夢日記1989年分 ( 平成元年 ) | ![]() |
No 0227 1989年 昭和64年 1月4日 水曜日 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は1番の夢と同じ濃いブルーのジージャンとジーンズの上下を着て、ジージャンの下は薄い黒色のシャツを着ている。白のソックスをはき、靴はブルーのコンバースのバスケットシューズを履いている。ヘアスタイルはショートボブになっている。 14番の夢の釣鐘型の標高1000メートルの山の舗装路と未舗装路の境目のところに寺が建っている。この山の上空にいるところから夢が始まる。 山は33番の夢で判明したように登山口から頂上に行く道は時計回りの道と反時計回りの道と2つある。反時計回りの道は砂利と雑草でどうにか道と言える状態である。時計回りの道は幅2メートルの舗装された道である。現実にはありえないが、この2つの道は頂上まで次元空間が2重になっているために互いに交わらないで一本道として頂上まで続いている。 ふもとの寺は50メートル四方と比較的こじんまりとした感じの薬師寺式の伽藍配置の境内である、境内におりると自分の姿が濃紺の着流し姿であることに気がつく。寺の門のところにいきなり人だかりができて、106番の夢と同じように刀やあいくちを振り回しての乱闘騒ぎが発生する。今回は「やめんかっ」と私が一喝するといきなり収まってしまう。5分経過して7番の夢に登場する車を7番の夢のひげくまこと藤丸竜也が運転して迎えに来るので乗り込んで出発すると目が覚める。 |
No 0228 1989年 昭和64年 1月5日 木曜日 24・116・207番の夢の要塞の司令室にいるところから夢が始まる。地上戦が要塞から100キロメートルのところの平原で行われていて。味方がピンチの状態で207番の夢で要塞司令室の前の方から 「これはまずい、総司令官閣下に直接お願いするしか手はない」という誰かの叫び声が聞こえて、誰か前の方から近づいてくる気配がするなと思った瞬間からの続きである。 司令室の戦況モニターでも左翼が押し込まれていて半包囲されかけているのがわかる。私が司令官として現場で直接指揮するために前線に行くと言うと、要塞内の幕僚や要塞司令官の24番の井伊直也からも反対の声があがる。 「総司令官自ら前線に出るのはとんでもない」とか 「元帥閣下はここで指揮されるべき」ですとか騒然となる。このとき初めて自分の立場が判明するが、内心「元帥とはねえ」と思いつつ。要塞司令室内の全員に聞こえるようにこう言う 「司令官といえども1人の兵士である事には変わりない、私は兵士だけを戦わせて自分だけ安全な場所にふんぞりかえっている、どこかの政治屋と一緒にされるのは御免蒙る」さらに止めようとした1人の将校をその場にねじふせて出ていったために、後から幕僚達がしぶしぶながら、慌てて追いかけてくる。とりあえず、要塞の入口の所にいた105番の鏡剣にむりやり装甲車を操縦させて前線に移動すると。後ろからかなりの数の機甲部隊が慌てふためいた感じでついてくる。 このときこの要塞が182番の夢で造っていた要塞であることが判明する。 前線の状況は左翼部隊が半包囲されかけていたが、右翼部隊と中央部隊が、たまたま右翼が前進するような形で斜線陣形になっていたので、中央部隊を三連斉射で少し突出させて、左翼部隊への攻撃を緩めさせて敵の混乱に乗じて、右翼部隊と左翼部隊の後ろから敵の部隊の横へ、自分についてきた機甲部隊を二手にわけて攻撃を集中させて、敵の連携を断ち混乱させる。そのまま中央部隊を中央突破させて、敵の左翼と右翼部隊の注意をこちらの右翼と左翼部隊にひきつけておいて、中央部隊に背面展開させて挟み撃ちにして。敵の中央部隊と左翼部隊を壊滅させる。ただし、こちらの左翼部隊と戦っていた敵の右翼部隊は、こちらの左翼部隊が劣勢だったこともあり、一部が包囲網の弱い部分から離脱していく。このあと戦場の後片付けをしながら要塞に引き上げると、地下の大ホールで祝勝会がはじまり、ビールのかけあいになったところで目を覚ます。 |
No 0229 1989 昭和64年 1月6日 金曜日 街の中を歩いているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいて普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。髪型はショートボブになっている。 宝くじの販売所に年末ジャンボ宝くじを持ち込んで調べてもらうと全部ハズレていて。販売所の人間にあざ笑われてしまう。販売所の日めくりカレンダーが1月19日になっていて、この日は自治くじの販売日とポスターがあり。販売所には目の前にくじが山のように積まれているのに、自分には売ってくれない。他のお客にはつぎつぎに売るのになぜ自分には売らないのかと抗議しているうちに目が覚める。 |
No 0230 1989 平成元年 1月14日 土曜日 広い喫茶店のボックス席で25番の今野浩之と23番のユウ君こと佐藤優二兄弟と105番の鏡剣と80番の夢の杉本雅嗣と5人でコーヒーを飲みながら話し込んでいるところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいて普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。髪型はショートボブになっている。 温泉に行こうかということで、5人で喫茶店の外に出ると新宿駅が目の前にあり、小田急線に乗って小田原の温泉へ行くことになり電車に乗る。小田急線に乗ったはずなのに、赤坂離宮の上空からでないと見えないアングルの赤坂見附の立体交差を豊川稲荷方面から見たような風景が電車の窓越しに見える。いつのまにか目的地についたらしく電車を降りて駅の改札を佐藤優二の後姿を追う形でくぐっていく。温泉旅館にどこをどう歩いたかわからないが、145番の夢と同じ50メートル四方の駐車場になっていて中央に4階建の温泉旅館のような建物がある場所に到着する。入口の階段を上がると玄関ドアがあって、ドアを開けると広いロビーがあり、土足からスリッパに履き替える段差があって靴が数足並んでいるのが見える。ロビーの奥には左右に続く廊下がある。左右の突き当りには大浴場が二つある。建物は4階建てで、右の大浴場側に食堂があり、左の大浴場側には小さな休憩用のスペースがあってロッカールームがある。ロッカールームにもテレビやイスなどがありくつろげるようになっている。食堂に入ると非常に太った大男がいて食堂のソファに座って小柄な男性に給仕してもらって大量の食事をしている。最初に左側の大浴場へ行くと、スポーツマン風の長身の男の子が白のスゥェットの上下のまま湯船に入ろうとして周囲の男達に顰蹙をかった上に強制的に脱がされている。左側の大浴場に隣接する休憩用のスペースの部屋に行くとユウ君がいて 「今日火曜日だ」といきなり言う。その直後に今野浩之が入ってきて 「右側の大浴場に入ろう」と言って3人で行って湯船につかる。 このあと場面が変わり 現時点で208(217・218・222)番の夢の情報を整理した以下の街情報による場所に場面が変わる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。206号室の部屋に喫茶店に居たときと同じメンバーがいる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は1番の夢と同じ濃いブルーのジージャンとジーンズの上下を着て、ジージャンの下は薄い黒色のシャツを着ている。白のソックスをはいて、ヘアスタイルはショートボブになっている。 いきなりチャイムがなり、クラーク・ケントとそっくりの外国人が紺のスーツを着て大きな箱を持って立っている。名刺を渡されて見ると、三井信託銀行営業部とだけ印刷されていて、佐藤優二と私が応対に出る。話を聞くと取引のお礼の品だと言ってビデオレコーダーを置いていく。そのまま佐藤優二が「買物をしてくるねー」と言って白のデッキシューズを履いて階段を降りていく。服が赤のジャージの上下なので白のデッキシューズが非常に目立つ。ジャージは黒の細い二本のラインが入っている。杉本雅嗣も自分の部屋に戻ると言って2軒隣の209号室にもどる。このとき杉本雅嗣の部屋が夢の中では自分の部屋の2軒隣であることがわかる。杉本雅嗣が部屋に戻った理由は来客があったからで、目が大きく、かなり長身で190センチあり、細身で白いシャツに黒いジーパンをはいた若い男である。名前が浅野莞爾でいとこと自己紹介されるのと 「赤目伯爵のところで会って以来久しぶりですね」というので伯爵の親友といっていた人物であるが、かなり久しぶりに会ったので驚く。自分はそのまま部屋に戻ってビデオレコーダーの箱を残っていた今野浩之と鏡剣と開けるが、2人にここしばらく疑問に感じている事について意見を聞こうとして 「あー、2人にだから訊くけど、杉本がおとなしすぎて不気味なんだがどうなってんだろう」と言うと、2人とも顔を見合せて、あれっという顔をするが、鏡剣が笑いながら 「いやー知らぬは本人だけって、よくいいますけど、杉本氏の肝を冷やすっていうか怯えさすような事を一発ハデにかまされたんですけど、覚えてません」といたずらっぽく言うので 「あれっ、私がそんなことしたかな」とホントにわからなくて首をひねると、今野浩之が苦笑しながら 「ホントに僕らも肝つぶしたというか恐ろしかったですからねー、杉本の奴がビビってあたりまえですが、このあいだの天界騒動ですよ」と教えてくれたので 「あっ、あれでか、そんなに影響するもんかなー」と言うと 「「いやホントこのヒト自分自身のコトわかってない」」という表情で今野浩之と鏡剣が私を見つめて、軽くため息をついて 「紫藤の家の騒動にケリついちゃいましたからね」と今野浩之が言い 「国見の本家の本宅があっさり返還してもらえましたからね」と鏡剣がさらりと言うので、思わず 「えっ、ちょい、待ち、それマジ」と私が驚いたところで目を覚ます。 |
No 0231 1989 平成元年 1月17日 火曜日 気がつくと10万トンクラスの船を作るためのドックを掘っている。船とドックを作るための資材は完全に確保されていて。ちょっと秘密の場所のような雰囲気がある。半径500メートルくらいの狭い湾のような場所で、海との境目も2〜30メートルくらいの崖が防波堤のようになっている。海岸は砂浜でドックを作っている所だけコンクリートで固めて長方形の区画が出来ている。全体としては湾も含めて半径1キロメートル程度の広さの空間が崖や山や丘に囲まれている状態で、ドックの近くに150メートルくらいの桟橋が一本湾の中央に伸びている。ドックの部分だけがぽっかり穴があるという感じで。資材や人間の休む場所は崖や山や丘に開けられた洞穴のような空間に隠されていたり林にテントで隠されている。ドックは山のぎりぎりまで掘られていて、その部分から山に入る洞穴が1番広く作業の指揮所のようになっている。 全体で1万人くらいの男女がいて、比率は男7に女3くらいの比率で若者ばかりいる。 1番の夢の木村聖一、木村聖二兄弟、135番の夢の孫の16代の明伸、66番の夢の息子の24代の美喜、2番の夢の娘の綾乃、27番の夢の妹の理美、76番の夢の弟の十琉57番の夢の菅井佐知、82番の夢の宮本一、105番の夢の鏡剣、55番の夢の恭仁見つかさ、55番の夢の武田詩織、24番の夢の井伊直也、55番の夢の黒田拓哉、55番の夢の和泉理司、55番の夢の大島玲仁、49番の夢の香取 恵、25番の夢の今野浩之と23番の夢の佐藤優二兄弟、3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊兄弟、55番の夢の日生篝、81番の夢の藤原愛子、81番の夢の仲串勝美、101番の夢の高城ハル108番の夢の長谷川信禎、152番の夢の仲串勝代、110番の夢の佐々木琴音、110番の夢の珠洲紫音、169番の夢の阿倍佳奈子、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の中務香奈枝、169番の夢の香川諒子、169番の夢の鈴木翔子、14番の夢の寺島小百合、131番の夢の橘夏希と143番の夢の橘夏芽姉妹、162番の夢の風間了、107番の夢の今井真理、105番の夢の今井崇樹、44番の夢の金井恵一、44番の夢の直江賢次、44番の夢の岡崎貴子、44番の夢の真野美子、129番の夢の天仁河秀一、130番の夢の今野千光、212番の自分の分身、23番の夢の天使の少年、74番の夢の藤本由里江、80番の夢の玉泉和典、友人のTM、友人のSM、黒田勇樹、荻野目洋子、後藤久美子、光GENJIの7人、155番の夢の何となく愛嬌のある太った大男の合計の合計65人を筆頭に夢の中の友人知人達が全ている。何人かに話しを聞くと世界がネバーエンディングストーリーのように崩れだしているので避難するための宇宙船を作っていると言う。何日か作業をし始めると相当速いペースで船が組み立てられて。出来上がった形が12本マストの巨大な帆船である。幅員も最大100メートルくらいある、全長は約1キロメートル近い。最後尾の装飾が海賊船のような彫刻である。陸地が完全に崩れる寸前に帆を開き宙に浮かぶと自分は広いサロンのような所に倒れてしまい看病される。サロンの入口のところで80番の夢の杉本雅嗣が羊皮紙の装丁の大きな帳簿のような本をかかえてへたり込んでいる。この本は船を作るときにかかった資材の記録で、その記録によれば私から莫大な額を借りてこの船ができたので、お返しするということを杉本雅嗣から言われるが 「それどころでないし、お金の価値自体が存在しなくなってしまったからいいよ」と言うと、杉本雅嗣に苦笑される。このあと自分の専用個室に案内というかストレッチャに乗せられてベッドまで運ばれて、横になったところで目を覚ます。 |
No 0232 1989 平成元年 1月21日 土曜日 220番の夢の以下の詳細の3階建てでピラミッド型の天窓を持つ大型実家にいるところから夢が始まる。 敷地が1キロメートル四方の森で、周囲を幅3メートルの堀で囲まれてさらに2車線両側歩道つきの道路が巡らされている。西側のやや北寄の位置に堀に橋が架かり、奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースがあり、幅5メートルの門があり扉はついていない。塀の高さ自体は1メートルのブロック塀で、家本体は敷地全体の中央にあり、北側と西側に駐車場と広場を兼ねたスペースがあり、東と南は庭になっていて池と小川がある。庭と広場のスペースの広がりは500メートル四方ある。塀までべったり森ではなく、1キロメートル四方の塀のすぐ内側には2車線分の幅の舗装された道路が巡っていて、500メートル四方の家と庭と広場のスペースと森の境目にも2車線分の道路が巡っていて、道路で2重に区切られている。さらに内側の道路と外側の塀沿いの道路と結ぶ2車線分の幅の道路が東西南北の中心に4か所放射状にある。門と玄関を直線的に結ぶ斜めの道路だけは2車線両側歩道つきの道路になっている。 幅250メートルの森の帯に囲まれた中央の500メートル四方の平地の中央に建っている家は、玄関の向きは西で、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、車寄せのような斜路のついたエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは3階まで吹き抜けで、巨大なシャンデリアが天井から下がり、畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。玄関の両開きのドアに向かいあう東の壁に高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて15畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は3階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに8畳の応接間、この部屋が玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋である。東側に10畳の広さの車庫、さらに東側に10畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで4畳あり、脱衣所が2畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には8畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には12畳の広さになる。この二つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この二つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると20畳の大広間になる。南の庭と二つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が10畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。10畳の厨房の北側が10畳のダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールになっていて、地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、10畳の洋室が2部屋、9畳の洋室が1室の合計10部屋がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の簡易台所がある。風呂場は2畳が浴槽と洗い場のある部屋で1畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の8畳の部屋が応接間になっている。3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の9畳の部屋の上は自分の自室がある位置になっていて、67番の夢の12畳の自室が存在している。階段は4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置になっていて、天井の高さも150センチと1階や2階や3階の半分の高さである。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは50センチの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は3メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の東南の10畳の部屋と私の部屋と簡易キッチンつきの風呂場の間の東側に位置する10畳の部屋、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する8畳の部屋、2階の南西の部屋と応接間の間の西側に位置するの8畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれてドアの左側の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された30センチ四方の銀のプレートがついている。 上記の家の台所にいるところから夢が始まる。ここで母と料理とデザートを作っている。料理はビーフストロノガフとビシソワーズで、デザートは大き目のフルーツパフェでチョコレートパフェに近い状態である。できあがったあと試食するが味としては非常に美味しい。 隣の10畳のダイニングが賑やかでのぞいてみると、 55番の夢の恭仁見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一、57番の夢の菅井佐知、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、66番の夢の息子の24代美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の16代明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、212番の夢の弟分の木村京、130番の夢の今野千光、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、22番の夢の尾崎晁堊、3番の夢の尾崎儀一、101番の夢の高城ハルと7番の夢のふくろうくんと合わせて19人と1羽いる。ドアの陰で話しを聞いていると 正式に部屋の名称が迷宮の間と決まった1部屋に9の部屋が存在する3つの部屋の中の部屋割を確定させてドアの外に取り付ける部屋割プレートをつくっている最中である。 3室は普段は簡単に迷宮の間と呼ばれ、3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と方角の名称が冠されてドアの左側の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された30センチ四方の銀のプレートがつくことになる。 3階の「東の迷宮の間」が息子の美喜、息子の嫁の中務香奈枝、孫の明伸、娘の綾乃、弟の十琉、妹の理美、弟分の木村京の7人 「北の迷宮の間」が恭仁見つかさ、鏡剣、宮本一、菅井佐知、橘夏希、橘夏芽の6人 2階の「西の迷宮の間」が今野千光、今野浩之、佐藤優二、尾崎晁堊、尾崎儀一、高城ハルの6人に割り当てられてそれぞれの個室が決定したようなので 「やってるね」と一声かけてダイニングに入ると恭仁見つかさと鏡剣の2人の間の席があけられて座らせられる。それと同時に母が先ほどつくっていたビーフストロノガフとビシソワーズを一人で配膳しだしたので女の子達が全員慌てて台所の方に移動して母の配膳を手伝いはじめる。しばらくして会食の準備ができたので母も含めて全員でいただきはじめる。 あちこちで雑談が始まるが、両隣の恭仁見つかさと鏡剣の2人が、あらためて奪われていた国見本家の本宅が自分達の手に戻ってきた事を報告して感謝してくれる。 「国見の正統継承者の本家総帥権はどうなった」と訊くと 「今のところ2人で共同総帥してますけど、2人とも今さらほうりだしたい気分」と2人して言いだす。 「サチんとこみたく誰か信頼できるやつにしばらく預けとくのも手だよな、国見流占術と国見流華道の家元だからね、空席にしておくわけにもいかないだろうし」と私がいうと 「そうなんだよねー」と恭仁見つかさと鏡剣の2人がため息をつくと鏡剣の隣に座っていた菅井佐知が 「国見のトコも落ち着いたけど、うちと一緒で落ち着いたら落ち着いたでイロイロと騒々しいんだよね」とこちらもうんざりという顔をすると 「こら、サチ、なにぜいたくこいてんだ、大変なのは俺だぞ」と今野千光からブーイングが来るので 「あっ、そうでしたーよろしくお願いします〜お兄様ー」と菅井佐知がテーブルの上に両手をついて土下座風の礼をするのでその場の全員が爆笑する。 ちょっと気になったので菅井佐知に 「千光が兄貴ってハナシみんな知ってるのかい」と訊くと、今野千光から 「もう公認ですよ、でなければ一族でないとなれない総帥代行なんて認めてもらえないでしょう」とあっさりと言う 「それなら、まあ、いいけどね、私からも大変だろうけど、よろしく」と言うと 「はい、しっかりやらせていただきます、お気遣いありがとうございますアムラン」と一礼されてしまう。 一区切りついたところで話しをもどして 「ちょっとくせがあるし、アクも強いが国見は長谷川にまかせるのもありかなー」と私がぼやき混じりの声で言うと尾崎儀一が 「大丈夫ですかねー、今井家にもあなたにもかなり無礼なふるまいがあったようですが」と言うと、鏡剣も 「才能と能力はあるんでしょうけど、本心がつかみにくいのと得体の知れなさがありますもんね」と言うので、この調子だと長谷川の正体たぶんここにいる全員が知らないだろうなと思い 「長谷川って、ああ見えても敖家の一族なんだ、かなりやんちゃやって勘当されてたけどね」と言うと全員から「「それ、マジっスか」」という反応がきて、おもいっきり苦笑して見せる。今野浩之が 「なんかアムランってホント地獄耳っていうのかさあ、なんでも知ってるのは今さらだけど、驚くよなー、ケド自分の行動の影響力って自覚ないのが不思議なんだよね」と感心したとも呆れたともつかないような溜息まじりのセリフを言うので、全員と母からも思いっきり同感という感情がどかっとふってくるので私も苦笑がとまらなくなる。 「ヒロの言ったことは事実だから自重と自覚しますよ、しかし、今回はえらい影響あったんだなあー、金吾のじいさまからも、あんたがやんちゃするのはほどほどにとお叱りありました」と白状すると全員静まり返る。 しばらくしてあちこちから 「あんときゃホントにビビったからなー」と高城ハルが肩をすくめて言い 「あの杉本がさー、やたらおとなしいでやんの」と尾崎晁堊の半分呆れ半分驚きという声がするので本当に苦笑が止まらなくなるのと、恭仁見つかさと鏡剣の2人と菅井佐知と宮本一まで口に手をあてて苦笑を堪えている。 いきなり 「アムラン兄ちゃん、聖一兄ちゃん達から帰っておいでって言われたけど僕ここにいたいなー」と木村京こと紫藤聖四が無邪気に私に声をかけてくるので 「ああ、キヨシは好きなだけここにいていいんだぞ、兄ちゃん達のところも安全になったけど、たぶん2人ともこっちに住むようになるぞ」というと 「やったー」とキヨシがはしゃぐので、今野浩之が慌てて自分の席から私の傍に来て椅子の横でしゃがんで私の耳元で 「紫藤もかたづいたんじゃなかったんですか」と訊くので 「きっちり片付いたけど、サチんとこと、たぶん国見もだけど紫藤もうち来てしばらく信用できるやつにまかせて、これまでの因縁と派閥と造反組の完全一掃すませて奇麗にしてから、正式に戻って楽してもらうという方針決定しているのさ」というと 「えっ、そうなの」と菅井佐知が驚くので、今野千光が 「サチー、だーかーらー、大変なのよ、オレ」と少しおちゃらけていうのでさらに何か言おうとした菅井佐知が噴き出す。 「ちなみに紫藤あずかり役は黒松頼政男爵」と私がさらりと言うと、恭仁見つかさの隣に座っていた宮本一が私の方を見て 「うっそー」と叫ぶが、尾崎儀一と今野浩之の2人が同時に 「適任ですね」と言うので、あのくそ親父そんな才覚あったのかという顔を宮本一がするので私が吹き出しそうになるが、こらえて 「とりあえず金吾じいさまのメンツはつぶれずに済んだし、まあむしろ面目躍如だったハズ、なんだけどねー」と私が含むところあるぞという感じで言ったので、橘夏希が半分呆れたような声で 「喰えないじいさまの事だから、またナンカ頼まれたんでしょ」と言うので 「ま、そんなトコ」と私がニヤリとしながら言うので、全員おやおやという雰囲気になったところで母がデザートの配膳をやりだすので、全員会食の後片付けを始めて、デザートのフルーツパフェがテーブルに並べられて全員が手をつけ始め自分も一口いただいたところで目を覚ます。 |
No 0233 1989 平成元年 1月24日 火曜日 千葉県我孫子市に実際にある春日屋という大きな酒屋にいるところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は1番の夢と同じ濃いブルーのジージャンとジーンズの上下を着て、ジージャンの下は薄い黒色のシャツを着ている。白のソックスをはき、靴はブルーのコンバースのバスケットシューズを履いている。ヘアスタイルはショートボブになっている。 ここの店内で日本酒の棚を見ていると。店内の全ての酒瓶にいきなりヒビが入り、全て丸くギザギザに真っ二つに割れて酒が床じゅうにあふれてしまう。驚いてあっけにとられているうちに目を覚ます。 |
No 0234 1989 平成元年 1月30日 月曜日 薄暗闇の中を明るい方へ歩いているところから夢が始まる。街の中を歩いているが、周囲の景色から札幌から岩見沢経由で三川へ歩いて行く感じである。 場面が変わり土手際の野道を明るい日差しの中を歩いている。白い花がちらほら生えていて、土手のくぼみのある斜面に馬が5頭いて一番手前の野道の私の近くの馬が私になれなれしく寄ってくる。 馬が最も近づいた瞬間に突然場面が変わり、土手は相変わらず続き、私の後ろには壁があり私は底の壁にもたれていて右手に道路があり、そこには下見板張りの古い平屋の家が4から5軒あって。道路にはいつのまにか上品そうな感じの1番の夢の村主日美子が歩いている。私の目の前には小さいながらもよく手入れされた畑があり、トマトや豆や茄が鈴なりになっている。 場面がまた、いきなり変わり、220番の夢の以下の詳細の3階建てでピラミッド型の天窓を持つ大型実家にいる場面に変わる。 敷地が1キロメートル四方の森で、周囲を幅3メートルの堀で囲まれてさらに2車線両側歩道つきの道路が巡らされている。西側のやや北寄の位置に堀に橋が架かり、奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースがあり、幅5メートルの門があり扉はついていない。塀の高さ自体は1メートルのブロック塀で、家本体は敷地全体の中央にあり、北側と西側に駐車場と広場を兼ねたスペースがあり、東と南は庭になっていて池と小川がある。庭と広場のスペースの広がりは500メートル四方ある。塀までべったり森ではなく、1キロメートル四方の塀のすぐ内側には2車線分の幅の舗装された道路が巡っていて、500メートル四方の家と庭と広場のスペースと森の境目にも2車線分の道路が巡っていて、道路で2重に区切られている。さらに内側の道路と外側の塀沿いの道路と結ぶ2車線分の幅の道路が東西南北の中心に4か所放射状にある。門と玄関を直線的に結ぶ斜めの道路だけは2車線両側歩道つきの道路になっている。 幅250メートルの森の帯に囲まれた中央の500メートル四方の平地の中央に建っている家は、玄関の向きは西で、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、車寄せのような斜路のついたエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは3階まで吹き抜けで、巨大なシャンデリアが天井から下がり、畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。玄関の両開きのドアに向かいあう東の壁に高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて15畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は3階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに8畳の応接間、この部屋が玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋である。東側に10畳の広さの車庫、さらに東側に10畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで4畳あり、脱衣所が2畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には8畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には12畳の広さになる。この二つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この二つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると20畳の大広間になる。南の庭と二つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が10畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。10畳の厨房の北側が10畳のダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールになっていて、地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、10畳の洋室が2部屋、9畳の洋室が1室の合計10部屋がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の簡易台所がある。風呂場は2畳が浴槽と洗い場のある部屋で1畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の8畳の部屋が応接間になっている。3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の9畳の部屋の上は自分の自室がある位置になっていて、67番の夢の12畳の自室が存在している。階段は4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置になっていて、天井の高さも150センチと1階や2階や3階の半分の高さである。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは50センチの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は3メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の東南の10畳の部屋と私の部屋と簡易キッチンつきの風呂場の間の東側に位置する10畳の部屋、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する8畳の部屋、2階の南西の部屋と応接間の間の西側に位置するの8畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれてドアの左側の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された30センチ四方の銀のプレートがついている。 上記の家の台所に玄関から移動すると父が巻き寿司をつくっていて、油揚げを刻んでいてその包丁さばきが見惚れるほどみごとである。私は湯のみで水を飲んでいてうっかり落として割ってしまい慌てて母と片づけていると212番の夢の木村京と76番の夢の弟の十琉と66番の夢の息子の24代美喜の3人がおやつを探しにくるので母がプリンを出す。 「おとうさん、この間さ、ナツキ姉貴が言ってた喰えないじいさまの事だからまたナンカ頼まれたんでしょって話し、もしかして、宝石博物館の3人の世話とか」とかなり真剣な表情で美喜が訊いてくるので、こいつ結構敏いなと思いつつ 「アタリ、全員じゃないけどね、2人頼まれてる」というと美喜が何か言うよりも母が 「あんた、人がいいのはいいけどね、ただ働きしちゃだめだよ、もう少し自分の損得も考えないと」と言うので、何か言いかけた美喜と十琉と木村京まで顔を見合せて「「えっ、なに、お礼してもらってないのか兄ちゃんは・父ちゃんは」」という顔をしたので 「誰がただ働きとボランティアしますかい、ちゃんと結構なお礼はもらってるんだがな、はたから見てるとただ働きしてるように見えるかもしれないけどさ、お礼が金とは限らんのよ」というと 「なら、いいけどねー、あたしゃ、あんたが能力に見合う報酬貰っているようには見えないんだけどね、まあ、おまえが満足してるなら、いいわさね」ととりあえず納得していただく。 息子と弟達はまだ「「うーん」」という顔をしているので、ダメ押しに 「宝石博物館からの宝石自由持ち出し許可証があのダイヤモンドなんだが、私だけは許可証持たなくても自由に出入りと持ち出しオッケーな上に、あのダイヤモンドを持っている。これは、持ち歩いているという意味だけどね。持っている者は私と親子兄弟に限るけど10人まで自由持ち出しできるんだよ、あそこに行ったよっちゃんはあそこの物がどういう価値があって、どれだけの報酬になるかわかるだろ」というと、流石に美喜も納得プラスびびりがでて 「無限のお金ですよね」と声が若干震えるあたりが可愛い。 「そゆこと、もっとも報酬はあれだけじゃないから、でなきゃこんなぜいたくな家なんて建てられるわけないだろ」というと、母がやっと本当に納得する。十琉も宝石博物館は見てきたが、ダイヤモンド型許可証の話しはまだ知らなかったので、美喜から説明を聞いて仰天する。木村京にも 「キヨシも一回見ておいで」というと無邪気に 「うんっ」と言ってプリンをほおばるので、微笑ましいと思っているうちに目を覚ます。 No 0235 1989 平成元年 2月2日 木曜日 明るい日差しの差し込むマンションの一室にいる。一見サンルーム風であるが、ダブルベッドのサイズのマットレスだけがある。私は上下純白の服を着て裸足で横になっている。不思議なことにマットレスの上には白猫の夫婦がいて、この2匹と会話している。この部屋の出入り口は開けっ放しになっていて、74番の夢の藤本由里江が入ってきてこちらを見てにっこりして出て行く。しばらくして子猫が5匹生まれて籐のカゴに入っている。4匹は薄い茶色のシマ模様で1匹が真っ白。しばらくして藤本由里江が入ってきた出入り口から白の大きなペルシャ猫が入ってきて私に甘える。突然後ろから肩を叩かれて振り向くと紫がかった黒猫が人間のようにあいさつしてきたので、こちらも片手を上げてよっという感じであいさつする。 ここで場面が変わり232番の10畳のダイニングの中と同じく55番の夢の恭仁見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一、57番の夢の菅井佐知、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、66番の夢の息子の24代美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の16代明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、212番の夢の弟分の木村京、130番の夢の今野千光、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、22番の夢の尾崎晁堊、3番の夢の尾崎儀一、101番の夢の高城ハルと合わせて19人が揃っている場面に変わる。ただし、よく見ると2人増えていて、1番の夢の木村聖一と木村聖二の2人が木村京を真ん中にして座っているので22人いることがわかる。 今日は和食を中心とした食事で、漬けものが山のように大皿に盛られている。一部では奪い合いも起きているようで賑やかである。私が入っていくと場がなんとなく静かになっていく。 木村聖一と木村聖二と木村京の傍に最初に近づき 「やっぱり2人とも来たよな、東の迷宮の間だろ」というと木村聖一が兄弟を代表して 「ありがとうございました、やっかいになります、これからよろしく」と私とその場の全員に一礼すると拍手がおこる。くしゃっと木村京の頭をなでると京が嬉しそうな顔をする。通りすがりに、弟の十琉、妹の理美、息子の美喜、娘の綾乃、孫の明伸の頭もくしゃっとなでていく。結局自分の席は右に恭仁見つかさと左に鏡剣の2人の間で、恭仁見つかさの右が宮本一でその隣が橘姉妹で、その隣が父と母の席で、鏡剣の左が菅井佐知の席になっている。あとは親友グループの筆頭の席に尾崎儀一が座り、身内グループの筆頭の席に十琉が座っているのが面白い。自分の席につくと母が私の分の膳を持ってきてくれる。 「だいぶ賑やかになったが、あと1人は間違いなくくるけど、そのあとは想像つかないなー」と食事に手をつけながら言うと尾崎儀一が 「北の迷宮の間」の1人ですね」と言ってくれるので 「うん、この1人は全員了承済みだからいいけど、西の迷宮の間はケンカになるぞホント、それが頭痛い、いくら無限大の迷宮の間とはいえ」と私が少しぼやき混じりで言うと 「大丈夫なんじゃない、アムランの親友なんだもの」と宮本一が気楽そうに言うので 「タークミーおまえはそういうけど、けっこう一悶着あるぞー」と私が言ったとたんに全員が「「タクミって誰っ」」という反応になるので 「あれっ、ミヤおまえ、タクミの名前まだ言ってなかったのかい」と訊くと 「あっ、忘れてた、てか黒松託生って名前自体誰かに封印されてたからねー」とちょっと不満そうに言ったので、全員「「ああ、みやもっちゃんの本名がタクミなのか」」と納得の雰囲気がただようので、ついでに 「そういえば、この中には通称と本名が事情があったとはいえ、違う者が結構いるけど、今後呼ぶ時とか名乗りどうする」ときいてみる。代表するような感じで鏡剣が 「アムランが呼ぶ分には好きな呼び方でいいんですけど、今使っている名前は結構気に入っているので、このままいきたいなと思ってます」と言い、その場の雰囲気もだいたい同じという感じであるが 「紫藤はどうするの、しばらく木村かい」と一応確認をとると聖一が 「もう大丈夫とは思いますが、気にいっていることもありますので当面木村でいきますよ」と返事をくれたので「わかった、了解」と言っていつのまにか立ち上がっていたので座る。尾崎儀一が親友代表的に 「かなり同居希望者いますね、10人くらいですかね」 「やっぱりなー、でも10人は少ないんだよな、俺の見積もりでは30人くらいいるはずなんだけど、意外と希望しそうな者が希望してないんだよなー」と言うと 「「「えっ、うそ、それ、だれ」」」と不思議そうな声で宮本一と恭仁見つかさと鏡剣と菅井佐知と美喜の5人が同じセリフを言う 「一番は玉川和典と藤本由里江の2人だけど、この2人の性格からいって希望しないのはわかるんだけれど、私が不思議なのはシオっち」とため息つくようにいうと、恭仁見つかさが 「えっ、タケちゃん」と言い、菅井佐知が 「えっ、姉さん」と言い。さらに、中務香奈枝が 「ええっ、しおりちゃん」と言って驚くと、他の面々は誰のことを言っているのか分かっているが1人の人間にずいぶん沢山の呼び名があるものだと感心している。 「うーん、ミドリとナカちゃんの大親友だし、サチのお姉さんだから希望あるものと思ってたんだよ」と言うと、美喜まで 「僕もそう思ってましたけど意外ですねー」と驚く 「うーん、やっぱり恋愛が優先かね」と私が苦笑しながら言うと、その場の全員から 「「「えっ、だれとっ」」」と叫び声があがるので、私がびっくりする。 「ありゃっ、もしかしてまた私だけ情報かい、ミドリは知らなかったかい」と隣の恭仁見つかさに問うと、何か思い当たることがあるようで 「まさか、彼かしらね」と額に手をあてて考え込みつつも、なんとなく納得したぞという表情をする。 「思い当たるみたいだね」と私が言うと、恭仁見つかさが 「あー、たぶん、いいのかなあ言っちゃって」と悩んでいると、中務香奈枝が 「あー、あたしもなんとなくわかっちゃったなー」と言うが、菅井佐知だけ話しか見えなくて目を白黒させている。 「まあ、人の恋路を邪魔する奴は馬になんとやらって事もあるんでね、オフレコ、オフレコ」と私がその場を収める。そしてわざとらしく話題を変えて 「ギイ、西の迷宮の間の希望者の交通整理はまかせるから、玉川抜いたらギイが大親友筆頭だからよろしく」と大親友の大のところを強調していうと、流石に照れがあるのか尾崎儀一が 「わかりました」と顔を少し赤くして返事する。 ちょうどタイミングよく7番の夢のふくろうくんが 「重要な手紙があるので読んでください」と呼びに来たので3階の自分の部屋に一気に移動する。 いつもの67番の夢と同じ以下の詳細の部屋に場面が変わる。 ドアの上に自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られていて、光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれている。ドアの上のプレートの名前からここが夢の世界の自分の専用の個室であることがわかる。12畳の部屋の中心に畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、部屋は東西に長く南北に短く、テーブルは長辺を東西にして置かれている。2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。窓は部屋の東側と北側にある。部屋の東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドがある。西側の壁は3メートルある天井まで全てつくりつけの本棚になっていて一部スライド式の棚になっている。南側の壁は中心から東側の窓の壁までがクローゼットになっている。中心から西側はクローゼットの扉のすぐ隣が縦に畳1畳分の大きな鏡があり、本棚のある西側の壁よりに出入り口のドアがある。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、鏡側の西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっている。ドアの前に黒のスチールの机があるが、この机は両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の上には左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきの飾り棚がある。この作業台の上の西側よりには、テレビとビデオデッキとミニコンポが置いてある。 上記の部屋に入り、机の上を見ると2通の手紙があり、机の前の椅子に座り、封を切り読み始める。手紙は嵯峨金吾と天帝からのもので、内容は礼状と感謝状である。読み終えた頃にドアがノックされて、予想通り、恭仁見つかさと鏡剣と菅井佐知と中務香奈枝の4人が入ってくる。4人をソファに座らせて 「武田詩織の彼氏の話しだろ」というと全員うなずくが特に菅井佐知が真剣な顔をしているので、悪いけど内心苦笑する。「まずは私の情報の出どころは」と部屋のベッドのヘッドボードの上の棚で休んでいるふくろうくんをチラっと見る。 「目撃者は彼で、シオっちに配達する書類届ける時に気を利かせて待っていたりしてたんだとさ」と私が言うと 「あたしは妹のカヨちゃんからきいたのよね」と恭仁見つかさが言うと、カヨちゃんが誰なのかわからないのがまたもや菅井佐知だけだったので、こりゃ、あかんと思い 「料理名人の一人の勝代さんの兄がシオっちの彼氏」と私が言うと、菅井佐知が 「えーっ、かっちゃんなのー」と驚くので 「仲串勝美くんでした」と中務香奈枝がダメ押しする。 「ミドリとナカちゃんはカヨちゃんとは料理人友達だよな、それで気づいたんだろ」と私が言うと 「そーなんですけどね、ケンちゃん情報もあるのよねー」と恭仁見つかさと中務香奈枝の2人が鏡剣の方をチラリと見ながら言うと、 「たまたま、目撃いたしました、風間了さんも知ってます」と鏡剣が苦笑しながら言うので、 「ああ、あの温泉湖の近くの古くからの忍者達の修行場でかい」と訊くと 「そうです、たぶん寺島の小百合さんも知っていると思いますね」と鏡剣がさらりと言う。 「姉さんってば、小柄で可愛いタイプが好みなのは知ってましたけど、かっちゃんて小柄だけど結構たくましいから盲点だったなー、わかる気もするけど」となんか半分納得して半分納得できんぞという風情の菅井佐知のセリフに恭仁見つかさと鏡剣と中務香奈枝の3人が苦笑している。 「そんなに意外な組み合わせでもないし、暖かく見守ろうな、落ち着いたら2人して来るかもしれないし」と私が言ったところで目を覚ます。 No 0236 1989 平成元年 2月4日 土曜日 近未来の地下鉄駅にいて自動販売機でキップを買って電車に乗り、車内には人がちゃんと乗っている。どこかの駅で降りたところで場面が変わる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は1番の夢と同じ濃いブルーのジージャンとジーンズの上下を着て、ジージャンの下は薄い黒色のシャツを着ている。白のソックスをはき、靴はブルーのコンバースのバスケットシューズを履いている。ヘアスタイルはショートボブになっている。 一軒家を借りて引越ししてくる場面になる。最初台所風呂を入れても4部屋しかなかった間取りが6室になり、一間のユニットバス状態だった風呂トイレが独立した個室になる。 前の借家人が松田竜幸で、6室に広がる直前まで引越し荷物の一部が残されていて、6室に広がった時に引き取りに来る。掃除と荷物運び込みの手伝いは22番の夢の尾崎晁堊と105番の夢の鏡剣の2人。家の間取りは和風で私の部屋も和室でそうじと片づけをしているうちに目を覚ます。 No 0237 1989 平成元年 2月7日 火曜日 ホールの様な場所に設置された大画面のテレビを10人くらいと見ているところから夢がはじまる。映画ファントム・オブ・パラダイスの後でインナースペース1999のタイトルが画面にでるが、かなりぼやけている。ムーンベースアルファーのコーニッ司令官が映り、その後でテレビの画面をみているというよりは、宇宙空間から見おろしているという感じの視点になり、月のような表面がクレーターだらけの星に長方形の平べったい積み木の表と裏にピラミッドの形をした立体が貼りついた形の巨大宇宙船が激突して大爆発を起こす。 激突した星の表面の三分の一を占める程の巨大なクレーターができる。クレーターの底に移動すると、あれほどの大爆発を起こした激突にも関わらず、ほぼ原型をとどめた巨大宇宙船がピラミッド部分の頂上部分と側面下部を著しく破損させているものの、半ば地面に埋もれた状態で存在している。クレーターの底から空を見上げると青い星が浮かんでいるのが見える。巨大宇宙船の内部を覗くと宇宙船本体内部は自動的に修理が進み、いたるところに死体が散乱しているが、よく見ると乗組員は生身の人間よりもサイボーグやアンドロイドが大半で、部品をかき集めて、巨大宇宙船の中央部の広いホールのような場所で修理をしている。修理をしている人物の姿は白の手術着にマスクをしている。修理している人物が人間なのかも人数もよくわからない。乗組員の制服は緑と青と赤の3種類で同色のラインが肩と袖口とズボンの横に縦に入っている。サイボーグとアンドロイドの修理中の現場というのは血が流れていたり、内臓が飛び散っているわけではないが、機械的な部品はともかく、手足の人体的な形をした部品を組み合わせる作業というのは見ていてあまり気持ちのよいものではないなと思っているうちに目を覚ます。 No 0238 1989 平成元年 2月9日 木曜日 巨大なホームセンターに25番の夢の今野浩之と105番の夢の鏡剣と22番の夢の尾崎晁堊と82番の夢の宮本一と5人で買物に行くところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいて普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。髪型はショートボブになっている。 ホームセンターは巨大な店で、店内が500メートル四方あり、家具から日曜大工道具や部品、日用品に食品まである総合スーパーといった豊富な品揃えである。 家具売場には移動するときだけ底からキャスターが出て、地震などで倒れないようにするためにバランスをとるための横板がせり出す仕組みのロッカーやタンスがあり感心して見ている。家具売場を光GENJIの諸星が1人でグレーのブレザーとグレーの半ズボンにスニーカーを履いてカンカン帽のような帽子をかぶってうろうろしている。このあとゴミ袋と調味料を10種類買うためにレジに行くと店長という若い男が 「アール・オラクルのファンです」と言って 「今日は私服でプライベートだからだめだ」と断るのにもかかわらず、サインを強要してレジを打ってくれないので、商品を放り出して 「いいかげんにしろ」と怒鳴って店の外に出て行くと、慌てて今野浩之と鏡剣と尾崎晁堊と宮本一が駐車場へ私を追いかけてくるところで目を覚ます。 No 0239 1989 平成元年 2月10日 金曜日 柏市から安孫子市まで常磐快速のグリーンの電車にのっているところから夢が始まる。北柏から安孫子市内が一面大洪水で深さ1メートルから2メートルは冠水している。最初に乗り込んだ柏駅は洪水になっていないが、我孫子駅に近づくほど洪水の様子はひどく、乗客の不安そうな表情だけが印象的である。安孫子駅を出て1キロメートルのところではレールが存在しなくなっていて大勢の保線夫が土嚢を積み上げたり、何かの作業を大雨が降る中を一心不乱にしている。 ここで場面が変わり、車内には誰も乗っていなくて、3両編成の列車になっていて高架の上を私一人だけ乗せて走っている。時壬番台駅という読み方がわからない4文字の地名の駅に到着する。ホームから1階の駅に降りると結構奇麗で立派な駅がある。駅名表示や広告看板などのデザインが大正時代風というか夢二風でモダンである。 気が付くと自分の姿は明るい茶色のスーツの上下で高さ50センチ横幅20センチ幅60センチでキャスターが4個ついていて上部2ヶ所に半円形の取ってがついた不思議な形をしたカバンを引きずっている。駅前にデパートがあり、5階から6階までエスカレーターで上がって行くと山田邦子とスーツ姿のマネージャーの女性の2人に声を掛けられて人間性と外見についての話しをしばらくする。 3人で4階に降りると造花売場があり、そこに行くと角の方へ強い力でひきずりこまれそうになり慌てるが、いつのまにか気がつかないうちに3人の胸にバラのコサージュがついていて、直感的にこれが原因だとわかり、山田邦子とマネージャーにも 「胸のバラのコサージュを引きちぎりなさい」と言って、3人同時に引きちぎって捨てると引きずり込まれそうな力が消滅して普通に歩けるようになって3人でほっと一息ついたところで目を覚ます。 No 0240 1989 平成元年 2月11日 土曜日 1キロメートル四方の緩やかな傾斜地に柳が沢山生えている公園があり、周囲は2車線両側歩道つきの道路がぐるりとある。この公園の中央の広場のようなところに105番の夢の鏡剣と3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊と25番の夢の今野浩之と23番の夢の佐藤優二と14番の夢の寺島小百合と162番の夢の風間了と150番の夢の金蓮の8人と集合している。このあと隊列を組んで公園の東側に抜ける。全員お揃いの白のタートルネックのトレーナーに黒の革ジャンを着て、ブルーの厚地のストレートのジーンズに黒の軍用の革のブーツを履いている。 この公園の東側に500メートル四方を白い土壁で瓦屋根が乗った2メートル程の高さの塀が巡らされた屋敷がある。敷地の中央には巨大な日本家屋と蔵の屋根が幾つか見えて、回遊式の広大な日本庭園と竹林が見える。北側の塀の中央付近に重厚な門がある。表札は最初山川となっていて、門の前には55番の夢の恭仁見つかさと23番の夢のクリスの2人が待っている。この2人も白のタートルネックのトレーナーに黒の革ジャンを着て、ブルーの厚地のストレートのジーンズに黒の軍用の革のブーツを履いている。クリスと恭仁見つかさの2人が門を開けると体長30センチほどのどことなく愛嬌のある間抜けた顔をした羽の生えた亀が2匹現れて、私と目線が合うと慌てて飛んで逃げようとするので、1匹に5人がかりで捕まえて地面に押さえつけるとお椀を伏せた形の石の塊に変化する。この瞬間に表札の文字が山川から国見に変わる。亀が変化した二つの石の塊を合わせると球形の石の壺になり、中に電球の形をした水晶の塊が出現する。国見家の守護神でもある天使のクリスが 「これで、国見本家本宅の礎石の魂を確保しましたので、主が国見姉弟である、恭仁見つかさこと国見真緑及び鏡剣こと国見優輝お二人となりましたことを確認し公認し権利を宣言いたします」と宣言し天使の姿になると、恭仁見つかさと鏡剣の額にキスをしてから私に一礼し天空へ去っていく。 先頭を恭仁見つかさが取り、鏡剣が石の壺を持ち2番目に並び、3番目に私が続き、その後は2列に隊列を組み、門内に完全に入り扉をしめて、巨大な日本家屋の本宅の玄関に入る。そのまま奥の広い板敷の神殿の間に入り、石の壺を所定の位置に置き、魂鎮めの儀式を始める。儀式が無事終了し、秘密の間に礎石の魂である石の壺が収まったことを確認して、日本庭園に面した広い座敷に全員で移動して、大きな花梨の一枚板の座卓を囲み休む。 「無事儀式はすみましたね」と尾崎儀一が言うと、続けて私が 「これで一安心だ、何者の邪魔も、もうこれで不可能だし、あとは手入れだな」と少し荒れている日本庭園と竹林を見回して言う 「そのようね、これでもバカやるやつはいるでしょうから、そのときは」と金蓮が薄く笑い空中で手刀を斬るしぐさをするので恭仁見つかさが苦笑して 「お姉様方、気持ちはありがたく頂戴しますがほどほどに」と私の方もチラリと見ながら言うので 「あー、わかった、やりすぎるのは俺も同じだから自重しとくよ」と私が言うと、金蓮も肩をすくめて両手をひらき、了解というしぐさをする。その場がなごみ、寺島小百合と今野浩之がいつのまにか茶菓を用意して人数分持ってくる。 「やはり国見の島庭は名庭園10景に選ばれているだけあってみごとなものですね」と風間了が通と粋人ぽいことをいうので 「全くだね、竹林はうちの庭にもほしいね」と私が言うと 「どのみち竹林は手入れと伐採しないといけませんから、ここから少し持って行きましょうよ」と恭仁見つかさが言うので 「いいのか、あれ確か門外不出の国見竹だし、ホントは池の金蓮花欲しかったんだよなー」と私が言うと、金蓮が驚き 「えー、ここに金蓮花あるんですか」と素っ頓狂な声を出す 「うちに金蓮花なんてあったの」と恭仁見つかさと鏡剣が顔を見合せて驚く 「あちゃー、また私だけ情報だったのかいな」と私がぼやきつつ、日本庭園の中央の池の8つある小島の一つの影の水際を指し示し 「あそこにあるんだわ、ちなみにこの池8つの小島があるんだけど、どっから見ても7つしか小島が無いように見える霧隠しの秘術で構成されていて、国見家7宝の一つが金蓮花でさ、その金蓮花の隠し場所が隠し島の八重洲島なの」と言うと私以外の全員が驚く 「いいんですか、こんな重要なことを身内もいるとはいえ、部外者に言っても」と尾崎儀一が恐る恐る言うので 「うん、金蓮は知ってるハズだけどね、国見はもちろんのこと、ここにいる全員が金蓮花を所有することが許された血筋の者だけだよ、だから別にかまわない」と私が言うと金蓮が 「確かにそうですわね、アムランはもちろんのこと尾崎家と寺島家と風間家は間違いございませんが、国見家にあるのと今野家と佐藤家は存じませんでした、それとアムランはお持ちだと思っていましたが」と不思議そうに言うので、説明の必要があると思い 「確かに私の一族としては菱平の本家が持ってるけど、私は今回独立して一家興した開祖なんで、資格はあるけど、現実に自分の家のものとしては持っていないんだ、あくまでも本家の宝なんでね、持ち出し禁止。今、欲しいような事言ったケド国見からも、私とはいえども持ち出し厳禁だからね、国見竹は国見の総帥の権限だから総帥しだいなんで、おねだりしますけどね」と一旦一呼吸おくと恭仁見つかさと鏡剣がどうぞ持って行ってくださいとばかりにうなずいているのが見える。 続けて 「今野家と佐藤家だけど元々一つの家で別の姓だったんだよ、その家はまちがいなく金蓮花の保有権のある名家だよ」というと佐藤優二が 「しっ、知りませんよそれ」と言い、今野浩之が 「そんな名家だなんて話し、身内の誰も教えてくれませんし、第一誰も知りませんよ」と2人ともあわてふためき驚く 「まあ、かなり前に名跡が絶えて久しいからなあ。唯一、今野家にのみ宝の一つが伝わっているくらいだから、誰も知らなくても当然だな」とちょっと考えごともあってお茶をすすりながらぼーっとした感じで言う。金蓮が 「家名が思いつきませんが、その名家はこれまで再興されなかったというか、今再興することは可能なのでしょうか」と真顔で聞いてくるので 「かつて再興されかけた事があったんだけど、紫藤と国見と同じやつらのおかげでめちゃくちゃになって、今では家代々の宝も本家の家屋も領地も跡形もない状況なんだよね、ただ面白い事に再興するためには双子の力が必要なんだけど、一卵性もしくは二卵性の双子の兄弟姉妹、これは歳が離れていたり、性別は異なっても、顔や身体的特徴が似ている場合はできるんだよ、一家を興すのは1人でもできるんだけど、お家再興の場合は双子の力が必要なのさ、丁度いい具合に2人いるからチャンスだな」と今野浩之と佐藤優二の2人を見ると2人とも唖然としている。苦笑しながら 「まあ、いきなり言われてもピンとこないだろうから2人で考えてみて、それとね、意外と2人で考えると名家のしきたりや名称が思い当たるはずだよ、それからでも遅くないし、大親友の一人として菱平智の全力を持って再興に力添えするし、尾崎家もそんときには協力してね」と尾崎儀一と尾崎晁堊兄弟に言うと 「もちろん」と即時に2人から返事がある。 「尾崎家と親しい絶えた名家といえば…」と考え込んでいた金蓮が言いかけるので 「金蓮、お楽しみが減るから、あと、あと、言っちゃったらカンニング協力だよ」とぼそっと私がいうと、金蓮らしくニヤリとすると 「では、楽しみにしておきますのと金蓮花一株づつアムランと名家のためにご用意いたしますわ」と言って私が 「楽しみにしてる」と破顔して見せると、恭仁見つかさと鏡剣の2人が 「国見って金蓮15家だったんですか」と私に不思議そうに訊いてくるのと金蓮も 「金蓮花を所持する事が許されているのは金蓮15家と呼ばれる3藤5菱7葉家と呼ばれる15の一族一門衆だけで、現在までに金蓮花の下賜があった数は21株だけですが、国見はなかったかと存じますが…」とこちらも不思議そうにいうので、苦笑しつつ解説をはじめる。 「まずね5菱家(ごりょうけ)というのは姓に菱の字が入っている菱東(ひしひがし)、菱平(ひしひら)、菱光(ひしみつ)、菱宮(ひしみや)、菱関(ひしぜき)の5家をいうが、普段は菱の字を隠して奥の字に差し替えて名乗っている。んで、菱光(ひしみつ)が奥光(おくみつ)なんだけど国光(くにみつ)になまってさらに国見になったの」と言うと金蓮が 「あっ」と思いだしたという表情をするのと 「知らなかった」と恭仁見つかさと鏡剣の2人が顔を見合わせて驚くのと残りの全員が 「「知らなかった、それって、マジ」」という表情であっけにとられているので、続けて 「ちなみに菱宮(ひしみや)が菅井と武田と井伊と金井と久慈の5家でこの5家を総称して菱宮(ひしのみや)5家というが、現在金蓮花を継承しているのは湖がある武田と井伊のところだと思う、本家本流の菅井の湖は黄金の財宝だけは半端なく沈んでるけどねってトコかな」と言うと全員からため息がでる。 「おまけだけど、3藤7葉家はほぼ全員、私の周りに一族一門の誰かがいるし、いまここにいる者は全員どれかの一族一門衆だよ、ただね、菱東だけは名前は知っているけど、まだ会った事がない謎の一族だね、存在しているはずなんだケド、誰なのか私も金吾じいさまも知らない」と言うと 「えっ、アムランが知らない、うそだろー」という声が聞こえてくるので 「イヤほんとに知らないというかわからない、恥ずかしながら。ケドね、わからないで顔合わせしている可能性はあるな」と苦笑すると 「「へえー」」という反応が皆から静かにきたところで目を覚ます。 No 0241 1989 平成元年 2月18日 土曜日 18禁の性的描写があるため、非公開指定 本文削除 No 0242 1989 平成元年 2月19日 日曜日 職人風の長門裕之と菅原文太そっくりの2人の日本人と怪しげな中国人風の男1人が地下室のようなところで何かを作っている場面を神の視点で見ているところから夢がはじまる。建物は石造りの倉庫のような建物で、周囲は大正時代の雰囲気の港町で汽船に帆船が混じっている。 2人の作っているものはグレーのテレビのブラウン管を角張った感じにした50センチの立方体のようなものに30センチの太い筒と20センチの細い筒が一体化して下部に直方体に少し曲線のデザインがある突起部がついている筒型のものを2〜3本とりつけるようになるらしい。2人の日本人の細かな細工の腕前は惚れ惚れするほどすぱらしく2人の持っている工具入れというか工具箱が機能的で便利なつくりになっているのが印象的である。 様子を見ていると怪しげな中国人風の男はどこかのスパイで技術力のある2人の日本人に何かの兵器をつくらせているようである。しかもつくらせた後は2人を始末してつくらせたものだけ持って逃げる計画をしている。完成したとたんに兵器を作動させて2人を殺そうとするが、筒の向きを理解していなかったために自分が消滅してさらに後の壁に大穴があき地上まで貫通してしまう。かなり強力な熱線砲かレーザー粒子砲のようで、地面に大穴があいた事により外が大騒ぎになり、駆け付けた憲兵隊に2人は取り押さえられて。兵器も押収されたうえに、2人とも軍刑務所で強制労働させられているのを見たところで目を覚ます。 No 0243 1989 平成元年 2月20日 月曜日 部屋の中でベッドに寝ていて起き上がろうとするところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいて、髪型はショートボブ。 この部屋は67番の夢の部屋と同じく、ドアの上に自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られていて、光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれている。ドアの上のプレートの名前からここが夢の世界の自分の専用の個室であることがわかる。12畳の部屋の中心に畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、部屋は東西に長く南北に短く、テーブルは長辺を東西にして置かれている。2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。窓は部屋の東側と北側にある。部屋の東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドがある。西側の壁は3メートルある天井まで全てつくりつけの本棚になっていて一部スライド式の棚になっている。南側の壁は中心から東側の窓の壁までがクローゼットになっている。中心から西側はクローゼットの扉のすぐ隣が縦に畳1畳分の大きな鏡があり、本棚のある西側の壁よりに出入り口のドアがある。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、鏡側の西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっている。ドアの前に黒のスチールの机があるが、この机は両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の上には左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきの飾り棚がある。この作業台の上の西側よりには、テレビとビデオデッキとミニコンポが置いてある。 ベッドから起きて机の前の椅子に座るとグリーンのサングラスのようなものがあるのでかざしてみるとなんとなく部屋の空気がうずをまいてみえるので、窓から外の植物をみるとオーラがはっきりみえたので、オーラメガネであることがわかる。つるがないのに顔にあてると落ちず。手に持ってはがすと楽にとれるので不思議な力で装着したり外したりできることがわかる。外にでてみたいと思うと、場面がどこかの草原と森林地帯の境目のような場所に変わる。靴は普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。しばらく植物の発するオーラをみているが、このオーラメガネは色やオーラのゆらぎがはっきりと見えてリアルな変化が非常によくわかり面白い。高い尖った針葉樹などはゴッホの糸杉の木の絵のように見え。草原はところどころ渦をまいてオーラが空に舞い上がっていく場所があるのがわかる。水脈にもオーラがあり、空を飛んで上からみるとよくわかり、レイラインの謎とミステリーサークルのできる理由がなんとなくわかるなと思ったところで目を覚ます。 No 0244 画像あり 1989 平成元年 2月21日 火曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所に場面が変わる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面画変わる。 アカシヤのバイトに206号室から遅刻して行き、社長に苦笑される。 場面変わって、シルバーのサイクリング車に乗り、自分の姿は201番と同じ胸が白で腹が白のツートンカラーの半袖のТシャツに黒の半ズボンタイプのスパッツに白のハイソックスにレザーの黒のハイカットスニーカーに白のサイクリング用の手袋をはき。ひさしが黒でバンド部分が白のサンバイザーと白黒モノトーンのファッションできめている。 夜明け前に街を出て原野の中を通る2車線両側歩道つきの道路を移動して 尾崎兄弟の実家のある65番の夢の街の中を通ってさらに大きな街に入る。 進行方向の右側に教会の塔が見えて右折して近づくと181番の夢の石の門がある女子高校で、学校の門を入ると広い駐車場があり、駐車場の奥に自転車を停める。 181番の夢では霧でわからなかった塔のようなものは教会の塔であることがわかる。 生徒玄関に行くと104番の夢で10人出てきた女の子が着ていた、ピンクの丸エリのワイシャツに紺の半袖のベストを着て紺の車ヒダのスカートをはいて白のハイソックスをはいた女の子達ばかりがいる。上着は胸ポケットのところに金のラインが入っている。夏服は上下とも白で冬服が上下紺で、この日は一部の生徒以外は全員白の夏服で夏服の靴は白である。突然3人組の女の子が生徒玄関から慌てて飛び出してくる。 55番の夢の3人組の恭仁見つかさと日生篝と武田詩織である。制服は夏服で紺のお揃いの靴を履いている。3人に声をかけられた所で目を覚ます。 ※ 1995年平成7年の夏にこの夢の服装とほぼ同じファッションをした事がある。 No 0245 1989 平成元年 3月1日 水曜日 机の前に座っているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいていて、髪型はショートボブ。 部屋は67番の夢の部屋と同じく、ドアの上に自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られていて、光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれている。ドアの上のプレートの名前からここが夢の世界の自分の専用の個室であることがわかる。12畳の部屋の中心に畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、部屋は東西に長く南北に短く、テーブルは長辺を東西にして置かれている。2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。窓は部屋の東側と北側にある。部屋の東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドがある。西側の壁は3メートルある天井まで全てつくりつけの本棚になっていて一部スライド式の棚になっている。南側の壁は中心から東側の窓の壁までがクローゼットになっている。中心から西側はクローゼットの扉のすぐ隣が縦に畳1畳分の大きな鏡があり、本棚のある西側の壁よりに出入り口のドアがある。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、鏡側の西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっている。ドアの前に黒のスチールの机があるが、この机は両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の上には左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきの飾り棚がある。この作業台の上の西側よりには、テレビとビデオデッキとミニコンポが置いてある。 ノックの音がして24番の夢の井伊直也が55番の夢の恭仁見つかさと105番の夢の鏡剣の2人にはさまれておずおずといった感じで入ってくる。 「おっ、やっときたね」と私が顔を上げて言うと 「ええ、やっときてくれました」と恭仁見つかさが苦笑しながら言う 「部屋も北の迷宮の間に決まりました」と鏡剣もやや苦笑していう 「なに、西の迷宮の間に行くってごねたんだろ、まったく何、遠慮してんだか」と私が言うと、今までのかなり生真面目で厳しい感じのイメージの井伊直也から想像つかないくらい真っ赤になってうつむいているので、ショック療法がわりに椅子か立ち上がって井伊直也の顎を指先で持ち上げてキスをして、驚いて目をみはる井伊直也に見えるように、恭仁見つかさと鏡剣を呼びよせてキスしあうところを見せてから。 「すでにこういう公認の仲だということはこの家に住む全員が了承しているから堂々とすること、いじけや嫉妬は無用だし、全員家族だからな」と宣言するとぽろぽろ泣くので恭仁見つかさと鏡剣がハンカチとちり紙で井伊直也の顔を優しく拭う、どうやらそれで落ち着いたのと心のわだかまりがとけたようで、一回私にしがみついてから、恭仁見つかさと鏡剣に向き直り 「ふつつかものですが、よろしくおねがいいたします」と礼とあいさつしたので 「じゃあ、下へ行くか、みんな待っているし、部屋割りというかちょっと新しい技が入ったんで家の構造の変更がある」というと恭仁見つかさと鏡剣も驚くが、全員に言わなければならない話を私に二度手間かけさせるような事はしないで、部屋から移動する。 部屋から出ると、220番の夢の以下の詳細の3階建てでピラミッド型の天窓を持つ大型実家にいることがわかる。 敷地が1キロメートル四方の森で、周囲を幅3メートルの堀で囲まれてさらに2車線両側歩道つきの道路が巡らされている。西側のやや北寄の位置に堀に橋が架かり、奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースがあり、幅5メートルの門があり扉はついていない。塀の高さ自体は1メートルのブロック塀で、家本体は敷地全体の中央にあり、北側と西側に駐車場と広場を兼ねたスペースがあり、東と南は庭になっていて池と小川がある。庭と広場のスペースの広がりは500メートル四方ある。塀までべったり森ではなく、1キロメートル四方の塀のすぐ内側には2車線分の幅の舗装された道路が巡っていて、500メートル四方の家と庭と広場のスペースと森の境目にも2車線分の道路が巡っていて、道路で2重に区切られている。さらに内側の道路と外側の塀沿いの道路と結ぶ2車線分の幅の道路が東西南北の中心に4か所放射状にある。門と玄関を直線的に結ぶ斜めの道路だけは2車線両側歩道つきの道路になっている。 幅250メートルの森の帯に囲まれた中央の500メートル四方の平地の中央に建っている家は、玄関の向きは西で、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、車寄せのような斜路のついたエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは3階まで吹き抜けで、巨大なシャンデリアが天井から下がり、畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。玄関の両開きのドアに向かいあう東の壁に高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて15畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は3階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに8畳の応接間、この部屋が玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋である。東側に10畳の広さの車庫、さらに東側に10畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで4畳あり、脱衣所が2畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には8畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には12畳の広さになる。この二つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この二つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると20畳の大広間になる。南の庭と二つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が10畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。10畳の厨房の北側が10畳のダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールになっていて、地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、10畳の洋室が2部屋、9畳の洋室が1室の合計10部屋がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の簡易台所がある。風呂場は2畳が浴槽と洗い場のある部屋で1畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の8畳の部屋が応接間になっている。3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の9畳の部屋の上は自分の自室がある位置になっていて、67番の夢の12畳の自室が存在している。階段は4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置になっていて、天井の高さも150センチと1階や2階や3階の半分の高さである。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは50センチの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は3メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の東南の10畳の部屋と私の部屋と簡易キッチンつきの風呂場の間の東側に位置する10畳の部屋、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する8畳の部屋、2階の南西の部屋と応接間の間の西側に位置するの8畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれてドアの左側の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された30センチ四方の銀のプレートがついている。 上記の家の3階から4人で1階の10畳のダイニングに移動するとダイニングの中には82番の夢の宮本一、57番の夢の菅井佐知、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、66番の夢の息子の24代美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の16代明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、212番の夢の弟分の木村京、130番の夢の今野千光、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、22番の夢の尾崎晁堊、3番の夢の尾崎儀一、101番の夢の高城ハル、1番の夢の木村聖一と木村聖二の2人が木村京を真ん中にして座っていて、さらに噂のカップルの81番の夢の仲串勝美と55番の夢の武田詩織の2人、169番の夢の阿倍佳奈子、162番の夢の風間了、14番の夢の寺島小百合、55番の夢の大島玲仁の6人の新顔が見えるので25人いる。 私と恭仁見つかさと鏡剣と井伊直也が入ったので29人の人間がそろう。 最初にいた25人は井伊直也を見て「やっと来たんだ」という声と歓迎の拍手をしてくれるので、井伊直也の顔が少し赤くなるが、いったん立ち止まり 「お世話になります、よろしくお願いします」と稟とした風情であいさつするので全員が拍手をもって迎える。 席次がどうなったかというと、自分の席はダイニングの台所のある側の奥の壁を背中に、右に恭仁見つかさと左に鏡剣の2人の間で、恭仁見つかさの右が宮本一でその隣が橘姉妹で、その隣が父と母の席で、鏡剣の左が菅井佐知で、その左の席が井伊直也の新しい席になっている。あとは親友グループの筆頭の席に尾崎儀一が座り、井伊直也の左手から角になっている始まりの席が尾崎儀一の席である。橘姉妹の左手から角になっている始まりの身内グループの筆頭の席に十琉が座っているのはこれまで通りである。 今日はちょうど3時のおやつの時間という事と井伊直也の歓迎と私からの連絡と予てから希望があったいろいろな疑問の質疑応答の時間になる。 まず私が 「隠す必要もないので、言うが、なかなか来てくれなかったので強姦して井伊直也に来てもらいました、今後は愛人としてまた家族の一員としてよろしく」というと「「おおー」」と全員どよめく、井伊直也がそこまで言わなくてもいいのにと顔を赤くするので、隣の菅井佐知と尾崎儀一が大丈夫だからと井伊直也の背中を軽く叩く。 「アムランに先こされたけど、お前たちもあいさつ、ほれっ」と今野千光が噂のカップルの仲串勝美と武田詩織の後ろに行って2人の背中を軽く叩いて立ち上がらせる。仲串勝美と武田詩織の2人が恥ずかしそうに立ち上がり 「こちらで兄と弟共々お世話になります」と武田詩織が先に挨拶し 「今後ともよろしくお願いします」と井伊直也よりも顔を真赤にして仲串勝美が挨拶すると全員から拍手がおこる。 「これでサチも安心だろ」と私が水を向けると 「複雑ですケド、安心しました、でもかっちゃんでよかったかも」というので、今野千光が 「サチー、おまえいっちょまえに花嫁の父親ぶらないの」と本気とも冗談ともつかない顔でいうので全員爆笑する。 落ち着いた頃に阿倍佳奈子と風間了と寺島小百合と大島玲仁の4人も西の迷宮の間の住人になるというあいさつがある。 一人尾崎儀一が何か腑に落ちないというような不思議そうな顔をしているので、隣の尾崎晁堊が 「兄さん具合でも悪いんですか」とのぞきこむようにして訊くのと 「医者ならここにいますので、御安心ください」と風間了が立ち上がって尾崎儀一の方へ行くそぶりを見せると「いや、ちょっと不思議に思っていることがありまして」と身体はなんでもないと風間了にしぐさで謝意を表しながら彼の行動をとめる。おや、そうですかといった怪訝な表情をしつつも座り直す風間了を確認しながら私がその場の全員を代表して 「何か異常事態の兆候か、紫藤や菅井や国見狙いの連中の動きでもあったかい」と訊くと 「いえ、そうではありません、本来ならば井伊直也くんも来ましたから、もう一人北の迷宮の間に入るべきはずの人間が来ないので不思議に思っているんですよ、あれだけアムランに甘えるというか惚れていますって態度がバレバレなのに変だよなー、何遠慮しているのかなと私なんかは思っているし、応援しようと思っているんですがね」と納得いかないぞと言う風に首をかしげる 「兄さんそれって黒田ですか」とアーサーが言うと 「えー、黒田拓哉あー」と大島玲仁が素っ頓狂な声をあげるので、アーサーが苦笑しながら 「まあ、黒田拓哉もそんな感じはありますが、もっとヘビーにアムランを愛してるのがバレバレなやつで黒田勇一ってやつがいるんですよ」というと、それまで黙っていた宮本一が 「黒田勇一って確かディスコ・ケプリでバーテンやっている子だよねー、確かにアムランべったりだよねー、ここにいても不思議でないカモ」と言うと、風間了も 「そういえばうちの医学部に黒田勇一っていますが、アムランとは親しかったようですし、会社で企画部長だかしてますよね」というので、恭仁見つかさまで 「そういえば、時々アムランと2人でいるのは見ますから、あたしもここに住むようになるんだろうなーと思ってましたわよ」とあまり嫉妬めいた言い方はせず歓迎という感じである。続けて尾崎儀一が 「私とも実のところ大親友といってもよい仲で、なかなかいいやつなんですけどね」と腕組みして不思議そうにしている。菅井佐知が何か言いたそうにしているのを遮って今野千光が 「アムランとしてはどうなんです、一緒に住む気はないんですか」と全員が訊きたいケド、訊きにくいよなというそのものズバリを訊いてくるので 「黒田勇一ならとっくに一緒に住んでいるし、このダイニングの私の隣に座ってるけどな」といたずらっぽく左隣を横目で見ると 「ええーっ」 「うそっ」 「信じられない」 「まじっ」 と悲鳴に近いびっくり仰天の叫びがあちこちからあがり騒然となる。 私に視線を送られた当の本人はというと頬を上気させてかなり真っ赤になっているが、かろうじて 「気が付いていたんですか」とぼそっと上目使いで私を見ながら言うので 「私がわかんないわけないだろと、言いたいところだケド、ホントいい化けっぷりだったからなー、気づいたのはタクミとケプリで2回目に待ち合わせた時だな」とこともなげにいうと 反対側の隣では 「あたし、今の今まで全っ然、気がつきませんでした」と恭仁見つかさがホントにびっくりしたと言うと、さらに隣の宮本一も 「なんか仲はいいよなーと思っていたケドねー、ケンちゃんだったとはわからんわー、でも言われてみれば、態度と甘え方おんなじだから納得」とくすっと笑うと、尾崎儀一と橘姉妹が全く同じことを言う 「ここまで化けたらわからん、脱帽」と言って首をかしげて両肩をすくめるポーズがなぜか3人とも一緒には笑えるものがある 今野浩之と佐藤優二の2人が 「僕たちも黒田と剣とどっちにも会ってるけど、別人だよな」 「ホントホント」と言いあっている傍らで、 「完全にやられました、ここまでの変化の術はつかえるやつがいませんよ、まあどっちもいいやつなんで、両方とこれまで通り親友としてつきあわせてもらうよ」と風間了がなかなかカッコ良いことを言ったので、 「全くそのとおりだね、私も同感、ギイもそうだろ」と水を向けると 「もちろん、どっちもいいやつなんで、これまでどおり存在していてほしいですね」と親指を突き出して賛意を示すので、鏡剣が先程から涙ぐんではいたのであるがぽろぽろ泣きだしてしまうので、慌てて菅井とハンカチで涙を拭いて落ち着かせる。 ダイニングになんとなく心温かな雰囲気がただよって、落ち着いたところで、私がさりげなく立ち上がり 「きょうのお茶の時間は新しい家族のお披露目が楽しみのひとつで楽しませてもらいました、みんなありがとう、もう一つ大事な事の話しとして迷宮の間のことだけれども、今まで棟梁の今野千光にはいろいろやってもらっていたけれど、新しく技術開発が進んだのと、ふくろうくんから郵便が配達しにくいということで住所表記をすることにしたのと新しく7人来たので丁度いいので説明する」と一呼吸置いてから 「今までは迷宮の間の中の部屋は一つの部屋の中に廊下があって9つの部屋があるのが基本の1ユニットでこれを縦横に四次元的につなげて、外から入ると9づつ部屋が増えていくしくみになっていたんだけれども、9つの部屋の中に入れ子状に部屋をつくれるようになったので、現在の部屋割の部屋はさらに9分割できるようになったんでね。兄弟姉妹や夫婦や恋人どうしや家族とか自分の気に入った友人とかも住まわせる事が可能になった。だから中へ中へと部屋がつくれるので、今ある部屋を基本として9回部屋を分割すると、計算上は一つの迷宮の間だけで3億8千万人もの人間が住める」と言うと全員が「「すごい、けど、想像つかない」」という表情でシーンとなる。 そのなかで木村京だけが「うんっ、すごいね正確には387420489人だよね」と無邪気に言ったので、隣の聖一と聖二がキヨシの顔を見て唖然とするのと全員「「その数字、今計算したのかキヨシは」」と驚いてあいた口がふさがらないという表情になる。 「さすがだねキヨシ、9の9乗だから387420489でまちがいないから、えらいぞ」と言うと 「アムラン兄ちゃん、ホントにこんだけすむの」とキヨシもさすがに驚いたように言うので 「計算上と万が一やむおえない時は可能だけど、現実には2回分9の2乗81人が限界だね、第一にこのダイニングに入りきるわけないからね、まあこの部屋は安定した普通の空間のままであってほしいから、いよいよになったら増築でしのぐかな」というと 「ということは、内側には2重までで、それ以上の人数増えた場合は従来の方法で横にふやすということですね」と今野千光がいうので 「さすが、棟梁、そゆこと、それと今までは中の部屋の中心の部屋の前に外へ続く出入り口があったが、今後は見取り図で上から見たときに左下の隅の部屋を起点としてその前が外への出入り口になる。そして起点の左下の部屋が1条1丁目になり、左下の右が1条2丁目、右隅が1条3丁目となって、起点の左下の部屋の上が2条1丁目、その上が3条1丁目になる。入って右と上へ数字が大きくなってくのと内部のさらに9つの部屋は例えば、1条1丁目の1番目の部屋であれば、1条1丁目の1の表示で9番地まであるということ」と私が言うと 「たとえば、1条1丁目の部屋に兄弟2人の他に7人分空き部屋にしてもいいわけですね」と尾崎儀一が言うので 「そのとおり、1家族1区画利用できるから余裕だし、かなりプライバシーも守りやすいと思うよ、あとミドリとかタクミとかサチの場合は、お気に入りの従者とか小間使いの部屋が確保できたってことさ、まあいろんな使い方できると思うよ、人間だけ住むんじゃなくて物置とかお稽古場とかペット部屋とか有効に使って」というと「「ナンカすごすぎる」」という反応が全員からくるので 「そういうことで、ちょっと忙しいかもしれないけれども、もう一度部屋割してね、今度は住所表示が決まったからわかりやすいだろうし、たとえば北の迷宮の間の場合だと北1条1丁目はミドリとユウとか、西の迷宮の場合は西1条1丁目はギイとアーサーとかね、人数も増えたし、そこは相談して、あとで部屋割表私にちょうだい」というと全員が「「すごいかも」」という雰囲気になる。 ここで母がお茶とジュースを配膳し始めるので、女の子達が慌てて手伝い始める。 配膳が終わり、全員が一口飲んで喉をしめらせた頃合いを見計るように 「気になっていたことですが、金蓮15家の話しを訊きたかったのですが」と代表するように尾崎儀一が言うと 確認のため私が金蓮である橘姉妹の方をみて、2人がうなずくので 「金蓮を別格としてここにいる、27人全員が金蓮15家に所属する存在であることはまちがいないので、かなり詳しい話しをするが、まず金蓮15家とは、3藤5菱7葉家(みふじごりょうななようけ)で紫藤(しどう)、藤丸(ふじまる)、藤本(ふじもと)の3藤家 菱東(ひしひがし)、菱平(ひしひら)、菱光(ひしみつ)、菱宮(ひしみや)、菱関 (ひしぜき)の5菱家 葉山、葉瀬、葉村、葉室、葉月、葉賀、葉根の7葉家 以上15家に所属する一族一門の事をいう、そのまま本姓を継承できている家もあるが、5菱家のように菱の字を奥の字に変えて普段名乗る例もあり、特に菱宮家のように菱宮家単独ではなく菱宮(ひしのみや)5家といって菅井、武田、井伊、久慈、金井の5家で名前も菱宮を名乗っていない」そこで一息つくと、菅井佐知と井伊直也と武田詩織の3人が互いに顔を見合せて 「えっ身内、菱宮5家なんて知らないよね、しかもうちっ」とつぶやくようにささやきあっているのが聞こえたので 「家紋の形に共通の形があるからわかる、幸い菱という家紋を使っているだろ、武田のトコだけ武田菱になっているけどな」というと3人とも思い当たるらしく、もしかしてという表情をするが、そのまま解説を続けて 「金蓮15家の存在意義はなにかというと、この世界において、傑出した超能力と才能をもってこの世界の支配者を支え、多くの民に幸福と希望を与える役目がある特別な存在に対して、その証として下賜される生きた証明書兼貴族というかスペシャリストの勲章とでもいったらわかりやすいかな、超能力だけではなく、様々な才能に対するバロメーターとしての役割もはたしていて、継承者の一族の能力が高ければ高いほど大きな花が咲き数も増えるが、ゼロに等しい場合は休眠してしまうが枯れることはない」というと金蓮である橘姉妹の姉の橘夏希が 「えっ、枯れるんじゃないんですか」とびっくりするのと 木村聖一こと紫藤聖一が 「恥ずかしながら、紫藤の家には池もなく、あるはずの金蓮花はとうに枯れたといわれていますが」と悔しそうにいうので 「紫藤の舘には確かに庭はないが、紫藤の初代はなかなかの天才かつ超人で、屋内で金蓮花を咲かせたほどの才人というか天才でね、隠し方も並一通りでなくてね、あるのに気がつかせない、いわば国見の庭のしかけと同じようなしかけを舘の中の空間を利用して実現させたから恐るべき才能というべきだね、金蓮すら気がつかないくらいだから」 「えっ、あるんですか屋内に」と金蓮である橘姉妹と紫藤聖一と聖二が驚く 「ある、紫藤の舘の大階段の吹抜けの大広間兼用の玄関ロビーのシャンデリアが金蓮花の花の部分で中二階の数箇所にある噴水のある小さな水盤のどれかに本体がある」と私がニヤリと笑うと 「うそ、信じられない、シャンデリアが花」と橘姉妹が絶句する。 「ついでに名跡が絶えて久しい5菱家の一つの菱関家の金蓮花は休眠状態の本体の存在を私が直接確認している」というと 尾崎儀一がため息混じりに 「国見家の座敷での話しを聞いて、調べたんですがね、金蓮花は金蓮15家の者でさえ、なかなか見れるものではなく、存在していることははっきりしていても花が咲いてやっとわかるほど、花自身が身を隠してわからないほどの宝といいますか不思議な存在なのにアムランはどうやってあるのがわかるんですか、国見家でも迷わず場所いいましたよね」と本当に不思議ですという顔をするのと金蓮こと橘姉妹まで、 「アムランの能力が凄まじいのはよく知っていますが、それにしてもよくわかりますよね」 とこちらもため息と称賛するしかないわという表情でいうので、これは言うしかないかと考え 「オーラ、それでわかる、休眠したり、秘めているなんていうけど、あれだけ眩しいオーラというかエネルギーを発散しているのがわからない方がどうかしているくらいなんだけどね」とぼやくように言うと 全員「「それ、あんただからわかるハナシで、オレらにゃ無理っ」」という無言の視線が集中してくるので苦笑してしまう。 「はあああっ、オーラですかー」と橘姉妹が大きなため息をつく 恭仁見つかさが 「アムランのオーラビジョンは誰もまねできませんからねー、でも迷いが全然なく、あそこって言われるともう信じるしかないものね」と参りましたと一同の心情を代表する。 そのとき「あっ」という声がするので声のした方を見ると 「アムラン、もしかして菱関家の家紋って菱形ですか」と今野浩之が訊くので 「菱形でかなり幾何学的な文様で家紋としても珍しいと思うよ」というと佐藤優二まで 「兄さんもしかして、タイルの模様じゃ」と言い出して、兄弟2人で何か思い出したらしく 「菱を奥に変えるって、逆さ返しの歌ってそれじゃない」と佐藤優二が言うと 「今関の逆さ井戸に秘められし宝は菱の実」と今野浩之まで青ざめた表情で何かの歌の一部を言いだす。ダイニングにいる全員が興味津々とばかりに今野浩之と佐藤優二の2人の兄弟を見つめている。 意を決したように今野浩之が 「あのう、アムランもしかして僕ら菱関家の人間ということでしょうか」と恐る恐る尋ねる。 「正解、よくぞ思い出してくれた、これで菱関家が復活できるし、本当に久しぶりに5菱家がそろう」と破顔していうと、尾崎儀一が 「菱関家だったんですか」と絶句し、尾崎晁堊まで 「葉室一族の伝説の恩人じゃないですか」と兄弟2人が顔を見合せて絶句する。 「やはり菱関家ですか、伝説の薬師の」と金蓮こと橘姉妹が納得という声を出す 「そう、そして武門の名門で、短剣の二刀流の奥義を伝える家だ、もっとも流派の確定した名称がなくて無名剣とか無明流とか言われていたけどね」と懐かしそうに私が言うと 鏡剣がはっと気がついたという表情をして 「忍術の短剣の二刀流で関流がありますけど、もしかしてそうですか」というので 「そのとおり、同じ奥義と型のはずだし、抜剣するときの動きは一緒で、斜め斬りが特徴」というと、今野浩之が 「もしかして家紋のあの菱とタイルの文様って、その二刀流の型のパターンかあ」と叫ぶのと、佐藤優二が 「あーっ、おばあちゃんに兄さんの今野家の裏の木の実って万能薬って聞いた事があるぞ僕」と叫ぶので 「やっぱり、ちゃんと伝承残っているだろ」と私がしずかに言うと、無言のまま今野浩之と佐藤優二が私の方を見てうなずく。 突然、橘姉妹が金蓮に変身したので、初めて見たものは流石に驚く 「アムラン、決まりましたわね、菱関家いえ奥関家の名跡は復活、あとは金蓮花を再度下賜いただければよいということですね、私も協力します」とダイニングを出ていかんばかりの勢いで一気にまくしたてるので、 「ちょい、待ち、金蓮」と私がいうとやはり全員が「「出た、アムランのちょい、待ち」」と視線が私と金蓮に集中するので続けて 「菱関家の金蓮花なら無事あるってさっき私が言っただろう、むやみやたらに下賜上奏しなくていいから、落ち着いて座りなさい」と言うと 「あっ、えっ、そうでしたっけ」と慌てる。 私がため息をつきながら 「情が厚くって直情径行で親切なのは金蓮のいいところだし、そこを愛しているんだけど、もうちょっと落ち着いてね」と言うと真っ赤になって 「はい、すみません」とまた2人に分かれて席にもどってうつむいている。恭仁見つかさと鏡剣と宮本一と菅井佐知が 「なんか、どさくさにまぎれてノロけたよね」と小声でささやきかわしているのと井伊直也が目を白黒させている。 尾崎儀一が苦笑混じりの声で 「アムラン、ところで菱関家の領地といいますか本宅は前にアムランから聞いた話しでは壊滅というか存在していないようなことを言ってましたよね」と訊いてきたので、 「確かに、しばらく前まではそうだったんだけれど、偶然場所を父が見つけて当時の半分くらいの敷地は復活させている」と言うと 「えっ、アムランのお父様が」と何人かがハモっていうので、ちょっと苦笑するが 「現在はひげくまさんが当時の菱関家の邸宅の遺跡を調査しているのと場所は棟梁も知っているはずだよ」と言うと。 「えっ、どこです、覚えがないんですが」と戸惑ったように今野千光が言うので 「らしくないなあ、送ってくれたことがあるだろう」と私が言うと 「えっ、あそこなのか」と驚くのと「でしたら家の建て直しはまかせてくださいよ」と胸を叩く。 「それはぜひ棟梁の腕を奮ってもらいたい、ただね、昔のまま復元するのか、あらためて敷地から建物から設計しなおすのかが決まっていないんだが、決めるのは菱関家の人間なんだが、結論を先にいうと、なぜ菱関家が歴史から消えたのかという理由を考えたときに、改めて設計しなおした方がいいと思うとだけ言っておくのと正式に名跡復活の宣言が先だな2人ともどうする」と訊くと 今野浩之と佐藤優二が 「やります」と2人同時に力強く言ったところで目を覚ます。 No 0246 1989 平成元年 3月2日 木曜日 大森林の中の砂利混じりの小道を一人で歩いているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 目的地は忍者の隠れ里で、地理的には仲串家のある温泉湖に近い場所である。鏡剣や風間了や寺島小百合が忍者としての修行をした場所である。7番の夢のふくろうくんが100メートル先の空を飛んで先導してくれているのが見えるので、正式に忍者の隠れ里の客として訪問するところである事がわかる。ところがいきなり不穏な気配がして、黒装束の男達10数人がいきなり襲いかかってくる。取りあえず、何人か手加減しながら気絶させてわたりあう、服の感じからこの忍者の里を守る門番組であることがわかるが、何か手違いがあったのか私のことが知らされていないようである。先導していたふくろうくんが慌てて戻ってきて「バカものーこの方をどなたと心得るひかえよ」と叫ぶとふくろうくんの存在と私の被っている帽子の紋章に気がついたらしく、襲ってきた10数人の気配がいきなり消えてから、ややしばらくして隊長らしい若者がしまったという顔をして出てきて跪く 「申し訳ございません」と相手が悪すぎるという表情で青ざめるので 「よい、役目大義、不問とす、それよりも修練みごと感服した」というとほっとした顔になり 「おそれいります」と去っていく、ふくろうくんが 「どうやら何を勘違いしたか侵入者と誤認したようですね、ボクが先導しているのに失礼な」と憤るので 「私が間を開け過ぎたかもしれないな、とりあえず急ごう」と先に進むことをうながし、隠れ里につくと長老達が待っていて、失礼を詫びてくれる。襲われた理由もわかり、とりあえず納得するが、ここにまで菅井や国見に手出ししていた連中がちょっかい出している事がわかり少し驚く。どうやら忍術の秘術や秘儀を狙っているということがわかる。 長老達と情報交換してからくつろいでいるうちに目を覚ます。 No 0247 1989 平成元年 3月3日 金曜日 7番の夢のグレーの大型の四輪駆動車を7番の夢のひげくまさんこと藤丸竜也が運転して、助手席に130番の夢の今野千光が乗り、後部座席には123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけ、肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついていて。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインのファッション一式を身にまとった自分が乗っているところから夢が始まる。 道路は森林の中の2車線両側歩道つきの立派な道か続いている。前方右手に富士山型の美しい独立峰が見えてくる。 「そろそろですね」と今野千光が言うと 「今野の棟梁、橋を渡れば遺跡が左側にあるから先に見てください」と藤丸竜也が声をかけたので 「了解です、それにしても道がずいぶんよくなりましたね」と今野千光が感心したように言うので 「どうにか、道路だけは整備が終わったけどね、建物はまだこれからだし、周囲の農地や農場はやっと半分しか復元っていうのか開拓というのか表現に苦労するけど終わってないからね、川の方は土手が土地っていうか敷地側だけ護岸が終わっただけだよね」と私がひげくまに問いかけるようにいうと 「そうですね、半分仕上がって川の治水工事もほぼ終わりましたので、だいぶ荒れた感じはなくなりましたね」と少し嬉しそうにいう。 「今日はみんな、先にいっているんですよね」と私に今野千光が訊いてくるので 「今日は、大事な復活宣言の日だし、金蓮花の回収の儀式もやるから、金吾のじいさまもくるはずだし、金蓮15家そろい踏みになるのかねえ」と私が少し首をひねりながら言うと 「ああ、それでアムランの正装ですか」と今野千光が納得したように言うので 「ちょっとオーバーな気もするんだけどね」と私が苦笑しているうちに車は橋を渡り、かなり開けた草原のような場所が森林が開けて現れ、左手に遺跡のようなものといくつかの建物が見える。 開けた草原のような場所は187番の夢で年寄り姿の私の両親から開拓依頼を受けた南北約6キロメートル、東西約12キロメートル、72平方キロメートルの土地である。 