ある複雑な家族の話         もどる

これは今から二年ほど前のことです。
私が、湘南台七丁目の家から湘南台中学校へ通って居た時分―――ぽかぽかと日があたって、取り止めのない夢のような幼心にも何となく春が感じられる陽気な時候の頃の、ある日のことです。
或るうらうらと晴れた日の事、眠くなるような午後の授業が済んで、学校の門を出ようとすると、
「萩原の栄ちゃん」
と、私の名を呼んで後ろからばたばたと追いかけて来た者がありました。
其の子は同級の塙(はなわ)信一と云って入学した当時から中学二年の今日まで、誰も彼も弱虫だの泣き虫だのと悪口をきいて遊び相手になる者のない坊ちゃんでした。
「何か用かい」
珍らしくも信一から声をかけられたのを不思議に思って私は其の子の顔をしげしげと見守りました。
「今日僕の家へ来て一緒に遊ばないかい」
緋の打ち紐で括ったような口から、優しい、おずおずした声で云って、信一は訴えるような眼差しをしました。
いつも一人ぼっちでいじけて居る子が、何でこんな意外な事を言うのやら、私は少しうろたえて、相手の顔を読むようにぼんやり立った儘でしたが、日頃は弱虫だの何だのと悪口を云っていじめ散らしたようなものの、こういって眼の前に置いて見ると、さすが良家の子息だけに気高く美しい所があるように思われました。
突然、信一に声をかけられて、私は心中得意になりましたが、
「そんなら一旦家うちへ帰って、断ことわってから遊びに行くよ」
と、わざと殊勝らしい答をしました。
「そう。じゃあ、僕は、君の家に行って、君のお母さんに挨拶するよ、そうして、一緒に僕の家に来ない?」
「ううん、いいよ。君の家は知って居るから後から一人でも行けるよ」
「そう。それじゃあ、家で待っているよ。お母さんが心配しないように家へ行って、断ってきなよ」
「ああ。それじゃ左様なら」
こう云って、私は信一の方を向いてなつかしそうに挨拶をしましたが、信一は例の品のある顔をにこりともさせず、唯鷹揚にうなずきました。
今からあの立派な子供と仲好しになるのかと思うと、何となく嬉しい気持がして、私は、急いで家へ帰りました。
「お帰り」
と、居間に居た母親が、言うのを、私は、
「ただいま」
と、素っ気なく言って、すぐに、二階の部屋に入り、学校の制服を不断着に着更えるや否や、すぐに階下に降り、
「お母さん、ちょっと、友達の家に遊びに行って来るよ」
と言って、其のまま、自転車に乗って、塙の家へ向かいました。

湘南台の街は、藤沢市の北にあって、1962年 (昭和37年) 、に、北部第一地区区画整備事業の施行区域設定として、計画的に、造られた街で、小田急江ノ島線と、その東側に国道467号線が、並行して北南を貫くように、走っており、道は、湘南台駅を中心に、縦横に、格子状に、計画的に造られていますが、駅から、ある程度、離れると、道はバラバラになっています。
湘南台駅は、相鉄いずみ野線と横浜市営地下鉄ブルーラインの、ターミナル駅でもあります。
駅の西側には、いすず自動車の、大きな工場があり、また、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスがあります。
信一の家は、駅の西口から、500mほど、離れた所にあって、縦横の、格子状の道路の区域の外で、ここら辺には、田んぼもあれば、畑もある、田園地帯でした。
その中に、一軒、だけ、ポツンと、長い塀を繞めぐらした厳めしい鉄格子の門が塙(はなわ)の家でした。
こんもりした邸内の植込みの青葉の隙から破風型の日本館の瓦が銀鼠色に輝き、いかにも金持ちの住むらしい、奥床しい構えでした。

何と云う大きな屋敷だろう。
こう思って私は鉄の玄関の門の前から、家の中のひろい庭を見廻しました。
周延が描いた千代田の大奥と云う三枚続きの絵にあるような遣やり水、築山、雪見燈籠、瀬戸物の鶴、洗い石などがお誂い向きに配置されて、一つの大きな伽藍石から小さい飛び石が幾個いくつも幾個も長く続き、遥か向うに御殿のような豪邸が見えています。
彼処に信一が居るのかと思うと、もうとても今日は会えないような気がしました。

しばし、躊躇していましたが、私は、勇気を出して、インターホンを鳴らしました。
「萩原栄吉です」
「やあ。よく来てくれたね。今すぐ行くから」
インターホンから信一の返事がしました。
すぐに、家の戸が開かれて、信一が、玄関にやって来ました。
「やあ。よく来てくれたね。さあ。入りなよ」
信一の嬉しそうな態度に、何だか、嬉しくなって、私は、玄関の中に入りました。

敷地の広さに私は、圧倒されました。
敷地の中には、以前、通りかかった時に、見た時には、無かった、ほんの小さな離れ家が、増設されていました。
「ねえ。あの、離れ、は、いつ建てたの?」
私は信一に聞きました。
「二年前さ」
と、信一は答えました。
私は、何のために、それを、増設したのだろうか、と、疑問に思いました。
でも、その目的を問いただすことも、思いはばかれて、私は、聞きませんでした。

信一に案内されて、私は、大きな豪邸に入り、大きな居間に通されました。
すると、居間のソファーには、すでに、先客がいて、ソファーに、座っていました。
彼は、仙吉と言って、私や、信一と、同じクラスの同級生です。
しかし、私は、仙吉とは、一度も話したことがなく、また、信一も、学校で、仙吉と、親しい間柄ではなく、何で、仙吉が、ここに居るのか、私には、わかりませんでした。
しかし、ともかく、私は、居間のフカフカのソファーに座りました。
「お母さーん。友達が来たよー」
信一が、大きな声で、叫びました。
「はーい」
二階から、球を転がすような、綺麗な声が聞こえました。
そして、四十くらいの、この世の者とは思われない、ものすごく美しい女性が、二階から降りてきました。
そして、キッチンに入ってから、盆に、二人分の、紅茶と、苺のショートケーキ、クッキー、を持って、やって来ました。
「ようこそ。いらっしゃい。どうぞ。ゆっくり、遊んで行って下さい」
そう言って、その女性は、微笑して、ソファーの前の、テーブルの上に、紅茶と、苺のショートケーキを並べて、また、二階に去って行きました。
私と、信一は、ケーキを食べながら、紅茶を飲みました。
「あの人。君のお母さん?」
私は、ケーキを食べている信一に聞きました。
「うん。そうだよ」
信一は、こともなげに言いました。
「すごい美人だね」
私は、心臓をドキドキさせながら、言いました。
あんな、すごい美人を母親に持てる、信一を私は、うらやましく思いました。
「美人なだけじゃないよ」
信一は、何か、思わせ振りな口調で言いました。
美人であること以外に、何があるのだろうかと、私は、疑問に思いましたが、信一の、思わせ振りな口調から、聞くのが、思いはばかれて、また、聞いても、答えてくれそうもないと思って、聞きませんでした。
すると、今度は、二階から、四十くらいの、中年男が降りてきました。
彼は、私を見ると、
「やあ。萩原栄吉君だね。信一から聞いているよ。私は、信一の父親で、はなわ正一郎という。信一は、人見知りでね。どうか、信一の友達となってくれたまえ」
と、父親は、言いました。
「はじめまして。萩原栄吉です」
と、私は、深くお辞儀して、挨拶しました。
「君が来てくれるのを待っていたんだよ。いつか、君と、仙吉君と、信一とに、ぜひ、頼みたいことがあってね。・・・ぜひ、また来てくれたまえ」
と、信一の父親は、言いました。
しかし、頼みたいことの具体的な内容までは、言いませんでした。
私は、自分のような、子供に、一体、何が出来るのか、さっぱり、わかりませんでした。
しかし、信一の父親は、それだけ言うと、二階にもどっていきました。
「じゃあ、部屋へ行こうか」
信一が、言いました。
「うん」
信一と、仙吉と、私は、二階に上がりました。
二階は、両親の寝室と、父親の書斎、それと、二つの部屋がありました。
一つの部屋の戸には、「立ち入り禁止」、と、書かれたプレートが、張ってありました。
その隣りの、もう一つの部屋の戸には、何も書いてありません。
信一は、その部屋を開けました。
「さあ。入りなよ」
言われて、私と仙吉は、その部屋に入りました。
部屋には、机があって、学校の教科書が、並んでいます。
湘南台中学校の、制服や、ジャージが、ハンガーにかけてあって、一目で信一の部屋だと、わかりました。
「ねえ。となりの部屋には、(立ち入り禁止)、と、書いてあったけど、何の部屋なの?」
信一に聞きました。
「となりは、光子姉さんの部屋さ」
信一が、言いました。
信一に、姉さんがいるとは、知りませんでした。
てっきり、一人っ子だと思っていましたので、以外でした。
「姉さん、といっても、血のつながった本当の姉さん、じゃなんだ」
信一が言いました。
「どういうことなの?」
私は、二人が、どういう関係なのか、知りたくて、信一に聞きました。
信一は、話し出しました。
「僕のお母さんは、僕を産んだ、三日後に、妊娠中毒症で死んでしまったんだ。それで、僕は、幼い頃から、ずっと、父親と二人で、暮らしてきたんだ。しかし、父親は、僕のためにも、自分のためにも、再婚しようと思って、結婚相談所に、登録していたんだ。しかし、なかなか、相性の合う、理想の相手が見つからなくてね。でも、二年前に、京子さんが、その結婚相談所に登録したんだ。京子さんの、夫は、三年前に交通事故で死んでしまったのさ。父親は、京子さんをすごく気に入ってね。一ヶ月ほど、つき合った後に、結婚したのさ」
と、信一は、説明しました。
「じゃあ、姉さんというのは、再婚した、京子さん、の娘さんなんだね」
「ああ。そうさ」
「姉さん、って、どんな人なの?」
仙吉が、聞きました。
「高校一年生さ。京子さんに、似ているよ」
京子さんに、似ている、と聞いて、きっと、きれいな人なのだろうな、と私は、勝手に想像しました。
「見たい?」
信一が、聞きました。
「う、うん」
私は、好奇心から、肯きました。
「じゃあ、見せてあげるよ。姉さんは、今日は、部活で、遅くなる、って言っていたから」
そう言うと、私たち三人は、(立ち入り禁止)、と、書かれた、隣りの部屋に入りました。
部屋は、いかにも、女子高生の部屋らしく、きれいに、整えられています。
机の上には、ファンデーション、ビューラー、マスカラ、アイラインなどのメイク用品、ネイルケア用品、香水、ブランド物のバッグ、ポーチ、など、お洒落の小物があって、いかにも、お洒落をしたい年頃の女の子の、部屋という感じが、しています。
信一は、厚いアルバムを、とって、開いて見せました。
そこには、確かに、京子さんに似た、可愛い、女の子の写真が、たくさん、ありました。
幼い頃から、高校のセーラー服姿までの写真です。
ビキニ姿の京子さんと、幼い、光子が、レジャープールで、笑顔で、手をつないでいる写真。
小学校、中学校、高校、と、入学式に、母親と、記念撮影した写真。
など、様々な、写真がありました。
「ふーん。きれいな、姉さんだね」
私は、感心して、写真に見入っていました。

その時です。
ガチャリと、部屋のドアが開きました。
アルバムの写真に写っているアルバムの女の子、つまり、信一の姉の光子が、部屋に入って来ました。
「あれ、また信ちゃんは人の物をいたずらして居るんだね」
こう云って、セーラー服を着た、女の子が駈け込んで来ました。
額のつまった、眼元口元の凜々しい顔に子供らしい怒りを含んで、つッと立った儘、弟と私の方をきりきり睨ねめ付つけています。
信一は一と縮みに縮み上って蒼くなるかと思いの外、
「何云ってるんだい。徒らなんかしやしないよ。お友達に見せてやってるんじゃないか」
と、まるで取り合わないで、姉の方を振り向きもせずにアルバムを繰っています。
「徒らしない事があるもんか。あれ、いけないってばさ」
ばたばたと姉は駈け寄って、私たちが、見て居る、姉のアルバムを引ったくろうとしましたが、信一もなかなか放しません。
表紙と裏とを双方が引っ張られて、綴ぢ目の所が今にも裂けそうになる、暫くそうして睨み合って居ましたが、
「姉さんのけちんぼ!もう借りるもんかい」
と、信一はいきなりアルバムをたたき捨てて、傍にあった、熊のぬいぐるみ、を姉の顔へ投げ付けましたが、狙いが外れての壁へ当たりました。
「それ御覧な、そんな悪戯をするじゃないか。またあたしを、ぶつんだね。いいよ、打つなら沢山お打ち。此の間もお前のお蔭で、こら、こんなに痣になってまだ消えやしない。これをお父様に見せて言いつけてやるから覚えておいで」
恨めしそうに涙ぐみながら、姉はスカートの裾をまくって、真っ白な右脚の脛はぎに印せられた痣の痕を見せました。
丁度膝頭のあたりからふくら脛はぎへかけて、血管が青く透いて見える薄い柔かい肌の上を、紫の斑点がぼかしたように傷々しく濁染にじんでいました。
「言いつけるなら勝手にいいつけな。けちんぼ」
信一は、口を尖らせて、光子を罵りました。
「部屋へもどって遊ぼう」
と、信一は、私と仙吉を連れて其処を飛び出して、信一の部屋へもどりました。
「信一君。君の姉さん、泣いているんじゃないかしら」
なんだか、気の毒なような悲しいような気持になって私は信一に尋ねました。
「泣いたっていいんだよ。あいつ、生意気なんだ。だから、毎日喧嘩して泣かしてやるんだ」
と、信一が、本当か、負け惜しみか、そんなことを言います。
私たち、三人は、信一の部屋で、トランプをしたり、将棋をしたりして、遊びました。
時計を見ると、もう、7時を過ぎていました。
「もう、そろそろ、帰らなくっちゃ」
私は、夕飯の用意をしている、母親の姿が頭に浮かんできました。
「うん。その方が、いいね。じゃあ、玄関まで送るよ」
信一が、言いました。
私と、仙吉と、信一は、信一の部屋を出て、一階に降りました。
私たちは、玄関で、靴を履いて、家から出ました。
増設されたらしい、離れ、から幽玄な、微妙な奏楽の響きが洩れて来ました。
「あれは何だろう」
こう云いながらも、私は油断なく耳を傾けた。
「あれは母さんがバイオリンを弾いて居るんだよ」
「ふーん。君のお母さんは、バイオリンを弾くの?」
「うん。京子さんは、バイオリンを幼少の頃から弾いていたらしくてね。一人で、集中して、弾けるように、と、父親が計らってね。それと、再婚の母娘が、時には、母娘二人っきりになりたい時もあるだうからと、そういう目的もあって、造ったんだそうだ」
こう云って信一は、離れ家を指さしました。
肉色のカーテンの窓の中から絶えず洩れて来る不思議な響き。・・・・或る時は森の奥の妖魔が笑う木霊のような、或る時はお伽噺に出て来るこびと共が多勢揃って踊るような、幾千の細かい想像の綾糸で、幼い頭へ微妙な夢を織り込んで行く不思議な響きは、古沼の水底で奏でるのかとも疑われました。
奏楽の音が止んだ時、私はまだ消えやらぬ ecstasy の尾を心に曳きながら、今にあの窓から、京子さんが、顔を出しはすまいかと思い憧れてじっと離れ家を視つめました。
「信ちゃん、お前は彼処へ遊びに行かないのかい」
「ああ徒らをしてはいけないって、お父さんがどうしても上げてくれないの。いつかそッと行って見ようとしたら、錠が下りて居てどうしても開かなかったよ」
信一も私と同じように好奇な眼つきをして離れ家を見ました。
私は、自転車に跨りました。
「また、来てね」
信一が、言いました。
「うん」
私は、肯きました。
それは、本心でした。
私は、美しい京子さんと、光子が、一目で好きになってしまって、ぜひ、また、会いたい、と思っていましたから。
私は、自転車を、力一杯、こいで、勢いよく家に向かいました。

