サンタ役は誰・・・!?
「クリスマスしよう!!」
クリスマス前日、言い出したのは花鈴だった。
「はぁ!?クリスマス!?クリスマスなんてしようとしなくても勝手になるだろ」
和音があっさり返した。
「いや、そうじゃなくてさ。
なんかパーティーみたいな事をしよう、ってこと。」
「わー!私もやりたいー」
と、姫香。
「はっ、クリスマスなんて・・・子供のやることだな。」
と。
「ねね、しーちゃんもクリスマスやりたいでしょ!?」
「わ、分かんないですしー・・・」
「したいでしょ!?」
「そんなのどうでもいいよな!?」
花鈴と和音で謎の戦いが起こった。
「わわわ、分かんないですしー!どっちでもいいですしー!」
「よし!じゃぁやってもいいんだ!」
花鈴、勝手に納得。
「クリスマスパーティーかぁー。えぇーっと、プレゼント交換とかー、
美味しい料理とかー、クリスマスツリーとか・・・」
姫香は勝手に話を進めていく。
「ちょっ・・・やるっつってもクリスマスは明日・・・!」
「えー?ダメなの・・・?」
花鈴と姫香はキラキラした眼で和音に詰め寄った。
「わ・・・分かった!分かったから!
ただし条件有りな!」
「え?条件?」
「金は一切使わない!全部この家にある物だけでやれよ!」
「え・・・?」
花鈴と姫香は顔を見合わせた。
不安になりながらも、2人は材料集めを始めた。
「えぇと・・・まずはパーティーの用意だよねー。」
まず2人はパーティーの会場に置く物を探していた。
「飾りつけ用に使えそうなあるのー?」
2人は物置を探していた。
「あ!なんかあった!」
花鈴が何かを探し当てた。
「何々!?」
それは、古く錆びた物干し竿だった。
「・・・ゴメン・・・姫香ちゃん・・・」
「わー♪ すごーい♪」
しかし、姫香は何故か喜んでいた。
「え?」
「これをパーティー会場に置いてこれにそって飾りを・・・」
「えぇぇぇぇ!?使うの!?」
結局、物置からはそれ以上良い物は見つからず。
強いて言えば奥から昔和音と姫香が使ったおもちゃが出てきたくらい。
物干し竿は姫香がしっかり抱えていった。
物干し竿には、昔よく使った折り紙の残りを使うことに。
「何かあるー?」
2人は、今度は冷蔵庫をあさっていた。
あさるのは、またしても花鈴。
「うーん・・・使えそうな食材かぁ・・・あ!」
「花鈴ちゃん?何かあった?」
「胡麻プリンがあったよ姫香ちゃん」
「まぁそれは素敵ですね早速食べましょう花鈴ちゃん」
2人は胡麻プリンを手にとってスプーンを取ってふたを開けようとした。
「なーに食べようとしてんだ!」
と、和音(様々)登場。
「げっ、か、和音君っ」
「これはオレが食べんの!おめーらには食べさせない」
「あー!酷い!私たちの分も残しといてよ!」
「嫌。」
だんだん目的がずれていく。
「じゃぁ今から私たちの分買ってきてよ!」
「は?嫌だよ。」
花鈴と和音の戦いは続く。
姫香は、それを長めながらゆっくり胡麻プリンのふたを開け食べていたという。
結局。
「ネギ・シイタケ・豆腐・牛肉・エノキ・・・鍋!?」
くらいしか見つからず。
「ん、豆腐・・・?」
3.お客様。
「クリスマスパーティーだから、やっぱり誰か呼ばないとねぇ。誰呼ぶ?」
花鈴と姫香はテーブルに座って話していた。
「そーだねー。とりあえず美永ちゃんとー、優生君とー、和音ーズさんたちとー」
「ちょっ、ちょっと待って姫香ちゃん!!か、和音ーズはちょっと!!」
「えー?人数は多い方が楽しいじゃんー」
「そ、そりゃそうだけど!か、和音ーズは・・・!気まずくなるから!」
「えー?何で?」
姫香を説き伏せるのに15分はかかった。
「・・・分かったー。じゃぁミッチr・・・」
「いいですいいです呼ばなくて結構です」
お客様決定。
「あ!花鈴ちゃん!忘れてることあるよ!」
「え?なんか足りないことあったっけ?」
「サンタさんが居ないよ!!」
「あぁ!忘れてた!誰にする!?」
「あ、私はパスだよ、姫香ちゃん」
「私もー。あげる方より貰う方がいいー。」
「じゃぁ、誰・・・?」
「分かった!和音k」
「嫌だ」
花鈴が言いかけた時、背後にいた和音がそれを制した。
「・・・ダメか・・・どうしよう・・・サンタ居ないクリスマスなんて・・・