現在の土地の状況は南北6キロメートル東西12キロメートルのほぼ長方形の形状で、土地の西側に境界としての役割もある4車線両側歩道つきの道路が南北に通り、西側の4車線両側歩道つきの道路が南の川を渡るところはきちんとした立派な橋が架かっていて、原野の中へ続く4車線両側歩道つきの道路がかなり南まで見えている。北側は10メートルの高さの崖が東の端の川まで続き、崖の上が深い森林になっていて西側の4車線の道路の東側を裾野として富士山型の高い独立峰が聳えている。冠雪しているので富士山クラスの3000メートル級の高さがある。 土地の東側を川上として南側へ100メートルの幅の川が流れていて、東南の角でほぼ90度で曲がっている。この曲がり角には巨大で強固なくの字型の岩盤が堤防のように存在していてそのために川に削られることなく土地の形が長方形に維持されている。この岩盤の内側と上に古代ローマ風のかなり広い範囲に遺跡がある。東側を流れる川は北側の崖と接する地点でこれまた巨大な岩にぶつかって90度曲って土地の東側を流れている。この巨大な岩にぶつかる地点は滝というほどではないが落差がある。この部分も岩の一部でかなり巨大な岩盤があることを利用して自家発電用の低落差発電所が完成している。南側の川は土地の開発が進んだ西から6キロメートルのところまでは両側に堤防が整備され、そこからは土地の側だけ低落差発電所のところまで治水対策に堤防を完成させてある。 土地の東と南側を流れる川であるが、この川から南はほとんど何もない原野で南側の川を越えたすぐのところに蓮が密生したけっこう大きな沼があり、沼の中央だけやたら大きな蓮の葉が密集しているのと何か凄まじいエネルギーが吹き出していることがわかっている。 土地の開発を容易にするためと土地を2分割して利用するために南北の半分の3キロメートルのところに2車線両側歩道つきの道路が西の4車線両側歩道つきの道路から東の端の川まで舗装されて橋が架けられ、川の東側の大森林の中を街まで続いている。 西側から2分の1の6キロメートルまで開拓が進み、2車線両側歩道つきの道路で区画された北側が農地と屋敷があり、南側が牧場になっている。残りの6キロメートルは手つかずの原野と古代ローマ風の遺跡がかなりきれいに発掘され繁茂していた植物や森林を伐採したために全貌が見えるようになっている。古代ローマ風の遺跡の近くには仮宅と遺跡の調査と研究をする仮設の研究所兼博物館の建物などが数棟ある。 以前確認した古代ローマ風の遺跡がある場所からの中央よりの北西部の風水でいう巨大な竜穴があることがわかった地点は、中央を東西に区切る2車線両側歩道つきの道路の北側で思ったより北寄りで中央部寄りである。 一旦車は古代ローマ風の遺跡の前の仮宅と遺跡の調査と研究をする仮設の研究所兼博物館の建物の前で停まり、私と今野千光だけ降りて、完全に発掘されていて、ある程度修復された遺跡をチェックする 「これはすごいですね、古代ローマ遺跡そのものとしかいいようのない豪邸というか宮殿ですね」と今野千光が驚愕する。 「菱関家の初代が古代ローマのファンで研究者だったが、趣味が嵩じて1キロ四方のローマの街を再現してさらに本宅を構えたんだが、それが純和風の寝殿造りだったのと、池らしき跡がわかるだろ」と今野千光にいうと、少し背伸びをしたりしゃがんでみたりして 「ホントですね、かなり大きい本格的な寝殿造りで、池もかなり広いですね、あれっ、あそこだけ、なんでか穴あいてますね」と池の跡の中央部を不思議そうに指さすので かつてはあの穴のあった場所に金蓮花の本体があったんだけど、今はない」というと 「ほー、やっぱり池が必要なんですね、例外は紫藤家だけで、このあいだ紫藤の舘を参考までに見学したんですけどね、確かに言われてみればあのシャンデリアって蓮の花の形してましたね、だけど中2階の噴水のある水盤っていうのがわからなかったですね、噴水の絵はあちこちにありましたけどね」と不思議そうにいうので 「あれは、わからんだろうな、実際に本物の噴水と水盤があるわけじゃなくて、あの絵の中に封じてあるのさ、そこまでやった紫藤の初代がいかに超のつく天才だったかわかるね」というと 「そんなことできるんですか」と今野千光が驚くので 「できるんだね、私には無理だけどね」とニヤリと笑うと 「はーっ、そういうモンですか、おっ、あの市松模様は菱関家の家紋ですね」と古代ローマ風遺跡の柱の上に刻まれた文様を見て今野千光が声を上げる 「うん、市松菱だね」と私が言うと 「なんかまた洋風な幾何学的な家紋ですね」と感心していると、藤丸竜也が車から降りてきて 「嵯峨金吾殿が見えたようです、西の家に行きましょう」と言うので 「急ぐか」 「了解です」と言葉が交わされ、車に3人が乗り込み西にある開拓拠点の家へ向う。家が前方右手に見えだすと 「なんですか、あれ、アムラン邸じゃないですか」と今野千光が素っ頓狂な声を出すので 「うん、あれ、まんまウチです、私の3階の部屋と一緒でどこでも移動してくる、どこでもドアならぬどこでも家」というと今野千光が絶句する 「ただね、さすがに1キロメートル四方の敷地そっくり移動ってわけじゃなくて内側の500メートル四方の区画と家本体だけだから、ある程度広い場所でないと移動してこないみたいだな」とぼそっというと 「はーっ、驚いた、ってことは全員揃っているってことですよね」ともう驚かないぞという気迫を声に籠めて今野千光が言うので、苦笑混じりに 「そうだな、客もかなりいるんじゃないかな、金吾のじいさまだけでなくてね、1人はここにいるけど、3藤家が久しぶりにそろい踏みだったら壮観だな」というと運転していたひげくまが楽しそうに 「私も個人的には楽しみですね、藤本の姫君と紫藤の若兄弟には是非会いたい」というので 「はー、それはすごいですね、藤御三家っていったら雲の上の方ですからね」と今野千光がため息をつくので 「コラコラ、千光おまえだって、菱宮5家筆頭の菅井家の総帥代理だろうが」と私が半分揶揄気味にいうので、運転しているひげくまが笑いを堪えながら 「お2人とも漫才はそこまでですよ、着きましたよ」と言うのと車がいつもの家の玄関のエントランスにすべりこむのが同時で、車が停まると玄関が開いて25番の夢の今野浩之と23番の夢の佐藤優二兄弟と105番の夢の鏡剣と55番の夢の恭仁見つかさの4人が黒のスーツの正装で迎えてくれる。 「それにしても家丸ごとバスとは思わなかったな、すぐ作業するつもりだったから作業着を着たのに、スーツに着替えてくるよ」と言って今野千光だけ2階に上がっていくが、私とひげくまは 「座敷だろ」と私が言ってダイニングの前を通り1階の座敷に行くと、二つの座敷の境の襖が取り払われて20畳の大広間になっている。東の座敷の床の間の前には130番の夢の嵯峨金庫が既に座して待っている。左右には150番の夢の金蓮と12番の夢の清水環、33番の夢の黒松頼政、209番の夢の黒松頼子、1番の夢の木村聖一と木村聖二と212番の夢の木村京の3兄弟、74番の夢の藤本由里江、80番の夢の玉泉和典、私の父と母、あとはコの字型に南の廊下越しの外の庭が見えるように135番の夢の孫の16代の明伸、66番の夢の息子の24代の美喜、2番の夢の娘の綾乃、27番の夢の妹の理美、76番の夢の弟の十琉、169番の夢の中務香奈枝、57番の夢の菅井佐知、82番の夢の宮本一、24番の夢の井伊直也、3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊兄弟、81番の夢の仲串勝美、55番の夢の武田詩織、152番の夢の仲串勝代、55番の夢の黒田拓哉、55番の夢の和泉理司、55番の夢の大島玲仁、49番の夢の香取恵、55番の夢の日生篝、80番の夢の杉本雅嗣、22番の夢の浅野莞爾、81番の夢の藤原愛子、101番の夢の高城ハル、110番の夢の佐々木琴音、110番の夢の珠洲紫音、169番の夢の阿倍佳奈子、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の香川諒子、169番の夢の鈴木翔子、14番の夢の寺島小百合、42番の夢の寺島美智子、162番の夢の風間了、44番の夢の真野美子、44番の夢の岡崎貴子、44番の夢の金井恵一、44番の夢の直江賢次、56番の夢の今井崇久、56番の夢の今井紀子、105番の夢の今井崇樹、107番の夢の今井真理、1番の夢の村主日美子、76番の夢の東郷誠司、11番の夢の甲板長の赤坂浩一、11番の夢の機関長の菊池大樹の58名が控えている。ひげくまが藤本由里江と紫藤3兄弟の間の席に座り、スーツに着替えた今野千光が菅井佐知の隣に座り60名もの大人数がひしめく。私がコの字に居並ぶ面々の中央の空間の嵯峨金吾に正対する位置で座ると私の後ろに今野浩之と佐藤優二兄弟が鏡剣と恭仁見つかさに先導されて着席し、鏡剣と恭仁見つかさの2人がさらに後に座る。合計65名が揃い、開け放たれた南の庭の縁側から7番の夢のふくろうくんが奉書紙をくわえて嵯峨金吾の所に飛んでくる。奉書紙をふくろうくんから受け取った嵯峨金吾がうやうやしく開封すると、ふくろうくんが私の真後に下がる。 「これより、久しく名跡を絶やしていた金蓮15家中5菱家の一家たる菱関家復活の儀と広宣の儀を取り行う、今野浩之、佐藤優二両名は菱関家に連なる真の兄弟として菱関家再興の裁可の勅が下ったこと伝達す、謹んで拝受されよ」とおごそかに嵯峨金吾が宣すると今野浩之と佐藤優二の2人が前へ、いざって進み、嵯峨金吾から奉書紙を受け取り元の位置に下がる。おもむろに私が 「これより広宣の儀に先立ち菱関家下賜伝承の金蓮花の発掘並びに移植及び解眠の儀を取り行うにあたり、方々のお立会いをお願いいたしますのと儀式執行にあたりご説明申し上げます」と一気にいうと場に緊張が走る。嵯峨金吾でさえ緊張しているのがわかる。続けて 「今日、菱関家の旧領が再発見され、3藤家のお力添えもあり、おおむね現状回復いたしましたが、かつて名跡を絶やす発端となりました、金蓮花の養い池の問題ですが、あまりにも目立つ場所に置いたゆえ金蓮花の隠身を好み自ら変化する性質により、所在不明になりました。もっとも才能の枯渇とお家騒動を避けて金蓮花自ら保身のため転移休眠となり今日にいたりました。現在菱関家の金蓮花はここより南の原野にあります沼にて休眠していることが先日判明いたしました」と一息いれると、「「ほおおーっ」」という溜息が洩れる 「なお、菱関家の領地旧宅を復元の後に移植と考えておりましたが、領地風水検分の折り、旧宅よりも西の北寄りの中央付近に五色天竜穴を確認いたしました」と言うと 「五色天竜穴じゃと、最高位の竜穴ではないか」と嵯峨金吾が絶句する。この場の9割方が風水の心得が多少なりともある者ばかりなので、その場がどよめく 「ということでして、そこへ沼ごと金蓮花を移します、のちに縄張りして本宅棟上げと菱関家総帥には御了承いただいておりますので、今から竜穴付近に移動して沼ごと金蓮花を移植の上、解眠の儀を方々に御覧頂きます」と私が言い終わるか終らないうちに南側の庭の景色がいきなり変わり、何もない平原が広がっている。ほとんどの者が何が起きたか分からずにいるので 「現在、東の方向を向いていた縁側が、180度回転しまして西に向いております。場所も西側から東側の北寄りの位置に移っております。皆様の目の前に多少くぼんだ円形の場所が見えるかと存じます。ここが五色天竜穴にございます」と一呼吸おいて杖を掲げると円形のくぼ地の草が渦を巻いて直径にして300メートル近い円形と正五角形が内接する図形が現れると全員 「おおーっ」という声や 「ミステリーサークル」 「五芒星」 「五稜星」 「五菱星ってこのことか」とか、かなりいろいろな言葉が飛び交うが無視して 「では、尾崎儀一、尾崎晁堊の両君には葉室の山返しの念動力でもって御協力願う、いざ参らん」と声高に叫び尾崎儀一、尾崎晁堊の2人を連れて空中飛行して南の川の向こうの蓮の生い茂る沼の上空で尾崎兄弟東西に配し、自分は中央の金蓮花の本体を透視する 「では、参る、山返しならぬ沼返し、いざゆかん」 「おう」という2人の掛け声と同時に巨大な沼が底とふち丸ごと宙に浮き、先ほどの300メートル近い円形と正五角形が内接する図形が現れた竜穴に一気に移動する。座敷では固唾をのんで見守っていた者達がいきなり目の前に蓮の密集する直径300メートル近い沼がいきなり出現したことに驚きどよめく。誰ともなく 「すごいな、地形が一瞬にして変った」とか 「伝説の葉室の山返し恐るべし」と悲鳴にも近い慨嘆の声があがる。 「尾崎儀一、尾崎晁堊の両君には御協力、心より感謝する」と2人に向い私が一礼すると2人とも礼を返し、自分の席へ誇らしげに戻る。 「では、続きまして解眠の儀を執り行います、金蓮殿沼の中央までご案内いたしますので、よろしく」と言うと金蓮が立ち上がり 「参りましょう」と私の前で立ち止まったので、左手を取り沼の中央の上空まで立ち姿のまま空中を移動する。 移動中に金蓮が 「アムランも凄いけど、ギイとアーサーも侮れないわね」と感心するので 「だれでもそうだが舐めない方いいんだがな」とクスリと笑うと金蓮も同じように笑う 「中央だけ普通の蓮が異常に大きな葉になって茂っているだろう、あの下で昼寝しているよ」と私が言うと 「昼寝ねー、熟睡しているわよ、よくこんなの見つけたわねー」と金蓮があきれたようにいいながら 「ここからは、あたしの仕事だわね」とひとりごちると何やら呪文のようなものを唱え出し始めると風もないのに沼中の蓮の葉がざわめきはじめ、沼の中央が輝き始める。しばらくしてぽこっと音がして金色の蓮の蕾がもぞもぞと普通の蓮の葉をかきわけるようにして出てくると、なんとなく眠そうなあくびしているかのような感じでゆっくりと咲き始める。座敷でも沼の中央が金色に輝いた事で金蓮花が眠りから目覚め、咲いたことがわかり、どよめきが沼の上空まで聞こえてくる。 「大したものね、よくこんなわかりづらいところから見つけたわねー、花が咲いたからまちがいないケド、あたしこの状態でもやっと気配しかわからないのにねー」と金蓮が私の方を感嘆とあきれが混じりあった表情で見つめるので、 「最後のお披露目の儀式が待っている、うるさいだけなんだけどね、これが終わらない事には」と私がやれやれと肩をすくめるのに、いたずらっぽく反応して 「そうね、あのこ達(今野・佐藤)の金蓮15家再デビューの晴れ舞台ですもんね、最後までつきあいますか」とニヤリとして座敷にもどりましょうと私の背中を軽くポンポンと叩いて促す。 その頃座敷では今野浩之と佐藤優二の2人が見事に咲いた金蓮花をバックにアムランと金蓮が宙を歩いて座敷に戻ってくるのを見て感動の涙を流している。今回介添え役としてついている鏡剣と恭仁見つかさがさりげなく拭っている。 「方々おまたせ申しました、無事金蓮花解眠の儀終了いたしましたことを御報告いたしまして広宣の儀の執り行いお願い申し上げます」と嵯峨金吾の前に跪き報告を済ませると 嵯峨金吾が 「では、祐筆吟味役として黒松頼政男爵これへ」と言うと何やら奉書紙と似たような紙と硯と筆と文机を掲げた黒松頼政が進み出てくる。宮本一改め葉山託生の方を眺めやると、やっぱりまだ根に持っているような表情で父親の黒松頼政を見ているのでやれやれと内心苦笑する。 嵯峨金吾が 「本日お集りの金蓮15家の方々の名簿をこれより読み上げる」と黒松頼政が差し出した奉書紙をあらためる。 奉書紙を金蓮が嵯峨金吾から受け取り代読する 3藤5菱7葉家 金蓮15家門 (みふじごりょうななようけ)御席簿 3藤家 紫藤聖一 一門衆 藤原家 藤丸竜也 藤本由里江 5菱家 菱平智 一門衆 香取家 香川家 菱光真緑 菱光優輝 菱宮五家 菅井佐知 武田詩織 井伊直也 金井恵一 7葉家 葉山託生 一門衆 黒松家 佐々木家 宮本家 葉瀬雅嗣 一門衆 杉本家 浅野家 黒田家 葉村日美子 一門衆 寺島家 赤坂家 村主家 和泉家 葉室儀一 一門衆 尾崎家 東郷家 岡崎家 大島家 中務家 阿倍家 鈴木家 葉月一門衆 今井崇久 真野家 珠洲家 葉賀環 一門衆 清水家 菊池家 仲串家 葉根了 一門衆 風間家 直江家 以上45家 一門総帥と一門衆の家の総領を兼ねられる方は一門の家名のあとに御名表記の上一門衆の家名を併記するために重複を避けた員数は 以上38方であります。 なお葉月家のみ総帥代理の今井崇久殿を御名表記せしむ 本日、菱関家の名跡復活と金蓮花の開花を確認し、正式に金蓮15家に列し、今野浩之並びに佐藤優二兄弟を菱関浩之、菱関優二の名乗りを広く公認し権威と権利を宣言するものである。 読み上げが終了すると拍手が沸き起こり、今野浩之改め菱関浩之と佐藤優二改め菱関優二の兄弟2人が立ち上がり全体に数回最敬礼を行い。嵯峨金吾の前で平服する。 このあと 「では、立会筆頭人として藤御三家の方々の署名を求めます」と祐筆吟味役の黒松頼政が3藤家の紫藤聖一と藤丸竜也と藤本由里江に奉書紙を回し、自分も署名し、最後に嵯峨金吾と金蓮が署名して2重に封じられると 「これにて広宣の儀を終了する、天翔福これを届けよ」と嵯峨金吾がおごそかに言うと私の後ろに控えていたふくろうくんがくわえるやいなや座敷から天に向かって飛翔していく その姿を見送りながら、後の鏡剣と恭仁見つかさに合図すると2人と周囲のものも一部姿を消し、あまり間をおかずに清水環を先頭に寺島小百合、仲串勝代といった面々が酒瓶ととっくりを盆に重ねて入ってくる。 「これより金蓮酒の振舞いぞ、方々愉しまれよ、今宵は未成年者にも特に許す」と嵯峨金吾の声が響くと同時に平服していた2人が起き上がり、全員に酒を注ぎにまわり、場が華やぐ。 嵯峨金吾が未成年にも許すとは言ったものの、私の息子と娘と孫と妹と弟と高校生として登場することが多い女性と一門衆の家の者は遠慮して半数近くが辞去する。やはり気まずいらしく、黒松頼政も姿が見えなくなっている。嵯峨金吾から声がかかり 「大役だったの」 「いえいえ、嵯峨殿に比べればほんの端役で今回は葉室の山返しが見せ場でしたな」とさりげなく私が言うと 「なにを謙遜しておるか、金蓮花を見事に見つけて咲かせたのと何よりも五色天竜穴はたまげたの」ほっほっほと笑うあたり、喰えないじいさまだと内心苦笑しつつ、退出すると気配で伝えてきたので、つき従い見送るが、縁側に立ち止まり、やはり五色天竜穴の気の迸りと見事に咲き誇る直径1メートルの巨大金蓮花にしばらく見とれている。 嵯峨金吾を見送ると座敷も静かになり、金蓮15家の筆頭である3藤家の紫藤聖一と聖二と聖四兄弟と藤丸竜也と藤本由里江と玉泉和典が談笑している。私が入っていくと藤丸竜也がその場を代表した感じで 「大役ご苦労様でした」と声をかけてくる 「いやいや、藤御三家には御足労かけました、ありがとうございました」と言うと 「このヒトのこういうところが凄いのよねえ、いまやアムランの恩義に報いたくてしょうがないという者がどれほどいるか」と藤本由里江が感嘆する。 「いやね、お藤さんそれは別のハナシでね、私としては礼儀は大事だと思っていますよ、私はけっこうやんちゃな野人なんでね」と頭をかきながら照れも入りつついうと 「そういうところ、超絶能力者とは思えない可愛さだよな」と玉泉和典が筆頭大親友の遠慮もない仲なので、ある意味ものすごいことを言ってくれるので苦笑する。 「ところでアムラン、あれはいったいどうなって、どういうことなんだい、私にはさっぱりわからない、長いこと金蓮花の栽培と研究はしてきたのだが」と藤丸竜也が遠慮がちに言うと 「私もあのもさもさのなんか普通の蓮の海というのかなあ、あれはもう蓮の沼でなくて蓮の密林だわね」と藤本由里江もあきれたようにいう。 「うーん、なんていうんだろうね、よく石を隠すなら河原とか本を隠すなら本の中というように、金蓮花も一応蓮なんでね、蓮の中に紛れて身を潜めたというのが正解なんだろうけど、いかんせん持っているエネルギーのパワーが違うのよ、周りの植物、まあこの場合は蓮だけどね、巨大化するわ、異常増殖するわで、直径300メートルもある沼にこれだけびっしりってのは金蓮花の力だね」と私が言うと 「確かにこれじゃわからんわ、ここから見ても咲いた金色の輝きのおかげで沼の中央にあることはわかるんだが、普通探せないな」と玉泉和典が意味深に流し目で言う。 「まあ、藤御三家の池でさえあそこまでにはならないようだけど、どうも菱関の金蓮花は休眠していたときでもオーラと持っているエネルギーはね、私に言わすと眩しいくらいでね、隠れているという状態とはとてもいえないもんだよ」と私が言うと、いつのまにやら後ろに来ていた尾崎儀一が 「それはアムランだけにわかる話しでね、オレらにはわからないって、山返ししてるときもホントにこの中にあるのかって思っていたからね、だけどあんな凄い花が咲くんだなあ」と揶揄と驚きを込めて言うので 「ホント儀一君の言うとおりだね、アムランでないとわからないね、うちの金蓮花の再発見もだけどね」と紫藤聖一が感心とため息混じりに言う 「ふむ、ここの金蓮花の性質とかね、謎の探究はひげくまさんもかなり興味津々なわけだろうけど、私も見え方しか言えないからね、研究するなら菱関の2人は嫌がらないからじっくりやってみて、時間のある時に私も協力するから」というと 「なんかはぐらかされたような気もするがアムランの言葉は重いんで期待しとくよ」と藤丸竜也が降参と握手してくるので握手を返す。 座敷を片づける面々は、藤御三家そろい踏みで金蓮酒を飲みながら見事な金蓮花まで鑑賞している座敷内の様子を見て、最高の贅沢だわこれはと思っている。 「おっ、キヨシ寝ちゃったな」と聖二が言うと 「そろそろ俺らもお開きだな」と玉泉和典 「そうね」と藤本由里江がキヨシの髪をなでながらいう 「うむ、藤本の姫さんにも会えたし、紫藤の若兄弟も元気そうだし、一安心だ」と藤丸竜也が笑顔で言う 「では藤御三家退出、とはいっても上で泊まりだな、私も着替えたいので案内する」と私が言い、キヨシを聖一が抱き抱え、残りの御三家一同と玉川和典が私の後に続いて二階に移動したあと、父と母が二階の客間を取り仕切りしてくれるので。自分一人で3階の部屋で着替えてしばらく休む。ベッドを見るとふくろうくんが帰ってきていて休んでいる。机の上を見ると何か黒い塊のようなものが載っているのでよく見ると黒曜石で造られた薬研である。なんでこんなものがここにあるのかわからずに考えているうちにのどが乾き1階のダイニングの隣の台所に移動すると、ダイニングの中にはまだ恭仁見つかさと鏡剣と井伊直也、宮本一、菅井佐知、金蓮、今野千光、今野浩之、佐藤優二、尾崎晁堊、尾崎儀一、風間了、寺島小百合、大島玲仁の14人が話し込んでいるのが見える。そっとまだ電気のついている台所のポットからお茶を湯のみに注ぎ、台所からダイニングに入る配膳用の出入り口を通って入ると、いきなりの私の登場に驚くが、なんとなくいつもの席順に近い形でかなり接近した感じで全員が座り直して、しばらく気遣いの沈黙の時間を置いてから私が口火切る 「今日はみんなご苦労様、ヒロとユウくんは主役ご苦労様、疲れただろうけど安心しただろ、正直私もほっとしたなあ、紫藤と菅井と国見も無事うまくいきそうだし、絶えた家を再興するのって私にとっては昔からロマンだったからなあ、だけど菱関はちと大物すぎたなあ」と言うと全員ホントかよという顔をするが 「だけど私がヒロとユウ君と出合ったのってホントに偶然だからね、ミドリとユウみたく狙ってたのと違うだけに感慨もひとしおなんだねー」というと 「国見は狙ってたってホントですか」と風間了が驚いたように訊いてくる。 「うん、私は、結構国見は昔から出入りしていてね、かなり前に私がこの2人見染めたのが先」というと鏡剣と恭仁見つかかさの2人以外から「「ほー」」という反応が来るついでに 「ヒロ達との出会いって、ホント偶然でね、とっぱじめがユウ君から、友達になりましょうってナンパされたのが最初でさ、しかも自己紹介が僕ユウ君っていうんだけど友達になりましょうだからねー、今だにユウでいいはずのニックネームがユウ君だぜ」と言うと 「嘘だー、僕そんな自己紹介してないー」と佐藤優二があわてるが 「いやホント、ユウです、ならわかるんだけどユウ君って自分で言ったから私もそのまんまインプリティングされちゃってさ、ケンもユウなのにさ、一番愛してるやつのニックネームが呼び捨てのユウになっちゃってる元凶だからね」とさらりと言うと 鏡剣が真赤になるのと佐藤優二も真っ赤になるのと他の面々からは「「ナニ、おもいっきりノロけたよこのヒト」」という視線が私に突き刺さる。 とりあえず場をなんとかしましょうとばかりに今野千光が 「そもそも浩之と優二達との馴れ初めってなんだったんです」と訊くので 「あれっ、まてよ国見の守護天使のクリスがからんでるぞ」と私が考え込むようにいうと 「「うそっ」」とミドリとユウが驚いて言うのと 「そーいえば、アムランに声掛けたときって天使を目撃して驚いて、たまたま通りすがりの人に驚きを共感してもらおうと思って声かけたのがアムランだったんだよ」と言うので 「確かにそんな感じだったよな、でもなんであそこで天使が出てくるのかわからんけどね」 「クリスの画策か、もしかして」とギイが言う 「天使が出てこなければアムランにあそこまで声かけていなかったかもしれないなー」とユウ君がしょんぼりと言うので 「菱関の家の守護神って誰だっけ」と私が首をひねると 「初代が古代ローマ好きって言ってましたから、天使ですかね」と今野千光が首をかしげながら言う 「ありうるな、でもいまさら詮索しても意味はないさね、今ここにいる全員は私が愛してやまない恋人と大事な親友である以外の何物でもないよ、俺が先に見染めたとか見染められたとか誰かが縁結びしたとかなんて関係ない、出会った、惚れた、お互いが大事になったそれでいいと思う、正直な話し、恋人と親友の数の分だけ自分自身が欲しいって思ってる、1人1人と向き合って一緒にいたいと思う、ケド自分は1人しかいないし、頑張っても分身は3人が限度」と照れと悔しさ混じりでいうと、その場が静まりかえってしまうのと何人かは泣いている気配がする。 「まったく、もう、これだから人たらしのアムランっていうんだよねー」と金蓮も少し涙目でいうと 「いや、ホント才能とか存在感とかカリスマとかいうのとは全く別の魅力っていうかなー魂までもってかれるからなー」と尾崎儀一が言いそうなことを今野千光が言うので尾崎儀一もお株とられたなあという感じで苦笑しているが、全員同感とうなずいているのと、恭仁見つかさと鏡剣と宮本一と菅井佐知や井伊直也などは、ぼーっと私を見つめているので 自分もどういう表情を返したらよいかわからないうちに目を覚ます。 No 0248 1989 平成元年 3月4日 土曜日 空を飛んでいるところから夢が始まる。1キロ四方の敷地を幅1メートルの水路に囲まれその外側に幅6メートルとかなり広い歩道が巡らされ2車線の道路がさらに巡らされている。広い敷地の4分の1を占めるかなり複雑な構造をした巨大校舎の前に門まで500メートル幅50メートルの桜並木の通路があり、正門が内側にくぼんだ50メートル四方程の広場になっていて、その中央に桜の巨木が立っている。校門を背にして上から見たときの校舎の左側がグランドになっていてその下が広大な庭になっている。体育館とテニスコートが校舎の下側の門までの通路と同じ区画にある。テニスコートは広くかなりあるために整備用に工事現場で使われる無限軌道式の小型のダンプがあるのが見える。 地上に降りるとうっすらと雪が残っていて、門の看板には高校の表示がある。玄関を入ると卒業式の横断幕があり、奥の廊下から上に移動すると黒のスーツを着て髪をポニーテールにして眼鏡をかけた丸顔で身長が165センチくらいの初めて見る顔の30歳くらいの美女が私に「菱平智(ひしひらあきら)君」と呼びかけて 「みんなまっているから早く」と腕をつかまれて3階の広い教室に連れ込まれると男女半々で40人くらいのクラスメートが待っていて 「卒業式に担任に探されてるんじゃないぞ」 「遅いぞ」と揶揄混じりの声がクラス中から飛ぶので 「悪い」と一言言って窓側から2列目の一番前のあいている席に座ると、先ほどの眼鏡をかけた丸顔の美女が担任として挨拶しはじめる。 座って始めて、空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある事に気が付いて、自分の姿が31番の夢と同じ黒の詰襟の学生服の上下を着て左襟に菱形のバッジをつけて、白のソックスをはいて、黒のコンバースのバスケットシューズを履いていることに気が付く。 クラス内を見ると夢の中では別の高校で学年的にも違うはずの、1番の夢の木村聖一と1番の夢の木村聖二兄弟、3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊兄弟、25番の夢の今野浩之と23番の夢の佐藤優二兄弟、14番の夢の寺島小百合、49番の夢の香取恵、105番の夢の鏡剣、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、82番の夢の宮本一、55番の夢の和泉理司、55番の夢の黒田拓哉、55番の夢の大島玲仁、55番の夢の恭仁見つかさ、55番の夢の日生篝、55番の夢の武田詩織、162番の夢の風間了、81番の夢の仲串勝美と152番の夢の仲串勝代兄妹、130番の夢の今野千光、101番の夢の高城ハル、131番の夢の橘夏希と143番の夢の橘夏芽姉妹、74番の夢の藤本由里江、80番の夢の玉泉和典、169番の夢の料理部副部長の阿倍佳奈子、169番の夢の手芸部副部長の山田直子、169番の夢のバスケット部副キャプテンの林京子、169番の夢の料理部長の小幡真理子、169番の夢の巫女で文芸部副部長の中務香奈枝、169番の夢のバスケット部キャプテンの香川諒子、169番の夢の文芸部長の鈴木翔子、110番の夢の珠洲紫音、110番の夢の佐々木琴音80番の夢の杉本雅嗣の男19人女18人私を含めて38人が同じクラスメートであることがわかり驚く。 制服は、男子は私と同じで、女子は31番の夢と同じ濃紺の地に白の細い2本線が入り、左胸のポケットの上の部分にも細い2本線の入ったセーラー服を着て、車ヒダの紺のスカートをはいて黒のパンストに黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。左胸のポケットの白い2本線の中央に菱形のバッジをつけている。 教室は40人近くいて机も普通より一回り大きいが、縦横に6列プラス2人分の38人分に通路部分も含めてかなり余裕があり、後もさらに2列机が置ける余裕があって人数分以上のロッカーとコート掛けなどがある、この教室は黒板の前の壁が校舎の角の部分にあるために、学校の教室の構造としては珍しいが、黒板の左右の両側にも小窓がついている。 担任の話しに集中しようとすると、黒板に向かって左側の窓に何か変なものがバタバタしている事に気が付くとクラスメートも気づいたらしく視線が集中するので、担任も不審に思い窓の方を見ると、ドラゴンクエストに登場するモンスターのキメラの子供が網のようなロープのようなものを絡ませて逆さまになってバタバタしている。それを見て担任が気絶するので、クラスメートの何人かが慌てて「カズキ先生大丈夫っ」と慌てて介抱をはじめ、私が窓を開けて、まだろくに羽根も生え揃っていなくて灰色のキメラの子をロープと網のようなものから外して放してやると、慌てて飛び去って行く。 「なんだったんだあれは」と玉泉和典が私に訊くので 「信じられないけどゲームでは有名なモンスターのキメラの子供だと思う」というと他のクラスメートも「「ホント、マジっ」」という反応がくる。担任は、藤本由里江と風間了が介抱して気が付くが、まだ動転しているので取りあえず座らせて休ませて、午前中に卒業式は終わっているので、クラスメートだけのパーティの準備に机をコの字型に並べ替えて飲み物や食べ物を用意し始める。隣近所のクラスでも似たようなことを始めているようで賑やかな音がしてくる。 「黒須先生への寄せ書き最後の文書いてね」と今野浩之が色紙とサインペンを持ってくると黒須和希先生へと書いてあるので、担任の名前が黒須和希(くろすかずき)であることがわかる。その場で書いて今野浩之に色紙を渡すと、教室のドアをノックする音がして、後輩達が10人ほど何か記念品を持ってくるのと、結構いい顔をした生徒会のバッジをつけた身長170センチほどの男の子が 「前会長卒業おめでとうございます、生徒会を代表して花束贈呈です」と言って入ってくると 「おー、新生徒会長の川崎じゃないか」と和泉理司が言い 「流石たっちん気が利く」と大島玲仁がいうと、尾崎儀一が 「玲仁、後輩とはいえ仮にも生徒会長だぞ、ちゃんと川崎達也君と言うように」と教育的指導が入るが、川崎達也が私に花束を渡すのでクラスメートの盛大な拍手を背に花束を受け取ったところで目を覚ます。 No 0249 1989 平成元年 3月5日 日曜日 スタジオのような場所にいるところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 大橋巨泉が出てきて私と軍事力についてのテーマでかなり激しくやりあう。私の方が最初旗色が悪かったのであるが、最終的には大橋巨泉の方が旗色が悪くなる。 場面が変わり、妖精の女王に会いに行く時のような廃墟のような街を歩いて、がれきに半分埋もれた地下に続く階段を降りるとテレビのスタジオがあって、大橋巨泉とスタジオ運営スタッフがいて、話しから戦争かなんかの反対かレジスタンスのための地下放送のスタジオだということがわかる。ただ、大橋巨泉もスタジオのスタッフも元気がなく、どうしたのかなと思って眺めているうちに目を覚ます。 No 0250 1989 平成元年 3月8日 水曜日 ソファに座って幼児を抱いて座っているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいて、髪型はショートボブ。 67番の夢の部屋と同じく、ドアの上に自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られていて、光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれている。ドアの上のプレートの名前からここが夢の世界の自分の専用の個室であることがわかる。12畳の部屋の中心に畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、部屋は東西に長く南北に短く、テーブルは長辺を東西にして置かれている。2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。窓は部屋の東側と北側にある。部屋の東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドがある。西側の壁は3メートルある天井まで全てつくりつけの本棚になっていて一部スライド式の棚になっている。南側の壁は中心から東側の窓の壁までがクローゼットになっている。中心から西側はクローゼットの扉のすぐ隣が縦に畳1畳分の大きな鏡があり、本棚のある西側の壁よりに出入り口のドアがある。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、鏡側の西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっている。ドアの前に黒のスチールの机があるが、この机は両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の上には左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきの飾り棚がある。この作業台の上の西側よりには、テレビとビデオデッキとミニコンポが置いてある。 上記の部屋のソファにすわり、眠る幼児姿の135番の夢の孫の16代明伸を抱っこしながらぼーっとしているとノックの音がして55番の夢の恭仁見つかさが入ってきて、ちょっと驚くが 「あらあら、しんちゃんなんだ、この姿って珍しいわね」というので 「たまにはね、じいさん気分さ」と片目をつぶりウインクすると恭仁見つかさが吹き出すのと同時にまたドアがノックされて169番の夢の中務香奈枝が入ってきて 「あららっ、しんちゃんってばもおっ、かわいいんだからあ」と母親丸出しのセリフに私も吹きだす。やはり騒々しさに目を覚ましたのと周りの雰囲気に驚いていつもの姿に戻って、慌てて立ち上がってソファの横に直立不動になってしまう 「しんちゃん、まだ甘えていてよかったのに」と私が言うと 「いや、でも」とちょっと恥ずかしそうに言うと、母親である中務香奈枝が 「うん、あかんぼのあんたも大人なあんたも可愛い」といってだきしめるので、明伸が顔を真っ赤にしてうろたえるので助け舟ということで 「ところで、ミドリもナカちゃんもどうした、私になんか用事かい」というと2人とも私に向き直り 「そうなのよ、この間の菱関のお披露目の時にさ、杉本がいたけどどういうことなのさって話題になっているのよ」と同じ事をいうのと、明伸も 「僕もですが、あの時は何も言えない雰囲気でしたけれど、結構納得いかない方は多いですよ」というので 「杉本はれっきとした7葉家の葉瀬家の総帥だよ、あの場にいるのは、不思議でもなんでもないさ」とさらりというと、3人ともそんなものなのかなーという表情をしているので、こりゃこの場にいない全員にも解説する必要があるなと思い 「下にみんないるんだろ、その話しも含めて、お茶会にしよう、どうだい」と水をむけると流石に風向きが変わり 「じゃ、おやつ用意するわー」 「しんちゃんみんな集めてー」 「はいっ」という言葉を残して私一人になるので、ソファの前のガラステーブルに肘をついてほほづえついて 「やれやれ」とため息がでるが、部屋から出て一階のダイニングへ向う。 10畳のダイニングの中には55番の夢の恭仁見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、66番の夢の息子の24代美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の16代明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、3番の夢の尾崎儀一、22番の夢の尾崎晁堊、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、130番の夢の今野千光、101番の夢の高城ハル、1番の夢の木村聖一、木村聖二、212番の夢の弟分の木村京、81番の夢の仲串勝美、55番の夢の武田詩織、169番の夢の阿倍佳奈子、162番の夢の風間了、14番の夢の寺島小百合、55番の夢の大島玲仁の28人が茶菓も全員に配られて私が来るのを今や遅しと固唾を飲んで待ち構えている様子が見えるので思わず苦笑が出るが、自分の席に何気ない平静を装い座って一口お茶をすする。 ちょっともったいをつけて 「まずは先日の菱関家お披露目のときはみんなご苦労様とありがとうをいわせてもらう」と一呼吸おいて「いろいろ訊きたいことや疑問があると思うけれども、まず杉本のことだけれども、まあいろいろ嫌われたり誤解されているけど、れっきとした金蓮15家の7葉家のしかも筆頭格の葉瀬家の総帥なんでね、しきたりと礼儀上、あの場に呼ばないわけにはいかないのさ、それにあいつもちゃんとおとなしく礼儀を通していただろ、金吾のじいさまの面子つぶしたら偉い事になるのはあいつも承知しているからね。まあ、いろいろ言いたいことがあるのはわかるけどね、あんまり騒がない」と一気にいうと、ダイニング中から「「ほーっ」」という溜息があがる。代表するかのように尾崎儀一が 「まあ、気に入らないからという理由だけで、先方が礼儀知らずであっても、こちらが礼儀を欠いていい道理はありませんからね、それにしても腹立たしい思いはあるが」と言葉尻を濁しつつも大人の発言で場をまとめるあたりが流石尾崎儀一だと感心する。 「ギイの言う通りでね、本当なら先に杉本から今までの非礼を詫びてしかるべきなんだけどね、それがないのにあの晴れの公式の場にしゃしゃり出やがってというのが大方の気持ちなのはわかるよ、私だって決していい感じはないんだけどね、そこは大人の礼儀ってやつさ」と全員に笑ってみせると、やっとどうにか納得したような雰囲気になるので 「まあ、あれだけギイやアーサーの山返しも見せつけたし、菱関家の2人の高い能力を証明する特大の金蓮花も咲いたことだし、態度を改めると思うよ」とダメ押しをしておく。 珍しく高城ハルが 「天界騒動の時のアムランの勢いも凄まじくって、悪だくみする方々の肝を冷やしてますけどね、今回もかなりのアッピールになってますからね、当分手出ししてこないでしょうし手の出しようもないようですよ」ときっぱりと言うので 「ハル、ずいぶん確信もって言うけどさ、ナンカ情報はいった」と尾崎晁堊がおやおやっという表情で高城ハルの方を見て言うと 「うん、アムランが一番知っているハズだけどね、国見と菅井にチョッカイ出していた親玉の一人が自滅して、下っぱ連中が同士討ちやって、こちらに手を出すどころの状況でなくなっていますね」というと、今野千光が 「確かにうちも、いろいろなごたごたが潮が引くようになくなっていて正直、嵐の前の静けさみたいで心穏やかでなかったんですけどね、本当に自滅したんだとしたら楽だな」とほっとしたような表情をする 「そういえば紫藤もホントに静かで、家令職の直江にまかせていますが、順調と報告がきていますからね」と木村聖一が今野千光の方を見て言うので、つられるように私の左右の恭仁見つかさと鏡剣も考え込むようなしぐさを姉弟同時にしながら 「うちも静かで順調よね」と2人して同じつぶやきをする。 「今んトコはね、まだもう一人黒幕中の黒幕は健在なんでね、油断は禁物なんだけど、手足は全て潰したし、金吾のじいさまも相当なニラミきかせてるんでね」と私がさらりと言うと 「アームランー」と間のびした声を出しながら橘夏希が続けて 「さらっとコワイこといわないでくださいよー、手足は全部潰したなんて、結局もう大丈夫っていうことでしょう」と横目で確認するようにいうので 「あくまでも、油断するなってコトと今のうちにお家再興と大修理済まして力蓄えておきましょうってコト」と少しおちゃらけて言うと、全員から「「ほーっ」」という安心のため息とが漏れるのと「「やりますか」」という気合いが入るのがわかる。 「では、さしあたって菱関家の新しい本宅の縄張りと棟上げですな」と今野千光が棟梁らしく水を向けてくれるので 「そうだね、菱関の本宅と庭と薬草園の整備をして、国見の本宅の改修と庭の整備と家伝書の復元作業と奥宮5家の双子金蓮花の池の手入れと久慈家の捜索とできれば再興、紫藤は問題なさそうなので直江に当分まかせておけばいいんじゃないかな」というと、一部「「えっ」」という反応があるので、紫藤聖一が説明しかけるのを目で制して 「もうちょっと私から説明するけどね、直江は葉根家の一門衆であるが、古くから紫藤の家の執事職、古い言い方だが家令職を務めてきた家柄で、菱宮5家は現在4家しかなくて、久慈家が名跡を絶やしたというよりはかなり前から行方不明、おかげで菱宮5家がどことどこの家だったのということが忘れ去られて、菅井、武田、井伊、金井の家は金蓮15家に所属しているのはまちがいないが、どこかの一門衆としての伝承しかなかったんだけれど、ホントは5家が全て同格で5菱家は実質9家もあることになるのさ」というと金蓮である橘姉妹以外は全員驚く 「ということは、今ここに久慈と金井以外の菱宮家は全員そろっているということですね」と葉根家総帥でもある風間了が確認するようにいうので 「その通り、金井恵一にはうちくるように打診したんだけど直江の賢次とは大親友なのと紫藤の家の古文書に興味あるんで、結局紫藤の整理整頓と守護取纏め役自分でかってでちゃったし、誠実さでは金吾のじいさまが認めているし、学究者としては私も高い評価をしているから、紫藤の守護取纏め役としては家柄としてもふさわしいので、しばらく紫藤住込みさ」と私がいうと紫藤聖一と聖二の2人が 「いや、ホントに頭がさがるんですよ金井恵一って、大した人ですよ」 「もう、感謝のひとことしかないですね」というと全員から「「ほおーつ」」と感心したという内心の声が聞こえてくる。 「ところで、金蓮15家って本宅必ずありますよね、菱宮の場合は本宅は5か所もあったっていうことですか」と今野千光が訊くので 「流石だね千光、宮大工の今野家から今野の暖簾もらっているだけはあるよな、奥宮もとい菱宮家の場合は、本宅は地形そのものでね、菅井家のある場所ってカルデラの山の中に湖があって、このカルデラ自体が本宅で家宝のほとんどはここにあるが、金蓮花は最初から二つ持っていて、隠し場所として敢えて別宅二ヶ所、現在の武田家と井伊家のある湖に分けて隠した上にダミーの家まで用意したという周到さでね、菱宮家の初代がかなり用心深い人物だったってことさ、用心深い理由は宮の文字が入っているから気がついている者もいるかもしれないが、実は帝の一族なんだ、祭祀を専門に扱っていた親王家で、呪術の奥義と帝室に万が一のことがあったときの隠し資産の管理人でもあったわけで、今でも隠し財産というか秘宝というか、財宝の総額は見当もつかない、サチの菅井家総帥就任宣言のときにサチは湖の底の黄金見たと思うけどね、あれはほんの一部」というと、菅井佐知が 「あれで、まだ一部なの」と絶句するのと、今野千光が 「噂ではこの世界の黄金の半分はあるそうですが…ホントだとしたら恐ろしい」とさすがに青ざめているので 「いや半分とまではいかないが、3割はあそこの湖の底にある、金吾のじいさまが言っていたからまちがいないし、私もこの間見た感じでもそのくらいはあると思う」というと全員から「「すごいな、ほーっ」」とため息が漏れる。 さらに「ダミーとは言ったけれども、久慈家と金井家は古文書や奥義秘伝の継承担当だからバカにしちゃいけない」と全員に念をおしておく。 尾崎儀一から「さっき双子金蓮花と言っていましたが、二つあるのは初代は双子だったということですか」と訊くので「さすが葉室と尾崎の総帥は力も頭もすばらしいよな、そうなのさ、兄の家系が菅井と井伊と金井で、妹の家系が武田と久慈と言われて丁度金蓮花も二分している」とにっこり尾崎儀一に笑いかけると、少し照れて赤くなるのがわかる。 「アムラン兄ちゃん、今気がついたんだけど、お兄ちゃんの家系の菅井と井伊と金井の名前に井戸の井の字が入ってるケドなんかあるの」と木村京が訊いてくるので 「キヨシお前数学だけでなくて、こういうことも敏いよな、金井の名前はある意味モロバレだが、井戸の井の字って鉱山とか金庫という意味なのさ、だからこの場合は金庫番という意味と金井の場合は金の鉱山の管理者という意味がある」というと全員驚き「「信じられない」」という雰囲気になるのと当の菅井佐知と総帥代理でもある今野千光と井伊が目を白黒させているのと菅井家から武田家に養子に行った武田詩織まで 「うそっ」という表情のまま唖然としている。 「話しはまだ続きがあってね、久慈も黄金という意味があって、武田の家紋は武田菱だけどあれ黄金の輝きを表現しているともいわれているのでね、ついでに井伊と武田は武術の奥義も伝えているのはガードのための武術だし、財宝と金山と鉱山技術と呪術の秘伝自体をいろんな意味で守っている一族が菱宮5家っていえるだろうね」と一気にしゃべりお茶を飲み干すと全員から深いため息がもれたり、考え込む姿が見える。 尾崎晁堊が「はあーっ、いつもながらアムランの物識り博学は脱帽だけどさ、僕ら金蓮15家だかの名家らしいけど全然自分達のことわかってないよなー」とぼやくと紫藤聖一も 「それはホントだよ、ある程度は自分の家のことは知っているけど、身内のゴタゴタ多いから本当の真実って失なわれているよなー」とこれまたぼやくので 「まあ、まわりから見たら恵まれていて、権力も地位もあるから妬みとやっかみとあわよくば利用したり搾取できればもうけものと思われるのはいたしかたないが、本当の役割を知ったら、そんな愚かな思いで貶めようとするよりも尊敬してしかるべきなんだか、人の心はなかなか奇麗事ですまないから、自らにかかる火の粉を振り払う実力を併せ持った家が多いし、お家騒動とか狙われて乗っ取られたとかで消滅したりする家もあるけど、中には自ら姿を消している家もあるからね、本当なら一門衆を含めて金蓮15家ってこのあいだは45家で重複継承しているので38人しかいなかったが、61家はあるはずなんだけどね」というと金蓮である橘姉妹が 「えっ、そんなにあったんですか、金蓮花の下賜総数は21で金蓮花は持たないけれども一門衆として公認されている家は26家で合計47家と記録にはありますが」と驚く 「しかも、現在行方不明の金蓮花はまだあと3つあるのは藤丸家の総帥のひげの竜也殿の調査で判明しているのと、このあいだから私の話しに出てきている存在しているハズだがわからない菱東家を筆頭に久慈家を含めて、名跡を絶やしたわけでもないのに行方不明というか所在不明の家が、完全に絶家した9家をのぞいて6家いるというか、ある事は金井と私の調査で判明している」というと 「えっ、3つも行方不明」と金蓮である橘姉妹がことのほか驚くのと「9家も絶家してんの」と風間了が驚きさらに、宮本一が「行方不明の6家ってナニ」と呆れるので 「タクミが呆れるのも無理はないけどね、お家騒動だの、乗っ取りだの、秘儀の伝承を守り抜くなどの理由からと思われるが、存在を隠している家があるということだが、この6家の内3家は絶家している可能性があるのだけれども、3家はどっかに必ずいる、そしてたぶん世界を影から守っている」というとダイニングの中が静まり返る。しばらくの沈黙の支配をうちやぶるように 「久慈家ってどっかで聞いたような」と今野浩之がぼそっというと 「えっ、ヒロ兄何か知ってるのかい」と弟の佐藤優二が慌てたように訊くと「いつだったか忘れましたけれど、うちの裏の松の葉にぽんかんそっくりの黄色い実が生る木のことだけど、名前知らなかったんだよね、ただし旅人の安全のお守りと佐藤のおばあ様の話しでは万能薬といっていたやつだけどね」と何かを思い出そうとしているので 「あれは金松光翔樹というのが正式の名称で、確かに様々な用途に使われる万能薬の元となる成分が含まれているのと、呪術的にも魔除けと再生の効果がある、菱関家の秘宝の一つだよ」と私がさらりというと 「そう、それ金松光翔樹の実を下さいって子供と女の子が来てといっても別々の日だけどね、今お礼はできませんが必ずいつかお礼しますのでくださいと言って持って行ったことがあるんだけど、そのときね、女の子は名前を久慈といったような気がするんだよなー」と今野浩之が腕組みをして考え込みながらしゃべると 「子供ですか」と弟の佐藤優二が訊くと 「たぶんね、男の子は5〜6歳くらいだと思う、女の子はもう少し大きいと思う」というので「ヒロ、男の子の方は何か持っていなかったか」と私が訊くと 「うーん、やたら大きなかばんをしょってた印象はあるんだけど、なんか持ってたかなあ、むしろ女の子の方が杖かななんか持ってたような気がする」と思いだそうとしてかなり考え込むので 「大体、見当がついた、男の子は菱東の初代だ、女の子はおそらく久慈の何代目になるか分からないが久慈の祝姫(はふりひめ)君だ、やっぱり実在したか」というと 「えっ、菱東の初代って」と考え込んでいた今野浩之がけげんな顔をして私をみると周りも「「どゆこと」」という雰囲気になるので 「実はね、菱東家だけは初代がいまなお現存しているといわれている、しかも様々な伝承を総合すると童形まあ子供の姿のまま、様々な善行を施して歩いているというそうだ、当然子孫や一族はなく、本人だけの家だ」と言うと 「それって、マジ」 「バケモンじゃん」と騒然となる。 「それと久慈の祝姫は言ってみれば巫女だが、正確には陰陽師で菱関家と同じく薬師もやるから、なんかあったんだろうな、どうしても金松光翔樹の実が必要でやむなく現れてしかも礼儀を通すのだからたいしたものだ」と1人で感心していると。 「ということは菱関家に礼をしに現れる可能性がありますね」と尾崎儀一が言うと 「いや、すでにしている、しかも見えないように、さりげなく心憎いくらいだ」と私が真顔でいうと 「心あたりないんですが」と今野浩之が当惑したようにいうので 「金蓮は最後に署名したから見ているはずだが、菱関家の広宣の儀の名簿に出席していなかったはずの菱東と久慈の名前がいつのまにか書きこまれていたと金吾じいさまから聞いた、たぶんそれだ」というと 「えっ、あたしたちが見た時はありませんでしたよ」と金蓮である橘姉妹が驚くので 「あの名簿は雲の上に認証されたあと、金吾じいさまのところに戻って金吾じいさまが預かっているんだよ、運ぶのはうちのふくろうくんだからね、彼からも聞いたからまちがいない」と私がいうと 「広宣の儀の名簿に箔をつけてくれたということですわね」と金蓮である橘姉妹が言うので 「その通りだね、あともう一つ私も最初わからなかったんだが、どっちからの礼なのかわからないが、黒曜石の薬研が俺のところに届いているんだが、これ菱関家の宝だよ」とさらりというと 「黒曜石の薬研って、伝説の秘薬を作り出して葉室を救ってくれた奥関薬宝3器ですか」と尾崎儀一が驚く、正当な所有者たる菱関家総帥である今野浩之と佐藤優二の方が不思議そうな顔をしている。 「うーん、これは私と金井と葉室家と尾崎家でヒロとユウ君に菱関の秘儀伝承の研修会しないといけないなあ」というと 「そうですね」と尾崎儀一がやりましょうと同意のサインをおくってくるので、わけわかんないけどという表情のまま 「よろしくお願いします」と今野浩之と佐藤優二が頭を下げる 「そうしたら、近いうちに菱関の家の縄張りついでに研修会するけどね、とりあえず仮本宅として今野家を金松光翔樹のある敷地ごと、金蓮花の沼の南に移築して、沼の東側に本宅構えたらいいだろうな、ということで棟梁よろしく」と場をしきると 「おまかせあれ、腕によりをかけて菱関の名に恥じないものにしますよ」と今野千光がまかせろと腕まくりするので、菅井佐知まで 「じゃ、僕も掃除ぐらいはいきますよ」と言い出すので 「掃除といえは近いうちに武田と井伊の金蓮池の手入れと国見の庭の整備もするので皆様のお力添え期待してます」と私が少しおちゃらけ気味に言うと 「「もちろん」」と全員から元気な声が響いたところで目を覚ます。 |
No 0251 1989 平成元年 3月25日 土曜日 鳥の雀が目の前でうちわくらいの大きさの四葉のクローバーに変化すると、いきなり「ロビンを殺したのは私」としゃべり驚いたところで場面が変わる。 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所に場面が変わる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 バルコニーがある奥の部屋には黒の学生服を着た高校生くらいの自分が、206番の夢と同じ濃いブルーのボタンダウンのシャツを着てブルーのジージャンとスリムのブルージーンズに黒のソックスに着替えている。 いきなり自分の姿が消えて、部屋の中はプラモデルの完成品と未組立のキットの箱が山積みになり、いきなり出現した本棚にディスプレイされているのが見える。よく見ると航空機とウォーターラインシリーズの艦船がほとんどで宇宙戦艦ヤマトやサンダーバードなどもあり、圧巻なのはサンダーバードの秘密基地とムーンベースアルファーの全体模型ですごいと思っているうちに目を覚ます。 No 0252 1989 平成元年 4月18日 火曜日 67番 机の前に座っているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいて、髪型はショートボブ。普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。 67番の夢の部屋と同じく、ドアの上に自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られていて、光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれている。ドアの上のプレートの名前からここが夢の世界の自分の専用の個室であることがわかる。12畳の部屋の中心に畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、部屋は東西に長く南北に短く、テーブルは長辺を東西にして置かれている。2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。窓は部屋の東側と北側にある。部屋の東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドがある。西側の壁は3メートルある天井まで全てつくりつけの本棚になっていて一部スライド式の棚になっている。南側の壁は中心から東側の窓の壁までがクローゼットになっている。中心から西側はクローゼットの扉のすぐ隣が縦に畳1畳分の大きな鏡があり、本棚のある西側の壁よりに出入り口のドアがある。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、鏡側の西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっている。ドアの前に黒のスチールの机があるが、この机は両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の上には左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきの飾り棚がある。この作業台の上の西側よりには、テレビとビデオデッキとミニコンポが置いてある。 机の前で書きものをして終る頃にノックの音がして恭仁見つかさが茶菓を持ってきてくれるので 「ミドリ、いろいろと落ち着いたし、今日私とデートしないか」というと 「えっ」と驚くので 「子供もいて孫もいるのに、ろくにいい思いさせてないし、ユウは周りによけいなものと言っちゃ悪いが大人数いるとはいえ結構一緒にいること多いけどさ、ミドリは私がかまわなさすぎるよな」と言って立ちあがって軽く包容するとキスをねだる感じがあったのでキスするといきなりミドリの力が抜けて自分に体重がかかるので椅子に座り直してミドリを膝抱っこするとしばらく甘えてくる 「金吾じいさまの宝石博物館とカヨちゃんの店で飯食べて国見の家でゆっくりしよう」と言うと 「うん」と返事して着替えてくると言い出てくので、自分も部屋から出て、北の迷宮の間の前の回廊で待っている。すぐに自分と同じ110番の夢の服のボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、黒のスリムジーンズ厚地のクリーム色のソックスをはいてペアルックになっているのでちょっと驚くが、結構似合っている。玄関に降りると靴も普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを2人とも履いたので、襟のタイピンと髪型以外は本当にペアルックになる。 そのままいきなり、225番の夢の嵯峨金吾の宝石博物館に2人で入り、巨大な宝石に恭仁見つかさの目が丸くなる。 「よっちゃんに聞いていたケドすごいわね」と溜息と感嘆の両方の声を恭仁見つかさが出して驚く。しばらくあちこち見ていて 「そういえば、3人の子供達ってどうしているのかしら、中庭にはいなかったみたいだけど」恭仁見つかさが不思議そうに言うので 「いや、ここにいるはず、自分の部屋から出ていないんじゃないかな、私もまだ正式には紹介されていないからね」 「えっ、そうなの」 「そうなんだよ、3人それぞれの状況と身分と環境は知らされているけどね、どうするかっていう具体的なことはまだ詰めているわけじゃないんだ」 「なんかさあー、うちや紫藤さんとこの敵に狙らわれているというようなお話しみたいだけど」と少し怒りまじりに恭仁見つかさが言うので 「そうなんだけれども、黒幕が今一わからないやつがいて、調査中なんだ、あと国見と紫藤の乗っ取りやってた連中の実動部隊は完全につぶしたけど、裏で糸ひいてた黒幕が2人いることはわかっているのと、そのうち1人は菅井のところとも絡んでるのは証拠がつかめているんだが、逃げ脚が早くてね、一網打尽にできてはいないんだよな、それと誤解があるけど杉本が黒幕って噂があるけどちがうから」 「ええっ、ちがうのっ、杉本のバカは」と恭仁見つかさが素っ頓狂な声をだしたので 「うーん、ユウやタクミやヒロやユウ君やギイやアーサーみたいな反応しないの」とたしなめると 「えーっ、あいつ(杉本)態度悪すぎるんだもん、それにまるっきり無罪じゃないでしょうに」と口をとがらすので、思わず苦笑して 「あいつ(杉本)も嫌われているなあ、そんなに悪いやつでもないんだけどねえ、まあ確かに私とかギイとかタクミとかユウに対して相当態度悪かったのは事実だけどさ、真実は好意の裏返しでさ、素直でないのよ」とやれやれといった感じで言うと 意外そうな顔をして 「なに、思春期の男の子が好きな女の子いじめたり、いたずらするようなレベルなの、あれで」とあきれたという口調で言うので 「それ半分と嫉妬半分だからやっかい、ちなみに私も理解したのはごく最近、理美と十琉と綾乃とよっちゃんとしんちゃんは完全に嫌っているケド、まあしかたないな」と恭仁見つかさの肩をぽんぽんと軽くたたきながら言う。 「えっ、最近、そうなの」とかなり驚いたという表情で恭仁見つかさが言う 恭仁見つかさの手をひいて巨大ダイヤモンドの間に入るとさすがにダイヤモンドの巨大さと輝きのまぶしさに恭仁見つかさが唖然として茫然とするので 「すごいだろ、これ」 「すごすぎて、声もでません、ホントにこれダイヤモンドなの」と私の顔を見つめて、うそっという表情をするので、 「ホンモノ、しかもダイヤモンドとしてもかなり固いし高品質だから値段つかないし、ミドリは気付いたと思うけど、これ最高のタリズマンで大魔王でさえ見ただけで消滅させるだけの浄化力だから半端ないよ」 「うんっ、ほんとに心が洗われて行くのがわかるし、パワーがすごい」とほほを上気させて明るい笑顔で恭仁見つかさが言ったので 「じゃあ、そろそろカヨちゃんところでおいしいものを食べよう」 「はい」の返事を聞くか聞かないうちに温泉湖のほとりのカヨちゃんこと仲串勝代の料亭の前に2人とも立っている。中へ入ると意外にも客がいなくて、仲串勝代が 「お待ちしていました、こちらへどうぞ」と来る事がわかっていたかのように、奥の小上がりに通されて 和食定食風御前と湯葉が用意されて湯気をあげているので恭仁見つかさが目を丸くする。 「カヨちゃん悪いね、わざわざ貸し切りにしなくてもよかったのに」と私がいうと 「いーえ、いえ大親友の大事な憩いですもん、つかちゃんゆっくりしてってねー」とあっけらかんと言ってその場からいなくなる。 「カヨちゃーんってばー」と恭仁見つかさの涙腺がゆるみはじめるので、肩を抱えるようにして席につかせて「たべよう」と促して一緒に食べ始める。 「ナンカみんな今日は気いつかってんなあ」と私が喜ぶべきかどうすべきかというふうに言うと 「あーやっぱり、そー思う」と私の目を見つめるように恭仁見つかさが言う 「そーみたいだなあ、ユウとかヒロとかギイの気配すらしないもんな、身内の気配全然ないのも不気味だ」と湯葉を口にほうりこみながら言うと 「ホントだわ、あたしの親友達の気配もゼロなのよね、唯一カヨちゃんくらい」 「でも、見ないようにしてるケドいるぞ、いつもならべったり貼り付きだけどな、たまに私が単独行動して、さっといなくなると、すごいよ、ドタバタあわてるの」とさらりと言うと 恭仁見つかさが吹き出して 「もおー、悪趣味なんだからー、金吾のじいさまといい勝負じゃないのー、そんなトコも好きなんだけどね」となにげに告白というかのろけてくれる。 「そろそろ、みんなよんでもいいわよ、あたしは今のままで十分幸せですから、みんなに愛され惚れられているアムランに惚れて魂奪われてしまった時から覚悟していたんだもの、一人占めするなんて無理」としょうがないわとかなりあっけらかんと笑うので 「わかった、でも、これは私の気持ちと」恭仁見つかさの唇にかなり強めにキスしてから 「でも今日は、あいつら呼ばない、ただ、これから国見に行くので、ユウだけ呼ぶけどな」 「えっ、うち」と不思議そうにいうので 「ちょっと調べものと2人と内緒で打ち合わせしたいことがあるんだ」というと、なんとなくわかったという顔とちょっと嬉しそうな顔をする。 仲串勝代を呼んで 「カヨちゃん悪い、お代全員の分おいとくから、あいつら全員呼んでめしふるまってほしいんだ、剣にだけめし食ったら国見にくるように伝言たのむね」と言うと 「あらま、さすがアムランお見通しですねー、貸し切り代はいりませんけど、みんなのお代はありがたく頂戴いたしますわ」とさりげなく受け取ってお茶を置いて行く。 「なあ、カヨちゃんってさすがだな、清水とタイはれるよな」と恭仁見つかさにいうと うぷぷと笑いながら 「そりゃ私たちの大親友ですし、接客の超ベテランで最高の料理人ですもん」 「そうだな、もう少し休んだら行くか」 「ええ」 2人ともお茶を飲み終えた瞬間に場面が国見家の本宅の日本庭園が見える座敷に移動している。 「やっぱり花梨の一枚物の座卓は手触りがいいね」と隣に座る恭仁見つかさに言うと 「ええ、初代からの年代物ですからね、私も気に入ってます」天板に頭を横にしてほほで木の感触を楽しんでいるので、子供みたいなことやるんだなあとほほえましく思っていると廊下に気配がして鏡剣が入ってきて目の前に座る。 「メシくえたかい、ユウ」と笑いながら言うと 「バレバレでしたねえ」と苦笑しながら続けて 「いきなり勝代さんに全員よばれて、ごはんですよーですからねー、みんな、気付いてんのかアムランって驚いてましたね、あれだけ気配消してるのにわかるんだったらバケモン、とっとっ失礼しました」と最後に失言らしきセリフを慌てて打ち消すところは黒田勇一のくせが出る鏡剣に 「バケモンなのは事実だからいいのさ、ただね、逆に気配消し過ぎてバレバレだったのよ今回、あんだけ静かだと、逆にみんな見てますよと言ってるのと変らんのだわ」と私が笑うと 「あたしでさえ、そう思った、なんかねー、息殺してる様子が見えちゃったよーな気がするなー」と恭仁見つかさが少し茶目っ気たっぷりにいうと 鏡剣がため息ついて 「あーあ、逆効果かー、姉さんにまで言われるんだもんなー」と降参しましたと手を上げるので 「まあこの話しはしまいにして、呼びつけて悪かったけど」と言いさすと 「とんでもない」と鏡剣がが慌てるのを目で制して 「今日はね国見の秘密会議と打ち合わせ」と私が言うと恭仁見つかさが卓につけていた頭をおこすと 「総帥権の分担の話しですわね」と私の方を見て言う 「それもあるけど、国見の奥義と秘宝の説明会」と私が言うと 「国見の奥義ってなんでアムランが」と2人が同時に不思議そうに訊く 「ここんところ、お互いに告白っていうか愛の確かめ合いみたいな事を結構やっていて幸せなんだけどね、大事なこともあるので、今日は3人だけにした、2人が俺に惚れたのが先と言っていたけどね、前にも言ったけど私が先なんだ、奥義とからむ話しもあるからね、国見家とは先々代と親しかったというか華道の技の方で認めてもらっていたのさ、そのときに愛らしくて利発でさ、将来の美貌が見えた姉弟に一目惚れして、言葉は悪いけど絶対自分のものにしたいって思ったのが真実」と一気に言うと2人とも 「「そんな前なの」」と驚く 「うん、で先代のときにお家騒動でこの間までの凄まじい状況だったわけだよな、まだ先代の時代の始まりの頃って私も大した力も能力もあったわけじゃないから、ミドリとユウが行方不明になって国見もめちゃくちゃになったときはホントに力がなくって悔しい思いしたんだ」と少し昔のつらい時代を思い出したか自分でも少し泣いていたらしい。 2人ともだまってハンカチでぬぐってくれる。 「私にとっても、国見が無事もどって、かわいがってくれた先々代の恩返しがやっとできたなと思っている」というと2人とも涙ぐんでいる 「そういえば、とうさんの顔もおじいちゃんの顔もよく覚えてないんだよねー」と2人ともぼやくようにいうので 「あれっ、国見に肖像画とか写真残ってないのか」と私が驚くと 「探しましたけど家宝と家具はどうにか無事だったんですが、古文書と代々の肖像画だとか写真資料がことごとくないんですよ」と鏡剣が悔しそうに言う。 続けて恭仁見つかさが 「私達が身につけていた鍵のおかげで、誰も開けられなかった隠し財宝の間の秘宝や奥義書はどうにか無事でしたけれど、家の歴史の記録と華道の秘伝書の肝心なところがなくなっているんです」と本当に困りましたという顔をする。 「しっかし、あいつら何が目的だったのやら、古文書は持ち出すわ、歴代の生きた証を消滅させてしまうんだからとんでもないよな」と私も怒りはじめると 「やつらの目的って要は銭と権力と秘儀の独占ですよね」と鏡剣が言うので 「全く、ユウのいうそのとおり、あっそうか、それで家とか人を破壊するのかあいつら」と私もいまごろ気がついたことがあって自分で考え込む 「あらっ、やつらの目的はわかっていたんじゃなかったんですか」と不思議そうに恭仁見つかさが訊くので 「やつらの今までの行動が財貨をメインに奪っていた印象が大きくてね、人まで滅ぼす理由まではちょっと考えてなかったんだけど、邪魔者の排除という目的もあるんだなあ、やっぱり、もうしばらくあの3人は宝石博物館に匿っておかないと危ないな」と私がぼやくようにいうと 恭仁見つかさと鏡剣が「アムラン邸は大丈じゃないんですか」と不思議と姉弟同時にハモって言うのでちょっとびっくりしつつも 「いや、うちは入れ物ができただけで完璧じゃない、霊的防御も魔法防御も風水防御も全くできていないに等しい、かろうじて家本体と住んでいる人間達の人的な実力でカバーしているだけ」というと2人に「うそっ、マジ」と驚かれるので 「むしろ国見のこの屋敷とか紫藤の舘とか尾崎家とか寺島家に仲串家に小さいが今野家の方がかえって安全だ、古の結界と屋敷守と金蓮花が守ってくれている」というと 「「はあっ」」と2人からため息がもれる。 「て、ことは国見の屋敷が戻った以上は僕らで守んなきゃいけないですよねー」と鏡剣が真剣な表情でいうので「実はそのことなんだ、俺が前に長谷川にやらそうかなと言っていたがそれはダメだ」 「あ、やっぱり」と恭仁見つかさが納得したようにいう 「ミドリがさ、国見流占術の家元は総帥として継承して、ナカちゃんと阿倍ちゃんを幹部と補佐役としてやっていくことにはなったよな」 「そうですね、国見の総帥としての責任は直接果たすつもりですし、占いは自信があるし、協力者もかなりいますので頑張りますけど、問題は華道なのよねー」と鏡剣と顔を見合せてため息をついて言う 「恥ずかしい話しだけど2人とも華道のセンス無しのうえに古文書と奥義がほとんどないのも華道なんですよねー、お道具はなんとか無事みたいなんですけどねー」と肩を落とすので、 「大丈夫だ、国見の華道の奥義なら口伝を先々代から伝授された国見の人間以外の奴がいるし、奥義書の中身と変わらない免許皆伝の秘伝書を持っている奴ちゃんといるからなんとかなる」と言うと 「いたんですかそんな方、今井家のだれかですか」と恭仁見つかさが勢い込んでいうので 「目の前のこいつが口伝と免許皆伝保持者」と人差し指と親指を同時に自分に向けていうと、2人同時に目を向いて仰天する 「えっ、うそ」と鏡剣が驚くのと 「でも、ありえるかも」と恭仁見つかさも2人してパニックになるので 「ちょっとまってろ」と言い置いて本宅の続きの蔵に入り、大きな箱を持ち出して2人のところにもどり、卓に空中から紫の毛氈を出して花梨の卓に敷き、驚く2人をしり目に箱から華道における生け込みの器の代表格の薄端を取り出して紫の毛氈の上に鎮座させる。年代物で全体が黒光りし、取手のところに竜の彫刻がされている重量感あふれる圧倒的な存在感を醸す薄端が2人の驚きの視線を浴びる。 「これが国見の黒薄端とよばれる国見華道の最高の花器で国見の7宝の一つだが、邪な心を持つ者はこれを持ち上げる事はかなわぬ。ゆえに持ち出しと破壊をまぬがれた国見華道の魂だ」と言うと2人が卓に思わず平服してしまう。 続けて「本来なら私ごときが扱えるような存在じゃないんだがな、この事態ではやむおえないから国見の正当な継承者に一部だけど口伝と秘伝を今日は伝えようと思っていたんだ」と静かな口調でいうと 背後からいきなり 「国見の大婿殿、あなたは御立派にその資格があられますし、技も極めておられよう」と重厚な声がかかる。最初から声の主の方を見ていた恭仁見つかさと鏡剣が 「国見守様」と絶句する。 急いで振り向き跪き 「お舘様失礼いたしました、それとご無沙汰いたしております」と頭を下げると 「いやいや、頭を上げてくだされ、あなたは国見の大恩人ぞ、遠慮は無用」と言われる。 「それに、ただの婿殿ではない、大婿殿ですぞ、国見の宗主の資格が十分おありだ」 「いえ、それはありがたいお言葉なれども、私は野人ゆえ遠慮いたしますが、ふさわしき者の心あたりがあります、しかも国見の血をひいております」というと 「ほう、娘御かの」というので「御明察」というと後で控えている恭仁見つかさと鏡剣が驚きつつ 「綾かな」とささやきかわす 「少々失礼して」と立ち上がりパシンと一回手を叩き 「綾乃いいか」と叫ぶと千早に身を固めた綾乃が入ってきて、驚く恭仁見つかさと鏡剣に一礼して国見の黒薄端の前に正座する。 「では国見守のお舘様立ち会いのもと国見流華道口伝と奥義秘抄伝授口上す」と綾乃に正対して座り、国見の黒薄端と綾乃に両手をかざし 「くにみつはなのみちは、てんちじんのわごうと、かぜのながれをきにうけて、だいちのうつわにこれをもり、ときみちる、はなのみやびをとこしえに、こころしずかにたたずみ、ひかりとなして、いにしえのはなのみちからをたみくさに、わけしあたえし、さかえよ、いのちとこしえに、くにみつちからはこれをたたえん」 と国見華詩を唱えると庭の池の方がにわかに明るくなり、なにかぽこっと音がして 私がその場の全員に見るようにうながすために 「金蓮花があそこに咲きました」というと国見の黒薄端も微妙に振動して向きが変わる。次の瞬間に黄金の蓮の花の一輪がすこしなびく感じで国見の黒薄端に生け込まれている。 驚く全員の前で「これが国見華道の最高秘伝の壱の字天地人の要(かなめ)と申します」以上をもちまして国見華道口伝と奥義秘抄伝授終了といたします、方々足を崩し御鑑賞くださいませ」と口上して、打ち合わせどおりに綾乃は下がらせる。恭仁見つかさと鏡剣が茫然として金蓮花が生け込まれた国見の黒薄端を見つめ続けている。国見守が静かに立ち上がると 「久しぶりによい目の保養をさせてもろうた、流石、国見の初代もかくやのお手前、しかと見とどけましたぞ」と言い残し奥へ消えていくと、恭仁見つかさと鏡剣がはっとして国見守の去った方をみつめた後で私に視線を送ってくるので、解説の必要があると感じて 「ホントはね奥義ってこれだけじゃないんだけれども、これは最高奥義の頂点で、他の流派もそうだけど、生け込みとは器を生かし花を生かして動きと穏やかな和の心をいかに簡潔に表現できるか、その極限の姿がこれなんだよ、なかなかできるもんじゃないけどね、たぶん私も最初で最後かも」というと 2人ともほーっと深いため息をついて 「アムランってこんな技もちだなんて詐欺だー」と叫ぶので、言うにことかいてこれかよとあきれるが、 「しょうがないよな、国見のお舘様にも言ったけど私は本来野人だからな」とニヤリとすると 「まいりました、惚れ直しました、一生ついてまいります」と2人が平服してしまうので、こっちが慌てて「おいっ、国見の総帥2人がそれじゃマズイんだって、俺はあくまでも婿でここの家の中では2人の下なんだぞ」というと 「国見の宗主の大婿殿って国見守様が言った以上はアムランが総帥の上なの、そんくらいはわかってるから」と2人からブーイングがくる。 あちゃーと私が卓にひじをついてうずくまるようなかっこうをすると、2人が左右から寄ってきて私の肩を両側から抱き抱えるようにしてしがみつく。3人でほほよせあう感じで国見薄端と生け込まれた黄金色燦然と輝く金蓮花を眺めているうちに目を覚ます。 No 0253 1989 平成元年 5月16日 火曜日 55番の夢の恭仁見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一、22番の夢の尾崎晁堊、23番の夢の佐藤優二、14番の夢の寺島小百合、80番の夢の杉本雅嗣の7人とパチンコ屋でパチンコしているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき、黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 他の7人は上着と靴はバラバラであるが、みんな下は黒のジーパンをはいている。パチンコの方はみんな一斗缶一個分は出している。先に帰ろうとして景品交換所に行くと早見優が先に交換していて、挨拶してくるのとオラクルのサインをねだられるのでお互いに色紙交換する。景品は不思議な事に2000円に3円足りないですねといわれながらもかなり大量のお菓子を持たされる。杉本は結構な金額だったが、私と早見優と他の6人が見ている前で全額募金したので杉本のことを知らないはずの早見優にまで 「えっ、がめついあいつが信じられないわね」と言われているので、私も恭仁見つかさと顔を見合せて苦笑する。他もかなり意外そうな顔をするのと 「見なおしたかも」という宮本一のささやきに聞こえたらしく杉本も苦笑しながら先にしけもくくわえて出ていったところで目を覚ます。 No 0254 1989 平成元年 5月21日 日曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところから夢がはじまる。 206号室の奥のバルコニーから東側の空き地を眺めている。空き地にはアパート建設の建築確認の看板がでているのでアパートの基礎が掘られていて幅20メートル長さ60メートル深さ2メートルくらいの四角い穴があいていて、周囲を鋼板で囲ってある。いきなり自分の部屋のある建物が揺れ沈むような感じがあり、 「おおっ」と声が出て外を見ると建築中のアパートの基礎用の穴から水が大量に吹き出し、土が盛り上がってくる。私は土の圧力の計算ミスして鋼板を打ち込む長さが足りなかったんだろうとやれやれと思う。自分の部屋のある建物も三分の一めりこんでしまっている。このあと状況を見ようと思って外に出ようとすると地震があり、あまりの激しさに部屋の真ん中で倒れてしまうが、どうにか部屋も無事でおさまったのでドアをあけて外に出ると、太陽がやたら眩しいので変だなと思っていると、自分の部屋のある建物の隣の隣の208号室から向こうが完全に崩れてしまっていて、ガレキの山になってしまっていて、あたりを見回すと周囲1キロメートル四方瓦礫の山で街が跡形もなく遮るものがなにもなくなっていて驚く、絶句して立ちすくんでいるとまた余震があり、鉄板で右手の指と右足を少し怪我する。向いのアカシヤのポールの大看板はびくともせず立っていて3階が崩れているものの2階が半分残り、1階の店はガラスにヒビが入った程度でほとんど無傷である。街の方を見ると人間の姿は大勢見えて、建物の損傷は著しいものの人的被害はそうでもない。アカシヤの社長一家は全員6人は全員無事で階段が全壊して降りれなくなった私を助けにアルミのはしごを抱えてきて 「大丈夫かあ」と声をかけてくれるので 「大丈夫です」と返事をした瞬間にズズンと音がして1階がつぶれて、ややかしいではいるものの私の部屋は無事着地して無傷というのが夢とはいえ驚く、アカシヤの社長と目をあわせて無事を喜びあっていると、また大きな揺れがあり、バランスを崩して倒れかけたところで目を覚ます。 ※ 1992年平成4年12月に柏市にある、実際のアパートの5分の1を壊して大家の息子の家を増築しはじめたのと同時に周辺のいくつかの住宅も壊して新築をはじめた事実がある。2004年平成16年7月には柏市のアパートが完全に更地にされたことを確認。 No 0255 1989 平成元年 5月24日 水曜日 快晴の空が広がる日本庭園が見える場所にいるところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。いつもと違い空からの視点がずいぶん高い場所にあり、自分の立っている場所が、240番の夢で1キロメートル四方の緩やかな傾斜地に柳が沢山生えている公園があり、周囲は2車線両側歩道つきの道路がぐるりとある東側にある。500メートル四方を白い土壁で瓦屋根が乗った2メートル程の高さの塀が巡らされ、敷地の中央には巨大な日本家屋と蔵が5棟あり、回遊式の広大な日本庭園と竹林がある。国見家の本宅の敷地内であることがわかる。北側の塀の中央付近に重厚な門があるのも変わらない。上から見るとかなりの人数が日本家屋の内外と庭で作業しているのが見える。 自分も含めて全員上着はいろいろなものを羽織っているが、基本はお揃いの白のタートルネックのトレーナーに、ブルーの厚地のストレートのジーンズに黒の軍用の革のブーツを履いている。背後から 「かなり、きれいに掃除はすみましたので、そろそろ、足場を組んで外壁の修理と傷んでいる柱の取り換えと蔵の修理をはじめますね」と紺の作業袢纏を着て鉢巻を締めた今野千光が声をかけてくる 「建物はよろしく、庭は今、専門家が来るので出迎えさ」というと 「どなたかくるんですね」 「うん、思ったより荒れているし、掃除したくらいではすまないので」と言いさしたところで正門から小柄な人物が数人の共を従えて入ってくるのが見えたので急いで出迎えに行く 「遠路はるばる御足労おかけいたします、国見の婿の…」と私のあいさつをさえぎり 「よいよい、かたくるしいあいさつは抜きじゃ、こたびの働き感服いたしましたぞ、国見の庭はまかせてもらうぞ」と言うとさっさと庭のほうに行こうとして、驚いて立ちすくんでいる今野千光を見つけて「おう、今野の棟梁の若頭ではないか、あんたも国見に出張ってたか、あんたの仕事も楽しみだの」とポンポンと今野千光の背中を叩いてそのまま行ってしまう。こうなると苦笑するしかないのと、固まっている今野千光に近づくと 「あれって、作庭の名人で生きた伝説の円州斎殿ですよね」とおそるおそるといった感じで円州斎の向った庭の方を見ながら少し声が震えているので、やれやれという声で 「第3代堀部円州斎、天才であると同時に権力におもねることなく、気に入った仕事なら無償でもするという伝説の職人でもあり、職人の神様というか、すでに仙人としての名もある方だけに粗略な応対はすまじと思っていたんだが、軽くいなされちゃったな」と肩をすくめていうと 「迫力がちがいますね、緊張しましたよ」と今野千光が少し情けない声をだすので 「おいおい千光、お前ほどの、認められて今野の若頭ともなった者が、うろたえなさんな、普段どおり平常心な」といって、円州斎と同じく今野千光の背中を軽くポンポンと叩き庭の方に移動する。影から全体の様子を見ていると、円州斎の名前と顔を知っている者が多少いるようで、動きがぎごちなくなっているが、偉い人らしいので、指示にはまちがいなく従いますという雰囲気になっているのと。円州斎の指示の下に作業がはじまっているようである。とりあえず玄関から中に入り、国見家の本宅の日本庭園が見える花梨の一枚物の座卓がある座敷に入ると、国見守と隣に眉目秀麗な青年が並んで座り、55番の夢の恭仁見つかさと105番の夢の鏡剣が緊張の面持ちで茶菓を用意して応接している。開口一番 「流石だの国見の大婿殿は円州斎殿を連れてこられたか」と国見守がにこやかにいうので 「おそれいります、私など若輩扱いで、円州斎殿には軽くいなされて、早速差配されておられますよ」と庭を指し示すと恭仁見つかさと鏡剣が驚いて庭を振り返る 「さすが、円州斎殿らしいなさりようだが、大婿殿もかなり気に入られたようですな」と眉目秀麗な青年がふふふっと笑うので 「流石ですね、万里眼の銀狐殿は見ておいでのようで」と私がいうと、万里眼の銀狐殿と私に言われた眉目秀麗な青年が慌てたように 「私ごときがアムラン、失礼国見の大婿殿に殿よばわりされては困ります」というので、国見守が 「よい、礼義正しきことは美しきことであるが、今日は普請場だ、崩してもよかろう、それに見渡すかぎり身内衆ばかりだ、多少はよかろう」と場を緩めるべく水を向けてくれる 「それを聞いて、安心いたしました、今日は身内も多うございますが、かなり尊き身の方も見えられておいでですので失礼があってはと思っておりましたけれど」と恭仁見つかさがほっとしたように言うので 「やっぱり緊張するかい」と私が訊くと 「そりゃ、もう円州斎様も本当ならば、でしょうに」と恭仁見つかさが目でも語りかけてくるので苦笑がでる。 「おやおや、国見の総帥殿でも緊張されるか」と少し微笑みながら万里眼の銀狐と呼ばれた眉目秀麗な青年がいうので、恭仁見つかさと鏡剣が少し緊張するので。本来の用件を話すことで雰囲気を変えようと 「今日は、当家の大修理と大掃除ですが、目的として当家伝承の7宝14器の捜索もございます、現在までに5宝8器まで取り戻し、1宝4器については修理と買い戻しの最中ですが、1宝と2器については、1器は残念ながら焼失したことは国見守のお舘様より伺いました。残りの1宝1器については国見を荒らした者どもをしめあげまして、どうやら国見の敷地内にあるらしいことはわかったのですが、なかなか探索できず、今日万里眼の銀狐殿におこしいただき、万里眼にて探索お願いの儀申し上げるということでした」というと 恭仁見つかさと鏡剣がしめあげたで 「あらーっ」という表情をし、万里眼の銀狐もなんだか面映ゆいというか尻がうずくというような顔をしている。続けて 「おそらく1宝1器はかなり破損している可能性がありますので、万里眼の銀狐殿には元の形状を想定ではなく損壊していることも含み探索お願いいたします」 「心得た、ではさっそく」と万里眼の銀狐が座敷から出て行く。 「ときに大婿殿、1宝1器が原型をとどめておらず、修理も不可ならばどうされる」と問うてくるので 「そのときは、小さく削り直しするか、部分を生かして象嵌細工として新たな命を与えたく存じます」と真顔でいうと 「さすがだの、匠と芸の心意気がわかっておいでだ、しかし、あれは口惜しや」 「白梅山稷図ですな、それだけではなくあまたの秘伝書と代々の古記録もことごとく灰燼と化しました、秘伝書と古記録は復元も叶いますが、白梅山稷図は…」と私が言いさすと恭仁見つかさと鏡剣も万感の思いが込み上げたらしく嗚咽する。 しばらくして落ち着いた頃をみはからい国見守が 「ところで、秘伝書と古記録を復元と申しておったが」と不思議そうに訊くので、少し目もとに力を入れて 「はい、秘伝の写しやその他の家に伝わる古記録を参考に現在、文章の収集と編集がほぼおわりまして、旧来の和紙の巻物に墨にて清書する手筈が整ってございます」というと 「そこまで、されておいでか」と国見守が驚くのと恭仁見つかさと鏡剣まで驚く。 このとき庭のほうから 「あったぞ、もっと右だ」 「深いぞ、もっと長い竿だ」と騒ぎがおこり 「ひっかかったぞ、それ」と円州斎の声がするので縁側に出ると、162番の夢の風間了と3番の夢の尾崎儀一と万里眼の銀狐と呼ばれた眉目秀麗な青年と円州斎が池の泥の中から丸いものをすくいあげて池の水で洗っているのが見える。 「ミドリ悪いがお茶と用意してあるから昼餉の用意頼む、円州斎殿をこちらにお呼びする」 「ええ」とパタパタと恭仁見つかさが縁側をまわって座敷から出て行く 「ユウは昼のしたくできているからみんなに声かけ頼む」 「そうですね」と鏡剣が玄関に続く廊下の方から座敷を出て行く、 「お舘様、しばし失礼いたします」と一礼して玄関から私も靴を履いて庭にまわる。 「玲也、見つけたかい」と私が万里眼の銀狐と呼んだ眉目秀麗な青年に声をかけると 「ありましたよ、術をかけて隠したような感じですので、みつからないのも道理です」という 「みごとじゃ国見の赤硯じゃな、無傷じゃ」と円州斎が手渡してくれる 受け取りながら 「ありがとうございます、そろそろ昼なれば上がってお休みくだされ」と円州斎をうながし 「みんなー、昼だ台所にまわってくれー、カヨちゃんの店の弁当だ」と叫ぶと「「おうっ」」と庭や屋敷のいたるところから歓声が上がる。 円州斎と玲也と呼ばれた万里眼の銀狐を座敷に先導すると、円州斎が 「おお、七色の金狐殿ではないか、久しいの」というと七色の金狐殿と呼ばれた国見守が立ち上がって迎えようとすると 「国見守よ無理するでない、そなたの大怪我承知しておる、そのままそのまま」と少し重々しい口調で言ったため、一旦立ち上がりかけた国見守が座るがどことなく苦しそうである。慌てて玲也が 「伯父上、まだ無茶なさらないでください」と慌てて座敷に駆けあがり国見守の傍らに介添えしに行く。 円州斎が靴を脱いで上がるのを座敷内の床の間を背にする上座に案内すると 「ほおーっ、国見の壱の字天地人の要の技ではないか、かくもみごとな景色ははじめてじゃ」と感嘆して立ち止まり動こうとしないので 「円州斎殿、本来は下座ですが、鑑賞しやすいこちらに座を遷られますか」と声をかけると 「うむ、そのほうがよい、こんな眼福を逃す手はない」と国見守の向い側の庭を背にする位置に座り 「うむ、国見華道の至宝の黒焔壺にこれほど見事な金蓮花は余も見た事がない」とあごに手をやり目を細めて見入っているのを国見守と玲也も少し驚きをもって見ている。 「流石に国見の先々代の秘蔵子だけはあるの、満知瑠殿」といきなり言われてめんくらうが 努めて平静に 「痛み入ります、まだまだ未熟者にて、お目汚し恥ずかしいしだいです」と返すと 「少しは崩しておるようだが、礼儀作法というものはこぼれてくるものぞな、庭の若いのも荒々しいふりをしているが生真面目だのう」と呵々大笑するので 国見守がさすがに 「殿下お戯れを」とくぎをさしはじめるので 「あい、わかった、今日は職人に徹する事にしようぞ、それにしても見事」と楽しげに床の間を眺め続けている。そこへ 「昼餉でございます」と恭仁見つかさだけではなく14番の夢の寺島小百合と152番の夢の仲串勝代まで盆を持って配膳を始めるので私が驚く。3人が配膳するどさくさにまぎれて私も一旦座敷から下がり、青磁の湯のみと薬土瓶を持ってもどってくる。 花梨の一枚物の座卓の上には薄地の赤い絹の布が敷かれ、国見守と玲也と円州斎と恭仁見つかさと鏡剣と私の分の6人分の膳が用意されている。 「すみましてございます、どうぞ」と言って仲串勝代が寺島小百合共々下がると円州斎が膳に手をつけはじめるが、私は自分が手をつける前に国見守の横に行き、青磁の湯のみと薬土瓶を持って座り 「お舘様、先にお薬湯を」といって青磁の湯のみを据えて薬土瓶から薬湯をそそぐ、これはと国見守から目で問われたので 「こちらは朝一番の国見竹の若子の先葉と新芽と金蓮花の花びらと金松光翔樹の実を菱関の黒薬研で擂り、八卦の薬土瓶にて煎じたもので金翔源湯です」というと円州斎の箸がとまる。 「金翔源湯じゃと、身体が半分に千切れても再生させるほどの怪我の回復の秘薬ではないか」と驚くので、「はい、お舘様は国見を守り、まさに身体を半分無くされました、自らの結界と国見の黒薄端の守りにより冬眠状態で瀕死の淵を泳がれておりましたが、そこから救い上げて下さった方が人形をとれるまでにはしてくださいましたが、本体の本復までは至らず、尾の再生もままならなく、今日まで過ごさせたこと万死に値すると心苦しく思っておりましたが、今朝方奇跡的に若子の先葉と新芽が出現し、藤丸家からご厚意で金蓮花の花びらが届きましたのと、最近戻りました菱関家の薬宝3器の黒曜石の薬研と八卦の薬土瓶をお借りできましたので、金翔源湯を生成することがかないました」と一気にいうと「ほう」と円州斎が感嘆と絶句の呼気を吐く。 国見守と甥の万里眼の銀狐の玲也が私を見て驚いているので 「お舘様、流石に良薬口に苦しとはよく言ったもので、金翔源湯はすさまじい味です、先に服されてから、仲串勝代が腕によりをかけた料理を味わってくださいませ」とすすめると国見守が意を決して金翔源湯をあおぐとやはり流石にひどい味である証拠にかなり苦悶の表情を浮かべるが、しばらくすると「おやっ」という顔になるのと隣の万里眼の銀狐の玲也が驚く 「伯父上、尾が」と絶句すると、国見守が 「まちがいない、もどっておる、力が身体中にみなぎるようじゃ、味はこれは飲んだものではないとわからんが、確かに金翔源湯とはたいしたものじゃ」と青磁の湯のみをしばらく眺め、しばらくしてから 「大婿殿、あなたは国見の大恩人ですが、我が天狐一族にも昔から恩恵を呉れておったが、この御恩忘れませぬぞ」と頭を垂れられてしまうので 「頭をあげてください、外ではどうあれ、ここでは私は国見の下僕、当然の事をしたまでのこと、お気になされますまい」と静かに言うと 「あっぱれな、心意気ぞ、華道の技も見事じゃが、そちは本当にいろいろなことができるのう、それと魅力は魔と敵すら心服させとるからの、国見の姫と稚児殿もこれほどの者に惚れたからには大変じゃろうが添い遂げられよ」と円州斎がいうと恭仁見つかさと鏡剣の2人が顔を真っ赤にして 「はい、円州斎様」と言うので 「惚れたの、私の方が先なんだけどなー」とぼそっと言うと 「どちらが惚れたなぞ、よいではないか、相思相愛なればな」と国見守が慈愛に満ちたまなざしで見つめてくるので 「恐れ入ります」と礼をして 「こちらを片づけてまいります」と言って青磁の湯のみと薬土瓶を持って後始末をして戻ると いきなり万里眼の銀狐と呼ばれた玲也が 「この場ですが、敢えていいますが、アムラン殿」と言われるので 「なんでしょうか玲也殿」と不思議そうに問うと 「伯父上のように、私をあなたの新家の本宅の屋敷守にしてほしいのです」と言われて 「えっ、屋敷守って、まさか、万里眼の銀狐ほどの者を国見や藤丸ならばともかく、うちみたいな新家のまだ家名すら決めていない家の屋敷守になんてできませんよ」と流石に驚くと、円州斎が 「そちの無欲さは金吾からも聞いておるが、そちの値打ちからいけば、九狐が屋敷守してもまだおつりがくるほどじゃ、もっと上をめざされよ、実力者が遠慮してどうする」とけしかけられてしまう。 「いや、まいった、天狼族と白象族と天亀族からも同じことを言われていて、まだ本宅の準備もできていないのでと辞退したばかりなんだよなあ」とぼやくと 「やっぱり、きてましたか」と玲也が嘆息する、そして 「私ではだめですか」と哀調を帯びた口調でいうので、こりゃ困ったと思っていると 「ほっほっほ、玲也殿は、惚れたようじゃの、こういう場合はの、正室方に聞いた方がええ、どうじゃ2人とも」と円州斎が恭仁見つかさと鏡剣の方を見て問うので、最初目を白黒させていた恭仁見つかさと鏡剣であったが、2人目をあわせてからうなずき 「お願いいたします」と2人そろっていうので 「わかりました、よろしくお願いいたします、でも完成してないんだよな、いいのかな屋敷守の契りの儀は完成してからなんだけどね」と腑に落ちない顔をすると国見守が 「仮宅でも、それこそ天幕の仮宿であっても屋敷守の契りの儀はおこなわれてきている、むしろ完成した本宅で屋敷守の契りの儀をするほうが珍しい」と甥を助けるようなセリフを言うのと恭仁見つかさと鏡剣が承諾した以上は反対する理由がないので、ちょっとダメ押しで 「玲也殿、よろしくお願いするが、やっかまれるぞ、そのへんの覚悟は」と言うと 「大丈夫です、屋敷守は1人だけとは限らないですからね」とさらりというので こりゃ負けたと肩をすくめて玲也と握手すると、国見守が玲也を見やり 「こやつは仔狐の頃に大婿殿にたすけられておるからの、積年の思いがかのうてよかったの」と言うので 少し驚いて 「えっ、それ覚えがないなあ」と私が首をかしげると 「ホントにお母さまにもお人好しといわれるほど、いろんなことやってますからねえ」と恭仁見つかさがくすくす笑いながら言い、鏡剣もふっと笑うと 「たすけられたのは僕ら姉弟もそうですからね、どんだけの人助けや物助けや獣助けしてるかわかりませんからね」とすごいことをいうので、円州斎まで 「そちは物にも好かれとるな、しかも物にすら気を使う、床の間を見るとわかるぞよ、黒焔壺がご機嫌だ」 「たしかにご機嫌ですな」と国見守が目を細めていうと玲也が 「もしかして、下敷きの紫の毛氈ですかね」と言うと 「そうじゃの、あれは玉座を置く時の下敷きだからの、それだけの価値はあるが、魂の宿る器としても誉れと感じておるのじゃろう」と円州斎が解説風に語る 「恐れ入ります、本来黒薄端を鎮座させるための台が全てなく、ふさわしい代わりのものが思いつかず、菱の形になおしまして鎮座していただいています」というと 「芸のこまかいことよのう、それに背後の白天額も程良い景色になっておる」と楽しそうに円州斎が言うと 「大婿殿、あの白天額はいずこから」と国見守が驚いて訊いてくるので 「今日の日を迎えるにあたり、本来ならあそこには白梅山稷図なのですが、不幸にして失われてしまいましたので、藤本の姫にお願いして藤波の白天額を拝借いたしました」 「やはり藤波か、みごとじゃ」と円州斎がうなっている 「えっ、藤本の秘蔵の7反軸のひとつですか」と国見守の傍に控えていた玲也が目を剥くのと恭仁見つかさと鏡剣が顔を見合せて驚いていると 「院、お久しゅうございます、私めも鑑賞にあがりました」と庭側の廊下から畳に三つ指をついて細身の女性が円州斎に向き挨拶して座敷に入ってくると玲也が 「藤本の白姫様」と少し気押されたような雰囲気で言うと 「おやおや、万里眼の玲也殿、先ほどはさっそくのお手柄でしたわね」とさらりといい 「すごいわね、これほどの景色はめったなことでは拝めないわね、お貸しして正解だったわ、ときにアムランあなたも怪我はなおったみたいね」と爆弾発言をかましてくれる 「玲也の肝をつぶさせて俺の秘密まで暴露とは藤本の爆弾姫の面目躍如だな、お藤さん」と私が降参というふうに言うと、藤本由里江がふふふと笑い、 「やっぱり怪我してたのね、もうー無茶するんだからー」と恭仁見つかさがため息をつく 「はあー、歩き方が変だなあとは思ってましたけどね、まったく、いつ怪我したんですか」と鏡剣が心配そうな表情で訊いてくるのと国見守が「大婿殿もしや」というので 「いや、実は金翔源湯をお舘様に出す前に一口毒見したのですが、すさまじい味だったので、味の事を申し上げたわけですが、おかげで私めも、うっかり、怪我なおりました」とお茶目に言い、続けて 「先般の天界騒動の折り、やんちゃも過ぎたようですが、結構深手もやってしまいまして、不甲斐無い話ですので内緒で対症療法やってましたけどバレバレだったみたいです」と苦笑すると、その場の全員が思い出したようで一瞬沈黙の時がある。 「あれは金吾も言っておったが、余も驚いた、あのおかげで、悪い虫どもが汐が引くがごとくおとなしゅうなっての、痛快だったの」と呵々大笑すると 「楽しませてもろうたし、国見の庭の手入れも楽しみじゃ、そろそろ参る」と立ち上がるので、玲也と鏡剣が付き添い残りは見送りをし、様子を伺っていたらしい寺島小百合と仲串勝代が膳を下げに来る。恭仁見つかさも手伝い膳は下げられ、国見守と藤本由里江と私だけが残る。藤本由里江が 「アムランも国見守のお舘も全快されましたね」とにっこりとしていうので 「全く、藤本の白姫の眼力侮りがたしだよな」と私が言うと 「うちの旦那がかなり心配してましたからね、無茶やってくれるな、寿命縮むですって」と目だけ笑いながら言うので 「いや、ホント自重いたします、あちこちの雲の上からも散々言われたからね、身内にも心配かけさすのは至らなさすぎるからねえ」と反省まじりの声で国見守と藤本由里江に向かって頭を下げる 「うふふ、わかればよろしい事、まあ、でも頼らないといけない事もあるから、無理にとめないわよ」とにっこり笑ってけしかけるあたりが、藤本由里江の面目躍如である。国見守も苦笑しながら 「本復したとはいえ、少し養生いたしますかな、大婿殿、あとはまかせましたぞ」と屋敷の奥へ去って行く。それを見送りながら 「すまなかったね、いろいろ心配させたようで」と藤本由里江に言うと 「そうね、今日は楽しませてもらったわよ、もう少し鑑賞させてもらったら、あたしも今日は帰るわ」と言って、にっこり笑って床の間の方へ視線を2人とも向けたところで目を覚ます。 No 0256 1989 平成元年 5月29日 月曜日 38番の夢の幅200メートル奥行き100メートルで7階建てのビルの上にH型の20階建てのビルが乗っている構造をしている病院の中の部屋で医者になっていて白衣を着て、82番の夢の黒田勇一と129番の夢の天仁河秀一と162番の夢の風間了とカルテ整理とカンファレンスをしている。そのあと婦長の74番の夢の藤本由里江と打ち合わせしてから病院の外にでるとうっすらと雪が積もっている。 場面変わって、さびれた田舎の駅に大阪駅という看板表示があって、街の中を1キロメートルほど歩き、街外れのツタのからまった二階建の家に行きつくと、表札に菱平十一(そういち・としかず)という表札がかかっているのを見て目を覚ます。 No 0257 1989 平成元年 5月31日 水曜日 海の近くの神社に80番の夢の玉泉和典、友人のTM、74番の夢の藤本由里江、55番の夢の恭仁見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽の10人と参拝旅行に来てホテルに到着したところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 神社は空から見ると東西に50メートル南北に100メートルの神社の内陣の境内があり、その外側を東西に100メートル250メートルの外陣の境内がある。内陣の境内の北側の塀は外陣の北側の塀から25メートルのところに位置していて、内陣の全体は外陣の中央より25メートル北側にある。南側に鳥居のある正面入り口があり、内陣の鳥居の前の外陣内は東西100メートル南北125メートルの広場になっていて、南の外陣の鳥居から50メートルのところで東西に交わる幅20メートルの十字路があり、東西の塀のところにも鳥居がたっている。この十字の中心に8頭の竜が巻きついた直径10メートル高さ30メートルある竜柱が立っている。十字路で区切られた区画の角には四方から長さ15メートル高さ5メートルの竜犬の像が竜柱を見上げるような形で配置されている。神社の外陣の外側はは2車線両側歩道つきの道路が二重にめぐらされていて幅25メートルの緑地帯が二重にある。南側が商店街になっていて東側が住宅街になっている。西側はホテルや旅館などの宿泊施設と商店と住宅が混在している地域になっている。北側は二重の緑地帯の北側に2車線両側歩道つきの道路があり、そのすぐ北側に石の段差のようなものがあって幅20メートルの少し湿った砂浜になっていてその北側には川床が亀甲文様のようなジグザグの石のタイルのようなものが敷き詰められていて、南側の岸は丸石積みの石垣で、北側の岸は切り石積みの石垣で護岸されている。川の北側は幅5メートルくらいのコンクリートで固められた土手のようになっている。この北側に岩場と砂浜の海岸がある。岩場と砂浜の境目に神社側と行き来できるように幅5メートル高さ5メートルの歩道橋の形をした橋がかかっている。 宿泊する旅館はこの神社の西側の北のはずれの海が見える位置にある。 荷物を置いて12人全員で内陣の本殿を参拝し、外陣の十字路の中央にある8頭の竜が巻きついた竜柱を見物するが、壮観なものである。このあと西側の鳥居から出て海のほうに回ると蔵がある地元の小さな造り酒屋がある。この酒造の蔵の横を通りかかると、いきなり井伊直也がたおれるというか、もがきだし、脂汗を流し出すのでとっさに呪文を唱えて結界を張ると周囲に小さな石の塊のようなものが転がりだし失神するので、慌てて藤本由里江と鏡剣が手当のために井伊直也を抱え起こすが、ほどなく気が付き異常はない。 「アムラン、とっさに結界はったようだけど、なんか変なものがいたのか」と玉泉和典が周囲を見回しながら問うので 「いや、おかしなものは何もないし、だい一番にここは神域のど真ん中だから魔物のマの字もない」と首をかしげると、橘夏希が 「おかしいですね、本当に何もいないのにあの苦しみようは何でしょう」とこちらも不思議がる。井伊直也のまわりに転がっている小さな石の塊を幾つか拾いあげて掌の上で転がしていた友人のTMが 「これはいったいなんだろう、どっかで見たことがあるような気もするが」と考え込むと、宮本一がのぞきこみ 「なんだかピーナツの殻みたいですね」と言うと、友人のTMが 「いや、これは完全に石の塊なんだなあ、たしかにピーナツの実の殻に似ているけどねえ」と首をかしげる。 