信一に、誘われて、その週の日曜日に、私と仙吉は、また、信一の家に行きました。
学校が、休みなので、光子も居ました。
先日見て、信一と光子は、喧嘩ばかり、していて、仲が悪いのかと、思っていましたが、子供同士で、たわいもないことで、喧嘩したり、すぐに仲直りしたり、と、姉弟の仲は、いいそうです。
先日は、光子のいない間に、断りなく勝手に、光子の部屋に入って、アルバムを見ていいたので、光子は、怒りましたが、光子も、人なつっこい性格で、年下の、私と仙吉を、気に入ってくれて、
「お入りよ」
と言って、光子は、私と仙吉と信一を、自分の部屋に入れてくれました。
私たち四人は、光子の部屋で、一緒に、トランプをしましたが、一時間もやって、それに厭きると、信一が、
「きつねごっこをやろうよ」
といいだしました。きつねごっことは、人間に化けて、人をからかうキツネをさむらいが、その正体をみやぶって、こらしめる、というものでした。光子がキツネで、私と仙吉が、だまされ役、信一が、さむらい、といいます。
よこできいていた光子は、面白いと思ったのか、
「よし、やろう、やろう」
と言って腰をあげました。光子は台所からクッキーと紅茶をもってくると、おかしを足でグチャグチャにして、紅茶に、つばをいれます。それを私と叶は、だまされたふりをして、おいしい、おいしい、といって、のむと、光子も、おもしろくなってきたのか、だんだん図にのってきます。
光子の魔法の笛にあわせて私と仙吉がおどって、よっぱらって頭をぶつけて、ころんだり、ねたふりをすると、光子がかまわず、私たちの体を、ふんでいきます。もう光子は、おもしろくなって、遠慮なく、体重を全部のせて、笑いながら、ギューギューと私たちを、踏み歩いて、ああ、つかれた一休みしよう、と言って、ドンと重たいおしりをおろしたりします。そこへ、さむらい役の信一がおもむろに登場します。
「やい。このワルギツネめ。人に化けて、人間をからかう、とは、何てやつ。ふんじばってくれるからかくごしろ」
信一は私と仙吉をうながして、光子をとりおさえようとしますが、光子はオテンバの本性をあらわし、
「ふん。ばれたら、仕方がないね。あばよ。お前らみたいなトウヘンボクにつかまってたまるもんかい」
といって、にげようとします。が、光子は高校一年、私たちは中学二年で、二つの年の差は、さすがに、光子を容易につかまえさせません。
それでも、こちらは三人なので、又、光子にもキツネごっこのストーリーに従わなくては、という意識があってか、ようやくのこと、とりおさえて、ねじふせます。
信一が用意していたらしい縄で、光子の手をうしろでしばりあげようとすると、
「あら信ちゃん。むちゃしちゃいやだよ」
といいますが、さすがに三対一には、かなわず、後ろ手に縛った縄尻を、机の脚にくくりつけ、ハンカチで、さるぐつわをすると、はじめは、もがいていた光子も、グッタリして目をとじ、カンネンしたらしく。私たちは、
「やあ、やあ、よくもだましてくれたな、ふとどきなキツネめ」
といって、体や顔のあちこちをつねったり、くすぐったり、化粧といって顔にツバをぬったり、さっき光子がしたように、体をふんだりします。
オテンバで、年も上の光子なので、もっと抵抗しようとするかと、思っていたのですが、不思議なほどに、光子は、おとなしく、だまって横座りしています。
しばしたって、もう興がさめて、光子の縄と、さるぐつわをとくと、光子はソッと顔を洗いに出ていきましたが、顔を洗って、もどってくると、
「ああ、ひどい目にあわされた。キツネごっこなんて、もう二度とやらないから」
といいながらも、なぜかニコニコうれしそうな様子です。
私たちは自由になった光子が、おこって、仕返しをするのでは、と思いましたが、何事もまるでなかったかのような様子です。
光子は窓際に行くと、CDをヘッドホンでききながらコミックを読み、私たちは、トランプと、元のように別々にあそびはじめました。
そんなことがきっかけで私と仙吉は信一の家へ、足しげくあそびに行くようになりました。

ある時、私たちが、光子の部屋で、四人で、トランプや、将棋をして、遊んでいると、光子の方から、
「ねえキツネごっこをやらない」
と、モジモジといい出したので、私はおどろきました。私は、光子が、この前やられた、しかえし、のため、ではないかと思い、光子がキツネになって、ふざける度合い、が、だんだん強くなっていくのでは、と思いました。
しかし前半の光子のふざけの部分は、前より何か、かるくなったようで、何か形だけしているような感じで光子が、おもしろがっている様子は、ぜんぜん感じられません。
今度は私たちが光子に、しかえしする番になりました。が、それでは、こちらも、しかえし、してやろう、という気持ち、も、おこってこず、何か、しらけぎみになっていると、光子は、
「さ、さあ、私は、人をダマしたワルギツネだよ」
と、あそびのつづきを催促するようなことをいいます。
しかし、その声はふるえていました。
私たちは、光子をしばりあげ、この前と同じように、縄尻を机の脚につなぎとめ、めかくししました。
しかし、たいして、からかわれていないので、光子に悪フザケをする気があまりおこらず、もてあましていました。すると光子は、
「さ、さあ、悪ギツネは、折檻されるんだろう、この前と同じように、やっておくれ」
と声をふるわせながら言いました。
私たちは、しかたなく、鼻をつまんだり、ツバを顔にぬったり、顔をふんだり、スカートを、めくったりして光子を困らせたりしました。
すると、光子はだんだん呼吸をあらくして、「ああー」、と、切ない喘ぎ声をあげだしました。
私と叶は何か、きみわるくなって横でみていましたが、信一はあらゆるいじわるを躊躇なく楽しむことができる性格のようで、さかんにめかくしされた光子をいじめます。
信一に手伝うよういわれて、私たちも光子の責めに加わりました。
はじめは、おそるおそるでしたが、しだいになれてくるにしたがって、おもしろくなり、光子の頬をピチャピチャたたいたり、足で、光子の体を踏んだりしました。
そのうち、キツネごっこは、後半の光子がせめられるだけのものになりました。
光子は、開き直ったように、
「さ、さあ、もう、どうとでもしておくれ」
といって、ドンと私達の前に座りこんでしまいます。すると、信一はいろいろな方法で光子を困らせ、光子が泣くまでせめるようになりました。
信一はいじわるするのが好きで、光子はその逆のようで、変な具合に相性が合うのです。
でも、はじめのうちは、あそびがおわると、光子も、やりきれなそうな、不安げな顔つきでしたが、だんだん、なれるにつれて、この変なあそびがおわると、光子に、すぐにいつもの明るい笑顔がもどって、私たちを、
「こいつ」
といって、コツンとたたくようになりました。
私は、美しい光子に会いたさに、足しげく、信一の家に行くようになりました。
光子のような、美しい女の子を、また、いじめることが出来るかもしれないと、思うと、私の胸は、興奮でワクワクしました。

ある日曜日のことです。
その日も、私と仙吉は、信一の家に行きました。
私たち四人は、光子の部屋で、一緒に、トランプをしました。
「あーあ。何か、もっと面白いことはないかな」
と、仙吉が、窓から、外を見ながら言いました。
「今日は、京子さんのバイオリンが聞こえないね。日曜日は、いつも、離れ家でバイオリンを弾いているのに」
私が言いました。
「あっ。京子さんが、離れ家に入っていくよ。お父さんも一緒だ」
と、仙吉が、窓から外を見て、言いました。
見ると、京子さんと、父親が、離れ家に、ちょうど、入る所でした。
「ねえ。どうして、京子さんは、バイオリンを弾く時、離れ家でしか、弾かないの?」
私は、京子さんが、バイオリンを弾くのを、一度も見たことがありません。
確かに、一人で、集中して弾くというは、わかります。
しかし、一度くらいは、私たちの前で、バイオリンの演奏を披露してくれても、よさそうなものじゃないか、と私は思いました。
私は、一度、京子さんが、バイオリンを弾く姿を見たい、と思っていました。
それに、信一が、入ることは、禁止されている、と、最初に会った時、信一は、言いましたが、それも、何か不自然です。
父親が、一緒に入るのは、おそらく、京子さんの演奏を、父親が、聞いているからでしょう。
それなら、信一にも、京子さんの演奏を聞かせてやっても、いいじゃないか、とも思います。
聞かせて、悪い事など無いはずです。
それに、京子さんが、離れ家に入っても、バイオリンの音が聞こえてこない時も、結構、あります。
しかし、京子さん、と、信一の父親が、離れ、に入ると、バイオリンの演奏が聞こえてきました。
私は、どうも変だな、信一は、嘘をついて、何かを、隠しているのでは、ないか、と思いました。
どうも、腑に落ちないことばかりです。
仙吉も、私と同じ思いです。
「ねえ。光子さん。どうして、お母さんは、私たちに、バイオリンの演奏を披露してくれないの。信一も、光子さんも、離れ家に、勝手には、入れない、そうだけど、そんなことないでしょ。本当は、入れるんでしょ。何か、わけがあって、隠しているんでしょ。光子さんなら、それを知っているでしょ。教えてよ」
と、光子に聞きました。
しかし、光子は、
「知らないよ」
と、あっさり、突っぱねます。
「そんなこと、ないでしょ。四人で、一緒に暮らしているんだから」
そう言っても、光子は、
「知らないものは、知らないよ」
と、頑固に首を振ります。
「信ちゃんは、知っているんでしょ」
私は、質問の相手を信一に替えました。
すると、信一は、ニヤニヤ笑って、光子を指差し、
「この女を拷問して白状させな」
と、私と仙吉に命じました。
私と仙吉は、光子に、にじり寄り、
「お嬢さん、嘘をついたって知ってますよ。ね、栄ちゃんと私を彼処へ内證で連れて行って下さいな。又強情を張って嘘をつくんですか、白状しないと斯うしますよ」
と、仙吉は、にやにや底気味悪く笑いながら、早速光子の手首をじりじりと捻じ上げにかかりました。
信一は、私と仙吉が光子を拷問するのを、ニヤニヤ笑って見ています。
「あれ仙吉、後生だから堪忍しておくれよう。嘘じゃないんだってばさあ」
光子は拝むような素振りをしたが、別段大声を揚げるでも逃げようとするでもなく為すが儘に手を捻じられて身悶えして居ます。
きゃしゃな腕の青白い肌が、頑丈な鉄のような指先にむずと掴まれて、二人の少年の血色の快い対照は、私の心を誘うようにするので、
「光子さん、白状しないと拷問にかけるよ」
こう云って、私も片方を捻じ上げ、
「さあ此れでもか、此れでもか」
と、二人は相変らず抓ったり擽ぐったり、夢中になって光子を折檻しました。
「お嬢さん。白状しないと、もっと非道い目に会いますぜ。今の内に早く白状しておしまいなさい」
仙吉は光子の胸ぐらを取って、両手でぐっと喉を縊めつけ、
「ほら、だんだん苦しくなって来ますよ」
こう云いながら、光子が眼を白黒させて居るのを、笑って見て居たましたが、やがて床にうつ伏せに突倒し、
「へえ、此れは人間の縁台でございます」
と、私は光子の尻の上、仙吉は顔の上へドシリと腰をかけ、彼方此方へ身を揺す振りながら光子の体を臀で蹈んだり壓したりしました。
「仙吉、もう白状するから堪忍しておくれよう」
光子は仙吉の臀に口を塞がれ、虫の息のような細い声で憐れみを乞いました。
「そんなら屹度白状しますね。やっぱり、お譲さんは、離れ家のことを、知っているんでしょう」
臀を擡げて少し手を緩めながら、仙吉が訊問します。
「ああ、お前たちが連れて行けって云うだろうと思って嘘をついたの。だってお前達をつれて行くと、お父さん、と、お母さんに、叱られるんだもの」
聞くと仙吉は眼を瞋いからして威嚇するように、
「連れ行って下さいよ。連れて行かないんなら。そら、又苦しくなりますよ」
仙吉は光子の胸ぐらを取って、両手でぐっと喉を縊めつけました。
「あいた、あいた、わかったわよ。それなら連れてってあげるから、もう堪忍しておくれよ。でも、これは秘密だよ。絶対、誰にも言ってはいけないよ」
光子は、そう強く言いました。
「うん」
私たちは、肯きました。
私と仙吉は、光子の部屋を出て、離れ家、に、向かいました。
そして、そっと、離れの戸を少し開けて、その中を、戸の隙間から、覗きました。
私たちは、吃驚しました。
なぜなら、京子さんは、綺麗なブラウスに、スカートを履いて、バイオリンを弾いています。
初めて見る、一心に、バイオリンを演奏している京子さんは、予想通り、実に美しい姿でした。
しかし、京子さんが、腰掛けているのは、椅子では、ありませんでした。
なんと信一の父親が、全裸になって、四つん這いになり、肘をピンと伸ばして、突っ張って、人間椅子になっています。
そして、京子さんは、父親の背中に、大きな、重たい、お尻を乗せているのです。
京子さんは、何食わぬ顔で、バイオリンを弾いていて、父親に、同情する様子など、見えません。
男が裸になって、手を突っ張って、四つん這いになり、その背中に、女の人を一人、乗せて、耐えている姿は、京子さんが、信一の父親を、変態的に、いじめている、光景にしか見えませんでした。
父親は、一体、どのくらいの時間、その状態で、耐えているのかは、わかりませんが、「はあ。はあ」、と、苦しそうな声を出し、体が、プルプル震えている、ところから察すると、少なからぬ、長い時間、そのような状態で、京子さんの椅子になっているように、思われます。
一つの曲の演奏が終わると、京子さんは、タバコを取り出して、ライターで、火をつけて、一服して、一休みしました。
そして、タバコを、無造作に、裸で四つん這いになっている、信一の父親の、尻に、ギュッ、と押しつけて、揉み消しました。
信一の父親は、「ぎゃあ」、と悲鳴を上げました。
京子さんは、何食わぬ顔で、また、別の曲を演奏し出しました。
私は、見てはいけないものを、見てしまった、ことに、驚愕して、二人に、気づかれないよう、顔を、戸の隙間から、離しました。
見つかってしまっては、大変です。
しかし、その光景は、一瞬で、脳裡に焼きついてしまって、私は、高まってしまって、止まらない激しい、動悸を抑えることが、出来ませんでした。
「どう。驚いた?」
光子が小声で聞きました。
「君のお母さんは、サドで、信一のお父さんは、マゾなの?」
「ちがうわ」
光子は、さびしそうに言いました。
「どうして違うの?」
「あれは、お父さんが、お母さんに、命じてやっているの。お母さんは、優しい性格で、サドなんかじゃないわ」
「でも、そうは見えないけれど・・・」
「でも、本当にそうなの。お母さんは、本当は、あんなこと、やりたくないんだけど、お父さんの命令で、仕方なくやっているの」
そう言われても、私は、信じることが、出来ませんでした。
信一の父親が、マゾでないのに、何で、いじめることを、要求するのか、その理由が、わかりませんでした。
「確かに、お父さんにも、多少は、マゾの気が、あるの。でも・・・」
と言って、光子は、ちょっと、言葉を切りました。
「でも本当は、お父さん、が、お母さんを、いじめているの」
と、光子は、さびしそうに言いました。
そう言われても、私は、光子の言うこと、信じることが出来ませんでした。
その日、私は、そのまま、家に帰りました。
光子に、強引に聞き出して、しまったことを、私は、少し、後悔していました。
私は、光子の、さびしそうな顔が、忘れられませんでした。
光子の、「本当は、お父さん、が、お母さんを、いじめているの」、と言った時の光子の、表情に、私は、強く、信憑性を感じました。
京子さんのような、優しい性格に見える、人が、サドの性癖があって、こともあろうに、タバコを平気で、尻につけて、揉み消す、という、ことを、京子さんの意志で、楽しんでやっている、とは、どうしても思えない、からです。
やはり、光子の、言うように、あれは、父親の意志で、父親が、京子さんに、ああいうことを、するように、命じているのでは、ないか、と私は思いました。
京子さんと、信一の父親の関係は。
信一と、姉の関係は。
京子さんと、信一の関係は。
どんな関係なんだろうと、私は、思い巡らしました。
しかし、どう、考えても、あの家族の関係は、わかりませんでした。
四人は、一緒に暮らしているのだから、知っているのは、間違いないでしょう。
四人とも、親子、兄弟の、関係には、人には、言えない、特殊な関係があって、四人は、それを、隠しているのに、違いありません。
今日、京子さんが、父親を、いじめているのを見て、私は、あの、家族の関係を知りたく思いました。
翌週になりました。
その週の金曜日に、信一は、
「明日。昼ごはんを、食べにきて。仙吉もくるから。時間は、メールで知らせるよ」
と言って来ました。
私は、
「うん。行くよ」
と、返事しました。
「お父さんは?」
「お父さんも居るよ」
と、信一は、言いました。
信一の家には、何度も、行きましたが、まだ、一度も、家族そろって、食事を御馳走になったことは、ありませんでした。
何回も、行っているのだから、一度くらい、家族そろって、昼食をしても、いいはずなのに、どうして、今まで、しなかったのか、と、私は、あらためて、その不自然さ、に、気づきました。
午後の授業が終わって、私は家に帰りました。

