真夏のシスティーン。




それは、夏の暑い日のことだった。
街を見下ろせる丘の上には、緑の髪の少年とそれにくっついているカラスが座っていた。

「ふぅ・・・暑いね毎日・・・」
「じゃあもっと涼しい服着なさいよ。そんな暑い服着てないで。」
「いや・・・コレが普段着だから・・・冬もコレ・・・。」
「まったく・・・季節感無いわね・・・。」



―その時。



それじゃぁ私はどうなるのよー!?
ある少女がリルに背後から近づき、丘から突き落としたのだった。。

―リルはあっさり転がっていった。
「リルー!?」



しばらくして、リルがのこのこ丘を上ってきた。
「リル・・・ちょっとはただ転がってないでちょっとは起きあがってきなさいよ・・・
下まで転がってなかった・・・?」
「いや・・・ちょっとびっくりして・・・。」
ルビー「仕方がないわね・・・リルったら・・・。
・・・それで、この子は・・・受験生?」

リルとルビーはゆっくり少女の方を向いた。



―少女はその場にばったり倒れていた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「・・・倒れてるね」
「ちょっとリル!!あんたもちょっとは心配しなさいよっ!?」



しばらくして、少女は起きあがった。

「な、何・・・だったの?ってかアナタ、誰?」
「システィーンよ!試験官なら受験生の名前くらい把握しておきなさいよ!」
「いやアナタそれはちょっと無理が」
「キミ・・・どうして倒れてたの?」
「いやだからリル話をぶった切らないで」
「決まってるじゃない!まったく・・・毎日暑くて暑くて・・・!」
「それじゃあもっと涼しい服を着れば・・・」
こっちがこんなに暑いなんて思わなかったのよー!!



―鼓膜が破れるかと思うほどの大音量だった。

しかし、リルは冷静であった。
「・・・それで・・・何しに来たの・・・?」
「もちろん!どうすれば涼しくなるか聞きに来たのよ!!
あんたそういう魔法使えるんでしょ!?」
「まぁ・・・そうだけど・・・」
「じゃぁ早くやりなさいよ!!」
システィーンにせかされて、リルは未来魔法を使った。



「見える・・・涼しくなるには・・・海へ行くべし・・・」
「聞いた?感謝しなさいよ、リルに。って・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?



―システィーンはまた倒れていた。

ルビー「熱中症ね・・・これは・・・」



嫌がるフィフティーンを家から引きずり出して、システィーンは海に向かった。
リルの話はちゃんと聞いていたらしい。



「よぉし・・・今日は涼んでやるわよ!!」
「・・・元気ねあんたは・・・」
「ほら、ねぇさんもぐだぐだしてないで!さあ!泳ぐわよ!!」
システィーンは砂浜の方に駆けていった。



と、システィーンはある少年と目があった。

「あ。」
「お。」

それは、ライバルの受験生である水色の髪の少年だった。
後ろにパートナーの茶髪の少年もいる。

「おう。何しに来てんだ?」
「見て分からないの!?泳ぎに来たのよ!!」
「え・・・?」
「この水着姿を見てそう思わないの!?」
「う・・・な、イチイ、どう思う?」
「え、えーと・・・その水着・・・何処で買ったの?」

そう、システィーンは今から海に入るとは思えないくらいの厚い毛皮らしきものを着ていた。

「何言ってるの!?水に入るんだからこれくらい着ないと寒いに決まってるでしょ!」

そういってシスティーンは準備体操もなしに海へ駆けていった。



「な、イチイ・・・あいつ・・・何であんなの着てるんだ・・・?」
「うーん・・・俺が推察するに・・・
あのコの出身地がきっともの凄い寒いところで、
きっと一年中海の水が冷たいんだろうね・・・」
「・・・なるほど、じゃぁあぁでもしないと寒いと思ってるのか?」
「・・・多分な」
「・・・海に入ったことが無いのか・・・大変だな・・・あ」

すると、ゼロはいきなり大声でシスティーンに呼びかけた。

「お、おまえ!海に入ったこと無いのに泳げるのか!?



(フフフ・・・そんなものただ手と足をリズミカルに動かせば良いのよ!!)

ゼロの言葉も聞かず、システィーンは海に飛び込んだ。



現実はそんなに甘くはなかった。



システィーンは見事に沈んでいった。



「なんかやっぱりって感じ!?」
「ゼロ!!助けるぞ!!」

ゼロとイチイは慌ててシスティーンを救出に行った。



システィーンが溺れた場所はそんなに深くはなかった。
しかし、溺れたショックか、システィーンは気を失っていた。

「なんだよ・・・人騒がせな・・・」
「一応・・・生きてるみたいだね・・・」






数日後。
リルとルビーはまた丘の上にいた。

「暑いね・・・毎日・・・」
「リル・・・この前も同じこと言ってたわね・・・」
「だって・・・毎日暑いからね・・・」

こっちはもっと暑いわよー!!



リルは再び丘の上から転がり落ちていった。



「まったく・・・前予知してあげたでしょ!?まだ不満なの!?」
「まだよ!!確かにヒヤッとはしたけど・・・」
「もう、何が不満なの!?さっさと涼しい服買えばいいじゃないの!」
「だから!お金が無いのよ私たちは!」
「じゃぁ知らないわよ!自分でなんとかなさいよ!」
「どうにか出来てたら此処に着てないわよ!!」



リルがトボトボと上がってきた頃には、
再び熱中症で倒れたシスティーンが居た。




***



うわ、長くなってる。

はい、システィーンが可哀想なキャラに変身ー。
ゼロの出し方が強引ですvv(ヤメロ
なんかもう・・・いろいろあったと思いますが。
時間掛けすぎて何にも覚えてません(ぉぃ



【加筆修正済み】