十津川警部 陰謀は時を越えて
リニア新幹線と世界遺産

目次 主な登場人物
第1章 未来と過去と
第2章 高速鉄道
第3章 議員団
第4章 抗議と反応
第5章 攻撃と沈黙
第6章 薬と信仰
第7章 対決
ISBN978-4-16-381160-4

2012/2/10第1刷
文藝春秋
819円(税引)
202ページ(新書サイズ)
出版社「時代」、編集者・若杉誠、カメラマン・渡辺愛花、編集長・本間
若杉の先輩・小野田圭介、圭介の娘・麻里
麻里の主治医・松野
若杉の友人・板東勲
高速鉄道研究所所長・大西勉、秘書・金井香里、広報部長・三谷
議員・浅井敏夫、秘書・市川隆司
白川郷五箇山博物館館長・木田
上田博司
K製薬研究所所長・楠
大西の後任・古木義男
楠の秘書・小川肇
高橋弁護士

北条早苗刑事・三田村刑事
雑誌「われらの時代」の編集者、若杉誠は、取材で名古屋と世界遺産・白川郷を訪れた。
名古屋では新幹線の最先端技術を、白川郷では世界遺産の現状を取材したが、若杉には別の目的があった。
白川郷に古くから伝わるがんの秘薬を入手すること―。
その薬をめぐって起きた殺人事件は、二〇二七年開業予定のリニア中央新幹線計画と、見えない糸でつながっていた。
リニア新幹線=日本の「未来」と、世界遺産=守るべき日本の古き良き「過去」が、十津川警部の中で結びついていく。
トラベル・ミステリーシリーズの最新刊。  (表紙裏文参照)

初出誌「オール讀物」平成23年5月号〜11月号
この作品は、最初、新旧の2つの事柄で展開されます。新しい事柄は、リニア新幹線。古い事柄は、世界遺産・白川郷。
リニアに関しては、現在、山梨の試験線で走行実験が行われ、現実にも、走行ルート問題で、ニュースになってましたね。
世界遺産については、古い良きものをどう守っていくのか、この作品では、癌に効く秘薬に関して、展開されています。
新しく世界遺産になった小笠原諸島ですが、訪れる観光客の増加と共に、守られるべき自然へのマナーの悪さが、こちらもニュースになっております。
この本では、新しいものと、古き良きものを、貪欲に自分のものにする人間の姿を、京太郎さん風に描いております。

評価
☆☆☆ 星3つ(星5つで満点)   十津川警部、秘薬の謎を追う