落ち着いた井伊直也に訊いてみると、突然霧のようなものに襲われてとっさに何か呪文を知らずにとなえたことは覚えているがそのあとがわからないというので 「魔物や何かの悪しき念でもなさそうだし」と私が言うと恭仁見つかさも 「そんな気配は全くありませんねー」とダメ押し的な発言をするので 「とりあえず結界は解いたし、用心しながら海岸まで散策して宿にもどろう」と私が言うと全員賛同して、念のために井伊直也を中心にして円陣を組む感じで歩きだす、海岸へおりる歩道橋のような橋を全員で渡り砂浜に降りると静かな海が広がっている。 「やっぱり海はいいわね」と藤本由里江がのびをしながら言うと 「潮風がさわやかねー」と恭仁見つかさが深呼吸をしている。なんとなく全員が思い思いの姿勢で海を眺めながらくつろいでいると、井伊直也が両手を頭上で組み合わせて何か唱えかけているので咄嗟にまた結界を張ると今度は苦しみもせず、そのままの姿勢で茫然としているのと、結界の外側に沿って先ほどの物とは違うが、丸い小さな石の塊がかなりの数転がっている 「直也、大丈夫か」と声をかけると 「僕どうしたんでしょう」と本人も何が起きて何をしたのかわからないでいる。友人のTMが丸い石の塊を拾いまたもや掌の上で転がしている 「うーん、これもどっかで見たことがあるような気がする」と首をひねりながら言うと、藤本由里江も 「なんかあたしも、どっかで見たことがあるような気がするなあ」と何か思い出そうとしている。 「なんかこれ、放散虫の化石に似ているな」と私が言うと 「確かに似ているな、しかし今出来たものだろう、化石ではないよな」と玉泉和典が疑問を呈する。 「それよりナオ君、今のは自分で何をしたのかわからないの」と橘夏芽が井伊直也の顔をのぞき込みながら訊いている。本当に当惑したという表情で井伊直也が 「ホントに僕にも何があったのかわからないんです、ただ」 「ただ」と隣に立っていた菅井佐知が真剣な表情と声で促すと 「さっきも、そうでしたけれど、何か小さなものが膨れ上がって見えて、自分の方に向かってくるのが見えたとたんに両手を思わず組んでしまったのだけは覚えているんです」と一言一言絞り出すように言うので 「これは、もしかすると、さっきの竜柱だけれども、本人の眠った才能や能力を引き出す力があるという伝承があるから、力の内容はわからないが、何かの力が目覚めたんだろうな」と私も考え考え言うと、玉泉和典が 「俺も竜柱のその伝承は知っているが、なんにせよ菱宮5家の井伊家の直系だ、気功と柔術の技も伝承している家だからな、本人は知らなくても、秘められた特殊な能力があったって不思議じゃないな、現時点ではなんだかわからないにしてもだ」と冷静な口調でいうので 「その通りだな、あとは井伊家の古文書なり、金井に調べてもらうかしないとわからないな」と私がいうと、いきなり宮本一が拾って眺めていた石を見て 「これナンカ、うにのようにも見えるし、ウィルスってか、細菌みたくも見えるよねー」となにげなく言うと。 「それだっ」と友人のTMがいきなり大声を出すので、全員驚き、友人のTMの次の言葉を待っていると 「どっかで見たことあるなと、思ったが、さっきのは酵母菌だ、これは間違いなくインフルエンザウィルスの形だよ」と興奮気味に言うと、藤本由里江も 「あたしもね、どっかで見たような気がすると思ったけど、これインフルエンザウィルスの電子顕微鏡写真とそっくりよ」と驚いたようにいうので、友人のTMと藤本由里江以外の私も含めた全員が唖然として驚く。 「はあー、なんですか、細菌を巨大化して石化する能力ってわけー」と宮本一が呆れたように言うと 「なんか、ゲームの世界の魔法みたいな能力ですよねえ」と鏡剣がちょっと信じられないという風にいうと、少し首をかしげながら橘夏希が 「見えない魔物を石にして正体を現させる超能力というか魔力は聞いた事がありますわ、ただ小さなものを大きくする能力というか呪術はわかりませんね」というので 「そうですね、これは調べて研究しないとわからないでしょうね、たぶんこの石の塊は細菌のなれの果てだと思う」と友人のTMが少し確信が持てたぞという表情で言うので 「ここで、立っていてもしょうがないから宿にもどってご飯食べてそれから考えよう、もっとも今日は一旦この件は置いておいて、ゆっくりしよう」と私がいうと全員うなずいたところで目を覚ます。 No 0258 1989 平成元年 6月10日 土曜日 私の幼少期から現在までわかっている、敵と私を快く思っていない全ての存在老若男女問わず全てが、病院で瀕死の状態になっていて、私も嫌味ったらしくお見舞いをして心にもないセリフを言っているかなり変な状況から夢が始まる。 このあと場面が変わり、 187番の夢で年寄り姿の私の両親から開拓依頼を受けた南北約6キロメートル、東西約12キロメートル、72平方キロメートルの復活なった菱関家の土地の上空にいる。 現在の土地の状況は南北6キロメートル東西12キロメートルのほぼ長方形の形状で、土地の西側に境界としての役割もある4車線両側歩道つきの道路が南北に通り、西側の4車線両側歩道つきの道路が南の川を渡るところはきちんとした立派な橋が架かっていて、原野の中へ続く4車線両側歩道つきの道路がかなり南まで見えている。北側は10メートルの高さの崖が東の端の川まで続き、崖の上が深い森林になっていて西側の4車線の道路の東側を裾野として富士山型の高い独立峰が聳えている。冠雪しているので富士山クラスの3000メートル級の高さがある。 土地の東側を川上として南側へ100メートルの幅の川が流れていて、東南の角でほぼ90度で曲がっている。この曲がり角には巨大で強固なくの字型の岩盤が堤防のように存在していてそのために川に削られることなく土地の形が長方形に維持されている。この岩盤の内側と上に古代ローマ風のかなり広い範囲に遺跡がある。東側を流れる川は北側の崖と接する地点でこれまた巨大な岩にぶつかって90度曲って土地の東側を流れている。この巨大な岩にぶつかる地点は滝というほどではないが落差がある。この部分も岩の一部でかなり巨大な岩盤があることを利用して自家発電用の低落差発電所が完成している。南側の川は土地の開発が進んだ西から6キロメートルのところまでは両側に堤防が整備され、そこからは土地の側だけ低落差発電所のところまで治水対策に堤防を完成させてある。 土地の東と南側を流れる川であるが、この川から南はほとんど何もない原野で南側の川を越えたすぐのところに蓮が密生したけっこう大きな沼があったが、247番の夢で、古代ローマ風の遺跡がある場所からの中央よりの北西部の風水でいう巨大な竜穴があることがわかった、中央を東西に区切る2車線両側歩道つきの道路の北側の中央部寄りに葉室の山返しの技で丸ごと移転させたので、ただの大きな水たまりの沼になっている。 土地の開発を容易にするためと土地を2分割して利用するために南北の半分の3キロメートルのところに2車線両側歩道つきの道路が西の4車線両側歩道つきの道路から東の端の川まで舗装されて橋が架けられ、川の東側の大森林の中を街まで続いている。 西側から2分の1の6キロメートルまで開拓が進み、2車線両側歩道つきの道路で区画された北側が農地と屋敷があり、南側が牧場になっている。残りの6キロメートルは手つかずの原野と古代ローマ風の遺跡がかなりきれいに発掘され繁茂していた植物や森林を伐採したために全貌が見えるようになっている。古代ローマ風の遺跡の近くには仮宅と遺跡の調査と研究をする仮設の研究所兼博物館の建物などが数棟ある。 247番の夢で移転した沼は、沼の中央だけやたら大きな蓮の葉が密集しており、竜穴のエネルギーと金蓮花の出す凄まじいエネルギーがあいかわらず吹き出ている。 すでに沼の南側には、今野家が敷地ごと移築移転されていて、仮の菱関家の本宅となっている。さらに隣にもう一軒似たような形の家が移築されていて、渡り廊下でつないであり、表札が佐藤となっているのでユウ君の家である。沼の東側では本格的な菱関家の本宅を建てるための地ならしと測量中である。 佐藤家の前に降りると、ちょうど出てきた130番の夢の今野千光とはちあわせしたので 「ユウ君の家も移築したのかい」と問うと 「ええ、金井と井伊直也のいうのには、奥義だかが家自体にしこまれているそうなので、万全を期して一ヶ所にまとめたほうがよいということでギイとアーサーにたのんでまとめて持ってきて、取り合えず、渡り廊下でつなげました」と今野千光が楽しそうに言う 「それは御苦労さんでした、しかしまあ、金井も井伊も参謀の名に恥じないな、まとめたほうが安全だし何かと便利だ」と私がすこしニヤリとしていうと 「まったくですね、おかげでこっちも仕事が早いですよ、本宅の縄張りもほぼ終わりましたし、棟上げはやいかもしれませんよ」と目を輝かせて言う。 「寝殿造りにするのかい」と訊くと 「いえ、書院造りを応用した感じになりそうです、実はうちの総領頭が遺跡の寝殿造りはぜひ復元したいということなので、同じ敷地内に同じ形式の建物は二つもいらないだろうということで、そうなりました」と今野千光がとまどったように言うので 「えっ、総領頭って、金剛斎殿が」と私も驚いて言うと 「そうなんですよ、あれほどの規模の寝殿造りは、そうそうないし、腕をふるいたいとのことで、大頭まで材料の吟味と遺跡の縄張り調査してますよ」とすこしため息気味にいう 「今野の大頭まで興味津々かい、無理もないわな、私でさえ復元してみたいものだと思ったからなあ、宮大工なら尚のこと血が騒ぐんだろうな、もっとも千光もこっちの仕事なかなか気いぬけなくて大変だよな、もっとも誰もお前が手抜きするなんて思っちゃいないけど、先輩方がいるとなると大変だわな、そんな緊張しなさんな」と笑って言って今野千光の肩を軽くポンポンとたたいて励ますと、少し気楽になったらしく 「やっぱり、アムランは道理がわかっておいでだ、少し気が軽くなりましたよ」と言って沼の東の自分の現場のほうに行ってしまう。 今野千光の後姿を見送りながらどっちに入ろうか考えていたが、今野家の方に入ると7番の夢のひげくまこと藤丸竜也とはちあわせする 「遺跡の寝殿造り復元するんだって、今しがた千光から聞いた」と言うと 少し苦笑まじりつつも嬉しそうに 「金剛さん自らやるつもりですよ、大普請になりそうですよ」 「聞いた、大頭も来ているっていうからリキ入っているね、現場はちがうけど、千光はやりにくいだろうな、あいつが手抜きするはずないけど、先輩と師匠があれだけいると離れていても気がぬけないだろうから、手伝いに行くかな」とさらりというと ひげくまが、やれやれと肩をすくめて 「金剛さん厳しいですからねえ、私でさえどやされましたから、アムランがいてくれたら少しは緩衝材になりますね」と私の顔を見ながらニヤリとするので 「へえー、藤丸の肝っ玉冒険王をどやしつけるとは金剛さんくらいのもんだな、まあ私もせいぜい親友のためにサンドイッチになりますかね」というと くすくす笑って「そうしてあげてください、金吾のじい様の仕事もあるようですから、少しは気楽にいい仕事させてあげたいですしね」と言うと 「そうだな、仕事押し付ける結果になったのは金吾のじい様だけでなくて私にも責任あるからな、いい仕事してもらうためにも私も努力しますかね」といってひげくまに右手を出すと握り返してがっちり握手してくる。ひげくま自身も寝殿造りの復元現場に向かう。玄関から勝手知ったる今野家の奥へ入ると、かなり人のいる気配がするが、庭の方に全員の気が行ってしまっているようである。それも無理もない話で、座敷の向こうの小さな庭に金松光翔樹が7本ある。さらに向こうにはわさわさに蓮の密集する直径300メートルの巨大な沼がドーンという感じで広がっていて、沼の中央の直線距離で約150メートルくらいのところには金蓮花がみごとに咲いているのだから皆魂を奪われているのがわかる。 苦笑しつつ 「そろっているね」と言うとその場の全員が振り向くので 「今、千光とひげくまさんと話した、遺跡の寝殿造りは金剛斎殿が宮大工の今野家の総力をあげて復元するというから剛毅なもんだね」と笑いながら言うと 菱関家総帥となった25番の夢の今野浩之が私に近づいて 「本宅の方も書院造りをベースにした建物になるようで、楽しみというか菱関家を守る立場として身がひきしまる思いです」と嬉しさと緊張が半々といった面持ちでさらに続けて 「菱関家の屋敷守って白象だったんですか、申し出がきました」と驚いたように言う 「あー、そろそろ来るだろうと思っていたけど来たか、なんせ菱関を守り切れなかった恥をそそぎたいだろうから大物がくるだろうな、それよりナンカ言ってなかったか」と言うと 「ええ、前の屋敷守が責任をとって自害したことはわかっているけれども、その遺骸がどこにもなく、せめてもの一族としては供養したいと言っていましたのとアムランによろしくと言ってましたねえ」となにやら複雑な表情をするので 「ということは、白象一族も彼女の行方は知らないと言う事か、それにしても、うちの屋敷守への立候補まだあきらめていないってことか、ヒロにまで言うって事は」と少し遠い目をしていうと 44番の夢の金井恵一が「えっ、菱関の屋敷守の白象つてメスだったんですか」と驚きの声をあげるので 「おやっ、ケイ、紫藤のおこもりは休止かい」と少しからかい気味に言うと 「やっと名前の方呼んでくれましたねー」と金井恵一が嬉しそうにいうので その場の全員から「「あっ、こいつもアムランべた惚れ組かよ」」という反応がくるので 「しょうがないだろうケイって6人もいるんだから、大勢いるとこで言ったら紛らわしいから気をつけてたら、結局二人だけのときでも上の名前か本名呼ぶくせついちまったよ」とさらりというと 「えっそんなに、いるの」と当の金井本人よりも57番の夢の菅井佐知が驚く 「うん、紫藤のキヨシもケイ、松田竜幸もケイ、林も京子でケイ、香取の姫さんもケイだし、藤本の白姫もケイなんだよ」と真顔でいうと55番の夢の恭仁見つかさが 「あー、ナカちゃんもほんとはカナちゃんだけど、阿倍ちゃんもカナちゃんで2人いるからねー、2人でさえ区別して呼ぶの大変なのに6人もいたらもう大変だわよね」と援護射撃なのか、単純にその場の雰囲気の一部を代表したような感想を言ってくれたのか、とりあえず、密かにサンキュという視線を恭仁見つかさに送り金井恵一に 「今日は日々の御協力の感謝と、もう少し親近感がある呼び方にしたほうがいいよなと思ったのと、他にケイがいないんでね、ケイって呼ばさせてもらったんだわ」というと 金井恵一が嬉しそうに顔をあからめるのと、周りから「「ほーっ」」という反応とちょっとうらやましいぞという反応があるので苦笑するが、肝心な事を言っていない事に気が付いて 「菱関のかつての屋敷守はまちがいなくメスの白象で、彼女の遺骸はここから北の山越えたところの湖の中央の白砂の湖底に遺骨が眠っている、かなり前に私が偶然発見して読経はしてある」というと、騒然となるのと 「やっぱりアムランらしい」とか 「よくそういうもん見つけるよねー」という声が飛び交うので苦笑する。 「彼女の遺骨はどうします、白象一族には知らせますか」と今野浩之が問いかけてくるので 「やっぱり、これちゃんと湖底から拾骨して供養すべきだろうから、ここの敷地に霊廟を造ってちゃんとするべきだろうな」と私が腕組みしていうと、3番の夢の尾崎儀一が 「そのほうがいいでしょうね、で、拾骨いつして、どこに霊廟造営します」ときっぱりというので 「拾骨の方は白象一族立会のもとに吉日を選んでだが、霊廟の造営の位置は、ここの敷地は知っている者は知っていると思うが、風水の四神相応の理想の見本としか言いようのない場所だ、鬼門は天然の鬼門封じになっているが、裏鬼門の守りが多少弱いので、墓所か神社を置くべきとヒロにアドバイスしようと思っていたので、裏鬼門の西南の角だね」といっきにいうと、全員から「「なるほど」」という反応が一斉に返ってくる。少しおちついた頃あいをみはからって 「今日のホントの目的は、ケイもギイもアーサーもいるので、ヒロとユウ君への菱関家再興にあたり、菱関家伝承等の研修会、あと武術について確認もあるので風間とユウには形の演武してもらうのでよろしく」というと162番の夢の風間了と105番の夢の鏡剣が驚いたような顔をするが嬉しそうである。 研修会の前に今日の参加者の恭仁見つかさ、鏡剣、82番の夢の宮本一、菅井佐知、24番の夢の井伊直也、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、金井恵一、尾崎儀一、22番の夢の尾崎晁堊、今野浩之、23番の夢の佐藤優二、101番の夢の高城ハル、1番の夢の木村聖一、木村聖二、81番の夢の仲串勝美、55番の夢の武田詩織、169番の夢の阿倍佳奈子、風間了、14番の夢の寺島小百合、55番の夢の大島玲仁の21人で座敷に座卓を幾つか用意して並べる。 恭仁見つかさと橘夏希と橘夏芽と武田詩織と阿倍佳奈子と寺島小百合と宮本一の7人がお茶とおやつの用意にかかる。 私を中心に講師陣として尾崎儀一と尾崎晁堊と金井恵一が一番前列に陣取り、今野浩之と佐藤優二がメインの受講生で講師陣4人に相対して並び、以下後列に並ぶという塾的な机の配置で研修会が始まる。 お茶とお菓子の準備が済んだ頃合いを見て私が 「まず菱関家についてであるが、農業と酪農生産を生業とし、薬草園を経営し、古代よりの学術的な特に薬草の知識をもって薬師として名高い家であり、農業生産に関わる治水と治山の技術の守り手であり、畑で生産される素材だけではなく、山菜などの調理の研究もおこなっており、料理研究の家でもあり、武術は治水治山において丸太などの棒材を扱うところから槍と棒、特に杖術に優れ、農作物や山菜や作業用のロープに対する扱いの延長線上に短剣の扱いにも優れていた家柄である」と一気に言い、さらに続けて 「初代は冒険家でもあり、風水の知識にも長けており、古代ローマの水道技術と彫刻技術の探究にいそしみ、現在地を本拠としたのであるが、金蓮花をあまりにも目立つ場所に置いたのと、薬草園で当時栽培していた大麻と芥子の利権と栽培技術を狙われ、一時は私設軍隊も擁しており、一門衆も現在最も多い葉室7家をはるかに凌ぐ14家もあったものの、明らかに文献に残る一門衆は今野家と佐藤家と山野家と山科家だけであるが、残念ながら山野家と山科家は完全に絶家したし、その他の10家もどこの家がそうだったのかすら現在ではわからないほど欲望の犠牲となって一門一党尽く名跡を絶やし歴史の表舞台から今日まで消えてしまった」とやや無念というふうに言うと、その場の全員も同じ思いを感じてか静まり返る。 「しかし、本当はどんな名称であったのかは不明であるものの、2家たった2家だけど、どうにか菱関の一門衆の血筋の家は確認できた」というと「「おおおっ」」という声があがるがそのまま続けて 「この前の広宣の儀のときに名簿には書きこまれなかったが5人、部外者じゃないのっていう者達がいたとみんなも記憶していると思うが、林京子と山田直子の2人は菱関の一門衆の血筋にまちがいないことが確認できたので呼んだ」と私がいうと打ち合わせ通りに169番の夢の林京子と169番の夢の山田直子が入ってきて今野浩之と佐藤優二の後ろに座るので恭仁見つかさと寺島小百合が慌てて2人分のお茶とお菓子を取りに行く。 「ホントこういう演出ニクイよねえ」と宮本一が半分あきれと半分感心の混じった口調でいうので、菅井佐知まで 「ホント、金吾のじいさまといい勝負だよねーナオヤ」と井伊直也に同意をもとめるので井伊直也も苦笑する。 「アムランあと3人いましたよね、今ここにいるのは高城ハルさんだけですが」と金井恵一がいうので 「まあ確かにあと日生篝と小幡真理子がいるんだけど、この2人は日を改めよう、丁度関係者というか一門の総帥がいるから高城ハルに限ってはこの場で公表するが」というと、高城ハルが 「えっ、俺っ」と驚くのと彼と大親友である尾崎儀一と晁堊兄弟も 「えっハルが」という不思議そうな顔をする。 「紫藤の一門衆で絶家したといわれて久しい藤江家の血筋を母系でまちがいなくひいているうえにプロシアの伯爵家の血までひいている事がはっきりしたのが高城ハルなんだ」と言うと、紫藤聖一と聖二兄弟がたまたま後ろに座っていた高城ハルを振り返り、兄弟そろって手を握るので高城ハルがびっくりしながらも2人の手を握り返す、なんとなくお涙ちょうだいみたいな雰囲気になってしまい、しばらくだれも口をきけない状態になるので。私が場に緊張感をもどすためにバシッと自分の目の前で両手を打つと、その場が「ひえっ」という誰かの悲鳴もあったがひきしまる。 「ちょっといきなり、身内の再会のお涙場面になってしまったが、知らず知らずにお互いに惹かれて集まってしまっていたってことだし、けっこうね、みんな血も縁もここにいる全員もいない全員もかなりのもんだよ、あらためての親睦はもうちょっと我慢してもらって、概要は俺が言ったので詳細はケイ、最初に古文書データとか説明して、ギイから葉室の菱関関係の話たのむね」と場をしきると、金井恵一がこれまで絶えていた菱関家の事績や人間関係の資料について説明し、現在失われている菱関家に伝えるべき文書については、他の金蓮15家の持つ古文書から再編集してあらためて巻物の文書や財産目録を作成する準備を国見家同様にすすめている事を報告し、続けて尾崎儀一が葉室一門を滅ぼす程の疫病を救ってくれたのが菱関家の薬師としてのずば抜けた知識と薬のおかげであった歴史を語る。 そして菱関家の秘宝である、菱関薬宝3器、別名奥関薬宝3器の黒曜石の薬研・八卦の薬土瓶・至誠の薬天秤の実物を並べたうえで説明が終わると菱関家総帥である今野浩之と佐藤優二の2人も自分達の家の歴史と伝統を知り思いを新たにし、他の者たちも感動と自分の家の重みを再認識しているような雰囲気になるのがおちついたころあいに 「みんな、一回お茶飲んで雑談してそれから、ちょっと、武術のほうの楽しみもしよう」と私が水を向けると、バタバタと空気がゆるみあちこちで雑談がはじまるが、まっ先に尾崎儀一に 「はーっ、アムランいつものことだけどね、まいったよ、菱関の身内っていうか一門衆まで探し当ててたなんてすごいな」と肩に手をかけられて感心と驚きを表現されるので苦笑がでる。 橘姉妹が 「ほんっとに、アムランって失せもの探しの天才よね、でも白象の遺骨だかは驚きよ、あの一族って元々死骸さらすのは嫌いで、墓所は秘密の場所だし、万が一不慮の死を遂げた場合でも遺骸を見つける事は不可能ときいているけどね」と驚いたとばかりにわざわざ私の隣に金蓮に変身してくるので私が面喰う 「そういえば、そんな伝説もありましたね」と金井恵一まで話にのってくるのと、その場の他の面々も何か聞きたそうなので、 「まあ、確かに象の墓場って秘密の場所の代名詞みたいなものだけど、意外とそうでもないんだよな、私は何回か白象一族の墓所はおじゃましているのでね、今回の菱関家の初代の屋敷守の遺骨発見は偶然もあるけど、なんとなく白象一族の好みがわかったので見つけたという感じかな、まあ先にここの敷地に霊廟つくっとかないと白象一族がここで埋葬というか供養するのを許可しないだろうから、そこは先手うっとかないとダメだね」とすこしお茶目っぽく言うと 「それはまかせろ、すぐやる」といつのまに来たのか、今野千光が湯のみを抱えながら言うので驚く。 「あれっ、縄張り終わった」と尾崎晁堊が驚き混じりに訊くと 「終わった、明日から基礎打って、躯体の柱の墨打ちして切込みやって、棟上げは一週間後の予定」というので「「おおおっ」」という歓声が上がる なんとなく不思議そうな顔をしていた寺島小百合が 「山科家と山野家は完全絶家ですか」と訊いてくるので 「それがね、山野家の血が尾崎の家に入っているのと、山科の血が仲串の家に入っている」というと尾崎儀一より尾崎晁堊が 「ほんとっ」と驚き、仲串勝美も 「えっオレのトコ」と驚く 「いや、ホントにねえ金蓮15家ってどっかでみんなつながってるからね、絶家したとは言っても、生き続けているといえると私は思うし、信じてるよ」私が少しキザっぽく言うと 「アームーラーンあんたはどーしてそーいうロマンチックなコトさらっといえるのよーう」と金蓮のままの橘姉妹に思いっきり抱きつかれて窒息しそうになるので、尾崎儀一が慌てて 「金蓮やりすぎだ、アムランが窒息してる」と金蓮をセーブしてくれたので息を吹き返す 「はーっ、感動してくれるのはいいけどね、おてやわらかに」と私が苦笑しながらいうと全員から笑いが出る。 「じゃあ、金蓮15家の身の守りの護身術というべき武術の方だけど、菱関の家にからんで、先に短剣の形で忍術の短剣の二刀流である関流の形をユウたのむね」と私がいうと、一礼して縁側から庭に下りて、鏡剣が関流の二刀流抜刀術を披露すると、全員から 「ほおおーっ」 「すげー」 「かっこいい」という反応がひとしきりある 「ヒロ、今の形見覚えあるだろ」と私が訊くと 「まちがいないね、あの斜め抜刀術は佐藤の家のタイルの角度だよ」と今野浩之が言うと弟の佐藤優二もうなずいている 「それじゃ続いて風間頼むね、杖術の石突で突く感じのやつ」というと 「了解」と鏡剣に続いて庭に下りて鏡剣が用意した杖を手にすると、手頸を返しながら斜めに杖の石突を使いながら擦り上げるように杖を回転させて鏡剣が投げた小石を空中でとらえて一撃で砕くと 「「おおおおっ」」というどよめきがおこる。そして 「すごいことやってるな」と金剛斎を伴った藤丸竜也が庭の方に現れて驚く 「わしもこの歳になって初めて見たが、金蓮15家の秘術の古の武術の杖発破撃はすごいのう」と驚嘆するので 「さすが、金剛斎殿、宮大工の今野家の総領頭殿は武術にもお詳しいようで」と私も庭に下りて金剛斎の方へ近づくと 「おお、新家の開祖殿というべきか国見の大婿殿というべきか、一番会いたい方に会えて嬉しいですぞ」と言われてしまったので、金剛斎と握手して、縁側に案内して、恭仁見つかさに目くばせすると寺島小百合も一緒に消えて瞬く間に茶菓を用意してもどってくる。 金剛斎が 「いや、若い方の躍動感ある技の閃きはみごとなものじゃ、それとあの金蓮花のなんとみごとなことか」といいながら縁側に腰掛けるのと同時に 「粗茶でございます」と寺島小百合が茶を差出し、菓子の盆を恭仁見つかさがさっと置くという息のあった動作が決まるのに、藤丸竜也が少し驚いた顔をする。 「時にアムラン殿、今日は菱関家の足場固めの仕込みですかな」と金剛斎がお茶をすすりながら訊いてくるので 「御明察恐れ入ります、それもございましたが、金蓮15家の身内の親睦会と希望もございましたので勉強会などもいたしておりました」とさりげなく言うと 「よきかな、まことめでたいことじゃ、身内が仲良く助け合う、これほどすばらしいことはないからのう、それができず、わしの実家などは滅してしもうたからのう、わしも今野の名を継いだときに、和だけは大事にしたいものじゃと思ったものじゃが」と言って座敷をふりかえると 「うむ、うむ、みんないい顔しとるの、一族一党力を合わせて繁栄していっておくれ」と言って 「今日はいいものばかり、見せてもろうた、時に菱関の総帥殿」と金剛斎にいきなり名指しされ今野浩之が戸惑いつつも総帥としての威厳をつくろいながら 「はい、金剛斎殿」と応えると 「こたびの、旧本家本宅の寝殿造りの構えと新しい本宅の構えは宮大工今野の総力あげてかからせていただく、末長くお家大事にされよ」と真顔でいうと 「はい、金剛斎殿には最高の職人をつけていただいた上に、このうえなくありがたきおことばをいただき、訓戒肝に銘じましてお家大事に和の心を慈しみ精進いたします、御足労ありがとうございます」と一礼した今野浩之が名実ともに菱関の総帥として目覚めた瞬間は周囲の全てのものに感動を起こさずにはいられず、誰ともなく拍手がわきおこったところで目を覚ます。 No 0259 1989 平成元年 6月11日 日曜日 天界の自分の領地と宮殿から西王母の領地に正室と息子と天馬を伴って遊びに行き、そこの庭でしばらく団欒している。西王母にも会う。 正室は西王母の側近の一人として白猫の姿で仕えている。息子は天界では5〜6歳の姿である。天馬は執事の如く私と家族に仕えてくれる。 数日滞在して3日目に西王母の領地の桃園を訪問した時にいきなり魔族のベールゼブブの部下の魔王に侵入され乱暴狼藉があり、西王母の領地の領民と警備の兵士と一緒に戦い、これを取り押さえ撃退したところで目を覚ます。 No 0260 1989 平成元年 6月12日 月曜日 220番の夢の以下の詳細の3階建てでピラミッド型の天窓を持つ大型実家にいるところから夢が始まる。 敷地が1キロメートル四方の森で、周囲を幅3メートルの堀で囲まれてさらに2車線両側歩道つきの道路が巡らされている。西側のやや北寄の位置に堀に橋が架かり、奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースがあり、幅5メートルの門があり扉はついていない。塀の高さ自体は1メートルのブロック塀で、家本体は敷地全体の中央にあり、北側と西側に駐車場と広場を兼ねたスペースがあり、東と南は庭になっていて池と小川がある。庭と広場のスペースの広がりは500メートル四方ある。塀までべったり森ではなく、1キロメートル四方の塀のすぐ内側には2車線分の幅の舗装された道路が巡っていて、500メートル四方の家と庭と広場のスペースと森の境目にも2車線分の道路が巡っていて、道路で2重に区切られている。さらに内側の道路と外側の塀沿いの道路と結ぶ2車線分の幅の道路が東西南北の中心に4か所放射状にある。門と玄関を直線的に結ぶ斜めの道路だけは2車線両側歩道つきの道路になっている。 幅250メートルの森の帯に囲まれた中央の500メートル四方の平地の中央に建っている家は、玄関の向きは西で、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、車寄せのような斜路のついたエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは3階まで吹き抜けで、巨大なシャンデリアが天井から下がり、畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。玄関の両開きのドアに向かいあう東の壁に高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて15畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は3階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに8畳の応接間、この部屋が玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋である。東側に10畳の広さの車庫、さらに東側に10畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで4畳あり、脱衣所が2畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には8畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には12畳の広さになる。この二つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この二つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると20畳の大広間になる。南の庭と二つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が10畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。10畳の厨房の北側が10畳のダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールになっていて、地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、10畳の洋室が2部屋、9畳の洋室が1室の合計10部屋がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の簡易台所がある。風呂場は2畳が浴槽と洗い場のある部屋で1畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の8畳の部屋が応接間になっている。3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の9畳の部屋の上は自分の自室がある位置になっていて、67番の夢の12畳の自室が存在している。階段は4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置になっていて、天井の高さも150センチと1階や2階や3階の半分の高さである。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは50センチの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は3メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の東南の10畳の部屋と私の部屋と簡易キッチンつきの風呂場の間の東側に位置する10畳の部屋、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する8畳の部屋、2階の南西の部屋と応接間の間の西側に位置するの8畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれてドアの左側の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された30センチ四方の銀のプレートがついている。 上記の建物の玄関の中に母といるところから夢がはじまる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 今日の姿は上下ともグレーの作業着に黒の革のミリタリーブーツを履いて革の帽子を被り軍手をはいている。母も似たような作業着に白の帽子と白の長靴である。 どんどん敷地が広がるたびに、庭も広がるのであるが、バランスが悪い状態になっていて少し荒れた感じになってしまっているのと、本宅の大改築前の庭と敷地内の再整備ということで、調査と空中から現状を見るために庭に回るともぐらの穴が二つあったので母と一緒にスコップでつぶし、庭の隅でリスとももんがのあいのこのような動物の番いと仔3匹を保護する。 上から見た時に、敷地は1キロメートル四方あり、幅3メートルの堀に囲まれているが、現状のコンクリートの堀から切込ハギの石垣の掘に全て変更し、塀も2メートル厚さ50センチの白壁に変更する。塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路を2車線両側歩道つきの道路として整備する。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、改めて両側スライド式の鉄の扉を新調する。塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にも全長1キロメートルの2車線両側歩道つきの道路を巡らし、内陣は125メートル四方の区画で16等分し、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて周囲の4つの区画は鍵形になるように区分され、南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場とし、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝にする。16等分された残りの12区画は東側の4区画と南側の3区画と北側と西側の1区画の合計9区画は畑にする。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭とし、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されるため芝にする。塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森となっている。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北へ向う2本の道路と合わせて10本整備する。本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備する。 敷地の森の北東には神社2社と南西の森には墓所を2ヶ所もうけて風水の守りとする。 本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭として整備する。この1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面である。 敷地の整備と風水や霊的防御のしかけを一段落させて家に入り、ダイニングで母と休んでいると、25番の夢の今野浩之と23番の夢の佐藤優二と130番の夢の今野千光が入ってきて私の近くに座り 「敷地の再構成というか風水と霊的防御終わったんですか」と今野浩之が訊いてきたので 「一通り終わったし、あとは北東に社二つと南西に墓地と霊廟築造したらほぼ完成だな」と私が言うとすかさず、今野千光が 「社と霊廟はお任せあれ」と力強くいうので、苦笑しつつも 「よろしく」という このとき3番の夢の尾崎儀一が入ってきて、金井恵一が西の迷宮入りを希望してきたと私の傍に来て言うと 「やっぱりきたか」私がギイに笑いながら言うと 「こないわけないよな」と今野千光がさもありなんと言う 「ひとたらしのアムランにやられないわけないから」と佐藤優二が笑いながら言う 「あれっ、金井のケイは菅井、井伊、武田と久慈が存在は確認できたけどいないが、菱宮5家の1人だから千光とシオっちとかっちゃんと一緒に東の迷宮に番地部屋用意して入居の方がいいかなと思ったんだけどね」と私が尾崎儀一に尋ねると 「それも考えていたんですが、どうもけじめつけましようということで、事前に武田さんと今野の棟梁とも相談していたみたいですよ」と今野千光の方を見て言うと 「オレもそのほうがいいと思って東でなくて西で、詩織とかっちんは夫婦だから番地部屋ひとつ貰って、オレと金井で番地部屋ひとつもらうということで調整をギイに頼んだんだよ」というので 「なるほど、それでいいかもしれないな、どのみち千光とケイは一部屋ですまないだろうからいいんじゃないか」とこともなげにいうと 「あーあ、アムランにゃ、見透かされちゃってるなー、金井は本部屋いるし、オレも道具部屋ほしいし」というので、その場の全員の笑いが出る。 「そういえばアムラン、今日はずいぶん、敷地の風水や霊的防御をやっていたようなのと本宅の位置も変わったようだが」と尾崎儀一が訊くので 「うん、そろそろ、きちんとしないといけないのと、領域というか領地と本宅も確定しようと思ったのと近々新家の名称も決めるし、現在の本宅は人数も増えるし、これでも手狭なのと、ちょっと家自体にも私の風水師としての技を仕込みたいので、今のこの家は菱関の西にしょっちゅう行く家なんで、菱関の西の敷地に菱関の迎賓館として完全移築というかプレゼントして新規に棟梁と本宅完全版を構えて、屋敷守を正式に迎える」というと今野浩之と佐藤優二が仰天する 「い、いいんですか」と今野浩之がかろうじて言い、佐藤優二は絶句してしまう 「うん、2人とも普段は今野と佐藤でいいけど、自分の領地では菱関名乗りなよ、表札タクミか父に書いてもらうから」とさらりと笑いながら言うと 「ありがとうございますっ」と今野浩之と佐藤優二の2人が同時にテーブルにゴンと音を立てて座礼してくれる。続けて今野千光の方を向いて 「千光、新しい本宅は基本この家の縄張りを応用して拡張して風水の霊的防御を組みこむのと、材料はもう全部準備してあるから、組むのだけ手伝って」というと 「いつのまに、やること、はやっ」と今野千光が驚く 「ホント、はやいよな、さすがアムランというべきか」と尾崎儀一まで感心してくれるので 「確かに速いけど、ザツランっていう異名もあるんでね、だから千光とかね、ギイとかうちの奥方衆のミドリとかユウとかタクミとかサチとかナオヤとか金蓮のようなしっかりもんがいないとダメなのよ私はね」とにこやかに今野千光と尾崎儀一を見つめてやや強調していうと 「ユウっち、みんながアムランに惚れる理由ってこれだよな」と今野浩之が弟にぼそり 「うん、ヒロ兄、ついでにえらいノロケてくれましたよ」と佐藤優二が兄に肩をすくめて両手を広げるポーズをする 感動で硬直している尾崎儀一と今野千光を2人の兄弟とほほ杖つきながら茫然と眺めていると何やら台所の方が騒がしいので振り向くと母が何か言っているのが聞こえるがよくわからないので、今野千光と尾崎儀一と今野浩之と佐藤優二兄弟と5人そろって台所の方に行くと55番の夢の恭仁見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、7人と父と152番の夢の仲串勝代もいて、7人が全員泣いているので、私もなんだろうと不思議に思い黙っていると 「あれ、どうした、というかみんな台所にいたのか」と尾崎儀一が代表して訊いてくれる 母が私の方を向いて「おまえ、何気に言ったんだろうけど、またやってくれたわねー聞こえたわよ」とえらくにこにこ笑っていうので 「なんですか、私なんか変なこと言ったっけ」というと佐藤優二が 「アムラン、アムラン、自覚ないんだろうけど、さっきのしっかりもんがいないとダメなのよのセリフはホントね、泣きますって」と半ばあきれたようにいうと 「えっ、アレ、だってホントの事だから、だってザツランだから世話してくれる方々がいないとダメダメ君ですから私」と少しお茶目気味ににっこり言うとそのあとがすさまじいことになって7人全員にしがみつかれて本当に窒息寸前で、尾崎儀一が橘姉妹をひきはがし、今野千光が菅井左知と井伊直也をひきはがし、今野浩之が恭仁見つかさと鏡剣をひきはがし、佐藤優二が宮本一をひきはがして交通整理してくれて落ち着く。流石に父と母と仲串勝代があっけにとられて目を丸くしている。 取りあえずダイニングの方に父と母と中串勝代も移動して15人で座ってお茶飲んで落ち着いたところで 「台所に7人全員いるなんて知らなかったけど、なんかやってたの」と私が訊くと 父が「勝代さんに来てもらって料理の研究会してたのさ」と言うので 「えっ、お父さんも」と私が驚くと 「うむ、麺のつゆと寿司飯の研究会さ、おまえ好きだろう」と言うので 「そうですけど、ちょっとびっくり」と言うと 「確かにお父上の麺つゆは、ハンパなくうまいからなあ」と尾崎儀一と今野千光が2人ともうなずきながら同じ事をいうので私も 「あれはマネできないからねえ、何回か自分で作ってみたけど、親父の味はだせない」と私が降参というと父が 「大丈夫だ、おまえができなくても7人とも作れるし、仲串勝代さんは流石だな」と破顔して言うので 「それは楽しみが増えた、期待してます」と7人と仲串勝代に向かっていうと7人と仲串勝代も嬉しそうにうなずいたところで目を覚ます。 No 0261 1989 平成元年 6月18日 日曜日 白いローブに角ばった大きなトパーズ色の宝石のついたヘアバンドをして丸いペンダントを下げて紋章らしきものが装飾されたベルトをしめて、手には先端に音叉のようなものがついた笏杖を持った身長165センチくらいの美しい女性が立っている。前にいるところから夢が始まる。美しい女性は98番の夢の妖精の女王のエル・エターナルで、今回の女王の髪型はロングヘアーではなくミドルボブでややボーイッシュな感じであり、女王のしるしのペンダントヘッドがかなり大きめの黄金のメダルになっている。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 92番の夢の続きで妖精の女王のエル・エターナルを守って戦っている。勝利したあとで、パルテノン神殿と似た形の白大理石のエル・エターナルの神殿を瓦礫の散らばる丘を整理と整地しながら200メートル四方の基礎を打ち半分まで造営しているところで目を覚ます。 No 0262 1989 平成元年 6月19日 月曜日 地下鉄の駅で5人の友人と待ち合わせしてでかけている、あまり乗り気ででかけたようではないのと、服装がかなりおしゃれではあるが見慣れないファッションである 赤のネッカチーフをして胸に勲章のようなバッジをつけたブルーの開襟の長袖のシャツを着てメガネはせず、ややウェーブのかかったショートヘアで色も少し薄い。靴はパンクロックの男の子が履く底の厚い黒のハイカットのラバーソウルの革靴。 友人5人も黒を基調としたブルゾン風のファッションで1人はバンダナをしている私を含めて全員同じ型の黒のジョバッツと底の厚いハイカットの甲が白く残りの部分は黒のラバーソウルの革靴をはいている。 私も含めて5人とも高校生くらいのかなり若く細身の姿である。 駅で待ち合わせてしばらく街の中を歩き ゲームセンターでビリヤードとルーレットで遊ぶがルーレットはバカあたりする しばらく6人で遊んでいるが、なんとなくつまらなくなり5人には内緒で抜け出そうとして、ゲームセンターの入口を出ようとして二重の出入り口の内側の自動ドアを開けて風除室に出るとジーパンにポロシャツにベストを羽織った身長180センチとジーパンに白のお洒落なデザインのポロシャツを着た身長160センチの2人の20歳くらいの青年が立っていて私に話しかけようとするが、そのまま無視して通り過ぎて外にでると2人が追いかけてくるので駅に向かって逃げ出すと、いつのまにかローラースケートを履いていてスムーズに駅まで逃げきるが、駅に着いたとたんに、自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 そのために駅では視線が集中するし「「オラクルよっ」」とかかなりざわめきが広がるのでとにかく切符を買ってホームに逃げ込むと、自分の姿がスーツ姿に変わり、周りには高校時代の同級生がクラス違いも含めて100人男女半々くらい、スーツやパーティドレスなどでお洒落な感じでいる。個別に金崎や佐々木や竹本や足立や松田創一や田井など名前と顔が判る者もいて、これから同窓会のパーティ会場に移動するという雰囲気である。電車が来る前に場面が変わり、地上のホームから地下鉄のホームに移動していて、服も1番の夢と同じ濃いブルーのジージャンとジーンズの上下を着て、ジージャンの下は薄い黒色のシャツを着ている。白のソックスをはき靴はブルーのコンバースのバスケットシューズを履いて。ヘアスタイルはショートボブになっている。 この地下鉄のホームは非常に汚いというか壁も?げてホームの床もところどころ穴があいているというボロボロで、列車が入線してくるが、この列車がまたボロボロで先頭車両の形こそ新幹線の流線形のデザインであるが、塗装があちこち剥がれていて、よく見ると地下鉄丸ノ内線の古い赤地に白線の塗装であることがかろうじてわかる。とりあえず乗り込むと客は全て老人ばかりで、地下から地上に出てしばらくすると周りの老人達からあんたはこの列車に乗る人間じゃないよと視線でいわれて、いきなり車外に放り出されて線路のある土手を転げ落ちて、線路の上まで這い上がりしばらく線路内を歩いているうちに目を覚ます。 No 0263 1989 平成元年 6月20日 火曜日 238番の夢と同じ巨大なホームセンターに25番の夢の今野浩之と105番の夢の鏡剣と22番の夢の尾崎晁堊と82番の夢の宮本一と5人で買物に行くところから夢が始まる。 巨大な店で、店内が500メートル四方あり、家具から日曜大工道具や部品、日用品に食品まである総合スーパーといった豊富な品揃えである。大工道具とゴミ袋と調味料を10種類買い、外の駐車場に移動するとオバタリアンの顔をしたエイリアン型の化け物3匹に襲われるが撃退する。駐車場の中は川で二分されていて川幅が5メートルあり橋が架かっていて荷物を持って車のある場所まで行くのに渡ると石田修一とすれ違い、オラクルとして有名であることに羨望される会話をしてそのまま別れて、7番の夢の車に荷物を乗せて、今野浩之と鏡剣と尾崎晁堊と宮本一達が自分達の買物を持ってくるのを車内の助手席で待ち、鏡剣が運転して260番の夢で再整備した1キロメートル四方の敷地の家に戻る。西の門を入り本宅の建物までのメインストリートが少し拡幅されて、デザインを一新した街灯と花は咲いていないが桜並木の緑のコントラストが映えて、本宅前の芝桜の庭が非常にいい感じで今野浩之が 「いいなあ」と言い、宮本一が 「アムランのセンスあなどれないわねー」と芝桜の庭をかなり気に入ったようである。 「風水防御ここまでやるんだ」と尾崎晁堊が驚いている。 「桜の花見が楽しみだね」と運転しながら鏡剣が目を細めている。 本宅に到着して荷物をおろして車を車庫にいれて、まだ220番の夢の以下の詳細のままの家に入る。 玄関の向きは西で、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、車寄せのような斜路のついたエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは3階まで吹き抜けで、巨大なシャンデリアが天井から下がり、畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。玄関の両開きのドアに向かいあう東の壁に高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて15畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は3階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに8畳の応接間、この部屋が玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋である。東側に10畳の広さの車庫、さらに東側に10畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで4畳あり、脱衣所が2畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には8畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には12畳の広さになる。この二つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この二つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると20畳の大広間になる。南の庭と二つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が10畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。10畳の厨房の北側が10畳のダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールになっていて、地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、10畳の洋室が2部屋、9畳の洋室が1室の合計10部屋がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の簡易台所がある。風呂場は2畳が浴槽と洗い場のある部屋で1畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の8畳の部屋が応接間になっている。3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の9畳の部屋の上は自分の自室がある位置になっていて、67番の夢の12畳の自室が存在している。階段は4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置になっていて、天井の高さも150センチと1階や2階や3階の半分の高さである。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは50センチの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は3メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の東南の10畳の部屋と私の部屋と簡易キッチンつきの風呂場の間の東側に位置する10畳の部屋、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する8畳の部屋、2階の南西の部屋と応接間の間の西側に位置するの8畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれてドアの左側の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された30センチ四方の銀のプレートがついている。 以上の家のそれぞれの部屋に荷物を置いて1階のダイニングに行くと10畳のダイニングの中には55番の夢の恭仁見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、66番の夢の息子の24代美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の16代明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、3番の夢の尾崎儀一、22番の夢の尾崎晁堊、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、130番の夢の今野千光、101番の夢の高城ハル、1番の夢の木村聖一、木村聖二、212番の夢の弟分の木村京、81番の夢の仲串勝美、55番の夢の武田詩織、169番の夢の阿倍佳奈子、162番の夢の風間了、14番の夢の寺島小百合、55番の夢の大島玲仁、44番の夢の金井恵一の29人がそろっていて、お茶とジュースとおやつが配られていて、3時のおやつの団欒という雰囲気になっている。 私がいつものように恭仁見つかさと鏡剣の間に座ると金井恵一から西の迷宮の間入室のあいさつがあるのと、高城ハルが紫藤の一門衆の藤江家を再興することになったので、席が紫藤兄弟の近くに変わっているのと金井の席が今野千光の隣になっている。 なんとなく私から 「なんだか、この部屋金蓮15家そろい踏みに近い凄い贅沢な光景だなあ、久慈家がいないだけで菱宮4家全員いるし、菱東家がいないだけで4菱家全員いるってのがすごいな」と感嘆したようにいうと、全員がお互いの顔をみかわし、「「言われてみればすごいかも」」という顔をする。宮本一こと葉山託生が 「ホント、1藤4菱5葉家でかぶっているけど一門衆が11家もいるもんねー」というと風間了が 「葉山ずいぶん詳しく把握してるな」と驚くので 「今、タクミが菱関と国見の古文書の復元祐筆役しているから、古文書に家名が沢山でてくるから、覚えちゃったんだよな」と私がいうと 「そうなんだよねー、ホントに61家もあるから驚いたなー」というと、恭仁見つかさが 「えっ、古文書新しく書いてくれてるのタクちゃんなの」と驚くので、 「なんたって葉山流書道の家元だからね、本人もだけど字も惚れ惚れするよ」とどさくさに紛れてノロケたのは全員にバレバレで、「「おー」」という冷やかし声があがるのとタクミが赤くなるのが同時である。 「古文書といえば」と金井恵一が報告風に話しだすので全員が金井恵一に注目する 「アムランから調べてほしいって言われていた井伊直也君の能力なんですが、どうも井伊家の武術の遠眼鏡の技というか才能と魔を石にして封じる井伊家よりは久慈家に近い能力で、封石と言うようです」というので、話しを聞いている井伊直也本人が驚いている 「あっ、オレも金井から聞いて気になって調べたんだけど、遠眼鏡の技は宮大工の今野にもあって、小さい細工物をするときに材料を一時的に大きくして細工して元の大きさにもどせる才能というか超能力の持ち主がいたことがわかったのと、武術だと遠眼鏡って望遠鏡のことなわけで遠くの敵を大きく近くにいるかのように見て正確に攻撃を加えるための技もしくは超能力のようなものっていうことは判った」と今野千光が一気に言うと、風間了が 「忍術にもあるねえ、技として習得する能力と先天的にもっている能力の二つがあって、顕微鏡のように小さなものが拡大されて見えるみたいですね」と補足説明的に言うと、橘夏芽が 「ということは細菌とか小さなものが大きく見える能力ということですか」と訊くと 「そこまで詳しくはわからないけれども、可能性としては細菌とかウィルスまで顕微鏡や電子顕微鏡並に見えるってことだろうけど、実際のところ井伊はどんなふうに見えているの」と風間了が井伊直也に質問すると、 「ええ、今みなさんのお話しでよくわかったんですけれども、何かの拍子に細菌みたいなものが大きく見えて、危険を感じると無意識に石にしてしまうみたいです」と考え考え言うのを聞いて全員が絶句する。 「これは、まちがいなく魔物を石にする超能力だわね」と橘夏希が確信をもてたという風に言うと、金井恵一が 「これは久慈家に伝わる伝説の封石の能力ですね、井伊家に久慈家の血が入っていたんでしょうね、どのみち身内だから、かつてどなたか井伊家に久慈家から入った方がいたんでしょうね」と少し納得したぞという顔でいう 「ちょっと待ってくれ、久慈家って相当前から姿を隠しているし、この間ヒロから祝姫が訪ねてきた話しで確実に現存していることはわかったが、伝説の能力だろ封石って、使えるとしたら祝姫本人だろ、井伊家に祝姫本人が嫁入りするってありえるのかな」と私が疑問を呈すると、流石に金井恵一も考え込んでしまうが、いきなり涼しげな声で 「ありえるわよ、嫁入りしたわけじゃないけどね」と武田詩織があごに手をあてて首をかしげて考えながらいうので、隣から仲串勝美が 「しおちゃん、それって」とタイミングよく合いの手をいれてくれるので武田詩織が続けて 「久慈の祝姫ってアムランは巫女って言ってたから思うのだけど、正式に結婚しちゃいけないけれども、子供は産んで井伊家の跡取にしたって可能性があるわよ」と言うので 「なるほどね、そうでなければ久慈家が現在まで存在するはずもないよな、まあ菱東家のように初代が本人っていうのは考えにくいからね」と私が納得したように言うと、紫藤聖一が 「井伊家って昔から美男美女が生まれることで有名で、久慈の姫君も惚れたんでしょうね、実は紫藤の家のかなり前の当主が当時美人で名高い井伊家の姫に惚れて熱烈求愛の末どうにか結婚した伝説の話し、この間直江から聞きましたねえ」と言うと、尾崎儀一も 「ああ、その紫藤の求婚伝説っていうか他にも惚れた奴がいて、大変だったって記録がうちの古文書でもあったな、その流れで久慈の姫さんが井伊の男前に惚れた可能性はあるな」と苦笑しながら言うと、私も 「ほんとにそうだよな、井伊家だけでないけどね、菅井家も結構美男美女揃いだからな、ここに菅井の人間が3人いるけど、見たらみんな納得だろ」と菅井佐知と今野千光と武田詩織の3人を目で示すと全員どれどれと菅井佐知と今野千光と武田詩織の顔を見るので3人とも赤面するのと、仲串勝美が 「まちがいなく美人だ」というので 「かっつみーノロケるんじゃねーよ」と大島玲二の冷やかしがとぶので全員爆笑する。 落ち着いたところで橘夏希が 「脱線しまくりでしたが、ナオヤくんの能力は遠眼鏡の拡大の技と封石の能力の複合したものであると考えていいわけですね」とまとめてくれるので 「そうだろうな、だいぶコントロールできるようになったみたいだから、今後どのように活用というか能力として磨いていくのかは本人の考え方だからね、私もこれをどう活用できるのかっていうのは今すぐに思いつかないからね、まあ医学的には病原菌の撲滅に役立つのと公衆衛生学的には、役に立つ新しい細菌の発見とか研究に役にたつような気もするけど」と多少考え込みながらいうと、井伊直也が 「どういう風に利用というか活用できるかはわかりませんけれども、それは、アムランなり金井さんなり皆様に助けてもらいながら僕がいろいろやってみます」と明るく言ったので 「ナオちゃんえらい」と恭仁見つかさがわざわざ立ちあがって抱きしめにいくのと全員から温かい拍手があり、一部目を潤ませている者もいる。 ここで全員が少し喉を湿らせると 「アムラン、風水の話しなんだけどさ、ここの敷地すごいことになったね、東北の角に二つ社をこの間、今野の大頭の清玄さんと組み上げた時に驚いていたよ、ここに魔物と悪しき心を持ったものは入れんって言ってたよ」と今野千光が言うので 「うん、みっちり防御陣は張ったけど、もう少しだね、あと植物の力による霊的防御と池をもう一つ作らないといけないから、今の家を菱関の西陣に移築したあとで本宅を竣工させるのと同時にやるよ」というと、橘姉妹が金蓮の姿になって 「ではその池に金蓮花を住まわせるのですね」と勢いこんでいうので 「いや、やり方は違うが紫藤の初代に倣い本宅内に隠す」とニヤリと笑うと続けて 「もういただいて、この家の中のどこかに既にあるし、結構お茶目で活動的なやつだよ」と言うとその場の全員と金蓮まで「ええーっ」と叫ぶのと 「下賜伝達の儀はすっとばしたんですかっ」と驚くので 「実はね金蓮花の方で先に来ちゃったんだよ、前代未聞というか初めてらしいけどね」とさらりというと、金蓮が絶句して硬直する。 「あとね、藤野家の金蓮花は回収した、残念ながら藤野家は絶家確認、現在藤丸家の養い池で静養中だよ、行方不明分は二つで菱東家と藤咲家分だから21個プラス2で現在23個金蓮15家の手中にあるよ」というと、全員から「「ほーっ」」という溜息が洩れる。 落ち着いたところで話しをまとめて 「本宅お披露目の儀と屋敷守の契の儀と金蓮花下賜伝達の儀は同時にやるのと、金蓮15家の一門衆の名簿の確定作業もする、藤江家含めてあと3家再興と2家新規で一門衆が増えると思う、藤野家は未定だけど現在知られている金蓮15家の中から藤野の家の血が濃いと思われる方に総帥になってもらうか、知られざる隠れ直系がいる可能性もなくはないので、調査を継続するか雲の上と協議中であることを皆に報告して私からの話は終わり」と言って知らないうちに立っていたので座ると、一時シーンとなっていたがいろいろな雑談が隣近所ではじまるので、とりあえず自分もお茶飲んでお菓子をつまむ。 「なんか、やることが早いってか」と木村聖一 「いつものことだけどね」と木村聖二が言うと 「いつ、休んでんだよ」と大島玲仁がぼそりと言うと 「また無茶して怪我してないでしょうねー」寺島小百合まで言う 「だけど、どっから金蓮花探してくるんだろな」と尾崎晁堊が言うと 「なかなか咲かなくて、あるのにあるのがわからないのにさ」と金井恵一が言うと 「金蓮花って生き物みたいだよね、アムランになついたのがいるってこと」と菅井佐知が肩より伸びた長い髪をかきあげながら驚いたようにいうと 「まったくもー、人たらしだけでなくて、植物までもなのねー」と中務香奈枝があきれたように言うと息子の美喜まで 「おとうさん、華道の達人ってのはそのせいもあるのかなあ」と呆れと不思議だという声で腕組みしていうので、さすがに吹き出して 「やれやれ、ほっとくとみんな言いたい放題だよなあ」と苦笑まじりに吹き出しつつ 「ちょっと説明しとくよ、感情も心もなさそうであるのが植物全てだよ、ほんとにね可愛がってやると美しく咲くし、豊かな実りももたらしてくれるんだよ、ナカちゃんやカナちゃんやミドリは高度な霊感持ちだからわかると思うけど木霊っているだろ」というと 恭仁見つかさと阿倍佳奈子と中務香奈枝の3人がうなずく、他の者もなんとなくわかるかなという顔をするので、続けて 「結構ね植物の魂が実体化する例は古代からあるし、神にまでなっている存在も数多いのでね、今回うちに来た金蓮花は金蓮は誰だかわかると思うけど男の子と女の子が来ちゃった」というと 「えっ、まさかあいつら」と金蓮が絶句するのと、尾崎儀一が 「てことは二つも金蓮花が下賜ってことですかっ」とらしくない声で驚くのと金井恵一まで 「金蓮花って雄雌あるんですか」と立ち上がって訊いてくるので こりゃ解説までいかないとダメだと覚悟を決めて 「金蓮花って雌雄別株、つまりイチイとかイチョウなんかもそうだけど雌雄別株という珍しい植物で、サボテンと似たような超能力も持ってるのと結構独特の方法で移動できるし、栄養は普通の植物と同じ方法ともう一つ気を吸収することができるのと、性格というか人格のようなものがあるし、犬とか猫以上になつくんだよ、これはね藤丸のひげの竜也さんとの研究でわかったことと、なつかれているということではひげの竜也さんが一番でないかな、金蓮花に対する愛情はすごい人だからね」というと全員から、「「一番はアムランあんたぢゃないの」」という視線がくるので苦笑すると 「それで、本宅の外側の東南の角に鍵形の池つくったんですね」と金蓮が呆れたように言ってから続けて 「金蓮花って、金蓮花の楽園の雲の上の聖なる湖では底に居るだけでなくて泳ぐ株がいるんですよ」と溜息混じりにいうと、全員絶句するのと 「ホントですかそれ」と金井恵一が目を剥く 「ちなみに本体はアンモナイトによく似ているとだけ言っておくかな」と私がニヤリとすると弟の十琉が 「あっ、もしかしてさっき中庭にあった水槽の中のアンモナイトの化石ってまさか」というので 「正解、やっぱり化石好きの十琉だけはあるよな、誰も何にも言わないから、しめたと思っていたんだ」とクスクスと笑うとまたもや全員唖然とする。 「あの水槽は仮なんだけどね、案外見過ごすもんなんだよな」とダメ押しで言うと 金蓮が大きなため息をついて 「はあー、アムランにはかなわないわよねー、見えているのに全然わからなかったわ」と降参と肩をすくめて両腕を広げると、高城ハルが 「心理学でも、目立つ所にあるものってかえって、気がつかないという盲点の原理がありますけど、ここまでになると凄いなあ、実はあの水槽とアンモナイトの化石もとい金蓮花の本体ですか、はっきり見ていたけれども気にならなかったし疑問すらわかなかったからなあ、いやはや」と頭をふって驚きましたという表現をしてくれる。 「ここで、バラしたから、たぶんどっかに隠れたかもしれないな」と私がぼそりと言うと 木村京と明伸と綾乃の3人がダイニングからパタパタと中庭に行ってもどってくると 「水槽に何も入ってない」 「さっきは確かにあったのに」 「信じらんない」と口々に言うので 「外だな、自由にさせといた方がいい、どのみちもうここに悪さしかけるバカはいないから大丈夫だ」と伸びをしながら言うと、その場の全員から「「ほーっ」」とため息がもれる。 「ねえ、アムランもしかして、まだナンカ来てるんじゃ」と宮本一こと葉山託生までおそるおそる訊いてくるので 「あっ、タクミさすが、するどい」とにっこりすると葉山託生がびびったような表情をするので 「実はね、屋敷守が4人体制になるのと桃と梅と薬草と香木の精が来るので果樹園と薬草園もどきが増設ってことになる」と言うと 「薬草園っ」と今野浩之が絶句するのと、あとの者はもう何がおきても驚くのはやめようという表情のまま硬直しているので 「悪い、もう一つ菱関の宝でもある金松光翔樹が数本希望してきたので、さすがに申し訳ないので、以前ヒロにもらった実の種から新しく育てていた苗が70本移植可能な若木の大きさになったのでね、蓮沼の北側に植樹して薬草園と果樹園として責任もって私が整備するからね」と私がニコニコしながら言うと。 「はあっ、70本ってそんな大量にどこで育ててたの、あれ育ちにくいってか、若木っていえるレベルまで育つのに100年かかるんですよ、そこでやっと実が生り始めるんですよ」と今野浩之よりも金井恵一が目を剥いて驚くのと金松光翔樹の知識がある尾崎儀一まで 「70本って、どんだけの薬が作れて魔除けになるんですか」と開いた口がふさがらないという顔をする。 珍しく井伊直也が 「アムランが用意周到なのは、要塞で指揮とってる姿見ててもよくわかるけれども、実は僕も金松光翔樹の伝説は知っているんですが、1本あるだけでも神木と言われている存在なのに70本も育てたというのは戦略的に言わせていただくと僕達の敵はいるんでしょうけれども、勝負にならないというか、もし襲ってきたとしたらその敵はよほどのバカですよね」と美しい顔で静かに言うとなかなか説得力と迫力があるもので、ダイニング内の全員が「「うんうん」」と納得している。 こういうときのまとめ役というと尾崎儀一のはずであるのであるが、よほど驚いたらしく無言で硬直しているので風間了が 「油断は禁物ですが、当面敵さんからのチョッカイはないということは確実で、金蓮15家としては、いろいろと生活もふくめて技能を磨き世のためにつくす準備はおこたりなくしましょうということで方々元気にやりましょうというまとめですね。ただ金松光翔樹の促成栽培のネタは知りたいところです」としっかり話もまとめたけれどもかなりいい質問もしてくれるので 「確かにまともに育てたら100年かかるけれども、こことは時間の流れが違う場所で育てたのさ、金蓮はどこだか知っているよな」といたずらっぽくいうと 「はあーっ、時空間移動を自在にできるアムランでなければできない芸当ですわねー、1年がこちらの100年っていう場所で育てたからなのですね。なんかまだ手品を用意してますよねー」と上目使いで金蓮がいうので 「うん、まあいくつかね、でも楽しみは多い方がいいからね、こっから先は内緒、でもね、私が仕事が早いタネばれただろ」といたずらっぽく言うと 「どっちにしたってマネできません」とお手上げポーズをしながら鏡剣が言ったので 全員力が抜けたらしく爆笑の渦がまきおこる。このあとは一気に緊張が抜けたこともあり全員押し黙って、考え込んだりおやつを食べたりぼーっとしているが、 やっぱり来たかの尾崎儀一が 「そういえば、菱関の屋敷守の白象の件はどうしました、霊廟の方は今野千光が多宝塔形式のものを完成済みですが」と傍に来てしゃがみこんで訊くので 「すでに拾骨は白象一族立会いの下に行い、多宝塔内に納めて供養済んだよ、やっぱり先に完成していて正解さ、それと多宝塔の見事さに白象一族が感動したということで、それもあってすんなり霊廟での埋葬オッケーだった」というと、ひそひそ声のはずが全員に聞こえたらしく、始まっていた雑談がピタリと止まる。 「えっ、もう埋葬と供養おわったんですか」と今野浩之が驚くので、説明の必要があると思い 「うん、人間の立ち会いは、私以外は許可にならなかったので、拾骨と埋葬までは白象一族と私だけ立会いで、人間にはやっぱり見せたくないらしいな、私は人間扱いでないらしいから立ち会えたみたいだけどね、埋葬して隠してしまったので、今後は人間の立ち入りの供養は自由だからヒロ達も自由にお参りできるよ」と一気に自分自身への揶揄も込めて言うと、尾崎儀一もあきれ顔になり 「いくらなんでも、自分のことをそこまで言わなくても」と言うので 「まあ、バケモンなのは事実だろ」と横目で言うと一番最初に恭仁見つかさが続いて鏡剣その後に金蓮が爆笑するので、尾崎儀一も苦笑してやれやれとお手上げのポーズをする。気を取り直した尾崎儀一が 「では菱関の方は棟上げと屋敷守の契の儀だけですか、大きな行事は」と訊いてくるので 「そうだね、あとは文書と敷地内の整備を引き続き行って普通に生活しているだけで大丈夫だよ」と言うと風間了が 「なんだかアムランらしい言いようだね、何かあってもこれだけそろっているから大丈夫ってことですか」と軽くも何か期待しているような言い方だったので 「その通りだね、我々は金蓮15家とか名家というよりもね、1人1人の優れた才能と能力と知恵と体力と美意識と心意気そして個性あふれる人間の集団というか家族さ、置かれた状況と立場があるけどね、愛し愛され尊敬しあう、そんな素晴らしい存在の溢れる泉であり続けたいし、そういう素晴らしい存在だろ全員」と言ったところで、総立ちの状態で歓声があがり騒然となったところで目を覚ます。 No 0264 1989 平成元年 6月26日 月曜日 104番の夢と同じ校舎を上空から見ている。幅20メートルで長さが100メートルある同じような直方体の3階建ての鉄筋コンクリートの建物が東西に平行に3棟並んでいて、建物の東端と中央と西端の3ヶ所にそれぞれ30メートルの長さで3階建ての渡り廊下が田の字型の配置で広い中庭が四つある。階段とトイレは各棟の渡り廊下のつながるホール部分に9ヶ所ある。中央の棟の西側に低学年用の玄関があり。北側の棟の西の端に体育館があり、北側の棟の北にグランドがあり、中央部と東の端にグランドに出るための玄関がある。北側の棟は低学年の教室と部活動の部室専用の場所である。中央の棟の2階の西の端に広い図書室がある。中央の棟は音楽室や理科室等の特別教室専用の場所である。南側の棟に職員室と高学年の教室と高学年と職員用の玄関がある。生徒会室は南側の棟の東端にある。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は31番の夢と同じ黒の詰襟の学生服の上下を着て左襟に菱形のバッジをつけて、白のソックスをはいて、黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。 学校内で、いじめと乱闘がときどきおこり、とめに入るとおさまる。この学校では生徒会長ではないけれども、一目置かれる存在になっていて、自分のクラスの3年5組には105番の夢の鏡剣、169番の夢の香川諒子、55番の夢の恭仁見つかさ、24番の夢の井伊直也の4人がいて私と5人グループを形成している。やはり美少年ぷりがよいために井伊直也がクラスのアイドルである。香川が女の子であるが身長180センチあるために身長150センチの井伊直也と並ぶと目立つ。 1週間ほどの日常の学校生活の繰り返しがあり、1週間目の昼の図書室での乱闘騒ぎで一連のいじめと乱闘騒ぎの元凶が判明する。これは教師と生徒の乱闘があったために危機感を持った、教師達がつきとめたのであるが、元凶となった人物が井伊直也とよく似た美少年で、井伊直也に嫌疑がかかったために犯人探しをすることになり、学校内の情報から、街の中を手分けして自転車で走り回り、元凶が風呂屋の息子であることが判明して、学校に連行して、教師の前で井伊直也と並べて見せて、井伊直也が身長150センチなのに対して170センチあり明らかに別人であるということで井伊直也への嫌疑を晴らすのと締め上げる。私がやりすぎそうになって井伊直也と鏡剣と教師達がとめに入ったところで場面が変わる。 場面が変わり、近未来風の平均20階建てのビルが立ち並ぶ歓楽街にいる。自分の姿は学生服から20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 ビルのひとつにゲームセンターやバッティングセンターやボウリングなどの遊戯施設を集めたアミューズメント専門ビルがあり、特殊なメガネを装着することによる斜視の視野の体験や地下には斜めになった鏡部屋に入ることで錯覚によるバランス感覚を狂わせて遊ぶ施設がある。一部整備中で若い男と中年の男がグレーの作業着の上下を着て鏡を2〜3枚床と天井の溝に沿って嵌める作業をしている。 外に出ると150番の夢の金蓮が黒のジージャンとスリムジーパンの上下を着て黒のカンフーシューズを履いている。ビル街はだいぶ薄暗くなっているが、金蓮と2人で手をつないでタップダンス風のステップを踏みながら歩いて行くと夕焼けの空に巨大な如意宝珠が出現れて金蓮がおどろくのと、如意宝珠であることを説明しているうちに目を覚ます。 No 0265 1989 平成元年 6月27日 火曜日 104番の夢と同じ校舎を上空から見ている。幅20メートルで長さが100メートルある同じような直方体の3階建ての鉄筋コンクリートの建物が東西に平行に3棟並んでいて、建物の東端と中央と西端の3ヶ所にそれぞれ30メートルの長さで3階建ての渡り廊下が田の字型の配置で広い中庭が四つある。階段とトイレは各棟の渡り廊下のつながるホール部分に9ヶ所ある。中央の棟の西側に低学年用の玄関があり。北側の棟の西の端に体育館があり、北側の棟の北にグランドがあり、中央部と東の端にグランドに出るための玄関がある。北側の棟は低学年の教室と部活動の部室専用の場所である。中央の棟の2階の西の端に広い図書室がある。中央の棟は音楽室や理科室等の特別教室専用の場所である。南側の棟に職員室と高学年の教室と高学年と職員用の玄関がある。生徒会室は南側の棟の東端にある。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は31番の夢と同じ黒の詰襟の学生服の上下を着て左襟に菱形のバッジをつけて、白のソックスをはいて、黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。 264番の夢と同じく、学校内で、いじめと乱闘がときどきおこり、とめに入るとおさまる。この学校では生徒会長ではないけれども、一目置かれる存在になっていて、自分のクラスの3年5組には105番の夢の鏡剣、169番の夢の香川諒子、55番の夢の恭仁見つかさ、24番の夢の井伊直也の4人がいて私と5人グループを形成している。やはり美少年ぷりがよいために井伊直也がクラスのアイドルである。香川が女の子であるが身長180センチあるために身長150センチの井伊直也と並ぶと目立つ。 秋から冬にかけての2ケ月ほどの日常の学校生活の繰り返しがあり、スキー合宿にも行く。いじめと乱闘騒ぎは2週間経過後に1週間ほどあり、これは264番の夢の続きで、井伊直也そっくりの風呂屋の息子を学校に連れて来て私がしめあげている場面があって、このとき風呂屋の息子の名前が柳沢直樹とわかり、いじめと乱闘の元凶であり主犯であることがわかり教師からも相当厳しい処置があるが、とりあえず和解していじめと乱闘騒ぎもおさまる。 2ケ月経過してスキー合宿で宿泊した部屋で鏡剣と香川諒子と恭仁見つかさと井伊直也と5人だけになったときに、柳沢直樹のいじめと乱闘騒ぎの原因は井伊直也に対する嫉妬だったことがわかったと鏡剣が情報を教えてくれて私が呆れていると、井伊直也が私に出会う以前からこの手の騒動があって、かなりつらい目にあっていたことを初めて言うので、鏡剣と香川諒子と恭仁見つかさと私の4人が驚く。 井伊直也からは柳沢直樹が自分似の美形にもかかわらず、私が手加減しないでしめあげたことに驚くので、訊くと今までも誰かの愛人的に扱われたときに、自分と似ていたり美形の存在に対してほとんどの者が態度が甘く、心移りされたりしたと涙ぐむ。 「私は見た目にほれるわけではなくて、心とか才能とか魂の本当の美しさに惚れるので、たとえ外見が超絶美形であろうと心や魂が醜かったら容赦しないし、する気もないし、たまたま私の周りは外見も美しいのが多いので、私自身はあまり気にはしないが、美しいものが嫌いじゃないから、たまに鑑賞はしてるけどね、大事なことはここにいる4人ともそうだけど私はその魂の美しさを永遠に愛する」というと井伊直也がぼろぼろ泣きだすので、他の鏡剣や香川諒子や恭仁見つかさも自分達も感動して泣きそうなのを堪えて井伊直也の顔をぬぐっている。 ついでに香川諒子には 「おリョウは身長の高さを気にしていると思うけど、ものすごく可愛くて才能のある女の子だってのは私はよくわかっているし、血がつながってなかったら今頃ミドリとユウとナオヤと同じ立場だったんだよなあ」とさらりと言うと 「えっ、そうなの」と香川諒子が驚き、思いきりしがみつかれて泣きはじめたので、泣いていた井伊直也が泣きやみ、鏡剣と恭仁見つかさが香川諒子の背中に手を当ててさすりはじめると、ポツリと井伊直也が 「これだからアムランの殺し文句にはかなわないよねえ、僕はもし捨てられてもついてく」というので、私が言う前に鏡剣と恭仁見つかさが 「それ、アムランに限ってはあり得ないから、あたしたちに遠慮することなく甘えなさいよ」と同じことを言うのと私にしがみついて泣いていたはずの香川諒子が井伊直也の手をとって身体を軽々と引き寄せて私に抱き抱えさせるのでおもいきり抱きしめると、少し涙ぐんだ上目つかいがあまりにも可愛過ぎて井伊直也の額にキスしたところで目を覚ます。 No 0266 1989 平成元年 7月5日 水曜日 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいている。髪型はショートボブ。 場所は67番の夢の以下の詳細の部屋の中にいる。 ドアの上に自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られていて、光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれている。ドアの上のプレートの名前からここが夢の世界の自分の専用の個室であることがわかる。12畳の部屋の中心に畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、部屋は東西に長く南北に短く、テーブルは長辺を東西にして置かれている。2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。窓は部屋の東側と北側にある。部屋の東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドがある。西側の壁は3メートルある天井まで全てつくりつけの本棚になっていて一部スライド式の棚になっている。南側の壁は中心から東側の窓の壁までがクローゼットになっている。中心から西側はクローゼットの扉のすぐ隣が縦に畳1畳分の大きな鏡があり、本棚のある西側の壁よりに出入り口のドアがある。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、鏡側の西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっている。ドアの前に黒のスチールの机があるが、この机は両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の上には左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきの飾り棚がある。この作業台の上の西側よりには、テレビとビデオデッキとミニコンポが置いてある。 夢の始まりは上記の詳細の部屋の机の前に座って図面を確認しているところから夢が始まる。 ノックの音がして、130番の夢の今野千光と25番の夢の今野浩之と23番の夢の佐藤優二兄弟が入ってくるので図面をもちながらソファに移動して3人と打ち合わせを始める。 「今、現在家が奥関の西陣に完全移動して、とりあえず新しい本宅が組み上がってから迷宮の間とこの部屋をそっくり移動させて、庭をもう一度造成する間に、この家の玄関の天窓の紋章を奥関家の市松菱に変える作業をする」と言うと 「新しい本宅の基礎打ちは終わっているから、躯体を組みあげて棟上げ式ですね」と今野千光がいうので「私も組み上げやるのでよろしく」というと 「ホントにアムランって器用」と佐藤優二が言い、兄の今野浩之も「薬草園というか金松光翔樹70本は果樹園としか言いようのない壮観さだったのと、あの整然とした美しさは芸術に疎い私でもわかりますからねえ」と感心と驚きの混じった声でいうので 「金松光翔樹はね、私の本宅の薬樹園に2本来てくれる事への返礼だから、かなり丁寧な仕事にしたつもりさ」と笑うと、今野千光が「やっぱり70本ってのは壮観だよな、中心に天竺様の大きめの東屋と東屋までの十字の白玉石の砂利の道ってのもいいよな」と私の肩を軽く叩いて納得と賛意を表してくれる。 「あそうそう、ヒロとユウ君にお願いなんだけどね」と私がやや遠慮がちに切り出すと 「いや、もうなんでもききますよ、ここまでにしてもらったんですから」と今野浩之が言い 「愛人になれって、言われたら喜んで」と佐藤優二まで言うので、今野千光のあきれ顔に私も苦笑しつつ 「大親友にそれはないから。ただね、父なんだけどね、新しい本宅にはもちろん住むし、部屋も用意するんだけど、移築した家の部屋そのまま使わせてほしいんだよ」と言うと 「あっ、アムランのお父様ですか、それはもう、ここの敷地の半分開拓っていうか整備してくだすったんですから、ご随意にですよ」と今野浩之があっさり了承し 「アムランのお父様でしたら、ぜひぜひ、いろいろ教わる事もありますから」と佐藤優二もかなり殊勝な事を言うので、今野千光が少し吹き出しそうになりながら 「ユウジー、お前まじめな奴だと思っていたけど、アムランがらみになるとけっこうサチと変わんないんだなー」と苦笑するので。 「そりゃ、お互いさまでしょ、大親友といえども、ありますって、だいたいにして千光さんだって好きでしょうがないってバレバレですよ」と逆襲するので、兄の今野浩之も苦笑しているので 「まあ、友情も大親友レベルになってくると、愛情が恋愛と変わらなくなってくるからなあ、けじめはつけてるけどね、ギイとアーサーなんかも大変だと思うよ、お互い相思相愛なのはわかっているからね、それとねサチが言ってたけど、恋人とか愛人の関係より大親友の関係のほうが、ざっくばらんに邪念がはいらないだけうらやましいだとさ」と私がとりなすように言うと 「あいかーらず、ぜーたくこいてんなあサチは、気楽に甘えられるのは友人より恋人や愛人なんだけどなあ」と今野千光がぼやくと今野浩之と佐藤優二兄弟が吹き出す。 「わかったよ、大親友達にも甘えさせやすい環境はつくるよ」と私が少し苦笑まじりに言うと 「「おおっ」」と今野千光と佐藤優二が喜ぶので 「アムラン、あんまりこいつら甘やかさなくてもいいですよ、けじめある愛情と親しき仲にも礼儀ありじゃないですか」と今野浩之がかなりまじめな表情で言うので 「ヒロ兄、菱関の総帥としての責任感ある事はいいんですけど、あんまり尾崎のギイさん化しなくてもいいと思う」と佐藤優二がいうと、今野千光まで 「まったくだよ、ギイが2人もいらんって」と言った瞬間にノックの音とともにドアが開き、噂をすれば影のとおり3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊兄弟が入ってきて、開口一番に 「聞こえたぞ、浩之の言うのが正しい」と尾崎儀一が怒ってはいないが少し眉間ジワを寄せて言ったので 「「あっ、聞いてたのね、ヤバッ」」という表情の今野千光と佐藤優二を見て兄の後にいた尾崎晁堊が爆笑する。場を落ち着かせて次に進めるために 「ギイとアーサー2人とも朝からご苦労様、このあとね、本宅の組み上げやってしまうから、図面一応これ」とコピーを尾崎儀一と尾崎晁堊兄弟に渡すと場面が変わる。 上から見た時に以下の詳細の場所の上空にいる場面に変わる。 1キロメートル四方の敷地に、幅3メートルの切込ハギの石垣の掘を回し、塀も高さ2メートル厚さ50センチの白壁を回し、塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路と塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にまわされた全長1キロメートルの道路全てが2車線両側歩道つきの道路となり。500メートル四方の内陣は125メートル四方の区画で16等分され、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて周囲の4つの区画は鍵形になるように区分されている。南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場とし、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝にする。16等分された残りの12区画は北東の角が桃園、南東の角が薬樹園、この二つの間を畑として2区画使用する。南西の角が梅林で南東の角の薬草園との間の2区画は水田として使用する。桃園の西隣の区画と梅林の北の区画は畑として使用する。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭とし、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されるため芝にする。 塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森で南東が竹林で南西は赤松林と黒松林であとは混合林になっている。南の竹林の中には直径約60メートルの丸い池を築造してある。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西と南の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北と南へ向う2本の道路と合わせて12本整備し、本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備してある。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。南側にある門も東から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。 敷地の森の北東には神社2社と南西の森には墓地と霊廟を築造して風水の守りにしてある。本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭として整備する。1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面になっている。 以上の詳細の場所の上空に尾崎儀一と尾崎晁堊の2人と浮いて見おろしている。 「組上げあっという間でしたね、それにしても上から見ても大きいですね」と尾崎晁堊が107番の夢で登場した大型実家を移転したあとに今日突貫工事で仕上げた新しい本宅を指し示していうと、兄の尾崎儀一も 「1キロ四方の敷地も、今日新たに南に門と池を追加して、森の半分が新たに竹林と松林になって、墓所も墓地と霊廟が完成してものすごい風水と魔法防御になりましたね」と唸っている。 「やっと安心して大好きなみんなと暮らせる本拠地が確保できて感無量さ、敷地のレイアウトも本宅の縄張りも自分の満足行く完成度になったし、2人とも本当にありがとう」と尾崎兄弟とがっちり握手して新しい本宅の玄関前におりる。 朝からの突貫工事と棟上げ式の余韻が残り、再整備された玄関前の空間にはテントが張られていて、まだ1番の夢の木村聖一と1番の夢の木村聖二兄弟と14番の夢の寺島小百合と49番の夢の香取恵がいて棟上げ式の参列者の記帳の整理をしている。 4人に声をかけて、新しい玄関エントランスから家の中に入ると、 105番の夢の鏡剣、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、82番の夢の宮本一、55番の夢の大島玲仁、55番の夢の恭仁見つかさ、55番の夢の日生篝、55番の夢の武田詩織、162番の夢の風間了、81番の夢の仲串勝美と152番の夢の仲串勝代兄妹、101番の夢の高城ハル、131番の夢の橘夏希と143番の夢の橘夏芽姉妹、74番の夢の藤本由里江、80番の夢の玉泉和典、169番の夢の阿倍佳奈子、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の中務香奈枝、169番の夢の香川諒子、66番の夢の息子の24代美喜、135番の夢の孫の16代明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、212番の夢の弟分の木村京、44番の夢の金井恵一の29人が玄関ホールに集まって4階までの吹き抜けと螺旋階段を見上げて歓談している。私と尾崎兄弟の気配に気が付いて全員振り向いたので 「今度のダイニングは余裕だろう、外にいる4人にも声をかけたから、お茶にしてゆっくりしよう」というと 「「おーっ」」という歓声とともに全員がダイニングになだれこむのを尾崎兄弟が少しびっくりして見送っているので、2人を促して靴を脱いで上がる 「この螺旋階段ってのは驚いたよなあ」と靴を脱ぎながら尾崎儀一が感心したように言うのと 「専用の靴箱の部屋が二つもある設計も、びっくりですよね、しかも、目立たないですよね」と尾崎晁堊も靴を脱ぎながら感心したように言ってくれる。 広さにして約40畳の広さになったダイニングは余裕の広さである。50人いても余裕のスペースである。中はまだ棟上げ式のときの立ち食い形式の状態であるが、40人分の椅子が用意されている、席はいつもの席に近い感じで座っていて、お茶とジュースがおやつと軽食と共に用意されている。例によって私の席は鏡剣と恭仁見つかさの間である。外にいた木村聖一と木村聖二兄弟と寺島小百合と香取恵の4人と今野浩之と佐藤優二と今野千光と7番の夢の藤丸竜也が現れて私を含めて合計40人がそろったので、まずは私から 「今日は棟上げ式と躯体の組み上げと外装内装の手伝い、お疲れ様でした。金蓮花下賜の儀と屋敷守の契の儀と新家お披露目の儀はまだ後日になるけれども、今日は身内だけのお披露目と親睦会ということでパーティとします」と軽めのあいさつをすると 「「おー」」という反応があって、あちこちで、雑談の花が咲きはじめる。 いつもなら尾崎儀一が来るところを今野千光が来て 「いやー、参りました、器用だし、博識とはいえ随分と詳しいよなと思っていたら、先々代金剛斎の直弟子で先代金剛斎の大頭もやっていたなんて初めて知りましたよ、兄弟子どころか師匠だったんですねー恐れ入りました」と言って頭を下げるものだから、場の注目が集まる 「千光、頼むから師匠だけはやめてね」と私が苦笑しながらいうと、玉泉和典からも 「光成、オレからも頼むわ、礼義正しいのはいいことだが、今さら師匠は恥ずかしい」と今野千光に言うと、その場の全員が「「光成って誰っ」」という反応になるので 「光成は千光の宮大工今野としての号で千光の本名は菅井千太郎だから千と光をあわせて千光って名乗っている」と私が補足説明すると 「「へー、知らなかった」」という反応と 「「兄さんって千太郎だったのか」」という反応が菅井佐知と武田詩織からある。 「その千太郎ってのも恥ずかしいんですよね」と今野千光が少し赤くなって言うと、すかさず十琉が 「えっ、千太郎ってかっこいいじゃん」と言ってくれたので、菅井佐知からも 「兄さん、今野の仕事しているときはともかく、菅井家の人間なんですから、堂々と菅井千太郎でいいじゃないですか」と言い、武田詩織まで 「千光でもかまいませんけど菅井もちゃんと名乗ってくださいね、代理とはいえ菅井の総帥なんですから」とダメ押しするので 「わかった、前からアムランからも言われていたし、可愛い弟と妹から言われたら努力するよ」と少し照れながら言うと藤本由里江が 「詩織ちゃんさすがね、兄貴しめるのは妹の特権よ」と言うので玉泉和典が 「おいおい」とセーブする。 「みんな驚いたと思いますがね、アムランと玉泉殿が先々代金剛斎殿の直弟子だったのはすごいですね、午前中の棟上げと組み上げのお二人の技の凄さは流石に金剛斎の直弟子の面目躍如でしたからね」とここで尾崎儀一が驚きましたと声をあげる。妹の理美から 「お兄さまと玉泉様はどちらが弟子になったの早かったんですの」と訊いてくるので 「玉泉が兄弟子で、私が弟弟子、久しぶりに一緒に仕事したけど流石に兄弟子の熟練の技だったなあ」と言うと玉泉和典が 「相変わらず、呼吸がうまいよな、それと今野にあんな技あったっけ」と訊いてくるので 「ああ、あれは古文書の匠明にある技でどちらかというと風水と陰陽師的な技ですね、白銀の技の一種ですよ」と言うと 「ああ、白銀か、口伝の奥義だよな、実際にやっている現場を見たのは俺も今回初めてだよ、昔からだけど、時々およっと思う事をやってくれるよな」とちょっとやんちゃだけど可愛くてたまらない弟を見るような目つきで言ってくれるので、その場の全員も、「「こういう兄弟弟子愛もあるのね」」といった感じで納得するほのぼのとした雰囲気になる。 「白銀ですかー、伝説の技じゃないですか、どおりで来迎柱とか桝組みの様式に詳しいはずですよね、大頭の清玄さんまで、よくも宮大工のこんな古い技の名前知っているよなと驚いていましたからね、先々代金剛斎の直弟子ってのはすごいわ」と今野千光が脱帽という声を出すと 「みなさん、いらっしゃいますね」と稟とした声の眉目秀麗な青年が入ってくる 「おや、万里眼の玲也じゃないの」と藤本由里江が声を出す 「今日は、先に御挨拶にまいりました」と全員にあいさつするが、やはり藤本由里江が苦手なようである。 玲也を手まねきして傍に来させると私も立ち上がり 「こちらは、知っている者もいるだろうけれど天狐一族でここの屋敷守筆頭を務めて頂く万里眼の銀狐の玲也殿だ、よろしく見知りおきをお願いする」というと玲也が一礼する。 「では、あらためて屋敷守の契の儀のときにお目にかかります」と言い置いて部屋から去っていく。 「すごいな、万里眼の銀狐の玲也といえば、名だたる天狐じゃないか」と尾崎儀一が感心する 「そうだね、それと国見守の甥っ子になる」と私がいうと「「ほー」」という声が上がる。 そろそろ身内のお披露目をしようと思っていると、ダイニングの入口から赤と青のチャイナドレスのような服を着た6歳くらいの3人の子供が入ってくるので全員が注目するが、身長が同じくらいなのでわからなかったが良く見るとまんなかの女の子は10歳くらいで左右を男の子と女の子に支えられていることに気づいたのと、正体がわかったので慌てて立ち上がり 「なんという無茶をするんですか、ヒロ、大至急黒曜石の薬研貸してください、竜也さん、金蓮、」と叫びながら3人の子供達に駆け寄ると、橘姉妹は慌てて金蓮に変身し、藤丸竜也も腕まくりして駆け寄るので、その場の全員が総立ちになる。とっさに新しい本宅の中庭に置いてあった球形のクリスタル製の直径1メートルの水槽を移動させて、3人の子供の後ろに浮いていた本体を水槽に沈めると3人の子供の姿が消えて。ダイニング中から「「ええーっ」」という驚きの声があがる。後から今野浩之が黒曜石の薬研を持ってかけつけてくるので、受け取り、金松光翔樹の実を乾燥させたものと九光花を乾燥させたものに桃の種の中の部分を乾燥させたものをすりつぶしてペースト状にして水槽に沈め、金蓮が掌を組んで気を送ると、水槽が輝き始める。藤丸竜也が懐から半紙のような紙を出して3つの本体を見えないようにするとクリスタルの水槽の水面にぽこっと小さな蕾が開き、その上に先ほどの3人の子供の姿が30センチくらいの大きさで浮かびあがり、再びダイニング中がどよめくのと「「まさか金蓮花」」という声がいくつかあがるのがわかる。 「水場もなしに、人形をとるとは、ムチャクチャですよ、アムランのいるところでよかったよ」とやれやれと言った口調で藤丸竜也が蕾の上に浮かび上った3人の子供達に向かって言うと、金蓮が 「あんた達ー、アムランがいるからいいようなものの、こんなことやったら枯死するじゃないのー」と金切り声をあげると3人の子供達が「「ごめんなさい」」と委縮して蕾の上で頭を抱えてしゃがみこんでしまうので 「金蓮、そこまでだ、覚悟の上でやってることだろうから話しは聞こう、ただし自分の実力以上の事とまわりに迷惑のかかることは今後しないと約束してもらう、それができない場合は帰ってもらうがいいね」と少し硬めの声で言うと蕾の上で3人とも土下座して 「ごめんなさい」 「もうしませんから返さないでください」と口々に半ベソ声で哀願するので、ダイニング中が唖然としているのが見なくてもわかる。藤丸竜也と金蓮と目で会話して、概要と対話は私がして、補足説明を藤丸竜也と金蓮で適宜するという役割分担をとっさに決める。紙を巻いたクリスタルの水槽に向かって、中心からやや右へ私がずれると藤丸竜也と金蓮が私の後ろにつく 「みんな、説明するので、前の方に出てきて水槽を囲むように立ってくれないか」と言うと全員水槽を囲むように整然と輪をつくって立ちならんだので 「まずは、水槽の中にいるのは金蓮花の本体3株で、みんなの側から正面左から私の新家へ来る男の子、まんなかが藤野家の女の子で、私のすぐ左側が私の新家に来る女の子と紹介します」と言うと3人とも蕾の上でおじぎするので、つられて水槽の前に集結した面々もおじぎを返す、そのまま続けて 「みんな、この間から金蓮花の本体を目撃していると思うが、金蓮花とは植物と動物の両方の性質を持った実体のある霊的存在であり、短距離ならば空中移動もできるし、本体が水に浸かっていないと消耗が激しいので水の上にのみ人の形をとって現れる事もできる存在であると説明しておくが、まったく無茶やってくれる、まさかここで強壮滋養薬の松桃九葉光をつくる羽目になるとは思わなかった」と言うと 「「げっ、死人さえ蘇らせるっていう、あの松桃九葉光だって」」と藤本由里江と尾崎儀一と金井恵一と風間了の4人が全く同じセリフを吐くので私が驚く。 「劇薬でしょう」と鏡剣まで青くなって言うと 「それでも、まだ全快ではないんだよ、ホントにムチャしてくれるよ」と藤丸竜也が首を振りながら言うと蕾の上の3人がまた「「ごめんなさい」」というので 「済んだことはもういいが、ここに現れた理由はなんだい、2人はわかるような気もするが、藤野の金蓮姫はどうしてまた、藤丸の養い池からここまでとなると結構な距離だが」とまんなかの蕾に声をかけると 鈴を振るような美しい声で 「アムラン殿にはこの子達ともども大変なご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ございませんが、是非にお伝えしたき儀がございまして、お叱りを覚悟の上まいりました」というので、ダイニング中から「「ほおーっ」」とため息のような声が上がる。そのまま目線で促すと 「藤野の家の11代目は、陰陽の道と華道の技を極めておいでの非常に優秀な方で、菱東の初代に無理やり弟子入りしょうとして流浪の旅に出ましたが、先般アムラン殿に探し当てていただきました深山渓谷の沼の畔で不慮の死を遂げられ、私もようやくのことで身を隠し、冬眠というよりは半死半生状態にてお救いいただきました」とさめざめと泣くために、もらい泣きするものも出る。 「半死半生というよりは枯死に近かったからなあ」と藤丸竜也がぼやくように言い 「天上の金蓮花の楽園の聖なる湖での紅花の奇跡という伝説となった、アムランがかつて行った枯死植物再生の秘術がふたたび行われた、藤丸の養い池でね」と金蓮がため息と共に言うと 「はい、かつて私ども金蓮花の一族にとり、大いなる母ともいわれる存在を救っていただきました、この御恩は何にも代えがたく、アムラン殿に身近にお仕えすることのできる万能の従者を生みだすために、見目麗しく、頭脳明晰な若い人間界の夫婦の身体を借りて生み出したのがそこにおいでの金蓮殿です」と言うとダイニング中から「「ええーっ」」という驚愕反応と金蓮自身も知らなかったらしく 「えっ、うそ」と絶句している。 「やれやれ、思いこんだら一途というのは金蓮花の性質として良いことなんだけれども、知識面と参謀の不備は否めないよな、地上の人間界の人間でも金蓮花の一族の総力あげての支援となったら、栄耀栄華を極め、金蓮の両親はいまや雲の上の高級官僚だよ、その流れで金蓮花の一族の住まう湖の監督と警備をする世襲貴族に一族がなっているからね」と私がふーっという溜息とともに言うと 「はい、さすがに雲の上を統べられる御方からは大変なお叱りをうけましたけれどもアムラン殿にはありがたく受け入れていただき、一族郎党ほっとしております」とここで藤野の金蓮花だけではなく3人同時に蕾の上で深々とお辞儀をするのを見て、金蓮が 「アムランは全てご存じでしたのね」と言うので 「正直とまどったというのが本当のところで、やりすぎということで、最初は処罰と処分という流れだったんだけどね、金吾のじいさまともう一人の影の最高実力者がとりなしたのと、恩に対して報いる心を罰してどうするという意見が武門衆、つまり軍人だね、彼らの後押しで現状に至っているのと、私は謝礼はありがたく受け取る主義だし、美しい存在は好きだ。