電気のはなしシリーズ

■電線の接続

電線の接続材と接続方法をみてみよう

電線の接続方法とその種類:電線の接続には直接接続と接続器によるものがあります。直線接続の種類では「ねじり」「共巻き」「ツイストジョイント」「ブリタニアジョイント」があります。何れも電線(芯線)を直接ジョイントさせる方法で専用工具は使用しません。現在では殆んどこの方法は使用されていないようです。一方接続器による種類では「ねじりスリーブ(S形・B形スリーブ)」「圧着スリーブ」「圧縮スリーブ」「ねじ込み形電線コネクタ(ワイヤーコネクタ)」「差込形コネクタ(電コネ)」「圧着端子」があり基本的に専用工具を使用します。一般屋内配線工事では圧着接続法がその大半を占めています。

 

■差込型コネクタ

昔は電線をねじり合わせるように巻きつけるなどしてハンダ付けしていましたが最近では専用の接続材料が使われています。写真は電気コネクタと言います。多くの建物に使用されていますが、使用場所は屋内に限られています。写真では2本の電線が差し込まれていますが3線〜8線用のコネクタがあり、特別な工具など使用せずに電線を差し込んで接続する為作業性に長けています。メーカは何社かありますが基本的な作りは同じようですね。しかし、差込型コネクタは芯線(銅線部分)をコネクタの上部に当たるまでしっかり差し込む必要性があります。例えで左の写真を見てみましょう。透明のコネクタ内部向かって右側の線が短くて見えないのが解りますか?このような状態で電気を使用すると発火する場合があります。実際に筆者も延焼したコネクタを何度か見た事があります。何れも差込不良によるものが原因でした。施工の際は接触不良を起こさないよう十分注意しなければなりません。ちなみに差込型コネクタ製品の多くがUL認証されている為安心して使用できます。

 

 

 

携帯電話と比べると小さい事が分かりますね。実際は差し込んだ電線に抜け止め策としてテーピングしていることが多いです。(電線に張力がかからない場所で使用する事が好ましい)またコネクタ自体にはテーピングしません。

 

 

 

 

 

 

■圧着接続

接続部分は規定のサイズのリングスリーブ(写真銀色部分)を被せて圧着器によって電線を接続します。この接続法は終端接続と言い下記写真で示している手動圧着器(我々は圧着ペンチと言っている)で圧着します。また芯線の断面積が22mm²以上の場合は圧縮器と言うものを使用します。(一般住宅ではまず使用する事はありません)

 

■スリーブの種類

スリーブにはE形・B形・P形がありそれぞれ適合した工具を使用する事になっています。

E形:終端重合わせ用スリーブ

B形:直線突合わせ用スリーブ

P形:直線重合わせ用スリーブ

 

 

 

■圧着工具

一般屋内配線工事では主に右の画像にある圧着ペンチを使用しています。圧着ペンチの先には極少・少・中・大の歯形がありスリーブに適合したものを使用します。

 

 

 

 

■接続後

接続が完了したら接続点に絶縁テープを巻きます。テープは半幅を重ねて2回巻き(全4層)ます。テープの巻き数にも規定があり粘着性ポリエチレン絶縁テープ0.5mm(自己融着テープ)の場合1回以上(2層以上)ビニル絶縁テープ0.2mmは2回以上(4層以上)と定められています。

■接続部分

ケーブルの接続部分は露出させてはいけません。よって右の画像真は良くない施工例となります。規定では「キャビネット」「アウトレットボックス」「ジョイントボックス」内でジョイントする事になっています。余談になりますが右の画像ではテレビのケーブルが強電線のすぐそばを通っています。基本は弱電線と強電線は離隔とらなければなりません。全体的に良くない施工例と言えましょう。

■接続場所

右の画像のジョイント部は洗面所の点検口から手の届く距離にあります。基本的にはメンテナンスを考えた位置が望ましい事になります。

■電動圧着器と手動式油圧圧縮器

   

 圧縮・圧着共に手動式・電動式があります。上記の工具の他に用途に合った様々な工具があります。

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