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Vino Da Dessert(デザート・ワイン特集)

                       "ASTI" E "MOSCATO D`ASTI"
                      ”アスティ”・”モスカート・ディ・アスティ”


 「午後3時に紅茶でケーキを食する」という、イギリス的な風習がすっかりと根付いている日本においては、まだまだ食後に”デザートを甘口ワインと共に食する”という習慣が浸透しきっていないかもしれませんが、そんな我が国とは言え、今思えば、この十年来に及ぶ多大な”イタリア・ワイン・ブーム”に火をつけたワインとは、まさにこの”アスティ・スプマンテ”ではなかったでしょうか?

モスカート種独特の爽やかな甘さが瞬く間に女性のハートを釘付けにし、海外で最も有名なイタリア・ワインのうちのひとつとしても知られているこのデザート・ワイン。赤ワインの名産地として知られるピエモンテ州はアスティ地区周辺にて生産され、イタリアで2番目に”DOCG”を獲得したワインとしても有名なところです。

一般に、”アスティ・スプマンテ”と名称されるものは大型醸造所による”大量生産的”な安価ワインとして流通しているものを指すことが多く、中には甘いだけの”好ましくない例”に数えられる駄作も目に余るものですが、ただ単に”アスティ”と証される”手作業的”なワインの中には、時々芸術的な出来栄えのものにも出会えることがあります。

一方、”モスカート・ディ・アスティ”と呼ばれるものは、中小生産者にその生産が限られた”弱発泡性”のものを指し、その味わいもよりデリケートであれば、アルコール度数もより低く抑えられた心地良い内容のワインとなってきます。欧州文化における”デザート”というものは、実にその幅が広く、その愉しみ方にも千差万別の慣わしがあるものですが、まだまだ、我が国”日本”で一般に言う”お菓子”、又は”ケーキ”レベルのデザートに合わせるとならば、正直言ってこの”アスティ”が一番無難なワインだと言えるかも知れません。プティ・フール・セックなどの焼き菓子や、スポンジ生地プラスクリーム系のケーキにも最高のコンビネーションをご披露し、フレッシュ・フルーツや”パンナ・コッタ”、”ティラミス”、”ザバイオーネ”などのスプーン菓子のと相性も抜群。

と言う訳で、今回ご紹介させて頂きますのは、そんな”アスティ・ワイン”を最良のパフォーマンスで巧く表現している、”職人的アスティ”の代表作とも言える3本のワイン、共に「カウドリーナ(Caudrina-Romano Dogliotti)」という小さなワイナリーの作品です。”モスカート・ディ・アスティ”の第一人者”とも言われ、イタリア国内での評価も著しく高い名作を是非愉しんで”アスティ・ワイン”を再認識してみてください。次回は約一ヵ月後に、”偉大なるパッシート・ワインー南イタリア編”をご紹介いたします。


名称 La Selvatica(ラ・セルヴァーティカ)
カテゴリー DOCG-ASTI-
品種 モスカート・ビアンコ種
コメント スプマンテながらに柔らかい発泡性と洗練された味わいが嬉しい。
評価 86/100

名称 La Caudrina(ラ・カウドリーナ)
カテゴリー DOCG-MOSCATO D`ASTI-
品種 モスカート・ビアンコ種
コメント シンプル且つ、香り高くもソフトなワイン。
評価 87/100

名称 La Galeisa(ラ・ガレイザ)
カテゴリー DOCG-MOSCATO D`ASTI-
品種 モスカート・ビアンコ種
コメント 上記の”カウドリーナ”のセレクションである一本。より味わいがはっきりしている。
評価 88/100


                                       2月14日    土居 昇用