フェーゾレ
紀元前7世紀に建設された古代都市、フェーゾレは、フィレンツェ北東の小高い丘の上にあり、フィレンツェの母なる街といわれています。峠を越える交通の要所で、街の防衛という面でも重要な位置にありました。また、アルノ川の氾濫を避けるうえでも好都合だったので、古くから繁栄したそうです。
フェーゾレの糸杉とオリーブ畑
ここから望むフィレンツェの夕暮れは非常に美しいといわれているので、私たちも行ってみることにしました。フィレンツェの駅を出発したバスは、市内を抜け、オリーブ畑や糸杉が点在する坂道を登り、15分くらいでフェーゾレに到着しました。
フェーゾレは坂の街です
現在は高級別荘地になっており、古代劇場の階段席や大聖堂を目当てに大勢の観光客が訪れています。私たちがバスを降りたときも、周囲に多くの観光客の姿がありましたが、東洋人の姿は目にしませんでした。
高級別荘が建ち並ぶ斜面
フェーゾレでは、偶然見つけたレオナルド・ダ・ヴィンチの発明展を見学しました。鏡文字(裏返しの文字)で書かれた自筆の原稿や図案をもとに作った模型を展示しており、見応えがありました。
ダ・ヴィンチは、今から500年以上も前に、エスカレーターやヘリコプター、自転車などの原型を考案していました。
ダ・ヴィンチの発明展。
左に写っているのは翼の模型です。
晩年ダ・ヴィンチは、翼に興味を
持ったといわれています。
発明展に思いがけず時間を費やしてしまい、外に出ると既に日が傾いていました。
坂の上から見下ろすフィレンツェの街は、ぼんやり霞んでいましたが、ドゥオモの位置は確認することができました。
薄暮に染まっていく空や街並みに見入っているうち、すっかり日も暮れ、古代劇場跡や聖堂を見ることなく、ホテルに戻る時間になってしまいました。(T_T)
眼下に広がるフィレンツェの街並み。
オペラグラスで教会などを探すのも楽しいものです。