創作豆腐ショー。
そういえば。
「イチイ・・・もしかして。
もうすぐニナの誕生日だったり・・・するか?」
「あぁ・・・そうだねぇ・・・そういえば」
ある日の昼休みのこと。
いつもの通りゼロとイチイは女子軍団を避けるため、
屋上で昼ご飯を食っていた。
「んで・・・何時だっけ?正確には」
「さぁ・・・3月の・・・十何日かそれくらいじゃなかったっけ」
「あぁ・・・そうだったな・・・確か・・・月曜日くらいだったような」
「「今日じゃん」」
思わず、2人は顔を見合わせて、そしてお互いに指をさした。
イチイは言った。
「そういえば・・・ニナちゃん今日女の子たちから
何か箱とか貰ってたよね・・・」
ゼロは焦った。
「やべぇな・・・絶対何かあげないとニナ怒るからな・・・」
「心配無用よ!」
どこからともなく声が。
「なっ・・・?」
「誕生日のプレゼントなら!『THE☆TOFUSHOP』にお任せよ!」
ロッカ登場。
ついでにゴウも。
「な、何だって?『THE・TOFUSHOP』だって・・・?」
「違うわよ!!『THE☆TOFUSHOP』よ!!」
何が違うんだか、2人にはよく分からなかったが。
「ロッカ・・・いったいコレは何?」
「よくぞ聞いてくださいましたわイチイ様!」
ロッカ、態度豹変。
(こいつ・・・態度を使い分けやがって・・・っ)
「このまま細々と趣味で豆腐屋やってるのはつまらないと思いまして・・・
というわけで、ゴウと一緒に起業致しましたの!」
「・・・豆腐屋だったんだ?あれって」
「・・・らしいな」
「と言う訳でイチイ様・・・見ていってくださる?」
ロッカがうるうるした目でイチイを見る。
「あ・・・うん・・・いいけど・・・ちょっとだけなら」
眼力でロッカに負けた。
すると、ロッカはにっこりしてゴウを呼びつけた。
「さぁゴウ、用意しなさい!」
「分かりました」
そういうとゴウは、持ってきていた荷台から何かを取り出して、
ロッカに手渡した。
「これが・・・春の新作『マロン豆腐』ですわ!!」
ロッカは自信たっぷりにそう言った。
皿に乗った、大粒の栗が乗っている豆腐だった。
「ま・・・マロン豆腐ねぇ・・・」
「イチイ様!食べてくださいませんか?是非!」
イチイに迫るロッカ。
「い、いや・・・僕は・・・甘い物はちょっと・・・」
イチイは逃げた。
「・・・仕方がないですわ・・・次!」
「分かりました」
ゴウはロッカの命令を受けて、荷台から一皿取り出した。
「春の新作第2号・・・『ブルーベリー豆腐』よ!!」
「視力改善にも役立つはずです」
ゴウが付け加えた。
「・・・はぁ」
ゼロはあきれた顔で。
イチイは無理矢理作った笑顔でロッカを見る。
「・・・反応が良くないですわね・・・ゴウ、次!」
「分かりました」
まだあんのかよ、とゼロは小さくつぶやいた。
「春の新作第3号・・・!」
とロッカが差し出した豆腐は白かった。
「え・・・?普通の豆腐じゃねぇの?」
「ホワイトチョコ豆腐ですわ!」
同時にゼロとイチイはひっくり返った。
2人ともかなり脱力した。
「ダメだ・・・もうついてけねぇ・・・」
「・・・同感」
一瞬2人は、ロッカに付き合わされているゴウが可哀想だと思った。
かなりしんどいだろうな、と思った。
「イチイ殿、ゼロ殿」
と、そこでゴウに話しかけられた。
「あ、はい?」
「それでは、私が開発した『抹茶豆腐』はいかがでしょう」
(・・・めっちゃノッてるやん!!)
再び2人は脱力した。
「どうもお気に召さないようで・・・ではゴウ、
最後の切り札を出してちょうだい!」
「分かりました」
ロッカの言う、最後の切り札とは。
「・・・おおっ!」
さてさて。
その日の夜。
ニナが用事があって、いつもより遅く帰宅すると。
ニナの部屋は綺麗に飾られていた。
「え!?何!?」
「ニナ!ハッピーバースデー!」
入った途端に、ゼロとイチイがクラッカーを鳴らして出迎えてくれた。
その音に少々驚いたが。
部屋の真ん中には、ケーキと思われる箱が。
「今日2人で買ってきたんだよ。ニナちゃんのために」
「わぁ・・・!有り難う!開けて良い?」
許可を取るやいなや、ニナは速攻で箱を開けた。
すると。
「・・・これ・・・」
「え?何?」
「コレ、何?ケーキじゃないでしょ・・・?」
「うん。フォーベリー豆腐(ストロベリー・ブルーベリー・クランベリー・ラズベリー)だってさ。」
ゼロはあっさり答えた。
次の瞬間、ニナによってテーブルは激しくひっくり返っていた。
***
なんでかシリーズ化中。なんじゃこれ。
もし真似して何が起ころうとも雪沢は責任を負いませんのでそこの所よろしく(ぁ
|