勝手にサン祭り。



1.確信犯・サン。


「ただいまー」
フォー、帰宅。

「サンー?今日の夕御飯は・・・って、サン?」

サンは、何故かテレビに見入っていた。
「え?何見てるの?そんなに面白い?」



『キミコ・・・やはり此処は危険だ!
今すぐ僕と一緒に・・・』
『いいえ!ダメですわカズオさん!
まだ私・・・心の整理が・・・』



夕方時、よくやってるドラマの再放送。



ぷ ち ん 。



「あぁ―――っ!!フォーちゃん!!
せっかく今良いとこだったのに―――!!」

「良い所って!
何がおもしろくて男と女の愛憎劇なんて見なきゃいけないんだ!」

初めてサンと会った時から、
サンの性格をずっと見てきた訳だけど。

どーしても未だに分からないのが、
サンの異常なテレビ好き。
特に人間界のテレビが好きらしい。

「何で――!?続き見たかったのにー」
「僕が嫌なんだよ!こんなの見るの!」

これまで何度、こんな争いを続けてきただろうか・・・。

「ちぇーっ。つまんないのー」

こっちの方が疲れるよ。
とフォーは少しだけため息をついて、
買い物袋を床に置いた。



「ねー、フォーちゃーん」
「何?」

「遊ぼー」

「少しだけなら良いけど。
ただし女装以外ならね。」



サンはその後の言葉が続かなかった。

「え!?何!?まさにそう言おうとしてたとか!?」
「・・・うん」



フォー、唖然。



「・・・女装以外でなら遊んでも良いけど」

「えー・・・どうしようかなー・・・」



「遊ばないなら・・・僕夕御飯作るよ?そろそろそういう時間だし」
そういって、フォーは買い物袋を持ってキッチンに向かおうとした。



「あ!待って!フォーちゃん!
やっぱり遊ぼう!いいこと思い付いたから♪」
サンがフォーを引き留めた。

「え?結局遊ぶの?あんまり長くは遊べないけど。

それで?何して遊ぶの?」



「ドラマごっこ」
「えぇ!?」



「まぁ、とりあえず、フォーちゃん、こっち来てー」
フォーは戸惑いながらもサンの指示通りに、サンに近づいた。

「それで、サンの前に立っててねー」
「・・・何?」



「じゃぁ、やるよー」

「ちょ、ちょっと待って、サン!
僕は何をすればいいの?」
「え、やってみれば分かるってー。自然に」

そう言われて、フォーはとりあえずやってみることにした。
(ドラマごっこって・・・結局何のドラマだろう・・・?)

「じゃ、始めるよー」



するとサンは。



―――突然、床に崩れ落ちていった。



「・・・え!?」



そのまま、サンは動かなかった。



あわてて、フォーはサンを抱き上げたけれど。
サンは、ぐったりしていた。



「え?え?何!?何が起こったの!?」
フォー、困惑。

何が起こったのか全く分からず。
どうすれば良いのか全く分からず。
サンは全く動かず目を閉じたまま。

そしてフォーは。



「だ・・・誰か・・・!
助けてください―――――――――――――――ぃ!!



ひーとみーをとーじて、きーみをーえがーくよーそーれだーけでーいーいぃぃー”(BGM)



フォーは気づいた。



「え・・・あ・・・これってもしかして?
セカチューごっこ!?



サンは、フォーの腕の中でにやりと笑っていた。



2.そういえば。


「あ、そういえば、
サンちゃんってもうすぐ誕生日だったっけ?」

カレンダーを見て、ニナがそうつぶやいた。

「んー?なぁに?」

「何かお祝いしてあげなきゃねー。
あぁ、サンちゃんって何歳になるんだっけ?」



「4歳ー」



「 は い ! ?

えぇ!?ロッカより年下ぁ!?
絶対おかしいって!!」

しかし、サンはあっさりしていた。

「えー?だってそうでしょー?」

「何でぇ!?」



「だって、サンちゃんの誕生日、
4年に1回しか無いからー♪」



「あ。そうか。」



「あ、だから今年は誕生日無しね♪
次の誕生日は2008年だよ♪」



***



これって小ネタに分類して良かったのかな?まぁいいや。