鏡に映るげっそりした顔の男。
たかだか毒食らって３日間ぶったおれてただけなのに。
わかってる、体に受けたダメージよか、弟が目の前でかっさらわれて何もできなかったことの方がこたえてんだ。
なんとしても阻止したかったが、それがかなわなかった己の非力にうちのめされた、ってとこだな。
‥‥
だけどな、いつまでもそんなこと引きずるほどおれは甘くはねえよ。
闘いは戦略、情報次第ってのもまた事実。
単独の闘いじゃなく、複数戦にもちこむことで、戦況なんていくらでも変えられるもんだ。
これは任務じゃねえ、使命だからな。
勝ち負けなんて基準は通用しない、生きるか死ぬか。
そして俺は死ぬなんてはなっから考えてねえんだよ。

表情が読めないよう隈取りで自分の顔を塗りつぶして行く。
もう何回したかわからないこの作業で己を一人の冷徹な忍びに変える。
ただの戦闘マシンに、ってか？
いや、違う。
俺は人間だ、しかも弱点を山ほど背負い込んだ、な。
けれど、だからこそ、強くなれる。

砂に伝わる忌まわしい人間傀儡の禁術。
己の体を少しづつ傀儡と化し、自分を武器に変えて行く。
だが。
闘うこと自体を生きる目的にしてどうなるんだ？
守るものがあっての闘いではないのか？
俺は手足が無くなろうとも、人間として戦う。
そうまでして生きたいのか、と嘲られようとも、這いつくばってでも生き残る。
俺には守らなければならないものがあるのだから。
機械ではなく人間として。
そして、兄として。




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circle K9
keiko様より頂きました

日記に描いたカンクロウの絵を気に入って下さった上
またしても こんなに素敵なお話を書かれたKeikoさん。
メールで拝読させて頂き またしても上目遣いで‘ちょーだい’とおねだりしてみました(^^ゞ
どうでしょう このカッコよさ！！
理想のカンクー像。
彼は クールに振舞うよりも こんな風に一生懸命生きてく姿が似合うと思います。
誰に何と言われようとも 己の信念を貫く姿…
忍として心を殺すよりも より自分をさらけ出して生きる姿が不器用ながらもカッコいい!!
そんなカンクロウの魅力をギュッと凝縮されたお話に 思わずメロッとしてしまいました。

こんな素敵な兄を持つ我愛羅は幸せだと思います。
だから我愛羅には その幸せを 心から実感して欲しい…
本誌でも そんな展開を見られる事を期待してます。

Keikoさん いつも有難う！！




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