バーゲン対策本部2004。
NO.1・ニナ。
「ねさ、そろそろ服とか買いに行きたいんだけどー・・・なんかバーゲンとかやってない?」
「な、なんだよ?いきなり!服ならお前いっぱい持ってるだろ!」
イチイ「それよりニナちゃん、今度このスーパーでセールやるんだけど。」
「なんだぁ、スーパーか・・・」
NO.2・サン。
「ねーねー、フォーちゃん?サンちゃんね、フォーちゃんとお買い物行きたいなぁー♪」
フォー「そ、そんなこと言っても結局お金を出すのは僕なんだよ?無理言うなよサン。」
「ちぇーっ、つまんないの・・・」
NO.3・ロッカ。
「ねぇゴウ、今度イチイ様に会うときに着る新しい服が欲しいの☆」
「ロッカ様、そんなことより今度お母様に会ったときに感心されるようにお勉強を・・・」
「はいはい、イチイ様よりお母様でしょ!」
NO.4・七瀬。
「なー八雲、僕もうこの服飽きちゃったー」
「だから?まさか新しい服が欲しいとか言わんやろな?」
「もーっ、八雲のケチーっ」
この四人をバーゲンに近づけない。
それが、僕たち4人の任務。
近づければ、たちまち彼女らは買いに走り、僕たちをこき使い、
お金はたちまち無くなっていく。
そんな悲劇が起こる前に防ぐ。
それが「バーゲン対策本部2004」!!
「ちょいと待てや!!七瀬は男やで!!」
「あ、そうだったね。」
ライバルだろうが、何だろうが、この際ぐちゃぐちゃ言ってられない。
目指す物は皆同じ、そう、バーゲンに行かせない。
活動内容は以下の通りである。
1.チラシ類を家の中に入れない。
例えば、ゴウ。
ゴウは朝起きると、必ず玄関まで行って郵便受けをチェックする。
そして、バーゲンのチラシがあったら即その場で焼き払うのだった。
2.テレビのバーゲンのCMを見せない。
例えば、イチイとゼロ。
2人はバーゲンのCMが多いのが夕方だということを知っていて、
ゼロはその時間に1階でニナがテレビを見ていないか見張り、
イチイは2階のテレビをずっとNH●に合わせておく。
3.バーゲン情報は女子組より早く手に入れる。
もちろん、仲間同士の情報交換も欠かせない。
「あっ、もしもし、ゼロくん?僕、フォルテだけど?
あのさ、今度駅前のデパートで30%引きバーゲンやるんだって!!」
「マジか?分かった、あんがとな!!」
バーゲン対策本部2004は、毎日このようにして過ごしていた。
しかし、一瞬の気の緩みが死を招く。
ある日。
その日の朝、八雲は少し寝坊してしまった。
「あ、おはよう八雲。遅かったなぁ〜。」
「あぁ・・・何やら人間界で『オリンピック』とか言うスポーツ大会があってなぁ・・・
それ見とったら寝るの遅くなってしもたんや。」
「ふうん・・・それはどうでも良いけどさ、な、八雲。これ見て。」
「ん?何やこれ・・・」
「大出血サービス!!夏物全品50%引き!!AP駅前店」
八雲は一瞬本気でドラ○もんが欲しいと思った。
そしてタイムマシンを借りて自分に「早く起きろ!」と言ってきたかった。
また、その日の昼。
フォーは自分の家のリビングで本を読んでいた。
そこにサンがやってきて。
「あ、フォーちゃん、テレビ見てもいい?」
「ん・・・まぁいいけど・・・テレビって面白いかな?そんなに。」
「魔法界のはちょっと堅苦しいけど。人間界のは楽しいよ♪」
「ふうん・・・」
そういってサンはテレビをつけた。
「大特価!夏物最終処分50%OFF!!AP駅前店!」
フォーは一瞬世界が終わった、と思ったらしい。
「・・・と言うことなんだ・・・どうすればいいだろ・・・ねぇイチイくん・・・」
「どうするってっても・・・付き合うしかないと思うけど・・・」
「えぇ!?そんな薄情な!」
「悪いけどさ、こっちもまだバーゲンのシーズンが終わった訳じゃないし、
まだまだ対策はしなきゃいけないんだよね・・・。
だからさ、人のことまで構ってられないから。じゃ。」
ガチャ。
その後、フォーが人間不信になったとかならなかったとか。(サン談
「・・・と言う訳なんや。どうにかならへんか?」
「・・・それは・・・お付き合いするしか無いと思われますが・・・」
「いやや!そこをなんとか出来へんか?」
「申し訳ありませんが、コチラにもいろいろ事情がありまして・・・
そちらに構っている余裕がありませんので・・・それでは・・・」
カチャン。
その後、八雲がグレたとかグレなかったとか。(七瀬談
そして、その2人はバーゲンの日、とことんこき使われたという。
そして、八雲は大きな袋を3つも持たされた。
「あ、八雲!アイス買おう!」
「殺す気か。」
一方のフォーは袋3つに箱1つ持たされた。
「あ、フォーちゃん!スーパーレンジャースショーやってるよ!」
「いや、サン、もう僕は帰りた・・・」
「ほら、飛び入り大歓迎だって!行ってらっしゃいフォーちゃん♪」
「え、いやちょっ・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ」
しかし、まだ僕たちの戦いが終わったわけではない。
この世にバーゲンがある限り、僕たちの戦いは終わらない。
彼女たちがバーゲンに興味が無くなるその日まで、僕たちは戦い続ける。
女子たちをバーゲンから守るため。
(自分たちを守るためとも言う。)
「ちょっと待てや!だから七瀬は男だって・・・!」
「あ、そうだったんですか?」
「・・・初耳です・・・」
***
2004年なんだね。コレ書いたの。
そして加筆修正2006年春。
いや、久しぶりに見て笑ってしまいました。自分で。