ファースト・コンサート  11/20




2004.11.20

チェロとオルガン・スピネットによる
DUO コンサート

黒川正三 & 黒川文子

八王子復活教会・新聖堂にて・・・


11月20日、土曜日。
実は、この日は前々から、チェリストの黒川正三さんとのお約束で
八王子まで、奥様の文子さんとのDUOコンサートに伺うことになっていました。

黒川さんとは、ふとしたことから、お知り合いになり、
奥様とのDUOのコンサートがあったら、是非伺いたい、と思っておりました。
しかも、今回は、スピネット、オルガンなどとの、DUO!
是非、伺いたかったわけで・・・・・

ところが・・・・・・
その数日前、転倒して、顔に思いっきり擦過傷や、打ち身による腫れが残り、
初めてお会いするのに、どうしよう・・・・・と、とても悩みました・・・・・
それでも、やはり、コンサートの魅力に負け、思い切って出かけました!


さて、うちから、八王子はかなり遠いので、時間の読みが難しかったのですが、
無事に、開演前に到着。

なんと!今回は
おとんも一緒です・・・・・(クラシック系だと、スヤスヤ寝てしまう恐れ・・・有りで・・・)
上の写真がプログラムと、楽器の紹介です・・・・・
プログラムは、最後から2番目は、チェロの無伴奏組曲に変更になりました。
(プログラムは、見るのは、きついですね・・・すみません・・・)



奥様の文子さんが、ピアニストでいらして、この日の、鍵盤楽器すべてを演奏されました。
足踏みふいご式パイプオルガン」 「クラヴィコード」 「スピネット
スピネットは、ご自宅にお持ちのものです。


では、それぞれの楽器の紹介を・・・・・



まずは
足踏みふいご式パイプオルガン

この日は、「足踏み」の役は、
クラヴィコードなどの製作者
山野辺暁彦氏が担当。
本当は、黒川さんが踏みたかった
との事でしたが、
奥様の合格点を
いただけず断念されたとか・・・・・

確かに、大きな物ならいざ知らず、
この規模だと、足踏みの圧などが、
演奏に即、現れますね・・・?
黒川さん、残念そうでした!


どの楽器も、皆、休憩時間や演奏終了後、とても気さくに、
見たり、触れたりさせて頂けて、うれしい驚きでした。
写真右は、足踏みのペダルです。




次に、私が、この日一番感動した音・・・・・
クラヴィコードです・・・・・


クラヴィコードで、まず初めに、バッハのインヴェンションを演奏されたのですが、
耳慣れたはずの、メロディーなのですが、
ピアノで、よく耳にするそれとは、まったく別のもの・・・・・でした。
小さな(?)音ですので、この会場ならでは・・・・でしたね。
でも、小さいながら、とても存在感のある、丸みのある、深みのある音でした。

クラヴィコードは、弦が張ってありそれを下からたたいて音を出す仕組みです。

ただ、大きく違うのは、1本の弦が、ふたつの音を出す・・・ということ。
たたく位置により(弦の長さ)高低ができ、ふたつの音を
担当(?)させる、ということです。

しかも、弦をたたく時、弾んでしまうと、音は出ないので、
鍵盤でしっかり指をとどめておかないと、音がちゃんと出ないのです。
確かに、鍵盤を弾いてみると、しっかり、その振動が指先に伝わってきました。

つまり、鍵盤を弾いた時の、指のタッチの強さや、鍵盤上での動きなどの
全てで、音質が微妙に変化して来る、ということですね。

横から撮ったものなど、紹介します。

弦をたたく金具の先が尖っているのがお分かりになりますか?
右下の、10円玉が見えますか?
黒川さんのご説明によりますと、これは、 

楽器をじかに台に乗せると振動が止まってしまうため、スタンドとクラヴィコードの間に
左2箇所、右1箇所小さな金属の円錐を置いて楽器を浮かせています。
この円錐の先がとがっているので楽器の底に食い込まないように
10円玉が挟んであります。
4点ではなく3点で支えているのは微妙に高さが違ってもがたつかないためです。」

と、いうことでした。


奥様の文子さんは、天皇皇后両陛下の御前でのトークコンサート()も
なさったということですが、本当に、楽しく、いろいろなお話をして下さいました。
3つの楽器についてもそうですし、
曲の解説はもちろん、作曲者や、その人の生きた時代背景、性格なども・・・





さて、残るは、スピネットですね・・・!


スピネットは、チェンバロの、規模を小さくしたシンプルなもの、
と言う感じでしょうか・・・・・・・
チェンバロも、スピネットも、鍵盤ですが、弦をたたくのではなく、
つめのようなもので、はじく感じです。
爪弾くというのかしら・・・・・?
この「爪」は、本来は鳥の羽の、軸というか、
羽ペンとかにする、ああいったところで出来ています。
水鳥とかの羽で・・・(黒川さん曰く、「
カラスの羽ではだめですよ!」・・・・・)
上の写真では、ちょうど、爪弾くところに、カバーがかかっていますので、
そのカバーを外した写真を・・・・・・



このスピネットの音質は、私の個人的な感想としては、
チェンバロの音質(私が思い浮かべた)より、シャリシャリ感の少ない
丸みのある、感じでした。




楽器によって、その奏でられる音楽の感じが
オルガンは8割が、楽器そのもの、
スピネットは、楽器と演奏者が、半々、
そして、クラヴィコードは8割が演奏者と言われる・・・・・
というのが、そうだなぁ・・・・としみじみ納得。

その意味でも、文子さんも「クラヴィコードを弾くのがとても楽しい」と
おっしゃっておられました。


最後になりましたが、ここに、黒川さんのチェロと、演奏していらっしゃるところを
ご紹介させていただきます!



今回のような、DUOのコンサート
小さな会場での、アットホーム的なコンサートで
久しぶりに、バロックの曲を、その時代の楽器の音色で聴き、
とても、穏やかな、潤いのあるひと時を過ごせました。

しばらく、コンサートから離れていましたが、呼び水になり、癖になりそう・・・・・




黒川さんご夫妻のご紹介

   黒川正三さん・・・・・東京フィルハーモニー交響楽団 首席チェロ奏者。
           フィルハーモニーカンマーアンサンブル主宰
     主に室内楽を中心に演奏活動中

黒川文子さん・・・・・ピアニスト(オルガン、チェンバロなども・・・・)   
                 フィルハーモニーカンマーアンサンブルのメンバーとして
       活動中。声楽伴奏などもされています

黒川さんのHPがあります。音楽だけでなく、色々と楽しいページですよ!
こちらへ!!