誤解のないように言っておくけどね、金蓮を身近に受け入れる決断をしたきっかけはミドリとユウに惚れたからなんだよね、金蓮の存在は遙かに古く相当長いこと、憧れるだけ憧れさせて生殺し状態が長くてね、私が本当の恋というものを知ったからこそ、ここに金蓮がいるんだよ」と金蓮の方に向いて肩に手を掛けると思いっきり泣かれてしがみつかれるのでミドリとユウに目くばせして金蓮のそばにこさせて涙をぬぐわせると、今度はこの2人が金蓮抱えこまれて泣きだすので、こりゃまいったと内心思っていると水槽の上から 「アムラン殿、肝心のここに参った話しですが」と場を何とかしようという感じで藤野の金蓮花姫から声がかかるので 「脱線ばかりしていたが、そうだった、本題は」と促すと 「はい、藤野家ですが、本家本流は絶家いたしました、残念ながら、ですが藤野の血を濃くひかれる方は間違いなく1人おられます、御本人にいたり藤野の能力が開花されましたのでまちがいございませんが、アムラン殿です」といきなりの爆弾発言に 「ええーっ、わたしっ、そんなはずない、家系図から霊的探索までしているのに、ありえない、ケイっ、いや金井、家系図と古文書の照合からもないよな」とかなりうろたえるので 泣いていた金蓮まで泣きやんで驚いているのと、名指しされた金井恵一もパニックになっている 「えー、アムランの菱平にも藤本にもないですよ」と考え込みながら目を白黒させているのと周囲も 「アムランが知らない」 「どうなってんの」 「アムランでもうろたえるの」といろいろな意味で全員驚いている。 といきなり 「それはまちがいない、大婿殿は藤野の血もひいておいでじゃ」 と万里眼の銀狐の玲也に介添えされた国見守がダイニングの入口に現れて言うので、全員しずまりかえる。 「国見守のお舘殿、御足労痛み入ります」と新家の主としてのあいさつを返すと 「大婿殿、いやアムラン殿、母堂殿の血筋で藤野の古い血脈をひいておいでだ、それに、華の道じゃよ」と微笑しながら言うので 藤野の総本家である藤本家の総帥である藤本由里江が 「確かに藤野の家は華道をもって世に心の安らぎをもたらしめるのが、その本道でありましたが、11代目でしたか、ボケたコトに行方不明ということと、華道の流派も今はない状態で、藤野の本宅の蔵だけは今も藤本家で管理しているけれど、私は入ったことないからわからないけど、華道の道具とか奥義書あるかもしれないわねえ、まあ、どっち道、一門衆からの当時の破門状も残ってるし、藤野家はアムランとこに統合するしかないでしょ、それにアンタ」とすこしニヤリとして藤野の金蓮花の姫に目線を移すと、藤野の金蓮花の姫が怯えるのを無視して 「アムランに惚れたからあたしも家つきの金蓮花として置いてくださいっていうお願いでしょう、いいわよ、藤本の総帥として譲渡裁可します」と宣言するあたりが、藤本の白姫の面目躍如である。ダイニング中がどよめくのと水槽の中の金蓮花の蕾の上の子供達も大喜びしている。 「うっわ、こりゃ事態の収拾つかないわ」と内心困ったと思っていると 「なに、しょっぱい顔してるんですか、めでたしめでたしじゃないですか」とやっぱり来たか、お祭り少年の今野千光が言うので、とりあえず無視して 「お藤さん、藤野家つぶしちゃっていいのかい」と言うと 「どのみち藤岡もつぶれちゃっているからねえ、ずーっと本家だけでやってきたようなもんだからね、いいんじゃないの、望まれるところで輝いた方がいいとあたしは思うな」とあっけらかんと言うので、ホントに藤本由里江らしいと感心する。 「華道か、まあ確かに藤野の血は否定できないかもしれないが、藤野の名跡絶やすのはもったいないし、綾乃は国見華道の跡取りだしなあ、理美と十琉も兄弟だから私同様に血は間違いなくひいてるけど華道はやらないからなあ」と言って理美と十琉の方を見ると、ムリムリと顔の前で2人とも慌てて手をふる。 「国見の先々代がよく言うておったが、アムラン殿は古流の藤野流の面影があるとな、この間から藤野の血筋探しをしているというとったが、灯台下暗しでな、探している本人が実はそうだったということじゃの、もしやと思うて天籍簿を調べてもろうたら大当たりだった」と国見守が目を細めて言ったので 「「て、天籍簿っ」」と玉泉和典と尾崎儀一と藤丸竜也が驚いて叫ぶ 「天籍簿か、そりゃわかるよな、人も悪魔も神も全ての生まれ出ずる存在の記録台帳だからなあ、しかし、よく閲覧できましたね、閲覧できる者というか管理者が南極星老人と北極星老人の2人だけで、天帝ですら自由に閲覧できないしろものですよ」と私が言うと 「そこは蛇の道は蛇でな、狐の道じゃよ、たまには大婿殿の手伝いくらいはさせてもらうぞよ」としずかに言って私の肩を軽く叩くと万里眼の銀狐の玲也を促して立ち去る。 玉泉和典が 「どうする」と決断を促すように聞いてきたので 「ここは、金蓮花一族の気持ちをくみ、藤本の総帥の御裁可も頂いたので、改めて雲の上に奏上して返上再下の儀で筋を通すのと藤野家は流派の名称として、先ほど国見の屋敷守殿より示唆があったので、藤野古流という名称にて再興させることにするのと、国見華道は藤野古流華道との二枚看板にする。人材のあてがあるしね」というと全員驚くので 「一旦休憩というか席をしきり直して、お披露目もするので支度してもらえるかい、玉泉とお藤さんと竜也さんと金蓮はちょっと残って、あとヒロ、黒曜石の薬研ありがとう」と言うと今野浩之がどういたしましてという感じで黒曜石の薬研を引き取り、玉泉和典と藤丸竜也と藤本由里江と金蓮以外の者はダイニングの中をいつものコの字型並びにセッティングをしはじめる。 クリスタルの水槽の前に玉泉和典と藤丸竜也と藤本由里江と金蓮と集まり、まだ蕾の上にいる3人の子供達と会議がはじまる。 「当初の予定が狂ったけどね、藤野はもったいないから、名は残そう、それと3株をひとつの家で下賜か、まあ預かりでは10株養い池にいる藤丸家は特別だけどね」と私が切り出すと 「それだけの価値と功績は十分あるとあたしは思うけどね、まだたりないくらい」と藤本由里江が3人の子供達に安心しろというふうにウィンクするので、金蓮花の子供達がようやくほほ笑む 玉泉和典も 「オレもそう思うね、それにしても家建てたり、薬つくったり器用なもんだ」 「まったくだね、おかげで金蓮花の研究も進んだし、いいものも見せてもらった」と藤丸竜也がにこやかに言ってくれる。 「それにしても、あいかわらずまとめ方が上手なのと、私の気持ちは分かってらしたんですね」としみじみと金蓮が言うので 「それはね分かっていたけど、恋愛よりも趣味や仕事や修行の方が楽しいというかそっちしか目がいかない精神的な時代が長かったからな、気の毒したと思ってるよ、おかげで今や奥方衆は7人だもんな、惚れて慕っているのはかなりの数なんだけどね、奥方衆は7人と決めている、今泣くなよ、打ち合わせだからな」と泣きそうな金蓮を先に制しておいて、3人の子供達に 「あらためて、筋を通した儀式はしなくてはならないけれど、3人ともまちがいなく、ここにいて家族になってもらう、だから、無茶は絶対しないこと、すみかは養い池といくつか用意するから自由に使っていいから、それと今日はこのままここで静養すること、あと自分の名前を自由に考えておいてほしい、それとダイニングにいる全員は金蓮15家の人間だからなんの心配もいらないだろ」というと。3人の子供達がこくこくうなづいて姿を蕾の上から消すと、蕾もするすると本体に引っ込んで静かになる。 「うまいもんだ」と藤丸竜也が感心したように言い 「子供の扱いはホント昔からうまいよな」と玉泉和典もいつものことだが感心するぞという口調で言うと 「そろそろ準備いいみたいね」と藤本由里が室内の様子を見て促してくれる。 テーブルの配置もコの字になり、台所のある側を背に私を中心に右に恭仁見つかさ、宮本一、橘夏希と橘夏芽姉妹が座り、左に鏡剣、菅井佐知、井伊直也が座る。井伊直也の角から今日はいつもと席次が異なり藤丸竜也、日生篝、玉泉和典、藤本由里江、尾崎儀一、尾崎晁堊、阿倍佳奈子、今野浩之と佐藤優二、今野千光、金井恵一、武田詩織、仲串勝美と仲串勝代兄妹、風間了、寺島小百合、大島玲仁 橘夏芽の角から十琉、理美、美喜、中務香奈枝、綾乃、明伸、香取恵、香川諒子、小幡真理子、木村聖一と木村聖二、木村京、高城ハル、山田直子、林京子 の40人が並びそれぞれの前にはお茶とジュースと軽食が配られている。 落ち着いた頃あいを見て私が立ち上がり 「今日は、親睦会とお披露目のつもりが、ずいぶん突発的なこともあり、脱線してしまいましたのと、正式な報告の前にいろいろなことが決まったりしましたが、金蓮15家中3藤家と4菱家と5葉家40名と15家総揃いではありませんが、名跡を絶やしていた家の再興と新たな家族の紹介をさせていただきます。なお先ほどの話しにもありましたが、藤本家一門衆の藤野家については名称のみ華道の流派として復活ということになりましたのでここであらためて御報告いたします」とひと呼吸おいてから 「まず藤丸家一門衆として長らく絶えておりました藤川家ですが、日生篝さんが血縁者と判明しましたので総帥として藤川家を再興することになりました」というと日生篝が立ち上がり 「意外な御縁で驚いておりますが、いろいろご指導賜りたく存じます末長くお付き合いのほどお願いいたします」とさすが生徒会長をやっているだけのことはあるそつのない挨拶で、暖かい拍手がある。 「続いて紫藤の一門衆の藤江家は高城ハルさんが総帥として再興する事になりました事はご存じの方も多いと思います」と言うと高城ハルが立ちあがり 「変わり映えのしない挨拶となりますが、以後よろしくお願いいたします」と一礼して座ると拍手がある。 「続いて菱関の一門衆ですが、最盛期には14家もの一門衆がありましたが、名跡がはっきり記録に残るのが、今野、佐藤、山野、山科の4家で、残念ながら山野と山科の2家は絶家のためと血筋的には尾崎家と仲串家に入っているのですが、人事的なこともあり、名跡は復活いたしませんが、今回新たに記録にはないものの血縁関係が確認できました山田直子さんと林京子さんの2人を家名は山田家と林家として菱関の一門衆として金蓮15家の家族として入っていただく事になりました」と言うと山田直子と林京子の2人が立ち上がり 「「難しい事はおいおい勉強させていただきますが、皆様よろしくお願いいたします」」と2人同じ挨拶を呼吸を合わせて言って座ると温かい拍手がある。 「最後になりましたが、国見家の一門衆ですが、国見に森見ありと言われて草創期の国見家を支えてくれていましたが、長らく絶えていました森見家の血筋の再発見がありました。灯台下暗しとはよく言ったもので、身近な友人であります、小幡真理子さんが森見の最も濃い血縁者と判明いたしましたので、森見の総帥として家名再興となります」というと小幡真理子が立ち上がり一礼して 「大好きな親友の1人の恭仁見つかささんの国見の家の一門衆であります森見の家の人間であることをアムランより知らされて、驚きもありましたが、大好きな友人をより身近で支えることのできる立場をはからずもいただけて嬉しくもあり、光栄です、がんばりますのでよろしくお願いいたします」となかなか堂にいった挨拶をしてくれるので拍手もかなり長いものになる。ついでに 「さっき聞いていた者もいると思いますが、小幡真理子さんは料理の才だけでなく華道の才も相当なものなので、本人には今お願いしますが、藤野古流の家元を兼ねてもらいます、もちろん私も手伝いますことをお約束します」というと、ちょっと驚いた顔をした小幡真理子であったが 「わかりました、お力添えよろしく」とウィンクしてくるあたりはなかなかの女傑である。 「さて、家名再興の紹介と連絡はこれでおわります、正式なお披露目と認可は後日になるけれども、名前の名乗りについては、公式の場と公式の書類に署名するときは今野浩之の例でいうと菱関浩之になるけれど、普段は今野浩之でオッケーなので、かがっちゃんもね日生篝を普段使っていてかまわないからね、公式の時だけ藤川篝と名乗りと署名してください、あと不明なことがあれば適宜聞いてください」と言って全体を見回すが特に質問がないようなので、座ってお茶で喉を湿らす。 流石に肩が張ってバリバリでちょっとつらいなと思っていると、いきなり肩と首筋に手があたり、ほぐされるので 「さすがだな、タクミ、書道だけでなくて整体のうでも大したものだ、たすかる」というと、 「ホントひどいわよー、バリバリの岩石よ、見えないトコで相当ムチャするんだからー、歩き方ヤバイわよ、だからあえてこの場だけどやるわ」と宮本一こと葉山託生が心配そうな声で言いながら整体を続けてくれる。 「やっぱりタクちゃんもそう思ったのね、歩き方ホントひどいもの」とこれまた心配そうな声で恭仁見つかさが言うと、 「怪我こそしていないんでしょうけど、かなり引きずって歩いてますからね」と鏡剣もため息混じりの声で言うと、玉泉和典まで 「昔の話しだが、骨折してるのに現場で棟上げやったり、曳き家やるやつだからなあ」と横目で気遣うような口調で玉泉らしい労わりの表現をするが、周囲、特に今野千光が 「曳き家ああーっ」と絶句すると藤丸竜也まで 「それは無茶通り越して無謀ですよ」と唖然とするので 「それは昔の若い時のハナシ、今はそんなムチャしないし、できんよ、ここんとこ忙しかったのと、ちょっと急ぎたいことがあったので、先にすませてゆっくりしたかったんだ、先憂後楽って言うだろ」と言うと 「そうですけどね、不死身のアムランといえども無茶と無理して倒れられたら元も子もありませんよ」と尾崎儀一が締めるので 「ありがとう、ギイの言う通りだ、倒れたら元も子もないな、もっとも一番忙しい事はすんだのでね、ゆっくりペースに明日からもどれる、あんまり私が無茶すると示しがつかないしな」と苦笑しながら言うと 「だといいんだけどねえ、アムランじゃなくてムリランとかムチャランですからねえ」と菅井佐知がこれまた、ため息まじりに言うので、思わず噴き出すのと 「いやー、サチも言うようになったな、ムチャランは傑作だ」となんとなく自分でも納得してしまう。 「笑い事じゃないですよ、このあとが大事ですからね」と紫藤聖一まで珍しく口を出す。私が何か言いかけた瞬間に部屋の中央の空間に直径60センチほどの水晶球のようなものがいきなり出現すると赤と黒と青の模様の入った渦巻状の物体が中に浮いているのが判る。その場の全員が何が起きたのかわからず絶句していると、いきなり 「アムラン殿、助けて下さい」と水晶球のようなものからかなり奇麗なソプラノの声が響いたかと思うと球形の形が崩れて床に落ちそうになるので、咄嗟に 「ギイ、アーサーその水の塊を浮いたままにしてくれ、千光、外の資材置き場の2階用の浴槽持ってきてくれ大至急」と叫ぶと、訳がわからないながらも尾崎儀一と尾崎晁堊兄弟が立ち上がり水の塊を浮いたままにするのと、今野千光と大島玲仁が外の資材置き場にすっとんでいき、2人がかりで浴槽をもってくるので、水の塊の下におき栓をするように指示してから、ギイとアーサーにも指示して水の塊をゆっくり浴槽の中にいれる。 浴槽が大きいために余裕で水の塊がおさまり、中にはカラフルな色のアンモナイトの化石のようなものが横たわっている。覗き込んだ藤丸竜也が 「えっ、まさか金蓮花の本体じゃないよな、それにしては派手だが」と首をかしげるので 「竜也さん、悪いが、あの紙かぶせてくれないか、それから説明するから」というと何も言わずに藤丸竜也が懐から紙を出して浴槽のふたをする感じで覆う 「やれやれ、まいったな、千客万来とはこのことだよな」と私が首をふりながらまいったという声をだすと 「すまない、アムラン殿、隠してくれてありがとう」と浴槽から先程のソプラノの美しい声がする。 「あなたほどのものが、こんな現れ方をするということは緊急事態ということでしょう、どうなさったのです」と尋ねると 「藤咲が2人とも挟間の駅の闇に捉われているのを見つけたが、残念ながら私の力ではどうすることもできない、ようやく脱出するのが精いっぱいだった、2人はなんとか無事だ」と声がかぼそくなり、気配が消えたので慌てて浴槽にかけよると気絶しただけだということがわかりほっとするがあまりいい状態ではないので。 「ヒロ悪い」 「黒曜石の薬研ですね」 「たのむ」の短いやりとりで今野浩之がダイニングから駆け去る 「うーん、どう説明したものか、とりあえずこの浴槽の中にいる存在は気絶しているだけで命に別条はない、それと金蓮花は雌雄異株であるが、たった2株だけ雌雄同体の株が存在する、そのうちの一人と言ったらいいのかな、今この中にいる」と言うと 「「えええーっ」」と全員が驚くのとクリスタルの水槽の方からも気配がし、蕾が3つ水面に出てくる。 金蓮が「まさか天翔金蓮仙花」と絶句するのと藤丸竜也が驚きのあまり呆けている。 3つの蕾が浴槽の方まで伸びてきて、まんなかの一本が少し開くと 「やっぱり鵬蓮(ほうれん)様」 「わーん死んじゃやだー」と三つの蕾から泣く声がかなり激しく漏れるので部屋中の者が唖然とするので、やれやれと思っていると今野浩之が息せき切って黒曜石の薬研を持って戻ってくると私に手渡してくれるので、先ほど3人の子供達に作ったのと同じ金松光翔樹の実を乾燥させたものと九光花を乾燥させたものに桃の種の中の部分を乾燥させたものをすりつぶしてペースト状にして水槽に沈めて自分で掌を合わせて気を送ると 「ううっ」というソプラノの声がして水槽の中に強い気配がもどるのがわかる。そして白銀の蕾が出てくると少し開き 「アムラン殿かたじけない、さすが、松桃九葉光ですね全快ですよ」と言ったので、私が何か言う前に3人の子供達の蕾が白銀の蕾に絡むように接近して 「鵬蓮様っ」と叫んで泣きだすので 「あれっ、お前たちは藤野の金蓮花姫と黎明の兄妹だなどうしてここにというか、アムラン殿に下賜の儀になったのかな」と不思議そうな声でいうので 「下賜の儀の前に押しかけという前代未聞の状況なのさ、しかも新家創設の本宅棟上げと仮竣工したの今日なんだよ」と私が言うと 「信じられんけど、周囲の方々の思念から確かだな、それにしても見事な風水と霊的結界なのはさすがだ、実は追われていたので、これほどの結界には入れないやつらだから助かった」と心なしかほっとしたように鵬蓮が言うので 「次元の挟間、通称時間の挟間の駅の周囲に巣くう魔性の眷属連中ですね。大丈夫です、返り討ちにして浄化しましたので安心召され」と言うと 「アムラン殿はかなり前から私の接近に気付いてらしたのでしょう」と訊かれるので 「いや、ギリギリ、誰かまでは結界に入ってからわかって、本当に驚きましたよ、話しはもどりますが、藤咲の2人を見つけたんですか、探しても、探してももうだめかと思ってました」と言うと 「無理もないです、私もまさか次元の挟間の闇壺に捉われているとは思いもよらなかった」 「闇壺か、あそこはよほどの者でないと無理だし、よりにもよって藤咲の麗のバカは何考えてんだろね、大かた凰蓮(おうれん)も巻き添えなんでしょうね」と私が顔をしかめて言ったので。ダイニングの中の者達も「「あれっ」」という顔をするのがわかるのと鵬蓮まで 「アムラン殿、あなたにしては珍しいですね」と不思議そうに言うので 「うーん、もうしょうがない、説明する、まず次元の挟間は通称、時間の挟間の駅とも言われているので知っている者もいると思うが、過去と未来の時空間がメビウスの輪のようにつながった空間で、不安定な非常に危険な空間であるが、失われた財宝も存在するので命知らずの無謀なトレジャーハンター連中が侵入しては出てこられず、躯すらさらすことなく塵芥と化して吹きすさんでいる場所だ。それと時空移動を自由自在に出来るのは雌雄同体つまり両性具有つまり真性半陰陽か性が全くない中性いわゆる間性の存在にしかできない、中性の有名な存在では三毛猫の雄がそうだが、気づいている者もいるとは思うのと、正式にはカミングアウトしていなかったが私も雌雄同体の両性具有いわゆる真性半陰陽だし、藤咲の総帥も真性半陰陽で藤咲家の金蓮花は雌雄同体の天翔金蓮仙花の株で名を凰蓮という」と言うと 「「ほーっ」」というざわめきがあがるのと、藤丸竜也が 「藤咲家の者は真性半陰陽なのか、それは知らなかったぞ」とぼやく 「藤丸の四代目の時にたまたま生まれた美形の男児と記録にあるが、なかなかの超能力者で天界にも自由に出入りできて、時空間移動ができるので、天界の仕事もこなし、トレジャーハンターとして、恵まれない人々に施しもするという人気の存在で、気があったというのか無理やりつきあわせたのでないかと私などは勘ぐってますけどね、金蓮花の下賜それも凰蓮の下賜もありましたけれども、いつのまにやら行方不明で時々歴史の片隅にあらわれてはやんちゃするという繰り返しで、実はだいぶ前に2回だけ私は会っているんですが、やるにことかいて、初対面であのバカ、私を手篭めにしようとしたんですよ」と私がかなり不機嫌そうにいうと、 「げっ、アムランを手篭め」 「なんちゅうやつじゃ」 「打ち首獄門だよね」とかなり物騒なセリフもチラホラ聞こえてくるので、 「未遂、逆ネジかましすぎて、凰蓮に止められて収まったいきさつがあるのさ、2回目もちょっとイロイロあったけどね、結局さ凰蓮泣かして終りという、進歩のない話し」と私がうんざりしたという風にいうと 「はあー、やれやれ藤咲の麗殿のやんちゃにも困ったものだし、あいかわらず凰蓮はふりまわされているんだろうな、それにしても闇壺は問題だ」と浴槽の中の鵬蓮がため息まじりの声で言うと、それまで黙っていた玉泉和典が 「アムラン、藤咲と2回会っているということはどういうことなんだい」と訊いてくるので 「藤咲探しは最近始めた話しで、正直気が進まなかったのは事実なんだけどね、探すといないんた、あのバカ」とため息まじりの肩をすくめて両手を広げるジェスチャーが入る私を見て、 「「よっぽど嫌なことがあったのね」」と奥方衆を中心に同情の雰囲気になってくる。 「まあ、あのバカなら命に別条あるわけでもないから、場所は分かっているし、ほっとくかな」と私がいうと、鵬蓮が慌てて 「アムラン殿、そこは曲げて救ってください、なんなら凰蓮だけでも、それにしても場所わかってらっしゃるのですか」とも訊いてくるので 「わかってる、ちょっと嫌味言ってみただけだよ、麗はともかく凰蓮がヤバイからな、場所っていうより、地図もっているから、準備が必要だから、整い次第助けにいくよ」とにっこり笑って言うと再び玉泉和典が 「ちょっとまて、地図って、時間の挟間の地図なんてあるのか、あそこは変化する迷宮のような場所だろう」と慌てて訊いてくるので 「玉さんも知っているように、あそこは鉄道の線路が不思議な事にあるから時間の挟間の駅って言われているのですが、完全ではないけれども誰かが何かの目的で作ったものだからだと思いますが、路線図は存在しているんですよ。それと私が踏破した場所はちゃんと地図を作ってあります。全体の20パーセントくらいだけどね、ミドリとユウを救いだした路線に関していうとパーフェクトに分かっているのと、闇壺がここの路線から少し先なので、行くのはそう難しくないけれども、準備が必要なんだ」というと、藤本由里江が 「はあー、やっぱりアムランだわ、ってかムチャやってたのね」と珍しくため息をつくのと、藤丸竜也まで 「アムラン、次元の挟間の事はトレジャーハンターの間では有名だが、戻ってきたものは皆無で、私の知るかぎりでも二郎真君とアムランとうちの藤咲の麗だかくらいの者しかいないが、あとは偶然入って戻ってきたものは数える程と、アムランと二郎真君に救い出された十数人と聞いているが、本当に大丈夫なのだろうか」と私と自分の一門衆の藤咲を気遣うように聞いてくる。 「まあね、装備さえきちんとしていれば、普通の人間でも大丈夫な方法もあるし、うちのミドリやユウみたいに一度生還することのできた人間は往来可能だよ、しかもこの部屋にはミドリとユウ以外にも入った記憶を失ってはいるけど生還を果たせた者がまだ6人いるからね、やろうと思えば相当強力な捜索隊が組織可能だけれど、装備の関係もあるので、今回は私一人でやるよ、元々次元の挟間、まあ時間の挟間の駅に用事があってね、下賜の儀とかお披露目が終わって一段落したら、手をつけようと思って準備はしていたからね、遅いか早いかの違いだね」と言うと全員から絶句されてしまう。 「まあ、慌てることもないだろうから、鵬蓮も今日は休んだ方がいい、全快したとはいえ行動を起こすための体力までは回復していないはずだよ」と私が静かにいうと 「それを聞いて安心したのと返す返すもかたじけない、ときにアムラン殿、ここにいる者達は全員が全員素晴らしい技と能力と心と魂の持主ばかりで、天界の楽園のような雰囲気には驚いた」と美しいソプラノが歌うように言うので即座に 「私の宝です、何があってもこの身に代えても守り抜きます」と言うと全員から照れと感動の反応が沸き起こってくる。 「それにしてもお一方、金蓮15家ではないものの、ずいぶんと高貴な身分の方がおいでのようだが」と言ってくれるので 「ええ玉泉21家筆頭の玉泉家の宗主殿がいますよ」とさらりと私が言うと 「玉泉21家筆頭家の宗主殿っ」と鵬蓮が驚き浴槽から本体が浮かんだのでよほど驚いたらしいのとダイニング中から鵬蓮の本体を見て「「なんて美しいんだ」」という反応がある 「鵬蓮まだ無理だ、水の中にいたほうがいい」と私がさりげなく本体を水にもどすと 「いや、驚いたというか私は個人的にだが、玉泉家の初代殿には恩があるので、今は何代目になられたかは存じませんが、玉泉家の宗主殿に挨拶なしではすみませんから、それにしても御当代は初代殿にウリふたつなのは驚きました、さぞやすばらしい能力をお持ちであろう」とソプラノの美しい感嘆の声が響くので 「全くそのとおりで、私にとっては大親友筆頭の存在です、ただ申し訳ありませんが身分はいましばらく、この身内衆にもまだ内緒なので、鵬蓮殿のお気持ちはわかりますので、後ほど別室にて時間をとりますゆえ今はお控えいただければ幸甚です」と私が少しにやつきながら言うと 「わかりました、後の愉しみということもありますから了承いたしました」と鵬蓮も私のたくらみに乗ってくれるので、ダイニングの中の雰囲気は「「なあんだ、でもバレてるよね」」という雰囲気になるが、私のお遊びにみんなつきあってくれるようである。 場をとりなすように藤丸竜也が 「古文書では読んだことがあるが、天翔金蓮仙花の本体がこれほど美しいとは信じられない、水晶のプリズムの中に虹が煌いているとしかいいようがない」と絶賛するので 「全くその通りでね、本体と花と魂の美しさゆえに神からも魔からも愛され、人はこの美しさを巡って争っている、現存する天翔金蓮仙花は2人とだけ言わせてもらうが、かつてはまだ3人いて、その亡骸のひとつは天帝の宮殿の宝物庫に収められており、ふたつは金蓮花の楽園の湖の底の霊廟の礎石として眠っている」ここでひと呼吸おいて 「みっつめはこの世界の二つの国の国境に宝石と化した亡骸があり、今も争奪の戦火が交わされているよ、これもどうにかしたいんだが、うかつに手が出せない残念ながら」とうつむきながら言うと、金蓮がやっと口を挟み 「むごいことです、権力者というか人間の慾だけで、どれだけの者の命が無駄に散っていったことか、あれほど美しい魂が死してなお躯をさらし続け、流す涙も血となり、犠牲者の怨嗟の念で今や輝きも褪せているというのに愚かな者達は未だ争いをやめないでいるのです」と涙ぐむのでダイニング中がお涙ちょうだいの雰囲気になってしまう。 「それも近々終わる、ナオヤが素晴らしい作戦案を考え付いてくれたんでね、さすが総参謀長の面目躍如だよ」と私が井伊直也に流し目を送ると、井伊直也が 「えっ、あの作戦案をやるんですか」と驚くので 「あれがベストだ、どこからも文句なく穏便に、しかも納得で事がおさまるし、堂々と耀蓮(ようれん)の遺骸も回収できる」と言うと鵬蓮が 「あそこの遺骸が耀蓮殿だったんですか」と驚くので 「そうなんだ、天界と魔界まで裏で小細工して失敗しているし、流石の二郎真君ですら正攻法で失敗している」 「実は面目ない話しですが、私も失敗しました」と鵬蓮がため息をつくので 「逆に捕まえろと追い回されただろ」と私が言うと 「全くその通りです、恥ずかしながら」と言うので一つだけ真実を言って、全員の心証を悪くしている藤咲の麗の面目を少しは立てておこうと考えて 「藤咲の麗と初めて会ったのは、麗が耀蓮の遺骸を回収しようとして成功しかけたのだが、土壇場で邪魔が入って、私が救援に行ったときの話しなんだよ、まあ麗の気持ちもわかるんだけどね、私にだって好みってものがあるし、ただ美しいだけではもてるとは限らないということを教育しておこうということもあったんだよ」とさらっと言うと 玉泉和典が「そうだったのか、あの戦争やってるど真ん中から、一応は成功しかけたというのならたいしたものだ」と好意的な発言をしてくれる。 「いわゆる、藤咲の麗とやらは俗にいうたらしなものだから、アムランがお仕置きと教育しようとしたけれども、結局みさかいない不埒な事をアムランにしでかしたと、で恋人でもある凰蓮がいつも泣かされながらも仲裁役しているというわけね」とまるで見てきたかのように藤本由里江がいうので、ダイニング中が唖然として静まり返り、私もほとんど事実なので 「うーん、全て事実だから、何も言えないけれど、よくもまあそこまで洞察できるとは流石に藤本の千里眼姫だけのことはあるねえ」と少し嫌味もふくめて言うと 「うふふ、でもアムランを手篭めはちょっと許せないから、ここに来るようになったら一回は苛めてあげましょう」とにっこりしながらいうので。玉泉和典が 「ほどほどにな」といい、藤丸竜也が 「まあ、悪いやつではなさそうですが、一回藤本の白姫にしめてもらっておいたほうがいいかもしれないが、おてやわらかに」と苦笑まじりに言ったところで、全員に笑顔がもどり目を覚ます。 No 0267 1989 平成元年 7月6日 木曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理屋で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は206番の夢と同じ濃いブルーのボタンダウンのシャツを着てブルーのジージャンとスリムのブルージーンズに黒のソックスをはき、白の革の厚底のコンバースのバスケットシューズを履いて部屋の玄関にいる。 チャイムが鳴って、部屋に向いのアカシヤの社長が来てアカシヤが東京の首都圏で20店舗展開するスーパーになったと言われるのと常務にすると言われる。不思議な事に新家の創設のお祝いを言われる。社長が帰ったあとで7番の夢のふくろうくんが東京の新宿3丁目の1000坪の約60メートル四方の土地が私の名義になっているという公正証書を持ってくる。 場面がいきなりその場所に変わり、アカシヤの社長と55番の夢の恭仁見つかさ、105番の夢の鏡剣、57番の夢の菅井佐知、55番の夢の武田詩織、152番の夢の仲串勝代169番の夢の中務香奈枝、169番の夢の阿倍佳奈子、49番の夢の香取恵、131番の夢の橘夏希と143番の夢の橘夏芽姉妹が150番の夢の金蓮に変身しているので合計11人いる。建築現場を囲う鋼矢板が周囲に目隠しがわりに巡らされた1000坪の空地の中央に、5階まで50メートル四方で6階から15階までが40メートル四方で16階から21階部分がピラミッドのような形で全体がオベリスクのような巨大ビルの設計図を持って打ち合わせをしている。1階がアカシヤになり、2階が恭仁見つかさと中務香奈枝と阿倍佳奈子を中心とした占い喫茶とパブと香取恵が占いやファンシーグッズの店を仲串勝代の和風料理店と金蓮がお酒と軽食を楽しみながら芸能人の出演も可能なライブハウスを経営し、鏡剣と菅井佐知と武田詩織が会員制のスポーツジムを展開するフロアにして3階から5階までは事務所としてテナントを入れ6階から15階までは賃貸マンションにして16階から21階のピラミッド型の部分は16階を展望レストランにして、残りの5階部分は面積的には16階の面積の3つ分はない中途半端な広さのために自分達の部屋にするのと最上階の21階は展望室にすることになる。 地下は1階は半分が飲食店のテナントと一部アカシヤになり、残りの半分は、地下鉄の駅とつながる3階までと同じく駐車場になる。 いきなり次の日には打ち合わせ通りのビルが竣工して、内装と営業準備がされてその次の日から本格的な営業が開始となり結構忙しく、全員で働いているところで場面が変わる。 空から以下の形の巨大なビルを見おろしている。 120メートル四方の正方形の5階建のビルの上に、直径にして50メートルの8角形の高層ビルが正三角形の配置で3本建っている。三角形の頂点の位置の8角形のビルが底辺の二つの角に建つ8角形のビルよりも階数が5階分高く1階から37階の高さになる。37階の高さの8角形のビルのみ最上階の壁に8面時計がついている。120メートル四方の正方形の5階建のビルの四つの角には角で接するように50メートル四方で10階建てのビルが4棟建っている構造になっていて全体で300メートル四方の真四角の敷地の中心に建物がある。 ※ この建物の詳細については後の夢の内容で調整 もともとはアミューズメントとブレインズの本社 No 0268 1989 平成元年 7月11日 火曜日 176番の夢と同じストレッチャーに乗せられて手術室に運び込まれる自分自身を空中からの視点から見ているところから夢が始まる。麻酔の点滴が右腕についている。 自分自身の身体はかなり瘠せているが、お尻が丸くて腰のくびれがあり、やや女性的な体型で、髪の毛はショートボブである。 手術室内でストレッチャーから手術台に石切位で固定される。最初に股間が2人の看護婦に奇麗に剃刀で剃られる。青い手術着を着た2人の医者が陰茎下部から陰嚢部分にかけてVの字のメスをいれる部分に印をひく、印のVの字にメスで切りこみが始まり皮膚がめくられる。めくられるとピンク色のそらまめの形状の精巣と精巣上体が現れて陰茎の付け根が見える。糸で結紮されたあと、ひとつひとつ精巣が精巣上体ごと切除される。続いて陰茎の皮がはがされて海綿体が現れる、海綿体を少し切り中の尿道をはがして、海綿体だけ恥骨付近の根元でメスによって切除されて摘出される。このあと陰茎の皮膚を筒状にして、膀胱の下の尿道の根元から直腸の後ろに近い部分に膣となる空間を開けた場所に裏表を反転させて筒状に縫合する。陰唇部分を陰嚢の皮膚を利用して形成し、クリトリスを亀頭の部分を利用して形成して尿道をつないで縫合し周囲も縫合していく。ここまでは1988年の6月11日に初めて見た性転換手術中の様子を記録した医学資料の映像そのままであり、医学資料の若い男の代わりに自分がその手術を受けている光景を見ている。 手術は続けて喉仏を首の後ろを小さく切って管のようなものを入れて喉仏の甲状軟骨を削っていく。続けて瞼が裏返されて女性的な二重にする手術が行われる。 最後に豊胸手術がはじまり、左右の脇の皮膚を切ってかなり大きなシリコンバッグを挿入するといきなり形の良い巨乳に胸が変化する。脇の傷を縫合して、ガーゼのようなものを股間全体にあてたところで手術が終了する。手術中の痛みは全くなく、じっと手術されている自分を最初からさいごまで見下ろしている視点がある。手術終了のあとストレッチャーに乗せられて病室に移される。病室は6畳ほどの個室で、ベッドを中心に入口側の右手に鏡のついた大きなロッカーがあり、左手の窓側にテレビ台と抽斗のついた整理机と背もたれのある椅子がある。 麻酔が切れて起き上ると次の日になっていて。ベッドのそばの椅子に下着が用意されている。下着のブラジャーとショーツをはいてスリッパを履き、病室の隅にある大きなロッカーの横の鏡を見ると目は二重になっていて、髪の毛もショートボブから肩甲骨の下までのストレートのロングヘアになっている。手術中見ていた胸は結構巨乳かと思ったが、ブラジャーをつけてみるとバランスのとれた自分の手におさまる、ほど良い大きさの美しい形の胸になっている。 着替えが入っていないか入口側のロッカーを開けようとしたところで場面が変わり、結婚行進曲が流れる広い結婚式場のバージンロードを純白のウェディングドレスを着て、白のタキシードを着た背が高くややロンゲの男性と腕を組んで歩いている場面になる。いつもの空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にあるのであるが、いつもと異なり周囲が見えず自分自身にのみスポットライトがあたっている範囲しか見えない。周囲と結婚相手の男性の顔を確認しようとするのであるが、大勢の人がいることと、結婚相手の男性が185センチを超える長身である事と後姿はわかるが顔がわからない、自分の髪と胸が手術後の長さと大きさでウェディングドレスのデザインが胸と背中がかなり開いたデザインで裾が5メートルくらいとかなり長く、自分の身長も175センチ以上ある。ヒールの高い靴を履いているわけではなく、ローヒールのカンフーシューズのような白の単純なデザインのくつを履いていて、爪先に大粒のダイヤモンド一個と踵に大粒の真珠が二個ついている。被っているウェディングベールの中心のデザインが、いつもよく被っている黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている帽子をにぎりこぶしくらいに小さくして白にしたデザインになっている。手に30センチくらいで頭の部分に王冠の形をした黄色の半透明の大きな宝石がついた杖を持っているのを確認したところで場面が変わる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は白のウェディングドレスから、123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 場所は1985年 昭和60年 1月1日の62番の夢の内容を整理した以下の概要である、 改札口のある場所を櫛の脊にすると、櫛の歯の部分がホームになっている構造でつながった複数のホームと操車場ある広い駅で改札から出た駅の敷地と広場のような場所との境目に高さ2メートルくらいの金網のフェンスが張り巡らされている。広場の幅は100メートルくらいあり、幅は2車線程度の道路があって、道路の向こうには、高さは2メートル程度のフェンスが張り巡らされた広大な敷地に丸太がピラミッド状に非常にたくさん積み上げてある製紙工場か製材工場がある。この駅から、約10キロメートルの場所に31番の夢で出てくる小さい駅がある。ここから雪のうっすら積もった平原を約1時間ほど走ると街の中心部に幅200メートルの川が流れていて、石とレンガ造りの橋か鉄橋が架かる大きな街があり、街の大きさに見合った駅が進行方向に川から100メートル過ぎた場所にある。大きな街を通過して再びうっすらと雪の積もった平原を走り、山の中に入り左側から山がせまり、右側からも山がせまってくる谷間を走ると山の中に45番の夢で出てくる大きな丸太小屋の駅舎の駅がある。この駅を通過して山から出るとうっすらと雪の積もった平原が広がり山が見えなくなる距離に小さな駅がある。線路は複線であるが、ホームは中心に一つだけで出発点から進行方向左手にこじんまりとした平屋の駅があり、改札をくぐり外に出ると幅4メートルの未舗装の砂利をローラーでならしただけの道路が線路に沿って約500キロメートル続き、複線の線路は250キロメートルのところから単線になる。500キロメートルの間の景色は何もない平原で雪がうっすら積もっている。500メートルを過ぎた地点には、単線の線路と道路の間にコンクリートの電柱のような高さ1メートルくらいの柱にコンクリートの板がのった。幅2メートルの長さ20メートルくらいのプラットホームだけの構造物に道路側に鉄パイプの手すりがついているだけの無人駅があり。起点方向に5〜6段の鉄製の階段がある。起点から進行方向を見ると1キロメートル先に黒い森のようなものが見えている。 上記の場所の操車場のある駅のホームの一つにいて、操車場の扇の形をして手前にターンテーブルのある建物の中に入ると、いろいろな形をした蒸気機関車が24両あり、そのうちの一番大きなハドソン型の蒸気機関車に乗り込むと、自動的にボイラーに火が入り、ストーカー、自動給炭装置が炭水車から石炭を送りこみはじめる。加減弁に触れるとゆっくりと巨大な動輪がまわりはじめ、静かにターンテーブルの上に滑り出す、一旦ホームに入り、石炭の代わりに水を満載した石炭貨車とかなり豪華な漆塗りの内装の木製の客車2両が自動的に連結されて、有蓋タイプの長い貨車が一両と最後尾には黒光りする長身の列車砲が連結されると、もう一両蒸気機関車がゆっくりと後押しのために出てきて連結されて7両編成となる。出発前の再確認をホームに降りてしていると、 「私も連れて行って下さい」との美しいソプラノが後から聞こえたので、ふり向くと空中に水の塊に包まれた鵬蓮ともう一人白い服を着て体格の良い大きな犬を連れた人物の姿も見える 「やっぱり来ましたか、鵬蓮と二郎真君まで、いいでしょう、まもなく出発します、鵬蓮は2両目の水の入った石炭貨車を使って下さい」というと二郎真君が 「相変わらず用意のよいことだ」と微笑するので 「本当はね、帰りの用意なんだが、まさか二郎真君までおでましとは思わなかったが、勅命だろ」と言うと 「さすが地獄耳のアムランですな」と苦笑するのでタネを明かすと 「実はね、その勅命とは別にもうひとつ勅命があったのさ、でなければ唯の下級貴族風情の救援にこんな豪華な装備は使わないしムリだろ、もっとも私的な用事もついでにすませるがね」とニヤリとすると二郎真君が 「流石ですな、転んでもただおきないというか、チャンスを最大限利用される戦略性の凄さはまねできませんね」とこちらもにやりとして返してくれるあたりが二郎真君の面目躍如である。鵬蓮が石炭貨車の水に沈み 「私の準備はいいですが、藤咲にはまだ根をお持ちで」と先ほどの私の下級貴族風情のセリフが気になったと見えて少し不安そうに白銀の蕾を運転台まで伸ばして訊いてくるので 「鵬蓮、大丈夫だよ、根にもっているわけではないし、単なる揶揄と皮肉だから」と笑うと安心したようである。連結の確認を手早く済ませ、運転台に二郎真君が一緒に乗り込み、体格の良い大きな犬はわかっているらしく、ホームで見送り待機姿勢で、尻尾をさかんに振っている。そのまま加減弁と反転器に触れると勇壮な汽笛とともに蒸気機関車が動き出す。あっという間に500キロメートルの移動がなされ、単線の線路と道路の間にコンクリートの電柱のような高さ1メートルくらいの柱にコンクリートの板がのった。幅2メートルの長さ20メートルくらいのプラットホームだけの構造物に道路側に鉄パイプの手すりがついているだけの無人駅に到着して一旦停車する。 進行方向の1キロメートル先に黒い森のようなものが見えているのを二郎真君と鵬蓮とキャブの窓から確認する。 「この先からが問題だ、あの森は暗黒の森と仮称がついているが、実態は森にみえるが闇壺そのもので、手探りで進まないといけないのと、持ち出し禁止の森とも言われて脱出するのには相当苦労するから、通過しながら目的を回収してそのまま逃げ切るしかない、あの向こうにはありがたいことに、安定した出口があるんでね」と私がいうと 「その出口のおかげでかろうじて逃げ切りました」と鵬蓮が言うので、二郎真君が 「それにしてもよく無事だったものだ、流石は天翔金蓮仙花だけのことはある」と称賛のまなざしで言う。 「今回は重装備だし、二郎真君という最終兵器もいることだし頼りにしてますよ」というと 「アムランの御期待には添いましょう」と二郎真君力強く言う 「一応役割分担としては、鵬蓮が探索と回収をメイン、攻撃があった場合に二郎真君に対処していただき、機関車の操縦は私がしますが、適宜みなさん目的をお果たしあれ」と私が場をしきり、加減弁に手をかけると蒸気機関車が静かに力強く動き始める。 森に突入した瞬間に線路が消失し、漆黒の空間を列車が走りはじめると闇が圧力を伴って襲い掛かってくるのがわかる、突然後方からまばゆい光の塊が激しく3発撃ち放たれ、闇の天井が大きく裂けて薄明かりが漏れ、闇の森の中が広範囲で見えるようになる。 「やれやれ、しょっぱなからぶっぱなす羽目になったか」と私が1人ごちると 「なんなんですか、今のは、闇壺の天井が一気にふっとぶなんて信じられん」と二郎真君が驚いて訊いてくるので 「プラズマの砲弾を撃ち出す、有効射程距離10万キロメートルのレールガンを1キロメートルという至近距離で発砲したからな、半端な威力じゃない、本物の人間界ならオーストラリア大陸が1発で沈んでるよ」というと 「おそろしい、実体ではなく霊体とも夢幻物質ともいえる超魔法物質でできているといわれる闇壺をふきとばせるとは」と二郎真君がやや青ざめる。キャブとよばれる運転台まで石炭貨車の水の中から白銀の蕾を伸ばした鵬蓮が 「こんなに楽々と次元の挟間を移動して闇壺すら切り裂く道具が存在するなんて信じられません」と驚嘆するのでダメ押しに 「単に次元の挟間を移動するだけでなくて、今回は探索と回収に全力をあげますので、ある程度の危険は察知しだい自動的に対処攻撃できるようにしてあるんですが、最初から3発も撃つとは予想してませんでしたよ、それほどまでに危険な場所ということですよ」と言うと 「よくもまあ、こんなところに来る気になるもの好きの多いことだ、慾に目がくらむというか慾ほど恐ろしいものはないな」と二郎真君が突き放したような声で言う。 突然鵬蓮が 「あっ、いました藤咲の2人の反応が右前方です」というので加減弁を上げてスピードを落としながら進むと右前方に樽のような形をした塔のようなものが見えてくるので、二郎真君に合図して2人でキャブから飛び出し、塔の上に行くと中央の中庭のような場所の噴水の池の水面に人の形をしたものが二つゼリーのようなものにからめとられてもがいているのが見える。二郎真君に念のため上空待機してもらい、そこまでおりると先に私に気がついて 「ミチル様っ」と凰蓮の声があがる、私がもがいているもう一つの人影の至近距離に降りると 「いいざまだな麗」と少し突き放した声で私が言うと 「おおっミチル俺のものになりにきたか」ともがき苦しんでいるはずなのにあいかわらず下品な発言をする麗を無視して平手打ちにして有無をいわさず気絶させるとゼリー状のものがとけてなくなるのでそのままひきあげ 「凰蓮、手荒で悪いが我慢してくれ」と言って凰蓮を気絶させるとゼリー状のものが消滅するので、そのまま2人とも回収して二郎真君に合図して客車に麗を放り込み、凰蓮を鵬蓮のいる石炭貨車の水の中にそっといれると人の姿から本体に変わり、気が付くので鵬蓮にあとをまかせて、私の目的のとある反応が確認できた方向へ向けて機関車の速度をあげると、傍らの二郎真君に 「そっちはどうだ、みつかりそうかい」と訊くと 「気配はあるが正確な位置の反応がまだない」と少しあせり気味の声を出すので 「先に予定の反応があったので、そっちにまわりこむ」 「わかった」と二郎真君が言った瞬間、左前方に校倉造りの正倉院のような建物だけが空間を漂流しているのが見える 「あったというか、いたぞ、次元漂流蔵だ、並走しながら移動する、二郎真君、鵬蓮今のうちに必要なものを回収して貨車に載せといた方がいい」と2人に声をかけて自分自身も分身を運転台に残して次元漂流蔵の中に入り、見た目の外見よりも広く延々と続く廊下と並ぶ部屋を移動しながら幾つかの物を回収し、奥の蜃気楼のようにゆらぐ扉の部屋に入り、あたりを見回すと空中にいろいろなガラクタが塊となって漂っている。かきわけていくと奥の黒い箱が気になり、見ると周囲がよどんでいるので 「ふむ、やっぱりこの部屋にあったな」と独り言を言い。箱から少しぼろぼろの巻物を回収するのと近くのガラクタの塊からもいくつかいろいろなものを持ち出す。急いで次元漂流蔵の外に出ると二郎真君と鵬蓮もそれぞれの私的な思惑の物は回収したようである。一旦次元漂流蔵から離れて裏側に回ると屋根の廂に黒い唐櫃と四角い棺のような黒い箱が二つ引っかかっているのがみえたので 「みつけたぞ、しかも二つとも、鵬蓮回収して貨車につっこんどいてくれ」と叫ぶと 「了解」と返事があり、石炭貨車から触手のようなものが4本伸びて次元漂流蔵の屋根の廂に引っ掛かっていた黒い唐櫃と四角い棺のような黒い箱を二つとも回収して貨車の扉を開けて中に放り込み扉を閉める 「それにしても、まさか中でなくて外にあるとは思わなかった、反応があるのにどの部屋にもないからどうしたものかとヒヤリとしたよ、どのみち次元漂流蔵の中に入る必要はあったけどね」と二郎真君にほっとしたと言う声でいうと 「怪我の功名ですかな」と揶揄混じりにいわれたので苦笑して 「全くそのとおりだな、とりあえず勅命は果たせた」と言うと 「こっちはまだみつからない」と二郎真君がかなり焦った声でいうので 「たぶん中心部の時空迷路の奥の要塞だと思う、一回ぶっぱなして、時空迷路を破壊する。そのすきに要塞に突入すれば反応があるだろう」と言うと指令するまえに18発レールガンが闇壺の中央部の時空迷路を破壊し、上空にもかなりの大穴が開き光が闇壺の底を照らしている、よく見ると建ち並ぶ牢獄のようなものがある、要塞の建物の屋根が吹き飛んで要塞の防御の兵器類や番人らしき魔物や妖怪らしき死骸や破片が飛び散っているのがわかる。二郎真君が水晶球を手にして目的の位置を探し当てると私が建物と床を破壊して、半分人の形をしている物体と周囲の白いものを手早く回収し、4両目の客車に放り込むと二郎真君がもう1ヶ所破壊して髪の毛の塊のようなものと服の残骸のようなものを抱えて3両目の客車に飛び乗ると、闇があつまり始める。 「二郎真君、終わったかっ」と叫ぶと 「終わった、しかし、ひどい」と二郎真君の嘆きの声がするので 「状態はここに来る前から想像できていただろうに、本体が半分しかないか、それ以下の状態にあるのは知れたこと、4両目の客車に金翔源湯を用意してあるから自由にいるだけつかってくれ」と言い置いて4両目の客車から、後押し機関車のキャブに移動して脱出するべく加減弁と反転器と加水弁を全開にし、ストーカーの回転を最大にすると、客車から 「えっ、そんなもん用意したんですか」と二郎真君が驚く声がするのとドラフトの高まりとともに機関車の動輪が激しく回り始める。 闇壺もやられっぱなしというわけでなく、逃がさないという怒りにも似た暗黒の波動が激しく時空間を振動させはじめるので 「いくぞ、つかまれっ」と声を上げた瞬間に先頭と最後尾の蒸気機関車2両の雄たけびのような汽笛が轟き、最大出力で闇の追っ手を振り払いながら次元の挟間の出口に向い驀進がはじまる。そしてレールガンのプラズマの弾が3連射されると闇から断末魔にも似た叫びと苦悶にのたうつ波動が来るが、このスキに無事脱出して次元の挟間でもっとも安定している出発点の操車場のある広い駅にもどってくると、心配そうに尻尾を振りながら体格の良い大きな犬が待っているホームに列車が滑り込む。完全に停車すると二郎真君が1人の美少女と客車からおりてくるのが見える。鵬蓮と凰蓮も人の姿になってホームに降り立つと開口一番二郎真君が 「無事帰ってきましたし、全ての目的が達成できましたようですが、森が半分ふっとびましたね」と少し青ざめていうので 「かまわない、どうせ自動再生するし、闇壺ことクラインの壺はそんなにやわじゃない、それに誰かが修行の場としてつくったもので、それ相応の代価を要求する場所から代価を支払って逃げ切ったのだから誰からも文句を言われるすじあいはないさ」と私がこともなげに言うと鵬蓮と凰蓮が顔を見合せてから 「アムラン殿、今回3人いませんでしたか」と恐る恐る訊くので 「うん、先頭のC6217号と最後尾の後押しのD51777号のふたつ同時に運転というか操縦しないといけなかったのと、私個人も回収するものあったんでね、三連分身術さ」と言うと 二郎真君も 「恐れいった、次元漂流蔵への接近と攻撃のタイミングといい凄いものだ、それと金翔源湯の量はあいた口がふさがらなかった、浴槽1杯分とはありえないが、おかげで4方全員復活された、まあ味の凄まじさのダメージで休まれているがな」と苦笑と喜びの混じった声と表情でいう 二郎真君と一緒に降りてきた美少女が 「なんだって気絶なんか、さすんだよ、そのまま引っ張ったって脱出できただろう」と美しい顔で感謝よりも文句をぶうたれはじめるので 二郎真君と鵬蓮が顔を見合せてあきれるのと凰蓮が 「麗様なんてことをおっしゃるのですか」といさめはじめたところで目を覚ます。 No 0269 1989 平成元年 7月14日 金曜日 空を飛んでいるところから夢がはじまる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は206番の夢と同じ濃いブルーのボタンダウンのシャツを着てブルーのジージャンとスリムのブルージーンズに黒のソックスをはき、白の革の厚底のコンバースのバスケットシューズを履いている。 国会議事堂の建物が見えるがなんとなく薄汚れた感じである。現実の周辺の首相官邸や議員会館の配置と全く異なり、議員会館の3棟の建物が本来首相官邸のある位置にあり、国会議事堂の正面から見て右手に国会議事堂の幅で奥行きも同じくらいの広場があり、全て一つの敷地になっていて高さ1メートル厚さ60センチのレンガの塀が巡らされているが、後だけは鉄条網が高さ1メートルの杭に5段張られているだけでところどころ破れていてその周りには4車線両側歩道つきの道路が巡らされている。国会議事堂の正面左には4車線両側歩道つきの道路ごしに首相官邸があり、国会議事堂の正面右側の広場とほぼ同じ敷地になっていて裏側に首相秘書や官房長官と参議院と衆議院議長などの公邸が5軒あるのが見える。 空から首相官邸の裏の公邸の前の道路に降りて国会議事堂の裏側の鉄条網が張られた側の4車線両側歩道つきの道路の歩道を歩いて、広場の隅までいって引き返すと国会議事堂の横の広場の半分くらいからから国会議事堂のすみにかけて、各政党の守り神という像が5〜6基並んでいるのが見える。その前に正方形の枠としては30センチ四方くらいの大きさになる巨大な四つ葉のクローバーが12本生えていて1本だけバラバラに千切れているのが見える。3棟の議員会館の前で紺の守衛の制服を着た年取った政治の神様に会ったので話しをすると今年から日本の政治家が劣化してひどいことになるだろうという話しを聞かされて目を覚ます。 No 0270 1989 平成元年 7月22日 土曜日 車の運転の教習をリアルに受けている夢を見る、アクセル、クラッチの切り替え、坂道発進など夢とは思えないリアルさで現実よりも四苦八苦している。汗だらけになって車を降りると、いきなり黒のショート丈のワンピースに七分丈の黒の乗馬ズボンをはいて黒のレースアップのロングブーツを履いて。ナチスドイツの将校が被る制帽の黒色のものを被った81番の夢の陰険美女戦士の藤原愛子がムチを持って現れて私に襲い掛かるが、逆にしめあげて謝罪させる。彼女を開放したところで場面が変わり、266番のダイニングに入りかけの場面になる。 中には3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊兄弟、130番の夢の今野千光と25番の夢の今野浩之と23番の夢の佐藤優二兄弟、1番の夢の木村聖一と1番の夢の木村聖二兄弟と14番の夢の寺島小百合と49番の夢の香取恵、105番の夢の鏡剣、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、82番の夢の宮本一、55番の夢の大島玲仁、55番の夢の恭仁見つかさ、55番の夢の日生篝、55番の夢の武田詩織、162番の夢の風間了、81番の夢の仲串勝美と152番の夢の仲串勝代兄妹、101番の夢の高城ハル、131番の夢の橘夏希と143番の夢の橘夏芽姉妹、74番の夢の藤本由里江、80番の夢の玉泉和典、169番の夢の阿倍佳奈子、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の中務香奈枝、169番の夢の香川諒子、66番の夢の息子の24代美喜、135番の夢の孫の16代明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、212番の夢の弟分の木村京、44番の夢の金井恵一、7番の夢の藤丸竜也の39人が266番の夢同様にテーブルの配置もコの字になり、台所のある側を背に私の席を中心に右に恭仁見つかさ、宮本一、橘夏希と橘夏芽姉妹が座り、左に鏡剣、菅井佐知、井伊直也が座る。井伊直也の角から今日はいつもと席次が異なり藤丸竜也、日生篝、玉泉和典、藤本由里江、尾崎儀一、尾崎晁堊、阿倍佳奈子、今野浩之と佐藤優二、今野千光、金井恵一、武田詩織、仲串勝美と仲串勝代兄妹、風間了、寺島小百合、大島玲仁 橘夏芽の角から十琉、理美、美喜、中務香奈枝、綾乃、明伸、香取恵、香川諒子、小幡真理子、木村聖一と木村聖二、木村京、高城ハル、山田直子、林京子 の39人が並びコの字の中央付近に中庭にあるはずのクリスタルの水槽がなぜかまだあり、その前に特別席があり2人座っているが顔がまだわからないのでそのまま自分の席に移動すると特別席の2人が二郎真君と藤咲麗であることがわかるのとクリスタルの水槽は目張りの紙が貼られていないので中が丸見えであるが、金蓮花の本体3つと天翔金蓮仙花の本体2つが底に沈んでいるので驚く。全員の前にはお茶とジュースと軽食が配られている。私の知らないうちに打ち合わせがしてあったらしく、最初に玉泉和典が立ち上がり 「本日は前回、騒動続きで十分な親睦会ができませんでしたので本日の親睦会開催とあいなりましたのといくつか報告会もありますので、最初に紫藤家総帥、次に藤丸家総帥から の報告と、めでたい話しの報告後、会食と茶話会となります」と挨拶があるので、私も黙って次に紫藤聖一が立ち上がって話だすのを待っていると「最初に大変残念な話しでありますが、紫藤家一門衆の藤原愛子が総帥を務めます藤原家ですが、本日をもちまして破門といたします」と言うので私が驚くのと少しざわつくが続けて「恥ずかしながら長らく続きました紫藤家の騒動と混乱を巻き起こしました元凶であることが確固たる証拠とともにその罪が明らかになりましたのとアムランに対する不埒とも不敬ともいえる数々の行為があり、破門の裁可となり雲の上の御裁可も近日中に下ることとなりましたことを皆様にお知らせいたします」と言って着席すると「破門とはまた思い切ったな聖一」というと 「ええ、さっきも身を慎むべきなのにアムランを襲うという言語道断なことしでかしましたので、それがとどめですね」とかなり聖一にしては怒りを隠しきれないという憤りが見えるので。 「個人的には赦免してるけれど、ちょっとかばいきれないか」とため息と苦笑まじりにいうと二郎真君まで 「客席からなれども、藤原愛子なる者の罪状は雲の上も断罪との結論です」と言うので 「あいわかった、しかたないな、それにしてももったいない話だ」と言って、目線で次の藤丸竜也に話しをはじめるように促すと、全員に一礼して藤丸竜也が立ちあがり 「長らく行方不明でありました藤咲家の総帥である麗が先日アムラン殿と二郎真君殿並びに天翔金蓮仙花である鵬蓮殿のお力を得て次元の挟間の闇壺より、藤咲家つき金蓮花である天翔金蓮仙花の凰蓮共々救出いただきましたことを藤丸の総帥として感謝御礼申し上げます」と一旦私と二郎真君と鵬蓮のいるクリスタルの水槽に対して一礼をしてくるので座礼を二郎真君共々返す、水槽の中では鵬蓮が返礼代わりに少し浮いて沈んだのがわかる。 続けて 「藤咲麗については処分があり、今回の騒動とアムランへの不埒なふるまいは破門の裁可のところ、雲の上への過去の貢献とアムランより格別の赦免の要請がありましたので、両性具有いわゆる真性半陰陽としての身体から女性の身体のみに固定化し女性として修行し男性に奉仕する人生を送る義務が課されることとなりました。今まで下僕同然に扱っていた天翔金蓮仙花の凰蓮については召上げの処分でありましたが、凰蓮と鵬蓮と二郎真君とアムランの嘆願要望により、そのままということにあいなりました、また行儀見習い先は藤本家にお願いしてあります」と一気にいうと二郎真君の隣に座っていた美少女がうなだれて少し半ベソをかくので 「麗、しゃきっとしなさいね、それとアムランに謝罪とお礼言上よ」と藤本由里江の容赦ない言葉が飛ぶので、ダイニングの中の者達も少しびびりが入るのと私と二郎真君の苦笑が漏れる。 隣の席の二郎真君が藤咲麗をつついて挨拶を促すと、しおしおと女の子の服を着せられた藤咲麗が立ち上がり 「アムラン、ごめんなさい」と目に涙をためていうのと 「うわーん男の子なのに女の子のままなんていやだようー」と泣きだしてしまうのでダイニング中が唖然とするのと宮本一こと葉山託生が私の方を見てかなり複雑な顔をするので 「麗泣くこともないと思うぞ、逆の立場にしばらくいるのも修行のうちだし、お前の美点の女性的な事を伸ばした方がいいと思うぞ、それとなホントはおまえ死罪だったんだよ、女だけで生きれるだけ幸運だと思うべきだがね」と言うと、泣いていた麗が泣きやみ 「死罪だった」と驚くので 「おまえ、闇壺でとんでもないことしでかそうとしてただろ、なにしてたかは言わないけどな、あげくのはてには闇壺に捉われてもがきつづける羽目で、特別救援隊まで出させる騒動だったんだから少しは神妙にしてもバチあたらんだろ」と私がすこし白い目で揶揄と突き放しまじりの声色でいうので、思い当たる事があるのかうなだれるのと、ダイニング中がアムランにしてはけっこう意地悪な感じだねえと意外という雰囲気になる。 「まあ済んだ事をくよくよするよりも、これからどうするかだ、凰蓮もついているんだ元気だせ」と笑うと二郎真君まで 「修行していい女になったら嫁にもらってやるぞ」と軽口がでたので麗が 「誰があんたなんかと」言いかけて相手と場所が悪いと流石に気がついていきなりにやりと笑って 「ええ、どうせなら天帝陛下の后めざすわ」とけっこう元々のずぶとい性格がよみがえってきたらしく元気になってやりかえすので 「大きくでたな、まあ楽しみにしてる」と軽くいなすあたりはさすがの二郎真君である。 「それでこそ麗らしい、基本的に悪いやつじゃないが、性格が軽すぎるのが欠点なんだよな、凰蓮目付役よろしく」と私が言うとクリスタルの水槽に金色の蕾が出て開くと井伊直也によく似た美青年の姿が現れて、周囲にも一礼すると 「かしこまりました、目付役相務めさせていただきます」と鵬蓮に負けず劣らずの美しいソプラノの声が響き、ダイニングの面々から「「ほおーつ」」という溜息が洩れるのと井伊直也が少し驚いている。 私が先に手をあげて 「めでたい報告の前にちょっと解説をいれておくが、次元の挟間には装備と条件がよければ普通の人間でも往来可能であるが、基本的には時空間移動を自在にできる存在以外は自由自在に出入りできない、それとなぜ次元の挟間が存在するのかということであるが、本来は相当な実力者いわゆるベテランの修行のための空間で、たまたま失われた物の残骸とか、在りし日の影が迷い込む性質があることがわかり、自動的に価値の高いものを収集する次元漂流蔵という特殊な役割をもった監視装置のようなものが設置と言うか自由軌道を描いて移動している。それと特殊な装置というか空間としてメビウスの輪を立体として存在させたクラインの壺というものも設置というのか放置というのか存在している。このクラインの壺というのは、失われた時間や物や者を自由自在に再生する能力がある。このことがどれだけ重要なというか危険なことであるかは、ここにいるみんなはわかると思う。長年のうわさで宝の山の場所と言われてきたが、確かに一面の事実であるが、そんな簡単な場所じゃあない、特に麗、今回目的は果たせなかったが、やろうとしていたことは天然自然の森羅万象の法則に背く禁断の行為であり、十分な能力があり、軽い性格を考慮して時空移動能力を封じるために両性具有の身体から単体の女性の身体のみに永久固定の終身刑となったしだいである」と私が一気に言うと、麗が 「しゅ、終身刑なの」とがっくりとうなだれる 助け舟を出すように藤丸竜也が 「今後は婿取りをして、藤咲の総帥として藤丸一門衆として世のためにつくしてもらいたい、調べさせてもらったが、すばらしいじゃないか世の中に感謝される仕事をたくさんしてきているし、その経験を女性としての観点から是非ともいかしてもらいたいと思う」というと、うなだれて、しおれた顔の麗がため息をつきながら 「そこまで期待されたら、やらないわけにはいかないよねえ」と言うので、隣の二郎真君が 「どうした、いつものイキのよさは、女の身に慣れていないわけでもあるまいにアムランを見返すくらいやったらどうだ」と煽るので、思わず苦笑が出る。 ここで爆弾発言が出るとは予想がつかなかったのであるが 「アムランって見返すには凄すぎるんだよ、僕が一番欲しかったのはアムランなんだよ、そんな相手から嫌われたくないし、愛してほしいから頑張る」といきなり元気よく言ったので二郎真君が目をパチクリとさせて驚き、藤丸竜也も固まり、私の左右のミドリ、ユウ、サチ、タクミ、ナオヤ、キンレンの俗に奥方衆が開いた口がふさがらないという、呆れと驚きの表情で固まり、その他の面々も「「なんだそりゃ」」という顔で呆れている。クリスタルの水槽のなかでも呆れているのか5株とも本体がいろいろな方向を向いてしまっている。 そこへいいタイミングで7番の夢のふくろうくんが 「アムラン親展ですよ」とかなり分厚い手紙を持ってきてくれて、場の緊張というか凍結していた時間が動き出す。 「福、返事の必要は」と訊くと 「いえ、礼状だそうです、それと二郎真君殿にお戻り下さいとの伝言をことづかりました」と言うので 「あい、わかった、では皆様、私は戻りますが、素晴らしき皆様にまたいつかゆっくり会いたいものです、ではごきげんよう」と言って立ちあがると煙のように消えたので、隣にいた麗がさすがに驚いたのか、あたりをきょろきょろ見回している。 ふくろうくんもまだ何か配達があるらしく、すぐに姿が見えなくなっている。 「どれ、一服しよう、さすがに喉が渇いた」と私がお茶をすすりだしたので、全員飲食をはじめて、それぞれが何かを考える無言の静かな一時が流れる。 口火は私が切らないと始まらなさそうだったので、 「玉さん、このあと質疑応答形式で質問受ける感じの座談会にしようかと思っていたけど、紫藤と藤丸の話は終わったみたいだけど、いくつか報告があるって言ってたよね」と促すと 「おっ、そうだ婚約のハナシがあるんだ、決まったのと許可を求めるのとふたつそれだけだな、あとはアムランが進行してくれればいい」と玉泉和典が言うので 「えっ、婚約、決定したのはおめでとうだが、許可って誰」と怪訝な声で言うと、いきなり紫藤聖四と妹の理美が立ち上がって、私の前の藤咲麗が座っている席の間の空間に並んで立つと 「お兄様、私達の結婚をお許し下さい」と2人同時に言って深々とお辞儀をするので 「えっ、この2人相思相愛だったのか」と内心驚くが、さりげなく紫藤の聖一の方を見ると聖二もであるが、知らなかったらしく、2人とも「「へっ」」という顔をして驚いているので 「うーんっと、この場合は菱平家総帥と紫藤家総帥に婚約の裁可願いということなのかな」と目の前の2人に問うと 「はい」とこれまた2人同時に返事が即座に返ってくるので、これは本気だなとわかる。 「聖一、突然の話しなのは私も同じで、ちょっと驚いているんだけど、キヨシとリミのこの話しどうする、私は反対する理由はないけど、なんか問題あるかい」と水を向けると聖一が 「いきなりとはいえ、ちょっと確認するけど、キヨシいつから好きあっていたんだい、兄ちゃんわからなかった」とキヨシに訊くが、キヨシよりも今野浩之が先に 「聖一、うちによくケイ預けていただろ、その時なのさ、仲いいものさ、どっちみち事情があってアムランとは義兄弟扱いでこれまできたのが本物になるだけだし、ケイはいい子だしリミちゃんもいい子だから言う事無しだと思うよ」とかなり強力に後押しするので、内心 「へーっヒロがあれだけ口添えするなら本物だな」と腹は決まる。 何気なく理美の方を見ると「お兄さまお願いしますー」という瞳で哀願してくるので思わず苦笑がでて 「菱平家総帥裁可は婚約許可、吉日を持って結納の儀準備」と言うと 聖二が 「異議なし」と賛意を示し、聖一が 「紫藤家総帥裁可は婚約許可、吉日を持って結納の儀執り行う」というとキヨシとリミが抱き合って喜び、リミが私にキヨシが聖一と聖二に 「お兄さまありがとうございます」と抱きつき、ダイニング中から祝福の拍手が起こる。 聖一に 「いやはや、子供子供と思っていたら、こんなもんだなあ」と私がいうと 「アムランの言う通りですよ、特に僕らはひどい目にも遭ってきましたから尚のことキヨシが大事ですからねえ、まあアムランと本当の兄弟というのも照れくさいですがね」と聖一が嬉しさと照れの混じった表情でいうと聖二も 「まあ僕ら兄弟本当の親子ではないのにアムランのお母様に兄弟のように育ててもらったようなものですし、なんか不思議な気もしますね」と感無量というふうに言うと。台所の方からタイミングよく母が出てきて 「あらキヨちゃんとリミちゃんの婚約きまったのね、うれしいわ」というので 「お母さんもしかして、知ってました」と私が訊くと 「知ってましたわよ、あんたもせいちゃん達も忙しかったからね、私から言おうかと思ってたのだけど、自分達で言わないと本気と思ってもらえないからと遠慮したのよ」と言って「よかったわねキヨちゃんリミちゃん」と言うと2人が母にかけよって抱き合いになる、ある意味ほほえましい光景になる。 母が用事があると言ってダイニングを通り、玄関の方へ出て行くと、ダイニングに落ち着きがもどり今度はなぜか尾崎儀一が 「もうひとつ婚約の方だが、高城ハルと寺島小百合の婚約が決定したのと結納はもう終わっている」と言って2人を促せて立たせて挨拶させると盛大な拍手がおこるのと私が 「また美男美女のカップルだね」と感心すると、全員そう思ったらしく 「子供楽しみだよね」というささやきも聞こえてきて2人が赤面している。 尾崎儀一が不自然にそそくさと 「では以上で報告がおわったので、楽しみの座談会といこう」と言ったので、はてなと思っていると、弟の尾崎晁堊が 「兄さん、なんか忘れてません、御自分の婚約発表恥ずかしいからって飛ばしちゃいけませんて」と爆弾発言をするので、ダイニング中が 「ええーっ」 「うそっ、ギイが結婚」 「あの朴念仁が誰と」とかなり騒然とするので私が 「全員静かに、ギイらしくないと思っていたけどね、誰とつきあっているのかはバレバレだったけどね」というとダイニングが静かになり、風間了が 「アムランはご存じなんですね、ギイの交際相手の情報はアーサーはともかくとして、ほとんど誰も知らないはずですよ俺も今聞いてびっくり」と言った後に隣の鏡剣まで 「さすがの尾崎儀一というべきか、プライベートは全くわかんないヒトですよ意外と」と言うので玉泉和典まで 「いやホント、まじめで浮いた噂がまったくないのも珍しいというか、大親友として恋愛感情抜きでアムラン命なのもいいけど、恋愛くらいすればいいのにねとはお藤とかねがね言ってたからね」と言うと隣の藤本由里江も 「ホント、儀一くんって浮いた噂なくって感心してたのよね、まあ真面目なアムラン命の筆頭大親友の2人とも所帯持ちになるのはいいことよ」というので、藤本由里江も何気にノロケるんだなと感心しながら 「どれ、お諒、椅子持ってギイの隣においで」と私がいうと 「いやーん、もうアムランに隠しごと無理って思ってたけど、やっぱりバレバレ」と上目遣いで私を見るので、隣のミドリとタクミと香川諒子の親友である林京子が 「「えっ、ギイの相手ってリョウちゃん」」と驚くのと 「アムランいつ気がついたんだろ」とサチまでナオヤに向かって言うので 「ギイとお諒って私に恋愛に近い目線なんだけど、ちょっと前から、ビミョーに目線の角度が違うからわかった。たぶんね、周りはこの2人の目線ってアムランと思いこんでるからわかんないだろうなあ」と私がお兄さんはなんでも知っているんだよという感じで言うと 「たぶんアムランと僕しかわからないだろうなあ、ビミョウな目線の違いはね」と尾崎晁堊がうんうんうなずきながら言うと、弟の十琉が 「僕もなんとなくギイさんとリョウコ姉さんの兄さん見る目線とは別に2人の目線が時々まじわっていたからさ、もしかしてと思ってたけど、兄さんも何にもいわないから、わかってて黙ってんのかなーと思ってたけどやっぱりそうだったんだね」とさらりと言うので、 「十琉、いいカンしてるよな、兄ちゃんおまえのそういう気配りできるとこ大好きだぞ、よく黙っててくれたえらい」と言って立ちあがって傍に行って十琉を抱きあげて抱っこして香川諒子に近づいて 「早く椅子とおやつ持ってギイの隣へ行く」と促すと香川諒子が真赤な顔をしてギイの隣へ移動するので、尾崎晁堊が少しずれて席をあける。なんとなくうれしさで照れる十琉を席に置いて自分の席に戻ると尾崎儀一まで香川諒子と並んで顔を赤くしているので 「すごい珍しいものを見たなあ」と今野千光がつぶやくと、その場の半数が同じことを思ったらしく、藤丸竜也も笑いながら 「いや、まじめくんが恋する姿っていうのは新鮮だねえ」と言うと、 婚約確定の高城ハルまで 「もてる割には不器用だから心配していたんだけどね、親友として安心した」とこれまた笑いながらいうものだから、尾崎儀一も黙りこんでしまう。 「どれ、尾崎家と香川家だから特に問題ないし、名家どうしになるのと香川は菱平家の一門衆だから、まとめて菱平家総帥裁可状に葉室家総帥尾崎儀一と香川家総帥香川諒子の婚約認可と吉日を持って婚約の儀執り行うものとすと書いて、藤御3家の誰か一人の保証人署名すればいいだけだな」と言うと 「あ、それあたしが書かせてもらう、諒ちゃんいい子だから」と藤本由里江が高々と手を上げて言うと、玉泉和典まで 「じゃあ媒酌人は俺と由里江だな」と言うので 「いいわねー」と藤本由里江も賛成するので 「では決まり、一本締め」と言って私が立ち上がりパンと一発手を叩くと全員から祝福の拍手がわきおこる。 このあとやっと座談会ならぬ雑談会になだれこみ、次元の挟間での武勇伝が、二郎真君がいないものの、鵬蓮をメインとして語られ、次元の挟間を研究している玉泉和典と金井恵一から今回救援に使った鉄道車両のうち先頭の機関車C6217号が蒸気機関車の世界最高速度を記録した幻の名機であることを確認されて 「そのとおりだ」と私が答えると2人とも絶句する。意外な鉄道マニアが2人いて十琉と尾崎晁堊が 「ぜひC6217号には会いたい」という要望が出て苦笑する。それにしても玉泉和典が後押しのD51777号についてかなり蘊蓄を語ったのは全員驚く、ことの発端は十琉の 「デゴイチって1115両も作られて1次形から2次形を経て3次形の3種類あるよね」の一言からかなりマニアックな鉄道談義になってしまったのである。藤本由里江以下女性陣がかなりあきれるほどの蘊蓄のあと、話題を変えて休憩したほうがよいと思い 「一旦食事にしよう」と提案して、食事の準備にかかる。 藤丸竜也と玉泉和典の2人とクリスタルの水槽の中の金蓮花達と話しをする。 鵬蓮が 「こうして玉泉家の宗主殿とも過ごすことができてうれしく思いますのと本当にいい雰囲気ですね」と感無量というふうに言い、 凰蓮も 「この子達が押しかけしたのも無理ないですね」と同意すると3人の金蓮花の子供達も嬉しそうである。 「なんせまだこの本宅も仮竣工なんでね、内装と庭が未完成だからな、設備も完全じゃないから人間にもこの子達にも今しばらく不自由させて申し訳ない」と私が言うと 「まあ、これだけの風水と霊的防御の場所の構築だ、一日で終わらんよ」と玉泉和典がいうと 「全くだ、庭というのは簡単そうで難しいからな」と藤丸竜也がいう。 「まあ、めでたい慶事も続くし、儀式ができる程度にしておいて、あとはゆっくり造り込みたいと思っている」と私が言うと 「らしいな、ゆっくり自分の趣味するひまもないくらい、いろいろなことをせざるを得ない立場だからなしかたない」と玉泉和典らしい慰めがあるので藤丸竜也までくすくす笑う。 「アムラン、折り入ってお話があるのですが」と鵬蓮からかなり真面目な声で呼びかけがあるので 「なんでしょう」と応じると 「凰蓮と麗ではありませんが、この子達同様私もアムランの新家の家つき金蓮花にしていただけませんか」とかなり真剣な申し出があり、しばらく絶句する。 「いや、今日は想像もつかないことが連続するので、まいりましたね」と本当にかなり頭が白くなっているので。玉泉和典和典が 「いいんじゃないのか、俺は賛成だ、アムランにはもっとごほうびがあってもいいと由里江といつもいっていたんだが鵬蓮の希望は受けるべきだと思う」と静かに私の肩に手をそえてくるのと藤丸竜也も 「同感ですな、現存する幻の天翔金蓮仙花が2株というか2人も眼の前に存在しているのも奇跡だが、そのうちの1人が家つきになりたいなんていうのは受けないという法はないと思う」と言うので、 「うーん、条件がひとつだけあるが、鵬蓮殿、私と大親友という立場でつきあっていただけるのであれば喜んでお迎えします、あんまり縛りたくない存在なんでね」というと 「そこまでお気遣いしてくださるとは、嬉しい限りです、あなたについていきますよ下賜の儀にて正式に家つきにしていただきたい」というので 「わかりました、了承いたしました、やんちゃが2人いますんで、お守が大変でしょうけど」というと子供達3人のうちの2人がびくっとするが、鵬蓮に寄り添って甘える様子を見せる。 おそるおそるという感じで凰蓮が 「あのう、アムラン殿、うちの麗は結局どうなるのでしょうか」と不安そうに訊いてくるので 「うーん、先ほどの竜也殿の藤丸家総帥の裁可決定どおり藤本家で行儀見習いだけどね、悪いようにはしない、ちょっと驚くかもしれないが考えている」と言うと 「またなんか、楽しいたくらみですかな」と藤丸竜也がひげ顔を崩して笑いかけてくるので 「まあね」と肩をすくめると 「できたわよ」と藤本由里江が呼びにくる。 尾崎儀一の隣に香川諒子が移動して、高城ハルと寺島小百合が隣同士になり、理美の席が紫藤聖四の隣になるなど席次の移動が済み、料理も配膳が終わっているが1人だけまだ立ったままの者がいるので席に着いた全員が不思議そうに見ている 「どうした麗、空いている席があるじゃないか、そこへ座れ」と金蓮の隣で十琉との角にある席を私が指し示すと 「ほんとうに、そこに座っていいんでしょうか」と麗らしくない自信なさげなおずおずとした態度なので、事情を知っている藤本由里江を筆頭に恭仁見つかさや金蓮や宮本一こと葉山託生や鏡剣に菅井佐知に井伊直也までにやにやしている。今一つ事情が呑み込めていない半数は怪訝な顔をしているので 「そこの席に座ることの意味はみんな知っていると思うけどね、麗の席がそこに確定するかしないかは麗しだい、今は仮免許ということ、ほれ、ぼさっとしてないで早く座る」と促すと 「えええっ」と驚いた表情になり、顔が赤くなるのがわかる 「しょうがないわね、どれ」と藤本由里江が立ち上がり、茫然として立ち尽す藤咲麗の肩をむんずとつかむと空いている角の席に無理やり座らせる 「まあ、しばらくは、みっちりうちで仕込むけど前祝いだからね、しゃきっとしなさい」と意外と容赦ないので、思わず苦笑がでる。 クリスタルの水槽の中でも3人の子供達がびびる様子がわかるのと、凰蓮が驚いているのと鵬蓮が苦笑しているのがわかる。藤本由里江が自席に戻ると、なぜか十琉の 「いただきまあす」のあいさつで全員食事が始まる 「おっ、湯葉があるってことはカヨちゃんか、このなめこそばもいけるね」と私が独り言風に言うと隣の恭仁見つかさが 「メインはカヨちゃんの指図でそばは千光さんがうったの」とさりげなく解説してくれるので 「やっぱり棟梁のパワーと板前の腕が融合するとすごいな、店出させたいくらいだけど、忙しいからなあ」というと玉泉和典まで 「同感だね、おちついたらやらせたいな、まあ菅井の総帥代理があるからな」と言い、藤本由里江が 「うーん、おいしい、あたしおかわりもらっちゃおうかな」と言ったので 「はいはい、ただ今お持ちしますよ」となぜか板前スタイルの今野千光が、いつのまにかおかわりを用意してくるので 「あら、ありがと、いただくわ」という藤本由里江の声を聞きながら 「うーん、なんかみんな私の事を早いとか凄いとかいうけど、何気にみんなやること凄いじゃないか」と恭仁見つかさや金蓮や宮本一こと葉山託生や鏡剣に菅井佐知と井伊直也に向けて言うと金蓮が代表するように 「それはみんなお互い様かもしれないわね、特にそれぞれの得意ジャンルのことなら、アムランの速さと変わんないわよ」とうふふというふうに言うので 「全くその通りだね、ときどき驚かされるからね。でもまあ今日は驚きの連続だったなあ、めでたいことばかりだが、とまどうことも多くて」と湯葉の最後の一つを口にほおりこみながら言うと、井伊直也が 「そういえば親展きてましたよね」と言ってくれたので 「それを、忘れるところだった、中は福が言ってた通り、礼状の束といくつか許可状と免許状だから整理してから報告だな、今日は私も頭がうにっ」と言うと井伊直也が爆笑してつられて恭仁見つかさや金蓮や宮本一こと葉山託生や鏡剣に菅井佐知まで爆笑したところで目を覚ます。 No 0271 1989 平成元年 8月13日 日曜日 201番の夢で黒田勇一の運転する車で登校した、街の中から林の中の道を通り、巨大な寺の横の坂道をあがり、遠景に川の土手が見える平原の中に立つ大学で、構内は上から見ると500メートル四方の敷地に中央に本部棟があり、四隅に体育館や講義棟や研究棟や図書館などの建物が配置されている。正門と対称の位置に裏門があるがいずれの門にも大学という表示はあるが具体的な校名の表示かない。この大学の上空にいるところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は206番の夢と同じ濃いブルーのボタンダウンのシャツを着てブルーのジージャンとスリムのブルージーンズに黒のソックスをはき、白の革の厚底のコンバースのバスケットシューズを履いている。 この学校に登校するために街と林の境目付近に空からおりて歩いて、途中の林の中から寺の横の坂道に上がろうとする地点で学生が大勢かたまっているので何があったのか訊くと、林から鹿が飛び出してはねられてはねた車はそのまま逃走したという、道路のふちで血を流して横たわっている動物は確かに鹿の子供のように見えるのであるがなんとなく違和感がある。とりあえず止血してジージャンにくるんで大学内にある人間の病院にとりあえず連れて行くとたまたま162番の夢の風間了がいて手当てしてくれることになる。ロビーにみたことのあるような後姿の者が数人いるので近づくと55番の夢の男の子3人組の和泉理司、黒田拓哉、大島玲仁達と55番の夢の女の子3人組の恭仁見つかさ、日生篝、武田詩織の6人がいる。声を掛けると取り囲まれて、今までのいきさつを話していると風間了が出てきて、鹿ではなく特別天然記念物並の稀少動物だというので、私の後ろに事故現場からついて来ていた大勢の学生達がこの生物の生息地でもある大学周辺の森の保護活動と寄付集めをはじめだす。この手伝いに私と恭仁見つかさ、日生篝、武田詩織、和泉理司、黒田拓哉、大島玲仁達も手伝いにでるが、私と恭仁見つかさだけはロビーに残される。 「あいつら気をきかせたつもりらしいな」 「そうみたいね」と会話して何気に2人とも手を握ってそのままなんとなくお互いに軽くよしかかっていると夜になるのと風間了も出で来ないので外にでると夜になっていて大学構内には誰もいない。2人で少し土手のほうに散歩してキスすると場面が変わり、2人とも高校の制服を着て教室にいる。 私が31番の夢と同じ黒の詰襟の学生服の上下を着て左襟に菱形のバッジをつけて、白のソックスをはいて、黒のコンバースのバスケットシューズを履いていて。 恭仁見つかさは31番の夢と同じ濃紺の地に白の細い2本線が入り、左胸のポケットの上の部分にも細い2本線の入ったセーラー服を着て、車ヒダの紺のスカートをはいて黒のパンストに黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。左胸のポケットの白い2本線の中央に菱形のバッジをつけている。 クラスメートが見たことのない顔ばかりのわりには、かなり親しみをこめてつきあってくれて、恭仁見つかさは国見のお嬢様の略で国見のお嬢と呼ばれているのと漢字表記が恭仁見から国見になっていたので 「あれっ、変えた」と言うと 「うん、国見流占術の家元になっているから結局元々の国見にもどっちゃったの」と言うので 「いいんじゃないか、もう隠れる必要もないし」と言って髪の毛のゴミをさりげなく取ると 「うん、ありがと」といってクラスメートに見えないように手を重ねて甘えてくるので、そっとにぎり返すと場面がまた変わり、 上から見た時に以下の詳細の場所の上空にいる場面に変わる。 1キロメートル四方の敷地に、幅3メートルの切込ハギの石垣の掘を回し、塀も高さ2メートル厚さ50センチの白壁を回し、塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路と塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にまわされた全長1キロメートルの道路全てが2車線両側歩道つきの道路となり。500メートル四方の内陣は125メートル四方の区画で16等分され、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて周囲の4つの区画は鍵形になるように区分されている。南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場とし、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝にする。16等分された残りの12区画は北東の角が桃園、南東の角が薬樹園、この二つの間を畑として2区画使用する。南西の角が梅林で南東の角の薬樹園との間の2区画は水田として使用する。桃園の西隣の区画と梅林の北の区画は畑として使用する。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭とし、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されるため芝にする。 塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森で南東が竹林で南西は赤松林と黒松林であとは混合林になっている。南の竹林の中には直径約60メートルの丸い池を築造してある。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西と南の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北と南へ向う2本の道路と合わせて12本整備し、本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備してある。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。南側にある門も東から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。 敷地の森の北東には神社2社と南西の森には墓地と霊廟を築造して風水の守りにしてある。本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭として整備する。1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面になっている。 以上の詳細の場所の上空に国見つかさと2人でいて時刻は夕方でまだ明るいが太陽が西に沈みかけている。2人とも高校の制服のままであるが、西の門の前に降りて本宅までの斜めのメインストリートの右側の歩道を手をつないで歩いているところで目を覚ます。 No 0272 1989 平成元年 8月24日 木曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は206番の夢と同じ濃いブルーのボタンダウンのシャツを着てブルーのジージャンとスリムのブルージーンズに黒のソックスをはいている。なんとなく具合が悪いのでトイレに行こうとして台所で血をおもいっきり大量に吐くと楽になる。奥の部屋に戻って休もうとすると、チャイムが付いているはずなのに206号室の玄関が弱々しいのであるが、かなりの回数ノックされるので、玄関のドアを開けると、セーラー服の女の子が助けをもとめてくるが、いきなり白骨死体に変わって玄関の床に散らばり粉々になって驚いていると場面が変わり、水田地帯を背にして太陽の位置から判断して北から南へ川が流れている場所にいる。 水田地帯が東で対岸が西になる。橋が架かっているが川幅が100メートルくらいあるのに橋脚と橋台がなく、橋ゲタと橋板と赤い欄干だけでできていて宙に浮いているので驚く。幅は狭く普通乗用車だとすれ違えず、軽自動車でどうにかすれ違える幅である。天気はよく服も206号のアパートにいた時の服に白の革の厚底のコンバースのバスケットシューズを履いている。そのまま橋を渡り対岸に行くと、西岸は土手から5メートルくらい下り坂になっていて、坂の下からけっこう賑やかな街が広範囲に広がっている。街の時代的な雰囲気は江戸時代の元禄文化期風の街並みと昭和30年代の東京下町風の街並みが混在している。街並の西側は原野が広がりさらに西側にはヒマラヤ山脈級の険しい山脈が見える。街の中と外をしばらく歩くと気候は街中は常春であるが、街の外は常冬であることがわかる。 坂の所に戻ると坂には名前がついていて「よもつひら坂」と杉板に墨書の看板表示が街側にあって対岸側には何も書いていないので、まさかこの河三途の川でこの街って冥界かと思った瞬間に背中に悪寒が走り。坂の下を見ると先ほどアパートの玄関で白骨になったセーラー服の女の子が坂を上がろうとしているが上がれないでいるのと川幅がどんどん広がっていくので、これはマズイと思い、坂のへ駆け下りて女の子を抱えて坂を上がろうとするが身体が重くて前へ進めない。咄嗟にアムランの正装である123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインのものに変身して杖を振ると坂の上に上がれるが、橋が沈みはじめるのでとにかく女の子をかついでどうにか東岸へ渡り切り倒れ込むと場面がアパートの玄関に戻り床に散らばっていた白骨が元の女の子の姿に戻る。 ぜいぜいしていた呼吸がもどり、女の子の顔をよく見ると266番の夢の藤咲麗なので、驚くよりも 「おまえまた、やったのかよ、返魂法なんて外法だぜ、このバカ」と頭をこづくと 「アムランー無理なのかよう」と女の子なのに男の口調で泣き出す 「全く、どうしても蘇らせたい者がいるのはわかるが、やってはならない事だし、なしえたとしてもろくなことにはならなかったのは過去の事例が証明している。お前も今回も含めて2度も死にかけて、あまつさえ死罪にまでなりかけているんだぜ、あきらめろ」と目を見つめて言うと、おもいっきりしがみついて泣きじゃくるので、やれやれと思いながらそっと抱き締めて髪の毛をしばらくなでていると落ち着いたのか 「アムラン、2度いや死罪からも助けてくれてありがとう」とかなりしおらしく言うので 「もう、やるな、おまえも相当な実力の能力者なのはわかるが自分自身が滅びたらおしまいだぞ、亡くした者達を悼み、その存在した証を伝えていくのも大事なことだと思うし、死人を無理やり蘇らせたところで本人も喜ばんよ、にしても麗、おまえそんなに私の姉さんが好きだったのかい」というと、びっくりしたように私の顔を見つめてから 「うん」と弱々しくうなづく 「まあ、私も本当に愛した存在を忘れることなんて、今ミドリ達がいてさえも忘れられるものではないし、形見はがっちり保管しているからな、それも頭蓋骨だぜ」というと麗が目を見開いて驚く 「信じられない、アムランが」と言うので 「程度の差はあれこそ、みんなそんなものだ、どこかでけじめをつけないといけないものなのさ、頭蓋骨はもう少ししたら霊廟に収めるけどな」と遠い目をすると、麗がじっと見つめてくるのがわかる、そして 「アムラン、いろいろ迷惑かけてごめんなさい、女の子のままでいることはがまんできないでいたし、男にというか両性具有の身体にもどろうといろいろあがいたけどだめだった、今回の事も雲の上にばれてるだろうからもうダメだよね」とため息をついて 「でも大好きな人に助けてもらえたし、その思い出を抱いて潔く死罪になりにいきます」と言って出て行こうとしたので 「その心配しなくてもいい、冥界侵入については雲の上の管轄外だから麗の今回の行動は私が黙っていれば済む話しだし、私は別の資格で冥界に出入りしているので、咎められたらアムランの助手だといえばいいだけだ、イキがいいのもいいけどな、もう少し自分自身を大事にしたらどうだ、人のための無茶はすばらしいが、自分のことももっと大事にしろよ、お前を愛してる凰蓮がどんだけ悲しむと思う、ついでにいうと、こいつもなんだかんだ言いながら愛しているぞ」と言って親指で自分を指して麗の身体を抱き締めると驚く麗に軽くキスをすると、驚いて目を見開くが、がっしりとしがみつきキスを返してくる。 ここでまた場面が変わり、広さから菱関家に移築した巨大実家の台所にいることがわかる。 母がいて、2人でいろいろな料理やおやつを作って試食している20品くらい作って試食するが、どれも相当おいしく感動する味で最後のチョコレートパフェを試食しているうちに目を覚ます。 No 0273 1989 平成元年 8月26日 土曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理屋で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいている。髪型はショートボブ。 玄関にあった普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを履いて外に出ると、206号室がある鉄筋コンクリートのアパートの1階がかなり破壊されていて、修理と改造して2部屋を一つにしている。なんとなく気になって空を飛び街全体が見える高度まで上昇すると街全体が洪水にあったあとのような状態で、一部では水に水没した建物が見えて驚く。部屋に戻ると自分の部屋も2部屋が一つになって2部屋しかなかったのが4部屋になっていて驚いたところで場面が変わり国見家の屋敷の庭が見える部屋にいる。 まだ床の間には金蓮花の生け込まれた黒薄端が紫の菱形の毛氈の上に鎮座している。手にはいつのまにか酒瓶と桐の細長い箱を持っている。とりあえず酒瓶と箱を花梨の座卓に静かに置いて台所に行って湯のみ茶碗をいくつか持ってくると、立ち上がり神殿の方角を向いて 「国見守のお舘様、大婿でございます、姿現しを願います」と言い一礼すると、ほどなく国見守が現れ 「めずらしいの、大婿殿が呼ばれるとは」と言うのを迎えながら跪くと 「お舘様今日は2人だけの内緒の愉しみをいたしたく御足労いただきました」と頭を垂れると 「ほんとうに義理がたいのう、礼儀もここまでだと他の者だと嫌味だが誠がこもっとるからの、まあまあ、顔を上げられよ」言うので 「では、崩させていただいて、まずは」と酒瓶を見せると 「極吟醸の菊鼓仙ではないか」と驚く 「これで一献と思いまして」と言って5つ分湯のみに酒を注ぐと国見守の前と床の間に1つ置き花梨の座卓の端と端に置いて自分の前にも置く 「肴はこちらになります」と細長い箱を開けて中から少し端が傷んでいる巻物を取り出して広げると 「これは」と国見守が腰を浮かせて驚くので 「ええ、白梅山稷図です、御確認下さい」と言うとそっと手に取り 「ううむ、この落款は間違いない本物じゃ、画面の端に少し傷みはあるのと軸がないが、これだけの景色が無事ならほぼ完全ではないか」と踊り上がらんばかりに喜ぶので 「本来ならば経師屋を頼んで表装しなおしてからお見せしようと思っていたのですが、先にお見せしたく今日お持ちいたしました」と静かにいうと 「それにしても、端が傷んでいるが、画面もろとも焼失するその光景を見て手も足もでなかったのに、このように奇麗な状態で再びお目にかかれようとは信じられぬ、いったいどうして」とかなり強い視線で訊いてくるので 「次元の挟間はご存知ですよね、漂流蔵です」とさらりというと、唖然とした表情をして 「漂流蔵とな、うわさは聞いておるが、入れるものはそうそういないというが、あ、大婿殿はふた、いや失礼」と国見守もくちごもるので 「ええ、半陰陽ですから時空間移動は自由自在ですが、なかなか大変な場所ですから簡単なわけにはいきませんが、今回は雲の上の勅がありまして、二郎真君にも勅がありましたので、かなり強力な装備で行ってまいりました、まあ本来の目的以外にかなりいろいろといたしまして、これもそのついでの結果です」と少し苦笑しながら言うと 「勅と二郎殿まで」と絶句される 「とりあえず、こちらは名人の経師屋の主水誠之丞殿にお願いして表装していただくことになっています」というと 「主水殿か」と驚く 「はい、快くお引受けいただきました、こいつのおかげで」と酒瓶を指さすと 国見守もなるほどという顔をする 「お舘様、私のまずい顔だけで申し訳ありませんが、頂きましょう、なんかもう出来ているものもいるようですので」というと、国見守も湯のみを取り香を楽しみ含み舌で転がし喉を通すと 「むう、極吟醸の菊鼓仙じゃ、流石に五臓六腑にしみわたるとはこのことぞ、それにしても大婿殿はよい酒を識っておられる」と喜悦の表情を浮かばせて煽る。自分もふくみ香をたのしみながら 「うーん、あれは多かったかな」と床の間を私が見るので国見守も床の間を見ると、黒薄端が赤くなっているのと生け込んである金蓮花も少し赤い 「のんべだらけだからのう、それにしても花梨の座卓の分と先祖達への一献も忘れていないのは憎いの」というのでもう一杯だけ国見守の湯のみに注ぎ 「こちらを頼みに参りますのと、ヤボ用もございますので、これで失礼いたしますが、湯のみはこのままにして置いてください、酒瓶は神殿に供えますので御随意に」と言って一礼すると 「うむうむ」と国見守がにこやかに立ち上がり、神殿の方へ消えるので酒瓶を神殿に供え、自分と国見守の湯のみだけ片づけて立ち去ろうと、残った湯のみを覗くと、もののみごとに空だったので、結局全部かたづけて台所で苦笑していると目を覚ます。 No 0274 1989 平成元年 8月27日 日曜日 テレビ局の取材班のチーフとして行動しているところから夢がはじまる。メインの女性リポーターに150番の夢の金蓮がなっていて、古代から使用されている上水道と下水道の迷宮探検的な取材をしている。最初は普通の街の下にあるレンガと石で造られた高さ2メートル幅5メートルの下水道からはじまり、10キロメートル程を延々と歩くだけであるが、人が並んで5〜6人歩ける広さと古代から近代まで建設時代の違いはあるけれども2000年から200年前までの下水道が現役で使われていることに驚く。合流点での水音は滝のように轟く。 続いて上水道は水源から現代の浄水場までの10キロメートルの石の地下水路を歩いて取材する。上水道は下水道と異なり、石組のみのつくりで3000年以上使われている。分岐点も合流点もなくほぼ直線的に5キロ四方の浄水場まで続いていて、浄水場の近くでは一部コンクリートになっている。水源から10キロ歩く間は上水道なので水は非常にきれいであるが、ときたまゴミがまぎれこんでくる。浄水場の近くでは一部壁がガラス窓になっている部分があり、地下の大規模な浄水場全体が見渡せる場所がある。水道局の係官が上水道内部でも特殊な薬品まくことによってゴミ類を沈殿させて浄水処理ができる事を実演してくれる。薬品の効果は絶大で、瞬間的にゴミが固まって沈澱する。さらに水を抜いて沈殿したゴミを回収する作業も実演するが、何かのミスで遮断しているはずの水がバルブから吹き出し、あふれた水でリポーターの金蓮がずぶ濡れになりみんなで慌ててタオルで拭いているところで目を覚ます。 No 0275 1989 平成元年 8月30日 水曜日 存在しているのに自分の姿が見えない状態になっていることに気がついたところから夢が始まる。東京の街の上にいるのであるが、どことなく東京の雰囲気が違い、住宅街でドラえもんののび太が街の中をこそこそという感じで動き回っている事に気が付く、私に見られている事にのび太が気づき、お互いに建物の影で合流して情報交換すると、過去と未来に異変が起こり調査のために未来に行ったドラえもんと連絡がとれなくなり、家の周囲の様子もおかしいので、手持ちの道具を使ってあちこち調査を開始したばかりだという。ここから2人で協力して探りを入れると、日本が全世界を支配している世界になっていて、唯一イギリスのみが抵抗している状況で、アメリカ合衆国とカナダがあった北米大陸は全て砂漠となっていて、中国大陸は全て水田と畑になっている。中近東とアフリカの砂漠は全て緑化されてここも穀倉地帯と工業地帯と油田地帯になっている。ヨーロッパは全て日本語圏となりフランス州やドイツ州やスペイン州が日本人の総督の元に統治されていて、バチカン、モナコ、リヒテンシュタインなどがかろうじて自治領として存在している。ロシアについては全領土すべてではないがほとんど無人の荒野となっていて、黒海やカスピ海沿岸やレニングラードやバルト3国付近のみ都市が存在している状況で北欧3国は保護国になっている。地中海は高級リゾート地になっていて、ベルリンに副首都がおかれていて皇太子殿下が総都督として天皇の代理として統治している。中立の独立国がスイスとオーストリアとインドと南アフリカ共和国とブラジルの5カ国だけである。オセアニアではオーストラリアがイギリス連邦として生き残っていてイギリスとともに抵抗している。 天皇制はかなり強化され、皇族の間でも身分差が相当あり、貴族や軍人などの特権階級がかなりの権力と富を独占しているものの、議会制民主主義が存在していて平民による選挙で議員が選ばれているが、かなり全体主義的な風潮が大きい社会になっている。中央区、千代田区、新宿区、港区の4区は全て皇居と皇族の居住区となっていて、宮家も50家以上ある。山の手線内が皇居で東京駅の建物が皇居の正面玄関となっていて、八重洲が皇居前広場になっている。皇族内にも身分差があることがよくわかったのは何かの式典に馬車に乗って出発する天皇陛下を見送る他の皇族方は徒歩で従っているからである。天皇陛下の顔は昭和天皇で首相の顔が岸信介だったので、昭和の30年から40年代の時間的な世界にいることがわかる。何の式典かは不明であるが、大礼服姿の政府高官や儀仗礼服姿の高級軍人達で広場はあふれみごとな景色であった。 このあとイギリス上空に飛ぶとバッキンガム宮殿の前ではメーデーの騒動になっていて、バッキンガム宮殿の隣にはベルサイユ宮殿が庭ごとまるごと移されていて、女王はベルサイユ宮殿の方に住んでいる。東京にもどりのび太と協議して当初イギリス女王とコンタクトしようかという話しになったが、ドラえもんから京都に各時代のタイムパトロールの拠点があると聞かされていたというので、取り敢えず京都に向いある寺に行くと髪をショートカットにして少年に変装したしずかちゃんと再開する。しずかちゃんはいち早くドラえもんから聞いていたタイムパトロールの拠点を探して京都まで来たという。のび太の手持ちの道具のおかげでタイムパトロールの拠点はすぐに見つかったが、一人いた駐在員の様子がおかしく、のび太としずかの持っていたプリン型の証明書のようなものを何かの薬品をかけて調べ始める。のび太の物はすぐに没収されるが、しずかちゃんは事前に何か細工してあったらしく結果が出るのが異常に遅かったであるが結局没収しようとしたので、私もかなりイライラしてこの非常事態に何くだらないまねをしているのだと駐在員をノックアウトすると正気もどり、現在過去の異常事態の修正作戦が思うようにいっていないが、のび太としずかと私が作戦に参加すれば事態が動きそうだというコンピューターの予測がでたというので準備を開始したところで目を覚ます。 No 0276 1989 平成元年 9月1日 金曜日 よく晴れた天気の空の、金松光翔樹がずらりと立ち並ぶ林の中の白い玉石が敷き詰められた林を四つに分割する十字の道の中央に建つ天竺様のかなり大きな東屋の中の木製のベンチに腰かけているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 天竺様のため天井が高く広い東屋の中で南を向いて座っていると、南側の十字の道のはずれには、直径300メートルの大きな沼が見えて蓮がびっしり生えている。風水の最高クラスの気の吹き出し口の五色天竜穴と呼ばれる竜穴の上にあるだけに周囲に迸る気もなかなか鮮烈である。ぼーっとしながら気を受けていると 「アムラン殿」と声がかかる 「おやっ里帰りかい」と私が2体現れた金松光翔樹の精に返事すると 「それもありますが、我々の子供達を77も育てて、このような立派な園まで造っていただき感謝のことばもありませんと」拝礼してくるので 「そんな他人行儀な、あなた方ふたりは、すでにうちの家族ではありませんか、まあここも昔の記録では700からの金松光翔樹の森があったわけですから、やっと1割からの出発点ですよ」と笑っていうと 「やはりアムランは剛毅ですねえ、これでもすごいと思いますのに出発点ですか」と金松光翔樹の精が2人とも感心と少し驚いたような溜息混じりに言う。