欲しい物を当てろ!
「ねー、和音くんー、私たちって仲良くなったかなぁ?」
花鈴が突然言い出した。
「はぁ?知らねぇよ。何だよいきなり?」
和音が聞き返す。
「いやぁ・・・なんとなく・・・ね。
私たち、もう一緒に住み始めて1年以上経つけどさぁ、
お互いどれだけみんなのこと知ってるのかなぁと思ってさぁ・・・
和音くんはどう思う?」
「そんな急に言われても・・・別にそんなの計るもんじゃねぇだろ」
「あぁ、それもそーか。」
花鈴は一瞬納得しかける。
が。
「って、和音くん!それじゃダメだよ!」
「はぁ?何でだよ?」
「やっぱりさ、仲間である以上はお互いのことを知ってなきゃいけないんだよ!」
「だから?」
「だからさぁ、お互いのことをどれだけ知ってるか調べようよ!!」
「だからどうやってだよ?」
そこで花鈴はフリーズした。
「とっ・・・とにかく!とにかく何かしたいんだもん!」
「何でだよ?」
「暇だし」
花鈴の本音が此処で出た。
「・・・だから付き合えってか?」
「そう。」
そこで沈黙。
「分かったよ・・・付き合えば良いんだろ。
ただし疲れるのはダメだからな」
「大丈夫!和音くんに内容考えて貰うから!」
「はぁ!?何でオレ!?」
「んで、私がそれを当てるから!そういうゲーム!」
と、そこに。
「私も参加する――!」
某魔法マンガの黒髪&ゴスロリ少女のごとく、突然姫香参上。
「え、姫香ちゃん!?姫香ちゃんは和音くんのことよく知ってるんじゃないの?」
「え、大丈夫!私も暇だし!」
そういう問題?と花鈴は思ったが。
「じゃぁ・・・2人で和音くんの出す問題解くから!
だから問題出し・・・」
と、その時。
「花園さん!ボクも参加するよ!」
某魔法マンガの桃色髪&年上好き少女(幼児)のごとく、突然錦織みちる登場。
「み、ミッチー!?何故ここに!?」
「花園さん!ボクも参加させてよ!
ボクも和音くんのこともっと知りたいんだ!
せっかく仲間になったんだし、さ!」
ミッチーはいつもの通り変人。
「ねね、良いでしょ?和音くん!」
「あぁ・・・まぁ・・・良いけど・・・」
こうして、参加者は3人に決定。
「んで、和音くん!問題は!?」
花鈴が問いかける。
「じゃぁ!コレだ!!」
――和音が誕生日に欲しい物を買ってくること――
「だ。」
「は・・・?」
「だからさ、もーすぐオレの誕生日だろ?
そのプレゼントとして、オレの欲しい物を見事買ってきた奴の勝ち。
こんなので良いのか?花鈴。」
「和音くんの欲しいものー・・・?まぁ、良いよー。てか良いよね?みんな」
姫香とミッチーもあっさり同意。
こうして、和音の欲しいプレゼント探しゲーム(?)が始まった。
まぁ、んでもって和音の誕生日当日。
「か、和音くん!持ってきたよ!」
最初にやってきたのは花鈴。
「あぁ、わりぃな・・・で、中身は何だ?」
「盆栽。」
「・・・何で盆栽。」
「だって!和音くんが欲しそうだったから!」
「・・・何でだよ――――――!?」
「花鈴・・・何だ、結局全然分からなかったのか・・・?」
が、花鈴は問いには答えず盆栽だけを置いて逃げていった。
(・・・わ・・・分からなかったんだよぉ・・・散々考えたけど・・・)
「・・・どうしろってんだコレ・・・」
続いてやってきたのは姫香。
「和音ちゃーん♪持ってきたよ――♪」
「あぁ、ごくろーさん・・・で・・・?」
「はい、これ☆」
姫香がある物を差し出した。
「さっき土の中から掘り出してきたの☆はい、カブトムシの幼虫☆」
「いらねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
和音、逃走。
「ひ、姫香ちゃん!違うよ!和音くんの好きな物を持ってくるんだよ!」
とアドバイス。 by花鈴。
本人も的はずれな物を持ってきたくせに。
さてさて。
最後にやってきたのはミッチー。
「和音くーん!持ってきたよ!・・・って、和音くん・・・?」
和音はさっきの虫の反動でまだ部屋の隅っこに隠れていた。
「か・・・和音くん・・・出てくれば?」
「う・・・うっせぇ!てめーに言われたかないよ!!」
和音、必死に反論するもあまり勢い無し。
「とにかく!和音くん!和音くんが欲しそうな物持ってきたよ!」
と、ミッチーは言うが。
「は・・・?」
その時、何故かミッチーは手ぶらだった。
「はい!和音くんへのプレゼント!」
「・・・何だよ?何も持ってねーじゃねーか・・・?」
「和音くんへのプレゼントは愛だよ!
きっと和音くんは愛に飢えてるんだよ!」
「・・・誰がだ――――!?」
和音はミッチーに飛びかかった。
んで結局。
「「「和音くんの欲しいものって何!?」」」
と問うことになった。
誰も和音の欲しいプレゼントを持って来られなかった訳で。
「オレの欲しい物・・・はな、本だ」
「本――!?本なんていっぱいあるよ!?星の数ほど!
ちなみになんていう本!?」
「『Correct way with insect to associate』ってやつ」
「・・・それってどうやったら手に入るの?」
「さぁ?外国の本だし。通販か外国へ行って買ってくるか」
「・・・んなもん分かるか―――!!」
***
さてさて。
最後の和音が欲しい本ですが。
実はアレが最大のオチだったりします。
翻訳機にでもかけてやってください。
あ、あとミッチーのプレゼント。
あれは私がよく使う技です(ぁ
笑顔で抱きついて愛を注入してください(殴
本の題名。
「虫との正しい付き合い方」