心部から15分もあれば緑地帯。
森のグリーンベルト。(南はフィヨルドを除く。)
カヌー・ウインタースポーツ・クロスカントリー・ダウンヒルなど
路面電車などで学校の子どもたちもレクリエーションに利用している。
どの学校も週に一日は森で過ごす“nature school”
公立でも自然の授業がカリキュラムとして組まれている。
海・湖との接触

オスロー大学で25年、建築・社会教育 子ども参画で環境づくりをしている

波・・big wave のぼる・踊る・・・2歳
市の北 美しい小川
西側 フィヨルドで侵食された険しい崖
大きくなって、森・山へ。16歳になると、冬に若者だけで氷山の探検(冒険)をする
→一人で山に入るトレーニングをレクリエーションとしてする。

ランドスケープ
 スキーのジャンプ台(子ども用)・・・地形を利用して、子どものジャンプ台を子どもが自分で作る。
<スペシャルコンセプトスキー>
小さな子どもにはたくさんのバリエーションに慣れるように。
フレメンス・・・スキー遊びの考案・・・日本語訳出版済み

ノルウェーは、冬はスキーでどこにでも行ける!
湖の上はアイスホッケー
Sliding
Snow is most important element.・・・いろいろなものを作れる。
雪の深いときはSnow board
学校の校庭で、雪のレンガ・ロードづくり。

学校から10分で行けるところに土曜日に集まる
森の散策をする。親同士の出会いの場所でもある
 ・エコロジー
 ・Map reading(地図とコンパスを持って)
いろいろなものを発見する
    ・・・・・・・こういったプログラムをつくるのがフローデ氏

子どものエクササイズのポイントを設置する
 ・シェルター
 ・キャビン
 ・テント
どの学校もこういった場所をもっている
  たとえば、5年生に子どもがつくるシェルターづくりをする
  地図をつくり、どこに置くかを5人一組で物をつくる。
  そこに親も招待してバーベキューをする
この年はたまたま雪が多くて木の先端が重みでたくさん折れたため、たくさんの
材料があった。

mossで屋根をつくる
枝で鳥の巣のように

身体を鍛えるにはロッククライミングのように
岩を登る 自然が遊び。

オスロー
プランニングを考える 居住地のキャラクターを大切にしながら作っていく
・高層・・・少ないが、都市部に存在する・・プレーパークを近所につくっている
・農村部・・・学校に行く前に、いろいろな家を訪ねる

オスロ  高層住宅(hi blocks)・・・子どもへの弊害・騒音・交通
                             ↓
                       子どもに必要なものとして プレーパーク
                       プレーリーダーは常駐
最近の高層住宅・・・路面電車(トラム)
オスロから20分  周りは車の道・真ん中は人の歩く街・・・内部にgreen
            学校や幼稚園は中の緑地と接するように建てられる
オスロの街中の構成・・・ここ10年の再開発→オープンスペースをたくさんつくっていく

オスロから委託・夏休み
MAP・・・子どもたちがプランニングの学習をする→市に提案する
                                ・オスロのホールで展示会をする
                                ・街づくりの提案
パターン・・子ども・若者の意見を蓄積していく
       それを、プランナーが市に提案していく

大きな地図からディテールへ
絵と詩のような記述方式

方位・・・3年生 陽の向きを考える
アンケートを用意・・・優先順位をつける@動物との接触Aアドベンチャープレイランド
C〜E 音楽がしたい! 歌って踊る。フットボールも。
木の上の小屋・・・それぞれのクラスでツリーハウスを持ちたい・・・なんて素敵♪

低学年と高学年で別々の遊園地
  ネットのジャンピング・リラックスしたい場所・模型を作っていく
グループワーク  いろいろなものでいろいろなものをつくる

計画してつくるプロセスが大切。時間はかかるが、意味がある。
いろいろな年齢の子がかかわる
新しい地形をつくる・・・land scape・・・掘ったり・積んだり
land scapeをするのに、国土の学習

1980年 最初の幼稚園  low block
子どもたちが山をつくりたがった→近くの石をもってきてつくった→安価に。
old type stones・・・歴史・地理的な
30人から40人の子どもがそこにいる・・・→冬は滑る

地学(giology)の先生が石の講義をする・・・→先生たちが講義をうける
sstone project
子どもたちと親でつくる・・・安く

中学生のプロジェクト・・・石を運ぶ 地学の先生からレクチャー
opening day proude!

Urban Jungle
 swing rope・・・これを使って、どんな遊びをするか。コミュニケートして子どもたちが遊ぶように。
 2本のロープ・・・モンキーブリッジ

幼稚園の壁に足場をつくり、ヘルメットとセーフロープをつけて登る

同じ動き
フットボールスケープ・・・もっとフレキシブルにつくる
ビーチバレー・・・メジャーなスポーツ
ピンポン・・・いろいろなレベルで楽しめるように
バスケット・・・ゴールの高さが違うもの
ゴルフ
木の生長のため   レイズ???

