バレンタインの風景――♂&♀――
テレビが付いていた。
フォーがご飯を作ってる間、サンは暇つぶしにテレビを見ていた。
外は雪。
散歩も出来ず、今フォーとも遊べず、
サンはただ部屋にある小さいテレビを見つめるばかり。
「・・・何をそんなに一生懸命見てるのさ、目悪くなるよ?」
フォーがお皿を持ってサンのところへ。
ついでにテレビをのぞき込む。
『今年のバレンタインチョコの流行は手軽さが重要です!』
「・・・バレンタイン?誰かに送るの?」
「んー・・・別にそう言うつもりはないけどー・・・」
「・・・じゃぁ他の番組見れば?」
フォーは皿をテーブルに置いた。
「んーんと、政治討論、ゴルフ、旅番組、刑事ドラマとか・・・
フォーちゃんはどれがいい?」
「・・・コレで良いよ」
本日のランチはサンのリクエストでアップルパイ。
「・・・ホントに誰にもチョコあげないの?サンは」
「・・・あんまりそんな人居ないしなぁ・・・あげないかも」
「・・・僕にも?」
フォーはアップルパイを1つくわえる。
「・・・うん」
サンも1つくわえる。
フォーは困った顔をして。
「何で?何でダメなの?」
サンの答えとは。
「だって、フォーちゃんにチョコあげたら、フォーちゃんを男の子だって認めることになるもん」
フォーは思わず咳き込んだ。
ちゃんと手を当てて。
「えぇ?何で?そんだけの理由で?」
「うんー。だってフォーちゃんは女の子キャラの方が面白いでしょ?」
「いや、僕は面白くないって」
「だからあげたくないんだけどー・・・。ダメ?」
一瞬、フォーの脳裏に、
「今は女の子同士でもチョコ交換してるよ」という言葉が浮かんだが、
それじゃ自分で女の子だと認めることになるのですぐさま脳内からそれを消し去った。
「・・・見てくれない?」
「何をー?」
「バレンタインだけで良いから!一回で良いから、
僕を男として見てくれない?」
フォーは真面目だった。
「えー?どうしようかなー」
「頼むから!一回だけで良いから!」
「じゃぁバレンタイン終わったらフォーちゃんを女の子として見るよ?」
一瞬フォーは言葉に詰まった。
「・・・分かった、いいよ」
「いいの?じゃぁ今度ニナちゃんの学校に一緒に女装していこうね」
更にフォーは言葉に詰まる。
「わ・・・分かった・・・ただしスカートは長めでね・・・」
フォー、同意?
サンはもう1つアップルパイをくわえて。
「じゃぁ、あと2つ食べたらモロジョフまで買いに行くから!フォーちゃんの分のチョコ。
だから、お金ちょうだい!」
「えぇ――――――っ!?」
***
人にあげる物を人の金で買っちゃ意味無いですよサンちゃん(ぁ
はい。というわけです。
この後フォーは女装したのだろうか・・・(を
制服は作者の趣味☆(殴
実はまだ1月です。31日(ぁ
以上。