遠くから 「アムランー」と呼ぶ声がして何人か走って向ってくる気配があるので 「では私達は一足先に失礼いたします」と金松光翔樹の精2人が静かに消える。 「あっ、やっぱりここにいた」と105番の夢の鏡剣が東屋に駆け込んでくると、130番の夢の今野千光と162番の夢の風間了も追いついて 「寝殿造りの棟上げがはじまりますよ」と今野千光が言うので 「わかった」と私が言うと全員が古代ローマ風の遺跡の近くの旧菱関家本宅の跡地に復元再建されようとしている巨大な寝殿造りの建物の棟上げ式の現場に移動する。席に案内され着席したところで、巨大な棟木が古式ゆかしく上げられて行く。隣が80番の夢の玉泉和典の席で 「流石だな今野の総力を挙げているだけの事はある、柱組といい棟木の見事なことだ」と私が言うと 「まったくだな、これほどの寝殿造りの構えはもうやりたくてもやれないだろうからな、力も入るというものだ」と目を細めていうので 「一緒におやりにならないんですか」と私が訊くと 「現場にロートルがいるとじゃまなだけ、いろいろ口だしたくなったらきりがないからやめといた」とあっさり言うので 「なるほど、らしいですね、私もおんなじですけどね」と言うとポンポンと肩を叩いてくるので顔を見合せて笑って、目の前で続けられる儀式的作業を見守る。 棟木が打ち込まれ固定されると、参列者に向かって餅まきがはじまる。ほぼ全員に餅がばらまかれた頃あいを見て獅子舞のお囃子が披露され金剛斎の挨拶で式典が終了して参列者が散会しはじめる。身内衆だけは先般棟上げが終わり、仮竣工を経て、今日の午前中の竣工式と同時に行われた屋敷守の契の儀の余韻が残る菱関家の新本宅へ移動する。桂離宮を模した構造と縄張りの広壮な本宅に上がり、西の蓮沼が見渡せる板敷の大広間に入ると床が2階建ての位置にある高床のために見晴らしがよく、沼の中央で咲いている金蓮花の花だけがびっしりと水面を埋め尽くす蓮の中央に咲いているのがよく見える。さらに先の移築した旧巨大実家改め菱関家西の陣屋、通称迎賓閣も遠望できる。 白い服を着た体格の良い青年が近づいてくると私に 「あなたにお預けするものが決まりました、イリヤをよろしく」と言うので 「それはまたずいぶんとはりこみましたな、白象皇」と私が驚くと 「当然であろう、玄、いや失礼アムラン殿の新家の屋敷守に出すとなればこのくらいの者は惜しみませんぞ」と笑いかけてくるので 「菱関にも子爵のシャールとは破格でしたからな、元々白象一族は太っ腹とはいえ、今朝は本当に驚きました」と多少ため息と苦笑混じりで返すと 「とんでもない、アイーラの不手際、まだまだ菱関には償えたとは思えぬのに、あれほど見事な霊廟まで用意されてはこちらの気がすまぬ」とかなり実直さと慈愛のこもった言葉が返ってくるので 「今野の若手筆頭の光成に本体をまかせて、先々代金剛斎の直弟子で白象一族の好みを知りつくした瑞峯(ずいほう)の合作ともなれば、お気に召していただけたようで」と少しにやりとして言うと 「なんと、あの霊廟は瑞峯殿の手も入っているのか、それにしても瑞峯の名は我が一族もよく聞くが、誰も本人は知らぬというか会った事がないが名匠の名は高い存在だからの、よくもまあそれほどの名匠をひっぱりだしてきたものだ、さすがアムラン殿ですな」と感嘆してくれて、続けて 「願わくば瑞峯殿には、我が一族の聖域にも霊廟を造営してほしいものだが、正体が知れぬのが残念だ、アムラン殿にはこれ以上手を煩わせるわけにはいかぬのでな」とかなり残念そうにいうので、少しおかしくなって 「実は今日、瑞峯殿でしたら見えてます、先ほどの菱関旧宅復元棟上げ式でも私と同席してましたし、今入ってきましたので取り次ぎますよ」というと、白象皇が目を見張って 「えっ、あの瑞峯殿がおいでじゃと」と驚く。私の後ろから 「聞こえたぞ、瑞仙、瑞峯の名前だすなっていってるんだがな、まあ白象一族の白象皇の頼みともあればおひきうけいたす」と静かな声がするので 「それは助かります、瑞峯の兄貴、不肖の弟瑞仙もお力添えいたします」と私が振り返って言うと、瑞峯の隣にいた藤本由里江がくすくす笑いながら 「今野の今日の儀式の勢いに2人ともあてられたようね、今野の弟子号で呼び合うなんて久しぶりね」というのに、白象皇が 「瑞仙とはアムラン殿で、瑞峯殿はまさか玉泉家の宗主殿では」と驚き唖然とした表情をしているので 「とうとう、ばれましたね、いい仕事しに行きますよ、まあ、あんまり驚かないでください」と私が場をとりつくろうと、藤本由里江が 「まあ、驚くのも無理ないわよね、まさかアムランと玉泉の宗主が大工仕事の修行してたなんて誰も思わないものね」というと、白象皇が 「ほんとうに、いろいろな事をされておいでだ、瑞峯殿もさることながら瑞仙殿の正体がアムラン殿というのは、納得ですな、以前二郎真君殿の庭の宝石細工が瑞仙殿の仕事だと聞いていたのとアムラン殿が彫られた先代白象皇の印の鈕の細工が同じ職人の仕事でないかと言うものが多いのでな」と感心したようにいうので 「あー、独特の雑さは一緒かもしれないなあ」と私がうそぶくと 「まあた、そういうこと言う、雑じゃなくて、凝る癖でしょ、あそこまで細かい仕事するヤツ他にいないわよ」と藤本由里江が、コレコレと私の肩を払う感じで軽く叩くので、その場がかなりなごみ、そろそろ席につきましょうかという流れになり、菱関の総帥を中心として50人程の席次が配されて軽食が供されて雑談に花が咲いているうちに場面が変わる。 場所は一見67番の夢の自分の部屋と似ているが、本宅自体が面積的には3倍近い広さになったために自分専用の部屋も横長の12畳の広さから倍の縦長の24畳の広さになって部屋の様子も多少違う。今までベッドと机の中央に挟まれていた応接セットが、部屋半分の入口側の12畳の半分の6畳の位置に移動して、ベッドと机が部屋の半分の奥の12畳に移動して応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。方位的には従来通り西壁が本棚で南が出入口のドアとクローゼットの収納になっている ドアの上に自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られていて、光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれているのは変わらない。応接セットの中心には依然と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっている、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。窓は部屋の東側に一つ増えて二つとなり、北側は一つのままである。部屋の北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドがある。西側の壁は3メートルある天井まで全てつくりつけの本棚になっていて一部スライド式の棚になっている。南側の壁は中心から東側の窓の壁までがクローゼットになっている。中心から西側はクローゼットの扉のすぐ隣が縦に畳1畳分の大きな鏡があり、本棚のある西側の壁よりに出入り口のドアがある。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、鏡側の西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっている。ドアの前に黒のスチールの机があるが、この机は両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。多少大きくなった机の上には左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきの飾り棚がある。この作業台の上の西側には、テレビとビデオデッキとミニコンポが置いてある。 自分の姿は206番の夢と同じ濃いブルーのボタンダウンのシャツを着てブルーのジージャンとスリムのブルージーンズに黒のソックスをはいている姿に変わっている。 新しい部屋の少し大きくなった机と応接セットを見渡しながら机の前の椅子に腰かけるとノックの音がして55番の夢の恭仁見つかさあらため国見つかさ、鏡剣、57番の夢の菅井佐知、82番の夢の宮本一こと葉山託生、24番の夢の井伊直也、131番の夢の橘夏希と143番の夢の橘夏芽姉妹が合体した150番の夢の金蓮の6人が入ってくる。 「おー広い」と葉山託生がいうと 「あーソファも大きい」と国見つかさが言い 「踊れるわよ」と金蓮が少しおどけて言い 「なーんか社長執務室みたい」と菅井佐知が言うと、井伊直也が 「やっとアムランらしい部屋になったんじゃないのかな」と言ったところで 「ユウ悪いが、いまから立ち入り禁止にするから鍵とこの札ドアに掛けて置いて」と避客牌と墨書されたA4サイズの銀のプレートを入口のドアに掛けてもらう。 「避客牌、ってまた古めかしい立ち入り禁止の札ねえ」と金蓮があきれた声を出し 「このあいだ、書かされたやつ、ここでつかうとはねー、らしいとゆーか」と葉山のちょっとびっくりしたぞの声がする。6人全員が座ってもソファに少し余裕がある。向きの関係で机の椅子をテーブルのところに持ち出し座ると 「いよいよ新家のお披露目と内緒の打ち合わせで、あとで説明するけれど麗は今回呼ばない、仮免ってこともあるけどね」というと、6人からなんとなく 「ふっ」という苦笑めいたため息が漏れるあたりが、呼ばれなかった藤咲麗の立場が知れる光景である。 「まず、新家の名称と立場であるが、そこのドアの上の千晶満知瑠の千晶から千晶家の名乗り決定と金蓮15家はこの世界では子爵から伯爵相当の貴族の格があり、玉泉21家が伯爵から侯爵相当の貴族の格があり、その上に公爵と大公クラスの貴族の格がある黒曜四天王家があるが、金蓮20家筆頭家の侯爵の立場と黒曜四天王家で長らく欠員となっていた武門の名家の席である千禰家の席を預かる事になった、現在の軍の階級が家名表記となって帥家と呼ばれる事が公式に内定した」と一気にいうと、6人全員が絶句するが何かに気がついた井伊直也が 「今、金蓮15家ではなく20家って言いませんでした」と問うてくるので 「さすがだなナオヤ、菱宮5家の菅井、武田、井伊、金井、久慈が菱無し表記で金蓮15家にプラスで国見も実質菱光は使わないから菱が付く家は、菱東、菱関、菱平の3家になったのと、新家の千晶家が筆頭家に指名されたので、合計20家体制と菅井と金井と久慈は金蓮花があらためて下賜になるが、問題は久慈だな」と首を振りながら言うと、菅井佐知が「うちに下賜っ」と驚くので「家の箔づけだってさ、金吾のじいさまのハナシではね、もともと金蓮花があっても不思議じゃないからね、私は当然だと思う、菅井家も金井家も才能豊かな人材揃いだし、久慈は当然金蓮花を持つにふさわしい」と言うと、金蓮が 「というとアムランの新家である千晶家には4株ですから合計21に6で27株ということですね」とほほを上気させて言う。 「うん、ただし家つき所属内訳が変わる、この間の話では藤野家は再興しない計画だったんだけどね、先日お藤さんと、藤本家が管理している藤野家の蔵を開けたらえらいことになって、再興せざるを得なくなったのと、跡取の問題が急浮上して、現状でも総帥を複数家兼務は可能だが、一族の一門衆がやるのが筋で、これまでの金蓮15家でも、藤丸家が菱関の総帥を兼ねるというような一族を越えた総帥の兼務はありえない。ただし、立場的に大婿殿と呼ばれた人物に限っては宗主として自分本来の一族の総帥と他の一族の総帥格の兼務はかなりの例があるし、現実にここに国見の宗主と総帥2人がいるし、藤本のとこもそうだからいいとして、藤野は一番血が濃いのがこいつで、蔵からも藤野の血の濃さを証明するようなもんでてきちゃったのさ」といつもの自分を指さす得意技をだしてから、はあっとため息ついて、腕組みしてうなだれると、6人全員が 「「うーん」」とうなるのと 「「まあた自分を指さすんだから」」と「「出たっ癖」」のあきれ顔をしてくれる 「お藤さんと玉泉と藤丸の竜也さんと急きょ金吾のじいさまとも緊急協議した結果、これはもう綾乃同様に私が産むしかないということで、国見優輝に継嗣お種夫役決定」というと鏡剣が 「えええーっ」と素っ頓狂な声で驚くが、後の5人も驚きつつ 「「まあ、しょうがないか」」という顔をするので 「産まれるのは女の子だけどね」と言うと 「もう、わかってんですか」と鏡剣が驚くので 「うん、生まれ出ずる秘簿を金吾のじいさまが確認したからまちがいない、そういうことでユウも覚悟いるだろうから、もう少し時間に余裕ができてからになるのと、藤野家からの金蓮花姫の所属は跡取の女の子が成人するまでは千晶家所属ということで落ち着いたし、金蓮花姫も了承している」と言うと6人全員が 「「ほーつ」」とため息をもらすが、一番ほっとしたというか心臓に悪い思いをしたのは鏡剣なのはいうまでもない。 「跡取といえば、菅井と井伊だけどね、菅井は金吾のじいさまあずかりの末の妹に婿取り決まったって」と私が言うと、菅井佐知が 「やっぱり兄さん跡取るつもりないんですね、僕は不幸にして種なしなので、どうにもなりませんからね」とさらりと言ったので他の5人と 「さっ、サチさんそれって」と井伊直也が慌てふためく 「うーん、ぶっちゃけ三毛猫のオスと一緒」と菅井佐知が井伊直也に説明すると、金蓮が 「まさか、時空間移動できるんじゃ」と驚いたように言うと 「できるんだけど、記憶喪失になるんだよ」と私が言うと 「はーっ、天はそうそう二物以上を与えないのかねー」と金蓮がため息をつく。 国見つかさが 「あれっ、もしかして宝石博物館にいた女の子ってその子なの」と訊いてくるので 「いや、違う、妹は武田家で匿っていた、シオっちが全部知ってるし、結納の儀とかの段取りも全部やってくれることになっている」と私が言うと 「はー、流石タケちゃん」とにっこりする。 「シオっちに経理と事務しこんでもらっているから菅井の総帥としては申し分ないと思うし、すごいのは武術の才能が女の子だけど尋常でなくてね、武田の金蓮花は雄株で意外な事に武術にも優れていて、彼にも気に入られているので、今度の金蓮花の下賜にあたってなんの問題もないことになってる」と言うと、 「すごいな、一度お手合わせ願いたいものだ」と鏡剣が感心したように言う。 「井伊も弟がまだ幼いが、婚約が決まった、ナオヤと共同総帥ということになったと、これまた」と私が言い終わらないうちに金蓮が 「金吾のじいさまですね」ときっぱり言うので私も肩をすくめて両手を広げて、うなづくしぐさをして、そのとおりというゼスチャーをする 「でもさーナオヤは、いいの、弟に跡取させてさー」とタクミがいうので 「うん、僕は以前の恋人にこの美貌を維持するためだけに去勢されてるからね、子供は無理だから」と言いかけたところであとの5人が 「「なんだってー、そいつ殺してやるわ」」と叫んで全員立ち上がって怒りを爆発させるので、言った井伊直也が怯える始末なので、とりあえず 「金蓮とタクミ落ちつけ、ナオヤをそういう身体にしたやつはとっくにあの世行きだし、地獄は見せといたから、お前たちの出番はないから、すわりなさい」と私が無表情で静かにいうと アムランのこの顔はかなりヤバイ仕置きしたなと全員がわかり、静かになる。 思い出したように国見つかさが 「そういえば麗ちゃんの話しを後からするって言ってたけど」と場をひきたてるように言うので 「これも藤丸の一門衆の藤咲家なんだけど、跡取を麗に女として生きていく自覚をもたせるためにも産ませようという話になったけど、問題は相手よ、あのじゃじゃ馬の継嗣お種夫役なんてなかなかいないし、問題は凰蓮を泣かせずに納得させるだけの器量が継嗣お種夫役に必要だからね、頭の痛いハナシで、まだまとまらない、玉泉21家か、准男爵から子爵までの貴族の格がある銀峯48家の二男三男あたりにいればいいけどね」と私が匙を投げたという風に言うと、6人全員から 「「誰か忘れてないか、適任者いるじゃん」」という視線が突き刺さるので 「それ、却下だからね」と私がぶすっとした顔で言うと 「この間の席次はそういうことじゃなかったんですか」と鏡剣が怪訝そうな顔をするので 「あれは、お遊び、お前たちもノってくれたんだろうに」と私がずぶ濡れの子犬みたいな目つきを演出して言うと、6人全員から 「「うーん」」というなんだか納得いかないという表情がくるので話題を変えて 「それは置いといて、ここだけの全員の内緒の話しなんだが、雲の上から新家創設と私が両性具有と言う事で複数の男女の妻と夫を持つ許可の裁可があったんだけども、7人と申請したのに9人になっているんだが、基本的に7人にしたい、実のところ、頭の痛い問題があって、ギイとお諒に高城とサユリが婚約決定してほっとしているんだ、特にギイとサユリの貢献度と想いはなんとかしないとヤバイというレベルだったから、ここに呼んでいる事態もあり得たわけで、金蓮の場合の2人分確保もできているわけで、ほっとしているけどね、もう一人ヤバイやついるけどさすがになあ」とまいったという風に言うと、金蓮が 「別に私の分は1人で十分ですよ、なんなら橘姉妹に分かれるのはやめて1人に固定化しますし、7人ならばこれで1人分レイちゃんの分あるじゃないですか」とさらっと言うので 「そうは言うけどね、金井もヤバイんだよな、さすがにこの中に金井って絵は菅井に井伊ときてはいくらなんでも示しがつかない、1人で菱宮を独占するのかって言われる」と私が言うと 「そういう遠慮はする必要ナイと思うケド、サスガに井戸三つはすごいわね、恵一クンいい子だけどねー」葉山託生が右手の人差し指を下唇にあてて考え込む風に言う。 「そういえば、もう一人いたわよね」と国見つかさが言うと金蓮が 「玲二ね」と言い、菅井佐知が 「兄さんも危ないんだよなあ」とぼやき加減でいうのと、井伊直也も 「そういえば一門衆とはいえ香取の恵さんも視線ヤバイ感じありますね」と考え込みながら言うので 「みんな本当によく見てるよなあ、事実その通りなんだが、千光に限って言うと、あいつ玲二に惚れているからな、玲二の方が、いまいちの感じだが先行きとしては悪くはないな」という私の爆弾発言に6人全員が 「「ええーっ、うそー」」の反応のあと菅井佐知が 「兄さん、そっちのヒトだったんですか、僕みたいに三毛猫のオスならともかく、ちゃんと男なんでしょうに」とがっくりとうなだれるので 「私も本当のところを今野の大頭の清玄から聞いて、やっぱりそうかと納得したけどね、凄いのはシオっちは最初から判ってたらしい、千光の好みのタイプまでは想像つかないらしいけどね」と言うと 「うーん、やっぱりタケちゃんは見る目あるのよね」と国見つかさが妙な感心のしかたをする。 「そーいえば香取恵といえば、あれ絶対レズっ気あるわよ」と金蓮が少し目を座らせ気味にいうので 「まさか、それはないだろう、視線がっちり私だぜ」と私が言うと 「その視線、男アムランじゃない、絶対女アムランよ、むしろアムランにはこれはわからないかもしれないけど、あたしはわかる」となんだか顔がひきつっているので 「レンちゃん、ナンカあったんでしょ」と葉山託生が金蓮の方を見て言うので 「うー、あたしアムランの髪の毛が肩より長い女バージョンで(16番の夢バージョンの服)黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、黒の革のごついハーフブーツを履いたファッション好きでよく着てお出かけするんだけど、これが意外と女アムランと似てるらしいのよ、そのときにまあイロイロ」とかなり嫌そうな顔をするので、その場の他の面々も大体想像がついて 「「ああ、そういうことね」」と取りあえず納得する。 「うーん、わかった、なんとなく思い当たるフシはあるから、香取のケイは考慮しなくていいな、もっとも金蓮にとばっちりいかないようにもできると思うから安心してくれ」と金蓮にウィンクすると、金蓮がほっとしたような表情をするので、「「おっ」」と他の面々がニヤリとするのがわかるのと「「これであとは大丈夫ね」」という雰囲気になるので 「まあ、金井恵一が大問題だよな、ユウくんとアーサーは安定した男の大親友の誠実な情愛だから安心だけと、もう少し優遇というか付き合いしてやらないとダメだなあ、ヒロは菱関の総帥としての自覚でてからはずいぶん逞しくなったし、頼もしいからいいやね」と総轄すると 井伊直也が 「とりあえず金井の恵一君と藤咲麗は保留ということですね」とその場の全員に確認するように言ってくれるので 「そうだね、おちついたところでもっと重要なことは、おまえ達6人としっかりデートすることだな」というと「「おー」」という歓声があがるので 「ほんと一番さびしい思いさせてるのはサチでね、一回もデートしたことないからなあ」とぼやくと、当の菅井佐知本人が 「えっ、うそっ、してるじゃない」と軽く驚いて言うので 「2人っきりのデートに限って言うとサチとは一回もしてない」と私がきっぱり言うと 「ありゃっ、そうだったっけ」とサチがえっという感じで首をかしげるので 「確かにね、瞬間的に2人っきりになることはあるんだけどね、せいぜい30分がいいとこだからな」と言うと 「あーその30分が僕にとっては一日の価値があるのよー」と菅井佐知が思いっきりノロケてくれるので残りの5人から 「「サチってばーもーかーわいーいこといっちゃってー」」と全員からうりゃうりゃぐりぐり攻撃を受けているが嬉しそうである。 こりゃ事態の収拾つくかなと思っていると窓をこつこつ叩く音がするので東の窓を見ると7番の夢のふくろうくんがいるので窓を開けると 「避客牌出っぱなしですけど、そろそろみなさん待ちくたびれていますよ、それと返事のいるお手紙です」と1通のそれほど厚くはないが上質の封筒を渡してくれて、出て行こうとするので 「配達と仕事終わっているんなら、いいよ、そろそろ下に行く」と言うと にこっと笑って広くなったベッドの上の定位置に行って休みだす 自分でドアをあけて避客牌を取ろうとすると、広くなった回廊の向こう側にかなりの人数が部屋の様子をうかがっているのが見えて、噴き出したところで目を覚ます。 No 0277 1989 平成元年 9月9日 土曜日 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で、身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 266と271番の夢で確定した、上から見た時に以下の詳細の場所の上空にいる場面から夢が始まる。 1キロメートル四方の敷地に、幅3メートルの切込ハギの石垣の掘を回し、塀も高さ2メートル厚さ50センチの白壁を回し、塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路と塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にまわされた全長1キロメートルの道路全てが2車線両側歩道つきの道路となり。500メートル四方の内陣は125メートル四方の区画で16等分され、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて周囲の4つの区画は鍵形になるように区分されている。南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場とし、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝にする。16等分された残りの12区画は北東の角が桃園、南東の角が薬樹園、この二つの間を畑として2区画使用する。南西の角が梅林で南東の角の薬樹園との間の2区画は水田として使用する。桃園の西隣の区画と梅林の北の区画は畑として使用する。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭とし、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されるため芝になっている。 塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森で南東が竹林で南西は赤松林と黒松林であとは混合林になっている。南の竹林の中には直径約60メートルの丸い池を築造してある。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西と南の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北と南へ向う2本の道路と合わせて12本整備し、本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備してある。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。南側にある門も東から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。 敷地の森の北東には神社2社と南西の森には墓地と霊廟を築造して風水の守りにしてある。本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭として整備する。1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面になっている。 以上の詳細の場所の上空から、266番の夢で組み上げた元の巨大実家の従来の1.5倍の大きさで、広さにして約3倍の大きさの新しい巨大実家である新家の本宅の新しい玄関エントランスの前に降りる。 玄関は西北の角を切り落とした斜めの壁になる部分に西北の方角を向いてあり、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、従来よりも大きな車寄せの屋根がついた斜路のあるエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは3階まで吹き抜けの吹き抜けと螺旋階段のある空間に巨大なシャンデリアが天井から下がり、玄関のドアの上の部分は巨大な縦長の板ガラスが3枚入り十分な光が入るようになっている。巨大な玄関ホールの天井には畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。1階には二部屋の靴箱専用の部屋が目立たない設計で東と南の壁の後ろにある。東の壁には高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられていて、南側の壁には高さ2メートル幅2メートルの白い噴水を中心にして藤棚と東屋が複数描かれた風景画がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて約50畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は3階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。中央に直径2メートルのクリスタルの水槽が置いてある。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。階段は中庭の南東の隅にも増設されてある。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに16畳の応接間、この部屋と玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋が一つ目の靴箱専用の部屋である。東側に40畳の広さの車庫、さらに東側に20畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで6畳あり、脱衣所が3畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には10畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が3部屋並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には一部屋が12畳の広さになる。この3つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」中央の和室が「朱雀の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この3つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると30畳の大広間になる。南の庭と3つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の20畳の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が20畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。20畳の厨房の北側が約40畳の広さになったダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールと会議室になっている。地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり、地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が3部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が4部屋、16畳の西の迷宮の間、20畳のダンスフロアと友人控室の2部屋と26畳の図書室がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の16畳の部屋が応接間になっている。 3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の26畳の図書室の上は自分の自室がある位置になっていて、新しい276番の夢の24畳の自室が存在している。 中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が2部屋、北に20畳の工作室と北の迷宮の間の2部屋と南東の角に20畳の東の迷宮の間がある。2階同様に1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。3階の階段のすぐ前の16畳の部屋がアトリエになっている。 2ヶ所ある階段は玄関に近い中庭の西北角のみ4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置と自由に使えるホールになっていて、天井の高さも他の階と同じだけあるが窓がないつくりになっていて、4階だけ外から見ると屋根の色になっているので遠くから見ると3階建てに見えるが実際は地下2階地上4階の6階建てになる。屋敷守達の控えの間は4階の南側にある。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは1メートルの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は屋上の平面から5メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の南東の20畳の部屋と、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する20畳の部屋、2階の中庭の南西に面した16畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると手前にそれぞれの部屋の半分の共同の応接や居間的スペースがあり、奥のドアを開けると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれている。従来は奥の部屋の中心の部屋の前の廊下に外へ続く出入り口があったが、今後は見取り図で上から見たときに左下の隅の部屋を起点としてその前の廊下のドアが共同の応接や居間的スペースとの出入り口になる。そして起点の左下の部屋が1条1丁目になり、左下の右が1条2丁目、右隅が1条3丁目となって、起点の左下の部屋の上が2条1丁目、その上が3条1丁目になる。入って右と上へ数字が大きくなってくのと内部のさらに9つの部屋は例えば、1条1丁目の1番目の部屋であれば、1条1丁目の1の表示で9番地まである。 内部の奥の部屋のドアを開けた正面の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された60センチ四方の銀のプレートがついている。 現時点では 北の迷宮の間 奥方衆の間 7 国見つかさ、鏡剣、宮本一、菅井佐知、井伊直也、橘夏希、橘夏芽 東の迷宮の間 身内の間 9 息子美喜、息子の嫁の中務香奈枝、孫の明伸、娘の綾乃、弟の十琉、妹の理美 木村聖一、木村聖二、木村京 西の迷宮の間 大親友の間 13 尾崎儀一、尾崎晁堊、今野浩之、佐藤優二、今野千光、高城ハル、仲串勝美、武田詩織、 阿倍佳奈子、風間了、寺島小百合、大島玲仁、金井恵一 以上29人が同居して父と母と私の合計32人が完成した新家の本宅に住んでいる。 一旦ダイニングに入ると 1番の夢の木村聖一と1番の夢の木村聖二と212番の夢の弟分の木村京兄弟、3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊兄弟、25番の夢の今野浩之と23番の夢の佐藤優二兄弟、14番の夢の寺島小百合、105番の夢の鏡剣、24番の夢の井伊直也、57番の夢の菅井佐知、82番の夢の宮本一、55番の夢の大島玲仁、55番の夢の国見つかさ、55番の夢の武田詩織、162番の夢の風間了、81番の夢の仲串勝美、101番の夢の高城ハル、131番の夢の橘夏希と143番の夢の橘夏芽姉妹、169番の夢の阿倍佳奈子、169番の夢の中務香奈枝、66番の夢の息子の24代美喜、135番の夢の孫の16代明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、44番の夢の金井恵一、130番の夢の今野千光の29人に父と母合わせて31人。さらに49番の夢の香取恵、74番の夢の藤本由里江、80番の夢の玉泉和典、55番の夢の日生篝、152番の夢の仲串勝代、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の香川諒子、7番の夢の藤丸竜也の10人と合わせて41人全員が正装してそれぞれの席で控えている。 モーニングの正装の父が近づいてきて 「いよいよ、新家の屋敷守の契の儀がはじまるな」というとダイニング中に緊張が走る 「そうですね、前代未聞の4人ですからね、まずここで現時点での同居者31人全員と立会人10人による名対面の儀から始まり、神殿では父上と母上と私と国見つかさ、鏡剣、美喜、中務香奈枝、明伸、綾乃、十琉、理美、紫藤聖四の12人による血脈杯固めの儀のあとお披露目の儀で終了ですが、お披露目の儀は金蓮花下賜伝達の儀が菅井と金井と久慈の3家合同と新家命名叙任お披露目と金蓮20家の新規序列お披露目の儀を同時に大お披露目と言う形でやります、この伝達勅使が全て二郎真君殿で儀式進行役は嵯峨金吾殿と玉泉家の宗主殿と藤御三家全員で、お披露目の儀は人数が金蓮20家のほぼ全員揃っての人数と黒曜四天王家と玉泉21家に銀峯48家からの参列があるので、さらに前代未聞ですが、本宅の南の庭を一旦平地にして式場をつくり、南の座敷を全て解放して行います」と一気に言うと父も 「大変だが、1000人単位の参列者と儀式が重なるのだからいたしかたないが、名誉の極み、では方々もよろしく」とダイニングの全員に一礼して自分の席に戻るので、全員から父に座礼がある。私も全員に一礼してダイニングの入口に向き直ったタイミングで7番の夢のふくろう君が人の姿で 「先触れです」と奉書紙を持って現れ私に手渡すと屋敷守の契を交わす4種族の天狐族は「万里眼の銀狐の玲也」と天狼族は「白銀の疾風の舞也」と白象族は「石晶伯のイリヤ」と天亀族は「銀雷の虹姫のシリヤ」の4名が人形をとり、それぞれの種族の礼装で現れる。 私が奉書紙を開封し一礼し 「これより新家千晶家本宅つき屋敷守契の儀を執り行う、千晶家当主アムランより本宅在住家族31名並びに立会人10名へ名を読みあげて名対面をいたす。全員起立」でダイニングの全員が起立する。 天帝勅許、千晶家本宅づきとして、次の4名 天狐族は「万里眼の銀狐の玲也」 天狼族は「白銀の疾風の舞也」 白象族は「石晶伯のイリヤ」 天亀族は「銀雷の虹姫のシリヤ」 屋敷守に慎みて任ずるものとす 上 と簡潔な奉書紙の内容を読みあげると 玲也 舞也 イリヤ シリヤの順に名乗りそのたびに全員の拝礼がなされる。 この後、神殿に屋敷守の4人と父と母と国見つかさ、鏡剣、美喜、中務香奈枝、明伸、綾乃、十琉、理美、紫藤聖四と私の12人が本宅内の神殿に移動して水杯を酌み交わし、血脈杯固めの儀を終わらせると、一旦ダイニングに全員もどり休憩してから、若干の打ち合わせをする。 「このあとは大お披露目になるが、順番としては 新家命名叙任お披露目の儀 菅井家と金井家と久慈家と千晶家の4家合同金蓮花下賜伝達の儀 金蓮20家の新規序列お披露目の儀 の順になる、式場は席次の名札があるので間違う事はないと思うが、菅井と金井は移動があるので、私の後に並んで自分の席に戻る形になる、玉泉家と藤御三家は儀式進行役で葉山託生と武田詩織が今回の祐筆役になるのでよろしく」と挨拶すると少し緊張した玉泉和典、藤本由里江、藤丸竜也、紫藤聖一、紫藤聖二、葉山託生、武田詩織から座礼がある。 この後場面が変わり、三つの座敷と庭を開放した式場に全員がいる。今回は座敷が儀式進行役と貴賓席となり、縁側と庭に白い毛氈を敷き儀式の場をしつらえてある。周囲にはテーブルつきの椅子席がずらりとある。座敷の中央の席には130番の夢の嵯峨金吾が既に着席しており、後に金蓮が控え、玉泉家の宗主と藤御三家が隣に座り、祐筆役として葉山と武田が控えている、貴賓席には現在の黒曜四天王の千歳家、千桐家、千華家、千堂家、千帖家の5家がそろい踏みしている。 縁側の仏間よりの待機控えの席から式場を見ると玉泉21家と一門衆、15家から20家になった金蓮一門衆、銀峯48家と一門衆と夫人と継嗣を含めて1000人近い参列者の顔ぶれはなかなかの圧巻である。金蓮一門の席には65番の夢の尾崎光喜、65番の夢の尾崎栄子、12番の夢の清水環、173番の夢の清水紘、33番の夢の黒松頼政、209番の夢の黒松頼子、155番の夢の黒松託也、55番の夢の黒田拓哉、55番の夢の和泉理司、80番の夢の杉本雅嗣、22番の夢の浅野莞爾、110番の夢の佐々木琴音、110番の夢の珠洲紫音、169番の夢の鈴木翔子、42番の夢の寺島美智子、131番の夢の寺島三太郎、44番の夢の真野美子、44番の夢の岡崎貴子、44番の夢の直江賢次、56番の夢の今井崇久、56番の夢の今井紀子、105番の夢の今井崇樹、107番の夢の今井真理、1番の夢の村主日美子、76番の夢の東郷誠司、11番の夢の甲板長の赤坂浩一、11番の夢の機関長の菊池大樹、266番の夢の藤咲麗、初登場の井伊直樹と菅井佐紀の2人とあわせて30人の顔が見える。 紙が風を切る音がして奉書紙をくわえたふくろう君が嵯峨金吾のところへ飛び込んでいくと、奉書紙を嵯峨金吾が受け取るとふくろう君が再び天へ飛翔していく。 嵯峨金吾が奉書紙を開封し 「新家千晶家当主 千晶満知瑠殿前へ」と呼ばわるので式場の中央に出て嵯峨金吾に向い一礼すると背後に天狐族は「万里眼の銀狐の玲也」と天狼族は「白銀の疾風の舞也」と白象族は「石晶伯のイリヤ」の4名が介添え役として並ぶと 式場がどよめく 「屋敷守が4人というのもすごいのに」 「万里眼の銀狐の玲也殿に」 「白銀の疾風の舞也将軍だ」 「石晶伯のイリヤと言えば伯爵ではないか」とか 「銀雷の虹姫のシリヤといえば姫君ではないか」と式場のそこかしらから驚嘆と羨望ともとれる囁き交しが聞こえてくるので内心苦笑する。 突然白い煙とただならぬ芳香が漂うと静かに正装の二郎真君と体格の良い大きな犬が現れたので、はたまた式場がどよめくが二郎真君が片手を上げると静かになる。二郎真君が嵯峨金吾に向き直り 「勅使と立会人としてまいりました」と一礼し、嵯峨金吾の隣の位置へ上がっていく、犬の方は縁側の下で式場に向き直り姿勢を正す。 やおらに嵯峨金吾が 「これより新家命名叙任お披露目の儀執り行う、勅許状代読は千歳家当主より行う」といい、貴賓席から黒衣に身を固めた千歳家の当主が立ち上がり嵯峨金吾から奉書紙を受け取ると 「新家、千晶家の名乗りを千晶満知瑠ことアムラン殿に勅許するものとし、 このたび新しく序列再編される金蓮20家筆頭家としての家格と 爾来の功績をかんがみて公爵に叙し、元帥位を特に上級元帥とし、 主席元帥の上位に置くものとす、 また黒曜四天王家における黒衣将軍家である千禰家の席を預け 公式に帥家との公称を特認す 上 」 と一気に読み上げるとまたもや式場がどよめくのと 自分でも 「ちょっとまて、確か侯爵のはずだし、上級元帥なんて初めてきいたぞと」思って面食らっていると、千歳家の当主がいたずらっぽく笑って勅許状を受け取りに来るように目で合図してくるので、どことなくぎごちなく上がって受取ると嵯峨金吾と二郎真君は知っていたらしく目が笑っているのと周囲の玉泉と藤本と藤丸と紫藤兄弟と葉山と武田と金蓮も唖然としている。まだ儀式が続くのでとりあえず拝礼して介添え役の屋敷守4人衆のところに戻ると、4人とも驚いている。 打ち合わせの通り、多少声が裏返っているが、進行役の玉泉家の宗主が 「引き続き金蓮花下賜伝達の儀執り行います」と宣言すると金蓮が前に進みでてくるのと、ふくろう君が二羽奉書紙をくわえて飛んでくるのを見て葉山託生と武田詩織が 「「あれっ」」という顔をしたのがわかる。式場からも 「「おやっ」」という雰囲気がでる。私がそっと屋敷守4人衆に合図して下がらせると、金蓮が奉書紙2通を受け取ると二羽のふくろう君が再び天に飛翔していく。一旦奉書紙が嵯峨金吾の前に置かれて開かれる。藤丸竜也が前に進み出て 「千晶家はアムラン殿、菅井家は菅井佐知殿、金井家は金井恵一殿、久慈家は祝姫殿前へ」と指名すると私の後ろに菅井佐知と金井恵一だけが式場の自席から立ち上がり並ぶ、しばらく式場を見回していた藤丸竜也が 「いないな」と表情で言うと嵯峨金吾もうなづき、金蓮に一通目の奉書紙を渡すと 「金蓮花下賜勅許状 以下旧菱宮5家中の菅井家、金井家、久慈家に 爾来の功績と才能をかんがみて各家に各一株計3株の金蓮花を下賜するものとす。 本日、姿の見えぬ久慈家下賜分については当面藤丸家預かりとするものとす 上 」 と金蓮が読み上げると菅井佐知が代表として下賜勅許状を受け取り下がってくる。 続いて二通目の奉書紙が金蓮に渡される 「金蓮花下賜勅許状 千晶家当主千晶満知瑠ことアムラン殿に 爾来の功績と才能をかんがみて 金蓮花2株 天翔金蓮仙花1株 計3株を下賜するものとす なお藤野家金蓮花については藤野家継嗣成人までは千晶家預かりとするものとす 上 」 と金蓮の読み上げが天翔金蓮仙花1株の文言のところで、式場がざわめき、下賜勅許状を受け取り下がってくるまで静かにならず、金蓮が苦笑しているのがわかる。 続いて本日のクライマックスである金蓮15家が20家として再序列された大お披露目になるので、一旦私も式場の自席に本日初めて着席する。 5分ほど経過して二郎真君が式場の方へ出てくると、少し厚めの奉書紙をくわえたふくろう君が二郎真君に奉書紙を渡し、そのまま私の後ろの空いた席で羽を休める。ちらっと席札を見ると丁寧に葉山託生の字で福と書いてあるのでほっとする。 二郎真君が奉書紙を嵯峨金吾に渡し、そのまま式場に出ると 「数千の時の流れを閲し滅した名家数多(あまた)あり、こたびは虚実を糺し新しい秩序と序列をもって新しい金蓮20家門の出発の日にあたり、勅許と裁可と新規序列お披露目の儀執り行う」と宣して戻る。 嵯峨金吾が 「本日お集りの金蓮20家の方々の名簿をこれより読み上げる」と葉山託生が差し出した奉書紙をあらためる。 代読は 武田詩織で以下 金蓮20家新序列名簿 3藤3菱7衆7葉家 金蓮20家門 (みふじさんりょうななしゅうななようけ) 3藤家 一門衆 3藤家筆頭は藤本家 紫藤家 (しどう) 総帥 紫藤聖一 紫藤聖二 藤江家 総帥 高城ハル 再興 藤丸家 (ふじまる) 総帥 藤丸竜也 藤咲家 総帥 藤咲麗 男子相続人 藤川家 総帥 日生篝 再興 藤本家 (ふじもと) 宗主 玉泉和典 総帥 藤本由里江 藤野家 総帥 藤野智 再興 女子相続人 3菱家 一門衆 3菱家筆頭は菱関家 菱東家 (ひしひがし) 総帥 菱東重悟 行方不明 菱平家 (ひしひら) 宗主 菱平智 総帥 菱平美喜 香取家 総帥 香取恵 香川家 総帥 香川諒子 菱関家 (ひしぜき) 総帥 菱関浩之 今野家 総帥 今野浩之 佐藤家 総帥 佐藤優二 林家 総帥 林京子 山田家 総帥 山田直子 7衆家 一門衆 7衆家筆頭は千晶家で金蓮20家筆頭も務めるものとす 千晶家 (せんしょう) 総帥 千晶満知瑠 国見家 (くにみ) 宗主 千晶満知瑠 総帥 国見つかさ 鏡剣 森見家 総帥 小幡真理子 再興 菅井家 宗主 菅井佐知 総帥 菅井千太郎 菅井佐紀 井伊家 宗主 井伊直也 総帥 井伊直樹 金井家 総帥 金井恵一 武田家 宗主 仲串勝美 総帥 武田詩織 久慈家 総帥 祝姫 (行方不明) 7葉家 一門衆 7葉家筆頭は葉室家 葉山家 総帥 葉山託生 黒松家 宗主 黒松頼政 総帥 黒松託也 佐々木家 総帥 佐々木琴音 宮本家 総帥 宮本一 葉瀬家 総帥 葉瀬雅嗣 杉本家 総帥 杉本雅嗣 浅野家 総帥 浅野莞爾 黒田家 総帥 黒田拓哉 葉村家 総帥 葉村日美子 村主家 総帥 村主日美子 赤坂家 総帥 赤坂浩一 寺島家 宗主 寺島美智子 総帥 寺島小百合 寺島三太郎 和泉家 総帥 和泉理司 葉室家 総帥 葉室儀一 葉室7家 尾崎家 宗主 尾崎光喜 総帥 尾崎儀一 尾崎晁堊 東郷家 総帥 東郷誠司 大島家 総帥 大島玲二 岡崎家 総帥 岡崎貴子 阿倍家 総帥 阿倍佳奈子 中務家 総帥 中務香奈枝 鈴木家 総帥 鈴木翔子 葉月家 総帥 葉月崇久 真野家 総帥 真野美子 珠洲家 総帥 珠洲紫音 今井家 宗主 今井崇久 総帥 今井崇樹 葉賀家 総帥 葉賀環 清水家 宗主 清水環 総帥 清水紘 菊池家 総帥 菊池大樹 仲串家 宗主 仲串勝美 総帥 仲串勝代 葉根家 総帥 葉根了 風間家 総帥 風間了 直江家 総帥 直江賢次 56家 重複を避けた宗主と総帥の員数は複数総帥の家もあるため以上63方であります。 と名簿の読み上げが終わると、式場からため息がもれる。藤原家の除名と再興した家と新規序列の家もかなりあるために相対的には家数と人数は増えているので、没落気味の金蓮一門が晴れて興隆を成し遂げたことを広く知らしめるお披露目となる。 締めとして祐筆役の葉山託生と武田詩織が確認の上、今回は嵯峨金吾の署名と黒曜四天王家の千桐家、千華家、千歳家、千堂家、千帖家の5家が署名して二郎真君が確認したうえで奉書紙が封されると嵯峨金吾が 「天翔福これへ」とふくろう君が呼ばれて天空に向かって奉書紙を携えて飛翔していく。これを見送ったあと二郎真君が嵯峨金吾に一礼し、式場を見回し 「これにてお披露目の儀しまいとする、我復命に帰す」と凛として響く声で言った瞬間に体格の良い大きな犬共々消えると式場がどよめく。 私が式場の中心に出で 「参列の皆様、長の儀式に御光臨いただきありがとうございました、ただ今より酒席をご用意いたしますのでそのままおくつろぎください」と言うと一斉に酒と料理の配膳がはじまり、場が緩む。 とりあえず貴賓席に挨拶に行くと、千歳家の当主が 「やっと、ふさわしい位置になったではないか、思ったより上で驚いたであろう」といたずらっぽく笑うので、 「心臓に悪い思いをしましたよ」と軽く肩をすくめて言うと 「お主の、鳩が豆鉄砲くらったような顔なんぞはなかなか見れるものではないからな」と黒曜四天王家の面々が口々にからかうのと、嵯峨金吾が 「まだな、足りないくらいだが、ここまでにしておこうということでな、雲の上ともかなり楽しませてもろうた」と呵々大笑するので、玉泉和典や藤本由里江や藤丸竜也や紫藤聖一と聖二といった面々が唖然としている。園遊会的な宴も進み、そこかしこで歓談の花が咲き、いろいろな噂話が聞こえてくる中 嵯峨金吾と黒曜四天王家が退出すると、潮が引くように玉泉21家や銀峯48家の一門衆が引き揚げていく。 夕刻が近づき式場も片付き、解放されていた3つの座敷も静寂が戻る頃、ダイニングには紫藤聖一と紫藤聖二と紫藤京兄弟、尾崎儀一と尾崎晁堊兄弟、今野浩之と佐藤優二兄弟、寺島小百合、鏡剣、井伊直也、菅井佐知、宮本一こと葉山託生、大島玲仁、国見つかさ、武田詩織、風間了、仲串勝美、高城ハル、橘夏希と橘夏芽姉妹、阿倍佳奈子、中務香奈枝、美喜、明伸、綾乃、十琉、理美、金井恵一、今野千光に父と母と香取恵、藤本由里江、玉泉和典、日生篝、仲串勝代、山田直子、林京子、小幡真理子、香川諒子、藤丸竜也と藤咲麗の42人全員が一部正装のままそれぞれの席で休んでいる。いつの間にかクリスタルの水槽も置かれて、鵬蓮と凰蓮と藤野の金蓮花姫と黎明の兄妹の金蓮花と久慈家下賜の金蓮花姫が沈んでいる。窓際の丸い大理石の飾りテーブルにはふくろうくんが2羽いて羽を休めていて、いつの間にか屋敷守4人衆の玲也、舞也、イリヤ、シリヤの席が用意されていて、千晶守四天王席という銀のプレートまである。私の席はいつものごとく台所のある側の壁を背にして国見つかさと鏡剣の間である。この席から全員をみまわすとさすがにぐったりしている様子が見える。美喜、明伸、綾乃、十琉、理美、紫藤聖四は居眠りしてしまっている。全員の前には今回特に配膳などを頼んだ気の利いた仕出し屋が軽食と茶を用意してくれてあるので、お茶で喉を湿らせると、最初の口火はどっちかなと思っていると玉泉和典が尾崎儀一に先んじて 「瑞仙、流石に今日は俺も魂げた、いきなり黒曜の千禰家の席だものな、金蓮の筆頭家の格だけではすまないだろうなとは思っていたが予想外だなあ」とぼそりというと 「いや、瑞峯の兄さん、侯爵とばかり思っていたら公爵で、元帥がいきなり上級元帥とまあ聞いた事もない階級を言われたときには、嬉しいより頭が真っ白でしたよ、みなさんに言われてましたけれど我ながら情けない顔をしたと思いますよ」というと、藤本由里江が 「まったくねえ、アムランのあの顔はこっちが驚いたもの、アムランが全く知らされてなくて驚いたという顔なんて、めったに見られるものではないけれど、見たら見たで冷やかすどころかあたしが驚いた」となかばぼやくように言うと、尾崎儀一がやっと口を開いて 「とにかく、全てが前代未聞でしたね、まさか千歳家の当主殿下までおいでの上に勅使が二郎真君殿というのは破格ですが、この後におよんで菱東と久慈が来ていないのも驚きですよ」と力なく言うので、 「いや、久慈は連絡がついたらしいんだが、何か緊急事態が発生したらしい、いきなり連絡がつかなくなったと先ほど千帖家の当主から連絡が入った、目下調査中で詳しい事がわかり次第連絡をくれるとのことなので慌てなくてもいいだろう」と私がゆっくり言うと、菅井佐知が 「えっ、久慈家と連絡ついたんですか」と驚いて訊いてくるので 「うん、千帖家の巫女衆の1人と交友があって一応今日の出席は確定していたんだけどね」と言うと 「あっ、それで藤丸の竜也さんが不思議そうに式場見てたんですね」と井伊直也が菅井佐知の隣から言うので 「うーん、いると思っていたのに出てこないし、困ったなとは思ったが万が一の手順は決めていたので、とどこおりなく儀式が進んで実のところほっとしている」と藤丸竜也が心底ほっとしたという感じで言う。 場の雰囲気を変えようとして 「どっちにしても、今日はみんな疲れたと思うし、御苦労さまでした、心より御礼申し上げて、たぶん儀式中にかなり疑問が湧いたことがあると思うので、思いついた順に解説していくよ」と私が言ったとたんに全員しゃきっとなるというか居眠りしていた美喜、明伸、綾乃、十琉、理美、紫藤聖四まで目を覚まして身を乗り出してくるので苦笑がでるが、話しを進めて 「ふくろうくんが2羽に驚いた者が結構いたと思うが、実はふくろうくんは福という兄と幸(みゆき)という妹の兄妹なんだよ、今までは一羽づつで現れていたので見分けがついていなかった者もいるかもしれないけどね、今後は幸が金蓮20家内の連絡の専属になる予定、ちょっときてくれるかい」と休んでいた2羽のふくろうくんを呼んで、肩に乗せて紹介する 「あー幸ちゃんの方が少し小柄だわね」と国見つかさが私の肩にとまったふくろうくん兄妹を見て言う 「そうだね、微妙な差だからね、2人とも今日はご苦労様でした、先に休むかい」というと2羽ともこくりとうなずき、3階の私の部屋へ飛び去って行くので見送ったところで、十琉から 「7葉家の筆頭が葉瀬家から葉室家のギイのお兄ちゃんとこに変わったケド、やっぱり杉本さんにペナルティあったの」と訊いてくるので、思わず苦笑がでて 「いや、十琉はいつも、いいとこついてくるなあ、確かにペナルティともう一つは才能の問題、金蓮花からダメ出しくらって慌てたらしい、結局人柄とか才能とか考慮したらギイがふさわしいとおまえもそう思ってただろ」と十琉に言うと 「うん、そうだね、このごろね僕も兄さんが、杉本もそんな悪いやつじゃないって意味はわかってきてたけどね、やっぱりギイがいいと思うなっ」とにっこりとして言うものだから尾崎儀一の赤面することすること、婚約者のお諒にまでからかわれるしまつである。そこで思い出したので 「そう言えば、お諒、西の迷宮の間に来るんだろう」と言うと香川諒子が 「はい、お願いします」と頭をさげるので 「じゃ、決まり、ところで香取の恵とかがっちゃんとカヨちゃんと山田の直ちゃんと林の京と小幡の真理っちに麗もだが、どうする、自分の家もあるけど、ここに部屋確保するかい」と訊くと香取恵、日生篝、仲串勝代、山田直子、林京子、小幡真理子、藤咲麗の7人が全員 「「よろしくお願いします」」と返事が即あるので 「やっぱりな、では決まりで、ギイ部屋割よろしく、小幡の真理っちはミドリと一緒の番地部屋だな」というと、国見つかさが 「そうね、ついでに阿倍のカナちゃんも北へ引っ越しね」と言うので 「国見でまとまるのかい」と言うと 「そのほうが便利だし」と国見つかさが言い、続けて 「それとねレイちゃんも北の迷宮入りね」と言うと、遠慮勝ちであるが嬉しそうに 「いいの」と藤咲麗が言うので、菅井佐知が 「アムラン観念したら、やっぱり麗の婿役ってアムラン以外に無理だと思うよ、今日来てた玉泉にしても銀峯にしてもめぼしいのいなかったからね」とさらっと言うので、やれやれ、よく見てんなこいつと思いつつ、気になって凰蓮の方へ視線を送ると、白銀の蕾が水面に出てきて開くと 「いろいろ聞いてますけどアムランなら、是非」と井伊直也によく似た青年の姿が浮かんで一礼するので 藤本由里江が 「まだ、迷っているのか、ひっかかりあるみたいだけど、アムランがやるべきね、みっちり家でしこんでいい花嫁にしあがっているから大丈夫よ」とうふっと言うと、藤咲麗までしおらしく 「よろしくお願いします」と最敬礼してくるので 「わかった、なんか毒食らわばなんとやらの心境だなあ」とぼやくと、屋敷守4人衆からも声がかかり、「我らの名乗りが千晶守四天王なんですね」と玲也が嬉しそうに言い、少年の姿のイリヤから 「それにしても全員に個室まであたって、予備の部屋までいただけるとは思いもよりませんでしたよ」と言ってくるので 「やっぱりそのくらいはね、目立たないと言う事で4階に南の迷宮の間を造ったけれども4階は機械室と広場的なフリースペースもあるので、うるさくないか心配だが、できるだけ天に近い位置ということで考えてみたけど吹き抜けが2ヶ所あるからどうかなとも考えていたんだ」と言うと美少女の姿のシリヤが 「いえ、天と地の気が入りますし、移動と管理ということではこれほど見事な縄張りはありませんし、なかなか楽しそうですよ」とにっこりしながら言うので 「そう言ってもらえるとありがたい、明日から屋敷守お願いいたします、まだ庭がね、今日のこともあったから、やりなおしだけどね」と言うと 小柄な少年の姿の舞也が 「庭はあそこも庭なのですか、500メートル四方の内側のところが庭だとはかり思ってましたが、それに池も大きい鍵形のもありますし」と問うてくるの、 「景色としての庭というか田園は確かにそうなんだけれども、家つきの築山や庭園は家に箔をつけるためのものだから別でね、池も養い池のこともあるからどういう風にしようかまだ思案中なんだよね、目立たないという事で南の竹林の中の池が養い池の予定なんだけど、大きい池も防火用水を兼ねてシンプルな養い池候補にしたんだけど、本宅の庭の場合は知恵とセンスと金蓮花との相談もあるからね、藤本の花札の庭園とか藤丸の藤園と国見の島庭という名庭園があるからねえ、オリジナルな静かな雰囲気の庭にしたいなと思っている」とちょっと考えながら言うと、金蓮が 「あれっ、あたしはてっきりあの鍵形の池が養い池だとばかり思っていたわよ、確かに竹林の中の池って静かで風情があっていいけどねえ」と意外そうに言うので 「いやあ、鍵形の池はね、深さと立ち入り禁止的な雰囲気を出そうと思って石垣で底から護岸から固めてあるから、住みづらいかもしれないと後で思って竹林の池を風水的なことも考慮して築造したんだ」と考え込みながら言うと鵬蓮が 「深さで姿が見えなくなりますのでね、それに底が石とか岩も結構快適ですけどね」というと凰蓮も 「水の綺麗さもポイント高いですからね、汚れないということでは、鍵形の池の石垣には水を浄化する性質の安山岩質の石と石灰岩質の石使ってますからいいですね」と言ったので、玉泉和典が 「以前、大量に石探していたと思っていたら、そういうことだったのか、礎石の割栗石にするには多すぎると思ってたよ」と感心したようにいうので 「うーん、庭と池はしばらく保留だなあ、鵬蓮達も希望あれば優遇するから、考えておいてくれるかい、とりあえず鍵形の池はいじらないでおくことにするよ」というと金蓮花の子供達が喜んでいる 「おとうさん、あの鍵形の池って深さどのくらいあるんですか」と美喜が訊いてくるので 「深い、一応3段階で深くなってるけど、最深部は50メートルある」というと 「「げっ50メートル、深ッ」」という反応がある 「だから見た目の割には深いし、貯水量も結構なもんだよ、ということで泳ぎに自信あるか、飛べるもの以外はあんまり近づかないようにね」と釘だけはさしておくと、全員から 「「はい」」とかなりすなおな納得の反応がある。 突然 「失礼いたします」とかわいい声がして全員がダイニングの入口に注目すると、井伊直樹と菅井佐紀の2人が正装のまま立っているので 「おやっ、2人ともどうした、こっちへおいで」と立ち上がりながら、井伊直也と菅井佐知に合図して2人の間をあけて、椅子を用意するが、2人そろって中には入ってきたものの、金蓮花達の水槽の近くまで来て、2人口をそろえて 「みなさまに、御挨拶にまいりましたのと、お願いがあります、私達2人もここにいさせてもらえないでしょうか」と言って深々と小さな体でお辞儀をするので、菅井佐知と井伊直也と武田詩織も突然だったらしくびっくりしているのと、周囲も 「「おやおや」」という少しにやついた表情と雰囲気になるので、私が 「かまわないけれど、またずいぶん突然なのと、何か嫌なことでもあったかい」と訊くと菅井佐紀が慌てたように 「嫌なこととかでなくて、初めて今日、ここにあがらせもらせて、ここの雰囲気に憧れました」と言い、井伊直樹も 「僕も同じく、この家の雰囲気とアムランに憧れてましたのと、お兄様のそばにいさせてほしいと思ってます」と言うので、菅井佐知と井伊直也が顔を見合わせるのと今野千光と武田詩織が苦笑している 「まあ、無理もないか、総帥として認められたしっかり者とはいえ、年齢からいたしかたなかろう、よろしい、部屋を用意しよう、2人とも兄さん達のところへおいで」と私が優しくいうと、2人そろって 「「ありがとうございます」」とかわいい声で言うと、それぞれの兄の間の席に駆け寄ってくるところで目を覚ます。 No 0278 1989 平成元年 9月日11 月曜日 272番の夢と同じ水田地帯を背にして太陽の位置から判断して北から南へ川が流れている場所にいる。 水田地帯が東で対岸が西になる。橋が架かっているが川幅が100メートルくらいあるのに橋脚と橋台がなく、橋ゲタと橋板と赤い欄干だけでできていて宙に浮いているので驚く。幅は狭く普通乗用車だとすれ違えず、軽自動車でどうにかすれ違える幅である。天気はよく 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 そのまま橋を渡り対岸に行くと、西岸は土手から5メートルくらい下り坂になっていて、坂の下からけっこう賑やかな街が広範囲に広がっている。街の時代的な雰囲気は江戸時代の元禄文化期風の街並みと昭和30年代の東京下町風の街並みが混在している。街並の西側は原野が広がりさらに西側にはヒマラヤ山脈級の険しい山脈が見える。街の中と外をしばらく歩くと気候は街中は常春であるが、街の外は常冬であることがわかる。 坂の所に戻ると坂には名前がついていて「よもつひら坂」と杉板に墨書の看板表示が街側にあって対岸側には何も書いていないのは272番の夢の時と同じである、気になって周りを見るが、知っている人物や藤咲麗の気配はないので、まだ橋が水上に見えているうちに対岸に引き返そうと思い、坂を上がろうとすると体が重くて引きずりおろされるような感じがして、とっさに空を飛んで土手に上がるとまだ橋が浮いていて、とりあえず走って渡り始めると、今回は渡った時の半分の50メートルくらいの川幅で川の水位がかなり下がっていて、土手の浅い所ではヘドロのようなものが積もっているのが見える。無事渡り切り対岸の方を見ると川幅がどんどん広がり、水位も上昇して、橋が見る見るうちに沈み見えなくなってしまう。 ここで場面が変わり 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所になる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋の玄関の前にいるところに場面が変わる。 ドアを開けて部屋に入ると黒に白のレースの縁取りのあるワンピースを着た藤咲麗がいて 「おかえりなさい」と迎えてくれたので、驚くのと 「もう、危険な事はやめたようだな」というと 「もう絶対しませんし、今はアムラン仕えるのが喜びです」となんともはやものすごいことを言うので、ここまで言うというか変わるものなのかねと考え込んでいると、奥から声がかかり 「どお、淑女っぷりは」と藤本由里江が藤咲麗の後ろに立ったので、少し揶揄気味に 「苛め過ぎてマゾになられても困るんだがな、あのイキのよさがウリなんだから」と言うと藤咲麗が顔を赤くするが 「さすがね、じゃじゃ馬ならしはアムランの方が上手そうね、ま、とりあえず今日からアムランにまかせるわ」と言って私の肩をぽんぽんと軽く叩いて靴を履いて出て行くので麗と2人で見送ってから、2人で奥の部屋に入ると 「今日、たまたま冥界に呼ばれて行ってきたが、やっぱりバカやるやつがいるようだな」というと 「えっ、冥界」と驚くので 「まあ、巡察というか警察官役でもあり、客人でもあるという立場だからね、別世界の存在で冥界を荒らしたのがいたようだな」と言ってから 「さてと、私も覚悟ついたし、麗がきらいではないからな、まあしかし、初対面で押し倒されるとは思わなかったけどな、あれで抵抗感ついてしまったんだぞ」と少し文句がある風に言うと 「ごめん、あのときは助けにきてくれて嬉しかったのと、やっぱり好きな人とそっくりだから、みさかいなくなっちゃった、ほんとにごめんなさい」とかなりしおらしく言うので 「どれ、じゃあ私が本当の男の優しさと女の喜び感じさせて見せるよ」と言ったあとはお互いに男と女の肉体の世界になる。しばらくして落ち着いて2人で風呂に入ってから、10年来の夫婦のように一緒に食事の支度をして食事して、とりとめない会話をしているうちに目を覚ます。 No 0279 1989 平成元年 9月16日 土曜日 黄色のディスクを買って家に帰ってくると青色のディスクに変化している。何も描かれていなかった表面にじゃあまん探偵団Uと書かれている。 場面変わって鉄道を左手にして、鉄道沿いの道を歩いて地下道で反対側に渡るトンネルに入り反対側の出口付近のトンネル内で男の子が2人抱き合っているのを見てそのまま見ない振りして通り過ぎようとして目を覚ます。 No 0280 1989 平成元年 9月18日 月曜日 上から見た時に以下の詳細の場所の上空にいる場面から夢が始まる。 266番と271番の夢で確定した1キロメートル四方の敷地に、幅3メートルの切込ハギの石垣の掘を回し、塀も高さ2メートル厚さ50センチの白壁を回し、塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路と塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にまわされた全長1キロメートルの道路全てが2車線両側歩道つきの道路になっている。500メートル四方の内陣は125メートル四方の区画で16等分され、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて、周囲の4つの区画は鍵形になるように区分されている。南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場となり、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝生になっている。16等分された残りの12区画は北東の角が桃園、南東の角が薬樹園、この二つの区画の間の2区画は畑になっている。南西の角が梅林で南東の角の薬樹園との間の2区画は水田になっている。桃園の西隣の区画と梅林の北の区画は畑になっている。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭となり、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されているため芝生にしてある。 塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森で南東が竹林で南西は赤松林と黒松林であとは混合林になっている。南の竹林の中には直径約60メートルの丸い池を築造してある。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで、東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西と南の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北と南へ向う2本の道路と合わせて12本整備されている。本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備してある。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。南側にある門も東から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。 敷地の森の北東には道路を挟んで神社2社と南西の森には墓地と霊廟を道路を挟んで築造して風水の守りにしてある。本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭になっている。1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面になっている。 以上の詳細の場所の上空にいて、空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいて普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。髪型はショートボブになっている。 以下の詳細の家の玄関の前に空から降りる。 以下詳細 277番の夢で確定した新家の本宅の玄関は西北の角を切り落とした斜めの壁になる部分に西北の方角を向いてあり、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、従来よりも大きな車寄せの屋根がついた斜路のあるエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは4階まで吹き抜けで、この吹き抜けと螺旋階段のある空間に巨大なシャンデリアが天井から下がり、玄関のドアの上の部分は巨大な縦長の板ガラスが3枚入り、十分な光が入るようになっている。巨大な玄関ホールの天井には畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。1階には二部屋の靴箱専用の部屋が目立たない設計で東と南の壁の後ろにある。東の壁には高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられていて、南側の壁には高さ2メートル幅2メートルの白い噴水を中心にして藤棚と東屋が複数描かれた風景画がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて約50畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は4階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。中央に直径2メートルのクリスタルの水槽が置いてある。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階4階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。階段は中庭の南東の隅にも増設されてある。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに16畳の応接間、この部屋と玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋が一つ目の靴箱専用の部屋である。東側に40畳の広さの車庫、さらに東側に20畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで6畳あり、脱衣所が3畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には10畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が3部屋並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には一部屋が12畳の広さになる。この3つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」中央の和室が「朱雀の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この3つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると30畳の大広間になる。南の庭と3つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の20畳の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が20畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。20畳の厨房の北側が約40畳の広さになったダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールと会議室になっている。地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり、地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が3部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が4部屋、16畳の西の迷宮の間、20畳のダンスフロアと友人控室の2部屋と26畳の図書室がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の16畳の部屋が応接間になっている。 3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の26畳の図書室の上は自分の自室がある位置になっていて、新しい276番の夢の24畳の自室が存在している。 中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が2部屋、北に20畳の工作室と北の迷宮の間の2部屋と南東の角に20畳の東の迷宮の間がある。2階同様に1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。3階の階段のすぐ前の16畳の部屋がアトリエになっている。 2ヶ所ある階段は玄関に近い中庭の西北角のみ4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置と自由に使えるフリーホールになっていて、南側に屋敷守達の控えの間の南の迷宮の間がある。天井の高さも他の階と同じだけあるが窓がないつくりになっていて、4階だけ外から見ると屋根の色になっているので遠くから見ると3階建てに見えるが実際は地下2階地上4階の6階建てになる。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは1メートルの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は屋上の平面から5メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の南東の20畳の部屋と、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する20畳の部屋、2階の中庭の南西に面した16畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると手前にそれぞれの部屋の半分の共同の応接や居間的スペースがあり、奥のドアを開けると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれている。従来は奥の部屋の中心の部屋の前の廊下に外へ続く出入り口があったが、今後は見取り図で上から見たときに左下の隅の部屋を起点としてその前の廊下のドアが共同の応接や居間的スペースとの出入り口になる。そして起点の左下の部屋が1条1丁目になり、左下の右が1条2丁目、右隅が1条3丁目となって、起点の左下の部屋の上が2条1丁目、その上が3条1丁目になる。入って右と上へ数字が大きくなってくのと内部のさらに9つの部屋は例えば、1条1丁目の1番目の部屋であれば、1条1丁目の1の表示で9番地まである。 内部の奥の部屋のドアを開けた正面の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された60センチ四方の銀のプレートがついている。 現時点では 北の迷宮の間 奥方衆の間 12 国見つかさ、鏡剣、宮本一、菅井佐知、井伊直也、橘夏希、橘夏芽、藤咲麗 小幡真理子、阿倍佳奈子、井伊直樹、菅井佐紀 東の迷宮の間 身内の間 9 息子美喜、息子の嫁の中務香奈枝、孫の明伸、娘の綾乃、弟の十琉、妹の理美 木村聖一、木村聖二、木村京 西の迷宮の間 大親友の間 18 尾崎儀一、香川諒子、尾崎晁堊、今野浩之、佐藤優二、山田直子、林京子 今野千光、大島玲仁、高城ハル、寺島小百合、仲串勝美、武田詩織、 風間了、金井恵一、香取恵、日生篝、仲串勝代、 以上39人が同居して父と母と私の合計42人が完成した新家の本宅に住んでいる。 上記詳細の家の玄関から家の中に入り、普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを脱いで、キュービズムの絵の裏の靴箱部屋の自分の靴箱のエリアにしまうと3階の自分の部屋まで階段で上がっていく。 ドアの室内側の上には自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られて掲げられている。276番の夢で確定した自分の部屋は光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれ、内部は南北に縦長の24畳の部屋が機能的に縦長の6畳単位で4つのブロックに整理されている。 南西の6畳は南の壁の西寄りにドアがあり、ドアの東側に縦に畳1畳分の大きな鏡がある。 応接セットの中心には以前と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっていることがよくわかる、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。応接セットが置かれていて西壁は全て3メートルある天井まで造りつけの本棚になっていて、一部スライド式になっている。 北西の6畳には1畳の広さの黒のスチールの机が置かれていて、両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の天板には緑の下敷きにガラスの板が置かれ、左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。この椅子は同じ型のものがもう一つ窓の下に置いてある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで、東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきのL字型の飾り棚兼用の作業台がある。この作業台の上の西側の壁側には、テレビとビデオデッキとテレビゲーム機とミニコンポが置いてある。 南東の6畳は南の壁が東側の窓の壁までがクローゼットになっている。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットが西側の鏡の裏までの広さになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっていて応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北東の6畳には北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドが置かれ、南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北側の窓は従来通り北側の中央部にひとつある。ベッドのある北東の6畳とクローゼットのある南東の6畳の間には畳1畳分の大きさの高さ60センチのローチェストが間仕切り代わりに東西に置いてあり、部屋の中央寄りに幅90センチ奥行き50センチ高さ50センチの水槽が設置されていて底に白い石英の砂が5センチ敷きつめられている。 新しくなった自分の部屋に入るとソファで中学生の姿の2番の夢の綾乃と2歳くらいの姿の小さな女の子が寝ている。クローゼットの前の6畳のスペースには防水性の4畳の白のシートが敷かれて、華道の稽古をした名残りとして作品が薄端や竹の花器や壺10数点に生け込まれ、バケツにはかなりの花や松などの花材が残っているのと、切り込んだ茎や葉などがかためられている。 早朝の華道稽古を綾乃につけているときに可愛い侵入者があって、そのまま一緒に稽古をしているうちに寝てしまったので、ソファに寝かせてバスタオルを折ってかけたままである。愛らしい寝顔でソファで眠る綾乃の傍に座って、小さな女の子を膝に抱き抱えると手を握られるが無意識らしい、ふっと自分でも微笑が漏れるのがわかる。ドアをノックする音がするので 「どうぞというと」ドアが開き55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一こと葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、266番の夢の藤咲麗の8人が次々と入ってきて私の膝で寝ている小さな女の子を見て驚き、葉山託生が 「えっ、レイちゃんもう産んだの」と素っ頓狂な声を出すので 「いいえまだですよーまだ妊娠もしてないのに」と慌てる藤咲麗に 「なに慌てているんだか、全員落ちつきなさい」と私がいうと、少しパニックになっていた8人が落ち着くのと綾乃が目を覚まして起き上がるのが同時である。むしろ綾乃が状況を読んで 「あー、ママパパ達この子が誰の子かわからないのね」と少しいたずらっぽく笑って私を見るので、私もついつい 「さて、愛らしいこの子のママは誰でしょ、けっこうママ似だな、くせっ毛はパパ似かな」と言って菅井佐知の方を意味深に見るとサチが 「?」という顔をするのと同時に女の子がパチッと目を覚ます。くりっとした目を見て国見つかさが 「この目もとどっかで見たことあるなー」と首をかしげ、井伊直也も 「なんか意外と見慣れた目の気もするけど誰だろ」と考え込んでいると小さな女の子が菅井佐知に向かって 「ママー」と手を差し出して抱っこをねだるので 「「えっ」」と国見つかさ、鏡剣、葉山託生、井伊直也、橘夏希、橘夏芽、藤咲麗の7人の視線が菅井佐知に集中するのと菅井佐知が 「ママっ」と驚くが、私が立ち上がって小さな女の子をそのまま菅井佐知に抱っこさせると安心したのかまた寝てしまう。 鏡剣が 「目もとサチさんに似てますけども、サチさんが産むわけないですからね、でもまあ、なついてますね」と首の角度を変えて小さな女の子の顔をのぞきこんでいると、国見つかさが 「あっ、まさかたけちゃん」と言ったので菅井佐知も気がついたらしく 「あっ、姉さんとかっちゃんの」と言いかけると、 鏡剣も 「髪の毛の感じはかっちゃんだなー」と言ったので 綾乃が 「正解です、武田詩織お姉様と仲串の勝美さんの娘の香乃ちゃんでした」と言うので 「「おー、かわいい」」と他の面々がかわるがわる抱っこし始めるので苦笑がでる。 一通り抱っこが済むと 「けっこう前に産まれていたんだけどね、あの2人隠し過ぎだよな、たまたま今日は2人のところから脱走して、朝の綾乃との華道の稽古中に侵入されてね、そのまま一緒に稽古してたけど寝ちゃったからね、もしかしたらあの2人が騒動おこしてるというかパニックになっているかもしれない」と私が言ったとたんに外の廊下が慌ただしくなり22番の夢の尾崎晁堊がノックと同時に 「失礼します、アムラン、子供一人いなくなってるそうです」と言って飛び込んでくるので 「わかってる、シオっちとかっちゃんの子だろ、ここにいるから2人を落ち着かせて連れて来て」と静かに言うと 「えっ、かっちゃんの子って、いつ産まれたの」と尾崎晁堊が素っ頓狂な声を出したので、全員が吹き出す。 一旦一階のダイニングに全員集合して、あらためて55番の夢の武田詩織と81番の夢の仲串勝美の娘の香乃ちゃんがお披露目になる。 「かわいいのはわかるけどね、正式な夫婦なんだから、いつまでも自分達で隠しておかないでお披露目するもんですよ」となぜか母から2人がお小言をくらっている光景は笑えるものがあり、とりあえず2人に 「これで一応お披露目できたし、何かあってもみんなの目があるから安心だろと」私が言うと 「お騒がせしてすみませんでしたー」と2人が小さくなって頭をさげるのと、やっぱり香乃ちゃんの愛らしさで場が和み、ほとんど全員が抱っこするという賑わいになるが、一段落したところで 「綾乃と奥方衆は話し途中だったから、今私の部屋に戻るから食事する者は先に済ませておいて」と言って綾乃と国見つかさ、鏡剣、宮本一こと葉山託生、菅井佐知、井伊直也、橘夏希、橘夏芽、藤咲麗の8人は3階の私の部屋に戻りソファに座り、綾乃は華道の稽古の後片付けをはじめる。 「やっぱり広いだけ便利そうねー」と葉山託生が言うと 「そうだな、研究しながら試行錯誤する場合は資料も道具も揃っているから便利な部屋だよ」と私が言うと、国見つかさが 「あれっ普通の稽古じゃないんだ」と訊くので 「うん、国見華道と藤野古流の違いを出さないといけないから型のチェックしてたのさ、真理っちにあんまり負担かけさせるわけにもいかないので奥義書のまとめもかねてなんだ、綾乃は才能も素質もいいから、稽古つけるほどのこともないし、せいぜい口伝の伝授くらいかな」とさらりいうと 葉山託生が 「うーん、いま片づけてるけど、あの右側の生け込み部屋にほしいなー」というので 「あーそれ、あたしも思った」と国見つかさまで言いだすので、綾乃が笑って 「いいですよ、でも半分香乃ちゃんの作品なんですよ」と言ったので 「「ええーっ」」と奥方衆が全員驚くので 「いやね、香乃ちゃん幼いのに華道の才能がかなりあるんだよ、私と綾乃の稽古見よう見まねだけど、センスがいいんだよ、素質たね、シオっちも美的センスあるし、かっちゃんも妹のカヨちゃんが華道のセンスあるから仲串の家の血筋には華道のセンスがあるんだろうな」と言うと国見つかさが 「あー、それわかるかも、カヨちゃんの店の生け込みって全部カヨちゃんがやってるからなー」と言うと、150番の夢の金蓮になっていた橘姉妹が 「結婚式の式場の生け込みというかフラワーデザインってアムラン半分カヨちゃん半分だったものね、香乃ちゃんも先が楽しみだわね」と言ったので、国見つかさが 「そうよ、結婚式の話しなのよ」と今日部屋に集まった目的を思い出す 「何、質素すぎたかい、もっと派手な方がよかったかい」と私がさらりというと 「そうではなくて、ほんとにいいのかなと全員面食らっているんですよ」と鏡剣が言うと井伊直也まで 「正式の結婚証明書まで全員の分でましたからね、おかげで嫌がらせがうそみたいになくなりましたけど」とぽろっと言ったので 「やっぱり、そうだったんだろ、私に嫌がらせする命知らずなんて、そうそういないけど、お前たちは言わないだけでかなりひどい目に遭っていると思ってたんでね、よもやアムランの正妻と正夫に嫌がらせしたり手を出すバカはいなくなると思ったからこそ先日の9月15日に複夫婦の契の式典強行したのさ、ちょうど新家叙任の儀も終わったばかりだし、威を示すにはちょうどいいし、ささやかだけどこれが私の精一杯の愛のつもり」というと、全員しがみついてくるのを覚悟していたが逆にぽろぽろ泣かれてしまうので綾乃が自分までもらい泣きしているので、こりゃダメだと思い慌ててテイッシュボックスを持ってきて三連分身術で3人になって7人と綾乃の泣き顔を拭いてまわるとどうにかおさまったので1人に戻ると、驚かれる 「噂には聞いてましたけど完璧な三連分身術って実際に見るとすごいですね」と鏡剣が驚きの声をあげる 「まあ3人が限界だな、7人分は頑張ってみようと思ってたけど無理だな、デートはぼちぼち計画してる、新婚旅行は別に考えているけど、個別のデートは、最初はこの間も言ったけどサチからになるからそれは了解してね」というと7人全員から 「「もちろん」」と返事があったところで場面が変わる。 場面は欝蒼と生い茂る杉林に囲まれた、比較的小さな湖の岸の岩場になっているところに取りあえず切り拓いたという感じの広場に大型のテントを立てて、130番の夢の今野千光、162番の夢の風間了、169番の夢の香川諒子、仲串勝美、55番の夢の大島玲仁、武田詩織、44番の夢の金井恵一、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、尾崎晁堊、7番の夢の藤丸竜也、3番の夢の尾崎儀一、1番の夢の木村聖二、1番の夢の木村聖一、66番の夢の24代美喜、76番の夢の十琉、135番の夢の16代明伸、169番の夢の中務香奈枝、277番の夢の菅井佐紀、277番の夢の井伊直樹、国見つかさ、鏡剣、宮本一こと葉山託生、菅井佐知、井伊直也、金蓮、藤咲麗と私の28人が休んでいる光景になる。 「やっぱり、やって正解だったな、ここまでいろんなものが沈んでるというか、庭の一部として周囲も手入れしないと、湖といえども荒れるということだね」と藤丸竜也の半ばあきれ声と達成感のある満足の入り混じった声がする。 「養い池というのは秘密の場所という考え方があって、人の手をいれないでいたんだろうけど、以前から見て思っていたが、ひどすぎると思っていたけど、まったくゴミだらけな上に白骨死体まで大量に沈んでるわ、杉の木の倒木が腐って水質最悪だよ、この岩場のところは湧水があるおかげできれいだけどね、金蓮花彦の剛輝もよく我慢していたものだ」と私が本当にあきれたと言うと武田詩織も 「ここまで、ひどいとは思わなかったわ、恥ずかしいくらい、でも湖までの道もないの同然の獣道ってのも考えものね」というと、人形を取った武田家つきの金蓮花彦の剛輝(たけき)が 「まあ最初のころはちゃんと道もあったし、手入れもされていたんだが、自殺の名所になってしまってね、それで閉鎖したいきさつもあるのだよ」と言ったので 風間了が 「それで、120体分もの骨があったわけか、古いものが多そうだったから特に問題はないだろうけどね」と言うと、金井恵一が 「一人1000年ほど前に行方不明になった武田家の総帥の遺体もでてきたからねえ、所持品から唯一身元がわかったのは彼だけですからね」と古文書片手にぼやくように言う。尾崎儀一が 「それにしても、浚えたら、沈んでいるゴミと杉の木の残骸の凄いこと、街一つできるんじゃないのか、取りあえず菱関の空地で乾かしてから燃やして肥料にすることにはなったけどな」とやれやれとあきれると、今野千光も 「ホントに街一つ分以上だね、今回湖の周囲約6キロの岸から20メートルの範囲の杉を伐採して、整備することになったんで、いい杉材が出るので、今野で引き取らせてもらうことになったけど、2000年放置した杉林はあなどれないね」とすこし感心している。 「つぎはうちの池の番ですが、ここでこうだと、怖いな、最初のころから手つかずの湖だからねえ」と井伊直也がぼやくと 「いや、井伊家の湖は規模がケタ違いだし、水の動きもあるし、川が11本あるから奇麗なもんだよ、金蓮花彦の聖域になっている中島周辺だけの手入れで大丈夫だと思うよ、中島の社はかなり傷んでいるから、建て替えたほうがいいかもしれないけどね」と私がいうと、さっそく今野千光が 「では私がやりますよ」と言うので 「光成、あそこは白山家の本分になっているので、今野が手を出せないので白山の棟梁宗頭にお願いしなくてはならないから今回はお休みだ」と私が言うと 「えっ、白山家なんですか、それじゃ遠慮しないといけませんね」と残念そうに言う 「ほう、白山の匠の手なのか、あそこは」と藤丸竜也が感心したようにいうので 「そうです、神社建築に特化している、宮大工の名流ですね、質素な中に存在感ある組物では他の追従を許しませんからね、千晶の社も一つは白山にお願いしようかなと思っていたんですけど、さすがに今野の顔つぶせませんからね」と苦笑まじりに言うと 「まあ、そうですな、あなたは今野の瑞仙ですからねえ」と藤丸竜也も苦笑まじりで、私の判断を支持してくれる。 尾崎晁堊が 「アムラン、ここの湖って、浚えて見ると深さが平均しているのと、底がかなり複雑な地形ですよね、形も平行四辺形に近いし」と問いかけてくるので 「うん、きわめて珍しいけど、ここ断層湖なんだよ、上からみると四角というか平行四辺形に近いのは断層のずれによるものだし、底が複雑なのは、地割れのせい、おかげで水が奇麗だったら、金蓮花だけでなくて魚やその他の水中生物にとっても住みやすい環境だと思うけどね、いかんせん杉ってけっこうでかくなる割には腐りやすいから倒木しやすくて、湖の中に流れ込んだものが腐って水質悪くしてるからあんまり生き物いなかったよな」と私が言うと その場の全員が「「断層湖」」と驚く 「どうりで地震の古記録が古文書にあるはずですよ」と金井が納得したという風に言うと、武田詩織が 「この湖を金蓮花の養い池にしておいて大丈夫かしら」と心配そうにいうので 「3000年間存在してきた湖だから大丈夫だろ、それに」と私が武田家の金蓮花彦に水を向けると 「ええ、万一の事があっても、脱出できますし、脱出先は確保できてますよ」と私の方を向いて意味深な笑みを投げてくるので、武田詩織も苦笑して 「当主である総帥からして、入り浸っているからねえ、千晶湖ね」と言うので、藤丸竜也も 「昔から金蓮花の緊急避難所というとうちの池なんだけどね、みんなアムランとこに遊びにいってるからねえ」と苦笑するので、少しは藤丸竜也の顔も立てておくつもりで、 「本当の話し、藤丸家の養い池は元々の金蓮花の聖なる雲の上の湖を模して完全に整備した場所だからね、金蓮花にとって最高の環境だし、湖の広さと中島の特殊な配置で完全に外界と遮断できるし、周囲全てが藤と梅と桃と柊の庭園だからな、藤丸の藤の園とはいうけれど四季折々の装いの見事さは名庭園の名に恥じないからね」というと、菅井佐知が 「僕もねあの庭の美しさは、すばらしいと思うねえ、あそこまで周囲が美しく、にぎやかだとかえって養い池っていう秘密も隠れちゃうのかもしれないね」と言ってくれたので、ほっとする。 「最近庭めぐりしていたようですけど、千晶家の庭の参考ですか」と鏡剣が私に訊くので 「それもあるけど、なにげにデートコースの下見」とさらっと私が言うとその場の全員が「「おーつ」」と冷やかしまじりの声をあげてくれるので、そのままかわして 「それとここは変ったものの跡があるのを見つけたんだが、剛輝は知っているかい」と尋ねると 「ああ、ここの反対側の武田家本宅の真裏にあたる岸の建物跡ですね」と武田の金蓮花彦の剛輝が言ったので 「えっ、なんか建っていたの」と武田詩織が驚くのと金井恵一が 「記録は残ってませんねえ、東屋は何回かいろいろな場所に造ったみたいですけどね、杉やら雑草やらで何も残ってませんね」と言うと、鏡剣も 「武術の稽古場のあとのような場所と確かに東屋の跡みたいな場所は森の中に数箇所ありましたね、ここから対岸のところのは判りませんでしたけどね」と言う 「いつの話しか覚えていませんが、二階建てくらいのこじんまりとしたそれなりの大きさの建物がいきなり現れていきなり消えたという記憶はありますね」と武田の金蓮花彦が少し不思議そうに言うので 「前にあそこの礎石と屋根瓦の破片見てね、観月楼があったことがわかったんだ、それもねかなり方向を計算して造っている、湖に映る二つの月と天空の二つの月の合の満月が楽しめるかなり粋なつくりになっていたようだね」というと 「観月楼ですか、それはまた粋ですなあ」と藤丸竜也が感心する。 金井恵一が 「なんで記録残ってないんでしょうね、けっこうな大きさですよね」と不思議そうにいうので 「うーん、なんかあったんだろうね、観月っていうロマンに夢もたすためにもあんまり詮索しなくてもいいんじゃないか、地震で倒壊したってこともあり得るし」というと、脳天気に今野千光が 「一時的な遊びの贅沢でつくる桟敷亭ってこともありますしね、さっさと造ってさっさと壊す、まあ大工から言わすと噴飯ものなんだけどね、そういう贅沢も昔はあったみたいだし」と言ってくれたので、この話はお開きにしようと思って 「じゃあちょっと強行軍だけど、井伊家の湖の中島の聖域に移動して、掃除してカヨちゃんのところでめしにしよう」と言うと場面が変わり 井伊家の本宅の湖がよく見える2階の大広間で今野千光、風間了、香川諒子、仲串勝美、大島玲仁、武田詩織、金井恵一、今野浩之、佐藤優二、尾崎晁堊、藤丸竜也、尾崎儀一、木村聖二、木村聖一、美喜、十琉、明伸、中務香奈枝、井伊直樹、菅井佐紀、国見つかさ、鏡剣、宮本一こと葉山託生、菅井佐知、井伊直也、金蓮、藤咲麗と私の28人が茶菓を前にしてくつろいでいる。 「やっぱり、でかいな」と今野浩之が感嘆気味の声でいうと 「面積1030平方キロメートルだからなあ、うちの温泉湖なんて小さい小さい」と仲串勝美が笑いながらいうと 「真四角にして約32キロ四方くらいね」と武田詩織が言うので 「ホントこういう計算キヨちゃんばりにはやいんだから」と国見つかさが感心したような声をあげる。 「へえー形がけっこういびつで中島も結構あるけど、四角にしても32キロ四方にもなるんですか」とこれまた井伊直也が感心する。 「やっぱり入る川と出る川が11あって湖の中にも流れがあると、奇麗なもんですね、金蓮花の聖域の中島の周囲だけの手入れだったけど、底は奇麗でしたね魚も多いし、釣りにきたいなあ」と尾崎晁堊が言うと、井伊直也が「アーサーならいつでも自由にどうぞ、僕も久しぶりに釣りしたくなりましたね、それにしても武田家の養い池でかなり大変かもと思ってましたけれど、水の中より中島の草刈になっちゃいましたからね」と安心したという声で言う。 「社は思ったより傷んでますね、屋根が落ちてますから、外形は装飾も含めて原型を保っていましたけどね」と藤丸竜也が残念そうに言うので 「うん、それでも流石に白山家だ、いい仕事してるから原型はどうにか保ってるね、でも現状だと屋根が中に落ちてるから外壁も、もって2年だろうから、いまのうちに解体して組み直すか新造しかないな」と私が言うと、今野千光が 「ホント組物いい仕事してますよね、屋根は落ちちゃってましたけど仮魚は見事に残ってましたもんね」と感心する。井伊直也が 「ところで白山家にお願いする場合はどういうしきたりがあるんですか」と訊いてくるので 「あっ、先日の金蓮の序列のお披露目があったから7衆家の筆頭の総帥が頼みに行くんだわ、前だと菅井家の総帥だけどね、ということは私か、でも今回は金吾のじいさま使おう」とお茶目に言うと、その場の全員が爆笑して場面が変わる。 場面がカヨちゃんこと152番の夢の仲串勝代の料亭の中の座敷で、国見つかさ、鏡剣、宮本一こと葉山託生、菅井佐知、井伊直也、金蓮になっている橘夏希と橘夏芽、藤咲麗の7人とテーブルを囲んで食事している場面になる。カヨちゃんの配慮で私と奥方衆の8人でひとつの座敷になったようである。 今日の養い池掃除隊の残りの今野千光、風間了、香川諒子、仲串勝美、大島玲仁、武田詩織、金井恵一、今野浩之、佐藤優二、尾崎晁堊、藤丸竜也、尾崎儀一、木村聖二、木村聖一、美喜、十琉、明伸、中務香奈枝、井伊直樹、菅井佐紀の20人が別室で食事している賑やかな気配がある。 「意外な事に正式な結婚後初の外食なんだなあ、本当なら外野無しで最初に、ここに来るべきだったんだろうけど、なりゆきで申し訳ない」と言うと全員から 「「そんなこといいのよう」」という和やかな雰囲気が返ってくるので少し安心する。 「武田家と井伊家の養い池の手入れはずっと気になってたみたいだから安心したでしょ」と金蓮が水を向けてくるので、 「そうだね、お披露目前にと思っていたけど、いろいろ突発的な事もあったからね、一応一段落したかな」と応じて湯葉を一口かじる 「国見の家も修理終わったし、あとはタクちゃんがまだ忙しいのかな」と国見つかさが口を動かしながらいうと葉山託生が 「古文書は菱関もあわせてほぼ、終わったかなー、あとは奥義の秘伝書と絵をいれる必要のあるやつダケだから7〜8本かな」というと、鏡剣が 「もうそこまで終わったんだ、流石が早いですね」と言うと、菅井佐知が 「そりゃ葉山流家元だもの早いし、この間見たけど奇麗ってか美しかったなあ」と感嘆するので 「サチありがと」と少し照れながら葉山託生が言うので 「そうそう、国見家からタクミに贈り物があるんだ、金狐筆って知ってるかい」と私が言うと 「えっ、金狐筆ってあの書家垂涎の名筆っ、この世界でも現存するのが6筆しかないとゆー」と葉山託生が飛びあがらんばかりに驚くのとなぜか井伊直也も知っているらしく 「すごいですね、帝室でさえ持ってないという名筆ですね」と静かに驚きの声を上げるのと金蓮も 「天帝の一族ですら2本と聞いてますね」というので、 「それをねタクミに2本もらえることになった」と言うと国見つかさが 「国見家に筆なんてあったんですか」と不思議そうに訊くので 「うん、材料がねあるというかいるんだよ、金狐筆だから材料は金狐の尻尾の毛なんだよ」というと国見つかさと鏡剣が 「ええっ、国見守様」と驚くが 「そうなんだよ、本人から申し出があったときは正直私も仰天したけど、タクミへの礼だとさ、種をあかすと、今現在の尾ではなく、国見騒動の時に切られた尾が最近国見と菱関と菅井の財産を奪っていた連中のアジトから見つかってね、取りあえず本人に返還したんだけど、謝礼ということで5つ筆ができたので3本は雲の上へ献上して2本は私とタクミへということになったんだけど、私じゃ使いこなせないから一番持つにふさわしい人物に全てということで、黒焔墨と一緒に昨日届いた」というと、葉山託生よりも金蓮が 「えっ黒焔墨って名墨じゃ」と驚くので 「それは金吾のじいさまからのご褒美だってさ」と私が言うと 「うーん、くえないじいさまというのは、やめようカナ」と葉山託生が神妙に言うのでその場の全員が苦笑する 「国見の赤硯はもうしばらく貸与だな」と国見つかさと鏡剣の方を見て言うとふたりともにっこり笑ってうなずく 「国見の七宝十四器も近々全て復活するし、あとは庭の七宝木だけだから、やっと国見の全財産が戻るし、菱関の方もほぼ元通りだし、肩の荷がおりるよ」と言うと 「えっ、七宝十四器が復活って白梅山稷図はないんでしょう」と国見つかさが驚くので 「二郎真君と闇壺に行ったときに次元漂流蔵から回収したんだ、完全な状態ではないので、その道の名人のところに全て修理に出したし、白梅山稷図については修復前にお舘様に見せたから知っているし、大層喜んだ」とさらりというと、金蓮が 「次元漂流蔵からは凄いわね、アムランくらいしかできないんじゃないの、あの蔵って入る資格はあっても能力がないと行けないし入れない場所だものねえ」と慨嘆する。鏡剣が 「そういえば七宝木ってなんです」と不思議そうに問うので 「国見の庭には宝の樹木が7本あるんだけど、それまで根こそぎもってかれたんだが、地面かから盛り上がった根が乳房のように見える「たらちねの石楠花」と葉の形がくるりと立体的な杯の形をした「金杯銀杏」と一つ一つの花の形が冠のように大きい「冠木蓮」とガク紫陽花の一種で大きい花が二重になり小さな花が八重咲のように見える「金星紫陽花」と花が濃い紫色のために黒く見えて葉の縁にも黒い筋がある「黒鉄扇」と4本幹の桂香樹を利用して造られた「四ッ胴の鹿威し」と1本の香炉樹の幹から彫りだされた「香風の水車」の7つを国見七宝木というんだ、鹿威しと水車は代用品を国見竹を使って千光が細工してくれて設置してあるので、戻り次第国見竹製の二つは千晶家の庭にもらうつもりでいる」と言うと 「そんなものまで、もってったのあいつら」と金蓮が憤るので 「いや本当にあいつら、国見と菱関と菅井もだけど散々食い物にしてくれたものさ、今回徹底してたたきつぶしたけど、残党がまだいる、手をだしづらい身内でね、菅井のとこに潜んでるんだが、金吾のじいさまと千太郎がじわじわと締め出してる、一気にやれないからなあ、今だにサチに嫌がらせしてるからな」とまあゆっくりやるわという風に言うと 「ああ、やっぱりあの人なんだねえ、懲りないというのか、立場的にドカンとメンツつぶせないからやっかいだけど、そろそろ追い出せそうだから、でも往生際悪そうだなあ」と菅井佐知がうんざりという顔をする。井伊直也も 「その人ね、旦那が井伊家の身内でね、僕にも嫌がらせしてる元凶だけど、横領と詐欺の証拠つかんでるので、機会を見てぐうの音もでない状況に追い込んで、暴発させて、まあ肉を切らせて骨を断つ作戦で一気に始末して直樹には楽させたいと思ってるよ」と言うと 「しっかし、まあ、かわいい顔してナオヤもけっこう過激だったのねー」と葉山託生が驚くので 「おいおい、顔とかの問題でなくて才能だろう、ナオヤは最高の軍事参謀だぜ、全員たまたま美形ぞろいだけど、私は魂と才能に惚れてるんだからな、姿かたちに惚れたつもりはない、まあ例外がミドリとユウとタクミで魂と才能を知る前に笑顔に惚れたのはある」と笑いながらいうと 「「きざー」」という声が菅井と井伊と金蓮と藤咲から上がり国見つかさと鏡剣と葉山託生が赤面する。 このときさりげなく仲串勝代が全員の膳を下げてお茶を置いて行くが、冴えない表情になんかひっかかるものがある。鏡剣が 「どうしたんです」と怪訝そうに訊くので 「顔にでたかい」と言うと 「ええ、何かまではわかりませんけど、でましたね」と言うので 「うーん、ミドリ、金蓮、カヨちゃんなんか悩みあるのか」と訊くと 「あっ、やっぱりわかった」と2人とも言うので 「うん、一応内容もたぶんあれかなと想像はつくけど本人の許可なしには言いづらいなあ、一応大事な親友なんでね」と私が言うと、しばらく半分目をつぶって考え込んでいた国見つかさが 「これは大親友として一肌ぬぐしかないわね」とぽつりと言って何か決心したという表情をするので、金蓮も 「あたしも一緒に行くわ」と言うと 「いや、ここはあたしが行くわ」と国見つかさが金蓮を制すると、残りの他の面々と 「「おやっ」」という顔を私もすると、国見つかさがわざわざ自分で立ちあがって仲串勝代を呼びに行くが、しばらくして1人で戻ってくると、小声で 「今日もどったらみんなあたしの部屋に集まってください」と言うので全員無言のままうなづくと、今日の作業をした他の面々にも 「帰るよ」と声をかけると場面は本宅の回廊の3階のホールになる。とりあえず自分の部屋に戻り、着替えて机の上の桐の箱を持って北の迷宮の間の1条1丁目の国見の間に入り、1番地の国見つかさの部屋をノックすると国見つかさがドアを開けてくれる、中には鏡剣、宮本一こと葉山託生、金蓮になっている橘夏希と橘夏芽、と半分そろっていて、カヨちゃんとは大親友である中務香奈枝の姿もある。続いてノックの音がして菅井佐知、井伊直也、藤咲麗の3人に囲まれるようにして仲串勝代が入ってくる。全員そろうと国見つかさがカギをしめて全員部屋の丸テーブルのまわりに集まる。 最初に国見つかさが 「カヨちゃん恋患いでしょ、私達は相手の名前知らないけど、カヨちゃんが恋しているのは知っているから」と言うと 「好きなんです、でもダメなんです」と仲串勝代が泣きだすので金蓮と中務香奈枝が背中をさすりだすので私が 「カヨちゃん、相手は玉」と言いかけると仲串勝代が 「ダメですうーアムランはなんでもご存じですけどその方の名前はださないでくださいー」と泣き顔で訴えるので、全員 「「こりゃ重症だ」」と顔を見合わせるので 「うーん、名前はいわないが、つきあっているし相思相愛なのは確かだろ」と私がさりげなく言うと 「はいー、でも身分違いの恋なんですー私なんてただの水商売の女あつかいなんですー」と泣きだすので、金蓮が 「ちょっとまってカヨ、なんか言われたのかもしれないけど仲串家はれっきとした金蓮20家の一門衆よ、一流の料理人に対して水商売は聞き捨てならないわね、あんた自信もちなさいよ」とかなり激しく憤りを含めたしゃべり方になるので、かえって仲串勝代が怯えるので、苦笑して 「金蓮ちょい、まち、情熱的なのはけっこうだが、ここは私が話そう」と言うとタクミの 「でたアムランのちょいまち」という内心の声が聞こえてこちらも内心苦笑するが 「カヨちゃん身分違いっていうけれど、今現在、金蓮20家は筆頭家の私が公爵なので仲串家も伯爵クラスの扱いだよ、それとカヨちゃんの思い人の本心なら私が知っている。跡取の長男だがその地位を捨ててもいいからカヨちゃんと結婚したいと実は私に相談があった」と言うと 「ホントですかっ」と泣いていたカヨちゃんがピタリと泣きやんで顔を上げたので周りが驚いているのと、国見つかさと中務香奈枝が流石アムランという表情で見ている。 「それに、カヨちゃんが彼と結婚するにはなんの問題もないし、だい一番に玉泉21家の筆頭家の宗主って玉泉和典だぜ、それとアムランがカヨちゃんの後見人だぜ、これで身分ちがいがどうとかは言わせないよ、結婚ってのは本人同士の愛情でするもんだ、まあ一族の反対はあったから、あいつも私に相談したんだろうけど、いいセンスしてるな、カヨちゃんに惚れるあたりが、一流だと思うよ」というと仲串勝代が 「アムランー」と胸に飛び込んで泣きはじめるので、国見つかさが 「お株とられちゃった」と苦笑する。中務香奈枝と菅井佐知がテイッシュとハンカチで仲串勝代の泣き顔を拭き始める 「まあ玉泉もうちの一族の若いのはろくなのいないと嘆いていたのと、先日サチまで麗の相手役として十分なやつはいないとまで言っていたけど、一人、結構骨のあるのがいたんだなあ」と苦笑まじりで私か言うと、麗が 「ええっ、玉泉21家の誰かと結婚させられるんだったの、それは嫌だよー」と本当に嫌そうに言ったので、菅井佐知もやれやれという表情で 「見落としてましたけどね、やっぱりましなのいなかったけどね、強いていうなら玉垣の長男は合格というか唯一レベル高いかなと思ってましたけどね」と言うので 「えっサチさん彼を評価しているんですか」とカヨちゃんが私の胸から顔をあげたので結局相手がだれだか全員にばれてしまう 「あーやっぱり彼だったかー」と国見つかさと中務香奈枝が顔を見合わせて少し笑いながら言うと 「やーんバレバレだったのー」とカヨちゃんが2人の方を見て涙顔のまま言ったので 国見つかさと中務香奈枝が顔をみあわせて 「まあね」というと金蓮が 「まあ国見の占い師の家元と最高幹部のカンはあなどっちゃいけないわよね」とカヨちゃんの髪をやさしくなでながら言う 「決まったな、玉垣の当主には私が最初に個人的に挨拶に行って、玉泉和典からもちかけてもらう、千堂家の当主がカヨちゃんの料理のファンだから千禰家との二枚看板で結納後見役やるとなれば結婚したも同然さね、あと金蓮20家の総力を挙げて玉泉21家を洗脳っていうか籠絡する、カヨちゃんってここにいる全員の親友だし、そんくらいやってもいいだろう」と私が目に力をいれて少し不敵な笑みを浮かばせると 「当然ね、大親友以前にかわいい妹だもの」と中務香奈枝が金蓮と国見つかさを押しのける感じで言いきるので、金蓮と国見つかさが 「「あらあら、ナカちゃん力はいってます」」という感じで微笑み 「では菅井家も一流の料理人のために財閥の底力見せましょう」と菅井佐知が言い、井伊直也も 「井伊の姻戚筋も玉泉21家にはいますので、彼らに後援させましょう」と言うと鏡剣も 「情報戦でカヨちゃんの好感度をあげるのはまかせてもらいます」と力強く言うと、金蓮が 「あたしは、麗と銀峯と騎士団と世間様をカヨちゃんの味方につけとくわよ」と言うと麗もうなずき仲串勝代の背中を優しくポンポンと叩いて励ます。 「カヨちゃん、後にこれだけいるけれど、カヨちゃん自身がもう原石を磨きあげた宝石なんだから、自信もちなさい」と私がいうと、仲串勝代が顔を上げ 「はい」と目を見開いてにっこりするが、やはり感極まっているらしく滝のように涙が溢れているので、国見つかさがここは部屋の主としての貫録でてぬぐいで優しく涙を拭き顔と髪を整えるといつもの仲串勝代がもどるので全員ほっとする。 「おっといけない、渡しそびれるところだった、タクミ、金狐筆と黒焔墨だよ」と持ち込んだ国見家の家紋のついた桐の箱を開けて葉山託生に渡すと周囲もどれどれと覗きこむ、渋い金毛に落ち着いた色合いの呉竹の軸に象牙の装飾が軸端についた筆が2本と赤紫の濃い直方体の大きな墨が入っている。筆を取り出して穂先の感触を確かめていた葉山託生が 「すごい、固からず柔らかすぎず、たぶん墨の吸いつきも書き味も滑りも天地自在に墨跡五色を発するが意のままになる神の筆だあ」と感動している。井伊直也が筆を見て感嘆しているのと、金蓮が黒焔墨を箱から手に取り見ながら 「うーんこの色つやが磨るとものすごい深い紫がかった黒になるのよー」と感心し、葉山が筆を井伊直也に渡したので、葉山に墨を手渡すと 「うわっ、見た目の割にズシッとくるんだ」と驚く。井伊直也が穂先の感触に感動しているのを見ているうちに目を覚ます。 |