翌日になりました。
トーストと、スクランブルエッグの軽い朝食を、母親と、食べている時、私は、母親に、
「今日、友達の家に行って、御馳走になるから、昼ご飯は、いい」
と、言いました。
金持ちの、信一の家庭のこと、さぞや、豪勢な料理を出してくれるのだろうと思い、私は、腹を空かせて、昼食を食べたい、と思ったからです。
私は、朝食が済むと、部屋に入って、信一からのメールを、待ちました。
1時30分に、信一から、メールが来ました。
「今から、来て。仙吉もくるから」
と、書かれてありました。
「わかった。すぐに行く」
と、書いて、私は、返信メールを、信一に、送りました。
そして、自転車に乗って、信一の家に向かいました。
ピンポーン。
チャイムを鳴らすと、信一が、出て来ました。
「やあ。よく来てくれたね。入って」
信一は、玄関を開けたので、私は家に入りました。
居間には、仙吉も、来ていました。
しかし、何か、様子が変です。
当然、昼食の用意は、とっくに、出来ていて、食卓に、料理が、並んでいる、と思っていたのですが、食卓には、何も乗っていません。
それに、京子さんも、信一の父親も、いません。
でも、その疑問を、信一に、聞くのも、はばかられて、私は、黙って、ソファーに腰かけました。
「姉さんは?」
私は、光子さんが、居るのか、聞きました。
「姉さんは、自分の部屋にいるよ」
と、信一は、言いました。
「さあ。離れ、行こう」
信一が、言いました。
私と、信一と、仙吉は、一緒に、母屋を出て、離れ、に向かいました。
離れ、で、食事をするのだろう、と、私は、思いました。
しかし、光子は、ついてきません。
「光子さんは?」
「姉さんは、来ないよ」
家族そろって、食事するのなら、当然、光子も、一緒に、食卓につくはずで、ますます、不自然です。
信一は、離れ、の戸のノブを、回して、引きました。
離れ、は、鍵が、かかってなく、戸が、開きました。
「お父さん。友達を連れてきました」
信一が、言いました。
私と仙吉は、部屋の中を見ました。
私たちは、吃驚しました。
なんと、光子の美しい母親、信一の、父親の妻である、京子夫人が、裸になって、床の上に寝ていたからです。
体を一直線の棒のようにして、両手は、伸ばして、ピタリと脇につけ、腰から、足先までは、両脚をピタリと、閉じて、爪先まで、一直線になっていたからです。
私は、吃驚しました。
仙吉も、吃驚している様子です。
なにせ、大人の、しかも、美しい女の、起伏にとんだ、裸など、見るのは、生まれて初めてのことでしたから。
そして、その傍らで、信一の父親が、座って、さも愉快そうに、再婚の、妻の裸を、美しい人形を鑑賞するかのように、満足げに眺めまわしていました。
父親は、私たちの方を見ると、
「さあ。君たち。こっちに来たまえ」
と、催促しました。
胸が、二つ、こんもり、盛り上がり、腰はくびれ、大きな腰部から、足先まで、スラリと、美しい下肢が、伸びています。
大人になると、恥部に陰毛が生える、はずです。
しかし、夫人の、アソコは、毛が生えていません。
なので、アソコに、縦の割れ目が、くっきり見えます。
なぜ、生えていないのかと、疑問に思っていると、
「ふふふ。京子さんは、いつも、アソコの毛を、剃っているんだよ」
と、信一が、私たちの疑問を先回りするかのように、笑って説明しました。
「さあ。立ってないで座りなよ」
信一は、京子さんと一緒に、暮らしていて、こういうことに、慣れているのか、唖然としている、私と、仙吉の背中を押して促しました。
私と、仙吉は、信一に、背中を押されて、仰向けに寝ている、夫人の傍らに、行きました。夫人の裸を、上から、間近で見ることになり、大人の女の人の、マンコの閉じ合わされた割れ目を、見て、私は、思わず、ゴクリと生唾を飲み込みました。
子供の分際で、見てはいけないものを、見ている、ことに、私は、ただ、おろおろし、緊張で、胸がドキドキ鳴っていました。
しかし、それと同時に、私と同年代の子供では、見れないけれど、密かに、見たいと思っているものを、見れている、優越感が、起こってきて、私は、こんな、ことは、もう、二度と、起こるものではない、との思いも、起こってきて、夫人の裸から、目をそらすことが、出来ませんでした。
信一は、父親の隣りに、座りました。
呆然としている、私と、仙吉に、信一は、
「君たちも、座りなよ」
と言いました。
私と、仙吉は、隣り合わせに、座りました。
夫人の左側に、信一と、父親が、座り、私と、仙吉は、夫人の右側に座りました。
四人で、裸の夫人を、取り囲むような形になりました。
見ると、父親の横には、大皿があって、それには、マグロ、サーモン、イカ、はまち、タコ、卵焼き、など、寿司のネタが、積まれてありました。
信一の父親は、
「それじゃあ、盛りつけよう」
と言って、父親は、夫人の体の上に、皿に乗っている、寿司のネタを並べ始めました。
京子の乳房には、乳首を中心にして、放射状に、隙間なく、マグロを乗せていきました。
股間には、谷間に向けて、デルタ(▽)状に、マグロを乗せていきました。
女の、恥ずかしい割れ目の上にも、マグロが乗って、割れ目が隠されました。
それは、あたかも、マグロによる、ビキニのようにも見えました。
信一も、マグロを並べるのを、手伝いました。
そして、胸から、股間までの、腹の上に、サーモン、イカ、はまち、タコ、卵焼き、などを、きれいに、並べていきました。
ついに、京子の体の上に、きれいに、盛りつけ、が出来上がりました。
「よし。出来た」
父親が、言いました。
「ふふふ。これ。女体盛り、って、言うんだぜ」
と、信一は、得意そうな口調で言いました。
父親は、私と、仙吉に、箸を渡しました。
「君たち。さあ。腹が減っているだろう。食べたまえ」
父親が、言いました。
しかし、私と、仙吉は、生まれて初めて、経験する、途方もないことに、驚愕して、ただ、呆然としているだけだでした。
「それじゃあ、私が、食べるよ」
そう言って、父親は、京子の乳房の上に乗っている、マグロを、箸でつまんで、口に入れました。
父親は、モグモグ、咀嚼しながら、
「うん。美味い」
と言って、ゴクリと飲み込みました。
信一も、京子の乳房の上に乗っている、マグロを、箸でつまんで、口に入れました。
「君たちも食べなよ」
信一が、モグモグ、咀嚼しながら言いました。
「ふふふ。遠慮することはない。妻は、こういう、恥ずかしい、悪戯をされることに、快感を感じる性格なんだ。そして、私は、女に、こういう悪戯をするのが、何より楽しいのだ。だから、相性が合って、結婚したんだ。はじめの内は、裸にして、縛るだけ、だったが、だんだん、物足りなくなってきてね。趣向を凝らして、子供に、悪戯させて、みたら、面白い、だろう、と思うようになったんだ」
そう言って、父親は、また、京子の乳房の上に乗っている、マグロを、箸でつまんで、口に入れました。
「そうだろ。お前」
父親は、目をつぶって、じっとしている京子に向かって言いました。
「はい。そうです。私は、辱められることに、快感を感じるんです」
京子さん、は、従順そうな口調で言いました。
「栄吉さん。仙吉さん。どうぞ、遠慮なく、私の体の、上の、寿司を食べて下さい」
京子さんが言いました。
父親が、京子さんの乳房の上に乗っている、マグロを、つまむと、そこに、出来た隙間を埋めるように、信一が、皿から、マグロを、継ぎ足しました。
マグロを、数枚、食べると、父親は、
「では。私は、出て行くから、あとは、君たち三人で食べてくれ」
そう言って、父親は、立ち上がって、部屋を出て行きました。
あとには、私と、仙吉と、信一の、三人が、残されました。
信一は、京子の、恥部の上に、乗っている、マグロを、とって口に入れました。
「さあ。君たちも、食べなよ」
信一が、勧めました。
アソコの魚は、オシッコがついていて、汚いのでは、とか、食べても大丈夫なのか、どうなるのか、怖くもなりましたが、信一は、平気で食べています。
「ふふ。大丈夫だよ。食べて、体がおかしくなったりなんか、しないよ」
そう、信一が、言いました。
しかし、私には、怖くて、何より、生まれて初めてのことなので、躊躇していると、信一が、
「ふふふ。大丈夫だよ。僕は、京子さんが、来て、間もない頃は、京子さんが、寝ている間に、寝室にやって来て、寝ている京子さんの、下着を降ろして、尻を見たり、お父さんと、二人で、京子さんを縛って、色々な、悪戯をしたりしていたんだ」
と、言いました。
私は、信一の、度胸に、圧倒されました。
信一が、美味しそうに、食べているのを、見ているうちに、私は、こんなきれいな女の人の、オシッコなら、汚くない、と、だんだん思えるようになりました。
私は、おそるおそる、京子さんの、乳房の上に乗っている、マグロを、つまんで、口の中に入れました。
別段、かわったことは、ありません。
マグロの刺身の味がするだけです。
しかし、それが、京子さんの、肌に、触れていたものだと、思うと、何とも、言い知れぬ、気分になりました。
仙吉も、私たちが、食べているのを、見て、勇気が出て来たのでしょう。
京子さんの、乳房の上に乗っている、マグロを、つまんで、口の中に入れました。
始めは、緊張して、動揺していた、私も、仙吉も、だんだん、慣れてきて、積極的に、刺身を食べるようになりました。
私たちが、京子さんの乳房の上に乗っている、マグロを、つまむと、そこに、出来た隙間を埋めるように、信一が、皿から、マグロを、継ぎ足しました。
京子さんは、目をつぶって、じっとしていますが、信一が、時々、箸で、京子の乳首を、つまむと、京子さんは、
「ああん」
と、切なげな、喘ぎ声を上げました。
私も、それが、面白そうで、信一の真似をして、箸で、京子さんの乳首を、つまんでみると、京子さんは、
「ああん」
と、切なげな、喘ぎ声を上げました。
箸で乳首をつままれているうちに、だんだん、京子さんの乳首が勃起してきました。
「女は、興奮すると、乳首が勃起するんだよ」
と、信一が、説明しました。
私たちは、だんだん、遠慮がなくなっていって、三人で、京子さんの体の上に乗った、刺身を、食べるようになりました。
京子さんは、時々、
「ああっ。いいわっ。気持ちいい」
と、喘ぎ声を上げました。
だんだん、京子さんの、閉じた割れ目から、ネバネバした、白濁液が、出て来ました。
「女は興奮すると、マンコから、こういう、粘ついた液体が、出てくるんだよ」
と、信一が、説明しました。
皿にあった、刺身を全部、食べてしまうと、信一は、
「あー。美味しかった」
と言って、私たちの方を見て、
「どうだ。美味くて、面白かっただろう」
と、聞きました。
私は、コクリと肯きました。
京子さんの体の上に、乗っていた、刺身が、全部、無くなってしまったので、京子さんの体は、丸裸になりました。
京子さんの体には、刺身の匂いが、染みついているような、様子です。
京子さんは、目を開いて、
「有難う。気持ちよかったわ。私。シャワーを浴びてきます」
と言って、バスタオルを腰に巻いて、部屋を出て行きました。
私たちは、夢心地で、呆然としていました。
その中で、信一だけは冷静で、
「ふふふ。どうだ。面白かっただろう」
と、不敵な笑いを浮かべました。
確かに、面白くはありましたが、それを、口に出して言うことは出来ず、私と仙吉は、黙っていました。
「ふふふ。いい物を見せてやるよ」
と、言って、信一は、パソコンを、私たちの前に出して、電源を入れました。
デスクトップに、「京子」、と、書かれたフォルダがあります。
それを信一が、開くと、その中には、たくさんの、京子さんの裸の写真が、出て来ました。
単なる裸の写真はなく、みな、縄で縛られた、写真ばかりです。
後ろ手に縛られて、胸を、乳房を挟むように、縛った写真。
腰を、ベルトのように、縄で、縛って、それに、T字状に、縄を結びつけ、股間に、その縄が、食い込んでいる写真。
柱を背にして、柱に縛りつけられている写真。
胡坐をかかされて、足首を縄で縛られて、その縄尻を、首にかけられて、身動きのとれない窮屈な姿の写真。
そんな、写真が、幾枚も、ありました。
「ふふふ。これ。お父さんが、京子さんを裸にして、縛って撮った写真なんだ。お父さんは、こういうことを、するのが、好きで、京子さんは、こういうふうに、みじめにされることが好きなんだぜ」
と、信一は、得意そうに言いました。
私たちは、思わず、ゴクリと、唾を呑みこんで、食い入るように、写真を、見つめました。
「京子さんは、光子という連れ子がいて、君のお父さんは、金持ち、で、金目当てに結婚したのだから、京子さんは、本当は、嫌がっているんじゃ、ないのかい?」
私は、勇気を出して、聞いてみました。
信一は、首を振りました。
「いやあ。そうじゃないよ。確かに、誰でも、そういうふうに、思っても、おかしくはないね。だけど、本当に、京子さんは、こういうふうに、いじめられることに、快感を感じる性格なんだ。つまり、マゾなんだ」
そう、信一は、言いました。
確かに、京子さんは、夫に死なれ、光子という、連れ子もいます。
でも本当に、嫌だったら、結婚した後で、別れることも、出来るはずです。
京子さんは、美人で、光子も、可愛い。
それに、京子さんほどの、美人なら、連れ子がいても、結婚したい、と思う男も、多く見つかるでしょう。
(それなのに、別れない、というのは、やはり、信一の言うように、京子さんは、マゾで、いじめられることが、嬉しい性格の人なのかも、しれない)
そう、私は、頭の中で、考えめぐらしました。
やがて、京子さんが、シャワーから、もどって来ました。
バスタオル一枚を体に巻いて。
彼女は、てっきり、もう、戻ってこない、か、あるいは、戻ってきても、服を着て、戻ってくるだろうと、思っていたので、私は、驚きました。
バスローブの襟の合わせ目、からは、乳房が、かなり見えます。
彼女は、私たちの所に来ると、しゃがみ込みました。
「ふふふ。彼女は、もどってくることに、なっていたんだよ」
と、信一は、私たちに説明しました。
「信一さま。さあ、好きなようになさって下さい」
京子さんの声は、妙に、艶っぽく、また、放心して、全身から、力が抜けきって、全てを信一に任せている、といった感じでした。
それに、義理とはいえ、信一は、彼女の、息子、というのに、信一を、「さま」、づけで、呼んだことにも、驚きました。
信一は、「ふふふ」、と、笑って、彼女の、バスローブの紐を解き、バスローブを彼女から、抜きとりました。
彼女は、虚ろな表情で、まるで、意志を持たない人形のようで、いとも容易に、信一に、バスローブを、取り去られてしまいました。
私と、仙吉は、驚きました。
なぜなら、彼女は、バスローブの下に、何も身につけていなかったからです。
彼女は、バスローブを、取り去られて、丸裸になりました。
「ふふふ。面白いものを見せてやるよ」
信一は、不敵な笑いを浮かべました。
信一は、縄を持ってくると、彼女の背後に座りました。
そして、彼女の華奢な両手を、グッとつかむと、グイと、荒々しく、背中に回しました。
「ああー」
彼女は、口を半開きにあけて、眉を八の字に、寄せ、苦しげな、しかし、妙に、艶っぽい、声を出しました。
信一は、背中の真ん中で、手首を重ね合せると、手首を、麻縄で、グイグイ縛り上げました。
「ああー」
彼女は、口を半開きにあけて、眉を八の字に、寄せ、苦しげな、声を出しました。
両手首を背中で、縛られてしまったので、彼女は、自由を奪われて、胸を隠すことが、出来なくなり、豊満な、二つの乳房が、顕わになりました。
さっきの、女体盛り、では、仰向けに寝た姿勢だったので、乳房は、胸の上で、平べったく、ひしゃげていましたが、今は、座っているので、二つの、大きな乳房が、その重さのため、下垂して、乳房の下の縁の輪郭が、はっきり、現れて、大きく盛り上がり、その量感を、誇示してるように見えます。
小高い盛り上がりの、真ん中には、あたかも、山の頂上にある山頂標識のごとく、ここが、山の頂点であると、示しているかの如く、朱色の、円柱の、乳首が、堂々と、屹立しています。
座って、ムッチリした、二本の腿を、ピッチリと、閉じ合わせているので、アソコの割れ目は、見えませんが、しかし、見えないことが、かえって、見たい欲求を刺激して、そこに、自然と、視線が向かってしまいます。
男の性器は、体から突き出ている突起物なので、男の裸では、太腿を閉じ合せても、性器は、隠せませんが、女の性器は、太腿を閉じ合わすことによって、容易に、隠せます。
しかし、容易に、隠せることが、そして、隠している姿に、女の、恥じらい、いじらしさ、が、あらわれてしまって、かえって、男の性欲を刺激します。
腰は、キュッと、くびれ、大きな尻が、重たそうに、床の上に乗っています。
思わず、私は、ゴクリと、唾を呑みこみました。
大人の女の人の、乳房を見るのは、生まれて初めてだからです。
「ふふふ。じゃあ、今度は、この女の折檻だ」、
と、信一は、言って、裸の京子さんを、甚振りだしました。
信一は、割り箸の先で、京子さんの、顕わになっている、乳房や乳首を、突きました。
「ああー」、
京子さんの体は、反射的に、割り箸の、攻撃を避けようと、体が反応して、体が、動きました。
しかし、彼女は、後ろ手に縛られていて、自由を奪われているため、乳首を突いている、割り箸の、責めを、どうすることも出来ません。
豊満な、乳房は、あたかも、見てくれ、といわんばかりに、その荘厳な、美しい威容を、誇らしげに、披露しているようにも、見えます。
実際、女は、服を着ている時は、服を押し上げて、盛り上がっている、自分の胸のふくらみを、誇示し、自慢しているのです。
女の胸は、女にとって、男達に対して、見せつけ、自慢する肉体の部分です。
しかし、男は、その胸に、対して、勝手に、手出しは、出来ない、という絶対的な、社会的制約に、安心して、女は、自分の胸を、男たちに、服の上から、そのふくらみ、を見せつけているのであって、このように、男によって、服を剥ぎとられ、後ろ手に縛られて、あられもなく見られてしまうと、それは、もう、屈辱と、恥ずかしさ、で、何としても、隠したく、絶対、見られたくない、物に、一変してしまいます。
しかし、後ろ手に縛られている以上、隠しようがありません。
信一が、乳首を、突いたり、二本の割り箸で、乳首を、挟んで、クイと、引っ張ったりすると、京子さんは、
「ああー」
と、切ない喘ぎ声を、出しました。
信一が、京子さんの、乳首を、突いたり、つまんだりしているうちに、だんだん、京子さんの、乳首が、尖り出しました。
「ふふふ。女の乳首は、興奮すると、こういうふうに、尖ってくるんだよ」
と、信一は、説明しました。
信一は、京子さんの、両方の乳首を、責めて、尖らせると、京子の、耳を引っ張ったり、鼻をつまんだり、口の中に指を入れたり、と、京子さんの体を弄びました。
「ふふふ。君たちも、やりなよ。やりたいだろ」
信一が、私たちに言いました。
「この女は、いじめられることに、快感を感じるんだよ」
信一は、私たちに向かって、そう言うと、次は、京子さん、に向かって、
「ねっ。そうだよね」
と、京子さん、に、それを認めさせるように、京子さんの、美しい黒髪を、つかみながら、言いました。
「は、はい。そうです」
京子さんは、目をつぶりながら言いました。
「仙吉さん。栄吉さん。ど、どうぞ。好きなようになさって下さい」
京子さんは、そう言いますが、私には、一つ、ひっかかることがありました。
京子さんは、信一の父親と結婚するまでは、収入も、少なく、女手一つで、光子を育てなければ、なりませんでした。
一方、信一の父親は、金持ちで、京子さん、は、金目当て、で、信一の父親と結婚したのではないか。それならば、信一の父親は、京子さんに対して、絶対的に、強い立場にあり、京子さんは、信一の父親に、逆らうことは、出来ないはずです。
なので、京子さんは、本心では、こういうことを、されることは、嫌だけれど、信一の父親の夫である以上、夫の、言うことを、仕方なく、きいているのではないかと。
