奇妙なお祭り・・・！？

ニナは思った。
―何かがおかしいと。



ゼロとイチイについてお祭りに行ったは良いけど、
どうもおかしい。
何処がどうおかしいと言うと、
とにかく、立ち並ぶ店がおかしい。
焼きそば、たこ焼き、綿菓子、お面・・・それは分かるのだが。

何故か、豆腐屋がある。
しかも、いたる所に。

ゼロとイチイは、人間界のお祭りに来るのが初めてなので、
こんなものなのか、と軽く流したが。



「こんなの普通のお祭りじゃないよ！！」
ニナはイチイにおごって貰った綿菓子を片手に握りしめて、叫んだ。
「ん？どーしたんだよ。」
ゼロはのんきにフランクフルトをかじっていた。
「だから！人間界のお祭りには豆腐屋が無いんだって！！」
「え、そうなの？」
イチイはニナが大量に買ったお土産を持たされていた。
「本当だってば！豆腐なんて誰が食べるの！？」

「食べてるけど。」

ゼロは豆腐屋の方を指さした。



―そこには、豆腐を買う男女の姿が。



「サン＆フォーちゃん―――！？」
「あ、ホントだね」

豆腐屋に並んでいたのは、まぎれもなくサン＆フォーだった。

「あー、ニナちゃん♪　ニナちゃんも特製チョコ豆腐食べる？」

「「「何それ！？」」」
同時に３人の声がハモってしまった。

「・・・なんか・・・チョコが入った豆腐みたいで・・・サンが食べたいっていうから・・・」
フォルテが困ったようにそう答えた。

「・・・旨いのかそれ！？」
チョコ好きのゼロも流石に疑問に思ったようだ。

サンはスプーンでそれをすくい取り、一口それを口に運んだ。



「・・・あ、美味しいー♪」

「「「マジで！？」」」

ニナとイチイとフォルテは声をそろえて叫んでしまった。

「ふうん・・・それじゃ俺も買って来ようかな・・・」

「なっ！？やっやめとけゼロ！！悪いことは言わないから！！」
「そっそうだよ！チョコ豆腐なんて美味しくないに決まってるって！！」
イチイとニナはゼロを引き留めようとした。



「あ、イチゴ豆腐とかあるぜ？」



―遅かった。



ゼロはチョコ豆腐とイチゴ豆腐とバニラ豆腐を買ってきた。

「ほらさ、ニナの分も買ってきたぜ？食ってみろよ。」
「ぜっっったい嫌！！」



ニナはゼロの鼓膜が破れるほどの声で拒否した。
「・・・っそ、そこまで拒否しなくても良いだろ・・・」
「いや・・・すると思うよ？」
イチイは終始苦笑いをしていた。



結局、ゼロは買ってきた３つを全部１人で食べたのだった。



「でも・・・なんでお祭りに豆腐屋が・・・？
いったい誰が作ったんだろ・・・？」

その時。



「イチイ様――――！！」



ロッカ襲来。



数分後。
ゴウがかなり遅れてやってきた。

「・・・すみません・・・」
「い、いやいや・・・ははは・・・」

イチイはロッカの襲撃によって腰を痛めていた。

「イチイ様ぁ！お豆腐食べてくれました？」
「豆腐・・・？」
「はい♥　そこら中にお豆腐の屋台が出ていますでしょ？あれロッカが作らせたんですの♥」
「「「「え！？」」」」

その場に居た人全員（サン除く）が思いっきり反応した。



「ちょっ・・・ゴウ！本当なんですか！？」
「はい・・・そうなんです・・・ロッカ様が最初にお祭りをやりたいと申しまして・・・それでこうなったんです・・・」
「そ、それで何故豆腐なんですか・・・？」
「私が好きなんで。」



全員納得した。



「それで、屋台の用意をしている間に、ロッカ様がチョコ豆腐などを提案してくださって・・・」

おそらく、ここにいる全員が同じ事を思っているだろう。

（・・・やっぱり・・・）



「ささ、イチイ様♪豆腐屋台の目玉『ケーキ豆腐』一緒に食べましょう♥」



「「「「何それ！？」」」」

これで今日叫んだのは何回目だろう。



ゴウにケーキ豆腐を買いに行かせて、ロッカは語り始めた。

「イチイ様のために作った（作らせた）特製豆腐ですの♥

クリームたっぷりでおいしいですのよ♥」

「ロッカ様・・・買って参りました・・・」



さぁ登場、目玉商品『ケーキ豆腐』（２５００円）。

「２人で・・・食べられないよこれは・・・その前に・・・どうやって切り分けるの・・・？」
「・・・あ。」
「考えてなかったの！？」



「じゃぁ崩さないようにスプーンで食っていけば良いんじゃねーの？」
といってゼロとニナはすでにスプーンを取り出していた。
「え！？食べるの！？ゼロもニナも大丈夫！？」



その時。

「はっ、ちょっとお待ちください、このケーキ豆腐・・・！」

「え？」



すると、ケーキ豆腐がゆっくり動き出した。



「え」



「ボク、ケーキトウフクン。オマツリガウンダキセキダヨ☆」



そしてケーキ豆腐は大きい体を揺らして走り去っていった。



「何！？」



「とっ　豆腐なんて！お祭りに食べるもんじゃないよね！さ、ゼロ、イチイ！射的しに行こうよ！！」
ニナは強制的にゼロとイチイを引っ張っていった。



「きぃ〜〜〜っ！悔しい〜〜〜！！」



結局、今日一番損したのはゴウだった。

「・・・2500円が・・・」

＊＊＊

豆腐・・・変な店なにしようか考えてたら、ちょうどテレビで豆腐特集をしていたのであっさり決定。
（豆腐特集・・・人気豆腐ベスト５　本当です（ぇ
んで上手くいったー！！と思ってたら、夕食に豆腐が・・・！！
豆腐の呪いは恐ろしい。（何

チョコ豆腐・・・嫌ですな。でも実際にあるかも（ぇ
ヘルシー？（んなアホな
チョコ豆腐、１つ300円、いかがですか？（何処で売ってるんだよ



【加筆修正済み】