No 0281 1989 平成元年 9月23日 土曜日 要塞ではなく平坦なトーチカを並べた陣地のような所で1000人程度の兵士を指揮して、守備の準備をしている。10万単位の一般人もいる。突然黒塗りの車が数台車列をつくり陣地内に入ってくる。乗っている顔ぶれが昭和天皇陛下、皇后陛下、皇太子殿下、皇太子妃殿下、浩宮様、礼宮様、紀宮様が乗っている。陣地の後ろには巨大なトーチカの形をした地下壕の入口があり、ここへ避難してきた形になる。いきなりスターウォーズに登場する兵士の白い装備をした軍団が何かを追いかけて陣地をめざしてくるのがわかる。よく見るとスマップと光GENJIのグループとジャニーズ事務所に所属するらしい男の子30人くらいが追われているので、援護射撃をして、スマップと光GENJIのグループとジャニーズ事務所に所属するらしい男の子30人を陣地内に避難させてスターウォーズに登場する兵士の白い装備をした軍団と銃撃戦になってある程度倒して押し戻したところで場面が変わる。 57番の夢の菅井佐知と2人で草原を手をつないで歩いている場面に変わり。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にあり、2人とも206番の夢と同じ濃いブルーのボタンダウンのシャツを着てブルーのジージャンとスリムのブルージーンズに黒のソックスをはき、白の革の厚底のコンバースのバスケットシューズを履いている。 「うわさに違わず、金吾のじいさまの宝石博物館はすごかったなー、つかちゃんから聞いていたケド、ダイヤモンドは圧巻でした」と菅井佐知が興奮気味に語るのをにこにこと聞いている。よく晴れた草原には爽やかな風が通って行く 「そういえば、噂の3人の子供達いなかったみたいだけどいるの」と訊かれたので 「うん、まだいるよ、前回のミドリの時と同じで気をきかせてくれたらしいな、ってか、いないようで、あいつらいるな、他人のデート気にしてる暇あるんなら自分達もデートすりゃいいのにな」と私がぼやくと、くすくす笑って 「しょうがないよ、カップルでアムランスキーだから」と菅井佐知があっけらかんというので 「まあいいけどね」と内心で納得して 「今日は面白いものを上から見せるよ」と言って菅井佐知を抱き抱えて空を飛ぶと下界の場面が、10キロ四方を碁盤目のように1キロ四方ずつのマス目に彩られた広大な敷地の中に中央と四方に邸宅の様なものが見え、川が複雑に折れ曲がって流れ幾つかの結構大きめの池や沼も点在している広大な庭園であることがわかる。中央に近い場所の池のほとりに降りて菅井佐知を立たせると周囲は藤棚の林というか森のようになっている。一見果樹園のように整然と並んで見える藤棚であるが、意外と自然の配置に逆らわずに人の手をさりげなくかけていることがわかる風情あふれる場所である。 「ここは、藤がすごいけど藤丸の庭じゃないよね」と菅井佐知があたりを見回して言うので 「うん藤本の通称花札の庭こと12月の四季の庭さ」というと 「すっ、すごい、7色の藤の花があるし、あそこの池の近くの岩みたいなのって、もしかしてなんかの宝石の原石じゃないの」と池のほとりの一本の巨大な幹から、白、ピンク、浅黄、浅葱、赤、薄紫、濃い紫、の7色の花を咲かせている藤の巨木を見て驚くのと日の光を反射してこれまた虹の7色に輝く大きな平べったい感じの岩があるので2人で近づいて行くと直径2メートルほどでなだらかな曲線が円形のソファのようになっている岩がキラキラと輝いているので、近づいて手触りを楽しみながら菅井佐知が 「すっごーい、なにこれ、よく見たら渦巻いてるよね、ちょうど座り心地というか寝心地もいい感じ」と岩の平らな部分に無邪気に寝転ぶので隣に座ると 「これ実はオパールと化したアンモナイトの化石なんだ」というとびっくりして跳ね起きてしばらく眺めてから 「これ全部オパール!しかもアンモナイトの化石だって」とため息つきながらしばらく表面をなでている。なにか黒いものが飛び跳ねたので 「うわっ」と菅井佐知が驚くので 「カエルだよ、ここは別名カエル天国っていうくらい100種類くらいの珍しいカエルが生息している」と言うと 「あーホントに花札の雨の絵になるねえ、藤にカエルかあ」と本当は藤ではなく柳なのであるが、妙な感心をしている 「距離があるけどちょっとゲストハウスまで歩こう」と言って手を取って菅井佐知を立たせると手をつないで歩きだす、しばらく歩いて藤棚が途切れると複雑に曲がった川のような沼の様な湿地帯には一面に花菖蒲と杜若の群落になり 「あー、あのよろしの世界だ」と菅井佐知が言うので少し吹き出しそうになる。少し高低差のある丘の一面の紅葉に 「鹿がほしい」とつぶやき、白砂の松原に 「月見団子ほしい」とつぶやき、菊と牡丹の園では 「酒とちょうちょだよね」と言い、梅林と桜の園では 「鶯と団子」だよねとまたしても団子がでたので 「サチそろそろ本当の団子がでるから」と笑いながら柳の森に囲まれた純和風のゲストハウスの池のある側に出ると池のほとりの柳の巨木の下に茶席ができていて、緋毛氈が敷かれ茶釜が湯気を上げていて、和服姿の80番の夢の玉泉和典と74番の夢の藤本由里江が待っているのが見える。正座が苦手な菅井佐知のために床几が用意されている 「楽しめたか」と玉泉和典が訊いてくるので 「本当に花札の庭なんですねえ、でもやっぱり藤棚がすごかったなあ」と菅井佐知が感嘆するので 「藤本の家だからね、やっぱり藤に力がはいるわね、それよりおなか空いたでしょう、お茶と団子あがりなさい」と藤本由里江が菅井佐知と私に茶と団子をすすめてくれる。 私は靴を脱いで正座して玉泉と藤本夫妻の前に座りお茶をいただく 「夫婦水入らずで、お茶はいいものだ」と私が二口すすってから言うと、玉泉和典が 「相変わらず他人の面倒見てるんだな、玉垣の総帥が血相変えて俺のところに来た、公爵がうちに突然来ましたって肝の小さいことを言うから、少しいじめておいた」とさらりと言うので、藤本由里江が笑いを堪えた声で 「お前の息子と金蓮20家の仲串家総帥との結婚の儀執り行うことを裁可するって婚約裁可すっとばして結婚裁可状突きつけたのよ、それも黒曜四天王の千堂家の保証人の署名済みのやつ」と言って笑い転げるので、床几に座って団子をほおばっていた菅井佐知が驚いて団子を喉につまらせて慌ててお茶で飲みこむしまつ。 「いや本当に話が早くて助かります、一応状況と計画はお知らせしましたが、もしかしてご存じだったんですか」と逆に訊くと、藤本由里江が 「うちの執事の橋本が、温泉湖の奥の秘湯に療養に行っていたのよ、そのときにただならぬ様子の2人を見て心中でもされたら困ると知らせてよこしたの、それでさりげなく監視つけてたんだけど、玉垣の息子は賢いわねアムランに相談に行ったから」と後を引き継いで玉泉和典が 「これはまちがいなくアムランから来るぞと思ったし、さっさとうむを言わさずやった方が早いと思ったんで千堂さんに裁可状持ってお藤と行ってきた、千堂さんが仲串勝代の料理の虜というか大ファンだから話しが早くてね」とにやりとしながら言うので 「どおりで、婚約裁可状は私が書くことになったんですね、あれっ順番が違うと思いましたけど、あの2人がまちがいなく結婚できるんなら、まあいいかと書きましたけどね、保証人署名頼んだ藤丸と紫藤がびっくりしてましたよ」と私も言うと 「来週ですけど、婚約の儀のあとすぐ同日に婚姻の儀なんて聞いた事もないって僕にまで言いましたからね竜也さんも聖一くんもね」と菅井佐知もお茶で喉をしめらしながらびっくりという風情で言う。 「うちの連中はとりたてて才能もないのに、家柄を鼻にかけて天狗になっているバカ者が多いから、今回の電撃結婚はいい刺激になるだろうな、しかし玉垣の息子があれほど出来るというか、物の道理がわかっていたのは意外だったな」と言うと 「やっぱりカヨちゃんでしょう、男がしゃきっとするもしないも女しだいなのよ」と藤本由里江の豪快な爆弾発言に玉泉和典も肩をすくめ菅井佐知が唖然として私も苦笑したところで場面が変わり、14番の夢の寺島小百合が経営するお休み処風の小料理店の前に菅井佐知と立っている。 ここは以前106番の夢で武術の流派同士の争いがあったときに二階に隠れた店でもあり、41番と47番の夢の情報を整理すると周囲は以下のようになっている。 緩やかな右にカーブの道の左側には幅1メートルくらいの小川があり、カーブの中ほどにカヤぶきの水車小屋が建っている。カーブを曲がりきり100メートル進むと約100メートル続く街並みがあり、街並みの中心には十字路がひとつだけある。そのまま直進して街並みのはずれから100メートル程行くと幅5メートルの川がありコンクリート製の橋が架かっている。さらに100メートル程進むと、つきあたりに低い山が左右に広がりT字路になっている。ここからは路側帯が歩道と同じ役割をしている道路になっている。左へ曲がって1キロメートル行くと進行方向左側の100メートルくらいのところに橋がかかり川が流れているのが見える。後ろを振りかえってみると、川は道路と並行して流れている。50メートル先の左側に木造の三角屋根の時代劇に出てくるような二階建ての大きな茶店があるのが見える。茶店の手前には川の方へ行く小道が舗装された道路とは別に橋の方へ曲って続いているがこちらが店の裏手になる。ここに砂利を敷いてローラーでならしただけの駐車場がある。駐車場の横の小道をそのまま歩き茶屋の裏手の川に行くと、土手はなく川原はこぶし大の石がゴロゴロ転がっていて、川も幅は20メートルと広いが10〜30センチ程度と浅く岸辺は水が石の間ににじんでいるという感じである。よくみると湯気が立っていて川は温泉の川であることがわかる。周囲は緑も多く風情があるたたずまいである。すこし紅葉の林の小道を散策すると天気も良く川からの熱もありかなり暖かい。店に入るとポニーテールに髪の毛をまとめて、紺のカスリの着物に赤い前掛けをして、草履をはいて丸いおぼんを持った寺島小百合と白のワイシャツに黒のベストとスラックスをはいて黒の革靴できめた101番の夢の高城ハルの2人が出迎えてくれて、奥の小上がりで和洋折衷の四季彩弁当に洒落たカクテルがつく膳がでる。 「あれっ、貸し切り」と膳を揃えて下がろうとした寺島小百合に菅井佐知が訊くと苦笑して 「そういうわけでもないんだけどねー」と私に出すための二つめのカクテルを用意して持ってきた高城ハルと顔を見合せて苦笑する 「ミドリとカヨちゃんの店にいったときとおんなじだな、半径1キロくらいを結界みたいな状態でみんないるぞ」と私がカシスソーダを含みながらいうと 「えっ、そこまでわかるもんなの」と菅井佐知が驚く 「まあ、気を利かせてくれてるんだからいいけどね、自分達もデートくらいすりゃいいんだけどさ、サチじゃないけどアムランスキーには感謝こそすれ文句いう筋合いでないからね」と一口湯葉を口にほうりこみ 「うん、うまい、サチも食べろよ、和洋折衷の味わいはいいぞ」と菅井佐知をうながすと食べ始める 「あっ、このゼリーよせおいしい、へー栗きんとんってカクテルにも合うんだ」とサイドカーをふくみながら菅井佐知が言うと、菅井佐知用の二つめのカクテルを運んできた高城ハルが 「カクテルは和洋中華全部にあわせられるからね、僕らが結婚して店のメニューのレパートリー増えたおかげでお客さん3倍になったからね」と言うと 「あー、味もなんだろうけどおしゃれだよね」と菅井佐知が満足そうにうなずく。私が 「ハル、今いる連中の酒の好みはわかるよな」と言うと 「ええ、わかりますよ、ギイとアーサーの好みはもちろん、女の子もけっこうのんべぞろいですから」と高城ハルが苦笑するので私も苦笑がでる。 「またみんなの分代金おいて、ふたりっきり大作戦」と菅井佐知が笑いながら言うので 「そんなとこ、あーでももう一杯ほしいな」と私が言うと 「うーん僕も甘めのほしいかな」と菅井佐知がいうので 「じゃあピンクレディかカルーアあたりかな、私はギムレットってとこかな」というとデザートと一緒にギムレットとピンクレディがくるので2人で楽しんだあと寺島小百合に封筒を渡し 「じゃ、悪いけどハル頼むね」と言って菅井佐知の肩を抱くと鍾乳洞の中のような場所に移動する。 場面が変わった鍾乳洞のような場所は天井が薄い光を放っている。ほぼ円形の室内の中央には下におりる階段のようなものがある。 「ここってどこなの、鍾乳洞のようにもみえるけど壁がなんか光ってるよね」と菅井佐知が不思議そうに壁をさわる。 「実はここ、サチも見たことがあると思うけど、菅井本宅のある湖の底の黄金の大仏象の中なんだ」というと 「?!」と声にならない声で菅井佐知が驚く 「高さ50メートル中空とはいえ、推定総重量10万トンの純金でできている、菱宮初代の秘密の城がここ、たぶん初代の兄と妹以外では嵯峨金吾と私とおそらく今回サチの3人しか入った事かがないだろうね」と言うと 「10万トンの純金!」と菅井佐知が絶句する 「うん、この壁全部金、床もね、下に行くと湖の底の中心だってことがわかるよ」と言って菅井佐知の手を引いて中央の階段を降りると下にも同じくらいの広さで天井が高い部屋があり、壁に二つの丸い窓のようなものがある。窓の一つに近づくと外が白く濁った水が渦巻いているのが見える 「これって窓?」と菅井佐知が不思議そうに訊くので 「大仏像の目の瞳の部分にはめ込まれた水晶の板なんだ、この外は湖の中心の底なし井戸と呼ばれている白い泥と湧水が渦巻いている場所さ」というと 「ホントにそうみたいね、この感じだと」と菅井佐知が水晶の板の瞳越しに見える外の様子を見て納得したように言う。このあと2人で中心にある螺旋階段の階段の間をつたい、心臓の位置にある隠し部屋に入ると、菅井佐知が驚いたように 「あれっ、ここだけ普通の部屋になってる」と言うので 「内装だけは普通になっているけど、めくると純金の壁なんだけどね、人間が憩う場所もないと困るんでね、いくつかこんな普通の部屋もあるんだ、ここは菱宮の初代兄と妹の居間だね、あそこにかかっている掛け軸の肖像画がそうだ」と指さすと 「えっ、なんか千太郎兄さんに似てますね」と初代菱宮の兄の絵を見て驚くのと 「妹の方はサチとシオっちに似ているよな」というと 「ホントだ鼻筋は佐紀とよく似てる」と驚くので、兄と妹の肖像画に近づくと 「旧家宗主菱平智、新家千晶家総帥が菱宮初代両名に謹んで申し上げる、子孫菅井家宗主菅井佐知と縁あって此度(こたび)複夫婦(ふくめおと)の契(ちぎり)を交(かわ)しました、変わらぬ情愛を等しく終生捧げ、お守りすることを誓います」と宣言して一礼すると泣きそうになっている菅井佐知がしがみついて来てかなり強めのキスをしてくるのをしっかり受けとめたところで目を覚ます。 No 0282 1989 平成元年 9月25日 月曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 206号室から向いのアカシヤにバイトに行くと店が30メートル四方の広さになっていてアカシヤの社長の家族総出で明日のセールのための商品に値付けしている。タイムカードを入れてから徹夜で100箱以上の醤油の1リットル入り100円やポテトチップ数種類の1000袋で済まない数に95円の値札を張る作業に追われて、開店準備をして私だけ朝方帰るが、部屋への階段を上りかけていると後から、若い数人の声で家出の相談をしているのが聞こえたので、取りあえず、物影に隠れて様子を見ているといきなり場面が変わり、貯水池のようなところのボート乗り場にいて、4人がボートに乗って貯水池の岸から2メートルくらいのところで何やら密談しているが、いきなり喧嘩がはじまりボートが転覆したのでこれはマズイと思い、しかたなく空中を飛んで4人ともつかんで岸にほうり上げるが、水深が60センチから1メートルくらいと比較的浅かったので大事にいたらずに済む。4人とも中学2年生から高校1年生くらいで小柄で平均145センチくらいの身長で全員が菅井佐知や井伊直也クラスの美少年なので驚くが、私は彼らを知らないが彼らは私を知っていて 「千晶家のアムランだ、どうしよう」と意気消沈して怯える始末なので、自分の本宅の玄関に4人とも移動させると母がダイニングから出てきて 「あらあら」と言ってタオルを山ほど持ってきて拭かせて、靴も脱がせてダイニングにあげて休ませる。そこへ55番の夢の国見つかさと24番の夢の井伊直也と57番の夢の菅井佐知が入ってきて国見つかさが 「どうしたの」と聞くのでいきさつを説明していると、井伊直也と菅井佐知が4人が誰だかわかったらしく2人とも 「お前たちなにやってんだ」と4人の子供達を叱りはじめるが母が温かい飲み物を用意してくると一旦矛を収めて私に近づいて 「アムランはたぶん知らないかもしれませんが、うちの血筋の白銀騎士団の騎士の家の子達です」と井伊直也と菅井佐知がの2人が同じ事を言うので 「どおりで2人に似てるなと思ったよ、名前も何も私は知らないが彼らは知ってるみたいだがね」というと 「そりゃアムランを知らない者はいませんよ」と2人とも言うので 「でも2人はあの4人を知っているみたいだが金蓮以外の身内の付き合いはしているんだ」と訊くと2人とも顔を見合せて「たまたまなんですよね、さすがに血統のわかる家系図はいろいろ出回っていますが、深い親戚づきあいをしているケースは少ないでしょう、まあ、むしろ妬みの対象ですからね」と2人とも口ごもるが「たぶん2人があの子達を知っていた理由はあの外見じゃないのか、遠い先祖の段階で分家して、本流として地位を維持してきた家と地位を維持できなかった家であっても、血脈に潜む才能とか形質が花開く瞬間がこないとは限らないだろう」と私が言うと 「やっぱりアムランは慧眼ですね、全くその通りで、あの4人は特別ですね、よくあそこまでの容貌が現れたものだと感心してます」と言うので 「しかし、才能はないだろ、オーラに華がなんにもない、会話を聞いていたが、知的水準と倫理観を疑問視したくなったね」と私が言うと2人とも顔を見合せて「厳しいけれど本当にその通りです」と少しうなだれるので「だがな、どんなものにでも存在意義がある、ましてやトップたらんとする者ならば適材適所と教育者的な観点で美点をのばすのは責務だよ、やる気が本人達にあるかないかは問題だが、私はなんとでも育てて活用できる自信はあるよ」と2人に静かにいうと、目を見張って驚かれる。 「とりあえず、今日は家まで送らせよう、2人とも後で私の部屋へおいで」と言って立ちあがって、たまたま入ってきた3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊兄弟に手短に事情を説明して4人を家まで送り届ける手配をしてもらい、4人に近づいて 「あんまり、やんちゃはほどほどにな、アムランだって最初からアムランだったわけじゃないんだ、最初からプロはいない、それだけは言っておくよ」と言ってそのまま台所に移動すると母と152番の夢の仲串勝代がいて、母に手まねきされるのと仲串勝代が満面の笑みを浮かべている。 「あんたも、いつもながらいいこと言うわよね、あの子達あんたのファンになったわね、それとカヨちゃんの結婚よくやったわ、あんたの仕事の速さはいつも感心してるけど今回は特別だわね」と小さい子にいいこいいこするような勢いがあるので苦笑する。 「まあ、リーダーたるもの教育者の資質がなかったらだめだと思ってますけどね」とため息まじりに言うと、水を飲みに来たので、取り急ぎ手近のコップをゆすいで水を汲んで飲み干すと、仲串勝代が 「本当にありがとうございます、彼と泣いて喜びましたのと一週間前から公認で堂々と2人でデートできて嬉しくて嬉しくて」と涙ぐむので、 「ありゃ困った」と内心思っているといきなり顔を上げて手をがっちり握られて 「彼と2人でアムランに絶対の忠誠を誓わせてもらいます」と真顔で言われるというか宣言されてしまったので、優しく仲串勝代の手を握り返して 「カヨちゃんとだんなの気持は十分いただくが、これまで通り大親友として接してくれれば十分、普通にね」と片目をつぶって手を放して母と仲串勝代の肩を軽くポンポンと叩いて台所を出て3階の自分の部屋に行くと井伊直也と菅井佐知が部屋の前で待っている。 2人の肩を抱くようにして部屋に入り、ソファに3人で座ると 「台所で母にも言われたが、感動されてしまったらしいな」と言うと 「いやホント、参りました、毎度のことだけど惚れ直しだよね」と井伊直也と菅井佐知が2人顔を見合せてため息つきながら言う。 「あの4人、2人に似ているやんちゃものがいるということで問題になって知ったんだろ」というと「ホントにアムランは地獄耳だけでないからなあ、よく少ない情報でそこまで洞察できますよね」と菅井佐知が恐れ入りましたというふうに言うと 「やっぱり最高司令官だけのことはあるよねえ」と井伊直也も今さらですが恐れ入りましたという口調で言う。 「あの場では言えない事だが、あの4人美形かもしれないが、ホントに才能ないしオーラに華が全くない、2人のオーラが太陽ならゴマ粒くらいの差だから本音のところなんの魅力もないが、やさぐれてるあの4人をあれ以上ぐれさすわけにはいかないからな、とりあえず大人しくしていてくれればよし、今後問題起こすようだったら、私が一刀両断して2人に降りかかる禍は断つ」と静かだけど有無をいわさない口調で2人に念押ししておくと 「はあーっ、厳しいお言葉なれどアムランの愛、しかと受け取ります」と2人して同じ事を言って少し遠い目を2人ともするので 「2人とも今晩風呂一緒な」というと2人とも驚くが 「喜んで」と喜びを顔一杯にして、ハモルところが可愛いもんだと思っているうちに目を覚ます。 No 0283 1989 平成元年 9月27日 水曜日 上から見た時に以下の詳細の場所の上空にいる場面から夢が始まる。 266番と271番の夢で確定した1キロメートル四方の敷地に、幅3メートルの切込ハギの石垣の掘を回し、塀も高さ2メートル厚さ50センチの白壁を回し、塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路と塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にまわされた全長1キロメートルの道路全てが2車線両側歩道つきの道路になっている。500メートル四方の内陣は125メートル四方の区画で16等分され、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて、周囲の4つの区画は鍵形になるように区分されている。南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場となり、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝生になっている。16等分された残りの12区画は北東の角が桃園、南東の角が薬樹園、この二つの区画の間の2区画は畑になっている。南西の角が梅林で南東の角の薬樹園との間の2区画は水田になっている。桃園の西 隣の区画と梅林の北の区画は畑になっている。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭となり、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されているため芝生にしてある。 塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森で南東が竹林で南西は赤松林と黒松林であとは混合林になっている。南の竹林の中には直径約60メートルの丸い池を築造してある。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで、東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西と南の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北と南へ向う2本の道路と合わせて12本整備されている。本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備してある。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。南側にある門も東から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。 敷地の森の北東には道路を挟んで神社2社と南西の森には墓地と霊廟を道路を挟んで築造して風水の守りにしてある。本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭になっている。1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面になっている。 以上の詳細の場所の上空にいて、空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいて普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。髪型はショートボブになっている。 以下の詳細の家の玄関の前に空から降りる。 以下詳細 277番の夢で確定した新家の本宅の玄関は西北の角を切り落とした斜めの壁になる部分に西北の方角を向いてあり、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、従来よりも大きな車寄せの屋根がついた斜路のあるエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは4階まで吹き抜けで、この吹き抜けと螺旋階段のある空間に巨大なシャンデリアが天井から下がり、玄関のドアの上の部分は巨大な縦長の板ガラスが3枚入り、十分な光が入るようになっている。巨大な玄関ホールの天井には畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。1階には二部屋の靴箱専用の部屋が目立たない設計で東と南の壁の後ろにある。東の壁には高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられていて、南側の壁には高さ2メートル幅2メートルの白い噴水を中心にして藤棚と東屋が複数描かれた風景画がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて約50畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は4階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。中央に直径2メートルのクリスタルの水槽が置いてある。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階4階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。階段は中庭の南東の隅にも増設されてある。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに16畳の応接間、この部屋と玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋が一つ目の靴箱専用の部屋である。東側に40畳の広さの車庫、さらに東側に20畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで6畳あり、脱衣所が3畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には10畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が3部屋並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には一部屋が12畳の広さになる。この3つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」中央の和室が「朱雀の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この3つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると30畳の大広間になる。南の庭と3つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の20畳の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が20畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。20畳の厨房の北側が約40畳の広さになったダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールと会議室になっている。地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり、地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が3部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が4部屋、16畳の西の迷宮の間、20畳のダンスフロアと友人控室の2部屋と26畳の図書室がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の16畳の部屋が応接間になっている。 3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の26畳の図書室の上は自分の自室がある位置になっていて、新しい276番の夢の24畳の自室が存在している。 中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が2部屋、北に20畳の工作室と北の迷宮の間の2部屋と南東の角に20畳の東の迷宮の間がある。2階同様に1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。3階の階段のすぐ前の16畳の部屋がアトリエになっている。 2ヶ所ある階段は玄関に近い中庭の西北角のみ4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置と自由に使えるフリーホールになっていて、南側に屋敷守達の控えの間の南の迷宮の間がある。天井の高さも他の階と同じだけあるが窓がないつくりになっていて、4階だけ外から見ると屋根の色になっているので遠くから見ると3階建てに見えるが実際は地下2階地上4階の6階建てになる。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは1メートルの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は屋上の平面から5メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の南東の20畳の部屋と、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する20畳の部屋、2階の中庭の南西に面した16畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると手前にそれぞれの部屋の半分の共同の応接や居間的スペースがあり、奥のドアを開けると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれている。従来は奥の部屋の中心の部屋の前の廊下に外へ続く出入り口があったが、今後は見取り図で上から見たときに左下の隅の部屋を起点としてその前の廊下のドアが共同の応接や居間的スペースとの出入り口になる。そして起点の左下の部屋が1条1丁目になり、左下の右が1条2丁目、右隅が1条3丁目となって、起点の左下の部屋の上が2条1丁目、その上が3条1丁目になる。入って右と上へ数字が大きくなってくのと内部のさらに9つの部屋は例えば、1条1丁目の1番目の部屋であれば、1条1丁目の1の表示で9番地まである。 内部の奥の部屋のドアを開けた正面の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された60センチ四方の銀のプレートがついている。 現時点では 北の迷宮の間 奥方衆の間 12 国見つかさ、鏡剣、宮本一、菅井佐知、井伊直也、橘夏希、橘夏芽、藤咲麗 小幡真理子、阿倍佳奈子、井伊直樹、菅井佐紀 東の迷宮の間 身内の間 9 息子美喜、息子の嫁の中務香奈枝、孫の明伸、娘の綾乃、弟の十琉、妹の理美 木村聖一、木村聖二、木村京 西の迷宮の間 大親友の間 19 尾崎儀一、香川諒子、尾崎晁堊、今野浩之、佐藤優二、山田直子、林京子 今野千光、大島玲仁、高城ハル、寺島小百合、仲串勝美、武田詩織、武田香乃 風間了、金井恵一、香取恵、日生篝、仲串勝代、 以上40人が同居して父と母と私の合計43人が完成した新家の本宅に住んでいる。 上記詳細の家の玄関から家の中に入り、普通より底が厚い黒のコンバースのバスケットシューズを脱いで、キュービズムの絵の裏の靴箱部屋の自分の靴箱のエリアにしまうと3階の自分の部屋まで階段で上がっていく。 ドアの室内側の上には自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られて掲げられている。276番の夢で確定した自分の部屋は光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれ、内部は南北に縦長の24畳の部屋が機能的に縦長の6畳単位で4つのブロックに整理されている。 南西の6畳は南の壁の西寄りにドアがあり、ドアの東側に縦に畳1畳分の大きな鏡がある。 応接セットの中心には以前と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっていることがよくわかる、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。応接セットが置かれていて西壁は全て3メートルある天井まで造りつけの本棚になっていて、一部スライド式になっている。 北西の6畳には1畳の広さの黒のスチールの机が置かれていて、両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の天板には緑の下敷きにガラスの板が置かれ、左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。この椅子は同じ型のものがもう一つ窓の下に置いてある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで、東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきのL字型の飾り棚兼用の作業台がある。この作業台の上の西側の壁側には、テレビとビデオデッキとテレビゲーム機とミニコンポが置いてある。 南東の6畳は南の壁が東側の窓の壁までがクローゼットになっている。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットが西側の鏡の裏までの広さになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっていて応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北東の6畳には北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドが置かれ、南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北側の窓は従来通り北側の中央部にひとつある。ベッドのある北東の6畳とクローゼットのある南東の6畳の間には畳1畳分の大きさの高さ60センチのローチェストが間仕切り代わりに東西に置いてあり、部屋の中央寄りに幅90センチ奥行き50センチ高さ50センチの水槽が設置されていて底に白い石英の砂が5センチ敷きつめられている。 新しくなった自分の部屋に入り休んでいるとノックの音がしてドアが開き、メガネを賭けた細身で丸顔で目がくりっとしてかわいい顔をした、郵便配達の制服を着た男の子が私宛の郵便小包を届けてくれる。7番の夢のふくろうくんであることは胸の天翔福のネームプレートを見なくてもわかったが、「珍しいね」というと、にこっと笑う。小包を受け取って受領印を押そうと引出を探すがハンコが見当たらなくて舘聡勇雅の雅号印で間に合わせるが、舘の口の部分が3ヶ所ともはっきり捺せなくてまいったなという表情をしていると「受け取ってくれたことがわかればいいんですよ」と笑って受領書を回収して背中に背負った配達用のカバンのポケットにしまうと、ドアから出て行くので今日はどうやらこの本宅の中の配達をしているらしいことがわかる。 いろいろ考える事がありダイニングに集合しているであろう家族全員に提案することもあり、部屋を出て1階のダイニングに入ると、55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の宮本一こと葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、131番の夢の橘夏希、143番の夢の橘夏芽、266番の夢の藤咲麗、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の阿倍佳奈子、277番の夢の井伊直樹、277番の夢の菅井佐紀、66番の夢の息子美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、1番の夢の木村聖一、1番の夢の木村聖二、212番の夢の木村京、3番の夢の尾崎儀一、169番の夢の香川諒子、22番の夢の尾崎晁堊、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、130番の夢の今野千光、55番の夢の大島玲仁、101番の夢の高城ハル、14番の夢の寺島小百合、81番の夢の仲串勝美、55番の夢の武田詩織、280番の夢の武田香乃、162番の夢の風間了、44番の夢の金井恵一、49番の夢の香取恵、55番の夢の日生篝、152番の夢の仲串勝代の40人に先日結納の儀と婚姻の儀を同日におこなうという前代未聞のスピード結婚でめでたく仲串勝代と夫婦となった280番の夢の玉垣勝典が同居決定となり、全員から祝福されている姿が見える。 私の姿を認めるや否や、仲串勝代と玉垣勝典の2人が駆け寄ってきて「ありがとうございました」と最敬礼をしてくるので、顔をあげさせて「末長い幸せを祈ってるからね」と言って2人の肩を軽くポンポンと叩くといつもの国見つかさと鏡剣の間の自分の席につく。少しダイニングを見回してから「今日はね家族だけだけど、ここから見るとすごい贅沢な風景だよ、これに藤丸竜也さんと玉川和典と藤本の白姫が座っていると金蓮20家そろい踏みみたいなもんだからね、それと軍と経済と教育学術の半分を動かしているメンツが揃ってるのもすさまじいなということで、実は全員に相談ごとと提案が4件あるので今から順次申し上げるので検討してほしい」と一呼吸置くと全員が身構える。「まず、ひとつめは今日はふくろうの福くんが人の姿でこの本宅内で郵便配達しているが、ここには各家の総帥が30人からいるわけで裁可状の発行や雲の上からの連絡も相当ある、それとこれは二つめの提案とも関連するが、金蓮20家の事務と財務処理と菅井の桃鳩財閥の経理を武田詩織が現在一手に引き受けているが、無理がかなりあるとみているので、専用の郵便局と事務室を置きたいと考えているのと専任スタッフも置くことと合理的な運用方法を考えている。まずはこの二つと、三つ目は置くべきだと思っていたのだけれども簡単な入院設備とレントゲン設備を備えた医務室の設置、四つ目は家全体の管理をここにいる人間だけでまかなうのは無理があるし、それぞれに秘書というか従者というか付き人というか俗に言う使用人が必要な状況になっている昨今なので、人型のコンピューターの執事とアンドロイドというか自動人形の使用人で賄いたいという提案」と一気にいうと、その場の全員から「「ほーっ」」とため息が上がる。まず最初に風間了が医者らしく「医務室設置の件は賛成ですね、進言しようと思ってましたから丁度よかったですよ」というと何人かからも賛成の声があがるので「2階の西の迷宮の間の西の8畳の二部屋をあわせて16畳として医務室に改装する ことにする」というと武田詩織と今野千光からは、「ここに事務室と郵便局があると便利だがいいのか」と遠慮がちの声が上がるので、「設計したけど誰も使わない二階の20畳のダンスフロアが隣がちょうど応接間だし改造して総合連絡事務所にしたほうがいいと思うのと、スタッフなんだけども55番の夢の和泉理司と110番の夢の珠洲紫音と110番の夢の佐々木琴音が浪人しているが事務系と参謀系の才能があるのでどうかというのとキヨシとリミがね仕事したいということなのでどうかという事だね」と私が提案すると、武田詩織が「そうねえ、いいかもしれない、それでお願いしちゃうかな」というと「異議ないな、結構機密的なこともあるから金蓮の幹部クラスの身内だけの方がいいな」というので、尾崎儀一と今野浩之が「賛成だね、何かと金蓮内部の横の連絡や決済もあるからいいね」と賛同するのでこれも決まる。郵便局については2階の螺旋階段近くの8畳に全員の郵便ボックスの設置と出す郵便物の集積ボックスと切手とハガキと封筒の準備室として、ふくろうくんの負担軽減と特殊な雲の上からの伝達や上奏などの配達のみ対象個人に配達というルールを全員で決定する、ついでにこの部屋がふくろうの福くんと幸ちゃんの正式な控えの間になる。国見つかさが「コンピューターだかアンドロイドの執事と使用人てなんです」とその場の全員を代表する思いをこめて聞いてくるので「かなりね悩んだんだ、生身の人間使うといろいろ問題があるので、ここにいる全員が自由に気兼ねなく使えて、家の掃除とメンテナンスについてはも半分自動的にできるようにということで考えたらアンドロイド50体とまとめ役の執事の人の形をしたコンピューターが一番だということで、実は用意した」というと全員驚くが、そのまま「安藤総司、以下これへ」と私が一声あげるとダイニングの入口に黒服姿の美しい顔立ちの青年を先頭に5列10人合計50人男性型25人女性型25人の合計51人の平均身長170センチのアンドロイド集団が整列したので、ダイニングの全員が驚愕のあまり沈黙する。「まず先頭の左ほほに0番の数字があるのが執事役の人型コンピューターの安藤総司で以下奇数が男性型で偶数が女性型でそれぞれ25人づつ全員左ほほに番号がはいっていて、今は味気なく安藤1号から50号までの番号が名称になっているが番号にちなんだ愛称でもいいし、運用方法しだいになるが特定の個人専用付きの場合は好きな愛称を設定登録できるようになっている。まあセンスのない話しで申し訳ないがアンドロイドということと金蓮にも玉泉にも銀峯にも騎士団にも安藤の姓がないことを確認できたので、アンドロイド使用人集団の統一名称を安藤と表記することにしました、いかがでしょうか」と少し自信なさげに言うと。かなり長いことダイニングに沈黙が流れたあと、なぜか玉垣勝典が挙手をして発言をもとめるので全員が注目する中発言を促すと、立ち上がり「僕は賛成ですね、生身の人間が使用人というのはとかく問題を内部にも外部にもおこしてきた事例は、恥ずかしながら玉泉21家においては数千年にわたりスキャンダルネタをマスコミに提供し続けてきたという負の実績がございます。また安藤の姓を機械人形に与える事は賛否両論あるかと存じますが、単なる愛称だけならただの道具です、しかしわざわざこれほど美的な容姿の人の形にしたということは、そこに人間愛をもたせ、ただの使役道具で終わらせず、血の通った魂の触れ合いはあってしかるべきという、使用者である私達にも人としての責任感と倫理感を持つべきであるという戒めを僕は感じました」と言って一礼して座ると、いつのまに来ていたのか「すばらしいわね」 「まったくだ、これほどの識見がある者はなかなかいないな、どうやら玉泉21家も没落せずにすみそうだ」と藤本由里江と80番の夢の玉泉川和典がアンドロイド集団の脇から現れて言うと、 「これほど見事な見解を聞けるとは思っていなかったし、負けたな」と私が立ち上がって言い、玉垣勝典に拍手を送ると全員から拍手がまきおこる。仲串勝代の横では言った当人の玉垣勝典が顔を真っ赤にして嬉しそうにしているのを仲串勝代が惚れ直しましたという目つきで見つめている。 「では、運用については追って、検討したい、総司ご苦労様、全員休んでくれ」と私が言うとアンドロイド集団51人が一斉に一礼すると消える。「ところで玉さんとお藤さんはどうしてこちらへ、何か事件でもありましたか」と私が問うと「いやねえ、昨日の結婚式で儀式はだいたい終わったし、菱関も国見も紫藤もほぼもとどおりだし」と藤本由里江がにこやかに言い、「それに雲の上の騒動もおさまったし、そろそろゆっくりできるだろう」と玉泉和典も穏やかに言うと藤本由里江が「そういうことで、ゆっくりお話しもしたいし、あそびにきたのよ、アムランあんたも緊張感持ち続けるのはいいことだけど、そろそろ休むのよ」と言って私の後ろにまわって肩をぐりぐりするので 「わかりました、まったくやることが突然なんですから、でもなんか、こうなると藤」と私が言いかけたところで、 「あー、遊びにきたが、いいかねー」とひげくまこと藤丸竜也がのっそりとダイニングに入ってきたので全員の目が丸くなる。 屋敷守千晶四天王も現れ、父と母も混じり、一旦席を造り直し、金蓮花達のいつものクリスタルの水槽も設置され、全員の前には飲み物とおやつと軽食が用意されている。 話題は昨日の仲串勝代と玉垣勝典の結婚式の話になっている。 「婚約の儀後見役が玉泉和典と千晶満知瑠で媒酌人が千堂家当主夫妻、来賓あいさつ千華家当主ときたら派手だったな」と父が言うと、「うちの玉泉21家の連中の茫然とした顔は見苦しかったが、少しは天狗の鼻もへし折れたみたいだから俺個人は留飲がさがってるな」と玉泉和典がけっこう過激なことを言っているので、私は苦笑がでるが、国見つかさまでが「カヨちゃんを落としめる発言や態度をとってきた方々にとってはいい薬になったでしょうし、私も留飲さがりました」というと「まったくだわね、あたしにもたかが看護婦風情がと言ってた方々がぺしゃんこになっているのは見ものだったし、カヨちゃんの介添え役もできて楽しかったわ」と藤本由里江がにんまりとするので、苦手意識のある者達はびびっているのがわかる。 藤丸竜也が苦笑しながら 「それにしても千堂さんだけではなくて千華さんもカヨちゃんのファンとは知らなかったな」というので、私が「カヨちゃんファンは料理だけでなくて立ち居振る舞いを含めて結構、粋と通の間では大物の隠れファン多いから、今回の結婚の儀も祝儀が半端でなかったからな」というと、武田詩織から「人間だけでなくて白象一族からもきてましたからねえ、お忍びで行っていたんでしょうねえ」とすごいわねという感嘆の声が出る。 「白象一族というと美的な審美眼もかなりなものだし、グルメで有名だからな」と玉泉和典が言うと菱関の総帥である今野浩之が 「そういえば、玉泉さんうちの屋敷守のシャール君も言ってましたが、白象一族の墓所の霊廟を頼まれているそうですね」と言うとダイニング中の興味と好奇の目が集まるので、 「縄張りは瑞仙に案内してもらって白象皇立ち会いで決めて大体の設計と装飾は決まっているんだが、材料集めが難航している、特に杉の千年木が200本いるのと埋没根の塊のいいのがなくてね、時間がかかりそうで少し難渋している」と玉泉和典が少し、まいったという風に言うと、今野千光が 「杉の千年木200本でしたらちょうどありますよ」と言ったので、玉泉和典が驚いて「どこにそんなにあるんだ、やっと20本そろえるのにも苦労しているんだぞ」というので、 「玉さん実はこの間、武田の金蓮花の養い池の大掃除にいったんですが、そこの周囲が2000年ほったらかしの杉の大森林で千年木どころか2000年木まで1000や2000できかないだけ生えてましてね、御存知のように杉って腐って倒木しやすいので、湖の中もめちゃくちゃだったんですよ、浚えたらえらいことになりましてね」と私が言うと、続けて尾崎儀一が 「山返しで湖の中の底の得体のしれない杉の根やら何やら半端ない量でたぶん街のひとつやふたつできるだけの材木の量はありましたね、とりあえず菱関の空き地に移動させて天日干ししてから肥料にするのに焼く予定ですよ」と苦笑しながら言うと、 「ちょっと待て、その菱関の空地のは燃やしたのか」と血相を変えて玉泉和典が訊くので、今野浩之が「まだです、乾燥するのに半年かかりそうですから、まだまだそのままですよ」というと 「はーっ、助かった、埋没根のいいのが絶対あるぞ、しかしとんでもないところに宝の山があるもんだな、武田の養い池の森では立ち入り禁止の聖域だからな、2000年放置していたって」と少しあきれた声をだすので、武田詩織が「玉泉川様が必要でしたら、どのみち山自体も手入れまだこれからなので、御自由に必要なだけ切りだして下さって結構ですよ」と言うので「それは助かる、武田の総帥の配慮に感謝する、それと光成、200本ってのは今野で使うのに用意したものではないのか」と玉泉和典が今野千光に確認すると「いえ、武田家の金蓮花養い池といっても結構広い湖なんですが、岸辺を整備するために伐採した時に出たものをまだ乾燥させている段階ですので、気に入ったものがあれば今野本家の資材原から御随意にお持ちください」と密かに師匠と慕う瑞峯に対する敬愛の口調になっている。「ふむ、材料をみてみないとわからないが、予定が変わっていいものができるかもしれない」と玉泉和典が瑞峯の顔になって言うので、「あらあら、楽しみが増えたわね、あたしもたまには、瑞峯の仕事しているところをじっくり見てみたかったし、このあいだの瑞仙との息のあったコンビネーションは神業だったものね」と藤本由里江がいうので「まあ、いいだろう、息子にも父親の仕事ぶりは見せておいた方がいいしな、それと菱関のところのは早いうちに見て確保しておきたいな」とさらりと玉泉和典がいうので「でしたら、この本宅の玄関の噴水と東屋の絵から中に入って右側の東屋が菱関の金松光翔樹の森の中の東屋につながっていますので、すぐに行けますよ」と私が爆弾発言をしたものだから、その場の全員が「「ええーっ」」と驚愕し、屋敷守千晶家四天王もクリスタルの水槽の中の鵬蓮や凰蓮達まで驚くので説明の必要があると感じたので「みんなかなり驚いたと思うけど、ドラえもんのどこでもドアというわけにはいかないけれども、決まった地点どうしを時空間を縮小して固定する技術が完成してね、玄関のあの絵からまだ3個所だが時間を浪費せずに、空間移動能力がなくても移動できるようにしてあるんだ、なんせこれだけの人間が住んでいて、ここから自分の本宅や仕事場に行くのは大変だと思っていたんでね、順次つなげていくつもりだから。あの絵は一種の迷宮の間のようなもので、分岐点のホールと廊下の役割をしている、霊的なフィルターの空間になっているので、魔物は一瞬で浄化消滅してしまうし、あの中ではいかなる武器も魔法も使えないし、たとえ喧嘩でも筋肉勝負しかできないから、おそらくあの中で喧嘩したらサチに勝てる奴はいない」と菅井佐知の方を向いて拳を掲げると、菅井佐知が肩をすくめて呆れたような感心したような表情をする。「よかったら、玉さん、ヒロとギイ連れて見に行ってすぐもどれますよ」と私が言うと「それはいいぞ、浩之君と儀一君悪いがつきあってくれ」と玉泉和典が言うと尾崎儀一と今野浩之が「ええ、行ってきましょう」と言って出て行こうとするので「3人とも靴を絵に当てると中に式台がある場所になるから、そこで靴を履いたら菱関の東屋と同じ形の東屋が右側にあるからそこに入るとすぐです、戻るときは東屋の中心で天井に浮くと戻ります」と言うと3人ともうなずいて出て行く。 「ナンカ、すごいってか、まだナンカしかけあるんじゃ」と葉山託生がジト目で私のほうを見るので 「まあね、少しずつ紹介していくよ」と私が笑いながらいうと、屋敷守千晶家四天王からも「絵のしかけは我々も気づきませんでしたね、それにしても風水と霊的防御も凄まじいが、これだけこじんまりとまとまっている建物なのに巨大な城塞の中にいるような安心感はすごいと思う」と少年の姿の割には年長者でもある、276番の夢の石晶伯のイリヤが驚きと感嘆のため息をもらす。 「毎日いろいろなものが増えて、ますます難攻不落というか安全な場所に成長していくところが、家自体がまるで生きているようだ」と255番の夢の万里眼の銀狐の玲也も言うので 「その通りだね、生きているというのとは違うが、私や私が依頼した者達の技術で日々成長しているのは事実だね、これでもまだ未完成だよ、もっと安全に、もっと便利に、もっと楽しくが一応合言葉さ」というと 「アムランらしいわね」と藤本由里江がうふふという感じでいう。 金井恵一が「そういえば図書室はありますが、美術室というのかギャラリーは回廊ですか」と訊いてくるので 「まあ、ギャラリーは回廊だけどもね、十琉が博物館みたいな部屋あるといいねとも言っていたので、実は美術館博物館が絵の中にあるんだが、気がついたかい」とその場の全員に謎を掛けると全員「!?」という雰囲気になるが、「まさか、あれっ」と紫藤聖四がダイニングの私の席の後ろの絵を指さすと、そこには金井恵一が勤務する博物館図書館そっくりの建物が森に囲まれて建っている絵がかけられている。畳1畳ほどの横に広い絵のためにまさかこの中に入れると思っている者はいなかったらしい。「キヨシ、おまえ本当にいいカンというか見る目あるな、正解、あとでみんなで行くけどね、この建物は金井のケイはよく知っている建物のレプリカを中身だけ改造してある。中は美術館と博物館と図書館になっている、資料価値の高い本や本宅の図書室に収蔵できなかった分があるし、十琉の大好きな化石もたくさんある。あとは見てのお楽しみだが、戦災で焼失した美術品とかね意外なものが資料もふくめて沢山あるよ」というと「すげーな、泥棒は絶対侵入できないよな」と大島玲二が感心したように言うと 「もしかして、これ、紫藤の初代の絵の中に金蓮花を隠した業じゃ」と今野千光が叫ぶので 紫藤聖一と聖二が仰天する。「全くそのとおりで、ちょっとしたきっかけでできるようになったんで、便利だよ、まあ本気でこれだけの大家族と自分の趣味を完璧にまっとうする建物を作ろうとしたらベルサイユ宮殿かシェーンブルーン宮殿を10個造営したって間に合わんし、100キロ四方の敷地があったって足りゃせんよ、そこを機能的にコンパクトにまとめるとなるとこうなるという見本がここのつもり」と一気に言うと場がシーンとなってしまう、しばらくの沈黙のあとで 「やっぱりスケールでかいよ、このヒト100キロ四方の敷地にベルサイユ10個って想像つかないよ」と葉山託生が呆れたのともう尊敬するしかないという半々の声で言う 「ホントはよゆうで10キロ四方くらいにはしようかなと思っていたけど、いろいろ考えて現在の規模にまとめたのさ、農場がないだけコンパクトにできたってことさ」と私がいうと 「ちょっとまて、どっかに農場の絵と畑と水田の絵あったぞ」と風間了が叫ぶと 「あー、あったよね」と菅井佐知も叫ぶ 「港の絵もあったよね」と鏡剣 「倉庫の絵もあったわよ」と金蓮が言う 「飛行場の絵もあったわよね」と香川諒子 「あっ、湖の岸辺に城の絵もあったね」と仲串勝美まで言い 「大広間のような場所から二階へあがる湾曲した二つの階段が描かれた不思議な絵もあったし」と林京子が言うと「不思議といえば、あれマグリッドのピレネーの城の絵もあったわよね」と中務香奈枝が言うと「それは図書室にだったわね」と国見つかさが補足説明的に言うと、全員何かおもいあたるぞという風に考え込んだあとで私の方を一斉に見るので、やっばりなんだかんだ言ってもこいつらめざといと思って内心苦笑するが 説明しておこうと思い「全員正解、今言った9枚の絵は空間を封じ込めてある。農場と畑と水田と倉庫の絵は約600キロ四方の空間の広がりがあって、それだけの生産物があるし保管してある、万が一のことがあった場合けっこうな数の人間と動物が養えるよ」というと、全員スケールの大きさに絶句してだまりこんでしまう。そこへ「いや、助かった全ての材料がそろうし、これから先何か作ろうと思ったら不自由しない」と喜色満面の玉泉和典が尾崎儀一と今野浩之を従えてダイニングにもどってくるが、なんとなく場の雰囲気が奇妙なので、尾崎儀一が「なんかみんな驚いているようだが、アムランまた、爆弾発言したのかい」というと、尾崎晁堊が「兄さん聞いて下さいよ、この家とんでもなく広いし莫大な財宝を抱えた場所だってことがわかってみんな驚いています」ともう言葉もでませんという風に言ったので、尾崎儀一が「そうかもしれないな、建物はこれは一般的な建物としては個人の住居として見ても広いが、実際はそんなに大きいわけじゃないが、迷宮の間の事を考えたら納得だがな、おそらく絵の空間に凄まじい広さの空間を封じる技術があるとしたら、宇宙すら所有しているんじゃないかなって思うことがあるよ、このごろ思うようになったけど」というと、玉泉和典が続けて 「そうだろうな、無限の空間と時間を自由自在にあやつる奴の家だからな、1000キロ四方の牧場を絵の中に封じてあるって言われても驚かんな」とさらっといったので、 「はあー、やっぱり似たものどうしね、スケールは誰が大きいのやら、かなわないわね」と藤本由里江が肩をすくめて言ったので、今野浩之が 「なんですか、この家にはあちこちにいろいろなモチーフの絵が掛っていますけど、全部空間を封じてあるんですか」と私にではなくダイニングにいる人間全体に向かって問いかけるので、 「全部の絵がそういうわけではないけれどね、広大な空間を封じて自由自在に使えるようにしてある絵があるのは確かで10枚ばかりみんながその絵を探し当てたのさ」と私が言うと、玉泉和典が 「やっぱりそうだったのか、しばらく見ていると歪んで見えると言うか呼吸している絵があるから、なんかしかけがあるんだろうとは前から思っていたけどな、牧場の絵は本当にあるし、畑と水田と倉庫の絵もあったし、あとは湖と港と空港と滝と機関区とオベリスクの絵がそんな感じだな、この部屋のアムランの後ろの絵と図書館のマグリッドの絵もそうなのかな」とさらっと言ったので、またもや全員が「「さすがアムランの筆頭大親友」」と称賛のまなざしを注ぐ。 「いやー、瑞峯の兄さんは流石に目が肥えている、全問正解ですよ、まだあと数枚あるんですが、意味がわからないような絵もありますのでね」と私がにやりとして言うと、 「うん、あと3枚ばかりわけわからん絵があるが、大広間のような場所から二階へあがる湾曲した二つの階段が描かれた絵と箪笥か扉なのかわからない絵と砂浜に貝殻の置いてある絵が一番わからないな」と玉泉和典が真顔でいうので、 「慧眼恐れ入りました、それで今のところ玄関の絵をいれて全部です、もう少し増えますけどね」と言うと 「やっぱりそうなのか、だけど本当にあの3枚だけはわけわからんな」と玉泉和典が首をひねって解説してほしそうにしているので、 「3枚の絵のうちの箪笥だか扉だかわからない絵はそこにある小さな絵ですが、実はこれ同じものが菱関の西に移築した通称迎賓閣と呼ばれている旧宅のダイニングにもあるんですよ、つまりこの部屋と向こうのダイニングを自在に行き来する連絡通路なんですよ、目立たないように暗い色彩にしてあるのとA3サイズと比較的小さいのでわかりにくいですが両開きの扉です」とダイニングの入口の横に架かっている絵を指さして説明すると全員「「ほー」」と驚く「使い方は靴を持った状態で触れば移動できます、お父さんとヒロとユウ君と林のケイと山田のナオっちは便利だと思いますよ」というと「ほんとだね、ということは菱関の敷地とここは2ヶ所で自在に行き来できるんだ」と佐藤優二が感心したように言う。 「大広間のような場所から二階へあがる湾曲した二つの階段が描かれた絵は屋敷守専用です、まだ具体的に空間の調整が済んでいませんので、具体的な説明は完成するまで待って下さい」というと屋敷守千晶家四天王達が驚く 「最後の砂浜に貝殻の置いてある絵ですが、これは金蓮花専用通路です、金蓮20家の全ての養い池を自由に行き来できるようになっています、画面は一見砂浜に見えるけれども水の中です、この絵だけ一階の風呂場にあるのは、水が漏れることもあるからなんですよ、やろうと思えば砂漠のど真ん中にこの絵を持って行って傾けるとオアシスを出現させることは簡単です」とさらっと言うと、鵬蓮が「すごいな、無限の水甕か」と驚くのと金蓮花の子供達が喜んでいる。 説明の後、全員が驚きと納得はしたけどまだ信じられないという顔をしている。 「じゃあ昼飯にして、そのあと、私の後ろの絵の中の世界に全員ご招待いたします」と言うと今日の昼食の準備は先ほどのアンドロイド軍団のうちの女性型の10人が一斉に秩序正しい流れるような作業であっという間に全員の昼食を用意してしまうので、全員あっけにとられている。いつものごとく十琉の「いただきまあす」のあいさつで食事がはじまる。玉泉和典が 「瑞仙、武田の養い池から浚えた古材木だが、すごいな、根っこやいい具合になっているものがあって細工に不自由しないぞ、半分は使えないが半分は使える」と目を輝かせていうので、 「それはよろしゅうございました、瑞峯の兄さんが使えると判断したものは絵の中の倉庫がいくらでも空いてますので、保管場所は大丈夫ですよ」と私が言うと、 「それは助かる、使えるものは乾かして全て保管したい」と言うので藤本由里江が苦笑している。 「それにしても、瑞峯の兄さんはともかくとして、なんだかんだで結構みんなよく見ているもんだ、さすが金蓮20家の人間は違うなとスープをすすりながら」私が独り言のように言うと、金蓮が「いつのまにこんな空間を自由自在に切り取って封じ込める技を身につけられたんですか」と訊いてくるので「やっぱりね時空間移動能力に磨きがかかってきたというのと、単独で移動するときに結界を張って移動できるようになったんだが、その結界自体を物質化できるようになったのが、きっかけだね」と言うと、 尾崎儀一が「結界を物質化ですって」と驚く 「うん、単純に物質化するだけではなくて、反物質や中和物質に自由自在に変化させられるようになったことがきっかけでね、シュワルツシュルドの壁とかエターナルの光とか古くラフレシアの冠とかラフノールの鏡とかノインのプリズムとか言われている技術というか能力だね」というと、聞いていたらしく金井恵一が 「確か紫藤の初代って超人と呼ばれるほどの存在でラフレシアの冠が作れたというか出来たという古文書の記録がありますが詳しい内容まではわかっていなかったんですが、空間を小さな何かに封じ込める能力の事だったんですね」と訊いてくるので「そのとおりだね、私もやっとこのレベルに到達できたってことだね」と言ってご飯を一気にかきこむ。 全員が食事を終わり食事のデザートとお茶が終わる頃をみはからい 「では、千晶家総合科学博物館へご案内しますが、今回は靴はいらない、このあと全員式台石の上に直接立っているから、サンダルを用意してあるからそれを履いてついてきてくれればいいから」と言ってポンと手を叩くと全員森に囲まれた芝生の中にある黒御影石のステージのような式台石の上に立っていて、前方の建物の方に人数分の緑色のサンダルが用意してある。後を振り向くと空中に畳1畳を横にした空間が切り取られていて今まで昼食をとっていたダイニングが見えているので何人かが驚いている。式台石と正面からみると三角形の形をした博物館図書館によく似た建物との間には高さ10メートルの巨大な水晶の六角形の結晶が立っていて、正七角形の形をした時計がついている。50人近い人数で建物の内部に移動すると広いホールがあり、ホールの中央には4つの螺旋階段が正方形の頂点に位置する配置で3階吹き抜けのホールを威圧している。 金井恵一が「うちの博物館図書館に似ているけれどもっと広いし、大きいし、あの中央の螺旋階段はまるでロワール城の螺旋階段みたいだ」と言うので「流石だな、あの螺旋階段はロワール城のデザインをもっとシンプルに拡大したものだよ」と言うと「やっぱり」と金井恵一が納得する。「ちょっと説明しておくけれど今入ってきた正面入り口を背中にして右が図書館で左が博物館で2階が美術館で3階が研究室兼展望室になっている。ちなみにここの1階は普通の7階分の高さがあるので、3階とはいえども実質21階建てになる。収蔵庫は地下30階まである」というと全員絶句する。「駆け足だけど図書館にいって博物館に行って美術館に行って展望室で休んだら戻る。まず図書館の巨大な本棚に驚き、博物館の豊富な化石や民族資料と機械や植物標本に全員興味津々で生物標本室と医学標本室は入口のみで勝愛して2階の美術館では戦災で失われた秘宝の数々と特に陶芸品と漆工芸品、日本画の掛け軸と屏風の美しさに全員がため息を漏らし、アヘン戦争で焼け落ちた清の円明園離宮に存在した数々の秘宝には感銘を受けているようである。 「すごいな、あの窯変天目茶碗なんて信じられない美しさで無傷だぜ」と意外と器を知る高城ハルが興奮するのと「郊壇官窯の青磁の壺の繊細さよ」石晶伯のイリヤが感嘆し、葉山託生が「蘭亭の序のホンモノが見れるなんてー」と感涙に咽(むせ)んでいる。 全員が最上階の展望台に上がると森に囲まれた建物の全貌がよく見えるのと360度の地平線まで森が広がっているのが見えて驚く。 「ここはね、私の宝物蔵というよりは研究所で兵器の研究もしているので、当然とんでもない兵器も周囲の森にはあるので、まあ、かなりの軍事力がないとここを攻め落とすのは難しいだろうね。兵器だけでなくて、ここの森は単なる迷いの森ですまないくらいの時空多次元迷路になっている。それとここにあの絵から入る時は、実は通行手形が必要で、それは腕時計の形をしていて、さっき見たと思うけれども、水晶の柱に時計がついていたが、その時計が示している時間に通行手形の腕時計の針をあわせると入れる。ここから出るのは簡単、あの式台石に立ってダイニングの空間に触れればもどる、通行手形の腕時計はもうすでに全員がしているのでそのままもっていていいから」というと全員驚く 「ついでにその時計お守りになっているからなんかあったら、救援部隊が自動的に出動するから、まあどういう風に管理するかは自由だから」と私が笑った瞬間に全員ダイニングに戻ってそれぞれの席についている。金蓮花では完璧な水衣(みずころも)の術が使える鵬蓮と凰蓮だけしか完全な人形をとれないので腕時計はこの2人のみが所持している。 「あの空間の広さは凄まじい」と紫藤聖一が驚き 「建物の巨大さはこの家どころでないな、ついでに風水と魔法防御も完璧なのでないか」と尾崎儀一 「明るかったけど空は異次元っぽかったね」と十琉が言い いろいろな感想の会話が飛び交っている 尾崎晁堊か「そういえば紫藤も絵の中に空間が封じられていて、金蓮花の本体のいる養い池もその中にあるということでしたけれど、なんか不自然ですよね」といきなりいうので、 「アーサーどうしてそう思うんだい」と私が訊くと 「かなり以前ですが、兄さん達とアムランと聖一と聖二を救援に行ったときから感じていたんですけれど、庭がなくて建物だけというのが、不自然なんですよね、それにあの建物は、奇麗だけれどなんかうまくいえないけれど気に食わないんですよね」と言うので 聖一も「いろいろと騒動がかたづいたんですけどね、どうも本宅にあまりいたくないっていうのもあってここにいるというのが本当ですからね」と腕組みして言うと金井恵一も 「それは同感なんだよね、直江も必要な資料とか書類は全て自分の本宅に持って行って処理してますしね、ちなみに紫藤家の古文書とか資料は全てこちらにもってきていますからね」と言ったので、聖一や聖二よりも金蓮が驚いて 「えっ、うちにもちこんでいるの」とあきれるので 「聖一達が許可して番地部屋の3部屋潰して書庫にしてるんだよ」と相部屋というか番地部屋が一緒の今野千光が言うので「直江にも家へ来るように言った方がいいかもな」と私が言うと 「ぜひそうすすめてやってほしいですね」と風間了も言う。 「不自然といえば、あれほどの家というか本宅なのに屋敷守がいないんだよなあそこ」と藤丸竜也がいうと、 「あ、なるほどそれで不自然なのか」と今野千光がはたとひざをうつ。 「いや、それだけじゃない」と高城ハルが言いだしたので、「ハルもそう思う」と聖二が言うと 高城ハルが考えながら語るのは「今回、紫藤の一門衆として藤江家の総帥になったので、本宅の見学をしたんですが、本宅の周囲の建物の配置が牢獄の監視塔のようなんですよね、本来本宅が一番高くなければいけないのに周囲の建物の方が高いのと、周辺の土地が荒れ放題というか一見放牧地に見えるんですが、水はけも悪いし風水も決してよくないですからね、藤御三家の隆盛を極めた家にしては庭がないのと紫藤の由来は紫色の藤の花からと聞いていますが、本宅のどこを探しても藤に関わるものが何もないのが不思議ですね家紋も藤にしては変だし、デフォルメにしても妙なんだよな」というので 「それは直江もかねてから言っていましたし、黒松先生も不思議がっていましたからね」と聖一が言うと、少し葉山が嫌な顔をするのがわかる。 「僕も前に不思議に思ったのは紫の藤の花というか木ってどこかにあるのか探してもわからなくて、アムランに尋ねたことがあって、紫藤の本宅にはないけど藤丸家の養い池の中島にあるというので、竜也さんの許可をいただいて実地調査に行って初めて確認したくらいですからね」と金井恵一がいうと、 「そうだね、うちの養い池の中島に、なんであるのかまでは知らないんだが、ものすごく濃くて美しい紫色は他にないだろうね、藤本の庭に近い色合いの藤があることはあるが、やっぱり薄い色だね」と藤丸竜也がいうと、 「そういえば、そうね、薄いといってもうちにある藤のなかでは一番濃い紫だけどねえ」とあいづちをうつ。 そこまでの話しを聞きながら 「うーん」と私が顔をしかめながらうなるので 「どうしたんです、具合でも悪いんじゃないんですか」と隣の鏡剣と国見つかさが同時に同じ事を聞いてくるので 「具合悪いんじゃなくてね、具合の悪くなるような真相を思い出して、どうしようか迷っているんだよ、今日はこのあと親睦会で楽しくやろうと思ってたんだよなあ、これ言っちゃうと大ごとでね、金蓮20家挙げての大仕事になってしまうんだよなあ、少しずつあんまり大げさにならないように解決したほうがいいと思っていたんだけどね」と私が頭を抱えると 「いいんじゃないのか、アムラン一人でやるより、たまには全員でやったっていいと思うけどな、そろそろ1人で抱え込むより分担することも大事じゃないかと忠告しようと思っていたんだ、だい一番に少しはおまえに恩を返す場もつくるべきだね」と玉泉和典がズドンと言う感じでいうとダイニングにいる全員からも「「そうですよ」」という声があがる。 「そうだな、お藤さんと母さんにはしょっちゅう言われているし、この間も真野美子からも同じことを意見されたんだよ」と私が言うと 「うっわ、真野さん大胆」 「いや当然」という声がちらほらあがるので。 「わかった、決断させてもらうが、聖一ちょっと紫藤の暗部がかなりでてくるんだが大丈夫かな、実のところ紫藤の恥の部分もかなりでてくるんでね、それでためらっていたのもあるんだよ」と言うと 「それはもう、全然覚悟してますよ、どの道、藤原のおかげで悪い噂ばかりでしたからね」と聖一が言うので 「うーん、呪いを解くということもあるから、恥のデメリットよりもむしろメリットの方がおおきいかな」と私が考え込みながら言うと、金井恵一が 「赤目伯爵伝説ですね、なんか魔物の呪いだとかいう紫藤家の因縁話しでしたら大丈夫でしょう」と言うので苦笑しつつ 「その通りで、カラーコンタクトをいれているからわからないけど聖一と聖二の目は呪いで赤いからね、聖四も少し赤みがかかっているけどね、ふむ、では全員手伝ってもらうし、解説する」というと、全員が姿勢を正しはじめる。 「紫藤家の詳しい事実は、古文書にも書かれていないのだけれども、このあいだ次元漂流蔵で偶然見つけた古文書に、とんでもないことが書いてあって、雲の上の図書館でも資料がないか確認したら、なくてね、かろうじてアカシックレコードで調べたらとんでもない事実が最近わかって、急遽カヨちゃんの結婚式の前日に紫藤の本宅を調べてみたら、凄まじい事がわかった」と一息おくと 「あっそれであの日夜いなかったんだ」とぼそっと国見つかさが独り言を言うのを聞き流して 「実は本宅の屋敷守は存在するのと、金蓮花は生きた屍状態になっていることが判明した、どっちも似たようなある魔道の禁呪の実験台になって現在にいたっている。ただし、返魂法とまではいかないが、かなりの外法であることは事実で、赤い目の呪いは、屋敷守の呪いでね、それも竜神の一族の呪い、金蓮花については枯死はしていない、決して状態はよくはないが、仮死状態だからなんとかできると、まあこういうことなのさ一番おおきい問題はね」というと 全員シーンとなるのと「「竜神を屋敷守にして実験台にした、そりゃ呪われるよな」」と人間からも屋敷守千晶家四天王からも非難の嵐になるが、目で制して続ける 「やったのは初代なんだが、今の状態にしたのは、藤原の3代目で、こいつが悪魔に魂売ってさらに悪い事になって、本来実りの多い大地のはずの紫藤の本宅周辺が荒れ野になって現在に至っている。元々は日本の北海道の函館にある五稜郭のモデルといわれているデンマークのクロンボー城とほぼ同じ形をしていて、もっと大規模でちゃんと庭も養い池もあったことがわかったのは、今朝資料が届いてようやくだったのさ、ついでに紫藤の紫の藤の行方と本物の家紋も判明した」と一気にいうと全員からため息が漏れる。 「すごいな、そこまでのことは、古文書には全然でていない」と金井恵一がつぶやくように言う。「そうだろうな、なんせ竜の怨念と悪魔との契約の二重三重の呪いだからな、一筋縄ではいかないし、風水の浄化も並大抵の方法では無理だが、一気にどうにかする方法はある」と言って喉を湿らすためにお茶を一気飲みすると。 「やりましょうよ」と金蓮が真っ先に叫び、藤本由里江まで 「これは金蓮20家の本当の総力をあげてやる事業だわよ」と叫ぶ 「順番と用意があってね、まず周囲の建物を撤去しなくちゃいけないのと、屋敷守の竜の解放なんだが、問題はこの怨念の呪縛の浄化なんだけどね、竜も赤竜だからね、こいつを抑えられるだけの竜といったら」と私が言うと 「青竜しかいないだろ」といきなりシブカジスタイルの二郎真君が現れて言うので、私も含めて全員驚く 「二郎真君、いつのまに」と私が驚くと「いや、実はね先ほどから遊びに来たんだが、深刻な話がはじまってしまってね、声をかけるタイミングを逸してしまった」とさらっというので 「えっ、遊びに来たって、そんなひまじゃないだろう」と私が言いながら立ち上がり、自分で私の席の前に二郎真君の席を用意すると、流石に国見つかさと寺島小百合と仲串勝代が慌てて台所にかけこんでお茶と軽食の準備をしてもどってくる。二郎真君がその席に座り国見つかさ達が配膳して、私も自分の席に戻ると 「まったくそのとおりで、青竜しかいないが、いかんせん特別な存在だ、四神の1人で最強の存在だからな、青竜はともかくとして、赤竜だけならまだなんとかなるんだが、蛟を13頭蠱毒の技で」と私が言いかけると今度は 「蠱毒ですって、しかも蛟っ」と中務香奈枝が絶句する 「流石だな、中務家の巫女姫殿は蠱毒を御存じか」と二郎真君が感心する 他にも蠱毒と聞いて、顔をしかめるものが何人かいるので、 「中には蠱毒を知るものも結構いるようだが、呪術の道具として共食いさせた生き物を使う禁断の技さ。よりにもよって蛟だからな、まあそれだけ紫藤の初代が天才だったかがわかるというものさ、土地が荒れているのはそのせいもある」と私がため息まじりに言うと 「でも、やるつもりしていたんだろう」と二郎真君が言ったので 「最悪、金蓮花だけ救出して、古文書と持ち出せるものは全て持ち出して、あの本宅と周辺100キロ四方ごと封印することも考えていた、それが一番手っ取り早いからな、しかし」と私が口ごもると 「しかし、なんです」と二郎真君が促すので 「結局、自分の庭のゴミを他人の庭に捨てるようなもので、なんら根本的な解決にはならない」と私が瞑目してしずかに言うと 「流石アムランだな、見識と識見はどっかのアホどもが束になったってかなうわけがないからな」と二郎真君がふふふと笑いながら言うので 「からかいなさんな、どっちにしても単なる大掃除でなくて根本的な解決をしないと意味ないし、可愛い兄弟達も赤い目のままじゃ哀れだし、赤竜は捜索願が出て久しいしな、金蓮花についてはおそらく唯一の二倍体なんだ」と言うと風間了が 「二倍体って染色体が倍という、イネでいう、うるちともち米みたいなものですか」と言うので 「さすがだな、その通り、だから普通の金蓮花の倍以上の大きさで、能力も倍というか、天翔金蓮仙花とそう変わらない、たぶん狙って下賜させたんだろうな、金蓮花の能力まで識別できていた紫藤の初代はまさに超人だな」と私が首をふりふり言うのを 「それほどの超人だったのなら今まで存在していても不思議ではないだろうに」と玉泉和典が不思議そうに言うと 「数々の禁断の黒魔術というか、外法を使った者の末路は、栄耀栄華を一時的には極めるが、最後は返(かや)りの風に風化されて全ての存在が無に帰す」と私が静かに絶対零度の声でいうと、あたりがまさに凍てつく沈黙に支配される。 「はた迷惑なことに、術者本人が永遠に消滅するのは自業自得だからよいとして、負の遺産だけは残るのさ」と言ってから、全員ににっこり笑って 「まあ、人助けと竜と花助けとまだいろいろと助けられる可能性のある者達がいるんでね、それにこうして見ていると、これだけの能力と才能があるものがいるのでね、不可能が可能になると今回は思っている、一気にケリというか後始末してしまうさ、何度もいうけど手順さえまちがえなければ大丈夫なんでね、皆様のお力添えをお願いいたします」と立ち上がって一礼すると拍手がまきおこるので着席して 「準備に1ヶ月くらいかかるから、今日はね、もう気分転換と二郎真君もいることだし宴会にしよう」というと場がどよめいたところで目を覚ます。 No 0284 1989 平成元年 9月28日 木曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 206号室がある鉄筋コンクリートのアパートの隣の207号室のバルコニーから道路を眺めていると、アカシヤの溜川社長が向い側の料理店風居酒屋に入っていく姿を見てから、アカシヤのある側を見るとアカシヤが消えて空き地になっていて驚いていると場面が変わり、以下の室内にいる。 ドアの室内側の上には自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られて掲げられている。276番の夢で確定した自分の部屋は光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれ、内部は南北に縦長の24畳の部屋が機能的に縦長の6畳単位で4つのブロックに整理されている。 南西の6畳は南の壁の西寄りにドアがあり、ドアの東側に縦に畳1畳分の大きな鏡がある。 応接セットの中心には以前と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっていることがよくわかる、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。応接セットが置かれていて西壁は全て3メートルある天井まで造りつけの本棚になっていて、一部スライド式になっている。 北西の6畳には1畳の広さの黒のスチールの机が置かれていて、両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の天板には緑の下敷きにガラスの板が置かれ、左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。この椅子は同じ型のものがもう一つ窓の下に置いてある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで、東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきのL字型の飾り棚兼用の作業台がある。この作業台の上の西側の壁側には、テレビとビデオデッキとテレビゲーム機とミニコンポが置いてある。 南東の6畳は南の壁が東側の窓の壁までがクローゼットになっている。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットが西側の鏡の裏までの広さになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっていて応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北東の6畳には北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドが置かれ、南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北側の窓は従来通り北側の中央部にひとつある。ベッドのある北東の6畳とクローゼットのある南東の6畳の間には畳1畳分の大きさの高さ60センチのローチェストが間仕切り代わりに東西に置いてあり、部屋の中央寄りに幅90センチ奥行き50センチ高さ50センチの水槽が設置されていて底に白い石英の砂が5センチ敷きつめられている。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は110番の夢と同じボタンが黒の長そでの厚地のブルーのボタンダウンのシャツを着て、白地に首周りのVの字部分と袖に黒のラインが入ったベストを着て、シャツの左襟に黄色の四角い宝石のついた幅が1センチ長さ5センチの銀色のタイピンを留めている。黒のスリムジーンズに厚地のクリーム色のソックスをはいている。髪型はショートボブになっている。そのまま机に座ると結構厚めの手紙がのっていて、親展となっていて、厳重な封印がしてあるので、封を切ると、千帖家の当主からの手紙で、久慈の祝姫の情報の報告書になっている。内容は何者かに拉致されたらしいことまでは判明したが、行き先が次元の挟間のために捜索を断念したというもので、捜索できる者は限られているのとアムランにこれ以上の負担はさせるつもりがないので、このまま情報を封印するべきであるという雲の上の判断もあるという内容であったので、しばらく考え込むが、部屋を出て回廊の吹き抜けの4階の目立たない所にある機関区の絵の中に入る。 62番の夢の内容を整理した、改札口のある場所を櫛の脊にすると、櫛の歯の部分がホームになっている構造でつながった複数のホームと操車場ある広い時間の挟間の駅の始発と終着のターミナル駅の風景が広がっている。 駅のホームの一つに立っていて、そこから移動して操車場の中央の手前にターンテーブルのある扇の形をした機関車の庫(くら)の建物の中に入ると、いろいろな形をした蒸気機関車が24両あり、そのうちの一番大きなハドソン型の蒸気機関車の脇の上に上がる鉄製の階段を駆け上がり部屋に入るとまばゆい光があふれてくる。 「異常が何かなかったか」と声をかけると広いコンソールの前にいた黒い影のような人物が振り返り、 「ございました、1ヶ月ほど前に未踏破の中央地区付近に外部から何者かが無理やり連れ込まれた形跡がございますのと、時空間侵入者の波動が全て同じですので、同一人物と思われますが、約3000年前に最初の侵入の記録があり、2000年前に3回と1000年前と500年前、ここ近年では10回程の侵入の形跡があるのですが、半年ほど前に侵入したまま出た形跡がない、我々が特に要注意人物としてマークしている少年が痕跡を絶った地点とほぼ同じ地点に連れ込まれた模様なのと、何らかのエネルギー反応がたびたびあるのですが、我々ですらあの地区には近づけませんので、何かがおきていることは察知できていますが詳細は不明です」ときびきびとした報告がある。 「まいったな、やはり中央地区の探索はしなくてはならないようだな」と私が言うと 「アムラン殿には大変な御負担でありますが、これまでも我々のために探索をしていただいており恐縮ですが、中央地区はこの時間の挟間の駅の失われた中枢部です、是非とも解明していただければ幸甚であります」と黒い影のような人物が丁重な言葉で私に語りかけてくる。 「まあ、全体の20パーセント弱は私も踏破したが、中央地区は手つかずというか装備に自信がなかったからな、この間の闇壺相手には五分の勝負だったがね」というと黒い影のような人物が驚いて 「あれで五分なのでございますか、十分優勢で、反撃すら完全に封じていたではありませんか」と慌てたように言うので 「あれは相手が闇壺と時空迷路と要塞と分かっていたから対処できたが、中央地区は何があるかわからないからな、対消滅フィールドと反物質砲を使えばなんとかなるかもしれないが、そこに存在するものまで巻き添えにするから探索の意味をなさないからな、難しいところだ」と私が言うと 「そうですね、地図ができないのでは無意味ですからね」と残念そうに黒い影のような人物がため息をつく。 「まあどっちにしても長期的に探索をするつもりで、わざわざ次元回廊をエターナルの光の空間の技を応用して絵の中に封じ込めて用意したのだから、じっくりやるつもりでいるが、どうも急がなくてはならない事情ができたからな。ちょっとお尋ねしたいが、先ほどの3000年前からマークしている少年の正体はわかるか」と訊くと 「わかります、1000年前にやっと判明しましたが、我々が通称第五回廊界と第七回廊界と呼ぶ世界で、菱東重悟と呼ばれている人物です」というので 「やっぱりそうか、ということは今回はドジをふんだということか」と私が言うと 「そのようでありますね、従来は闇壺周辺と8天界共同で設置している次元漂流蔵に侵入する程度といっても、侵入できること自体が驚異的ですが、並の者ではございますまい」というので 「はーっ、これは拉致でなくて助っ人として呼んだはよいが、ミイラ取りがミイラ状態かな」と私が言うと 「とおっしゃいますと」と黒い影のような人物が訊いてくるので 「1ヶ月くらい前にこちらの第五回廊界で久慈の祝姫と呼ばれている巫女が次元の挟間の駅に連れ込まれたことが判明しているのと、菱東重悟と久慈の祝姫の両者には接点があるんでね、それと私が久慈の祝姫には用事があるし、菱東重悟にも用事がなくもない」と眉間ジワを寄せて言うと 「そうでしたか、しかし何が目的なんでしょうね」と黒い影のような人物が困ったものだと言う風に嘆息するので 「おそらく返魂香炉と返魂香が目的だろうな、バカ者どもが」と私が吐き捨てるようにいうと、黒い影のような人物が 「は、返魂香炉ですと、それに返魂香というと、まさかそんなものが中央地区にあるのでございますか」と声がもののみごとに裏返っている 「ある、だから、あそこの探索は気が進まなかったんだ、あってはならないが、全てのものが欲してやまぬものだからな、私は天地の森羅万象の全ての摂理に反するその存在を決して認めるつもりもないし、私自身が誓っている、決して死者の眠りは妨げるものではないとな」と声が自分でも凍てついた声になっているという自覚がある 「かといって、完全に破壊することは禁止されているからやっかいだ」と言うと 「そうでしたか、アムラン殿の実力であれば、時間の挟間の駅の全てを日の下に晒すことも可能だと常々思ってはいましたが、そういう思いがございましたか」と興奮を抑えた静かな声で黒い影のような人物が言うので 「今回はやむおえないので準備が整い次第中央地区の探索を行い、おそらく全体の50パーセント以上の地図ができるよ、戦略的には目的とするより広い範囲をあきらかにしてから、最終目的をめざす、いってみれば陽動作戦の応用でやる、邪魔してすまなかったね、もどるよ」と言った瞬間に目を覚ます。 No 0285 1989 平成元年 9月29日 金曜日 5歳と6歳と中学1年生くらいの3人の男の子が機械に挟まれて身体をひきちぎられて内臓が千切れ飛ぶ凄まじいシーンから夢が始まる。しかも背景には数えきれないほどの無残な子供達の死体の山になっていて悲鳴を上げたところで場面が変わる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 蒸気機関車C6217号とD51777号の重連が一両の砲車を牽引して闇を驀進している場面が見える、同じ3両編成のC6213号とD51999号の重連、C623号とD51444号の重連の編成が3列横隊で間隔をおいて並走していて、時折砲車の砲が火を噴く。この3列横隊の中央の蒸気機関車の先頭のC6217号のキャブに乗って蒸気機関車を操っている。縦横無尽に無限の空間を1000や2000できかない砲撃が繰り返され、闇が怒りとともに襲い掛かってくるが、無理やりねじふせ、闇の天井を切り裂き、乏しく弱々しいながらも光を呼び込む。3列一斉の3連斉射の7連続が終わると流石の闇の圧力も抗しきれなくなり、禍々しい波動が崩れ去り、あたりが静寂に包まれ始めた頃合いで、用心しながら3列横隊の蒸気機関車の群れを静かにカーブを描いて右に反転させると闇の地上に多くの構造物や、黒い大地がうっすらと見えるようになっている。かなりの距離を戻るうちに地上に幾つかの駅や街の様なものが見えだし、なかった線路や道路が存在の輪郭を現し始めてくる。半径500キロくらいの円形に近い丘のようなところにはよく見ると、巨大な建物や神殿や要塞やピラミッドのようなさまざまな様式の建物の残骸が積み上がっているというしか言いようのない状態で折り重なっているのが見える。丘の中央部を通過する頃、ふと目を地上にやると五角形の形をした結構巨大な要塞のようなものの残骸が、他にも城や城塞のようなものの残骸に埋もれているのがわかる。心に思うところがあり、五角形の残骸をラフレシアの冠の空間に封じ込めると小さくして胸ポケットにしまいこむとそのまま、直進して地平線が明るい地域に到達したところで3列横隊を一列縦隊に変更すると、前方に見えてきた、小さいが確かな存在感を誇示する信号灯が点滅するこじんまりとした駅が見えてくるので、まだ単線の線路に一列縦隊となった蒸気機関車の群れを着地入線させる。そのまま駅構内を通過すると線路は複線となり、前方に大きな街の明かりが見え始めてくる。幾つかの街と駅を通過し、62番の夢の内容を整理した、改札口のある場所を櫛の脊にすると、櫛の歯の部分がホームになっている構造でつながった複数のホームと操車場ある広い時間の挟間の駅の始発と終着のターミナル駅の風景が見え始める。操車場の中央の手前にターンテーブルのある扇の形をした機関車の庫(くら)に機関車を格納する前に、いったんホームで停車して降りると黒い影のような人物と、なぜか二郎真君と体格の良い大きな犬までいて、心配そうに待っている。 二郎真君に至ってはらしくなく、蒼白の顔をしている、開口一番 「なんという無茶をおやりになる」といきなり抱きしめられてしまうので驚くと 「どうしたのだ、二郎真君ともあろうものが落ち着かれよ」と静かに言うと 「あなたに万一のことがあればどれほどのものが」言うのを遮って 「それは重々承知している、私はできないことはしない、そうでなくても、ここだけの話し、体調不良なんでね、無理はしていない、今回は多大な収穫があったと思うよ、ムラド公爵」と黒い影のような人物に声をかけると 「本当に信じられないような事をおやりになられた、予定の中央地区はおろか全体の90パーセントまで今回あきらかになりましたからね」と驚きを隠しきれない様子である 「もっとも、瞬間的に判明したのは全体の90パーセント以上かもしれないが、安定化したのはたぶん半分いってないな、45パーセントに達していたら御の字だな」と自嘲気味に言うと 「それでも大したものです、中央地区に限っていうと90パーセントの安定率ですから、探索がしやすくなったのは感謝の念に堪えませぬ、我が一族を上げて感謝いたします」と黒い影のようなムラド公爵が最敬礼をしてくるのでそれを制して 「困った時は相身互いさ、それより気になるのは菱東重悟だが、脱出した気配がないかい、どうもいないような気がする」と私が腕組みしながら言うと 「恐れながら、脱出した形跡は今のところないですが、かなり時空間流が乱れましたから見逃したやもしれませぬ」と黒い影のようなムラド公爵が低頭して言うと、二郎真君が 「私も手伝うから確認にだけでもこれから行くべきでは」と申し出るが 「いや、今は行かない方がいい、揺り戻しの波動が吹き荒れているはずだから、落ち着いてから出直した方がいい、この揺り戻しの具合で安定化にも幅がでてくるんでね、最大52パーセントで落ち着くか45パーセントまで低下して安定するかまだわからないからな」と私が敢えて静かに言うと 「そこまで計算できるんですか」と二郎真君が驚くので 「だから言っただろう、できないことはやらないって、結果の計算が取りあえずできる状況だからやったのさ、効率も計算したしね、装備編成を長くするより、質と速さと余裕で勝負だと思ったから編成を短くして小回りが利くようにして3編成にしたんだよ」と言うと 絶句する二郎真君に代わって黒い影のようなムラド公爵が 「流石は複数の回廊世界と実世界で軍の最高司令官をされておいでだけの事はあります、私どもも、よもやあのようなやり方があるとは夢にも思いませんでしたから、探索は後回しで攻撃だけに特化して、編成をあれほど単純にされた上に精鋭を小数で勝負というのはなかなかできません」と称賛するので 「軍事作戦の基礎は目的の単純化と慾ばらないという事につきる、今回は最初から探索するつもりはなかったからね」と言うと二郎真君が 「ヒットアンドアウェイですか、一撃必殺の覚悟ということですね」と言うので 「全くその通り、予想外の成果が出たようだし、私も帰り道でかなりの謎が解けてすっきりしたからね」と言うと二郎真君と黒い影のようなムラド公爵が同時に 「「とおっしゃいますと」」と言ったので 「今までで、かなり時間の挟間の駅の謎は解明しつつあったのだけれども、根本的にどういう場所なのか、今回は帰りに中央地区の様子がわかったので、得心したのさ、やっばり失われたものがふきだまる性質があって、しかも大きさや時間は関係ないって事がね、やっぱり時間の流れがメビウスの輪になっているんだなという事の確信は持てた」というと二郎真君と黒い影のようなムラド公爵が 「「ほーっ」」とため息を漏らす 「とりあえず後始末してくる、しばらく様子を見よう、面白い発見があると思うけどね」と言って再び、白い湯気を上げて待っている蒸気機関車に乗ると機関庫の方へ移動をはじめたところで目を覚ます。 No 0286 1989 平成元年 9月30日 土曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 朝206号室を藤咲麗と2人で18番の夢の軽の小型トラックで出かけて、街の中のゴミステーションを見回り、使える資源を荷台に乗るだけ回収して部屋で整理と修理しているうちに目を覚ます。 No 0287 1989 平成元年10月12日 木曜日 サラリーマン風のスーツ姿の人間が大勢歩く、ビルの立ち並ぶ街を歩いているところから夢が始まる、空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 時間的に昼で天気がよく、ОLさんの姿も多い。しばらく歩いて広い公園に入り木陰のベンチに座って休んでいると見知らぬ年寄りから自分の思うままに願いがかなえられると言う、長さ15センチ幅5センチ厚さ5ミリの表面に正方形のうろこ状の模様が入りしたの方に行○○銀と万中の二文字が読めない銀の板が黒の革のケース収まった物を渡されるが、なんとなく得体がしれないので、もらうことを断って戻して立ち去ると公園内でウサギとおなじくらい大きな愛嬌のあるモグラが出てきて周囲を穴だらけにされていたずらというのか、前へ進めなくなるが空間移動で地下街に移動して逃げ切ったかなと思っていたら、いつのまにか後ろにいて、足をつつかれて振り向くとモグラが女の子に変わったかと思うとよく見ると荻野目洋子で、いきなり「愛人にしてください」と言われるので一瞬唖然とするが、きっぱり断ると場面が変わり。 