しかし、京子さんの態度を、見ていると、どうしても、嫌だけれど、仕方なく、信一に従っているようには、見えません。
信一は、京子さんの口に、指を入れて、執拗に、口の中を、弄っていました。
しばしして、信一が、指を、引き抜くと、ネバネバした、液が、糸のように、信一の指に、ついていました。
「女は、興奮すると、ネバネバした、唾液が出るんだよ」
そう、信一が説明しました。
箸で、つままれて、乳首も、勃起しています。
京子さんは、はじめは、こんな、変態的なことを、されるのは、嫌だったかもしれませんが、信一親子に、いじめられるうちに、だんだん、本当に、いじめられて、喜ぶように、気持ちが変わっていったのではないか、とも、私は思いました。
ともかく、信一が、母親を、いじめているのを、見ているうちに、私と仙吉は、だんだんと、興奮してきて、私も、京子さんの体を、触ってみたくなりました。
仙吉は、京子さんの太腿を触り出しました。
仙吉は、ハアハアと、息を荒くしながら、京子さんの、太腿の付け根に、強引に、手を入れようとします。
しかし、京子さんは、「ああー」、と、声を出し、仙吉の手の侵入を阻止しようと、しています。
私も、おそるおそる、京子さんの乳房に、そっと手を当ててみました。
温かくて、柔らかくて、つきたての餅のような、最高の感触です。
最初は、乳房に、ピタリと手を当てて、触れているだけでしたが、だんだん、欲が出てきて、ゆっくり、揉むようになりました。
子供が、縛られた、女の人の胸を揉む、などという、子供では、してはいけない悪い事をしている、という罪悪感に、初めは、抵抗を感じていましたが、京子さん、が、嫌がらないので、だんだん、その気持ちは、子供では、出来ない、ことをしている、という、優越感と、特権意識に、変わっていき、その優越感に、私は、激しく興奮するように、なりました。
こんな機会は、二度と、来ないかもしれません。
私は、京子さんの、胸を揉むことに、ためらい、を感じなくなり、(今、オレは、女の人の胸を揉んでいるんだ)、という、実感が私を激しく興奮させ、私は、無我夢中で、京子さんの胸を揉みました。
そして、乳首をつまんで、コリコリ揉みました。
京子さんは、「ああん」、と、切ない喘ぎ声を出しました。
仙吉は、いやらしく、京子さんの、太腿の付け根の奥に、手を入れながら、京子さんの、大きな尻を、撫でまわすように、触っていました。
仙吉が、京子さんの、尻の割れ目に、手を入れようとすると、京子さんは、
「あっ。嫌っ」
と、言って、咄嗟に、尻を閉じようとします。
私も、京子さんの、胸だけではなく、太腿や、尻、など、京子さんの、体を、触りまくりました。
信一は、京子さんの、鼻をつまんだり、耳を引っ張ったり、髪の毛をつかんで、グイと、引っ張ったりしています。
こうして、私たちは、三人がかりで、京子さんを、責め抜きました。
「ふふふ。もっと、いい格好にしてやるよ」
信一は、京子さんを見て、囁きました。
信一は、京子さんの右足の足首を縄でカッチリと、縛りました。
そして、足首の縄の、縄尻を持って、椅子に乗って、天井の、梁に、ひっかけました。
そして、信一は、縄尻を、グイグイ、引っ張っていきました。
京子さんの、右足が、どんどん、縄に引っ張られて、天井めがけて高く上がっていきました。
必然、京子さんの、股間も、広がっていきました。
とうとう、京子さんの、右足が、ピンと、一直線になりました。
「ああー」
京子さんは、苦しそうな、喘ぎ声を出しました。
無理もありません。
京子さんの、股間は、パックリと開き、尻の割れ目も、パックリと開き、尻の穴も、アソコの割れ目も、丸見えに、なったからです。
「ここを、こうすると、女は、すごく、感じるんだぜ」
そう言って、信一は、京子さんの、尻の割れ目を、指先で、すー、と、なぞりました。
「ひいー」
京子さんは、悲鳴を上げました。
京子さんの、右足は、瞬時に、力が入って、膝が、曲がろうとしました。
しかし、足首は、縛られて、天井の梁に、結びつけられているため、足を曲げることは、出来ません。
京子さんが、グッと、脚を曲げようとすると、右足を吊っている縄が、京子さんの右足を、意地悪く、引っ張って、いじめているように見えます。
閉じ合わさった、マンコの割れ目が、はっきりと、見えます。
片足を、吊り上げられている以上、隠しようがありません。
大人の女性のマンコを、写真ではなく、実物を、まじまじと、見るのは、生まれて、初めてなので、私と仙吉は、食い入るように、閉じ合わさった、マンコの割れ目を、見ました。
私は、閉じ合わさった、マンコの割れ目、は、美しいな、と、あらためて、思いました。
なぜ、マンコの割れ目が、美しく、見えるのかは、わかりません。
女の人の、きれいな顔、や、プクリと、ふくらんだ、乳房が、美しい、と思うのは、感覚的に、わかりますが、なぜ、単なる、割れ目が、美しく、思えるのかの、その理由は、自分でも、はっきり、わかりません。
私の、性知識では、女のマンコは、オシッコを出す所、ということしか、知りません。
しかし、それだけでなく、男の、おちんちん、を、入れて、それによって、子供が産まれる、ということも、知っていましたが、そのことに関しての詳しい知識は知りません。
信一は、「ふふふ」、と、笑って、
「ここに、おちんちん、や、指を、入れると、女は、すごく、気持ちよくなるんだよ」
と、言って、京子さんの、マンコの割れ目の、下の方に、指を入れました。
指は、スルリと、入りました。
信一は、入れた指を、マンコの中で、さかんに、動かしました。
「ああー」
だんだん、京子さんは、信一が、言ったように、気持ちよくなってきたのか、切ない喘ぎ声を出しました。
しばしして、信一が、マンコから、指を抜くと、信一の指は、濡れていました。
「ふふふ。女は、気持ちよくなると、マンコから、ネバネバした液体が、出てくるんだよ」
と、信一は、説明しました。
「さあ。君たちもやってみなよ」
そう、信一は、私に促しました。
私は、京子さんの、マンコに、勝手に、指を入れることに、ためらいを感じましたが、それ以上に、女の体に対する、好奇心の方が、上回ってしまっていました。
それに、信一も、やったのだから、自分もやっても、いいだろう、という、言い訳も、私は、内心、持っていました。
私は、指を、京子さんの、マンコの割れ目に、差し入れました。
しかし、指は、なかなか、入りません。
私の指が、なかなか入らないので、信一は、
「もっと下の方だよ」
と、アドバイスしてくれました。
信一の、言った通り、割れ目の下の方の所を押すと、指が、スポッと、入ってくれました。
その穴の入り口は、最初、キュッと閉まっていたので、入れる時には、本当に、入るのかな、と、思って、手こずりましたが、いったん、指が、入ってしまうと、穴の入り口は、キュッと、引き締まって、指を、あたかも放さないかのように、閉めつけました。
穴の奥は、ヌルヌル、ゴツゴツしていて、生まれて初めて触る、女の部位の感触に、私は、(女のここは、こんなふうになっていたのか)、と、驚きました。
私が、そっと、指先を動かして、そこの感触を、探索していると、京子さんは、
「ああっ」
と、切ない喘ぎ声を出しました。
「もっと、強く押してみな。女は、もっと興奮するから」
と、信一が、アドバイスしました。
私は、信一の、アドバイスに従って、コニョコニョと、指先で、襞の内側を、弄りました。
すると、「ああー」、と、京子さんは、さっきより、一層、激しく、悶えました。
指を入れた時も、そこは、濡れていましたが、指で、粘膜を刺激すると、ネバネバした、液体が、分泌されてきました。
私の、刺激に、京子さんの、体が反応しているのだと、思うと、面白くなって、私は、一層、強く、粘膜を刺激しました。
かなり、楽しんだのち、指を、引き抜くと、指には、ネバネバした、液体が、指に、ベッタリと、くっついていました。
京子さんの、閉じ合わさった、割れ目の表面も、ヌルヌルに濡れています。
(女は、こうすると、興奮するんだな)、と、私は、今まで、知らなかった、女の体の仕組みを、知れたことに感激しました。
「お前もやってみろ」
信一は、そう言って、仙吉にも、京子さんの、マンコに指を入れさせました。
仙吉も、生まれて初めての、体験に、激しく、興奮して、さかんに、指を動かしました。
京子さんは、また、「ああー」、と、切ない喘ぎ声を出しました。
私たちは、三人ががりで、京子さんの、体を弄びました。
一人は、マンコに指を入れ、一人は、乳首をつまみ、一人は、尻の割れ目を、すー、と、なぞりました。
女一人に、男三人で、責められて、京子さんは、激しく興奮して、
「ああー」
と、切ない喘ぎ声を出し続けました。
女の人が、私たちが、刺激することによって、反応すると、その反応が、面白くて、私たちは、その反応、見たさに、我を忘れて、夢中で、京子さんの体を、刺激し続けました。
「ちょっと、お前たち、二人で、やってな」
信一は、そう言って、立ち上がって、部屋を出て行きました。
きっと、小用をたしたくなったんだろうな、と、私は、思いました。
信一が、いなくなったので、私と仙吉の二人で、京子さんを弄びました。
もう、私は、京子さんが、私たちの刺激に反応するのが、面白くなって、大人の女の人の、裸を、触る、ということに、罪悪感を感じなくなっていて、仙吉と、二人で、無我夢中で、京子さんの体を触りまくりました。
信一が、なかなか、帰ってこないので、小用にしては長いな、信一は、何をしているんだろう、と思い始めた頃です。
カチッと音がして、部屋の戸が開きました。
信一が、もどってきたんだろうと、戸の方に、目をやると、私は、吃驚しました。
なぜなら、そこには、信一と光子が、立っていたからです。
光子は、目隠しされて、後ろ手に縛られて、信一が、その縄尻を握っています。
信一は、まるで、悪漢を連行する巡査のようです。
なぜ、信一が、光子を連行して来たのかは、わかりません。
信一は、光子を部屋の中に入れて、柱の前に、座らせて、後ろ手の縄尻を柱に結びつけました。
そして信一は、光子の、目隠しを、とりました。
「あっ。お母さん」
光子は、裸で、片足を吊り上げられている、母親を、見ると、咄嗟に、大きな声を出しました。
「あっ。光子ちゃん」
光子の声に、母親も、光子に視線を向けました。
「信ちゃん。やめて。お母さんを、いじめないで」
光子は、信一に訴えるように言いました。
縄で、縛られて柱に、縛られていなかったら、光子は、一目散に、母親の所に駆け寄ったでしょうが、柱に縛られているので、光子は、動けません。
「信一さん。お願いです。私の、このような姿を、光子には見せないで下さい」
それまで、黙って、責められていた、京子さんも、真っ青になって、信一に、訴えました。
しかし、信一は、ニヤニヤ笑って、聞く耳を持とうとしません。
私は、一瞬、どういうことなのか、訳が分からず、京子さんの、体から、手を離しました。
しかし、信一は、また京子さんの所に行くと、吊られている京子さんの、足首をつかむと、足の裏を、くすぐり出しました。そして、私と仙吉を見て、
「さあ。お前たちも、やりな」
と言いました。
信一が、どうして、光子を連れてきたのか、わからず、私が、ためらっていると、
「ふふふ。京子さんは、恥ずかしい目に会うと、喜ぶマゾなんだ。自分の娘に、恥ずかしい姿を見られるのは、とっても、恥ずかしいだろう。だから、光子を連れてきたんだ」
と、信一は、言いました。
「信一さん。お願いです。どうか、光子を部屋から出して下さい。私は、どんなことを、されても、構いませんから」
と、京子さんは信一に哀願しました。
しかし、信一は、京子さんの哀願など、聞く耳を持とうとしません。
京子さんの、胸を足で踏みながら、京子さんの、足の裏を、くすぐっています。
「さあ。栄ちゃん。仙吉。さっきのように、三人で、京子をいじめるんだ」
そう言って、信一は、私たち、二人の参加を求めます。
しかし、私は、すぐに、信一の命令に従う気には、なれませんでした。
母親が、責められるのを、娘に、見せつける、というのは、母親は、恥ずかしいでしょうし、光子に、そんな光景を見せつける、というのも、可哀想な気がしたからです。
そんなことをしたら、母親と娘の関係が、気まずくなってしまうでしょう。
しかし、だからといって、何もしないでいるのも、気まずいものでした。
なぜなら、信一は、三人で、京子さんを責めるために、私たちを、呼んだのですから。
おそらく、間違いなく、信一は、一人では、京子さんに、こういう、意地悪を、したことがあるのでしょう。
女体盛り、の時も、手慣れた様子でしたから。
信一、一人だけが、京子さんを、責めているのを、私と仙吉は、嫌そうに、見ているというは、信一にとっては、しらけてしまい、つまらないでしょう。
信一は、私と仙吉も、参加させたいのです。
そして、私と仙吉も、さっきは、京子さんを、三人がかりで、責めることを楽しんでいたのです。
光子がいないのをいいことに、さっきまで、光子の母親を、弄んでいたのに、光子の前では、いい子ぶる、というのも、ずるいように、思われました。
それに、信一だけの意志で、こんなことが、出来る、とも、思えません。
光子を縛って、連れてくる、というのも、信一の力だけでは、出来ないでしょう。
おそらく、信一の父親の、後ろ盾があるから、こういうことが、出来るのであって、信一の父親が、こうするよう、命じたのに、違いありません。
私が、そんなことを、考えていると、信一は、
「さあ。お前たちも、加わりな」
と、私たちの参加を急かします。
信一は、京子さんの乳首を、割り箸で、突きながら、言いました。
「さあ。ぼーとしてないで、栄吉は、マンコを責めな。仙吉は、尻の穴を責めな」
信一が命じました。
私は、信一の命令に従って、さっきのように、京子さんの、マンコの割れ目に、指を入れました。
そして、指をコニョコニョ、動かしました。
また、ネバネバした液体が、出始めました。
仙吉は、京子さんの、尻の割れ目を、すー、と、なぞり出しました。
信一は、京子さんの、乳房を揉んだり、乳首をつまんだりしています。
京子さんは、
「ああー」
と、切ない喘ぎ声を出しました。
信一は、京子さんの、首筋や、脇腹を、すー、と、撫でたり、くすぐったりしました。
それを見て、私たちも、京子さんの、尻や、足の裏、など、体の、あちこちを、くすぐりました。
「ひいー」
京子さんは、一際、大きな悲鳴を上げました。
マンコからは、ドロドロ、白っぽい、ネバネバした、液体が、出て来ました。
「信ちゃん。お願い。お母さんを、いじめないで」
光子が、後ろ手に縛られた、体を揺すって、言いました。
信一が、ジロリと、光子の方に、視線を向けました。
「うるさいな。光っちゃん。見たくないなら、目をつぶっていれば、いいじゃないか。それとも、また目隠しをしてやろうか?」
信一が、聞きました。
「・・・・」
光子は、唇をキュッと、噛んで、困惑した顔で、答えられず、黙っています。
無理もあません。
光子は、母親が、責められるのを、見たくはないけれども、それと同時に、母親が、どんなふうに、責められるのか、心配でもあり、見守りたくもあるのです。
その証拠に、光子は、さっきから、目をギュッ、と、閉じて、俯いていましたが、時々、そっと母親の様子を、知るために、チラッ、と、目を開けて、その光景を見ると、すぐにまた、目を閉じる、ということを、繰り返していたからです。
光子を離れ家から出して、離れ家の鍵をかけたら、離れ家の中で、母親が、どんな責めを、受けているか、気が気でなくなって、これも困るでしょう。
「姉さん。おとなしくしていないと、姉さんも、裸にしちゃうぞ」
信一が、光子に向かって言いました。
「信一さん。どうか、光子は、いじめないでやって下さい。その代り、私を好きなように責めて下さい」
すぐに、母親が、娘を守ろうと、信一を制しました。
「よし。じゃあ、責め、の、度合い、を、もっと激しくするんだ」
信一が、言いました。
私たち三人は、京子さんへの、責めを、激しくしていきました。
私は、マンコを擦る速度を速め、仙吉は、尻の割れ目を、さかんに、なぞり、信一は、乳房を、一層、強く揉み、そして、体のあちこちを、さかんに、くすぐりました。
京子さんの、マンコから、ドロドロと、白い粘っこい液体が、溢れ出てきました。
京子さんの息は、ハアハアと、荒くなり、全身が、ガクガクと、震え出しました。
「ああー。いくー」
京子さんは、ひときわ、大きな声を出しました。
ついに、京子さんは、エクスタシーに達しました。
しばし、全身が、ピクピク痙攣していましたが、やがて、ガックリと、全身の力が抜け、京子は、死んだように、脱力しました。
「ふふふ。京子さんは、エクスタシーを味わったんだよ」
信一が、得意そうに言いました。
女にも、男の射精と同じように、エクスタシーがあることは、アダルトビデオを見て、知っていました。
しかし、それが、女にとって、どのようなものであるのかは、わかりません。
私たちは、京子さんを責めるのを、やめました。
「よし。じゃあ、今日は、これで終わりにしよう」
信一が言いました。
「栄吉と仙吉は、光子の縄を解いてやりな」
信一は、そう言って、自分は、椅子に乗って、天井の梁に、引っかけてある、縄を解きました。
一直線に、吊られていた、京子さんの、足が、スルスル降りてきました。
信一は、京子さんの右足首の縄を解き、そして、京子さんの、後ろ手の縄も解きました。
これで、京子さんは、拘束が無くなりましたが、疲れからか、床に、グッタリしています。
私と、仙吉は、光子の後ろ手の、縄を解きました。
縄を解かれて、自由になると、光子は、
「お母さん」
と、言って、床に寝ている、母親の所に、駆けつけました。
「じゃあ、今日は、これで終わりだ。君らは家に帰りな」
信一が、私と仙吉に言いました。
「いい物をあげるよ」
そう言って、信一は、USBメモリを、二つ、ポケットから取り出して、私と、仙吉に、渡しました。
「ありがとう。何が入っているの?」
一応、貰った手前、礼を言って、質問しましたが、大体、何かは、わかります。
信一は、ニヤッ、と、笑って、
「それは、家で、ゆっくり、見て楽しみな」
と、思わせ振りな口調で言いました。
「それじゃ、さよなら」
と、言って、私と仙吉は、離れ家、を出ました。
そして、自転車に乗って信一の家を出て、帰途につきました。
家に着くと、母親が、出て来ました。
「お帰りなさい」
そう言って、母親は、夕飯の、カレーライスを、レンジで温めて、食卓に、出してくれました。
私は、急いで、カレーライスを、搔き込みました。
そして、急いで、部屋に入って、パソコンの電源を入れ、信一から、貰ったUSBメモリ、を、差し込んで、開けてみました。
USBメモリの中には、思った通り、京子さん、が、裸で緊縛された、写真が、たくさん、入っていました。
後ろ手に縛られて、乳房を挟むように、胸の上下を、縛った姿。
柱を背に、立たされて、柱に縛りつけられている姿。
後ろ手に縛られて、腰に、ベルトのように、縄が巻かれ、股間に縄が食い込んでいる姿。
尻を高く上げている姿。
両足首を、縛られて、引っ張られ、足が大きく開かれている姿。
後ろ手に縛られて、胡坐をかかされて、両足首は縛られて、その縄尻は首にかけられて、胡坐をかいたまま、苦しそうな姿勢で動けない姿。
足袋だけ、履かされて、縛られている姿。
ブラジャーや、ブラウスだけは、着ているのに、下半身は、露出している、恥ずかしい姿。
そんな、いやらしい、写真が、100枚、以上、たくさん、ありました。
私は、食い入るように、写真を見ました。
写真を撮ったのは、信一の父親に違いありません。
しかし、はたして、京子さんは、マゾで、こうされるのが、本当に嬉しいのか、それとも、信一の父親の、金目当て、で、結婚したため、本当は、嫌だけれども、仕方なく、父親の変態趣味に、従っているのかは、その写真だけからでは、どうしても、わかりませんでした。
その晩は、興奮して、なかなか寝つけませんでした。