他の人も受け付けてくれなさそうだよね・・・」
「キューちゃんはー?ぴったりじゃないー?」
「あっ!そうかも!」
が。
「私にはちょっと・・・無理があるかと・・・」
本人登場。
「えぇ!?ダメですか!?」
「キューちゃんならぴったりだと思ったのにー」
あえなく廃案。脱力。
「・・・あ!姫香ちゃん!良い人材が居るじゃん!」
「あー!そうかぁー!」
どうやら、サンタ役は決定したらしい。
「・・・って、姫香ちゃん!まだ忘れてることあるよ!」
そうしてパーティー当日。
「お邪魔スルヨー!」
美永&優生到着。
中は、綺麗に飾られていた。
花鈴&姫香曰く。
「う、うわぁ・・・す、凄いね・・・」
ある意味、そうかもしれないが。
洗濯竿のさびを隠すように、折り紙で飾り付け・・・
いや、コーティングと言った方が良さそうだった。
料理は、あるもので何とか埋め合わせをした。
一部インスタントが混じってるのは気にしない方向で。
「・・・まさか・・・ホントにやるとは・・・」
和音は少々あきれ気味。
「じゃ、サンタ役呼ぶねー。いい?」
「いいけど・・・誰だよ?サンタって?」
「んじゃ、入ってー。」
がちゃ、とドアが開いた。
「メリークリスマスー♪」
サンタクロース・・・もとい、錦織みちるが入場。
「花園さん!呼んでくれて有り難う!」
「うわー!ミッチーすっごく似合ってる!」
いろんな意味で。
「さ、みんな!座って座って!」
そして、みんな席に座り、料理を食べ始めた。
「花鈴ちゃーん。そろそろあれやらない?」
数分後、姫香が言い出した。
「あぁ、そーだね。やろうかー。」
2人は立ち上がって、用意のためにどこかへ行った。
「・・・何処行くんだ・・・?」
すると。
ぱぁぁぁぁぁぁぁぁん。
「「「!?」」」
その部屋に、雪が舞った。
「ゆ、雪・・・いや、綿!?」
それは、少し薄汚れた綿だった。
「な、何で・・・!?」
「お、おい、花鈴!姫香!なんだコレ!?」
和音が叫んだ。
「あははははー。面白い?コレ」
2人によると。
この綿は、物置にあった古い人形を解体して、取り出した物だと言う。
そして、仕掛けを物干し竿につけたらしい。
そこそこの量があったので、雪はいくらか長く降り続いた。
「・・・良いのか・・・?こんなことして・・・」
「大丈夫、ちゃんと掃除するからー。」
「・・・そう言う問題・・・?」
「あぁ―――っ!!」
美永の声が響いた。
「どうしたの!?美永ちゃん!?」
「皿の中に綿が入っタヨー!!」
「あぁ―――っ!!」
事件発生だ!
「あ、そーだ、今ケーキ持ってくるねー。」
花鈴が言い出した。
(和音以外の)みんなはとりあえず声を挙げて喜んだ。
そして、花鈴が持ってきた物とは。
「え、えぇ・・・?」
外見こそクリームで覆われていて普通だが。
中身は。
「豆腐・・・!?」
+冷蔵庫にあった具。
名付けてケーキ豆腐。
感想は。
「微妙・・・っ」
が3人。(和音&美永&優生
「うん、美味しいね、花園さん♪」
が1人。(M・Nさん
「え・・・っ!?」
「あっ!そうだ!」
またまた花鈴が言い出した。
「え!?まだあるのかよ!?」
和音がすかさず突っ込んだ。
そして、花鈴が取り出した物とは。
ある袋だった。
「は?」
「これ!和音君にあげる!」
花鈴はその袋を和音に差し出した。
「服・・・?」
和音は重さから判断したが、それにしては大きい。
「開けて良いよー。」
と、姫香。
和音は袋を開けた。
中からは服・・・いや・・・違う・・・
和音は一気にそれを取りだした。
「何だコレ―――!?」
それは、つぎはぎだらけの服・・・(らしきもの)だった。
しかも、所々に動物の顔が。
「・・・花鈴・・・?」
「それ、中の綿抜いてその回りを縫い合わせて人形作ったんだー。
どう?凄いでしょ?」
誇らしげに語る花鈴。
それを笑ってみている姫香。
そして、和音は。
形の皮のつぎはぎ服(花鈴はコートという)を持って。
行動に移った。
一瞬にして、皿の落ちる音や悲鳴が響いた。
色々お騒がせしておりますが。
九条家でのクリスマスパーティーは(一応)終了。
今宵は晴れて星が綺麗に見えるそうな。
***
ケーキ豆腐シリーズがかみかりにまでやってきました(爆
他に言うこと無いんで・・・
ちょっとだけ加筆修正しました。