プレゼント
「今年もやってきたか・・・妃路の誕生日が・・・」
「そうだね・・・兄さん、何かプレゼント買ってあげなきゃね。」
「そうだなぁ・・・妃路、今年はなにがいい?」
「・・・うーん・・・」
「確か、去年はぬいぐるみだったんだよね?」
「一昨年もぬいぐるみだったな・・・くまの。」
「その前の年も・・・ぬいぐるみ!?」
「まさか・・・今年もぬいぐるみとか言わないだろうな・・・」
「・・・ううん、ちがうの・・・」
「え!?本当?」
「・・・うん・・・ことしは・・・」
「「今年は?」」
「・・・おっきいぬいぐるみ・・・」
「かわっとらんやん。」
「・・・だめなの・・・そうなんだ・・・」
「いや、そういうわけでも・・・」
「・・・じゃあ、なにをくれるの?」
「あっ、えっと・・・」
「・・・なにをくれるの・・・?」
「「うっ・・・」」
「あっ!!」
「兄さん?」
「そうだ、あれだ!」
――誕生日当日――
「おめでとう、妃路。プレゼントだ。」
「ほら、兄さんが買ってきてくれたんだよ。ほら、可愛いでしょ、チワワ」
「・・・うわぁ・・・」
「わん!」
「名前付けなきゃね、妃路。」
「・・・そうだね・・・ううんと・・・しーちゃん。」
「ええ!?」
「どうしたの?兄さん」
「・・・いや、なんでもない。」
(それって・・・しーちゃんって素人神が飼っていた猫の名前じゃないか・・・)
――数日後――
「あれ?しーちゃんは?」
「それが・・・」
「それが?」
「妃路は・・・動物アレルギーだったんだ・・・!」
「ええ!?」
「だから・・・別の家に譲った。」
「・・・。」
***
特に深い意味は御座いません。
2004年に書いたのを約2年ぶりに小ネタ風に書き換えました。