月曜日になりました。
睡眠とは、不思議なもので、昨日は、生まれて初めての刺激的なことばかりを、見て、して、激しく興奮していたのに、一晩、眠ると、昨日の興奮は、すっかり無くなっていました。
社会人でなくても、学生でも、休みの日曜日が、終わって、月曜の朝、となると、精神が緊張モードに入ります。
社会人は、仕事に対してですが、学生は、仕事などありませんが、学生の勉強は、労働ではありませんが、勉強が、好きで好きで、たまらない、ほんの一部の生徒を除いた、勉強嫌いの、ほとんどの生徒にとっては、学校に拘束されて、一日中、好きでもない勉強をさせられる、という点では、社会人も学生も同じです。
誰しも、何の拘束の無い、自由に時間を使っていい、土日の方が、のんびりできて、気持ちが、リラックス出来るものです。
ましてや、内気で、友達も少なく、大人数の中で、バカはしゃぎ出来ない私には、ガヤガヤした、教室の雰囲気が、嫌いでした。
信一も、家では、殿様のように、傲慢に振舞っていますが、学校では、友達もいなく、休み時間も、一人で、自分の机に、ポツンとしています。
私もそうですが、信一も、内弁慶なのです。
私は、昨日の感想を信一に、得々と、嬉しそうに、話す気には、なれず、信一も、そのようでした。
なので、休み時間になっても、信一と、話すこともしませんでした。
昨日のことは、お互い、自分の心の中で、秘密の世界にしているようで、そして、自分が、他の生徒には、想像も出来ない、秘密の世界を持っていることに、言い知れぬ、心地よさ、を、私は、感じました。
信一が、私を、悪徳的な悪戯に誘ったのも、私の内気さ、に目をつけたのでしょう。
私なら、誰にも話さないと。
信一は、私に、悪戯の口止めを、言葉では、言いませんが、私が、軽々しい性格ではなく、昨日の悪戯を、誰にも話さない、と、確信しているのでしょう。
信一も、自分一人が、秘密の世界を持っている特権を、内心で、得意になっているのでしょう。
さて、その週も、つまらない、たいくつな、学校の夫役が、終わりに近づいた、金曜日のことです。
信一が、私の所にやって来ました。
「明日。家においで。面白いものを、見せてあげるから」
と、信一は、言いました。
きっと、また、エッチなことに、違いありません。
私は、嬉しさを顔には出さずに、いたって、平静を装いながら、
「何時に?」
と、聞きました。
「わからない。昼過ぎだと思う。メールを送るから、メールが、届いたら、すぐにおいで」
と、信一は、言いました。
今度は、何をするのだろうと、ワクワクしながら、私は、
「うん。わかった。メールが来たら、直ぐに行くよ」
と、答えました。
そして、信一と、別れました。
家に帰ると、「ただいま」、と、一言、母親に、言って、私は、すぐに、部屋に入りました。
そして、信一から、貰ったUSBメモリを、開いて、京子さんの、恥ずかしい姿を、再び、じっくり、眺めました。
いくら、見ても、見飽きることはありません。
明日は、京子さんに、どんなことを、するのだろうかと、思うと、胸がドキドキして、興奮をおさえることが、出来ませんでした。
その晩は、京子さんの、たくさんの、恥ずかしい緊縛姿を見ながら、明日は、どんなことを、するのだろう、と思い巡らしました。

