熱海湯河原殺人事件
目次 主な登場人物

第1章 帰ってきた男
第2章 死んだ女の詩
第3章 本庁の刑事
第4章 不安な店開き
第5章 盗品
第6章 襲撃
第7章 記事
第8章 失踪
第9章 初島
第10章 冷たい微笑
第11章 射殺
第12章 犯人を追う
第13章 皆殺し
第14章 決闘

ISBN4-12-204782-X

2006/12/20初版
中公文庫
629円(税引)
376ページ
小早川恵太
小雪・雪乃、近代ウィークリイ立花亜矢
青山荘女将・高橋君子、弁護士・沢口
東京外食産業オーナー・金次正次
ホテルサンライズ社長・岡崎
熱海市議会議員・本田
二上土地社長・二上専太郎
スーパー赤木社長・赤木豊
金次の秘書・相川エミ
K組・松浦明・小笠原の舎弟・長友

田中刑事・片山刑事
静岡県警土屋警部
神奈川県警小田原警察湯河原派出所若宮警部補
殺人罪で6年の刑期を終えた小早川が出所し、熱海の町に帰ってきた。 小早川の出所により、平穏な温泉町に緊張が走る。そして二週間後湯河原に住む会計士が、熱海のホテルで 何者かに射殺される。そんな折、警視庁の十津川警部が東京で起きた幼女誘拐事件の容疑者として 小早川に接近するが、さらに連続殺人が・・・。十津川は6年間の殺人事件から、細い糸をたぐり寄せるのだか!?
(裏表紙文参照)

2003年6月 C★NOVELS刊行
作者の京太郎が在住する熱海で起きた事件。本文によると、湯河原と熱海の境、別の言い方をすると それぞれ県境の町や市なので、静岡県と神奈川県との県境は、藤木川という小さな川となっているそうです。 静岡県側の方は熱海市となっているそうなのですが、中心街までは山を越えなければならず、ちょっと寄った観光客は その場所は神奈川県側の湯河原と勘違いするような場所との事。そんな場所で起こった6年前の殺人事件が今回の事件 の発端となる訳です。
ちょっと話が変わるのですが、千葉県は利根川と江戸川で境が区切られていると思っていましたが、先日、 「空からみてみよう」という番組でやっていたように、一部、利根川より千葉県側に、三日月のような川が残っていて そこは「古利根川」と呼ばれているそうで、その場所は茨城県だという事。 昔はその場所は、現在のような流れの利根川ではなく、少し蛇行していたとの事。当時、川の氾濫による被害が大きい事 から、比較的まっすぐな現在の形に変更させ、千葉県側に残ったその土地は、今でもそのまま茨城県になって つまり昔の利根川(古利根川)が県境となっているという。そんな場所で何か犯罪が起こったら、千葉県警では管轄外、 川向こうの茨城県警が管轄となる訳。でも、この事件のように、ちゃんと派出所があると思われますので・・・。
こういう場所が、全国には結構多いのでしょうね。

評価
☆☆☆☆ 星4つ(星5つで満点)  県境の犯罪。