藪も大事(bush) 子どもにとって、ごっこ遊び、イマジネーション遊びの場(トトロのめいちゃん?

布を使った小屋  隠れる場所を作る

南部地域
water and sand ・・・文化の始まりである
石と砂でダムをつくる
ランドスケープアーキテクト

砂場
学校はプログラム
幼稚園は 刺激して自由に・・・・→すごいのを作ってくる・・・→学校のプログラムに

砂場は重要
フィヨルドの地形・・・バイキングの小さな船
池、小さな生き物

ソーラーパネル サーキュレーションポンプ
 アスファルトのMap アスファルトで何をするか。
トロイヤ・プロジェクト  エキシビション・エリア 幾何学でフォーム

以上、数多くのスライドを見せていただきながらわかりやすく解説していただいた


2003.6.3 家庭教育学級合同開級式・記念講演会
「子どものためにというまえに」
 ジャーナリスト 青木 悦氏
体調がすぐれず 12年前からフリーで活動 26歳の男の子(?)の母
今は子どもを生きるのが難しい時代 「子育て」という言葉は使いたくない
 その前提には子どもが未熟である、 大人が「育ててやる」というニュアンスがある。
「子どもと生きる」を実感 「子どもってわからない」 
   一人一人全部違うのだからわからなくて当たり前
史上経験のないほど 子どもが生きづらい時代を生きている

大人は「今の子どもは子どもはワガママで勝手で・・」 と言われるが果たして本当だろうか。
モノがあるわけではなくて欲望があおられているだけである。
子どもを追い詰める理由は大きく3つある
@ 教育のシステム   ゆとり(ホンネとタテマエ 結局受験には手付かず)
A 親
B 友人関係
【親】 〜が悪い、というレベルではなく誰にも当てはまる親と子の話。
友だちと親は本来一番身近な人に気を遣いつづける子どもたち。
特に親に気を遣うのは「いじめ」を受けた子どもたち。
しかし今の何でもかんでもいじめ、というのは疑問である

▼「いじめ」と「ケンカ」の区別
ケンカというのはやったりやられたり、立場が入れ替わる。
いじめはやられる側が固定化している。
小学校2.3年から現れてくる いじめには いじめっこ いじめられっこ 
傍観者があるといわれているがそのわけ方には疑問である。
・いじめっ子   何年もいじめっ子だった子はいない  時系列で考える⇔道徳律
・いじめられっこ  2年生の男の子 うわばき →お母さんには言わないで  
           9歳の女の子  自殺未遂 →お母さんを悲しませたくなかった
なぜ9歳の子どもが親に気を遣わなければならないか
         ↓   助けて、と言えない。キレイに隠してしまう。
一方で「わが子がわからない」というпEFax をよくもらう。
例えば17歳の男の子の母親がいた。17歳なんて本人もワケがわからない年代なのである。
女の子はテクニックがあってここまでは話す、ここから先は話さないという
線引きをしてるので 返ってわかりづらいこともある。男の子は急に無口になる。

<ご子息の話>
ディズニーランドで仕事することになったと、ある日突然告げられた。
ディズニーランドは夢に乗れない人にはつらい場所。
Disney smileの練習を毎朝玄関の鏡でしていく息子の様子を夫は
(体育会系 野球をやっていたシンプルな人!? ) 怪訝そうに見る。
言葉がまったくでなかった息子が 笑顔を必要とする仕事につくのが意外だった
共働きだったので子どもへの接し方の理論は学んでいる が理論は役にたたない

子育てに正解はない 
ということは 失敗もない必要なのは判断力であって生き物同士の関係である

【まぼろしのこども像】
 スーパーヒーローのような子どもを生身のわが子と比べている
「子育てをしながら働く女性の座談会」に出席した時の話。
ひととおり座談会が終わって録音をとめたとたん・・わが子への嘆きが・・
◆ 勉強しない子ども
◆ 自分で身支度できない子ども
◆ 朝おきられない子ども・・・等々数限りなく挙げられた。
ダメなところを並べ立てる では、逆にしたら???
            ↓
速やか・さわやかだらけの子ども像ができあがった。

「そんな子いるのかな?」と誰かがつぶやいたとき
相談センターに勤務している女性が 「結構いるよ そんな子ども」という。
「いい子を演って疲れてしまう子どもたち」 小学校3.4年〜中学3年 
アタマで考えることではない 「ダメな自分をさらけだせる」
20歳を越してどう生きていけばいいかわからない。
それだけならまだしもとんでもない事件を起こしてしまう。
それは子どもというにはあまりに成長した「子ども」。
例えば24歳の長男のひきこもり、23歳、32歳の女の子。
最年長では34歳の「子ども」もいる。→自立阻害
青木さんへの質問としてよく問われることに、