土曜日になりました。
朝寝坊して、9時に、起きて、遅い朝食を食べると、私は、すぐに、部屋にもどりました。
そして、ベッドの上に、ゴロンと寝転んで、いつ、信一から、メールが来るか、と思いながら、USBメモリを、開いて、京子さんの、恥ずかしい姿を、じっくり、眺めていました。
昼が近づくと、信一から、いつ、メールが来るかと、緊張が、高まってきました。
12時を、過ぎても、信一から、メールは来ません。
私は、母親と、昼ごはんを食べました。
信一からの、メールが、来ることが、気になっていたので、昼ごはん、は、いそいで、かっこみました。
そして、食事が済むと、すぐに部屋にもどって、また信一からの、メールが、いつ来るかと、ワクワクしていました。
1時を、過ぎた時でした。
信一から、「栄ちゃん。はやくおいで」、と、メールが、届きました。
私は、「やった」、と、嬉しくなり、「今すぐ、行くよ」、と、だけ書いて、返信メールを信一に送りました。
私は、自転車に乗って、ペダルを、力一杯、漕ぎ、急いで、信一の家に向かいました。
10分もせずに、信一の家に着きました。
ピンポーン。
玄関のチャイムを鳴らすと、「はーい」、という、信一の声が聞こえ、パタパタと玄関に向かう足音が聞こえ、玄関の戸が開きました。
「こんにちは」
私は笑顔で挨拶しました。
「よく来てくれたね。さあ、入って」
と、信一が、促します。
居間のフカフカのソファーには、仙吉が、座っていました。
「仙吉も、ちょうど、今、来たところだよ」
信一が、言いました。
「姉さんは?」
私は、信一に聞きました。
私は、信一の、きれいな、母親に会うのが、楽しみでしたが、母親似の、美しい光子も、好きで、会えるのが楽しみでした。
「姉さんは、今日、友達と、原宿に出かけていて、いないよ」
信一は、素っ気なく言いました。
信一の、きれいな、姉さんに、会えるのが、楽しみでしたので、私は、少し、残念に思いました。
「お母さんは?」
私は信一に聞きました。
「お母さんは、離れ家に居るよ」
と、信一は、言いました。
私は、ちょっと、違和感を感じました。
お母さんが、いるのなら、友達が来たなら、挨拶して、おやつ、を、くれるのが、普通です。
先週の、日曜日に、私たちに、恥ずかしい姿を見られたとはいえ、大人の女性なのですから、それを、恥ずかしがって、引きこもる、ということは、考えられません。
恥ずかしい姿を見られたのですから、羞恥心を感じて、恥ずかしそうな、態度が、少しは、現れても、挨拶は、するはずです。
私がそんなことを、考えていると、信一は、
「さあ。離れ家に行こう」
と、言いました。
信一は、私と、仙吉を、引き連れて、離れ家に行きました。
離れ家に鍵は、かかっていなく、信一は、そっと、音がしないように、離れ家の戸を、ほんの僅か、開きました。
「面白いものを見せてあげるよ。でも。いいかい。気づかれないように、戸の隙間から、そっと、覗くだけだよ」
そう、信一は、私たちに、釘刺しました。
私たちは、無言で肯きました。
そして、そー、と、戸の隙間から、中を覗きました。
私は、吃驚しました。
部屋の中には、一方の壁から、向かい合わせの壁へ、一本の縄が、ピンと、一直線に、張られてあったからです。
両方の壁には、留め金が、つけられていて、縄の両端は、留め金に、しっかりと、結び付けられています。
そして、京子さんが、丸裸にされて、後ろ手に縛られて、ピンと張られた、その縄をまたいでいます。
縄の位置は、高く設定されていて、京子さんの、股間に、深く、食い込んでいます。
そのため、京子さんは、爪先立ちになって、つらそうに、しています。
縄には、30cmくらいの間隔で、縄が縒られて、等間隔に縄の瘤が、たくさん、作られていました。
京子さんの、すぐ手前に、椅子があり、信一の父親が座っています。
幸い、椅子は、縄の手前にあり、信一の父親は、私たちに、背を向けて座っているので、気づかれる心配はありません。
京子さんも、後ろ姿で、尻の割れ目に、縄が食い込んでいる姿なので、顔は、私たちの方に向いていません。
信一の父親は、長い竹の棒を持っていて、「さあ。歩け」、と言って、椅子に、座ったまま、京子さんの、大きな、柔らかい尻をピシャリと、叩きました。
「は、はい」
京子さんは、素直に返事して、歩き出しました。
歩くことによって、股間が、擦れ、京子さんは、「ああー」、と、苦しそうな声を出しました。
しかし、信一の父親は、京子さん、が立ち止まるのを、許しません。
「さあ。とっとと、歩け」
そう言って、信一の父親は、京子さんの、白桃のような、すべすべした、形のいい、尻をピシャリ、と、叩きました。
「はい」
と、言って、京子さんは、ゆっくりと、爪先立ちの足を、苦しそうに、体をプルプル震わせながら、ゆっくりと、歩きました。
縄が縒られた、瘤の所を、通る時は、京子さんは、一際、大きな声で、「ああー」、と、苦しげに眉を寄せて、つらそうな声を出しました。
信一の父親は、椅子の隣りにある、サイドテーブルの上にある、ブランデーを飲みながら、この意地悪な拷問を、楽しんでいます。
私は、固唾を呑んで、見ていましたが、激しい興奮が私を襲いました。
京子さんは、可哀想に思えますが、何とも、京子さんが、美しく見えたからです。
信一は、黙って、私たちの方を見ると、指を、クイクイと動かしました。
気づかれないよう、もどろう、という合図です。
私たちは、無言で肯いて、中に居る、父親や、京子さんに気づかれないように、そっと、音をたてないよう戸を閉めました。
そして、私たちは、足音を立てないように、そっと、歩いて、離れ家から離れました。
「どうだ。面白かっただろう」
信一が、得意そうに言いました。
私は、正直に、面白かった、とは、言えず、黙っていました。
仙吉もそうです。
「今日は、これを見せるために、君たちを呼んだのさ。オヤジは、ああやって、京子さんを、いじめているのさ」
と、信一が、言いました。
「お父さんに、気づかれると、まずいから、今日は、これで、帰って」
と、信一は、言いました。
私たちは、黙って、肯きました。
「あしたも、面白いことをするから、来て。時間は、また、メールで知らせるから」
と、信一は、言いました。
私は、自転車に乗って、家に向かいました。
家に帰った私は、すぐに、部屋に、入りました。
今、見た、京子さんの拷問の様子が、ありありと、頭の中で再現されてきました。
京子さんの、美しい白桃のような尻。
京子さんの、股間に食い込む縄。
それを、楽しげに、見て、京子さんを、いじめている、信一の父親。
いじめられて、つらそうに歩いている京子さん。
その光景の感慨は、何と表現していいか、わかりません。
京子さんが、可哀想で、京子さんを助けてやりたい、と、思う気持ちと、いじめられている京子さんが、あまりにも、美しく、京子さんを、いじめたい、という、サディスティックな思いが、私の心の中で、激しく葛藤しました。
その、どうしようもない、もどかしさが、私を苦しめると、同時に、私を、激しい興奮の絶頂に、導きました。
私は、信一から貰ったUSBメモリを開いて、京子さんの緊縛写真を、激しい興奮を持って見ました。
今日の責めだけでなく、信一の父親は、いつも、京子さんを、ああして、いじめているのだと、いうことが実感されました。
私も、美しい京子さんを、いじめてみたい、と思いました。
ただし、信一の父親のように、意地悪く、ではなく、やさしく、です。
私は、股間を揉みながら、ある夢想に浸りました。
それは、こんな夢想です。
私は、信一の父親が、京子さんの責めが、終わって、京子さんを、そのままにして、去って行った後、急いで、京子さんの所に行って、「痛くありませんでしたか?」、と、聞いて、すぐに、縄を解いてやり、京子さんの体を、温かいタオルで、拭いて、介抱して、京子さんが、「ありがとう」、という、そんな夢想です。
京子さんへの思慕は、募るばかりでしたが、信一が、「明日も面白いことをするから来て」、と言ったことも、気にかかっていました。
信一は、「面白いことを」、「見せる」、と言ったのではなく、「する」、と言ったのですから、私は、きっと、また、この前の日曜日のように、京子さんを、三人で、また、いじめるのだろうと、思いました。
私は、明日は、どんふうに、京子さんを、責めるのだろうかと、ワクワクしました。
その晩も、信一から貰ったUSBメモリの、京子さんの緊縛姿を一枚一枚、見て、こんなふうに責めるのだろうか、それとも、こんなふうに責めるのだろうかと、興奮しながら、想像を巡らしました。
その夜も、明日の興奮のため、なかなか、寝つけませんでした。

