干し柿コロコロ、初冬の「塩山」
どうも昨夜は飲み過ぎてしまい、アタシャ久方ぶりの二日酔い(自爆)
二日酔いに特効薬ってな物はないけど、二日酔い予防に良く効くのが干し柿って知ってました?
そこで、ちょっともやった頭の中で思い出したのが「塩山」
塩山の駅で降りると、リュックサックを背負ったハイカー姿の人も数人が私と一緒にホームに出てきました。
ここは「中里介山」の小説で知られる大菩薩峠にもほど近く、このあたりでは有数のハイキングコースなんだそう。
でもアタシ、この日は思いっきり二日酔いなわけで(;-_-A アセアセ
青梅街道の最大の難所だったという大菩薩峠にはかなり興味はあったものの、しゃあない!
ハイキングはまたの機会に回しますわ。
そう言うわけでこの旧宿場町をうろついてみることにしました。
この町は鎌倉時代から室町時代にかけて建立された寺が多く、「甲州の鎌倉」と呼ばれています。
それに、土地柄のせいで武田家との関わりの深いお寺も多く、歴史散歩派の私にはピッタリの町です。
町全体はひなびた感じですが、駅舎は立派で改札を出たすぐの所に観光協会の事務所がありました。
そこで地図を貰ってくると、そっそく「ころ柿の里・ウオーキングコース」に挑戦。
・・・・・・・・が!
ちょっと待ってよぉ!
このコースに決められている県道って、歩道がない上に車が我が物顔で走ってる。
慌てて手持ちのガイドブックを見ると、「この道はバスを利用するか、タクシーを使うことをお薦め・・・」って(汗)
都会の歩道が完備された道しか余り歩かない私にとっては、ここまで交通量の多い狭い道を歩くのはやっぱ怖いし避けたいわけで、仕方なく900円余りを使って、途中までタクシーに乗せて貰いました。
そして降りたのが三日市場地区。
あるある!
ごく普通の民家にも、窓の所にころ柿が干してある。
やっぱり聞いていたとおり、このあたりでは干し柿作りが盛んなのねぇ。
じつはここ甲州から北へ行くほど、どんどん甘柿が少なくなってくるんです。
普通富有柿に代表される甘柿は、柿の実が熟した頃にちょうど渋も抜けて、パリッとした歯触りとともにその甘みもたっぷり楽しめるのですが、このあたりで普通の甘柿を植えて、実が熟しても渋が抜けきれない。
何故なら渋が抜けるにはそれなりの温度が必要なのですが、寒暖の差の激しいこの土地では秋になったとたん一気に気温が下がり、柿の実が熟す頃にはかなり寒くなってしまって、渋の抜ける間がないからなんだそうです。
それで最初から渋柿で干し柿を作るのが盛んになったようです。
三日市場地区から松里地区に入っていくと、ほとんどの農家の軒下にはころ柿が簾のようにぶら下がり、このあたり独特の風情ある風景を目にすることが出来ます。
大抵の家は当然のことですが、勝手に庭先に入っていくことは出来ませんが、農家の中には今最盛期になっている、ころ柿作りの現場を見せていただけるところがあります。
写真はそのうちの一軒で、岩波家の裏庭から本宅を撮らせて貰った風景です。
これ、ものすごいでしょ?
遠目から見るとまるで朱色のカーテンが下がっているよう。
このあたりではこんな風にころ柿作りが始まると、冬はもうすぐ側までやって来ている印です。
岩波家を辞してちょっと北上したところに「恵林寺」という名刹があります。
「恵林寺」は戦国の名将として名を知られる武田信玄の菩提寺として有名で、この寺がこの場所にあることを塩山の人々は大変誇りに思っておられるそうです。
どうも私、総門に気付かず別ルートから三門に入ってしまったらしく。
目の前にはいきなり快川和尚の偈の掛けられた門がありました。
「安禅不必領山水 滅却心頭火自涼」
安禅(あんぜん)必ずしも山水を領(もち)いず、心頭を滅却すれば火も自(おの)ずから涼し
武田信玄と親しかった和尚が信長の焼き討ちにあったときに、この偈を言い残して火の中で命を絶った話は余りにも有名です。
この門の前には「風林火山」の旗をひらめかせて客を呼ぶ土産物屋や食堂が軒を並べ、近くには大型観光バスの駐車場もあり、境内には沢山の観光客が訪れていました。
この寺の本堂の脇には、夢窓国師が設計したと言われる池泉廻遊式の庭園が眺める事ができ、廊下の向こうには武田信玄の廟があります。
三重の塔の脇を抜け、信玄の墓の近くまで来ると人影も少なげで、かなり重厚な趣さえします。
この寺は織田信長の焼き討ち以降、徳川家康によって再興されて、今もなお当時と変わらぬ佇まいを残しています。
右は現在、国の重要文化財として指定された四脚門(赤門)です。
この外には総門があり、表通りに面した総門まではかなり長い参道が続いてました。
この参道を抜けて総門を出、県道沿いから少し山手に入ったところに、今度は「法光寺」があります。
「法光寺」は平安末期の頃、甲斐源氏の武将・安田義定の創立した「花の寺」として有名なところです。
本尊の大日如来坐像はじめ、多くの重要文化財を有する名刹ですが、今の時期は有名な花菖蒲や紫陽花、、萩の時期からは外れていても、見事な紅葉で目を喜ばせてくれてました。
この寺の門には、重要文化財に指定されている仁王像が立っています。
この仁王像は江戸期の元禄時代に修復の記録が残っていますが、鎌倉時代前期の作だと言われています。
法光寺を後にして、しばらく人家のあるところを歩いていると、何となくそのひなびた風景が懐かしいものに思えてきます。
ちょっと先にはこんな水車小屋があったりして、通りすがりの観光客が思い思いにカメラを構えてました。
やっぱり、皆どこかに共通する何かを感じるみたいです。
でも、ここまでは良かったんですけどね。
観光協会で貰った地図通りに歩いていくと、またもや車の行き交う県道に出てしまった。
やはり来たときと一緒で歩道なんて無いの。
約30センチばかりの路肩をヒヤヒヤしながら歩いていくと、塩山ふれあいの森公園と言うところまで来ました。
外から見るとなかなか整備されたきれいな公園みたいだけど、私のような観光客には余り魅力が感じられない。
そのまま通り過ぎようとすると、ちょうど公園入り口の所で何やら道路工事をしてる。
で、交通誘導のガードマンさんに・・・・・
「危ないですから、ちゃんと歩道を歩いてください。」って言われた。
私、思わず周りをきょろきょろしましたわよ。
「あの・・・、歩道ってどこですか?」
「そこです。」
「そこです。」って言われても、これって路肩じゃーん(T.T)
歩道なんて言われるから一瞬、思いっきり喜んだのにね。
結局、その道路を約1時間以上は歩く羽目に・・・・・・・
実は、塩山と言えば信玄の隠し湯でも有名なところだったのですが、そこへアクセスする道が書いてないの。
もうちょっとコースに工夫が有れば、もう少し楽しいハイキングになったのでしょうが
怖い道でしたぁ(T.T)
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