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋の中にいるところに場面が変わる。 服はそのままで黒い靴下になっていて、奥の部屋で椅子に座っていると机の上の電話が鳴り、受話器を取る前に伝言サービスですとアナウンスが電話のスピーカーから流れ、空中に文字が浮かび、安東聖充(あんどうまさみつ)という方からの伝言をお伝えしますと表示され「長い人生において」と子供の声の伝言の録音が流れていきなり止まってそのまま中途半端に切れてしまう。安東聖充(あんどうまさみつ)という名前に心当たりはないがおそらく菱東重悟の偽名ではないかと推察して、途中で切れたのが気になるが、どうやらどさくさにまぎれて脱出できたらしいなと思ってやれやれと頭を振ったところで場面が変わり、206号のアパートのある市の商店街全体にアーケードがある駅前の商店街にいる。駅前では道路工事と区画整理を大規模にしている。道路を駅の方へ歩いて行くが、周囲の建物が半透明になっている。触ると存在しているが、色がパソコンの画像処理の256色を16色に落としたような色の抜け方である。天気が曇で雨が降った後のせいか水たまりが鏡のように景色を映している。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は夢の最初と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブで変化はない。 駅前が区画整理の工事している状態なので、回り道をして駅のある方角に直接行くのではなく、2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点を直進すると駅前であるが、この交差点をアパート方向を背中にして左に曲って2キロメートル行くと駅と線路に平行して存在する2車線両側歩道つきの道路とつながっていて、ここは丁字路になっている。この丁字路の左の角には500メートル四方の広い公園があり、広場と遊具と庭と林のある4つのブロックに分かれていて丁字の角が250メートル四方の広場になっていて。ここに2メートルの高さに台形状に雪が積もっている。この公園の丁字路側の林と広場の境目の公園内への入口でおかっぱ頭の不思議な雰囲気の12歳くらいの少年がリックサックのような身体より大きめのカバンを背負って、うつむいて立っているのが見える、カーキ色の作努衣のようなデザインの上着に黒の半ズボンと白のニーソックスに黒のコンバースのバスケットシューズのいでたちは、どことなく座敷童子のイメージである。ふと目が合うとにっこりするので、なんとなく親近感が出て 「誰か待っているのかい」と声を掛けると 「この公園の隣にある小学校に1日体験入学に行ってきた」と言ってから 「今月いっぱいはまだ幼稚園なんだよね」と言うので 「あれっ12歳かと思っていたよ」というと嬉しそうに 「まだ6歳なんです」というので身体も大きいし大人びているなと思って2人で並んで雪の上にあがり公園の中をしゃべりながら散歩して、丁字路部分の角にある公園の入口に近づくと。いきなり正面に回り込まれて名刺を差し出されるので、なんだろうと思いつつ自分も名刺を探すと背景が緑の丘の写真にアムランとだけ書いてあるものがジージャンの胸ポケットから出てきたので、これを名刺交換して少年の名刺を見ると、少年の名刺には10円硬貨が貼り付けられていて。電話番号とその上に「電話頂戴ね」と印刷してあり、名前が奥東重明と河童重悟と二つ印刷されているので驚く 「えっ、奥東重明って、まさか菱東重悟、さっき電話くれた安東聖充じゃないのかい」と言って少年を見ると 7「はい、そうです、ごめんなさい」といきなり謝られて涙ぐむので 「理由も聞かないで責めるような事はしないから安心しなさい、まあお騒がせな話しではあるけどね、よく脱出できたもんだ、久慈の姫さんに助っ人頼んだのはよいが2人とも出られなくてかなり悪戦苦闘していたようだね」とさらりと笑って言うと 「!?」という顔をして 「流石アムランですね、ききしに勝りますね、慾ばるとホントにろくなことがないと思い知りました」としおらしくいうので 「えっ、慾ばる、魔術関連の秘術を求めての次元の挟間の駅への侵入ではなかったのか」と予想と違ったので驚くと 「ええ、いろいろな禁呪や外法の技や呪術の道具が封印されていることは知っていますが、それを目的として入った事はありません、正当な所有者から失われた宝物をとりもどしたり、外法の技に近いこともなくはありませんが、人助けに必要な薬の材料を確保したりするために行っていたんですが、美しさに魅せられた美術品があって、遠い古代に失われたものであれば僕のものにして鑑賞しても差し障りはないと思って、半年前に古代の宝物庫を見つけたので入ったんですが、とじめられてしまったんです」とため息をつきながら言うので 「なるほど時間の挟間の駅の中央地区は超古代からの戦争や天変地異で失われた文明の遺産や建造物の影が半径500キロメートルの範囲に吹きだまるとんでもなくスケールのでかい場所だからなあ」とやれやれというと 「えっ、時間の挟間の駅って地区の名前があるんですか」と菱東重悟が驚いて聞いてくるので 「うん、あそこの完全な地図は全体の20パーセント判明しているが、それは私が探索して製作しているのと、時間の挟間の駅には原住民が存在していて、彼らも失われた世界を復元しようと悪戦苦闘しているので、おおよその地図はあるんだ、ただし、時間の挟間の駅の空間の性質上常に確定しているわけではないんでね、まあそれでも本来は半分は確定した地上空間は存在しているんだけどね、いろいろあって現在の危険極まりない状況になっている」と私がさりげなく言うと、目を見開いて驚き 「アムランって凄すぎる」と絶句されて、そのあとなんだかとてつもなくやばいぞこれはという視線が来るので内心「やばいかな、こりゃ」と思っていると 「アムラン僕はもう、放浪生活をやめますというか、できなくなりましたし、久慈の祝姫にも今回言われましたけれども金蓮15家の5菱家の一員としての責任を果たします、御迷惑かも知れませんがお傍に置いてください」と言ってしがみついて泣くので、「うっわ、やっぱりこうなったか」と内心こりゃ大変だと思っているうちに目を覚ます。 No 0288 1989 平成元年 10月13日 金曜日 歯医者の歯工技師の作業場で歯の加工をしているのを見ているところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 歯科の技工士は169番の夢の鈴木家の総帥でもある鈴木翔子で非常に器用で、歯の加工を全て終わらせると私が頼んでいた複雑なデザインのアクセサリーのようにも見える護符を純銀で立体的に造りだす。出来上がり手渡されたものを確認すると理想通りの仕上がりで感心する。 「すばらしいね、これだと十分に威力を発揮する、ありがとう、しかし凄い腕だよな」と感謝と感心したということを伝えると 「どういたしまして、アムランに褒めていただけるなんて光栄ですわ、今日は大変な作業と聞いていますが、微力ながら参加できて嬉しく思っています」と非常に大人な言葉が返ってくるのでまたもや感心していると 「そろそろいいそうです」と22番の夢の尾崎晁堊が私を呼びに来るので 「こっちも終わったから、今行く」と言って鈴木翔子の肩を軽く叩いて外に出たところで場面が紫藤の本宅の見える位置の草原のような場所に止められた大型バスの中に変わる。 中には105番の夢の鏡剣、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、266番の夢の藤咲麗、1番の夢の木村聖一、1番の夢の木村聖二、3番の夢の尾崎儀一、尾崎晁堊、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、130番の夢の今野千光、150番の夢の金蓮、55番の夢の大島玲仁、101番の夢の高城ハル、162番の夢の風間了、44番の夢の金井恵一、44番の夢の直江賢次、7番の夢の藤丸竜也の18人が待っている。 紫藤聖一が 「とりあえず、本宅のなかにあった家財道具や古文書で持ち出し可能なものは全て移動させたのと、アムランと金井と直江から指図のあった魔法がかかっていると思われる絵や家具はそのまま残してあります」と報告すると 「了解、金蓮花の本体が封じられている絵とシャンデリアは魔法シールドの掛かった特殊なクッションで保護は済んでいるので、ここから一気にやる、まず周囲の建物すべて破壊して、本宅そのものを空中に浮かせる、おそらくこの段階で蛟の化け物がでてくるはずだが、これは浄化の道具を用意してある。このあとが問題で、地下にかなり広い範囲でペンタグラムの形の構築物があって、5つの頂点を全て爆砕してこの結界構造物を破壊する。これで赤竜が解放されるが、かなり怨念に凝り固まっているから相当危険だが、手当がついているのでもう少ししたら来るはず」というと バスのドアが音もなく開いて1人の背の高い青年が入ってくる 「お久しぶりですねアムラン」と涼しげな声がかかり、声の方を振り向くと 「本当に久しぶりだ青竜、よく来てくれた感謝する」と言って握手するとさらに後から玄武と朱雀と白虎までが現れたので私が仰天すると 「水くさいですな」と逞しい体つきの玄武が言い 「赤竜相手とその他もろもろの魑魅魍魎がわいてでてくるかもしれないのに戦力は多い方がいいですぞ」と白虎がにやりとして言い、井伊直也を引き延ばしたような感じの美形の朱雀が 「邪魔されないための結界も必要でしょう、おまかせあれ」と妖艶にほほ笑むので、私以外の18人全員が驚愕する 「それにしても四神がそろい踏みとは世界征服すらできそうだな、力強い限りだがよくもまあ来てくれたものだ」というと 「それはもう玄、いやアムランのお呼びとなれば駆けつけますよ」と4人全員がいうのでバスの中の18人が圧倒されている。そこへ二郎真君も体格のよい大きな犬を連れてあらわれてバスの中をのぞきこむと 「ほおー、大地を自在にあやつる四神がそろい踏みとは剛毅だ」と感嘆する。 朱雀が 「おや二郎殿も助っ人とは豪華じゃないか、猿の匂いもするからちょうどいいではないか」と言ったので 「猿!?」と金井恵一が驚くので、今野千光が 「本宅のどっかで、角の生えた猿の面があったような気がしたがそれかな」と言うので、白虎が 「流石だな、今野の棟梁の若頭はよく見ている、本来なら鬼門の守りなんだが逆に化け物になっているからな」と言うので 「まったくだ、細かいことをいっていたらきりがないが、今日は化け物博覧会になるかもしれんな、ここにもいるけどな」と私が自分を指さして言うと18人が「「でたよ、アムランの自分指し」」とやれやれという雰囲気になるが、青竜の 「でははじめましょうか」という静かな声とともに戦いの火蓋は切って落とされる。バスが安全な場所まで下がり、結界が張られ空中待機が完了すると一気に本宅周囲の建物が轟音とともに崩れ落ち、本宅自体が空中に浮かぶと、どす黒い煙が巻き上がり、その中心にアムラン自身が飛び込み銀色の護符を放り込み、宙に浮いた本宅を中心として半径10キロに及ぶ地点の五か所にも落雷と激しい爆発音が原爆のきのこ雲のように上空高く立ち上がると地面が振動し、赤い塊が火をあたりにまきちらすのを青い光と黒い二つの物体が牽制しながら御そうとし始めると、宙に浮いている本宅から煙のようなものが窓という窓から吹き出し始める。中でもいくつか大きな塊が飛び出すと二郎真君と体格の良い犬が地を蹴って飛翔して追い始める、朱雀が巨大な鳥と化し翼を結界のように周囲100キロ四方から投網をしぼるかのように羽を中心に向かってすぼめて行く。瞬間的に光が輝き白虎の咆哮がして、あたりが一瞬スパークを起こし光がゆっくりと消滅すると、そこには5角形をした巨大で美しい城塞と空中から見ると10の稜線をもつ美しい幾何学的な文様にも見える湖と美しい森林と放牧地が100キロ四方にわたって広がる豊かな大地に変貌をとげていたのである。 「驚いたな」と空中に静止している大型バスのなかでは口もきけないでいる18人に二郎真君がぽつりという感じで言うと 「これが本当の紫藤の本宅というか領地の本来の姿さ、大五稜郭城塞とでもいうべきかな、周囲の5つの三角形の島は本来は砲台が置かれるのだが、かつては庭と城下町と倉庫と家畜小屋などになっていた、周囲が堀というよりは人工の湖だな」と私が少し疲れたという風に言うと赤竜を天に返すために去った青竜と全ての魔物を封じて魔界に落とすべく飛び去った朱雀以外の四神の残りの2人の玄武と白虎が大型バスを下の城塞の中央に降ろし始める。地上が近づくにつれ、城塞の巨大さと幾何学的な美しさがわかるようになる。 菅井佐知が「美しい」と息をのみ 「広い」と紫藤聖一が驚く、城塞の本体は約10キロの直径の円に内接する巨大さで内部の5角形の空間は芝生に覆われた草原が一面に広がり、爽やかな風が通って行く、このほぼ中央に着地した大型バスから全員が降りると元々の本宅が半壊した状態で着地しているのが見えたので駆け寄り、金蓮花の本体が封じられている絵とシャンデリアの無事を確認して、半壊した本宅から持ち出すと音もなく本宅が崩壊する。 「危機一髪だったな」と尾崎儀一が言うと、二郎真君が 「長年魔物連中に喰い物にされていた上に呪縛の怨念が全て解き放たれ浄化したからな、こんなものだろう」と静かに言うと 「どのみち新しい本宅は構え直さないとどうしようもないと思っていたけどね、しかしこれほど広いとは思わなかった」と私がちょっと予想外だったという風に言うと 「いいんじゃないんですか、広い分自由になれますよ」と鏡剣が爽やかな風が気持ちが良いらしく、気持ちの良さそうな声で言うと、予想どおり今野千光が 「いいものを建てますよ」と言ったので 「棟梁よろしく」と紫藤聖一が笑いながら言うと、金井恵一が 「ところで、魔物や本宅内に残してあった怪しい家具や絵はどうなったんです、それと猿も気になりますね」と言うので、二郎真君が 「魔物は全て朱雀殿と白虎殿が浄化してくれたし、猿と蛇と猪はこれこの通り」と懐から水晶球の檻を出すと中に猿と蛇と猪が気絶した状態で封じ込められているので18人が驚いていると、空中から 「お待たせしました」とソプラノの美しい声が響き、結構大きな水の塊に包まれた天翔金蓮仙花の鵬蓮と凰蓮が現れて3つ目の水の塊を前に押し出すので 「ギイ、アーサー悪いがこの水球をしばらく浮かしていてくれ」と言って、手早くシャンデリアと絵の保護の梱包をほどき、絵の額縁とシャンデリアの輪郭を非物質化すると、美しい金蓮花の花の本体と、何か紐のようなものが巻きついた金蓮花のかなり大きな本体が現れる 「やれやれ魂縛縄とは恐れ入る」と私がひとりごちると玄武の顔色が変わり 「魂縛縄ですと、なんとむごいことを」と憤る 「しかしやっかいな部分にくいこんで巻きつけてあるあたりが天才の陰険なやり方だな」と私が眉間に皺を寄せながら言うと藤丸竜也が 「全くですね、金蓮花の急所ですからねえ」とため息をつく 「仕方ないな、虚数変換術で一旦鏡像体にして引き離そう、それから元に戻す」と私が言いながら魔方陣と結界を張り虚数変換術を行い呪文を唱えると魂縛縄が一瞬で消滅すると分離していた花と本体が合体して生気が戻りはじめたので、尾崎兄弟が支えている水球に押し込むと花が輝きはじめる 「もう大丈夫だ、鵬蓮、凰蓮先に頼む、ギイ、アーサーご苦労様」と私が言うと 「了解」と美しいソプラノのハーモニーが響くと3つの水球が消える 「すばらしいですな、あれほどの虚数変換術は見た事がない」と白虎がうなる 「まあな」と言おうとして突然めまいがしてバランスを崩して膝をついてしまったので、その場の全員から悲鳴があがり、とっさに二郎真君が支えてくれるのとその場にいる奥方衆が全員殺到してくる。 「顔色悪いとは思っていたけど」と井伊直也が言うと 「「また、隠れて無茶してたんでしょう」」と菅井佐知と風間了が同じ事を言う 「私はそろそろ天界にもどらないといけませんが、今日は本宅に戻って休まれた方がよいでしょう」と二郎真君が言うと、四神の玄武も 「今日の全ての目的は完璧に達成したし、ここの荒れ果てた大地は滞っていた全ての気の流れが元にもどってこれからは豊な実りの大地になるからもう心配はいらない、アムラン殿素晴らしい家族がこれだけいらっしゃるのを見て安心しましたぞ、いずれまた再会しましょう、白虎、我らもそろそろもどろう」と言うと白虎も 「なごり惜しいがそろそろ時間だ、アムラン殿またいつかお会いしましょう」と言うと一瞬で二郎真君と体格の良い大きな犬と玄武と白虎が消える。残された全員の方を見て私が 「それじゃ、我が家に帰ろうか」と笑いかけたところで目を覚ます。 No 0289 1989 平成元年 10月14日 土曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋の玄関にいるところから夢がはじまる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。靴を脱ぐと黒のソックスをはいている。奥の部屋に入ると布団の上に正座した女の子と男の子とそばに高さ60センチくらいのペンギンのような形をした3本脚のロボットのようなものがおいてある。男の子は287番の夢の菱東重悟で女の子は名前だけはよく出てくる久慈の祝姫である。2人とも次元の挟間の駅からの脱出のときの無理のため本来の能力の9割近くを失い、元に戻るかわからない状態に陥ってしまっているので、287番の夢で出会って以降、少しここで休んでから正式に千晶家でお披露目ということで相談がまとまっている。今日は様子見と事情聴取のつもりで2人と話しをする。その前に金蓮15家が20家となり、久慈の祝姫にも無事金蓮花が下賜されたことを伝え現在の状況を2人に説明すると2人とも驚く。久慈の祝姫には確認することがあり、国見の屋敷守の救援と菱関家再興前の今野家に行ったことの確認をする。 ついでに久慈の祝姫の本名が美咲であることがわかる。黒曜石の薬研も久慈の祝姫からであることがわかる。 時間の挟間の駅に行っていたのは、美術品の回収が目的で、返魂香炉や返魂香が目的ではなかったことがあらためてわかる。 「今回の目的の美術品は一体なんだったんです」と問うと7万年前から現在まで各時代に見事な彫刻作品が存在することで知られる瑞仙という彫刻家の作品で9層聖体天球儀と7連環国璽のレプリカを帝国博物館で見て以来その魅力の虜になったという、そして実物がかつて3万年前に栄えた古代ラフレシア王朝の宝物庫であった静謐宮にあったことを古文献からつきとめ、時間の挟間の駅をさまよっていて偶然静謐宮を発見したことがきっかけであると菱東重悟が言い、3万年前から現在まで同じく水晶球の中に精密な切絵を封じ込めた芸術作品で知られる華椰の繊細な作品にほれ込んでいる久慈の祝姫が2万年前に栄えた古代アランティア王朝の秘宝館の天翔閣に幾つか華椰の作品が所蔵されていたことをつきとめており、その天翔閣の残骸が静謐宮の下になっている事がわかり、一緒に探索するための下準備のために一足先に静謐宮に入ったら出られなくなって、やっと救援を呼んだが2人とも閉じ込められて難儀していると、アムランの強行探索による砲撃により時空間に激しい歪みが生じたためにかろうじて脱出できたという事実がわかる。 「やれやれ、瑞仙に華椰ね、わからんでもないが、そんなに瑞仙の作品っていいものなのかね、華椰はわからんでもないが」と独り言のようにいうと、菱東重悟だけでなく久慈の祝姫まで絶賛するので、「こりゃ重症だな」と内心苦笑すると 「欲しいかい」と2人に問うと 「やっぱり欲しいです、現存する作品を盗むわけにはいきませんが、過去に失われて久しいそれも万年単位の過去であればしがらみもないと思います」と2人とも言うのでちょっと考え込むと立ち上がり、自分の姿を以下の姿に変える、詳細は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 突然アムランの正装に変わった私を見て2人が驚くが 「2人とも瑞仙の作品だけだからな、これから静謐宮に行く、ついておいで」と言って2人とロボットを促して、時間の挟間の駅の機関区にいきなり飛ぶと2人が驚くが、機関庫から蒸気機関車C6217号を動かすと一気に中央地区の静謐宮の残骸の前に停車する。空が晴れているので、この地区がほぼ確定化し安定したことがわかる。静謐宮の扉を開けて2人とロボットを先にして奥へ奥へと進み、地下30階の最深部の重厚な紋章のついたドアを音もなく開けると、9層聖体天球儀が黄金の台座の上で燦然と輝いている。勝手知ったる収蔵ケースの複雑な侵入者撃退機構と魔法防御を解除し、難無く、9層聖体天球儀を取り出して久慈の祝姫に持たせ、さらに奥の玉璽室と古代ラフレシア語で書かれた部屋の鍵を楽々と開けると重厚な象牙細工の台座の上に小さな7連環国璽が載っているのがわかる。そのまま念動力で移動させて菱東重悟に渡し、驚く2人をせきたててロボット共々静謐宮の外に無事にでると、ここで初めてロボットがしゃべる 「流石アムラン殿ですね、超古代の叡智の侵入者撃退機構と魔法防御を尽く無力化するとは恐れ入りました」というので 「流石だな、金蓮花随一の知恵者の祥賢(しょうげん)」と言うと 「気がつかれていましたか」とロボットがしゃべるので 「オーラはごまかせないよ」とさらりと言って 「それよりも至急撤退する」といって2人とロボットの中の祥賢を急かせて蒸気機関車C6217号のキャブに乗せると機関区まで一気にもどる。 機関車を機関庫にしまうと、206号の部屋にもどり着替えてくつろぐ、菱東重悟と久慈の祝姫の2人とも9層聖体天球儀と7連環国璽を抱えたまま魅入ってしまい、恍惚の表情を浮かべている。ここで部屋の机の引き出しから緑色の石二つと小刀を数本取り出すと、膝にタオルケットのようなシートをひいて二つの石を交互に小刀で削りはじめる。2人とロボットが怪訝そうに見守る中12連環と比翼連環が彫り上がり、角に小さく瑞仙と彫り込むと2人の顔が驚愕する 「まさか、同じ銘の彫り癖…」と絶句するので 「そう、こいつが瑞仙の本物さ」と自分を指さす、そして 「今2人が持っている作品は、過去に時空移動旅行したときに古代ラフレシア王朝の開祖アンセネンデス1世に7連環国璽を中興の祖にして名君の誉れが高い聖浄寧帝と呼ばれた第37代皇帝ラレンティア7世に9層聖体天球儀を請われて彫ったのさ」と言うと 「「はーっ」」と2人とも平服してしまうのでロボットの中の祥賢が 「あなたという方はとてつもない方だ」と嘆息して 「ということは静謐宮もあなたがつくったのですね」と言うので 「その通り、私は宮大工今野家の先々代金剛斎の直弟子で今野の号が瑞仙なんだ、大頭もやった」と言うと 「あの5000年続く建築技術の秘儀と伝統を引き継ぐ天才技術者集団の今野家から号まで認可の上に大頭までおやりになられた」と祥賢が絶句する。菱東重悟と久慈の祝姫の2人とも9層聖体天球儀と7連環国璽を抱えたまま私を見つめて硬直している。2人と祥賢を見て破顔すると 「これから長いつきあいになるわけだ、これは挨拶代わりだ、瑞仙の最新作で熱烈なファンへの心ばかりの贈り物とさせてもらうよ、ちょっと彫りが粗いけどね」と言って菱東重悟に12連環を久慈美咲に比翼連環を手渡すと2人とも感極まったのか涙がとめどなく流れ出すのでロボットの中の祥賢が慌てるが、それを制して押入れの中のひきだしから新しい手ぬぐいを二つ出して2人の顔を拭いているうちに目を覚ます。 No 0290 1989 平成元年 10月16日 月曜日 ドアの室内側の上には自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られて掲げられている。276番の夢で確定した自分の部屋は光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれ、内部は南北に縦長の24畳の部屋が機能的に縦長の6畳単位で4つのブロックに整理されている。 南西の6畳は南の壁の西寄りにドアがあり、ドアの東側に縦に畳1畳分の大きな鏡がある。 応接セットの中心には以前と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっていることがよくわかる、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。応接セットが置かれていて西壁は全て3メートルある天井まで造りつけの本棚になっていて、一部スライド式になっている。 北西の6畳には1畳の広さの黒のスチールの机が置かれていて、両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の天板には緑の下敷きにガラスの板が置かれ、左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。この椅子は同じ型のものがもう一つ窓の下に置いてある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで、東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきのL字型の飾り棚兼用の作業台がある。この作業台の上の西側の壁側には、テレビとビデオデッキとテレビゲーム機とミニコンポが置いてある。 南東の6畳は南の壁が東側の窓の壁までがクローゼットになっている。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットが西側の鏡の裏までの広さになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっていて応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北東の6畳には北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドが置かれ、南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北側の窓は従来通り北側の中央部にひとつある。ベッドのある北東の6畳とクローゼットのある南東の6畳の間には畳1畳分の大きさの高さ60センチのローチェストが間仕切り代わりに東西に置いてあり、部屋の中央寄りに幅90センチ奥行き50センチ高さ50センチの水槽が設置されていて底に白い石英の砂が5センチ敷きつめられている。 上記の部屋の机の前に座っているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはいている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 ベッドを背にした机の横には折り畳みイスが二つあって287番の夢の菱東重悟と289番の夢の久慈美咲が少し緊張した顔で座っている。2人とも白の長そでのポロシャツの上に紺のベストを着て、黒のズボンとスカートをはいて白のソックスをはいて現代の普通の服装をしている。傍らに高さ60センチくらいのペンギンのような形をした3本脚のロボットがあり、その中に菱東家つき金蓮花の祥賢がいる。部屋の水槽には久慈家に下賜された金蓮花姫が入っている。 ノックの音がして、55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、150番の夢の金蓮、266番の夢の藤咲麗の7人の奥方衆が入ってくると菱東重悟と久慈美咲の2人が部屋にいて驚いた顔をするので 「みんなソファに座ってくれ、今紹介する」と言って自分の机をソファの横に移動させるついでに菱東重悟と久慈美咲の2人を促して折り畳みイスを私の両隣りに設置させて座らせる。 「今日はダイニングで全員集合する前に先に紹介しておきたい2人がいる、なんとなく気がついた者もいるかも知れないが、男の子は菱東家の初代にして総帥の菱東重悟で女の子は久慈の祝姫こと久慈家総帥の久慈美咲だ」と紹介すると流石の奥方衆も目を丸くするが、そのまま菱東重悟と久慈美咲の2人を立たせて挨拶をさせて、私から奥方衆の国見つかさ、鏡剣、葉山託生、菅井佐知、井伊直也、金蓮、藤咲麗の7人を紹介する。 「ここ一週間くらいで実にいろいろなことがあって、家族がまた増えたり、作業とか儀式とかがあるけれども、どうにか落ち着く最終的な安定した日々に入れそうだから、詳しい事はまとめてこのあとみんなの前で話すが、ここにいる私を含めて10人に限っては共通する特殊事項があるので先に説明しておく」と言ってひと呼吸置いてから 「菱東重悟と久慈美咲については数日前、時間の挟間の駅に閉じ込められていたが自力でどうにか脱出したが、本来持っている能力を著しく損なわれてしまった状況にある。もっともそれでもなかなかの水準の能力は維持しているが、療養ということでここに住むことになった」と言うと菱東重悟と久慈美咲の2人が 「よろしくお願いします」と奥方衆に立ちあがって最敬礼するので、奥方衆の面々からの好感をかなり得たようである 「サチとナオヤにとっては久慈美咲は元々菱宮5家の一族なので親近感はあると思う、どっちに似てるかな、なんとなく似ているだろ」と私が言うと、鏡剣が 「そうですね、今ここにはいませんが、武田詩織さんにも金井の恵一くんにも一族だけあってどことなく似てますね」と言うと、菅井佐知が 「うちの佐紀にもどことなく似ているし井伊の直樹くんにも似てなくもないですねえ」と言う。国見つかさが 「久慈の巫女姫の祝姫というだけあってやはり気品と霊的能力のオーラわかりますね」と国見占術の家元らしい感想を言う。時間の挟間の駅の言葉が気になるらしく藤咲麗が 「自力で脱出されたというのはすごいですね」というので 「麗の場合とちょっと似てなくもないが、この2人は当初、人助けの目的で時間の挟間の駅に出入りを繰り返していたのだが、自分の慾に負けてドジしてしまったが、これからは、金蓮20家の一員として世のために尽くしたいということだ」と言うと菱東重悟が 「お恥ずかしい話しですが、時間の挟間の駅という場所は様々な誘惑と欲望が渦巻いている場所でもあります、今回時間の挟間の駅の公認の探索人であるアムランの大規模な軍事行動といってもよいくらいの探索活動の恩恵で捉われていた罠からかろうじて自力で脱出できましたけれども、能力の大半を使い果たしてしまい、お叱りを覚悟の上でアムランにおすがりしましたところ、快く援けていただきました上に目的もはたせましたことを感謝しています」と言ってまた深々と最敬礼をするので、金蓮が 「アムラン、話しを聞いているとかなりヤバイ事をしているようにも受け止められるんだけれど、麗の場合は処罰があったようだけど」ともっともなことを訊いてくるので 「うん、麗の場合は禁断の呪術を犯した問題があったので処分が厳しかったわけだが、菱東重悟と久慈美咲の場合は人助けの材料を求めての行為がほとんどで、今回の慾でドジした事に関しては特に罪過を課すにはあたらないというか、化石採集と同じ行為なので黙認という裁定なのさ、それと国見家にとってもこの2人は大恩人で、国見守のお舘様が今日無事に存在できているのはこの2人のおかげなのさ」というと国見つかさと鏡剣が驚くのと葉山託生が 「化石さいしゅうっ」と素っ頓狂な声を出すので 「時間の挟間の駅というのはかって存在したが、様々な事情で失われた存在の影が時を越えて吹き溜る性質があって、そこから失われた物を取り戻すことが可能な場所なわけだ、わかりやすく言うと、戦争で失われた美術品とか書物、古代文明の失われた秘宝までその気になればいくらでも回収可能なんだ、ホントに化石採集みたいなもんでね、国見の代々の肖像画とミドリとユウの両親の写真もちょっとボケてるけどそこから回収したんだよ」というと葉山託生が 「確かに化石採集っていえるカモしれない」と腕組みしながら感心するのと、国見つかさが 「ホントにあの写真を見た時は泣いちゃったものね」と鏡剣とうなずきながら話す 「ということは菱東重悟さんと久慈美咲さんは何か美術品をお探しだったんですか」となかなか鋭い事を井伊直也がいうので、この洞察力に菱東重悟と久慈美咲が驚き、菱東重悟が 「全くその通りです、7万年前から現在まで優れた彫刻を残している彫刻家の瑞仙の作品に魂を奪われていまして、現存する作品をまさか盗むわけにもいきませんし、瑞仙の居場所どころかどんな方なのかもわからず、購入することもできずにいましたので、かつて失われて数万年単位経た作品を探して所蔵しようと考えたのですが、なかなか甘かったようでドジというか今日の恥ずかしい状況です」と言うと 「瑞仙ってどっかで聞いたことがあるような」と菅井佐知が首をかしげると 「たしかアムランも今野の号は瑞仙だけど、彫刻なんてやってないでしょ、別の瑞仙じゃないのかしらね、それに7万年前からいるわけないわよね」と金蓮がなんとなく自信なさげに言うので 「そのいるわけないわよねの化けモンの正体がこいつ」といつもの自分指さしがでたので、奥方衆から 「「あーあ、このヒトわっ」」というあきれとも、あきらめともいえない嘆息があがるので、ここは菱東重悟と久慈美咲が援護射撃とばかりに9層聖体天球儀と7連環国璽を取り出して見せると、 「えっ、これまさか」と葉山託生が驚き 「確か帝国博物館収蔵のレプリカで本物だったら超国宝と言われている瑞仙作と云われている作品に似てるわよ」と金蓮が言うと 「確かタイトルは9層聖体天球儀と7連環国璽だったと思う」と井伊直也がいうと、藤咲麗が 「間違いないわよ、あたし9層聖体天球儀は好きで博物館の売店で売っているレプリカ買って持っているから、それにしてもそんな古代にまで次元移動できるわけ、確か3万年前に栄えた古代ラフレシア王朝の時代の作品よ、9層聖体天球儀って」と絶句するので 「はい、まちがいないです、私達、現実に瑞仙であるアムランが作品を目の前で彫って銘を入れるのを見ましたから」と言って先日彫ったばかりの作品を菱東重悟が12連環を久慈美咲が比翼連環を取り出して奥方衆の前のガラスのテーブルに置き、9層聖体天球儀と7連環国璽の本物に彫られた銘を比べさせると 「「ひええーっ、全くおんなじ彫り癖だよ」」と菅井佐知と葉山託生が同じセリフを言って驚き 「彫刻の作品初めて見たけど、こんなに器用だったのお、どおりで華道うまいはずよお」と国見つかさが参りましたと驚いたところで場面が変わる。 千晶家本宅の1階のダイニングには同居人だけではなく、74番の夢の藤本由里江と80番の夢の玉泉和典と7番の夢の藤丸竜也の顔が見える。 55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、150番の夢の金蓮、266番の夢の藤咲麗、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の阿倍佳奈子、277番の夢の井伊直樹、 277番の夢の菅井佐紀、66番の夢の息子美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、1番の夢の紫藤聖一、1番の夢の紫藤聖二、212番の夢の紫藤聖四、 3番の夢の尾崎儀一、169番の夢の香川諒子、22番の夢の尾崎晁堊、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、130番の夢の今野千光、55番の夢の大島玲仁、101番の夢の高城ハル、 14番の夢の寺島小百合、81番の夢の仲串勝美、55番の夢の武田詩織、280番の夢の武田香乃、162番の夢の風間了、44番の夢の金井恵一、49番の夢の香取恵、55番の夢の日生篝、152番の夢の仲串勝代の280番の夢の玉垣勝典の40人 に新しい同居人 110番の夢の珠洲紫音 110番の夢の佐々木琴音 169番の夢の鈴木翔子 44番の夢の直江賢次 55番の夢の和泉理司 菱東重悟と久慈美咲 55番の夢の黒田拓哉 8人 父と母 屋敷守千晶家四天王 255番の夢の万里眼の銀狐の玲也 277番の夢の銀雷の虹姫のシリヤ 277番の夢の白銀の疾風の舞也 276番の夢の石晶伯のイリヤ クリスタルの水槽が二つ増えて 傍らに高さ60センチくらいのペンギンのような形をした3本脚のロボットがあり、その中に菱東家つき金蓮花の祥賢がいる。 金蓮花 277番の夢の久慈の金蓮花姫の慈香 289番の夢の菱東の金蓮花彦の祥賢 266番の夢の天翔金蓮仙花の凰蓮 藤咲 266番の夢の天翔金蓮仙花の鵬蓮 千晶 263番の夢の金蓮花の男の子黎明の双子 黎輝 千晶 263番の夢の金蓮花の女の子黎明の双子 黎香 千晶 263番の夢の藤野の金蓮花姫の香寧 千晶 288番の夢の紫藤の金蓮花姫の聖寧 2倍体 紫藤 そしてふくろうくん兄妹 福と幸 総勢1プラス53人と4人と2羽と8株という大所帯がダイニングに一同に会している。 席次が台所側の南の壁に横型の畳1畳の美術館博物館図書館の絵の額が掛り下には幅30センチ高さ80センチ幅が2メートルの飾り棚がある場所を背にして中央にアムランが座り、その右に国見つかさ、葉山託生、金蓮、藤咲麗が座り、左に鏡剣、菅井佐知、井伊直也が座る。 井伊直也の角から窓側の列12人 玉泉和典、藤本由里江、藤丸竜也、菱東重悟、日生篝、阿倍佳奈子、今野浩之、佐藤優二、山田直子、林京子、鈴木翔子、珠洲紫音 井伊直也の角から窓側の内側の列12人 尾崎儀一、香川諒子、尾崎晁堊、久慈美咲、今野千光、金井恵一、風間了、直江賢次、大島玲仁、和泉理司、黒田拓哉、佐々木琴音 藤咲麗の角から廊下側の列11人 父、母、十琉、美喜、中務香奈枝、綾乃、明伸、香取恵、小幡真理子、井伊直樹、菅井佐紀、 藤咲麗の角から廊下側の内側の列11人 紫藤聖一、紫藤聖二、紫藤聖四、理美、高城ハル、寺島小百合、武田詩織、武田香乃、仲串勝美、玉垣勝典、仲串勝代 以上54人がコの字型のテーブルの配置に並ぶ。窓側を背にして、玉泉和典の後方に屋敷守千晶家四天王の万里眼の銀狐の玲也、銀雷の虹姫のシリヤ、白銀の疾風の舞也、石晶伯のイリヤの席があり、近くの白大理石の丸いテーブルにクッションが置かれ、ふくろうの福と幸兄妹の席になっている。クリスタルの水槽2基はコの字型のテーブルの末端に配置されている。 全員がそれぞれの席に着席したところで、最初にこれまで行方不明だった菱東重悟、久慈美咲の紹介お披露目と挨拶と西の迷宮に住む挨拶もある。続いて珠洲紫音、佐々木琴音、鈴木翔子、直江賢次、和泉理司、黒田拓哉の6人の西の迷宮の間の住人になる挨拶がある。 これまで名前が決まっていなかった久慈の金蓮姫が慈香(じこう)、黎明の双子の男の子が黎輝(れいき)女の子が黎香(れいか)、藤野の金蓮花姫が香寧(こうねい)とお披露目があり、改めて紫藤の金蓮花姫が聖寧(せいねい)、菱東の金蓮花彦が祥賢(しょうげん)と自己紹介がある。天翔金蓮仙花の凰蓮と鵬蓮は有名なため、あえて自己紹介を省略する。 続いて菱東重悟と久慈美咲と時間の挟間の駅の話しをして、時間の挟間の駅のおおよその正体を説明すると 研究者である玉泉和典と金井恵一が絶句する。 「今野の瑞仙イコールアムランであることはここにいるほとんどの者が知っているが、彫刻家の瑞仙イコールアムランであることは父と今野の瑞峯である玉泉和典と藤本由里江と二郎真君しか知らなかったと思うので今回カミングアウトしておきます」と言うと白象一族のイリヤが 「作品の特徴から我が白象一族は瑞仙がアムラン殿でないかと思う者がほとんどでした」と言うので 「そうだね、過去からおおよそ3000点以上4000点はいってないと思うけれども半数が行方不明のうち、個人最多所有が二郎真君で56点、一族として最多の500点くらいかな所有しているのが白象一族だったね」と言うと、全員から「「3000点以上つくってる」」と驚きの声が上がる。9層聖体天球儀と7連環国璽の本物と先日彫ったばかりの作品を菱東重悟が12連環を久慈美咲が比翼連環を取り出して披露すると全員驚き驚嘆する、特に藤咲麗は本物の9層聖体天球儀に魅入って呆ける。 「まあ、時間の挟間の駅に自由自在に行き来できるが、危険なんで、直接触れない場所に出入口である機関区の絵が架かっているが、希望者の見学と瑞仙の現存していない失われた作品で、差し障りのない作品については時間の挟間の駅から化石採集というかサルベージはかまわないので、希望があれば時間を考えるのと新作彫刻もここにいる者に限っては取りあえず1人1個にしてもらうが受け付ける」と言うと結構彫刻家の瑞仙の作品ファンが意外といることがわかり驚く。このあと先日の紫藤の本宅とそのあとに出現した五稜郭城塞についても、時間の挟間の駅から回収してきたことを披露すると全員があっけにとられる。葉山託生が 「もしかして、豊臣秀吉の大阪城丸ごととか、マサダ要塞とかアトランティスとかも持ってこれるわけー」と訊くので 「場所さえあれば可能だな、ただし完全な状態ではないけどね」と私がいうと全員沈黙する。なにか変な音がするので 「うん」と私が顔をしかめると全員気がついて聞き耳を立て始めるとクリスタルの水槽の横にある高さ60センチくらいのペンギンのような形をした3本脚のロボットからである 「あっ、まずい、やっぱり狭すぎるのと循環が悪すぎる」と私が叫びロボットに近づき解体し始める 「ヒロ悪い黒…」と言いかけるが 「わかった」と叫んで今野浩之がダイニングから駆け出していくので 「竜也さんホーローの治療槽持ってこれます」と訊くと 「大丈夫だ、ギイ君手伝ってくれ」と尾崎儀一を引っ張ってダイニングを出て行くと鵬蓮と凰蓮がクリスタルの水槽から白銀の蕾を伸ばして私に 「水衣の技のように空気の循環があるのとは違ってこの中は閉鎖空間ですからな」 「腐醸菌症だったらマズイね」と言うと菱東重悟も慌てて傍に駆けつけてくる 「うーんと台所に蒸留水あったっけ」と私が言うと母が 「50リットルくらいならあるわよ」と言うが 「足りないな、200は流石にないか、参った」と言うと仲串勝代が 「うちの店になら半トンあるわ」と言って立ちあがるので 「助かる、鵬蓮、凰蓮カヨちゃんと行って持ってきてくれないか」というと 「了解しました」とソプラノの響きとともに2人と仲串勝代の姿が消える。ほどなくして藤丸竜也と尾崎儀一がホーロー製の白い1メートル四方で深さも1メートルある四角い浴槽のようなものを持って帰ってくるのと今野浩之も黒曜石の薬研を持って戻ってくるのでとりあえず先に強壮滋養薬の松桃九葉光を造り始めるのと、井伊直也を傍に呼ぶと、いきなり鵬蓮と凰蓮と仲串勝代が蒸留水を半トン水球状態にして持ってくるので、ホーローの半分まで蒸留水を入れるとロボットを分解して中にあるタンクから黒ずんで半分腐ったような状態の金蓮花の本体を取りだすが、ロボットの中の水からは異臭が漂うので 「こりゃマズイ枯草菌の巣になっている」と藤丸竜也が絶句し 「間違いなく腐醸菌症だ、かなり重症だが、秘密兵器があるからなんとかなる」と私がいうと全員 「「へーっ」」という声をあげるのを聞き流して 「ナオヤ、黒ずんでいる部分の細菌を全て石化してくれ」と指示を出すとホーローの水槽の中の金蓮花の本体を井伊直也が凝視はじめるとホーローの水槽の底にポロポロと砂の様なものが落ちて行く、私が表面を洗いながら、井伊直也に作業を続行させると、遠くから覗き込んでいた久慈美咲が 「まさか封石、こんな使い方ができる者がいるなんて信じられない」と驚くので、傍にいた金井恵一が 「やっぱり久慈家の技の封石だったんだ」と言うので 「えっ、あなた、封石を御存じ」と久慈美咲が驚くので、近づいて来ていた菅井佐知が 「金井のケイっちは旧菱宮5家の金井家の人間だからね、古文書担当だから詳しいよ」と言うと今野千光も 「今作業しているナオヤは同じ旧菱宮5家の井伊家の直系の当主で、しかも遠眼鏡の技の達人だからね、凄いものさ」と言うと久慈美咲が 「どおりで、私に似ていると思っていましたのと、久慈家の歴代の祝姫でもここまでの技を使える者はいません」と驚く。 5分ほどの作業でほぼ9割以上の腐敗した部分が取り除かれ、ホーローの水槽も奇麗にしてから、蒸留水を交換して先に造っていた強壮滋養薬の松桃九葉光を溶かしこみ、気を送ると気絶していた菱東家つき金蓮花の祥賢が息を吹き返すので、心配そうに見ていた菱東重悟がほっとした表情を浮かべると 「アムラン、本当にありがとうございます、僕だけでなく祥賢まで助けていただき、今の僕はなにもできないのがくやしいです」と言って泣きだすので、金蓮と国見つかさが駆け寄って慰めと涙を拭きはじめる。 「もう大丈夫だな、それにしてもいつものことだが、大したものだ」と藤丸竜也が感心すると 「今回の手柄はナオヤのものさ、とりあえず祥賢は絶対安静で、このままだな、しかし、この水衣の技の代用品のロボットは発想としては間違っていないが、やっぱり欠点だらけだな、考えた祥賢には悪いが処分させてもらう」と言って、左手を振って異空間のゴミ置き場に送り込んで置く。 仲串勝代に向き直り 「カヨちゃんありがとう、助かったよ、残りは戻すので、鵬蓮と凰蓮頼むね」と言うと 「承知しました」と美しいソプラノが響くと結構残っていた蒸留水の水球が消滅する。全員を促し席につかせ、黒曜石の薬研はついでに洗ってあったので、自席の後ろの絵の下の飾り台の上に手ぬぐいを敷いてから取りあえず置くと 「ちょっと申し訳ないけれど旧菱宮5家の菅井と武田と井伊と金井と久慈と今野千光も悪いけど起立してもらえるかい」と私が言うと菅井佐知、菅井佐紀、武田詩織、井伊直也、井伊直樹、金井恵一、久慈美咲、今野千光の8人が立ち上がると他の全員から 「「似てる」」と声が上がるので 「やっぱりね、同じ血筋というか旧菱宮5家の直系の子孫で兄弟姉妹だから似ているけど能力もね優れた者が多いのはみんな理解できるよね、この8人と幼いけど香乃ちゃんも才能はすさまじいからね」と言うと8人が赤面するのと全員から 「「ほんとにそうだよね」」という称賛の反応がある 「ちょっと今立ってもらったのは、お互いの特に久慈美咲さんには確認しておいてもらおうと思ったのでね、もう座っていいからね」と言うと8人とも座るので、 「さっき封石の技の話しが出ていたんだけど、本来は久慈家の祝姫だけの能力なんだよね」と久慈美咲に確認すると 「その通りです、ですから私も驚いていますが、祖母の祝姫のときに井伊家の男子を身ごもり、出産後そのまま井伊家の跡取として育てられたという話は聞いていますが1000年以上前の話しなので私も詳しくは知らないのですが」と口ごもるので、武田詩織が 「やっぱりそうだったのね、たまたま、ナオヤ君の代になって能力が濃くというか強くでたのね」と言うので 「その通りだろうね、これは動物だと難しいんだけれど、植物や空気中や水中の細菌を石というか砂にして滅菌消毒して除去が完璧にできるということでは画期的な救世主的な技だね」と私が称賛の口調で言うと、その場の全員から井伊直也に対して拍手が起こり井伊直也が赤面している。 「さてと、ここで飯にしよう、流石にみんな腹も減っているだろうし親睦会にしよう、いまんとこ、とりたてて問題もなさそうだし、訊きたいことがあったら遠慮なく訊いて」と私が言ってパンと手を叩くと一斉に女性型のアンドロイドが25人出てきて配膳をあっという間に終わらせるので私自身もその場の全員も驚く。追加で仲串勝代が湯葉を用意して、寺島小百合と国見つかさが手伝って配膳し終わると十琉の 「いただきまあす」の挨拶で会食かはじまる。今回は席をコンパクトに向かい合わせにしてあるので話もはずむようである。 今野千光が私に 「アムランというか瑞仙が彫刻家の瑞仙とも同一人物だなんて初めて知りましたけれど、宮大工の今野で遠眼鏡の技を使えた方の記録ってアムランだったんですか」と訊いてくるので 「うん、その通り、だけど材料を大きくするわけじゃないよ、ナオヤと一緒で顕微鏡レベルで拡大して細工しているだけ、煩わしい拡大鏡がいらない分作業が早いのさ」と言うと 「それで、あんなに彫るの早いのかあ」と菱東重悟が感心したように言うので 「何、重っちアムランの彫ってるとこ見たの」と金井恵一が早くも仲良くなったらしく訊くと 「先ほどお見せした12連環と比翼連環は目の前で1時間掛っていませんからね」と言うと、 「すごいな、早い事は知っていたが、あれだけのものを彫るのにそこまで早いとはな」と玉泉和典が感心する。 中務香奈枝が 「あれっ、キヨちゃん目が白いというか赤いのとれているわね」というので紫藤聖一と聖二の2人もお互いの目を確認すると 「本当だ、普通の目の色にもどっている」と驚いているので 「やっぱり赤竜の呪い、解けたかい」と私が確認すると、母まで 「本当に普通の目になってるわよ」と喜ぶ、 「いや、すごいなあ、この呪いって解けるとは信じられないのと嬉しいですね」と聖二が喜ぶと聖二も 「本宅もあんな凄い要塞だったなんてね、それも信じられないんだよな」と感激している。 菅井佐知が 「いや本当に空から見たらあの幾何学的な美しさはすごいよねえ」と感動の声をあげる。 「うー、縄張り悩む」と今野千光が言うので 「えっ、なんで、千太郎兄さん」と菅井佐知が尋ねると 「いや、あれだけの幾何学的な場所に洋風にしろ和風にしろどんな形というかデザインでバランスとるかは難しいんだよ、それと正五角形の敷地だからよけい難しい、北海道の函館の五稜郭やその設計デザインの大元のデンマークのクロンボー城とか参考資料とにらめっこしているけどね」と今野千光が頭を抱えているようなので 「光成、何も悩むことないぞ、五角形の内陣部分を円形に道路を取って、丸い丘を造って四角形に盛って行くんだ、そうすると縄張りも庭も道路も放射状にできるから楽だろう」というと 「流石、瑞仙の師匠、それいただきます」と今野千光がが膝を手で打って喜ぶので、玉泉和典も 「確かに複雑な形なら円を使って形を整えるのは基本だな、俺も先日、紫藤の五角形の城塞見せてもらったが、デンマークのクロンボー城は小さいので、そのままの形の城舘を内陣ギリギリに建てているようだが、紫藤のあの広い城塞だと五角形の敷地を五等分して放射状に道路を造って中央の敷地を丸くしてその中に四角の敷地にするかなとも考えていたが、あの複雑な形の内陣だからな、交通の事を考えたら円形の道路と丘の方が合理的だよな」とうなずきながら言うので、 「実は私も最初瑞峯の兄者と同じその案を考えていました、交通の事を考えたら円かなというのと、丘に藤の園を造って城塞自体と、本宅を引き立たせたいという考えもありました」と言うと 「あっ、それ奇麗だと思う、しかも薄い色の花じゃなくて、紫藤の名前の由来の濃い色がいいわよ」と藤本由里江が言うと、 「僕もイメージ的にその方がいいと思う」と菅井佐知まで賛成する。 紫藤聖一が「その肝心の濃い紫の藤がないんですよね、藤丸家の池の中島にあるとは聞いてますけど、果たして本当はどんな色の藤の花だったのかわからないですからね」と腕組みして言うと、クリスタルの水槽の方から「それでしたら本当の紫藤の藤の種を私が持ってます」と先日呪縛から解放した紫藤の金蓮花姫が蕾を水面に出して人の姿を現して話しかけてくるので、聖一が 「聖寧(せいねい)、種持っているって」と驚くと 「ここに」と言って一粒の藤の種を体内から出してくるので 「それを私に渡してもらえるかい」と私が言うと 「あ、はい、アムラン様」と聖寧が私に藤の種を渡してくれる。 「ほう、種の色が濃いね」と藤丸竜也が目ざとく鑑定する。 「どれ、どんな花を咲かせてくれるかな」と私が種を左手の上に浮かせて気を送ると、種が少しづつふくらみ根と葉が出るとするすると60センチほどの若木に育つと濃い黒に近い美しい菫色の濃い大ぶりの房の花が咲いたので全員が驚き「「アムランってそこまでできるの」」と全員驚愕反応を示すのと花の色合いの美しさに全員が息を飲んでいるのをしり目に、そのまま実を実らせて20粒の種を確保すると育った若木をどこからか取り寄せた鉢に植えると千晶守四天王の近くの窓にそっと置くと 「初代の若木はこれで休ませて、この18粒はちょっと別のところで増やすが、聖寧に2つはお返しするよ」というと 「いえ、どうぞ全部お使い下さい、紫藤の家のためでしたら惜しむものはなにもございません、それにしてもあのような技までお持ちとは驚きです」と聖寧が感服いたしましたという声と蕾の上で平服している。 「す、すごいわね」と国見つかさがびっくり声で言ったのを皮切りに、全員がいろいろなおしゃべりを一斉にしはじめる。 「はあー、やっぱり藤野の血ひいてるわ、このヒト」と藤本由里江があきれたと言う声を出す。 「藤野の芽出し大樹の技だよ」と金井恵一が肝をつぶしている。 「ときどきこういうことができる者がいるらしいんだけどね、ここまで完璧にやるのはアムランだけだろうなあ」と藤丸竜也が感心と驚きという声で言う。 綾乃と香乃と小幡真理子が絶句している。阿倍佳奈子が紫藤の若木を見て 「この子は千晶家の庭に植えられるんですか」と訊いてくるので 「いや、やっぱりちゃんと紫藤の庭に植えるべきだよ初代としてね、藤には池が似合うし、どのみち養い池もいることだし、あの城塞の周囲の堀は湖という規模だけど、あれを養い池ってのもどうかと思うんでね、ちゃんと新しい本宅の近くに造った方がいいね」と私が言うと、金蓮が 「千晶家の養い池は結局あの鍵形の深い池なの」と訊くので 「結局そうなったね、現状は縁が水深2メートルで幅2メートルのテラス、そこから一気に23メートルで水深25メートルのところに幅30メートルのテラスがあって、そこからさらに一気に底まで25メートルの水深50メートルの底になっているけど、全部石垣なんで、水抜いて一部手直しとして各テラス部分の石垣を一部抜いて石英の砂を敷いた砂床を造って金蓮花達が潜って隠れられるようにする。一番深いところもだけどね、あとは庭も回遊式庭園として池をつくるので、敷地内には3ヶ所池を築造するよ」と言うと全員 「「ほー優雅だ」」と感心してくれる。 葉山託生が「国見の七宝十四器のうちの黒檀の須弥壇と花梨の菱壇と床の間の魂柱ってナンカ不思議」と訊かれたので、「元々、国見の黒薄端を載せるための台で、国見の黒薄端の別名が黒焔壺(こくえんこ)といって国見の家宝の中心だからね」と話すと、国見つかさからも 「白天額って、ただの白い額にしか見えないのだけれどどのような意味なの」と不思議そうに尋ねられたので、 「本来は真っ白の無地の掛け軸の事であるが、他の色の一色の無地額にも使うけれども、黒とかあまりにも濃い色は呼称の対象外なんだ」と説明をすると、葉山託生が 「藤波の名前の意味も不思議なんだよね」と言うので 「薄い藤色のあるかないかわからないくらいのさざ波の文様の無地の掛け軸なので、さざ波と言われているが、一説では藤の花房のつらなりの絵の色があせた掛け軸の絵がが正体といわれている」と説明すると2人とも 「へえーっ、そうなの」と驚きつつ納得してくれると、尾崎儀一が 「そういえば、千晶家の家紋のデザインは決まったんですか」と訊いてくるので 「いや。まだ決めていないけれど仮にアムランの正七角形を使っている、この間武田家の養い池を上から見ていたら武田家の家紋の武田菱と似ていて美しいと思っていたんだけど、単純にするか複雑にするかだね」と言うと尾崎晁堊が 「本当に武田家の養い池って上からみたら平行四辺形みたいな形で妙にバランスとれていて、本当に武田家の家紋と似てましたね」と言うので武田詩織も 「偶然なのかわからないけれど、確かに似てるわよね、奇麗にしたおかげで今は本当に水面に映る二つの月が見事だったわね、昔、観月楼を作った人の気持ちがわかるなあ」と言うと玉泉和典が 「観月楼とはまた優雅というか粋だな、昔あって今ないのはもったいない話しだから再建するなら、俺がやってもいいかな、杉をいただくお礼がわりにもなるしな」と言うので 「時間の挟間の駅にあったから、持ってきて補修するっていうのもあるけど、どうするかな」と玉泉和典と武田詩織に声を投げかけると 「あるのか」と玉泉和典が言うので 「ありましたね、ちょっと傷んでますけどね、内装と屋根を補修すれば大丈夫でしょう」と言うと 「じゃあ、お願いしちゃおうかな」と武田詩織が言うので 「決まり、時間を見て持ってくるよ」と私が言うと 「そうだな、補修で済むのなら早いな、多少は手はいれるがね」と玉泉和典が言うと、藤本由里江が 「瑞峯の仕事ぶりが楽しみだわね」と言い、続けて 「そういえば、クロンボー城といえば、シェイクスピアのハムレットに登場する城のモデルとか」と言うので 「流石だ、藤本の文学姫はよくご存じだ」と私が笑いながら言うと、今野千光が 「えっ、そうなんですか、じゃ和風より洋風の建物にしたほうがいいのかな」とまたもや悩みだすので 「洋舘と和舘を建てて、庭を周りに造って、養い池を森で囲めばいいじゃないか」と私がやれやれと言う風に言うと、紫藤聖一と聖二の2人が「「千光、アムランの案で造って、デザインはまかせるから」」と口をそろえて言ったところで目を覚ます。 No 0291 1989 平成元年 10月21日 土曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところから場面が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはいている、ヘアスタイルがショートボブになっている。 テレビを部屋で見ていると世界が宇宙人に支配されて、世界中の人間が天才判別機という機械にかけられて、その人間のレベルとか才能を数値化されて、その数字を右こめかみに刺青されて、人間自分でおもっているほど才能やレベルがあるわけでないということが晒されて、落胆してなげやりになって暴動まで起きている、私のところにも天才判別機にかかりなさいという強制執行官が来て、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いて外に出て、この街の駅前に設置された判定機にかけられると数値が上がり過ぎて判定不可能という表示が出て機械がオーバーヒートを起こして爆発してしまい驚きの声が上がる中どさくさにまぎれて逃げ出したところで場面が変わる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 どこかのテレビ局のスタジオにいて山本晋也が出てきて何か私にぼやく、そのあと楽屋に行くと、背の高い美人がいて、いろいろ世話してくれるが誰だかわからないでいると、山本晋也が楽屋にきて「あれ、ニューハーフクラブの清水さんもいるんだ」と言ったので 「清水」と私が怪訝な顔をしてやっと背の高い美女が清水環の息子の173番の夢の紘(ひろし)で性転換手術してニューハーフになったことがわかり驚くと場面が変わる。 257番の夢と同じ海の近くの神社に55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、150番の夢の金蓮、266番の夢の藤咲麗の7人と旅行に来てホテルに到着した場面になる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 神社は257番の夢同様に空から見ると東西に50メートル南北に100メートルの神社の内陣の境内があり、その外側を東西に100メートル250メートルの外陣の境内がある。内陣の境内の北側の塀は外陣の北側の塀から25メートルのところに位置していて、内陣の全体は外陣の中央より25メートル北側にある。南側に鳥居のある正面入り口があり、内陣の鳥居の前の外陣内は東西100メートル南北125メートルの広場になっていて、南の外陣の鳥居から50メートルのところで東西に交わる幅20メートルの十字路があり、東西の塀のところにも鳥居がたっている。この十字の中心に8頭の竜が巻きついた直径10メートル高さ30メートルある竜柱が立っている。十字路で区切られた区画の角には四方から長さ15メートル高さ5メートルの竜犬の像が竜柱を見上げるような形で配置されている。神社の外陣の外側はは2車線両側歩道つきの道路が二重にめぐらされていて幅25メートルの緑地帯が二重にある。南側が商店街になっていて東側が住宅街になっている。西側はホテルや旅館などの宿泊施設と商店と住宅が混在している地域になっている。北側は二重の緑地帯の北側に2車線両側歩道つきの道路があり、そのすぐ北側に石の段差のようなものがあって幅20メートルの少し湿った砂浜になっていてその北側には川床が亀甲文様のようなジグザグの石のタイルのようなものが敷き詰められていて、南側の岸は丸石積みの石垣で、北側の岸は切り石積みの石垣で護岸されている。川の北側は幅5メートルくらいのコンクリートで固められた土手のようになっている。この北側に岩場と砂浜の海岸がある。岩場と砂浜の境目に神社側と行き来できるように幅5メートル高さ5メートルの歩道橋の形をした橋がかかっている。 宿泊する旅館はこの神社の西側の北のはずれの海が見える位置にある。 荷物を置いて8人全員で内陣の本殿を参拝し、外陣の十字路の中央にある8頭の竜が巻きついた竜柱を見物するが、壮観なものである。このあと西側の鳥居から出て海のほうに回ると蔵がある地元の小さな造り酒屋がある。この酒造の蔵の横を通り、利き酒ができるというので8人で楽しむ。 海岸まで散策して宿にもどることにして、海岸へおりる歩道橋のような橋を全員で渡り砂浜に降りると静かな海が広がっている。 「やっぱり海はいいわね」と金蓮がのびをしながらいうと「潮風がさわやかねー」と恭仁見つかさが深呼吸をしている。なんとなく全員が思い思いの姿勢で海を眺めながらくつろいでいる、 竜柱だけれども、本人の眠った才能や能力を引き出す力があるという伝承があるのは本当らしいという会話があり、場面が変わり次の日になって、206号室のある街に戻って駅前の駐車場にとめてレストランに入ったところで目を覚ます。 No 0292 1989 平成元年 10月26日 木曜日 地球の外の宇宙空間から地球と月と太陽と水星と金星を見ているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 地球が妙に赤茶けた色で、月面を見るとたくさんの巨大なパラボラアンテナがならんでいて何かのエネルギーを生産して地球に送り込んでいるようである。地球の地上に降りて見ると、世界中に巨大なドームに覆われた円形の都市が106あり、周囲は田園地帯になっている。行政単位が都市単位となり、一つの都市に3000万人が集住していて、合計30億人が住んでいる。惑星規模政府が誕生していて、首都は緑化されたモンゴル高原にあり、川上市という表記が見えて、日本海まで運河があるのが見える。日本列島には7か所ドーム都市があり、北海道に2ヶ所、東京、名古屋、京都、四国、九州に各1ヶ所のドームが見えて、2億1000万人が住んでいる。都市はアフリカ大陸に40、インド周辺に30、ヨーロッパとロシアに12、タイ周辺に5、中国からシベリアにかけて4、南北アメリカ大陸に6、オーストラリア大陸に1、南極大陸に1あるのが見える。川上市内に入ると市民に歓迎されるのと公用語が日本語とドイツ語と英語とスワヒリ語とヒンズー語とラテン語になっていて料理の世界のみでフランス語と中国語が生き残っている。再び宇宙空間に戻ると四神の玄武、朱雀、青竜、白虎と会う。久々にアカシックレコードの如意宝珠の間のソファに座って会話しているうちに場面が変わる。 時間の挟間の駅の機関区と操車場のある始発と終着駅のホームに立っていて、74番の夢の藤本由里江と80番の夢の玉泉和典と7番の夢の藤丸竜也、55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、150番の夢の金蓮、266番の夢の藤咲麗、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の阿倍佳奈子、277番の夢の井伊直樹、277番の夢の菅井佐紀、66番の夢の息子美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、1番の夢の紫藤聖一、1番の夢の紫藤聖二、212番の夢の紫藤聖四、3番の夢の尾崎儀一、169番の夢の香川諒子、22番の夢の尾崎晁堊、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、130番の夢の今野千光、55番の夢の大島玲仁、101番の夢の高城ハル、14番の夢の寺島小百合、81番の夢の仲串勝美、55番の夢の武田詩織、280番の夢の武田香乃、162番の夢の風間了、44番の夢の金井恵一、49番の夢の香取恵、55番の夢の日生篝、152番の夢の仲串勝代の280番の夢の玉垣勝典、110番の夢の珠洲紫音、110番の夢の佐々木琴音、169番の夢の鈴木翔子、44番の夢の直江賢次、55番の夢の和泉理司、287番の夢の菱東重悟、289番の夢の久慈美咲、55番の夢の黒田拓哉の51人がいて、全員水色のヘルメットを被ってホームに整列している。他には天翔金蓮仙花の266番の夢の凰蓮と天翔金蓮仙花の266番の夢の鵬蓮が水衣の術で水球をまとい人形を現わしている。ホームを降りて機関区の扇型の機関庫に入ると24両の蒸気機関車が勢ぞろいし、特にC6217号とD51777号の雄姿に全員が感動している。特にC5621号とC11 8号 19640のプレートをつけた9600型蒸気機関車を見て玉泉和典と金井恵一と十琉が感動している。ホームに戻ると先ほどのC6217号とD51777号が重連を組み、水を満載した石炭貨車と水色の客車1両と有蓋貨車2両に砲車が2両連結されてさらに後に後押しの蒸気機関車が2両連結されて合計10両編成になっている。後ろの蒸気機関車のC623号とD51999号のプレートを見て玉泉和典と金井恵一と十琉が驚きの声を上げるので、「C623号だけは内緒で苗穂から来てもらっている」と言うと、玉川和典と金井恵一と十琉が「「「ほーっ」」」と感嘆のため息を漏らす。全員客車に乗り込み、凰蓮と鵬蓮が石炭貨車の水の中に本体を沈めると、4両の蒸気機関車の勇壮な汽笛が響き、ゆっくりと動輪が回り出す。ドラフトの音も軽快に雪の積もった平原を快調に走りだすと、全員にヘルメットを脱いでも大丈夫と伝え、50人乗っても余裕の客車の中はピクニックの雰囲気に変わる。 「それにしても意外と真っ暗でもないんだな」と玉泉和典が声を掛けてくるので 「ええ、地形が探索できて、ある程度安定した地区の空は、薄暗いですが、こんな感じで安定化しますね」と言うと、金井恵一が 「今どのくらい判明して安定化したんですか」と訊いてくるので 「瞬間的には92パーセント判明したんだけれど、安定化したのは47パーセントだね、なんせこの空間は時間の流れがメビウスの輪になっているので、100パーセント安定化することはありえなくて確実に安定化できるのは面積に換算して、よくて全体の51パーセント、先ほどの機関区のある駅のように固定化できるのはおそらく全体の7パーセント弱の範囲に限られると思うけれど、空間の広がりが無限に近いから7パーセントと言ったって、太陽の表面積の1000倍は優にある計算だけどね」と私がさらりと言うと、聞いていた全員がスケールの大きさに絶句する。 「この先500キロ先に闇壺があるけれど、今日は最近固定化した地域のある中央地区に行くのと次元漂流蔵が今日はそっちにあるらしいので、特別に藤丸竜也と藤咲麗と玉泉和典と菱東重悟、尾崎儀一の5人は入る許可がおりているが、他に希望者いるかい」というと、やっぱりいろいろな話しを聞いて怖い場所というイメージがあるらしく希望者はなかったので、5人には多少の持ち出しはかまわないが、私に何を持ち出したのか申告だけするようにいうと5人ともうなずく。ボオーッという汽笛の合図で中央地区に入り、線路から空中飛行にはいったたことがわかったので、全員に進行方向の右側の窓から外を見るように言うと、古代からの遺跡や城や要塞の残骸が積み上がった半径500キロメートルくらいの巨大な円形の丘が見えて、そのスケールの大きさに全員が息を飲む。鵬蓮が人形を取り 「次元漂流蔵の反応がありました、進行方向左側です」と言うので全員左側を見ると校倉造りの巨大な蔵が浮遊しているのが見えて、またもや全員息を飲む 「じゃ、並走同調して通路をつなぐから、藤丸竜也と藤咲麗と玉泉和典と菱東重悟、尾崎儀一の5人は水色の次元波動防護ヘルメット被って移動して、30分くらいは大丈夫だから」と言って5人に準備させて案内する。30分して無事5人全員がなにやらいろいろなものを持ち出して貨車2両に納めて戻ると次元漂流蔵がいきなり消えて全員驚く 「そろそろ今日のピクニックも終わりにするよ、念のために2基も砲車連結してきたけど撃たずに済んでほっとしてるよ、ここはまだまだ、やばい場所なんでね」と言った瞬間に1発砲が発射されて悲鳴があがるが 「まだ大丈夫だ、普段ならこのあたりに入った瞬間に10発、ここまでに平均100発撃ってるからね」と言うと全員静かになる 「そんなにびくびくしなくたって大丈夫だよ、一発でオーストラリア大陸を沈められる威力の砲が2つに次元蒸気機関車4両で引っ張っているからね、逃げ脚だけは大丈夫」と言うと、風間了が 「オーストラリア大陸を一撃で沈められる」と叫び、井伊直也が 「その威力の砲を平均100発撃ってる場所っ」と叫ぶので他の全員が本当に通夜のように静かになるが、凰蓮が 「アムラン、おっしゃっていた、観月楼だか観月亭らしきものが右前方の地面にありますよ」と言ってくるので 「回収する」と言って右手をパチッと鳴らすと地面に転がる観月楼の残骸をラフレシアの冠が包み込み、回収し貨車の扉が開き自動的に収容されるとそれを見ていた全員が驚く 「よし、そろそろ引き返す、ゆっくりとUターンして、今度はね遺跡の残骸の丘の真上を通過してそのまま帰るから、面白いものがあると思うから見て楽しんで」と言って、待機していた男性型のアンドロイド3体におやつとジュースを全員に配らせると、おちついたのか雑談がはじまるので少しほっとする。スピードを少し落として遺跡の残骸が積み重なる丘の上空をやや低い位置で通過しはじめると、実にいろいろな建物やら遺跡の残骸が積み重なっている。香取恵から 「アムラン、あれってエターナルの宮殿じゃない」と声がかかると全員香取恵が指さす方向を見ると白大理石づくりのエジプトの巨大なルクソール神殿とギリシアのパルテノン神殿があわさったような巨大な建造物が一部崩壊した姿でかなり巨大な円形か角形の水晶のような材質で出来た塔のようなものの残骸に埋もれているのが見える。 「むう、まちがいないな破風の文様から言ってエターナルの光の宮殿に間違いないのと、よりにもよって2万年前に栄えた古代アランティア王朝の御自慢のタワークリスタルパレスの残骸ときたもんだ、どうするかな、回収は可能だが、あんなもんどこにおけっての」と独り言を言っていると、金蓮が 「エターナルってあの妖精の女王の宮殿でしょう、あんなに大きかったの」と訊くので 「うーん、侵略される前に栄えていたときのだからなあ、栄光の残映だな、まあいい回収しておく、ついでにタワークリスタルパレスも」と言ってデッキの方に行ってラフレシアの冠を二つ放り出すと一気に二つの巨大遺跡を収めると、香取恵が唖然とし、玉泉和典が 「すごいことやるもんだ、いったいどれだけの大きさのものを空間にしまいこめるのやら」と感心しているところへ戻り 「しまいこむ物の大きさ自体には全く左右されないんだよ、それにこれだけコンパクトにできる」と二つの巨大遺跡を収めた指輪程の大きさの冠を見せると全員驚いたところで場面が変わり、全員がいつものダイニングに絵を背にして中央にアムランが座り、その右に国見つかさ、葉山託生、金蓮、藤咲麗が座り、左に鏡剣、菅井佐知、井伊直也が座る。 井伊直也の角から窓側の列12人 玉泉和典、藤本由里江、藤丸竜也、菱東重悟、日生篝、阿倍佳奈子、今野浩之、佐藤優二、山田直子、林京子、鈴木翔子、珠洲紫音 井伊直也の角から窓側の内側の列12人 尾崎儀一、香川諒子、尾崎晁堊、久慈美咲、今野千光、金井恵一、風間了、直江賢次、大島玲仁、和泉理司、黒田拓哉、佐々木琴音 藤咲麗の角から廊下側の列8人 十琉、美喜、中務香奈枝、綾乃、明伸、香取恵、小幡真理子、井伊直樹、菅井佐紀、 藤咲麗の角から廊下側の内側の列11人 紫藤聖一、紫藤聖二、紫藤聖四、理美、高城ハル、寺島小百合、武田詩織、武田香乃、仲串勝美、玉垣勝典、仲串勝代 以上52人がコの字型のテーブルの配置に並んでいる。 「無事全員そろってるね、一発だけ砲撃したけど、時間の挟間の駅ってあんなところです、危険な場所である事には変わりないけれども、正当な目的があってきちんとした装備さえしていれば、実は誰でも入ることは可能なんだ、なかなか入れない場所とか移動手段の問題はあるけどね」と静かにいうと、全員それぞれに思う事があるようで、みんな静かに考え込んでいるので右手を挙げて合図すると男女半々の20人のアンドロイドが現れてジュースと軽食の配膳を瞬時に行うと自然に全員飲み食いし始めて場がなごんでくる。 玉垣勝典が挙手するので話すように促すと 「アムラン、僕は時間の挟間の駅なんて話しの中の世界で、一生入る事もできるわけないと思っていましたけれど、アムランという存在と御縁ができて、この本宅でさえ素晴らしい技の結晶なのに、あれほどスケールの違う時間の挟間の駅の中を短い時間とはいえ、行って帰ってこれたということは本当に素晴らしいというか、自分が凄まじい特権を享受する立場にいるという事だから、重々身を慎んで世のために働かなくてはという思いを一層新にしましたね」と素晴らしい予想外の発言をしてくれるので、全員感動してしばらく無言の時のあとで拍手が沸き起こり、おさまると私が立ち上がり 「今、素晴らしい見解を聞くことができて、非常に感動したのと、私自身も思いをあらたにしていきたいと思っている。時間の挟間の駅というのは、ある意味万能の空間とも言えるし、様々な慾が渦巻いている空間でもある。かつて国見と菱関は外部の慾で一時壊滅したが、自分達としては内部の慾で内部崩壊することだけはしたくないし、上に立つ者は、大事なまわりの存在の思いをきちんと受け止めて、満足と喜びを与え続けられる存在であり続けたいと思う、いたらぬところもありますが、ほぼ家族がそろったので、私の思いも伝えておきます」と話して一礼したところで目を覚ます。 No 0293 1989 平成元年 10月27日 金曜日 上から見ると直角二等辺三角形の形の市街地が広がる街があり、直角を頂点とする底辺の部分の道路が幹線道路で4車線両側歩道つきの道路になっている、太陽の方角から底辺にあたる道路が東で直角の頂点が西になる。底辺の幹線道路の南の端から頂点に向かう辺と底辺の幹線道路の北の端から頂点に向かう辺の道路は2車線両側歩道つきの道路になっていて、底辺の幹線道路の南の端から頂点に向かう辺の道路には幹線道路から入った1キロメートルのところの西側に広大な敷地の学校の建物が見える。ここからさらに1キロ進んだところに公園がある。幹線道路の東には複線の鉄道の線路があり、幹線道路の南と北の端の二ヶ所に踏切がある。三角形の底辺の中心に駅があり、駅の裏には500メートル四方の公園があり、ここは中心に向かってなだらかに窪んでいて野外ステージのような感じになっている。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 駅の裏の公園に降りて1人で都ぞ弥生を歌っていると3番の夢の尾崎儀一が迎えに来て、公園の外に止めてあった16番の夢の赤のポルシェの助手席に乗り込むと尾崎儀一の運転で走り出したところで場面が変わり、運転しているのが7番の夢の藤丸竜也に代わり車も7番の夢のグレーの大型の四輪駆動車に変わっている。外は雨が降っている。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 森の中の2車線両側歩道つきの道路を走っているうちに雨があがり、前方に森に囲まれた丘が見えて、赤い煉瓦づくりの大きくて瀟洒な洋館が見えてくる。道路が門で行き止まり、車が停止すると扉が自動的に開く、右側の門柱に藤丸と書かれたブロンズのレリーフの表札がはめこまれているので、藤丸家であることがわかる。洋館の正面の車寄せで一旦降りて藤丸竜也が車をしまうのを待って洋館を取り囲む森の中に入り5分ほど丸いそろった粒の小石で舗装された道を歩くと森を切り開きローラーでならしてコンクリートを流して固めただけの1キロメートルほどの滑走路がある飛行場があり、2人乗りの軽飛行機が格納庫の前に出ている。これに乗り込み藤丸竜也が操縦して軽飛行機が飛び立ち洋館と森の上空を旋回すると洋館の裏手に深い原生林と藤と梅と桃と柊の庭園に囲まれたひょうたん型のかなり大きな湖が広がっているのが見える。洋館のある側がひょうたんの上の部分になっていて川が流れだしている。湖の周囲の半分は原生林に囲まれている割にはきちんと手入れが行き届いていて、一周する道路がきちんと整備されている。ひょうたんの形はかなりずんぐりとした形でくびれの部分が30キロメートルとかなり幅があり、ひょうたんの頭の方の中央に比較的大きな中島が一つとひょうたんのおしりにあたる方の中央には3つの中島が三角形に並び、島と島の間はかなり浅くなっているのがわかる、水位が下がれば池のある島にも見える雰囲気がある。低空で接近すると3つの中島も比較的大きく、建物があるのと藤の花が植えられているのがわかる。湖全体としては100キロ四方の敷地の原生林に囲まれた感じである。太陽の位置から湖が南で洋館が北になり、洋館の正面の左手に飛行場があるが、こちらが東になり洋館の西側から湖の西側にかけては50キロ四方の藤の園になっている。敷地全体を一周する感じで飛行場に戻ると、私の空中移動で、3つの中島の建物の前に藤丸竜也と移動すると、3つの島に囲まれた内海には100以上の金蓮花が咲いているのが見えて、空から見えていた藤棚のところに移動すると濃い紫の藤の花の咲く藤棚が20メートルあり、2人で色を確認すると 「やはりここの藤は藤本のところのものより濃いが、この間瞬間的に咲かせた藤が一番色が濃くて鮮やかだ」と私がいうと 「そうだね、ここのも濃いけれど照りが違うねえ」と藤丸竜也がうなずく 「やっぱり、ここのも濃いけれど紫藤の由来ではないのかな、これが紫藤の藤だとばかり思っていたんだけどね」と私が疑問を呈すると 「いかんせん記録がなくてね、金井の恵一君も何度か見に来て調べてくれたんだけどね、分からずじまいさ」と残念そうに言うので 「とりあえずは、本来の紫藤の藤も確保できたし、私個人の意見で申し訳ないが、美しいものにとやかくいうこともないさね、鑑賞して大事に慈しめばいいだけだと思うよ」とさらりというと藤丸竜也が苦笑しつつも感動したらしく 「アムランらしい言いようだが、全てがなつく理由がいまさらですが、納得ですな、うちの池の金蓮花達も甘えたくてうずうずしてますよ」と言うので、 「わかる、視線というか思考波がビシバシ背中に当たっている、少し遊んでから帰るよ」と苦笑しながら言うと藤丸竜也も苦笑して 「ぜひそうして行って下さい、研究所にお茶を用意しておきますよ」と言って立ち去るので、3つの島の内海の方へ振り返り、歩いて岸辺に近づいたところで場面が変わる。 上から見た時に以下の詳細の場所の上空にいる場面に変わる。 266番と271番の夢で確定した1キロメートル四方の敷地に、幅3メートルの切込ハギの石垣の掘を回し、塀も高さ2メートル厚さ50センチの白壁を回し、塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路と塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にまわされた全長1キロメートルの道路全てが2車線両側歩道つきの道路になっている。500メートル四方の内陣は125メートル四方の区画で16等分され、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて、周囲の4つの区画は鍵形になるように区分されている。南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場となり、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝生になっている。16等分された残りの12区画は北東の角が桃園、南東の角が薬樹園、この二つの区画の間の2区画は畑になっている。南西の角が梅林で南東の角の薬樹園との間の2区画は水田になっている。桃園の西隣の区画と梅林の北の区画は畑になっている。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭となり、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されているため芝生にしてある。 塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森で南東が竹林で南西は赤松林と黒松林であとは混合林になっている。南の竹林の中には直径約60メートルの丸い池を築造してある。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで、東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西と南の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北と南へ向う2本の道路と合わせて12本整備されている。本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備してある。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。南側にある門も東から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。 敷地の森の北東には道路を挟んで神社2社と南西の森には墓地と霊廟を道路を挟んで築造して風水の守りにしてある。本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭になっている。1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面になっている。 以上の詳細の場所の上空から以下の詳細の家の玄関前に降りる。 277番の夢で確定した新家の本宅の玄関は西北の角を切り落とした斜めの壁になる部分に西北の方角を向いてあり、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、従来よりも大きな車寄せの屋根がついた斜路のあるエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは4階まで吹き抜けで、この吹き抜けと螺旋階段のある空間に巨大なシャンデリアが天井から下がり、玄関のドアの上の部分は巨大な縦長の板ガラスが3枚入り、十分な光が入るようになっている。巨大な玄関ホールの天井には畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。1階には二部屋の靴箱専用の部屋が目立たない設計で東と南の壁の後ろにある。東の壁には高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられていて、南側の壁には高さ2メートル幅2メートルの白い噴水を中心にして藤棚と東屋が複数描かれた風景画がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて約50畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は4階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。中央に直径2メートルのクリスタルの水槽が置いてある。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階4階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。階段は中庭の南東の隅にも増設されてある。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに16畳の応接間、この部屋と玄関フロアの絵がかかっている壁の裏側の部屋が一つ目の靴箱専用の部屋である。東側に40畳の広さの車庫、さらに東側に20畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで6畳あり、脱衣所が3畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には10畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が3部屋並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には一部屋が12畳の広さになる。この3つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」中央の和室が「朱雀の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この3つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると30畳の大広間になる。南の庭と3つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の20畳の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が20畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。20畳の厨房の北側が約40畳の広さになったダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールと会議室になっている。地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり、地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が3部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が4部屋、16畳の西の迷宮の間、20畳のダンスフロアと友人控室の2部屋と26畳の図書室がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の16畳の部屋が応接間になっている。 3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の26畳の図書室の上は自分の自室がある位置になっていて、新しい276番の夢の24畳の自室が存在している。 中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が2部屋、北に20畳の工作室と北の迷宮の間の2部屋と南東の角に20畳の東の迷宮の間がある。2階同様に1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。3階の階段のすぐ前の16畳の部屋がアトリエになっている。 2ヶ所ある階段は玄関に近い中庭の西北角のみ4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置と自由に使えるフリーホールになっていて、南側に屋敷守達の控えの間の南の迷宮の間がある。天井の高さも他の階と同じだけあるが窓がないつくりになっていて、4階だけ外から見ると屋根の色になっているので遠くから見ると3階建てに見えるが実際は地下2階地上4階の6階建てになる。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは1メートルの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は屋上の平面から5メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の南東の20畳の部屋と、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する20畳の部屋、2階の中庭の南西に面した16畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると手前にそれぞれの部屋の半分の共同の応接や居間的スペースがあり、奥のドアを開けると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれている。従来は奥の部屋の中心の部屋の前の廊下に外へ続く出入り口があったが、今後は見取り図で上から見たときに左下の隅の部屋を起点としてその前の廊下のドアが共同の応接や居間的スペースとの出入り口になる。そして起点の左下の部屋が1条1丁目になり、左下の右が1条2丁目、右隅が1条3丁目となって、起点の左下の部屋の上が2条1丁目、その上が3条1丁目になる。入って右と上へ数字が大きくなってくのと内部のさらに9つの部屋は例えば、1条1丁目の1番目の部屋であれば、1条1丁目の1の表示で9番地まである。 内部の奥の部屋のドアを開けた正面の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された60センチ四方の銀のプレートがついている。 現時点では 北の迷宮の間 奥方衆の間 11 国見つかさ、鏡剣、葉山託生、菅井佐知、井伊直也、金蓮、藤咲麗 小幡真理子、阿倍佳奈子、井伊直樹、菅井佐紀 東の迷宮の間 身内の間 9 息子美喜、息子の嫁の中務香奈枝、孫の明伸、娘の綾乃、弟の十琉、妹の理美 木村聖一、木村聖二、木村京 西の迷宮の間 大親友の間 28 尾崎儀一、香川諒子、尾崎晁堊、今野浩之、佐藤優二、山田直子、林京子 今野千光、大島玲仁、高城ハル、寺島小百合、仲串勝美、武田詩織、武田香乃 風間了、金井恵一、香取恵、日生篝、仲串勝代、玉垣勝典、菱東重悟 直江賢次、和泉理司、黒田拓哉、鈴木翔子、珠洲紫音、久慈美咲、佐々木琴音 以上48人が同居して父と母と私の合計51人が完成した新家の本宅に住んでいる。 靴を脱いでキュービズムの絵の裏の靴部屋の自分のスペースに靴をしまうと3階の自分の部屋に入ると、ドアの室内側の上には自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られて掲げられている。276番の夢で確定した自分の部屋は光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれ、内部は南北に縦長の24畳の部屋が機能的に縦長の6畳単位で4つのブロックに整理されている。 南西の6畳は南の壁の西寄りにドアがあり、ドアの東側に縦に畳1畳分の大きな鏡がある。 応接セットの中心には以前と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっていることがよくわかる、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。応接セットが置かれていて西壁は全て3メートルある天井まで造りつけの本棚になっていて、一部スライド式になっている。 北西の6畳には1畳の広さの黒のスチールの机が置かれていて、両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の天板には緑の下敷きにガラスの板が置かれ、左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。この椅子は同じ型のものがもう一つ窓の下に置いてある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで、東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきのL字型の飾り棚兼用の作業台がある。この作業台の上の西側の壁側には、テレビとビデオデッキとテレビゲーム機とミニコンポが置いてある。 南東の6畳は南の壁が東側の窓の壁までがクローゼットになっている。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットが西側の鏡の裏までの広さになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっていて応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北東の6畳には北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドが置かれ、南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北側の窓は従来通り北側の中央部にひとつある。ベッドのある北東の6畳とクローゼットのある南東の6畳の間には畳1畳分の大きさの高さ60センチのローチェストが間仕切り代わりに東西に置いてあり、部屋の中央寄りに幅90センチ奥行き50センチ高さ50センチの水槽が設置されていて底に白い石英の砂が5センチ敷きつめられている。 机の前のイスに座っていると、ノックの音がして、55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣、82番の夢の葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、150番の夢の金蓮、266番の夢の藤咲麗の奥方衆7人と55番の夢の武田詩織が280番の夢の娘の武田香乃を抱っこして、さらに287番の夢の菱東重悟と289番の夢の久慈美咲の11人が入ってくる。菱東重悟と久慈美咲は折り畳みイスの場所を知っているので自分達で出してきてあとの全員はソファに余裕があるのでそのまま座る。よく見るとテーブルの上にはおやつらしきお菓子がかなり持ち込まれているのが見えるので、どうやらここで茶話会をするつもりでいるらしいので、内心苦笑しつつ 「おやおや、重悟と美咲も全員と仲良くなったみたいだな」と言うと金蓮が 「そうよ、重ちゃんとミサキちゃんは西から北に部屋変えしたからね」と爆弾発言をしてくれるので私が驚いて目を見開くので 「おーっダンナ様のあーいう顔ってめったに見れないからねー」と葉山託生が冷やかしまじりで言うと 「ホント、アムランのああいう顔ってたまにはいいよね」と菅井佐知まで笑いながら言うので、やれやれと肩をすくめて机の上で腕組みして顎を載せてソファの周囲に集う面々を眺めるかっこうをすると、 国見つかさが 「今日は休みでしょう、いつもは50人近くでわいわいだからたまには少人数で茶話会って思ったのよ」と言うので、苦笑しながら 「そうだな、さすがに50人で茶話会っていうか会食だとなかなかじっくり話にならないものな、どれ私もそっちへ行く」と言ってイスを持って机側のソファの横に並べると井伊直也がポテトチップを盛った小皿を渡してくれる。よく見るとかなりいろいろなものが持ち込まれている。ポットにカップに小皿がかなりあって 「はー、最初から計画してたのか」と流石に苦笑しながら言うと 「「もちろん」」と全員が言う。いつのまにやらお茶まででてくる。一口すするとさすがにうまい。鏡剣が 「アムラン、この間の時間の挟間の駅の見学というのかピクニックはみんな度肝抜きましたね、本当にものすごい場所だったんですね」と感無量と言う風に言うので 「うん、私は公認というか公式の時間の挟間の駅の探索人免許を持った唯一の存在だけど、正直あんまりあそこが好きなわけではないんだよ、昔から無意識のうちに出入りしていてコントロールできるようになった頃にミドリとユウの救出ができたから関わるようになったけどね」と言うと武田詩織が 「今でもあんまり出入りしたいわけではないんですか」と訊いてくるので 「できることなら行かないですむならそれにこしたことはないんだけどね、なんせ特殊な場所だからね、時間流が過去と未来をメビウスの輪の正確に言うと二重螺旋構造で渦巻いていて、過去に失われた物が残骸か影の状態で堆積というか吹きだまる場所だからね、天界だけでなくて全ての世界の雲の上が失われた宝や技術を求めて触手を伸ばす、慾だけでなくて思惑と利害が交差する場所だからね」とあきらめにも似た声で言うと、藤咲麗が 「私もいいように使われていたからねえ、ちょっと脇にそれて役得みたいなこともしたのよね、持ち出しというかアムラン風に言うと化石採集だけど、思い上がり過ぎて能力を失っちゃったけどね、今ではかえって良かったかもしれないって思ってるけどね」と言うと 「それノロケ入ってるって」と菅井佐知が藤咲麗をからかうので 「なんか本当に仲良くなってるんだなあ」と逆に私が感心すると 「そんなものじゃない」と武田詩織がにこやかに笑いながらいうとほぼ全員が 「「うんうん」」とうなずく。 「ふむ、確かに役得はあるよな、ただねえ禁断の呪術もあそこには数多く眠っているのでね、特に返魂に関する魔術や道具は凄まじく強力なやつがあるんだが、昔から返魂術ってやるやつ多いが、成功は絶対しない、成功したかに見えてもどこかおかしくなって化け物になりはてて、結局破滅しかないのと、後始末できる存在が限られているんでね、太上老君と二郎真君と私ぐらいなもんで、ホントにあの後始末くらい後味は悪いし、抵抗もすごいから手こずってね、そんなこともあって返魂について私が厳しいのはそういうこともある。実際問題、死者の眠りを妨げることなかれが私の座右の銘のひとつさね」と言うと 「それで、ことさら、返魂の技に厳しいんですね、僕もやっていいことではないと思っていますのと失敗例の被害者でもあるので本当にそう思います」と菱東重悟が言ったので 「ええっ、重ちゃん被害者」と国見つかさが驚くので 「そうなんですよ、僕が子供の姿のままで大きくならないし、大人の姿に化けることすらできないのは返魂香炉の燃料代わりにされかけたせいなんです」と言うと 「返魂香炉の燃料代わりって、あっ、賢者の石の粉と妖精の心臓の聖なる光血の残滓のせいだな」と私が驚いて言うと 「その通りなんです、おかげで不老不死にもなったみたいですけどね、そのために恋はできませんでした、みんな僕より先に死んでしまうんですから」とため息をつくので、 金蓮が「それで、祥賢を連れて1人でさまよい続けることにしたんだ」と言うと 「そうです、このあいだアムランに救っていただきましたけれど、祥賢までいなくなったらもう気が狂うと思いました」と涙ぐむと、なぜか武田香乃がテイッシュを持って菱東重悟の涙を拭きにトコトコ行くので他の全員が 「「おやおや」」と見ている。 「祥賢ならもう大丈夫だし、あとは藤丸の養い池で1ヶ月静養させれば問題ないからね」と私がいうと 「だけど、すごいよね、アムランもだけどさ、ナオヤのあの、なんだっけ封…」と藤咲麗が言いかけてつまると 「封石の技ですが、本当に私も信じられませんでしたからね、本来は魔物を石にして封印してしまう技なのですが、あんな使い方もあるとは驚きでしたが、私もできませんね」と久慈美咲が感心したように言う。 「まあ、細菌が見えるというのもあんまり気持のいいものでもないので、ただ、いろいろと役に立てるようなので、技に磨きはかけるようにしてますけどね」と少し照れくさそうにはにかんで井伊直也が言う。 「アムラン、今後はしばらく時間の挟間の駅は立ち入り禁止にするの」と武田詩織が訊いてくるので、 「そういうわけでもない、どのみち雲の上が遺失物調査を言ってくるだろうし、正当な理由があるのであれば化石採集を禁止はしないけど、私は玉泉と金井と二郎真君には言ったけど、時間の挟間の駅は現在の状態で置いておいた方がいいと思っているんだ、これ以上探索しても無意味というか、全貌は92パーセント明らかになって安定化した場所も47パーセントに達したし、固定化した場所だって7パーセントとはいえ、太陽の表面積の1000倍以上あるし、あそこの原住民達が1億年かけても調査しきれない広さと物が溢れているし、当分私も行かないしね」と言うと 「だいたい必要な物は回収したんですか」と菱東重悟が訊いてくるので 「ほぼね、国見の七宝十四器のうちの失われていた物は全部回収して修理も近々終わって戻ってくるし、武田の観月楼も回収したし、自分の瑞仙の作品も失われた1500点のうちの3割にあたる460点ほど回収したし、これ以上欲張るとロクなことがないから節度ある自主規制だね」と言うと、最後のしめのセリフが受けたらしく全員爆笑してくれる。 「おっかしいの」と葉山託生が笑い転げているのと国見つかさと武田詩織が笑いを堪え過ぎて涙目になっている。とりあえずおちつくのに全員お茶とジュースを飲んで一服する。 「いーい雰囲気だわー、しあわせ」と金蓮がしみじみという感じでいうので 「ほんとだね、僕もいろいろひどいめにあって来たから今が夢のよう」と井伊直也がなごやかな安心しきっていますという声で言うと、 「ドウカン、と実感だねー」と葉山託生がしみじみと実感するという声でいう。 「そうだね、私も本当にそう思う、まあ欲張りな話かもしれないけど、まだちょっと忙しいってのもあるが、まだもっとじっくり家族と親睦したいのが本音、今順番にデートしているけど、親友達も子供達ももう少しスキンシップしないとなあ」とぼやくと国見つかさより早く武田詩織が 「大丈夫よ、なにげにアムランは愛情かけているもの、みんなわかっているわよ、ねっカノ」となんでか自分の娘に言うのであるが、娘の香乃も母親の言っている意味がどうもわかっているらしく、まだまわっていない口で 「ハムランのおじたんだいちゅき」というので思わず笑ってしまう 「やっぱり子供は正直だよねえ、絶対わかってるよね」と菅井佐知が感心したように言う。 「どれ」と声を掛けて香乃を抱っこすると嬉しそうにして眠ってしまう 「あーあ寝ちゃったわねー」と母親の武田詩織が受け取りにくるので、クローゼットを開けてソファの隣の空いている6畳の空間に小さなふとんを出すと武田詩織が香乃を寝かせて手渡した毛布を掛ける。 「アムラン、香乃の華道の稽古カヨちゃんも面白がってしてくれるんだけど、カヨちゃんの店で時々生け込みアムランがしてるって」と武田詩織が訊いてくるので 「ときどき、やるね、新しいメニューの味見とかも結構してたりするんでね、店の雰囲気にあわせてというか、食べ物の店だから食欲増進の雰囲気だすのに平鉢の生け込みに松と橙使ったったりする事が多いなあ、もうひとひねりしたいんだけどあんまりやりすぎると嫌味になるからほどほどにしてる」と私が言うと 「あー、だからカヨちゃんにしては派手かなというか、結構目を引く生け込みが時々店に飾られてるのかあ」と金蓮が納得したという顔で言うと、 「ホントときどきハデというか食欲そそる色を使っている、意外とシンプルというかプロっぽい生け花があるのはそのせいかー」と葉山託生も思い出してうんうんと頷きながら言うと、国見つかさが 「生け花で思い出したけれど、茶道の家元の今井さんが、葉月の家の総帥にこの間なったけど、元気なかったわね」というので、 金蓮が「葉月の家つき金蓮花姫って結構厳しくって、今井さん修行がなってないって金蓮花姫の麗那(れいな)にダメ出しされたのよ」と苦笑する。 「悪い人では決してないんだけど、意外と気が弱いのと、弟子があれだけいるけど、どうも育成がよろしくないらしい、アムランにとんでもない口利くやつが高弟だからなあ」と鏡剣がぼやくと、 「まあ、あいつって敖家の一族だから、しょうがないっちゃ、しょうがないケド、な・ま・い・き」と葉山託生が結構お茶目とも怒っているともわからない口調で言うので全員苦笑する。 「そーいえば杉本がおとなしいわねー」と武田詩織が思い出したように言うと 「ギイに七葉家の筆頭の立場取られちゃった割には大人しいから、なんかね」菅井佐知も不思議そうに言うので、またもや金蓮があきれたような口調としょうがないわねという溜息とともに 「杉本のとこの葉瀬家の金蓮花彦にいたってはかなり潔癖で麗那よりさらに厳しい上にアムランスキーだから、杉本に総帥不適格宣告までしたから、杉本もかなり慌てたみたいよ」と言うので、 葉山託生も「杉本ってナンカ才能あったっけ、あんまり才能とかアルとは思えないんだケド」とかなりきつい一言がでたので、やれやれと思い 「なんかすごい言われようだけどね、シオっちと近い才能と、失せ物探しと鉱山の鉱脈探査能力ならたぶん私より上」と少しカバーしておく。 