日曜日になりました。
私は、低血圧のため、朝起きが、悪いのです。
午前9時に起きました。
「栄吉くーん」
母親に呼ばれて、目を擦りながら、階下に降りてきて、遅い朝食をしました。
朝ご飯は、ご飯と、味噌汁と、焼鮭と、豆腐と、納豆でした。
朝ご飯を食べているうちに、だんだん、目が覚めてきました。
食べ終わると、急いで、また、自分の部屋に入りました。
そして、ベッドに寝て、パソコンを開いて、京子さんの緊縛写真を一枚一枚、見ました。
だんだん、興奮してきました。
今日は、京子さんに、どんな責めをするんだろう、と、信一からのメールが、いつくるか、気になり出しました。
12時になって、も、メールは、来ませんでしたので、母親と、昼ごはんを食べました。
そして、また、すぐに、自分の部屋に、もどりました。
信一から、メールが、来ないかと、だんだん、興奮の度合いが高まってきました。
1時を過ぎた頃、やっと、ピピッっと、メールが来た、着信音が鳴りました。
私は、いそいで、メールを見ました。
信一から、「栄ちゃん。はやくおいで」、と、簡単に書いてありました。
私は、「やった」、と、嬉しくなり、「今すぐ、行くよ」、と、だけ書いて、返信メールを信一に送りました。
私は、自転車に乗って、ペダルを、力一杯、漕ぎ、急いで、信一の家に向かいました。
10分もせずに、信一の家に着きました。
ピンポーン。
玄関のインターホンを鳴らすと、「はーい」、という、信一の声が聞こえ、すぐに、家の戸が開き、信一が、走って、玄関にやって来ました。
「こんにちは」
私は笑顔で挨拶しました。
「よく来てくれたね。さあ、入って」
と、信一が、促します。
私は、信一の家に入りました。
居間のフカフカのソファーには、仙吉が、座っていました。
「栄吉くん。いらっしゃい」
京子さんが、ニコッと、笑って、挨拶しました。
「こんにちは」
と、私も、挨拶しました。
先週の日曜日に、あれほど、恥ずかしい姿を晒し、私と仙吉と、信一の三人で、責められたのに、京子さんは、落ち着いていました。
京子さんは、昨日、私と仙吉と、信一に、父親に責められているのを、見られたことを、知りません。
しかし、昨日と、先週の日曜日に、見た、京子さんの、裸の体は、網膜に焼きついてしまって、一生、忘れることはないでしょう。
しかし、京子さんには、それを、気にして、恥ずかしがっている様子は見えません。
京子さんも、内心では、恥ずかしいと思っているのかも、しれませんが、それは、わかりません。
しかし、服を着ていると、裸の京子さんの姿は、連想されてきません。
SMプレイというものは、スポーツと同じのようなもので、している時は、心も体も裸になって、お互い、快楽の限りを、貪っていますが、終わってしまえば、お互い、日常の感覚にもどるものなのだな、と、私は、気づかされました。
服を着て、母親という立場でいる、今の、京子さんを、いきなり、脱がしたり、いじめたりすることは、出来ないのですから。
しかし、この後、そのスポーツが、始まるんだ、と思うと、心がワクワクしてきました。
「お父さんは?」
父親の姿が見えないので、私は信一に聞きました。
「今日は、朝からゴルフに出かけているよ」
信一が、言いました。
「さあ。どうぞ」
しばしして、京子さんが、苺のケーキ、や、クッキー、と、紅茶、を、持ってきてくれました。
「あら。光子は?」
京子さんが、信一に尋ねました。
「姉さんは、部屋で勉強に熱中しているよ。僕が部屋へ持って行ってやるよ」
信一が、言いました。
「そう。じゃあ、お願いね」
京子さんが、念を押すように言いました。
光子は、てっきり、今日も、友達と原宿へでも、出かけていると、私は、思っていたので、家に居るとは、以外でした。
「おやつは、二階に持って行って、食べよう」
信一が、言いました。
私と、仙吉と、信一は、京子さんが、持ってきてくれた、苺のケーキ、や、クッキー、と、紅茶、を、持って、二階に上がりました。
信一は、姉の部屋の戸を開けました。
「姉さん。おやつを持ってきたよ」
信一が言いました。
戸を開けて、部屋を見ると、私は吃驚しました。
なぜなら、光子は、服は着ていますが、後ろ手に縛られて、その縄尻は、机の脚に縛りつけられていたからです。
光子は横座りして、観念したように、項垂れていました。
光子は、私たちを見ると、はっと、身を竦めました。
今日は、この後、京子さんを、責めるのだと、思っていたので、私は、どういうことなのか、わからなくなりました。
信一は、苺のケーキ、や、クッキーを、光子の前に置きました。
なので、私や仙吉も、持ってきた、クッキーや、紅茶を、置きました。
「信ちゃん。どういうことなの?」
事態がつかめず、私は信一に聞きました。
「ふふふ。人質ゴッコさ。姉さんは、押し入り強盗に、捕まえられた、人質さ」
と、信一は、得意そうに言いました。
「さあ。食べよう」
そう言って、信一は、苺のケーキを切り、食べ始めました。
「お前たちも食べなよ」
信一に言われて、私と仙吉も、ケーキを食べ始めました。
ケーキを食べ終わって、紅茶も飲むと、信一は、光子に、
「ふふふ。人質にも、ちゃんと、食事は、与えてやるよ」
と言って、私の方を向き、
「栄吉。光子に、ケーキを食べさせてやりな」
と、命じました。
私は、光子の分の、苺のケーキを、ナイフで、一口分に、切って、フォークで、光子の口に運びました。
光子は、口を閉じていたので、私は、
「はい。アーンと口を開けて」
と、光子に言いました。
光子は、逆らう様子は見せず、素直に、口を開けました。
私は、光子の口に、一切れの、苺のケーキを、入れました。
光子は、モグモグ口を動かして、ゴクンと飲み込みました。
何だか光子が、生きた人形のように見えて、私は、思わず、面白くなって、さらに、また、一切れ、ケーキを切って、光子の口に入れました。
光子は、また、口をモグモグ動かして、ゴクンと飲み込みました。
確かに、これは、「人質ゴッコ」、というのに、ふさわしく、もし、本当に、犯罪者が人質を捕って、逃げられないよう、手を拘束したら、このようにして、人質に、食事を食べさせるのだろうな、と、思いました。
光子の分の、ケーキを全部、食べさせてしまうと、今度は、ポットから、紅茶を、ティーカップに入れて、光子の口に持っていき、
「はい。アーンして」
と言って、光子の口を開かせて、紅茶を、何回かに分けて、京子の口に、注ぎ込み、全部、飲ませました。
「さあ。光ちゃん。裸になりな。押し入り強盗は、人質に逃げられないように、人質を裸にするんだよ」
信一が、言いました。
しかし、光子は、「イヤ」、と言って、首を横に振ります。
「自分で、脱がないのなら、強引に脱がしちゃうよ」
信一が、そう脅しても、光子は、「イヤ」、と言って、言うことを聞きません。
信一は、余裕の表情で、ふふふ、と笑い、
「本当は、光子は、いじめられるのが好きなんだよ」
と言いました。
信一は、ノートパソコンの電源を入れました。
デスクトップには、「光子」、と、書いたフォルダがあります。
信一が、そのフォルダを開けようとすると、光子は、
「あっ。やめて。信ちゃん」
と、後ろ手に縛られた、身を震わせました。
しかし、信一は、光子を無視して、フォルダを開けました。
私は、驚きました。
なぜなら、フォルダの中には、丸裸で、後ろ手に縛られている、光子の写真が、たくさん、あったからです。
それ以外にも、様々な、奇態な格好に縛られた光子の緊縛姿の写真がありました。
さらに、裸の光子がテーブルの上に乗せられて、手足を、テーブルの四つの脚に縛られて、(信一が、剃ったのでしょう)、光子の陰毛が、きれいに剃られている写真、がありました。
「ふふふ。これ、全部、姉さん、が僕に頼んだんだよ。こういう風に、縛って、ってね。テーブルに縛りつけて、毛を剃って、とも、言ったんだよ。だから、その通りにしてやったんだよ」
信一は、ふふふ、と不敵に笑いました。
光子は、それには、反駁せず、唇をキュッ、と、噛み、黙って、顔を赤くしています。
反駁できない、ということは、事実なのでしょう。
「光子は、マゾなんだよ。裸にされて、縛られることが、嬉しいんだ」
信一は、得意そうに言いました。
それは、言われずとも、わかっています。
光子は、自分から、「きつねゴッコをやろう」、と言って、私たち三人に、いじめられる遊びを願い出たほどですから。
「さあ。後ろ手の縄を解くから、自分で、服を脱いで、裸になりな」
信一は、そう言って、光子の、後ろ手の縄を解きました。
光子は、手が自由になりましたが、服を脱ごうとは、しません。
「さあ。服を脱いで、裸になりな」
信一が、きつい口調で命令しましたが、光子は、じっとしています。
しばし、待っても、光子は、座ったままです。
「仕方がないな。それじゃ、お父さんに、頼んで、また、こういうふうに、お母さんを、責めさせるよ」
そう言って、信一は、パソコンのデスクトップにある、「京子」、という、フォルダを開きました。
それには、信一が、私に、渡してくれた、USBメモリと同じ、京子さんの、様々な、緊縛姿が、ありました。
そして、さらに、昨日の、京子さんの、縄の綱渡り、の責め、の写真も、何枚も、ありました。
そして、その動画もあり、後ろ手に縛られた全裸の京子さんが、ピンと、張られた、縄を股間に、挟み込んで、つらそうに、爪先立ち、で、歩いている、姿の動画が、鮮明に、写し出されました。
それは昨日、父親が、京子さんを、責めながら、それを、写真や動画に撮ったものでしょう。
信一は、パソコンを、光子の方に向けました。
「ああっ。やめてー」
光子は、顔を真っ青にして、大きな声を出しました。
「やめて欲しかったら、服を脱ぎな」
信一が、言いました。
「わ、わかったわ。その代り、お母さんは、いじめないで」
光子は、声を震わせて、言いました。
そして、震える手で、ブラウスのボタンを外し、スカートも、脱ぎました。
光子は、白い、ブラジャーと、パンティーだけになりました。
「さあ。それも、脱ぎな」
信一が、命じました。
光子は、おそるおそる、ブラジャーを外しました。
瑞々しい小ぶりの、乳房が、顕わになりました。
さらに、光子は、立ち上がって、パンティーのゴムの縁を、つかんで、降ろしにかかりました。
しかし、さすがに、全裸になるのは、恥ずかしいと見えて、少し、降ろしかけた位置で、ためらってしまいました。信一は、
「えい。じれったい」
と、言って、光子の背後に回り、光子のパンティーのゴムの縁を、つかむと、サー、と、一気に下まで降ろして、足から抜きとってしまいました。
京子の陰毛は、剃ってあって、マンコの割れ目が、子供のように、くっきり見えました。
信一が、剃ったのでしょう。
光子は、咄嗟に、「あっ」、と、言って、あわてて、座り込み、胸とアソコを、手で覆い隠しました。
きつねゴッコ、では、光子は、いじめられた、と言っても、服は着ていました。
しかし、今は、丸裸で、さずかに、光子も、裸を見られるのは、恥ずかしいのでしょう。
女の人が、裸にされても、胸と、アソコを、何とか見られないように、必死に、隠している、姿は、いじらしく、いつまで見ていても、見飽きないように、思われました。
私たちは、しばし、裸の女を、男が、三人で、取り囲んでいる、意地悪な快感に浸っていました。
「人質は、縛られるものだよ」
そう言って、信一は、縄を持って、光子の背後に回ると、光子の腕を、つかもうとしました。しかし、光子は、
「やめてー」
と、叫んで、抵抗しました。
「栄吉。仙吉。この女を、押さえて」
信一が、協力を、求めました。
私たちは、信一の言うことには、逆らえないので、仙吉は、光子の右手を、つかんで、私は、光子の左手を、つかんで、背中に回しました。
そして、背中で、光子の手首を重ね合わせました。
そのすきに、信一は、光子の手首を、縄で固く縛りました。
そして、その縄尻を、机の脚に結びつけました。
信一は、縛ることに、慣れていると見えて、光子は、何とか、縄から抜けようと、もがきましたが、無駄でした。
光子は、あきらめて、もがくのを、やめました。
逃げることが出来ないと、わかって、観念すると、光子は、別のこと、を気にし出しました。
裸で、後ろ手に縛られているので、光子の乳房は、丸見えです。
胸は隠せませんが、光子は、何とかして、性器の割れ目を、見られないようにと、太腿をピッチリ、閉じ合せました。
そうすることによって、確かに、物理的には、アソコの割れ目は、見えませんが、何としても、女の一番、恥ずかしい所を、隠そうとしている姿には、女の、恥じらい、いじらしさ、が、あらわれていて、かえって、男の性欲を刺激します。
しかも、光子は、男三人に、取り囲まれて、男たちの視線を、一身に受けているのです。
以前は、自分から、きつねゴッコをやろう、と言った光子ですが、今は、SM的な遊びを、嫌がっています。
その理由を察するに。
光子は、自分から、きつねゴッコをやろう、と言い出すほどですから、SM的な遊びが、好きなのでしょうが、それは、あくまで軽い遊びの範囲であって、先週の日曜日に、母親が、本格的に、SMプレイで、責められているのを見せつけられて以来、SMに、嫌悪感を持つようになってしまった、のでしょう。
信一が、父親に、光子の母親を、責めるよう頼めば、父親は、光子の母親を、責めさせることが、出来るのです。
京子さんが、マゾで、いじめられるのを、本心で、喜んでいるのか、あるいは、本当は、嫌だけれども、夫には、逆らえない手前、甘んじて、責められているのかは、わかりませんが、いずれにしても、光子は、母親が責められるのが、耐えられなく、そのため、信一には、逆らえないのでしょう。
光子は、きつねゴッコの時、信一に、いじめられるのを、嬉しがっていたほどですから、マゾなのは、間違いありませんが、それは、信一との、二人だけの秘密にしておきたく、他人の、私や仙吉にまで、裸にされて、責められるのは、こわいのでしょう。
「栄吉。仙吉。さあ。光子をうんと、責めな」
信一が言いました。
そう、言われても、私と、仙吉は、光子を責める気には、なれませんでした。
なぜなら、光子は、責められるのを、今は、嫌がっているからです。
SMプレイは、女が、いじめられるのを、望んでいて、はじめて、成り立つものであって、女が、本気で、嫌がっていたら、SMプレイは、成り立ちません。
私たちが、躊躇していると、信一は、
「仕方がないな。じゃあ、こうしてやる」
そう言うと、信一は、光子の右足の足首を縄でカッチリと、縛りました。
そして、足首の縄の、縄尻をとって、椅子に乗って、天井の、梁に、ひっかけました。
そして、縄尻を、グイグイ、引っ張っていきました。
光子の、右足が、どんどん、縄に引っ張られて、天井めがけて高く上がっていきました。
必然、光子の、股間も、広がっていきました。
とうとう、光子の、右足が、ピンと、一直線になりました。
「ああー」
京子は、苦しそうな、喘ぎ声を出しました。
無理もありません。
光子の、股間は、パックリと開き、尻の割れ目も、パックリと開き、尻の穴も、アソコの割れ目も、丸見えに、なったからです。
この前の日曜日に、光子の母親を、責めた方法と同じです。
光子は、マンコをもろに見られて、真っ赤になっています。
「もう、好きなようにして。その代り、お母さん、だけは、いじめないで」
光子は、自分が、いじめられるのと、ひきかえに、母を守りたい、という殊勝な発言をしました。
信一は、ニヤリと笑いました。
「栄吉。仙吉。さあ。この女を、くすぐるんだ」
そう言って、信一は、京子の首筋を、すー、となぞりました。
信一と、光子は、法律上は、義理の姉弟、という関係ですが、血のつながりは、全くありません。
血のつながりが、なくても、幼少の頃から、一緒に育ったというのなら、姉弟、という近親相姦の感覚も、起こるでしょうが、信一と、光子が、一緒に暮らすように、なったのは、二年前からです。
ですから、法律的には、義理の姉弟、という関係であっても、感覚的には、赤の他人、親しい友達、という感覚でいられるのは、容易に察せられます。
それで、光子は、信一だけに、身を任せて、信一に、いじめてもらい、マゾの快感に浸っていたのでしょう。
姉弟、で、こんなことをしているのを他人に知られるのは、光子にとっては、忌むべき恥であり、それは、二人だけの秘密だから、光子も信一に、頼めたのでしょう。
しかし、私と仙吉は、光子とは、赤の他人です。
私たちが、他の人に、二人の関係を話しても、私たちは、傷つきません。
それを、光子は、おそれているのでしょう。
しかし、信一にしてみたら、光子を、いじめているうちに、もっと、光子を、いじめたい、という加虐心が、高じて、複数で、光子を、いじめてみたい、と思うようになったのでしょう。
そもそも、「人をいじめたい」、というサドの性癖と、「人にいじめられたい」、という、マゾの性癖では、マゾの性癖を、持っていることを、人に知られることの方が、はるかに、恥ずかしいでしょう。
一般的に、「サド」、は、それほど、変態的ではありませんが、「マゾ」は、変態的です。
それと、母親が、いじめられるのを見て、「マゾ」、に、嫌気が起こったのでしょう。
光子は、いじめられたくない、と思っているので、私たちは、光子を、いじめる気には、なれませんでした。
しかし、私たちは、信一の言うことに、逆らうことは、出来にくいですし、「くすぐる」程度のことなら、それほど、抵抗も、感じなかったので、そー、と、光子の脇腹や太腿の付け根を、指先で、軽く、くすぐりました。
信一は、光子の、首筋を、くすぐったり、乳房を揉んだりしています。
くすぐっているうちに、だんだん、光子に対する、罪悪感がなくなってきて、コチョコチョと、光子の体の、あちこちを、私たちは、くすぐるように、なりました。
すると、光子は、
「ああー」
と、切ない喘ぎ声を上げました。
見ると、光子の乳首は、勃起しており、アソコの割れ目からは、ネバネバした白っぽい、液体が、出ています。
理性的に、嫌だと、最初は思っていたのが、裸を見られ、体をくすぐられているうちに、被虐心が、起こってきたのでしょう。
「いじめて。もっと、いじめて」
とうとう光子は、あられもない、ことを、叫びました。
その叫びに、私たちは、一層、興奮させました。
私は、光子の、アソコに、指を入れ、コニョコニョ、指を動かしました。
仙吉は、光子の尻の割れ目を、すー、と、なぞりました。
「ああー。いいー」
光子は、被虐の叫びを発しました。
私たちは、興奮しながら、光子を、いたぶる度合いを、強めました。
光子の、アソコの割れ目からは、ネバネバした白っぽい、液体が、ドロドロ出てきました。
京子の息は、ハアハアと、荒くなり、全身が、ガクガクと、震え出しました。
「ああー。いくー」
光子は、ひときわ、大きな声を出しました。
ついに、京子は、エクスタシーに達しました。
しばし、全身が、ピクピク痙攣していましたが、やがて、ガックリと、全身の力が抜け、光子は、死んだように、脱力しました。
「ふふ。とうとう、いったな」
信一は、勝ち誇ったように言いました。
「光子の体をふいてやりな」
信一が、言いました。
私は光子の、濡れたアソコを、ティッシュペーパーで、ふきました。
そして、私と仙吉は、汗まみれの、光子の体を濡れタオルで、ふきました。
光子は、後ろ手に縛られているので、私たちの、なすがままにされています。
信一は、椅子に乗って、天井の梁に、引っかけてある、縄を解きました。
一直線に、吊られていた、光子の、足が、スルスル降りてきました。
信一は、光子の右足首の縄を解き、そして、光子の、後ろ手の縄も解きました。
これで、光子は、拘束が無くなりましたが、彼女は、疲れからか、床に、グッタリしています。
「姉さん。服を着なよ」
信一が、言いましたが、光子は、グッタリ俯いたままです。
「仕方がないな。じゃあ、君たちが、光子に、服を着せてやりな」
信一が、言いました。
私は、光子の、床にある光子のパンティーを、とって、足をくぐらせ、スルスルと、引き上げていきました。
膝を越し、太腿の中程まで、パンティーを、引き上げると、光子は、ムクッ、と、起き上がって、自分で、パンティーを、腰まで、引き上げました。
そして、いそいで、ブラジャーを拾うと、ブラジャーを、着けました。
そして、スカートを履いて、ブラウスを着ました。
「今日は、これを、やるために、呼んだんだ」
信一が、言いました。
光子は、黙って、座っています。
「それじゃあ、僕たちは、帰るよ」
私は、気まずくなって、信一に、そう言いました。
「うん」
信一も、止めませんでした。
私と仙吉は、光子の部屋を出ました。
そして、信一の家を、出て、自転車に乗って家に帰りました。
家に着くと、部屋に入って、パソコンを、開きました。
信一からの、メールが来ていたので開けると、それには、「光子」、と、書かれた、フォルダが、添付されていました。
開けてみると、さっき見た、光子の緊縛姿の写真が、たくさん、ありました。
その日、以後、私は、信一の家に、行きづらい、感覚になりました。