「今まで何の問題もない子でしたが、どうして・・・?」
今まで何もなかった、ということは子どもが
自分自身の少ない知識と小さな体で全部自分の中で解決してきた、
ということである。
「少年事件」というにはあまりに成長した30代半ばの人の、
びっくりするような犯人が逮捕される。
人権 マスコミにおいて ぐちゃぐちゃ 顔を出す出さない、 プロフィールなど
基準がなくだしたり引っ込めたりしてる
「ハイジャックした飛行機でレインボーブリッジをくぐってみたい」
生活体験を持たない 4歳〜5歳の空想を空想として片付けられない。
幼児期の「ごっこ遊び」は現実との区別をしていく。
どういうときに現実を認識するか、という作業に必要なもの。

遊びにまさる教育はない

ゲームと勉強しかない、という状況に追い込まないでください
ゲームをした時間と同じだけ「遊ばせて」ください。

春奈ちゃん事件 新潟の少女監禁事件 37歳 池田小事件
 37歳 1960年代半ば以降に生まれた人たち
≪1965年≫ 期待される人間像・・・「経済発展に役立つ人間」
という恥かしい国・・ 教育は 政治からも経済からも独立しているべきである
東京オリンピックの標語(青木氏は嫌い)
「より速く、より高く、より強く」 時代のキーワード
  しごき・根性・モーレツ社員 自分が生まれ育った時代を客観視できる力 
まぼろしの子ども像はこのころから生まれた? 
そのまぼろしを追って 我が子を否定してしまうことがないように。

親は教育者ではない。評論家になってはいけない。
評論する、ということは「共感」の排除である。

「受け入れ」と「甘やかし」は違う 放任とは違う。
【友だち】
小学校6年生「明日から○○をはずす」という相談をする
「なんでそんなことで・・」と大人は思う。あまりにも些細なことなので、
「直接本人に言ったらいいじゃないの」
「そんなこと言っちゃ悪いジャン」
昔の自分の話をしない(状況が違う) 友だちだから 本当のことを言えない
友だち、の意味が違う 親友契約書、なるものもあったりするらしい。
その内容はその契約期間中は他の子と遊ばない、
口を利かない、 などという内容だったりする。
友だち 親友 仲良し⇒安心という裏づけがない
ぴりぴりした気配り、気遣いのなかで子どもは友人関係を築いてる。

大人には先に気がつく責任がある

なぜいつも友だちが100人いなきゃいけない?
その時に友だちづくりがヘタなだけかもしれない 今一人でもいいじゃないか。
人生の中で本当の友だちといえる人は一人か二人出会えればいい。
ケンカをあまりにも早くとめたがるのが大人

【できること(青木氏の意見として)】
@ つらいことはつらい、と言える家庭
子どもは弱くて間違って失敗するから子ども。アタリマエのこと。
それをさらけだせる家庭が必要(必ずしも産みの親でなくていい)
思春期以降、被害者になるより加害者になる確率が高い
万引きを打ち明けられなかったばかりに長じて殺人を犯してしまった子どもがいる。
そのときにいえる環境があればと思うと悔しい思いさえする。
打ち明けられたら それはそれとして厳しく叱る。
しかし、怒りながらも一緒に立ち上がり謝りに行く。親が謝る姿を見せる。
一緒に謝ってくれる親⇒一緒に生きてくれる親
正直に、フリをしない、周りと比較しない
いい妻・いい母・いい嫁 は 子どもに強いる親
りっぱなお母さんを辞める。とりあえず、いい妻あたりからなら妥当??
衣食住は安定させる つらいことはつらいといえる家庭
A 休ませる
子どもは学校から疲れて帰る
疲れる原因は 友だち
ぼーっと させてやる 休むことが大事。
ウチで休めないと怖い  →  街にさまよい出て行く
学校と同じような家庭(場合によっては学校よりも忙しいカリキュラムが待ってる)
では 休むことができない。
B 大人の価値観の言葉をおしつけない
たとえば りっぱな家庭、など。
青木氏の父 海軍 戦後どう生きていいかわからぬ父
母 戦前 教師 夕方になると酒と父の暴力 
痛いこと・怪我を連想する。幼児期のそういう体験は
     ≪人として基本のところに自信がもてない≫
子どもが自殺すると「今の子はカンタンに死ぬ」というが、
カンタンに死んだ子どもなんかいない。
そういうマスコミによる報道があるだけ。 子どもは苦しんでいる。
青木氏自身が学校にいくので精一杯だったときすれ違うたびに
「よくがんばってるな」と声をかけてくれた教師がいた
みててくれる大人。がんばってる自分を認めてくれた安心感を得る
その子の努力したところを「みていたよ」という姿勢で話す。
子どもはいろいろな大人に育てられるのである 2003.6.3