それから、数日が、経ちました。
学校で、私は、信一に、話しかけづらくなりました。
光子が、マゾの性癖があるとはいえ、光子は、母親を、かばうために、いじめに耐えている面も、あると、わかった以上、光子を、いじめる、のは、可哀想だ、と思ったからです。
それを、知らない最初は、きつねゴッコ、も、無邪気に楽しめましたが、信一の家族関係のことが、わかってしまった以上、光子を、いじめるのは、可哀想に思うように、なりました。
信一が、「今度の、日曜も、来なよ。光子を、いじめるから」、と言っても、私は、
「いや。いいよ」
と断りました。
だんだん、信一との、つきあいが、疎遠になっていきました。
二ヶ月ほどした、ある日のことです。
私は、信一に、
「京子さん、や、光子は、どうしている?」
と、聞きました。
私が、行かなくなっても、信一は、光子を、いじめているのだろうか、そして、父親と一緒に、京子さん、を、いじめているのだろうか、と疑問に思っていたからです。
信一も、信一の父親も、はじめは、父と息子、二人だけで、光子、や、京子さん、を、いじめて楽しんでいたのでしょうが、だんだん、もっと強い刺激を求めて、他の人間も加えて、多数で、京子さん、や、光子、を、いじめたくなったのでしょう。
私や仙吉は、そのために、利用されたのでしょう。
信一は、
「お父さんは、会社の大阪支店に行ってしまったんだ」
と、言いました。
信一は、さびしげな、表情です。
「じゃあ、君は、今、京子さん、と、光子と、三人で暮らしているの?」
と、聞くと、信一は、
「うん」
と、答えました。
信一は、父親という、後ろ盾があったから、京子さん、や、光子に、エッチなことを出来たのであって、後ろ盾である、父親が、いなくなった今も、信一が、京子さん、や、光子に、エッチなことを、しているのか、どうか、それは、わかりません。
でも何か、信一の、さびしげな表情を、見ていると、父親の、後ろ盾、を、失って、また、私が、行かなくなって、信一は、京子さん、や、光子、を、いじめられなくなって、しまったのでは、ないか、と思いました。
しかし、光子、は、きつねゴッコ、で、いじめられる、のを、楽しんでいましたし、義理の弟の、信一に、頼んで、密かに、恥ずかしい姿にされることを、楽しんでいたのですから、光子、には、マゾの性癖があるのは、間違いありませんし、京子さん、が、女体盛り、で、いじめられた時の京子さん、の態度にも、嫌がっている様子は、感じられなく、いじめられることを、楽しんで、いた、ようにしか、思えません。
京子さん、にも、マゾの性癖が、あると、私は、確信しています。
私は、女の性欲は、よくわかりませんが、男は、いつも、女に対して、発情していて、エッチなことを、思っていますが、ネットで、調べると、
「女は、男と違って、いつもは、発情していない、が、いったん、性欲のモードにスイッチが入ると、男以上に、性欲の満足を、貪る」
と、書いてありました。
京子さん、は、信一の父親に、よって、性欲のモードにスイッチが入ってしまって、いたのでしょうが、父親が、いなくなることによって、性欲のモードに入る、起爆剤が、なくなってしまった、のかも、しれない、と私は、思いました。
しかし、私は、だんだん、京子さん、に、会いたくなりました。
それは、京子さん、が、美しく、魅力のある女性だからです。
京子さん、に、エッチなことも、してみたい、とも、思いました。
私は、毎日、寝る時は、京子さん、の、緊縛写真を見て寝ました。
女は、自分からは、性欲が、起こらない、とは、書いてあっても、それは、そういう傾向が、ある、ということで、女にも、自発的に、性欲が起こる時も、あるでしょう。
京子さん、も、夫が、いきなり、全く居なくなって、しまって、時には、性欲の快感を求める時も、あるのではないのだろうか、と私は思いました。
もし、京子さん、が、そういう気持ちで、悩んでいるのであれば、私は、京子さん、に、エッチなことを、したいと思いました。
しかし、そうでないなら、無理に、京子さん、に、エッチなことをして、京子さんを、悪徳的な悪戯の世界に引きずり込みたくはありませんでした。
ある日のことです。
私が、ショッピングセンターに行くと、買い物をしている、京子さん、を見かけました。
光子と一緒です。
私は、二人に気づかれないようにしながら、二人を見守りました。
二人は、笑顔で笑っていて、とても、幸せそうでした。
それは、性欲とは、全く無縁な、健全で健康的な、笑顔でした。
私は、その時、瞬時に、二人を、悪徳的な悪戯の世界に引きずり込んでは、いけない、と思いました。
学校でも、クラス替えが、行われ、私と、仙吉は、信一と、別のクラスになりました。
ある日、信一は、父親が、大阪の、会社に、長く、留まることが、決まったことを、言いました。
一時の在籍出向が、転籍出向に、変わったそうです。
そのため、父親は、信一の家を、売却して、大阪に、あらたに、建て売りの家を買って、家族四人は、大阪に、引っ越すことになるそうです。
そうして、家族四人は、家を売却し、大阪に、行ってしまいました。
信一や、京子さん、や、光子、と会えなくなるのは、さびしいことでした。
しかし、京子さん、や、光子、の、緊縛写真は、持っています。
信一とは、彼が、大阪に行ってからは、音信普通になりました。
やがて、私は、中学を卒業し、地元の高校に進学しました。
今、信一の家族は、どうしているか、わかりません。
しかし、中学の一時期、京子さん、や、光子と、刺激的な悪戯をして、遊んだことは、私の心の中で、いつまでも、楽しい思い出となっています。





平成30年5月2日(水)擱筆