「えっ、そうなんですか」と菱東重悟が驚いたように言うので、 「意外だけどね、行方不明のヒトとモノ探すのと貴金属やレアメタルと宝石なんかの鉱脈探すのはピカ一だよ」と私が言うと、全員から「「へえー、意外」」という反応があって苦笑する。 久慈美咲から「金蓮花の花ってこの間藤丸家の養い池で初めて見ましたのと咲く条件があるんですか」と訊かれたので 「うん、一応、付いている家の総帥や一族や一門衆の才能の量というか質というか能力レベルのよしあしを判定して、花の大きさとか個数とか違ってくる。一株からの最大の花の個数の記録は70くらいみたいだけどね、最大はどこまでいくのかは金蓮花本人もわからないらしい」というと「「へーっ」」という声が上がるのと部屋の水槽に 「お邪魔します」とソプラノの声がして266番の夢の天翔金蓮仙花の鵬蓮が現れる。 「うっわ、やっぱりキレー」と葉山託生が感動する。 「鵬蓮、みんな遊びに来たいんだろ、何人来ている」と私が尋ねると やや苦笑気味の鵬蓮のソプラノが 「うちの263番の夢の金蓮花の男の子黎明の双子の黎輝、263番の夢の金蓮花の女の子黎明の双子の黎香と263番の夢の藤野の金蓮花姫の香寧と遠慮してますけど266番の夢の天翔金蓮仙花の凰蓮と277番の夢の久慈の金蓮花姫の慈香、288番の夢の紫藤の金蓮花姫の聖寧、葉月の家つき金蓮花姫麗那、菱平の家つきの金蓮花彦の紘玲(こうれい)、井伊の家つき金蓮花彦の剛嘉(たけよし)、国見の家つき金蓮花彦の光泉(こうせん)、葉山の家つき金蓮花姫の寧凛(ねいりん)と280番の夢の武田の金蓮花彦の剛輝(たけき)と葉瀬の家つき金蓮花彦の恒陽(こうよう)の13人ですね、祥賢はまだ藤丸家で療養させています」と言うと 「あっりやー、寧凛」と葉山託生がやばっという顔をし 「あー、剛輝ねえ」と武田詩織もしょうがないかという顔をする 「珍しいな剛嘉かい」と井伊直也があれっという感じで言う 「いやー、アムランスキーは人間だけでないからねー」と金蓮もしかたないわよねと苦笑する。 「鵬蓮、天翔金蓮仙花はともかくとして、金蓮花がこれだけ人間とスキンシップというか見られてる状況って本来ありえないんだよな」と私が鵬蓮に言うと 「そうなんですけどね、やはりアムランの人徳ですよ、一番大きいのは、それと現在の金蓮20家の総帥の半分はそれぞれの家の初代の能力を大きく超えている方々が多いので、かなり親密になついてしまう場合が多いですね」と少し嬉しそうな鵬蓮のソプラノが響く。 「まあ、ありがたいことだ、それだけに気をひきしめないとね」と私もやや苦笑と照れが入った声で言うと 「「おっ、アムランが照れてる」」と全員がくすくす笑い、忍び笑いする者もいる。 「笑ってるけど、タクミおまえも相当なつかれてるだろ、ちょっと、放り出し気味で欲求不満たまってるぞあいつ」と私が少しからかうようにいうと 「うー、ヤバイかも」と葉山託生があちゃーという表情をする。 「どれ」と私が立ち上がり、静かに六畳のスペースから香乃の寝ている布団を自分のベッドへ念動力で移動すると、5畳の大きさの石英の砂を底に敷いた高さ1メートル20センチで台が30センチの高さの水槽を出現させてから鵬蓮に 「これ14人大丈夫かな」と訊くと 「大丈夫ですよ、余裕ですよ」と言うので 「じゃ全員呼んで」と言うと、鵬蓮が 「わかりました」と言い終わらないうちに、黎明の双子の黎輝、黎明の双子の黎香、藤野の金蓮花姫の香寧、天翔金蓮仙花の凰蓮、久慈の金蓮花姫の慈香、紫藤の金蓮花姫の聖寧、葉月の金蓮花姫の麗那、菱平の金蓮花彦の紘玲、井伊の金蓮花彦の剛嘉、国見の金蓮花彦の光泉、葉山の金蓮花姫の寧凛と武田の金蓮花彦の剛輝と葉瀬の家つき金蓮花彦の恒陽の13人が一斉に5畳の水槽にひしめくので、私も含めて全員驚くのと早速寧凛が葉山託生に蕾を伸ばしてまとわりつくので 「寧凛おもいっきりタクミに甘えていいぞ」と私が笑いながら言うと 「もちろん」と寧凛の声がして「あぎゃー」という葉山託生の悲鳴!?が上がるので武田詩織が一番苦笑している 「きつくないか」と私が言うと鵬蓮が 「そうですね、凰蓮と黎輝と黎香はこっちおいで」と交通整理してくれるのでかなり落ち着く 「すごいわね、天界の聖なる湖ではこういう光景見慣れてるけど、ここでこういう光景見るとは思わなかったなあ」と金蓮が感心と呆れのあい半ばする声をだす。 「菱東の祥賢は静養中だけど奥方衆と武田家は全員来たようだね、あと葉月と葉瀬は報告もあるのかい」と訊くと、葉月の家つき金蓮花姫の麗那と葉瀬の家つき金蓮花彦の恒陽が 「優れた才能のある方の傍が一番ここちいいですから」と同じことを言うので、国見つかさが 「まあ、アムランスキーはしょうがないわよ」と笑いながら言うので金蓮花達からも笑いがあがる。賑やかさに目を覚ました香乃を抱き抱えて母親の武田詩織に渡すと 「おや、この子すごいわね」と葉月の家つき金蓮花姫の麗那が蕾を乗り出してくると武田家の剛輝が 「初めてお会いするが、歴代の武田家の総帥にもこれだけの能力者はそうそういなかったな」と感嘆の声をあげるので、 「まだ幼いが、すごいだろう、特に3つの分野の才能と能力レベルは私と変わらない」と私が言うと、母親の武田詩織が 「えっ、そうなの」と驚くので 「華道と武術とたぶんデザインの才能は世界クラスかもしれない」と私が続けて言うと 「ひええーっ」と武田詩織が本当に驚くので、武田家の剛輝が 「末頼もしいし、武術なら私が稽古つけよう」と言いだす 「私もお手伝いしますよ」と井伊家の剛嘉まで言うので、井伊直也が 「剛嘉、香乃ちゃんの武術の才能はそんなに高いのかい」と尋ねるので 「ええ、直也様大したものです」と即答なのと私が 「やっぱり菅井の系統の武術の血筋かもしれないな、佐紀もそうだし」と言うと、鏡剣が 「このあいだ佐紀ちゃんとお手合わせしたんだけど、なかなか筋がよかったですねえ、割と拳法系の体さばきは見事でした」と感心したように言うので 「たぶん踊りもうまいはずだよ、意外と武術の動きと踊りは共通するからね」と私が言うと、国見つかさが 「あっ、それでケンちゃんも風間君も踊りうまいのね」と言うので、鏡剣が 「えっ、僕姉さんの前で踊ったことないですけど」と驚いたように言うので、葉山託生が 「ケンちゃん、黒田勇一ってジカク最近ナイみたいだケド、ケプリで風間と踊ってるじゃない」と言うと 「あっ、忘れていた、最近この姿で落ち着いていたからなあ、元々の本体でいるのが一番楽だからね」とぼやくので、菅井佐知が 「ケンちゃん、鏡剣の名前から国見勇一にしたらいいのに、元々の本名まるまるつかいたくないんならさ」と言うので 「うーん、姉さんも国見にもどしたからねえ、国見優輝にもどすのもちょっと抵抗あるからなあ、悪くはないんだけど、国見の家の芸事なんにも継承できていないからなあ」とぼやくので 「鏡流の長刀剣舞の流主だからなあ、関流短刀術の現存最後の免許階伝保持者でもあるからね」と私がさらりというと 「えっ、そうなんですか」と金蓮花彦の剛輝と剛嘉が2人とも同じように驚くので 「いっそ国見のお家流に鏡流と関流を併合するかなという話もさ、関流の源流でもある無明流と呼ばれる菱関流の元締めの今野浩之と佐藤優二とは相談していたんだよね、今現在、金蓮15家から20家に再編成になったけど、それぞれの家の伝承の芸事と武術も集大成してまとめと分担しなおしたらいいんじゃないかって話しは藤丸の竜也さんとか、ギイとも言っていたんだけどね」と私が言うと、鵬蓮も 「私も、ここしばらく金蓮20家の皆様と付き合わせていただいたのと、各家の金蓮花達の意見でも出ていましたけれども、ある程度はまとめた方が良い時期にきていると思いますね。ただ、みなさん1人で3から5くらいの分野の優れた才能を持っている方が結構いらっしゃるので、区分けというのも難しいなとは思っていますけどね」と感心したように言うので、菱東重悟が 「僕も、すごい才能集団だと感心というか驚いていましたけれど、無理にまとめなくても、自然の流れでまとまっていくような気がしますのと、忍術の関流の開祖って謎の存在ですが、実は僕なので、国見のお家流にして鏡剣さんが国見の名乗りをされる事は大賛成です」と爆弾発言をしたので 「えっ、そうなの」と鏡剣が驚くと井伊直也が 「金井のケイから、聞いていたんですけどね、忍術の関流って約3000年前に少年の忍者とか小柄な体格の忍者や女忍者向けに安東聖充(あんどうまさみつ)という人物が考案したのが始まりという古記録があるという話は聞きましたのと、この間アムランが安東聖充と菱東重悟は同一人物だと教えてくれましたので間違いないですよ」と静かに言うと、国見つかさが 「ケンちゃん、こうなったら自信もって、国見勇一にして、お言葉に甘えて国見の関流を旗揚げしたら」と鏡剣に言うと、国見の金蓮花彦の光泉も 「そう、されるべきです、優輝殿あなたは御自分の才能を過少評価し過ぎる、もう少し自信をもたれよ」と蕾を伸ばして言う。 「開祖の菱東重悟本人からも許可が出ていることだし、この件に関しては、国見勇一に名乗りの変更と関流は内容のまとめをして、国見のお家流に組み込みということだね」と私が言うと、菱東重悟が 「異議なしです」とはっきり言ったので、全員から拍手がおこる 「わかりました、近々国見勇一に名乗り替えお披露目しますのと、関流の内容は重さんと菱関のヒロさん達とも打ち合わせしますね」と鏡剣が落ち着いて言うので 「それでいいと思う」と私が言うと、葉山託生が 「では、奥義の巻物とかは、ボクが」と言ったので、鏡剣から 「よろしく」と返事があるついでに鏡剣と意外にも久慈美咲から金蓮20家各家伝承の武術の中で謎の料理包丁の技について訊かれたので 「元々は短刀と包丁の使い方は食材のさばきから始まった事とさばくという使い方だけに絞ると仲串のカヨちゃんが超一流で、おそらく武術としての形とか奥義を教えたらかなりの武芸者になる可能性が高い」と私が言うと国見つかさが 「ということは、カヨちゃんを天才料理人だと思っている人間は多いけれど、武術の腕も凄いということね」と話しがまとめられる。 このあと、蕾の上に人形を現した金蓮花達も少しおやつを食し、人間の方はお茶とジュースで喉をしめらせる。 落ち着いた頃に 「香乃もね華道の一流派を興せるだけの才能あるから武田のお家流にしようかなと思っていたんだ、実のところ国見華道の綾乃か藤野古流の補佐役幹部として入ってもらおうか、悩ましいところなのさ」と私が言うと 「卓越した才能が3つあるということですから、もう少し様子見て本人の選択にまかせるというのもありじゃないですか」と菅井佐知が、母親に抱かれて眠そうにしている香乃を見て笑いながら言うので、 「そうだな、何も慌てる必要は全くないし、まだ幼いからね、本人の選択待ちもよしだな」と私が笑いながら返すのでその場の雰囲気も笑いと和みがでる。肝心の香乃は母親に抱かれているうちにまた眠くなったらしく寝てしまうので、またふとんに戻す。 私が「こりゃ、大物になるな、寝る子は育つし」と言うと武田詩織が嬉しそうな顔になる。 国見つかさと久慈美咲が金蓮花達に養い池の移動について訊くと、結構金蓮花同士で交流していることがわかるが、居心地のいい場所であるはずなのであるが、あまりにも蓮が密集し過ぎている菱関の養い池についてはあの密集した蓮を間引きすべきという意見がほとんどすべての金蓮花から出ていることがわかる。 「あれは、ひどいよね」と菅井佐知も言い 「確かに風水の最高の竜穴の上にありますから、あれだけ増えるのはわかりますけれどね」と菱東重悟も言うと金蓮も 「絶対に爽禮(そうらい)も不自由しているはず、なのに全然動かないのよね、花は咲きっぱなしだしねえ」となかば呆れたように言うので、 「なんせ、五色天竜穴だからなあ、気が強烈過ぎて、本体が巨大化してるからなあ、今だと直径1メートル半あるな」と私が言うと、その場の金蓮花達が 「「!?」」と絶句するのと、金蓮も 「はっ、1メートルはんっ」と素っ頓狂な声を出す。 「それとね、あそこの蓮なんだけどね、食用の蓮根を採取する品種が99パーセントなんだよ、だから根っこが絡んで身動きとれないはずなんだけど、気という食べ物には不自由しないからね、全部とっぱらって、別の栽培専用の池に移植して、池を掃除して、砂敷くなり水草植えるなりして再構成してある程度移動しないと肥満枯死するぞあいつ」と私が言うと、金蓮花だけでなく人間も絶句する。 そのまま私が続けて 「実のところ珍しい王故蓮と赤陵明蓮と玉王蓮も見つけたんでね、採取するか、池手入れして栽培と鑑賞したいんだけどね」と言うと、鵬蓮が 「えっ、王故蓮と赤陵明蓮と玉王蓮があそこの池にあるんですか」と驚き、国見の金蓮花彦の光泉と葉山の金蓮花姫の寧凛と葉瀬の金蓮花彦の恒陽が口を揃えて 「「赤陵明蓮といえば、我々金蓮花の観賞と寝宿としても憧れの存在です」」と驚くのと、井伊直也が 「古来、王侯貴族が全財産はたいてでも欲しがる貴種で、花の優雅さと水中の茎の広がりの艶やかさでは他の追従を許さないというあの赤陵明蓮があるってのはすごいですよ」と真顔で言って絶句するので、他の人間達が 「「そ、そうなの」」と驚いている。 「これは早いうちに、掃除して、赤陵明蓮や王故蓮と玉王蓮もちゃんとしないといけないなあ」と私が言うと、 「ぜひ、そうなさるべきです」と凰蓮がリキの入ったソプラノで言うので、鵬蓮が 「凰蓮の赤陵明蓮好きは変わらないみたいだな」と苦笑したのを見て目を覚ます。 No 0294 1989 平成元年 10月28日 土曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで経っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 206号室から外に出ると静かに雨が降っている。206号室がある鉄筋コンクリートのアパートの1階から建物を見ると壁がずいぶん薄汚れている。汚れている理由はいつもの景色と違いアパートの裏に鉄道の複線の線路があってひっきりなしに蒸気機関車が通るからである。 206号の部屋に戻ると80番の夢の玉泉和典と55番の夢の武田詩織が奥の部屋に折畳のテーブルを出して休んでいて仕事が多忙になって大変なのでここに憩いにきたと言うので、お茶を出して3人で話しをしていると葉山託生から「金曜日あいているからデートしよう」という電話が来て、了承すると玉泉和典と武田詩織から珍しく冷やかしがはいり照れる。台所に行くと大きな深い鍋で266番の夢の藤咲麗が煮物を作っていて味見させてくれて、玉泉和典と武田詩織にも出す。玄関のドアをみると手紙の山になっているので拾ってドアを開けてみると、いきなりトラックがとまり、友人のKHが引っ越してくる。2階の210号室で、引っ越し手伝いをしていると、たまたま見えた208号室の中は部屋の半分が鳥のゲージになっていて30羽ものインコが飼われていることがわかる。友人のKHが206号室へ挨拶に来たところで目を覚ます。 ※ 友人のKHは現実に平成3年に千葉県柏市に引っ越してくる。 No 0295 1989 平成元年 10月29日 日曜日 学校の教室の授業風景から夢がはじまる、空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は31番の夢と同じ黒の詰襟の学生服の上下を着て左襟に菱形のバッジをつけて、白のソックスをはいて、黒のコンバースのバスケットシューズを履いている。 男子は自分と同じ詰襟の学生服を着ているが、女子が全員私服である。昼休みに2人の女子からいきなり非難されるが、内容的にどうも言いがかりであり、2人の顔をよく見ると81番の夢の藤原愛子と名前はわからないがいじめの夢ではよく見る学級単位のいじめの首謀者として良く見る顔である。2人の勢いに周りの男子がオロオロするが、私としては何もやましい事がないので堂々と受け流していると。周囲の女子が私の味方を始めて、「女の話しするから、アムランはいいわよ」と女子集団が2人を教室から連れ出してしまい、残された男子とあっけにとられているところで場面が変わり。 美術室で粘土を使って胸像を製作していて、レジンのような新素材を使っての製作もしている。かなりリアルな男と女の胸像をしあげたところでまた場面が変わる。料亭の座敷で割れた陶器を漆を使って修理している。板場にいくとまだ修業中の130番の夢の今野千光がいて、かなり叱られたり怒鳴られたりして意気消沈している。この料亭では私が客であり出資者という立場であることがわかり、自分の部屋に今野千光を呼んで慰めたり励ましている。どうもこの今野千光は私がアムランであることに気が付いていないのと料亭の雰囲気からアムランの姿ではなく別の人物の姿で時間を遡って存在している感じである。 場面が突然変わって夜の街を移動して、213番と同じく大きな10階建てのビルに入り、エレベーターに乗ると突然エレベーターがとまりゴンドラが宙づり状態になる。非常ボタンを押しても誰もこないので仕方ないので非常用ハッチを開けてエレベーターシャフト内の壁の非常用のはしごを伝って1階までおりて1階のホールでほっとしていると喚き散らす美女がいてよく見ると藤原愛子であるが見つからないように立ち去ったところで目を覚ます。 No 0296 1989 平成元年 11月4日 土曜日 パチンコをしているところから夢がはじまり、とにかく玉がよく出る。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 場面が変わり、以下の詳細の部屋にいる。 ドアの室内側の上には自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られて掲げられている。276番の夢で確定した自分の部屋は光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれ、内部は南北に縦長の24畳の部屋が機能的に縦長の6畳単位で4つのブロックに整理されている。 南西の6畳は南の壁の西寄りにドアがあり、ドアの東側に縦に畳1畳分の大きな鏡がある。 応接セットの中心には以前と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっていることがよくわかる、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。応接セットが置かれていて西壁は全て3メートルある天井まで造りつけの本棚になっていて、一部スライド式になっている。 北西の6畳には1畳の広さの黒のスチールの机が置かれていて、両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の天板には緑の下敷きにガラスの板が置かれ、左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。この椅子は同じ型のものがもう一つ窓の下に置いてある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで、東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきのL字型の飾り棚兼用の作業台がある。この作業台の上の西側の壁側には、テレビとビデオデッキとテレビゲーム機とミニコンポが置いてある。 南東の6畳は南の壁が東側の窓の壁までがクローゼットになっている。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットが西側の鏡の裏までの広さになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっていて応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北東の6畳には北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドが置かれ、南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北側の窓は従来通り北側の中央部にひとつある。ベッドのある北東の6畳とクローゼットのある南東の6畳の間には畳1畳分の大きさの高さ60センチのローチェストが間仕切り代わりに東西に置いてあり、部屋の中央寄りに幅90センチ奥行き50センチ高さ50センチの水槽が設置されていて底に白い石英の砂が5センチ敷きつめられている。 部屋の机の前のイスに座っているとノックの音がして66番の夢の息子美喜と135番の夢の孫の明伸が入ってくるのでソファに移動して3人で時間の挟間の駅の話しやいろいろな話しをするのと2人を甘えさせる。 美喜が「お父さん、不思議ですよね、同じ子供というか、僕の息子の明伸と僕が小学校5年生くらいの姿で同時に存在しているのは」と言うので、ここは他の者もだけれど、時間の流れか自由に伸び縮みするというか、本来の時間と本来の自分が存在する時間から抜け出して、複数の自分が同時に重なって矛盾が自動的に補正されて存在できる唯一の時空間の第五回廊界だからね、時間の挟間の駅とはまた違った失われたものが矛盾なく復活して発展していく世界だからね」と言うと、明伸が 「それで、みんな長寿で姿が自由自在に変えられるんですね」と言うので 「その通りなんだけど、約束事があって、過去から未来へ世代が交代していく流れは止められない、完全な不死ではないのだけれども、条件と環境を満たせることができた者は不老長寿と新たな存在の自在空間を得る事ができる場所でもあるのさ」と私が静かに言うと美喜と明伸が驚くが、続けて 「実際のところ、このあとどうなっていくのかは私にすらわからない」と言ったところで目を覚ます。 No 0297 1989 平成元年 11月5日 日曜日 夕暮れのまだ明るい日差しが差し込む駅のホームを歩いているところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 駅のホームは大正時代の雰囲気があり屋根がついていない露天のホームで太陽の方角から東西に長さが200メートルあり、南側と北側の両側に線路がある。西側の端から50メートルの所とさらに50メートル東に進んだ 所に下に降りる階段がある。さらに50メートル行くと階段ではなく明かりとりの吹き抜けになっている場所があり、その先50メートルが東の端になっている。明かりとりの吹き抜けになっている場所は深さ1メートルのところに両側から幅60センチのひさしのような棚がつきだしていて、その上に高さ60センチ直径40センチの鉄製の樽のような容器が両側ともに5〜6並べられているのが見える。底はかなり深くよく見えない。 ホームの西の端に戻ると2人の女性がいて、1人は55番の夢の日生篝でもう一人は秋篠宮紀子様で、日生篝が先導し私が後ろから護衛する形で西側の階段を下りて行くが、かなり深く、5階分くらい降りて通路のようなコンコースのような場所に出ると右手に地下鉄のホームが見える。左手には通路が続いていて地上のホームの中央の階段の出入口の開口部が見えて、そこから先には空中にこの先通行不可。立ち入り禁止。と書かれた札が透明な壁に貼り付けてあるかのように浮いていて、その先には明かりのついていない通路というかコンコースが続いているのが見える。日生篝も秋篠宮紀子様も立ち入り禁止の方へ歩き、結局通過できないのと微弱な電流の放電があり、入れないで困惑している。周囲を見ると壁に小さな印があり、私が触れるとこの先通行不可。立ち入り禁止の札が消えて通路に明かりがついて、進めるようになる、透明な壁のようなものがあった場所から1歩のところに5段の小さな階段の段差がある。30メートル進むと50メートル四方の壁がぼろぼろに崩れた広間のような空間があり上を見上げると20メートルくらいの天井があって、地上のホームの明かりとりの吹き抜けからの明かりが見える。上からのぞいた時は様子が分からなかったが下から見上げると空などがよく見える。この部屋は通路を背にして右と左に曼荼羅が描かれていて正面の壁には青不動明王の絵が描かれている。行き止まりなので引き返して中央の階段の手前の5段の小さな階段を上がると、中央の階段から美智子皇后陛下が下りてきてこちらを見て微笑まれたところで場面が変わる。 私が黒のセダンタイプの車を運転していて、高速道路に入るためのループ状のランプウェイを上がる場面になる。後部座席に俳優の中条きよしそっくりの男性と高校生くらいの女の子が乗っていて、助手席に105番の夢の鏡剣が乗っているが、鏡剣の表情がかなり険しいので気になっていると、高速道路に入るとすぐ景色はビルの林立する大都市の光景になり、後部座席の2人が、ビルの価格の話しと不動産売買の話しを始めて、かなり金にがめついような内容になったので、内心、ああ、こういう成金というか品性に問題のある方達なので鏡剣の機嫌が悪いことがわかる。話しの内容から後部座席の2人が親子であることがわかった瞬間に場面が変わる。 今度は同じ黒のセダンタイプの車を一人で田園風景の中の道を運転している。2車線両側歩道つきの道路は八千代学園大学と書かれた赤レンガの門柱のある門に続く一本道で、門をくぐると大学の大規模な建物群が広大な敷地に建ち並んでいるのがわかる。付属高校もあり、制服が上着が紺のブレザーにクリーム色のワイシャツに、黒の棒タイを男女共にしめていて棒タイを留める金具が楕円形のバッチになっていて校章と学年を示す色変わりの模様が入っている。女子のスカートは車ヒダで男子のズボンはブーツカットのデザインでグレーに金のラインがポケット部分に入っている。靴も男女ともお揃いの革のハイカットのデザインのものを履いている。高校の前が学園を経営する学校法人の本部で、私が正面玄関の前に車を停めて外に出てくると荒井注そっくりの理事長が出てきて「ようこそオーナー」というので私がここのスポンサーであることがわかる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にあり、自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿のために通りすがりの大学生や高校生から手をふられ、ものすごい人気を集める。しばらく理事長と立ち話ししていると雷がなり、雨ではなくいなりずしがあられのように降ってきて、通りすがりの生徒と一緒に驚くが、理事長に促されて本部の建物の中に入り、教職員控室に入ると国文学の教授がいきなり文章についての話しをするので拝聴して、私も 「文章とは簡潔にして要を得るものであるべきであり、読者の脳内でドラマを見ているがごとく映像的な再現性を惹起する文章こそ名文である」と主張する。このあと学園中に訓話放送をするということで私も話しをして本部の建物から出ると赤いはずの夕焼けが、薄青いオーロラになっているのを見て場面が変わる。 要塞の司令室にいて、特殊部隊の5人の兵士を直接指揮して、見知らぬ洞窟の地下の湖のようなところに空間移動をすると、55番の夢の国見つかさが頭がダチョウの卵くらいあり、かたつむりのようなつのが二本生えた先に目が付いて、2メートルくらいの蛇のような怪物に捕らわれているのを発見して、怪物を取り押さえて救出し兵士達が怪物を始末すると要塞に全員戻る。国見つかさに話しを訊くと 「台所でいただき物のマンゴーの実を切っていたら中から先程の化け物が現れてさらわれて、もらった腕時計を持っていたので、緊急コールが自動で鳴ったのを聞いて気絶したら、助けにきてくれたので嬉しかった」と言ってしがみつかれたところで国見の家の座敷に場面が変わる。 鏡剣改め国見勇一と国見つかさの3人と縁側に座ってお茶をのんでいる場面になり、地面かから盛り上がった根が乳房のように見える「たらちねの石楠花」と葉の形がくるりと立体的な杯の形をした「金杯銀杏」と一つ一つの花の形が冠のように大きい「冠木蓮」とガク紫陽花の一種で大きい花が二重になり小さな花が八重咲のように見える「金星紫陽花」と花が濃い紫色のために黒く見えて葉の縁にも黒い筋がある「黒鉄扇」と4本幹の桂香樹を利用して造られた「四ッ胴の鹿威し」と1本の香炉樹の幹から彫りだされた「香風の水車」の国見七宝木が庭の元通りの位置に戻り、国見の庭が完全に元にもどっているのを確認したところで目を覚ます。 No 0298 1989 平成元年 11月6日 月曜日 朝 最初に150番の夢のドラえもんと275番の夢ののび太と150番の夢のしずかちゃんとジャイアンとスネ夫と出来杉と私と55番の夢の和泉理司、55番の夢の黒田拓哉、55番の夢の大島玲仁の4人とあわせて10人で寺で合宿している。私が指導教師役で、次の日天気は快晴でハンググライダーのような空飛ぶ道具で森や山や街の上を相当な長距離飛び戻ってくるが、のび太がいないということで捜索に行くと寺の近くの谷の中間に生えている木に引っ掛かってジタバタしているのを見つけてつれもどす。 場面が変わり部屋の中にいる、ドアの室内側の上には自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られて掲げられている。276番の夢で確定した自分の部屋で、光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれ、内部は南北に縦長の24畳の部屋が機能的に縦長の6畳単位で4つのブロックに整理されている。 南西の6畳は南の壁の西寄りにドアがあり、ドアの東側に縦に畳1畳分の大きな鏡がある。 応接セットの中心には以前と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっていることがよくわかる、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。応接セットが置かれていて西壁は全て3メートルある天井まで造りつけの本棚になっていて、一部スライド式になっている。 北西の6畳には1畳の広さの黒のスチールの机が置かれていて、両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の天板には緑の下敷きにガラスの板が置かれ、左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。この椅子は同じ型のものがもう一つ窓の下に置いてある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで、東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきのL字型の飾り棚兼用の作業台がある。この作業台の上の西側の壁側には、テレビとビデオデッキとテレビゲーム機とミニコンポが置いてある。 南東の6畳は南の壁が東側の窓の壁までがクローゼットになっている。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットが西側の鏡の裏までの広さになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっていて応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北東の6畳には北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドが置かれ、南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北側の窓は従来通り北側の中央部にひとつある。ベッドのある北東の6畳とクローゼットのある南東の6畳の間には畳1畳分の大きさの高さ60センチのローチェストが間仕切り代わりに東西に置いてあり、部屋の中央寄りに幅90センチ奥行き50センチ高さ50センチの水槽が設置されていて底に白い石英の砂が5センチ敷きつめられている。 机の前のイスに座って、テレビアニメを見ていると、最終回という字幕が出たとたんに実写になり、画面に吸い込まれて神の視点いわゆる空中から見ている位置にいる。タイトルは不明であるが、王国があり、悪政の限りを尽くして国民をいたぶる王様から人々を助ける少年達のグループがあり、このグループを影から助ける役が自分である。少年達のグループは少女1人を含む6人グループである。王様を倒すために王宮に突入して玉座の間に行くと王様がたった一人でいるが、ここで驚愕の事実が判明し、今までの悪政は王様ではなく王様の2人の弟達の仕業であったことがわかる。悪政打倒のために王様も少年グループに加わり行動を始める。なぜ王様の2人の弟達が悪政の限りをつくしているのかというと、この国は国王になると結婚することはできず、次の王は兄弟あるいは一族の中から未成年者を選んで次の王に定める掟があり、2人の弟の子が次とその次の王になる事が決定していて、それをよいことに権力を王様から奪い監禁状態にして好き勝手な悪政の限りをつくしていて、王様も被害者になっていたという事実である。この後王宮の裏に続く滝の裏に洞窟があり、そこからも水が流れていて少年達が飛び込み、王様は別の入口から洞窟に入り「塩が大事」とか「体系化法が」とかぶつぶつ言いながら奥へ少年達を案内する。そこで真の悪者の弟達と対決し、王様が弟達を道連れにして自爆し、少年達が無事脱出に成功して国民に歓呼の嵐で迎えられる。それまでは王様の弟達の情報操作で少年達が悪者扱いされていたが、みごとな大団円で最終回となる。 少年達が洞窟に入るところから実写がアニメに変わりラストで次の番組シリーズのアニメの主人公がピーターパンのような服を着て袋を担いで森に囲まれた山の見える小道の坂を上がっていくところを空中から見ている。 ここで場面が変わり、どこかの夕暮れの街を本を読みながら歩いている。本は小説ジュネ60号となっていて、表紙には代官山ストリートボーイズとオカマの道具とオフロの活用法その他の小説のタイトルと特集記事の表題がある。ページをめくると6人の美少年達の写真集が10ページあり、好感度少年達をスカウトチェックという見出しが書かれていて、そのあとのページに「童」(わらわ)という雑誌を新たに発行するということが書いてある。その後よそ見して歩いていることをマンガのオバタリアンの顔をしたモンスターに罵られて、ふと前を見ると「夏子の酒」という看板が立っている。この看板の前で、小説ジュネ60号の好感度少年達をスカウトチェックという特集記事の10ページの美少年達の写真集に出ていた6人のうちの3人の美少年と1人の美青年の4人が、マンガのオバタリアンの顔をしたもう一体のモンスターにいじめられているので、彼ら4人を抱えて空を飛んで街の上を飛んで安全な場所で降りる。身長が伸びたのとヘアスタイルの変化のおかげで最初わからなかったのであるが、282番の夢の白銀騎士団の4人の男の子達で名前を中野純、中田郁、中川翔、中山爽と名乗って「アムランに認められたくてモデルとして頑張っています」と言われて驚いたところで場面が変わる。旅行用の大きなカバンを2つ下げて坂を降りてタクシーに乗って駅に向かっていて、空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にあり、自分の姿は30歳くらいになっている。上下グレーのスーツ姿になっていて、駅前でタクシーから降りると駅前は緑の街路樹が多く、大勢の20歳くらいの若い男の子と女の子が歩いていて、少し立ち止まって休んでいるうちに目を覚ます。 No 0299 1989 平成元年 11月6日 月曜日 昼 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所に場いるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 206号室に父と母が来ている。その日206号室がある鉄筋コンクリートのアパートから引越しする者がいてバタバタしている。ふと郵便受けを見ると手紙が入っていて、中を見ると杉山雅史という知らない名前の男の子から告白の手紙が入っている。 私が自動車教習所に行こうとして教本を持っている。私と入れ替わりに父が帰ってきて、足元を見ると私のサンダルを履いていて、私のサンダルで外を歩いていたが、自分の靴に履き替えるために戻って来たと言う。このとき部屋の時計を確認すると午後5時ちょうどで、教習所に行ったつもりがアカシックレコードの中にいる。今回はいろいろな記録が読めて、特に中東の戦争関係とノストラダムスの予言の解釈と聖書の黙示録に関する真相が興味深い。1999年には何も起きないし、すでに成就した予言であり人類は少なくとも3700年までは存在している。ただしいろいろとやっかいなことは起きるのと日本が中心になって世界を動かさざるを得ない時代もくるが、日本の政治家がクズしかいない状況になっていくというのも悲しい。宗教の権威と倫理が怒涛のごとく崩れて再び蘇るのにかなりの時間を要するというのが黙示録の予言の解釈の真相である。 場面が変わって街を歩いていると、手紙で私に告白したという見ず知らず杉山雅史と名乗る16歳くらいの若い男の子が交際とキスをせまって追いかけてくるので逃げるが、1人かと思いきや5人いて見知らぬ若い男の子ばかりで年齢が中学生くらいから高校、20歳と30歳くらいまでまちまち。とにかく逃げまくるが全員口々に 「好きだー」と追いかけてくるが 「その日の気分で盛り場で男と女とどっちとも遊ぶんなら僕と付き合えー」とか 「あんたの本命のつかさなんてどこがいいのさー」とかまあ下品さと嫉妬の入り混じった言葉には参って 「ああー、場面変わるか目え覚めないかな」と思っていると場面が変わり、農場を散歩している場面になってほっとしたところで目を覚ます。 No 0300 1989 平成元年 11月7日 火曜日 朝 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 雨が降らず湖が底まで干上がったために、水量を調節するダムを今がチャンスということで改修している。請け負った土建会社の社長が悪徳で有名な青年社長なので、湖の岸で観光ホテルを経営する少女の社長が手抜き工事を心配して愚痴るのを客の私が聞いている。この少女が知人のAUで傍でダンナのTSがしょげている。私は55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣あらため国見勇一、82番の夢の葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、150番の夢の金蓮、266番の夢の藤咲麗、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の阿倍佳奈子、66番の夢の息子美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、3番の夢の尾崎儀一、169番の夢の香川諒子、22番の夢の尾崎晁堊、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、55番の夢の大島玲仁、162番の夢の風間了、44番の夢の金井恵一、49番の夢の香取恵、55番の夢の日生篝、44番の夢の直江賢次、55番の夢の和泉理司、287番の夢の菱東重悟、289番の夢の久慈美咲、55番の夢の黒田拓哉の28人と友人のSMがいて合計30人でロビーのソファに座っている。AUとTSの愚痴のあとで、友人のSMと数学の問題をやりながら問答している。 そのうち黒田拓哉と佐藤優二が湖には宝が眠っているという伝説を仕入れてきて、30人全員で探索にいくことになる。私はダウジングロッドを使用すると最初は大きな鉄パイプが出てくる。その近くで 国見つかさ、小幡真理子、阿倍佳奈子、中務香奈枝、香川諒子、香取恵、久慈美咲の女の子7人組が白骨死体の頭蓋骨を見つける。私が湖の岸の上にいた者達に警察と医者とをよこすように叫ぶ、しばらくして警察より先に女医さんが来て、私と風間了と一緒に白骨死体の検視をする。近くでサイフを見つけると定期と身分証明書が入っていて、甘楽健一と書いてあり、О型でいろいろな免許を持っていることがわかる。その後白骨死体と遺留品を回収して岸に上がると大勢の警察官と高校生が立っている。しばらくして、にわか雨がふりバケツをひっくり返したような土砂降りになり、湖が瞬く間に満水になる。空を見上げると雲がムクムクと湧きあがっていく様がスローモーションフィルムのように見えて美しく感動したところで目を覚ます。 No 0301 1989 平成元年 11月7日 火曜日 昼寝中 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 二階の206号室の部屋の外に出るとアカシヤが大規模な店に改修しているのが見えるのと、鉄筋コンクリートのアパートの二階部分の全ての5部屋の台所の壁の一部を抜いて自分の部屋として使うための工事をしている。 外に出ないで5つの全ての部屋がつながり中のしきりのドアもちゃんとついている。 ここに55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣改め国見勇一、82番の夢の葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、150番の夢の金蓮、266番の夢の藤咲麗、287番の夢の菱東重悟、289番の夢の久慈美咲の9人がやってきて学校へ行ったり買物に行ったり、大きくなったアカシヤで何人かとアルバイトしたり、11人で5つの部屋をいったりきたりして生活している。夢の中の時間で1ヶ月経過したころに、アムランの一番最初の恋人の話が突然出て、藤本由里江の妹で同じく看護婦だった藤本茜という女性であると言う話しをすると全員、それで藤本由里江のアムランに対する態度がお姉さんぶっているということが納得されるのと、息子と一緒に船の事故で死亡して息子の方は根性で今の美喜として再び生まれてきたが、結構無理したため、最初はいろいろと病気だとか因縁で苦労した原因だったと初めて国見つかさに明かすと驚かれる。 茜については、まだ生まれ変わってないようだし、自分が生きてるうちに会えるかわからないと弱音を吐くと 「まだ愛してますか」と全員から問われたので 「愛していないといったらウソになるし、最近まで部屋に頭蓋骨を保管していたけど、この間たまたま麗と頭蓋骨の話しを少し話した後で藤本家の墓所に泣く泣く収めた」と言うと、いきなり久慈美咲が泣きだすので驚くが、他の者が全然驚かず、久慈美咲に対する慰めがかなり親密だったので私が怪訝な顔をすると、 国見つかさが 「実はねミサキちゃんが茜さんの生まれ変わりなのよ」と真顔でいうので、 「へえっ、まさか」と私が驚くと、藤咲麗が 「間違いないわよ、部屋にあった頭蓋骨の左後に星型のくぼみがあるの見たけど、同じ場所に同じ星形のくぼみがあるし、茜さんってつむじの中に三角形のホクロがあったでしょ」というので、 「確かにその通りだけど、まさか久慈美咲にもあるのか」と言うと 「見た方が早いですよ」と国見勇一と菅井佐知が言うので、恐る恐る久慈美咲に近づいてつむじの中と頭蓋骨の左後を確認すると、まったくその通りで思わず久慈美咲の顔を両手で挟んで額の中心を見ると額の奥のオーラの渦巻が茜と全く同じだったので 「えっ、茜なのか」と驚くと少し涙ぐんでうなずいておもいっきりしがみつかれて茫然とする 「それにしても、アムランが全然気がつかないってのも珍しいよねー」と葉山託生が言うと、藤咲麗が 「ここ数ヶ月、時間の挟間の駅のことで無茶しっぱなしで、本来の能力の三分の一まで落ちていたからねえ、回復する前にどんどん無理するから全然回復するどころかますます落ちているんだもの、気がつかないわよね」とため息をつきながら言うと、金蓮が 「いつもの鋭さが全然ないから、かなり無茶しているとは思っていたのよね、前にアムランの部屋でお茶会したときに西の部屋から北の部屋にしたと言ったときに気が付くかなと思っていたんだけど何にも言わなかったから、あらっと思っていたのよ」と言うので、 「いや、そんなに仲良くなったのかと、感動はしていたんだけどね、そこまで頭が回らない状況だったからね、自分でもヤバイと感じていたから休んでつきあったというのが本当のところさ、しかし茜がねえ、久慈の祝姫とはたいしたものだ」と感心したようにいうと、 国見つかさと井伊直也と金蓮が 「じゃ決まり、奥方衆として公認ね」というので 「ちょい、まち、それはいくらなんでも無理だよ、第一にすでに複夫婦の儀は終わっている」と私が慌てて言うと 「今回ばかりはアムランのちょい、まちは却下です」と国見勇一と菅井佐知が言い 葉山託生が 「アムランの結婚許可人数は9人まで雲の上のお墨付きがアルのよ、んで菱東重悟君と久慈美咲ちゃんの分はアルのよ、追加の複夫婦の契の証明書コレ」と2通の奉書紙の包みを渡されてあけて見ると見慣れた雲の上の最高権力者の直筆の署名入りの証明書が菱東重悟と久慈美咲の2人分あるので、驚くのと声がでないが、やっとのことで 「負けたよ、ここまでやられたら認めざるを得ないけれど、茜いや久慈美咲はわかるんだが、菱東重悟については不思議なんだが、そんなに、こいつに惚れたの」と自分指しをすると 「「あーあ、まあたやる、自分指し」」と久慈美咲と菱東重悟以外の全員が言い、菱東重悟が 「ええ、心底やっと愛せるというか、ついていって心配ない方に出会えたと思って、ここにいる皆さんに打ち明けました」と真剣な顔をして言うので 「はあー、この近くの公園で出会ったときからこうなりそうな予感はあったんだよなー、正直、会って話ししている途中から、あっこいつヤバイかもというくらい押してきていたからなあ」と頭を掻きながら言うと、 菱東重悟が 「生まれて初めて、本当に離れたくないって思いましたから」とまっすぐな瞳で見てくるので 「わかった、すぐには私も慣れないけれど重悟と美咲の気持は間違いなく受け止めるから」というと全員から拍手喝采が巻き起こる。そしてなぜか、ケーキだのビールだのオードブルがどこからともなく現れて宴会になったところで次の日になって、夢の中の時間で3ヵ月の間、全員で遊園地に出かけたり、日常生活をして9人全員と個別に週替わりでデートしているうちに目を覚ます。 No 0302 1989 平成元年 11月17日 金曜日 95番の夢で登場するノイシュバンシュタイン城とよく似ている塔のある、平らな平原と庭に囲まれた舘の入口にいるところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。 自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 中に入ると、すぐ大広間で、入口のところから正面の重厚なひだのあるカーテンがかかる大きな窓まで幅3メートルの赤い絨毯が引かれていて。両側は緑色の床になっている。窓に近づくと黒曜石で出来た玉座のようなイスが中央のイスが窓を背にして、左右にも同じ形のイスは向かい合うようにコの字型に配置されている。かなり近づくと端正な顔立ちの男性が3人腰掛けている。いきなり3人とも立ち上がるとかなりの長身で黒のタキシードにトレンチコートのようなデザインのマントを羽織っている。顔を良く見ると整って美しいのであるが、犬歯が3人とも異様に長い。この3人は人間ではなくバンパイヤであることがわかる。 「ようこそオラクルいやアムラン殿」と中央のイスの男性が言い、D・ルシフィンと名乗り、左のイスの 男性がD・サイファーと名乗り、右のイスの男性がD・リックフォードと名乗る D・ルシフィンが「前回ドラキュラ城でお会いした時は失礼した、我々は純粋なバンパイヤではなく混血のダンピールであるので吸血はしないが、闇の世界に生息せざるを得ない存在である。時間の挟間の駅での御活躍は一族の長から重々聞かされており感謝に堪えませぬ、この舘はご自由にお使い、ゆるりとお過ごしくだされ」と言うと3人ともかき消すようにいなくなる。このあと舘の中を見物していると、舘内でろうそくを片づけている女の子達が大勢いるのが見える。よく見ると今までの夢の学校で時々登場して私に反目していたり、いじめの首謀者的存在の女の子9名と81番の夢の藤原愛子が奴隷のごとく絶対服従状態でここの舘の3人の主人に仕えている。この屋敷のサンルームのあるサロンで57番の夢の菅井佐知と24番の夢の井伊直也に会ったので3人で文学と歴史の話しをしている。 場面が変わり、 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所に場面が変わる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 206号の部屋のある鉄筋コンクリートのアパートの外装を足場を組んで改修しているところを見ているうちに 場面が変わると、 白象一族の墓所で壮麗な霊廟を造営している現場になる。上から見ると森に囲まれた四角い広場の中央に巨大な木造の大仏殿のような中央霊廟が半分出来上がっているのが見える。東西南北の四周には北に黒大理石、東にラピスラズリ、南にルビー、西に白大理石造りの巨大なタージマハルの形をした霊廟が建てられている。 中央霊廟では丁度上棟式で多数の白象一族が立ち並び、今野の正装の瑞峯こと80番の夢の玉泉和典に258番の夢の今野清玄、130番の夢の今野千光と3番の夢の尾崎儀一と22番の夢の尾崎晁堊兄弟もいる。めざとく276番の夢の白象皇が私を見つけて自分の隣に招くと、74番の夢の藤本由里江と息子の藤本左近と玉泉右近がいて軽く会釈して場所をあけてくれるので、並ぶと型どおりの儀式が進行し、相当太い棟木が最上部に固定される 儀式の終了後、引き揚げようとする白象一族と白象皇をとどめると 「本日の吉日にあたり、白象一族にお返ししたいものがあり持参いたしました」と私が言って銀の盆にビロウドの布が被せられたものを取り出すと全員不思議そうに見るので説明を続ける 「かつて5代目の白象皇より厚い友諠をいただき、崩御のおりに私にも形見分けとして牙の一部をいただきましたが、これは本来白象一族のものであり、いつまでも私が預かるのは失礼にあたると考察し、霊廟造営を瑞峯の兄弟子が承った御縁により本日瑞仙の技を施し、謹んで5代目の魂を慰撫し、白象一族の魂の聖域にお返し申し上げたく持参いたしました、納めていただければ幸甚であります」と言ってビロウドの布をとり、白象皇に渡すと 「なんと、みごとな」とビロウドの布の下に現れた白い円筒のようなものを見て白象皇が絶句する。他の白象一族もそれを見るや否や 「なんという繊細な」 「しかし大胆だ」 「流石瑞仙」と口々に驚きの声を上げるので 「瑞仙渾身の鎮魂の作にございますれば、お納めいただけますでしょうか」と深く頭を下げると白象一族の一部からは感涙にむせび泣くものすら出るしまつである。白象皇がやっとのことで 「瑞仙いえアムラン殿、かように素晴らしき宝を戻してもらえる事になるとは夢にも思わなかった、これはしばらく黒の霊廟にて魂をお慰め申そう」と白象皇自ら北の黒大理石の霊廟に移動するので他の白象一族の面々も続く、 「瑞仙殿と瑞峯殿も参られよ」と白象一族の皇太子にあたるアレク大公から声がかかったために玉泉和典と白象一族の後からつき従い、黒の霊廟に向かったところで目を覚ます。 No 0303 1989 平成元年 11月19日 日曜日 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 死体が一面山積みになっているが臭気は全くない。顔は不明ながら数人の医者が解剖しているのか、単に切り刻んでいるのかわからないが、死体があちこちバラバラに飛び散っている。あまり凄惨さが感じられないのが不思議に思っていたが、気が付くとあれだけ切り刻んでいるにもかかわらず血が全く流れていないからである。 場面が変わり、上から見た時に以下の詳細の場所の上空にいる場面に変わる。 266番と271番の夢で確定した1キロメートル四方の敷地に、幅3メートルの切込ハギの石垣の掘を回し、塀も高さ2メートル厚さ50センチの白壁を回し、塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路と塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にまわされた全長1キロメートルの道路全てが2車線両側歩道つきの道路になっている。500メートル四方の内陣は125メートル四方の区画で16等分され、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて、周囲の4つの区画は鍵形になるように区分されている。南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場となり、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝生になっている。16等分された残りの12区画は北東の角が桃園、南東の角が薬樹園、この二つの区画の間の2区画は畑になっている。南西の角が梅林で南東の角の薬樹園との間の2区画は水田になっている。桃園の西隣の区画と梅林の北の区画は畑になっている。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭となり、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されているため芝生にしてある。 塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森で南東が竹林で南西は赤松林と黒松林であとは混合林になっている。南の竹林の中には直径約60メートルの丸い池を築造してある。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで、東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西と南の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北と南へ向う2本の道路と合わせて12本整備されている。本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備してある。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。南側にある門も東から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。 敷地の森の北東には道路を挟んで神社2社と南西の森には墓地と霊廟を道路を挟んで築造して風水の守りにしてある。本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭になっている。1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面になっている。 以上の詳細の場所の上空から、本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角の本宅の南東角を寄せた配置の区画の残りの元々庭で277番の夢で儀式のために一時更地にした北東と南東と南西の3区画分に降りると池のある庭が完成している。南東部に3メートルの築山の本体が北東部と南西部の区画にL字型に張り出すようにあり、L字型に囲まれた家側には築山に沿って家紋の州浜をイメージした形の3つの池の連なりの本体部分があり、3段の滝が池に落ちるようになっていて中島がある。築山は最高部が3メートル次が2メートルさらに1メートルとひな壇のような地形になっていて、2メートルのひな壇部分が北東部と南西部の区画方向に2ヶ所あり、ここに東屋が設けてある。北東部と南西部にはほぼ円家の池が中央の南東部の池とつながる形であり、つながる川の部分にそれぞれ2ヶ所石橋が架かっている。北東部の池は畔に東屋があり、竹林を中心とした構成で竹製の水車があり、南西部の池は畔に東屋があり、低い樹木を中心とした構成で鹿脅しが設置されている。雪見灯籠は白洲にした南西部の池の前面から南西部寄りに設置されている。 297番の夢で国見の庭の七宝木の地面から盛り上がった根が乳房のように見える「たらちねの石楠花」と葉の形がくるりと立体的な杯の形をした「金杯銀杏」と一つ一つの花の形が冠のように大きい「冠木蓮」とガク紫陽花の一種で大きい花が二重になり小さな花が八重咲のように見える「金星紫陽花」と花が濃い紫色のために黒く見えて葉の縁にも黒い筋がある「黒鉄扇」と4本幹の桂香樹を利用して造られた「四ッ胴の鹿威し」と1本の香炉樹の幹から彫りだされた「香風の水車」の7つが元にもどったので、国見竹を使って今野千光が細工して設置した代用品の鹿威しと水車の二つは千晶家の庭にもらってきたものである。 仕上がりに満足して場面が武田家の金蓮花の養い池の縁の観月楼跡になる。ラフレシアの冠である指輪を光らせて時間の挟間の駅から回収した観月楼を湖の岸に戻すと、流石にかなり傷んでいるので、待機していた80番の夢の瑞峯こと玉泉和典が早速中に入りチェックを始めたところで場面が変わる。 紫藤の大五稜郭城塞の真上の上空にいて、内陣の縁に沿って円形に4車線両側歩道つきの道路が敷設されて、丸い丘が築造されて中心部で3キロ四方の敷地が整地されているのがわかる。3キロ四方の敷地の南側半分の中央にに池が掘られ、樹木に囲まれるように植樹がなされ、敷地の北側半分に幾何学的な形の庭とシンメトリーになるように石造りの洋館が建築途上であるが、日本家屋風の建物も建築されているのを見ておやおやと思っていると場面が変わり、宇宙空間にいて、誰からかは不明というか、宇宙空間に浮かぶ巨大な右手から300カラット以上あるダイヤモンドを手渡された所で目を覚ます。 No 0304 1989 平成元年 11月22日 水曜日 176番の夢と同じストレッチャーに乗せられて手術室に運び込まれる自分自身を空中からの視点から見ているところから夢が始まる。麻酔の点滴が右腕についている。 自分自身の身体はかなり瘠せているが、お尻が丸くて腰のくびれがあり、やや女性的な体型で、髪の毛はショートボブである。 手術室内でストレッチャーから手術台に石切位で固定される。最初に股間が2人の看護婦に奇麗に剃刀で剃られる。青い手術着を着た2人の医者が陰茎下部から陰嚢部分にかけてVの字のメスをいれる部分に印をひく、印のVの字にメスで切りこみが始まり皮膚がめくられる。めくられるとピンク色のそらまめの形状の精巣と精巣上体が現れて陰茎の付け根が見える。糸で結紮されたあと、ひとつひとつ精巣が精巣上体ごと切除される。続いて陰茎の皮がはがされて海綿体が現れる、海綿体を少し切り中の尿道をはがして、海綿体だけ恥骨付近の根元でメスによって切除されて摘出される。このあと陰茎の皮膚を筒状にして、膀胱の下の尿道の根元から直腸の後ろに近い部分に膣となる空間を開けた場所に裏表を反転させて筒状に縫合する。陰唇部分を陰嚢の皮膚を利用して形成し、クリトリスを亀頭の部分を利用して形成して尿道をつないで縫合し周囲も縫合していく。ここまでは1988年の6月11日に初めて見た性転換手術中の様子を記録した医学資料の映像そのままであり、医学資料の若い男の代わりに自分がその手術を受けている光景を見ている。 手術は続けて喉仏を首の後ろを小さく切って管のようなものを入れて喉仏の甲状軟骨を削っていく。続けて瞼が裏返されて女性的な二重にする手術が行われる。 最後に豊胸手術がはじまり、左右の脇の皮膚を切ってかなり大きなシリコンバッグを挿入するといきなり形の良い巨乳に胸が変化する。脇の傷を縫合して、ガーゼのようなものを股間全体にあてたところで手術が終了する。手術中の痛みは全くなく、じっと手術されている自分を最初からさいごまで見下ろしている視点がある。手術終了のあとストレッチャーに乗せられて病室に移される。病室は6畳ほどの個室で、ベッドを中心に入口側の右手に鏡のついた大きなロッカーがあり、左手の窓側にテレビ台と抽斗のついた整理机と背もたれのある椅子がある。 麻酔が切れて起き上ると次の日になっていて。ベッドのそばの椅子に下着が用意されている。下着のブラジャーとショーツをはいてスリッパを履き、病室の隅にある大きなロッカーの横の鏡を見ると目は二重になっていて、髪の毛もショートボブから肩甲骨の下までのストレートのロングヘアになっている。手術中見ていた胸は結構巨乳かと思ったが、ブラジャーをつけてみるとバランスのとれた自分の手におさまる、ほど良い大きさの美しい形の胸になっている。 着替えが入っていないか入口側のロッカーを開けようとしたところで場面が変わる。 上から見た時に以下の詳細の場所の上空にいる場面に変わる。 266番と271番の夢で確定した1キロメートル四方の敷地に、幅3メートルの切込ハギの石垣の掘を回し、塀も高さ2メートル厚さ50センチの白壁を回し、塀からすぐ内側に敷地内を巡る全長約4キロメートルの道路と塀から250メートルのところに500メートル四方の内陣といえる敷地の外周部分にまわされた全長1キロメートルの道路全てが2車線両側歩道つきの道路になっている。500メートル四方の内陣は125メートル四方の区画で16等分され、中央の4区画は本宅と隣接施設や庭のスペースとして中央に125メートル四方の区画が配置されて、周囲の4つの区画は鍵形になるように区分されている。南東の鍵形区画は池、南西の鍵形区画は倉庫、北東の鍵形の区画は別宅用の更地の広場となり、北西の鍵形の区画は門へ続く斜めのメインストリートの起点として芝生になっている。16等分された残りの12区画は北東の角が桃園、南東の角が薬樹園、この二つの区画の間の2区画は畑になっている。南西の角が梅林で南東の角の薬樹園との間の2区画は水田になっている。桃園の西隣の区画と梅林の北の区画は畑になっている。残りの北側と西側の1区画は全面芝桜の庭となり、残りの北西の角の区画は本宅玄関からの斜めのメインストリートにより分割されているため芝生にしてある。 塀の内側を一周する道路と内陣の外周の道路の間の幅250メートルに及ぶ一帯は森で南東が竹林で南西は赤松林と黒松林であとは混合林になっている。南の竹林の中には直径約60メートルの丸い池を築造してある。内陣の外周の道路から堀の内側を一周する道路との連絡通路も2車線両側歩道つきで、東西南北の直線と北東、北西、南東、南西の4つの角の斜線の8本と西と南の門への直線通路と上から見た時の左右対象の美的バランスを取るために北と南へ向う2本の道路と合わせて12本整備されている。本宅から西の門までのメインストリートは街灯と桜並木を整備してある。西側にある門は北から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。南側にある門も東から250メートルの位置に奥行き10メートル幅30メートル、塀からくぼんだ車寄せスペースを取り、幅5メートルの門を構え、両側スライド式の鉄の扉をつけてある。 敷地の森の北東には道路を挟んで神社2社と南西の森には墓地と霊廟を道路を挟んで築造して風水の守りにしてある。本宅のある、125メートル四方の敷地の中央区画は四等分の62.5メートル四方の北西部の南東角に本宅の南東角を寄せた配置として、残りの北東と南東と南西の3区画分は庭になっている。1キロメートル四方の敷地の塀の内側を一周する道路から500メートル四方の内陣の部分の外周までの250メートルの森の部分は5メートルの標高差があるなだらかな斜面になっている。 以上の詳細の場所の上空から以下の詳細の家の玄関前に降りる。 277番の夢で確定した新家の本宅の玄関は西北の角を切り落とした斜めの壁になる部分に西北の方角を向いてあり、ドアは両開きの扉で外側に開く。玄関の扉の両側に幅1メートル高さ2メートルのマジックガラスがはめ込まれていて、外からは鏡にしか見えないが、中からは外が良く見える。玄関の入口はひさしがついたポーチになっていて、従来よりも大きな車寄せの屋根がついた斜路のあるエントランスになっている。土間はタイル張りで、2メートルの高さのゴムの木の大きな鉢植えが置かれている。玄関フロアは4階まで吹き抜けで、この吹き抜けと螺旋階段のある空間に巨大なシャンデリアが天井から下がり、玄関のドアの上の部分は巨大な縦長の板ガラスが3枚入り、十分な光が入るようになっている。巨大な玄関ホールの天井には畳2畳の大きさの正7角形の天窓がついている。1階には二部屋の靴箱専用の部屋が目立たない設計で東と南の壁の後ろにある。東の壁には高さ2メートル幅1メートルのブルーを基調としたピカソ風のキュービズムの絵がかけられていて、南側の壁には高さ2メートル幅2メートルの白い噴水を中心にして藤棚と東屋が複数描かれた風景画がかけられている。 玄関のドアを背にして東と南に廊下が伸びていて約50畳の広さの中庭を廊下が回廊のようにとりまいている。中庭は4階まで吹き抜けでピラミッドの形をしたガラスの天窓がついていて、中庭と呼ぶが完全な屋内空間で、床は白い大理石のタイル貼りである。中央に直径2メートルのクリスタルの水槽が置いてある。南側の廊下の中庭側に階段とエレベーターとトイレが並んでいる。中庭から階段とエレベーターの壁を見上げるとガラスの壁になっていて光が入るクリスタルエレベーター状態である。2階3階4階も回廊が中庭を取り巻いていて。回廊を取り巻く手すりは赤の木製の唐草文様風のデザインである。階段は中庭の南東の隅にも増設されてある。 中庭を中心にして東側の廊下から時計回りに16畳の応接間、この部屋と玄関フロアのキュービズムの絵のかかっている壁の裏側の部屋が一つ目の靴箱専用の部屋である。東側に40畳の広さの車庫、さらに東側に20畳の神殿が並ぶ。神殿は神社の内陣のような造りになった板の間で、神殿が家の東北の角になる。神殿の南が風呂場で、1階のこの風呂場は洗い場と浴槽のある部屋だけで6畳あり、脱衣所が3畳ある広いお風呂で洗面台と洗濯機がある。風呂場の南には10畳の和室があり、続きの部屋が12畳の洋間でここが家族の普段の居間になっている。洋間の南側に続きの部屋で4畳のサンルームがあり、ここが家の東南の角になる。廊下が中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下の二つに分岐して中庭を取り巻く廊下と南の庭に面した廊下に囲まれる形で東西に同じ10畳の和室が3部屋並んでいて、中庭を取り巻く廊下側、方位で北側が壁になっていて全て床の間になっているので実質的には一部屋が12畳の広さになる。この3つの和室には名前がついていて、東側の和室が「青竜の間」中央の和室が「朱雀の間」西側の和室が「白虎の間」と南の廊下側の障子戸の上の木製のプレートに墨書されている。この3つの10畳の和室はしきりの襖を全開にすると30畳の大広間になる。南の庭と3つの10畳の和室との間の廊下はここだけ板敷で家の南西の角の20畳の仏間まで続いている。和室側は全て障子戸が入り、庭側にはガラス戸がはめこまれ、日本庭園が広がっていて、雪見灯篭があり、鹿おどしも見える。仏間の北側が20畳の厨房でこの向い側が廊下を挟んで西側の10畳の和室の「白虎の間」である。20畳の厨房の北側が約40畳の広さになったダイニングで、この向い側が階段とエレベーターとトイレが並んでいて、玄関フロアから南に続く廊下である。玄関のダイニング側の壁にかかっている風景画の裏の部屋が二つめの靴部屋である。 地下1階は半分が駐車場で半分が音楽ホールと会議室になっている。地下2階は機械室と倉庫になっていて、地下1階の駐車場から続く斜路があり、地上から車で荷物を運びこめるようになっている。地下1階と2階ともに階段とエレベーターとトイレの区画は地上と同じ位置の設計になっている。 2階は中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が3部屋あったが、螺旋階段のフロアの近くの部屋を簡易郵便局の部屋に改造して同居者全員分の郵便受けと小包と手紙の収集ボックスを設置してふくろうくん兄妹の負担を軽減するようにしてあり、控えの間も設置して切手と封筒類の保管場所と小さなサロンにしてある。8畳の洋間の2部屋は壁を一部抜き、1部屋を診察室とレントゲン設備を設置し、もう1部屋にはベッドを置き簡易入院室を備えた医務室に改造してある。10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が4部屋、16畳の西の迷宮の間、20畳のダンスフロアの部屋は金蓮20家の総合事務室として改造されている。残りの部屋は20畳の友人控室と26畳の図書室がある。1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。2階の階段のすぐ前の16畳の部屋が応接間になっている。 3階は2階とほぼ同じつくりであるが、2階の東北の角の26畳の図書室の上は自分の自室がある位置になっていて、新しい276番の夢の24畳の自室が存在している。 中庭の吹き抜けを中心として回廊があり、周囲に8畳の洋間が5部屋、10畳の和室が2部屋、8畳の和室が1部屋、10畳の洋室が2部屋、北に20畳の工作室と北の迷宮の間の2部屋と南東の角に20畳の東の迷宮の間がある。2階同様に1階と同じ位置の東側に3畳の風呂場と3畳の脱衣所と6畳の簡易台所がある。風呂場は3畳が浴槽と洗い場のある部屋で3畳が脱衣所になっている。3階の階段のすぐ前の16畳の部屋がアトリエになっている。 2ヶ所ある階段は玄関に近い中庭の西北角のみ4階から屋上まで出られるようになっている。4階はエレベーターや空調などの機械室と物置と自由に使えるフリーホールになっていて、南側に屋敷守達の控えの間の南の迷宮の間がある。天井の高さも他の階と同じだけあるが窓がないつくりになっていて、4階だけ外から見ると屋根の色になっているので遠くから見ると3階建てに見えるが実際は地下2階地上4階の6階建てになる。屋上はフラットな平な屋根になっていて、ふちは1メートルの高さの壁になっている。中央の中庭の吹き抜けのガラスのピラミッド型の屋根は屋上の平面から5メートルくらいの高さがある。 3階に2部屋と2階に1部屋ある、内部が正方形の部屋に井桁に廊下があって同じ間取りの10畳の部屋が9つ存在するユニットで1セットになっていて無限に増える迷宮の間は、3階の南東の20畳の部屋と、自分の部屋の西隣の工作室の隣の北側に位置する20畳の部屋、2階の中庭の南西に面した16畳の部屋の3部屋である。 以上の3つの部屋は家の廊下からは一つのドアなのに開けて中に入ると手前にそれぞれの部屋の半分の共同の応接や居間的スペースがあり、奥のドアを開けると井桁状に廊下が存在し、9つの部屋が存在する不思議な部屋というか区画になっている。実質この部屋の合計の9人が住める。この部屋は無限に広がることができるため。正方形に井桁状に廊下があるので、図面的に上から見た配置図で考えると基本となる正方形の空間内部に井桁状の廊下があり、9つの部屋がある空間を上下左右にいくらでも連結できるので空間としては無限大に同じ造りの部屋を増設できる無限ループの迷宮になる。それゆえ3室は迷宮の間と呼ばれドアの上のプレートには3階が「東の迷宮の間」「北の迷宮の間」2階が「西の迷宮の間」と刻まれている。従来は奥の部屋の中心の部屋の前の廊下に外へ続く出入り口があったが、今後は見取り図で上から見たときに左下の隅の部屋を起点としてその前の廊下のドアが共同の応接や居間的スペースとの出入り口になる。そして起点の左下の部屋が1条1丁目になり、左下の右が1条2丁目、右隅が1条3丁目となって、起点の左下の部屋の上が2条1丁目、その上が3条1丁目になる。入って右と上へ数字が大きくなってくのと内部のさらに9つの部屋は例えば、1条1丁目の1番目の部屋であれば、1条1丁目の1の表示で9番地まである。 内部の奥の部屋のドアを開けた正面の壁には内部の見取り図と各部屋の主の名前が表示された60センチ四方の銀のプレートがついている。 現時点では 北の迷宮の間 奥方衆の間 13 国見つかさ、国見勇一、葉山託生、菅井佐知、井伊直也、金蓮、藤咲麗 菱東重悟、久慈美咲、小幡真理子、阿倍佳奈子、井伊直樹、菅井佐紀 東の迷宮の間 身内の間 9 息子美喜、息子の嫁の中務香奈枝、孫の明伸、娘の綾乃、弟の十琉、妹の理美 紫藤聖一、紫藤聖二、紫藤聖四 西の迷宮の間 大親友の間 26 尾崎儀一、香川諒子、尾崎晁堊、今野浩之、佐藤優二、山田直子、林京子 今野千光、大島玲仁、高城ハル、寺島小百合、仲串勝美、武田詩織、武田香乃 風間了、金井恵一、香取恵、日生篝、仲串勝代、玉垣勝典、 直江賢次、和泉理司、黒田拓哉、鈴木翔子、珠洲紫音、佐々木琴音 以上48人が同居して父と母と私の合計51人が完成した新家の本宅に住んでいる。 靴を脱いでキュービズムの絵の裏の靴部屋の自分のスペースに靴をしまうと3階の自分の部屋に入ると、ドアの室内側の上には自分の名前が「菱平智」「アムラン」「千晶満知瑠」の3種類が一枚の銀のプレートに彫られて掲げられている。276番の夢で確定した自分の部屋は光を反射して虹の七色に変化する白い壁と無地のベージュの絨毯が敷かれ、内部は南北に縦長の24畳の部屋が機能的に縦長の6畳単位で4つのブロックに整理されている。 南西の6畳は南の壁の西寄りにドアがあり、ドアの東側に縦に畳1畳分の大きな鏡がある。 応接セットの中心には以前と同じ畳1畳の大きさのガラスのテーブルがあり、上に直径10センチの蓮の花をかたどったクリスタルの羅針盤が置かれている。羅針盤の針と方位盤により、新しい部屋は東西に短く長く南北に長くなっていることがよくわかる、テーブルは長辺を東西にして置かれている。多少大きくなった2人掛けのソファがテーブルの北と南側に向かい合わせに置かれている。応接セットが置かれていて西壁は全て3メートルある天井まで造りつけの本棚になっていて、一部スライド式になっている。 北西の6畳には1畳の広さの黒のスチールの机が置かれていて、両袖で両側に3段、中央を入れて7つの抽斗がある。机の天板には緑の下敷きにガラスの板が置かれ、左側に蛍光管のスタンドがあり、右側に白い留守番機能付きの電話がある。机の北側に背もたれつきのひじ無しの椅子がある。この椅子は同じ型のものが1脚から2脚に増えて窓の下にも置いてある。机と椅子の後には西と北の壁に接して畳一畳の幅の四角い作業台兼用の高さ1メートル奥行き50センチで、東側の端に幅50センチで5段の引き出しつきのL字型の飾り棚兼用の作業台がある。この作業台の上の西側の壁側には、テレビとビデオデッキとテレビゲーム機とミニコンポが置いてある。 南東の6畳は南の壁が東側の窓の壁までがクローゼットになっている。クローゼットの観音開きの扉は2か所あり、西側は中にたくさんの引き出しつきのタンス1棹とコートやワンピースがかけられる広いウォークインクローゼットが西側の鏡の裏までの広さになっている。窓側の東側の扉を開けるとふとんや掃除機や箱などが入った押入れになっていて応接セットの隣にまるまる6畳の空間のゆとりが生まれている。南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北東の6畳には北を頭に東側の窓の下に飾り棚と小さな蛍光管のライトがついたヘッドボードのあるダブルベッドが置かれ、南北に部屋が長くなったために東側に2ヶ所になった窓のひとつが東の壁にある。 北側の窓は従来通り北側の中央部にひとつある。ベッドのある北東の6畳とクローゼットのある南東の6畳の間には畳1畳分の大きさの高さ60センチのローチェストが間仕切り代わりに東西に置いてあり、部屋の中央寄りに幅90センチ奥行き50センチ高さ50センチの水槽が設置されていて底に白い石英の砂が5センチ敷きつめられている。 机の前のイスに座っていると、ノックの音がして、武田詩織と佐々木琴音と珠洲紫音と和泉理司と国見勇一と風間了の6人が入ってきて、2階の事務局の部屋と医務室の改装が済んだ感想になる。 まず国見勇一と風間了が医務室を診察室と療養室に分けた点の評価と予想外に広いということを言う。そのままクリニック開業できるという本気とも冗談ともつかない話になるが、開業医気分で入り浸りそうという風間了の発言に武田詩織と佐々木琴音と珠洲紫音と和泉理司からの「期待してます、院長」の声にかなり風間了がご機嫌なので国見勇一が苦笑する。引き続き武田詩織と佐々木琴音と珠洲紫音と和泉理司達から事務局が使い勝手良さそうなのと郵便局ともいえるくらいの郵便室の内容に喜びの声がある。必要なものが出次第、鋭意設備や改装は常時行うということと書庫と備品個は絵の空間を利用する事で話しがまとまる。入れ替わりで国見つかさ、葉山託生、菅井佐知、井伊直也、金蓮、藤咲麗、菱東重悟、久慈美咲の8人が続いて入って来て、挨拶を交しながら武田詩織と佐々木琴音と珠洲紫音と和泉理司が出て行き、国見勇一のみ残り、奥方衆と家の中の再整理の話しが出るのと藤咲麗が妊娠中なので、予定していた全員での旅行は延期するが、藤本家と藤丸家と菱関家の庭での奥方衆だけのピクニックの企画の話になる。 このあとダイニングに降りると、ダイニングには、74番の夢の藤本由里江と80番の夢の玉泉和典と7番の夢の藤丸竜也、55番の夢の国見つかさ、105番の夢の鏡剣改め国見勇一、82番の夢の葉山託生、57番の夢の菅井佐知、24番の夢の井伊直也、150番の夢の金蓮、266番の夢の藤咲麗、169番の夢の小幡真理子、169番の夢の阿倍佳奈子、277番の夢の井伊直樹、277番の夢の菅井佐紀、66番の夢の息子美喜、169番の夢の息子の嫁の中務香奈枝、135番の夢の孫の明伸、2番の夢の娘の綾乃、76番の夢の弟の十琉、27番の夢の妹の理美、1番の夢の紫藤聖一、1番の夢の紫藤聖二、212番の夢の紫藤聖四、3番の夢の尾崎儀一、169番の夢の香川諒子、22番の夢の尾崎晁堊、25番の夢の今野浩之、23番の夢の佐藤優二、169番の夢の山田直子、169番の夢の林京子、130番の夢の今野千光、55番の夢の大島玲仁、101番の夢の高城ハル、14番の夢の寺島小百合、81番の夢の仲串勝美、55番の夢の武田詩織、280番の夢の武田香乃、162番の夢の風間了、44番の夢の金井恵一、49番の夢の香取恵、55番の夢の日生篝、152番の夢の仲串勝代の280番の夢の玉垣勝典、110番の夢の珠洲紫音、110番の夢の佐々木琴音、169番の夢の鈴木翔子、44番の夢の直江賢次、55番の夢の和泉理司、287番の夢の菱東重悟、289番の夢の久慈美咲、55番の夢の黒田拓哉の51人がいて 席次はダイニングの絵を背にして中央にアムランが座り、その右に国見つかさ、葉山託生、金蓮、藤咲麗、久慈美咲、が座り、左に国見勇一、菅井佐知、井伊直也、菱東重悟が座る。 菱東重悟の角から窓側の列11人 玉泉和典、藤本由里江、藤丸竜也、日生篝、阿倍佳奈子、今野浩之、佐藤優二、山田直子、林京子、鈴木翔子、珠洲紫音 菱東重悟の角から窓側の内側の列11人 尾崎儀一、香川諒子、尾崎晁堊、今野千光、金井恵一、風間了、直江賢次、大島玲仁、和泉理司、黒田拓哉、佐々木琴音 久慈美咲の角から廊下側の列11人 父、母、十琉、美喜、中務香奈枝、綾乃、明伸、香取恵、小幡真理子、井伊直樹、菅井佐紀、 久慈美咲の角から廊下側の内側の列11人 紫藤聖一、紫藤聖二、紫藤聖四、理美、高城ハル、寺島小百合、武田詩織、武田香乃、仲串勝美、玉垣勝典、仲串勝代 以上54人分の席がコの字型のテーブルの配置に並んでいる。 今日は最初に鏡剣から普段の名乗りが国見勇一になった名乗り変更のお披露目の挨拶があり、続いて奥方衆に菱東重悟と久慈美咲の2人が追加になったお披露目で2人から挨拶がある。全員から祝福の拍手があるのと、久慈岬がアムランの初めての恋人である藤本茜の生まれ変わりで、ついでに昔船の事故で藤本茜と一緒に亡くなった息子の生まれ変わりが現在の息子の美喜であることも今回初公開となる。 すると藤本由里江が妹の藤本茜の生まれ変わりが久慈美咲ということで驚いて確認にかけより、つむじのホクロと皮膚の下の頭蓋骨の左側の星型を確認して、久慈美咲を抱きしめて泣く場面になり、普段藤本由里江を怖がっている面々も感動しているので何となく内心苦笑する。 久慈美咲が藤本茜の生まれ変わりであると最初に気がついたのは藤咲麗で、しばらく前まで私の部屋で保管されていた藤本茜の頭蓋骨を偶然見た話しを藤咲麗がすると頭蓋骨の存在はダイニングにいた者の半数は知っていたが、残りの半数が知らず驚く。このあと藤咲麗の懐妊と息子の名前が藤咲咲哉に決定の話しをして、藤野の跡取の子作りは体力の回復待っていると報告し、今までの無理がたたっていて、強壮滋養薬の松桃九葉光使っているけど回復がよくないざまの話しをすると、全員からもっと休めという言葉の嵐になる。藤野の跡取は女の子であることがわかっているので名前も藤野華美とする報告をして、千晶家の庭の完成の話しをして、アンドロイド衆のふりわけと命名の打ち合わせになる。 まず0番の数字があるのが執事役の人型コンピューターの安藤総司ということで、以下 男 1元はじめ 3太陽たいよう 5吾朗ごろう 7七生ななお 9久吾きゅうご 女 2満知子みちこ 4洋子ようこ 6睦美むつみ 8八重やえ 10都七美となみ 男 11敏和としかず 13敏彦としひこ 15桐吾とうご 17敏樹としき 19郁生いくお 女 12理紗りさ 14伊代いよ 16敏江としえ 18敏美としみ 20 薫かおる 男 21文和ふみかず 23史生ふみお 25文吾ぶんご 27聖也せいや 29福雄ふくお 女 22由伊ゆい 24由生ゆき 26瑠璃るり 28静香しずか 30 美緒みお 男 31佐為さい 33佐介さすけ 35珊瑚さんご 37佐七さしち 39三樹也みきや 女 32亜理紗ありさ 34美也子みやこ 36紗理奈さりな 38小夜子さよこ 40世理子よりこ 男 41洋一よういち 43洋三ようぞう 45翔吾しょうご 47翔也しょうや 49佳樹よしき 女 42世弥子よねこ 44佳子よしこ 46理奈りな 48佳恵よしえ 50真理亜まりあ の名称を全員で考える。当面は固定しないで自由に使い、アンドロイドの個性と自分達との相性をみて専用の関係にすることを協議して全員が了承したところで目を覚ます。 No 0305 1989 平成元年 11月28日 火曜日 森に囲まれた中世の城を空から眺め下ろしているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 中世の城に女の子が監禁されていて救い出す。内部はマンガの本の山でこんにゃくのような人間の兵士に襲われながら、女の子を抱えて窓を壊して脱出する。女の子はオウム真理教の教祖に閉じ込めてられていたという。かなり華奢で小学校6年生くらい。 場面が変わり父と亡き祖父と3人で白の普通乗用車で2車線両側歩道つきの道路をドライブしている場面になる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 道路の標識の地名表記は埼玉県の秩父という地名で、前方左手には下見板張りで空から見るとゴシック体のEの字の背中の中心の棒にあたる部分に玄関がある。昔の古い設計の学校の建物が見えて、進行方向右手の崖は立てた丸太を並べた上部を菱形のタイルで美しく護岸されている。学校に立ち寄るために右手の崖のところに車を停めたところで目を覚ます。 No 0306 1989 平成元年 12月2日 土曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはいている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 高校時代のクラスメートの1人のTが家出してきたと言って206号の部屋にいきなり押しかけてくる。 私が20歳くらいの姿なのにクラスメートのTは高校生の姿のままである。とりあえず部屋に上げてコーヒーを出して、話しを聞いているうちに目を覚ます。 No 0307 1989 平成元年 12月3日 日曜日 鉄道に乗って移動しているところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 どこかの駅でおりて駅前の本屋に入り立ち読みしていると、299番の杉山雅史にしつこくつきまとわれる。いつのまにか悪魔と金の亡者の二者とチェスの勝負をして、いずれともギリギリで逆転勝利する。この世の真理の言葉の一つの「全ては思う事と思いである」という言葉を聞いて目を覚ます。 No 0308 1989 平成元年 12月9日 土曜日 201番の夢で黒田勇一の運転する車で登校した、街の中から林の中の道を通り、巨大な寺の横の坂道をあがり、遠景に川の土手が見える平原の中に立つ大学で、構内は上から見ると500メートル四方の敷地に中央に本部棟があり、四隅に体育館や講義棟や研究棟や図書館などの建物が配置されている。正門と対称の位置に裏門があるがいずれの門にも大学という表示はあるが具体的な校名の表示かない。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 この大学にジャンボジェット機が墜落して炎上する光景を寺の横の坂道を歩いていて目撃して驚いているうちに目を覚ます。 No 0309 1989 平成元年 12月10日 日曜日 空を飛んで黒装束の正体不明の集団と闘っているところから夢が始まる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 全てを倒し切り戦いが済み、地上の廃墟の丘の上に降りると白いローブに角ばった大きなトパーズ色の宝石のついたヘアバンドをして丸いペンダントを下げて紋章らしきものが装飾されたベルトをしめて、手には先端に音叉のようなものがついた笏杖を持った身長165センチくらいの美しい女性が立っている。美しい女性は98番の夢の妖精の女王のエル・エターナルで、今回の女王の髪型はロングヘアーではなく261番の夢と同じくミドルボブでややボーイッシュな感じであり、女王のしるしのペンダントヘッドがかなり大きめの黄金のメダルになっている。 女王の前に立つと 「せっかく再建途上の神殿がまたもや破壊されてしまいました」とエル・エターナルと無事だった側近の何人かが落胆するので、 「大丈夫です、古の神殿要塞をこの地に復元いたします、しばし、こちらに」と言ってエル・エターナル以下生き残りの護衛の女戦士を含む30数人を廃墟の丘のがれきごと宙に浮かべて空中待機させて、丘に散らばる残骸も空中に集めて地面を露出させて整地するとポケットから指輪の形をしたラフレシアの冠を取り出すと丘の頂上の中央に放ると一瞬光が輝き、白大理石づくりのエジプトの巨大なルクソール神殿の形をした回廊状の50キロ四方の城塞部分と中央の30キロ四方の四角い白大理石が敷き詰められた広場の中央に20キロ四方の四角い湖があり、その中央に10キロ四方の3段の丘があり、中央に1キロ四方のギリシアのパルテノン神殿のような巨大な神殿が聳えている。50キロ四方の城塞部分の外周は黒大理石の巨大な3段のテラス状の城壁になっていて、一段の高さが50メートル、テラス部分の幅が100メートルと巨大な城壁のようになっている。本来はさらに堀が巡らされていたのであるが、堀はなく様々な残骸が散らばっている状態である。エル・エターナルと生き残りの30人を中央の神殿の入口の前に降ろすと全員絶句している。 「古の光の神殿城塞をお返しいたします、外周部の堀と内陣の緑地帯は残念ながら力不足で廃墟のままですが、魔法結界は完全に元通りになっていますので、防御は大丈夫でしょう、物理防御用にレールガンを5基置いていきます。あとは一族一門衆を再結集させればなんとかなるでしょう」と言って立ち去ろうとすると呼び止められて 「これをどうして」とエル・エターナルから問われるので、にっこり笑って 「時間の挟間の駅です」と言った瞬間に目を覚ます。 No 0310 1989 平成元年 12月13日 水曜日 エスカレーターと坂を次々と延々と上り続けているところから夢が始まる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は20番の夢と同じ黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽で、ひさしの右側にのみ直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて正七角形か彫刻されている帽子を被り。16番の夢と同じ黒のロングのタートルネックのシャツの上に黒の革ジャンパーを着て、ベルトをシャツの上から締めて、黒のジーパンをはき。黒の皮手袋をはき、手触りがパンストの黒のソックスをはき黒の革のごついハーフブーツを履いたオラクルバージョンの姿になっている。 いつのまにか高校の卒業式会場にいてドラえもんとのびたとしずかとジャイアンの4人と日赤が寄付金をいかさましているという話しをしている。バスが校門にとまり、おばあさんが降りようとしていたので手を取ってバスから降ろし。80番の夢の杉本雅嗣と話ししているうちに目を覚ます。 No 0311 1989 平成元年 12月14日 木曜日 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 海の崖のふちで何かが争っている。よく見ると亀が直立歩行したような体型の宇宙人で身長は60〜70センチある1人と正体不明の黒装束の男達6人ほどが争っているので介入して男達を追い散らす。 船が壊れていて、近くに造船所があるので私の顔で修理を依頼する。造船所のオーナーとチェックすると、船の形をした宇宙船で、何者かに攻撃され不時着して、墜落寸前に親が船の破損した穴から吸い出されて離れ離れになって子供の宇宙人だけ生存しているという状況で、話しを聞いて墜落地点から攻撃された地点を割り出して親の遺体を無事収容する。この直後に220番の夢の二郎真君が現れて 「船と子供を回収と保護すると」私に耳打ちするので、了承して船は修理途中であったが造船所の外に出したところで目を覚ます。 No 0312 1989 平成元年 12月16日 土曜日 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 とある衣料品店で店のひげオヤジこと社長の手伝いをしている。いつもの7番の夢のひげくまさんこと藤丸竜也である。閉店後友人4〜5人と車でドライブに出る。212番の夢の自分の分身の1人が車のあとからナワリズムの変身術で虎や獅子に変身して車の後から走って付いて行く。途中で魔物と遭遇してこれと闘う。場面が変わり、あたりか雪原となり、どこで買ったのかプリントゴッコの箱をもっていて箱に110と番号が打ってある。雪原で空を見上げると星がよく見えてレグニツアやフォーマルハウトの星の名前が浮かぶ。いきなり母が現れ、スケートをすることになる。いきなり雪原が全てスケートリンクとなり広さも北海道と同じ広さで同じ形をしたとてつもなく巨大なスケートリンクが出現する。そのあと見知らぬ女の子とマッチョマンがこの寒いのに上半身裸でスケートをしている。庄司陽子のマンガに出てくる口髭を生やした社長役の男性とそっくりなリゾート会社の社長と名乗る人物が北海道型で同じ広さのスケートリンクを「すごいでしょう」と自慢しはじめるので呆れているうちに目を覚ます。 No 0313 1989 平成元年 12月19日 火曜日 朝 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は123番の夢と同じ女性的で身長自体は175センチで、かなり細身でメガネはかけている。肩甲骨より髪が長く、全身紫がかった黒のトータルファッション。上着は臍の高さのあたりでしめつけるベルトがついていて。胸は両方にポケットがつき、腰のところにも両方ポケットがついている。両肩部分には軍服のように肩章をつけるような幅のあるベルト状のものがついている。上着の下はかなり厚地の白のタートルネックである。ズボンはスリムのブラックジーンズのようであるが、ヒザのところに肩についているようなベルトが両足ともあり、ズボンのすその内側に両方ともチャックがついている。手に杖を持ち、被っているのは、黒の本体部分が少し小さめのキャスケット帽にひさしの両側に直径3センチくらいの丸い金属プレートがついていて、正七角形か彫刻されている。帽子本体中央には山の字型の銀色のプレートが装飾のようについている。靴は5センチの厚底のかかとから足首までの目立たないしかけのジップアップの前レースアップのロングとハーフの中間の丈の黒の革のブーツである。足首の内側がサイドゴアブーツのようになっていて足首の1番上のところでマジックテープのようにしめつけることができるようになっている。下腿にフイットする感じで、あまりごつさを感じない丸みがある中にシャープさもあるデザインである。 天変地異的災害が発生し高校生1000人を避難させる。諦めて死を待とうとしている30人を説得して連れだす。男2人と女1人の部下3人と100人乗りの大型のの垂直離発着機に全員乗せて何回か往復した最後の飛行では後部の大型扉が吹き飛んでしまい気で結界を張って扉がわりにもう一人の男の部下とも気を出して中のものが落ちないようにする。安全な場所でバスに乗り換えさせて普通乗用車に赤色灯をつけて先導させて安全地帯へ向うバスの中では地理や数学の授業や試験が行われている。就職したい者についてはアンケートを取っていろいろな知り合いの会社に斡旋する準備をしているところで目を覚ます。 No 0314 1989 平成元年 12月19日 火曜日 夜 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所に場いるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで経っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはいている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 杉本のいとこの22番の夢の浅野莞爾が帝国ホテルのフランス人シェフの所へ行って料理を習おうと206号の部屋に私を誘いにくるが、忙しい事を理由に断ったところで目を覚ます。 No 0315 1989 平成元年 12月20日 水曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで建っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋の玄関にいるところに場面が変わる。 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。アパートの部屋を藤咲麗と2人で出るとアーケードのある商店街へ歩いていき街で一番高い展望エレベーターのある20階建てのビルの隣にある長崎屋という名前のデパートとスーパーの中間タイプの品揃えの大型スーパーの棚卸のアルバイトに行く。藤咲麗も動きやすいように黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いて厚地の赤のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンを着ている。2人とも棚卸のチェック作業中は黒の肩からの前掛けをして作業している。2人とも休憩して缶ジュースを飲んでいるうちに場面が変わる。 場面は360度砂漠が広がる平原の小さな岩山の頂上にある割れ目の中の小洞窟になる。この狭い空間には80番の夢の玉泉和典、24番の夢の井伊直也、266番の夢の藤咲麗、3番の夢の尾崎儀一、22番の夢の尾崎晁堊、番の夢の二郎真君、天翔金蓮仙花の鵬蓮と凰蓮の9人が息をひそめている。岩山の砂漠の前方300キロメートル先では二つの大国が一つの宝を巡って4000年以上に渡り戦火を繰り広げており、今日も戦塵の嵐が吹き荒れている。 「全く、飽きもせずによく4000年もドンパチやっているものだ」と玉泉和典が呆れたように言うと、二郎真君が 「魔界も天界も介入しては失敗し、二つの国を同時に滅ぼす作戦も不発で、共同して対抗してくるとは思わなかったからな」とぼやき、藤咲麗も 「地震や噴火の天変地異のどさくさにという作戦も通用しませんでしたからね、魔法部隊までいるとは夢にも思いませんでした」と溜息をつく。井伊直也がモニターを操作しながら 「現在、地形的にはオパール化した天翔金蓮仙花の耀蓮の遺骸が埋まっている瑞祥岩と呼ばれる瑪瑙や孔雀石やその他の宝石を含有する直径20メートル高さ30メートル程の石柱を中心として海面下100メートル、広さにして東西200キロ南北に300キロの窪地が広がり、半径300キロの範囲は全て砂漠で、この半径内で戦闘が随所で繰り広げられ、二つの国以外の介入者に対しては暗黙の了解で二国が共同で排除し、中心から半径50キロには魔法探知の結界まで張り巡らされて地雷原になっています」と現状報告をすると、尾崎儀一が 「すごいよな、宝の奪い合いしつつも守りを固めているというとんでもなく矛盾したことをしてるからなあ、手がだせないよな」とぼやく。 「今回の作戦の眼目は、今までは宝だから守ろうとか回収しようという発想だったから二国も執着するわけで、要はお荷物不用品という認識をもたせて排除させて、あの場所から放りださせるということに尽きる」と私が言うと 「すごい発想だよな」と玉泉和典があきれる 「私もナオヤから宝物という認識を覆して追い出させるようにするしかないですよねと言われたときは、あっけにとられたけれど、確かにその通りなんだよ、もっともどういう仕掛けをするかということが問題なわけでね」と言うと 「で、今回はしかけが思いついたということですよね」と尾崎晁堊がさらりと言うので 「その通りで、申し訳ないが耀蓮に悪役をしてもらうが、その代役が確保できたんでね、そいつに対して二国が排除にかかるようにしむけて、どさくさにまぎれて回収するという作戦で、至ってシンプルにやれる目途がたった」と私がニヤリとして言うと鵬蓮が 「魔法結界は大丈夫なんですか、私は過去にそのおかげでえらい目にあいましたからね」と少し不安そうに言うので 「今回は魔法の気配を封じる時限装置で中心までネタを運んで、花火を上げるし、二つの国に自責の念を惹起させるという悪魔的な作戦もあるんでね」と私が笑うと 「本当に本気でアムランと喧嘩するバカがいたとしたらかなうわけないよな」と尾崎儀一がやれやれという風に言うと300キロ先の戦場で異様な事が発生しはじめて、監視のモニターに二国の戦闘状況が混乱しはじめているのがわかる 「これはどうなったんだろう」と玉泉和典が腕組みをすると、二郎真君が 「どうもどっちのかわからないが、流れ弾が地雷原の中心近くにまで飛んで耀蓮の遺骸の岩が煙に包まれてしまったので慌てているようだな」と言うと 「そのようですね、珍しいというか、あれだけドンハチ派手にやっているのに中央の耀蓮の遺骸のある岩の柱にだけは傷付けないようにしていますからね」と尾崎儀一が言うと、いきなり黒い雲のようなものが中央付近に広がり何やら二つの国の軍が相当な混乱をしているのがわかる。自分達の岩山からも300キロメートル先の空が黒くなっているのが見えるので 「なんですか、砂漠なのに雲があんなにでるもんなんですか」と尾崎晁堊が不思議そうに言うと、モニターを見ていた藤咲麗が 「なんですか、これ黒いゼリーみたいなものが二つの国の軍隊に襲い掛かっていて、二つの国の軍隊が攻撃してますよ」というので、全員がモニターにくぎづけになるが、様子が分からないので、二郎真君が様子を偵察に行ってほどなく青ざめて戻ってくると 「大変だ、金蓮花の本体の形をした黒い巨大な物体と二つの国の軍が戦闘になっている」と言うので 「どうやらうまくいったようだな、あとはどれだけ、二つの国の軍隊が持ちこたえて、排除をどの程度できるかだな」と私がしてやったりという表情で言ったので 「もしかして、あの黒いのはさっき言っていた代役ですか」と凰蓮が恐る恐る言うので 「その通り、正体はまだ教えないけどね、二つの国の全軍挙げて排除にかかるタイミングで、耀蓮の遺骸回収をやって、ちょっと二つの国の首都もいじっとく」と言うと全員唖然とする。井伊直也が無線傍受をしていて驚いたように顔を上げると 「アムランどうも総攻撃命令が片方から出てます、もう片方は軍の半分近くまで壊滅してるようです」と少し焦った声で言うので 「うーん、予定より早いというか、やっぱりあれの相手じゃ無理か、まあいいや、ちょっと行ってくる」と言ってラフレシアの冠の中に自分自身を封じ込めると黒い雲の中心めがけて300キロを移動して、混乱のどさくさにまぎれて耀蓮の遺骸を岩の柱ごと回収して戻ると全員驚く。 「回収したの」と藤咲麗が息せききって訊くので 「成功、あとはあの代役をコントロールして撤収だな」と不敵に笑うと、全員あっけにとられるが 「た、大変です、かっ、核兵器と魔竜暗黒弾が使用されます」と井伊直也がが青ざめるのと悲鳴のような声が響くので 「ふむ、いいタイミングだ、爆発したタイミングで引く」と私が言った瞬間に300キロ先ではとてつもない光の輝きが上がり、咄嗟に二郎真君が結界を張ってくれる。光が収まると黒い雲が消滅してモニターの映像には300キロ先に半径100キロに及ぶクレーターが穿たれ、全ての存在が消滅したことがわかり、全員唖然としているので 「もうここには用がない、一旦本宅に戻って説明するよ」というと場面が変わり、千晶家の本宅の庭に9人全員と私が立っている。庭の見える縁側に全員で腰かけると 「代役の正体は、闇壺」というと二郎真君が 「や、闇壺ってまさか、あれ自在に扱える代物なのか」と声が裏返るのとその他の全員が沈黙している 「もちろんというか、どうにか、てなづけた」とさらりと言うと全員絶句するのと、ようやく玉泉和典が 「てなづけたって、おい」とそのまま硬直するので 「正確にはクラインの壺のコントローラーを探し当てたからできる芸当、それでもね、暴走気味だったけどね」と言うと 「「はあああっ」」と尾崎儀一と尾崎晁堊兄弟が顔を見合せてため息をつく 「考えてみたら、クラインの壺も元々は生き物を改造した存在だからな、ある意味同情禁じえないけどね」と私がぽつりと言うと、鵬蓮が 「改造って、元はいったいなんなのですか」と訊いてくるので 「ホヤ」と私がさらりと言うと 「ホヤってまさかあの海の中にいる樽というか卵みたいな形したわけわからん生物ですか」と尾崎晁堊が訊くので 「うん、そう、珍味でもあるマボヤが元々の原点らしい」と私が言うと全員唖然としているので続けて 「時間の挟間の駅を造ったと言うか、元々の空間をあんな風にした悪趣味なやつが、さらに悪趣味な事をしたってわけだけどね、よく知っている存在なんで、あんまり悪口も言えないからね、まあ問題はあるにせよ、全ての世界に対して貢献している空間であることは否定できないからね」と私がため息混じりに言うと二郎真君が 「これ以上詮索は致しませんが、耀蓮の遺骸はどうします」と訊くので 「うん、おそらく二つの国の執着からは逃れたし、消滅したことに関してはお互いに罪のなすり合いすることになるのと、現場に現実になくなっているから、雲の上から捜索依頼が来るのは間違いないんで、実際はちゃんと現物がこの中にあるけど、時間の挟間の駅で見つけてきた事にするさ」とさらりと言って耀蓮の遺骸が付いている岩の柱が収まっているラフレシアの冠である指輪を全員に示したところで目を覚ます。 No 0316 1989 平成元年 12月22日 金曜日 230番でまとめた208・217・218・222番の夢の情報を整理した、以下の街情報による場所にいるところから夢が始まる。 174番の夢の部屋番号が206号の自分の部屋は間取りが2DKで、北向きの玄関を入るとすぐ西に窓と小さなシステムキッチンがあり、玄関の正面の南と西の角にバスルームとトイレがある6畳の程の板の間の部屋になっている。キッチンと玄関とバストイレのある部屋の東に6畳の畳の部屋があり、南に窓があって北側が全面押入れになっている。東隣の奥の部屋が最後の部屋で、南に窓があり、北側が全面押入れになった6畳の畳の部屋で絨毯が敷いてあり、机と本棚がある。東は大きな窓がついていてバルコニーがある。部屋は2階建ての鉄筋コンクリートのアパートの南西の角部屋である。部屋数は1階に5部屋2階に5部屋の10部屋ある。 アパートの南に2車線両側歩道つきの道路があり、南の向い側には208・217・218番の夢で判明した現実の柏市に存在するのと同じアカシヤの店がある、柏市ではない事にアカシヤの東側には、幅50メートル奥行き100メートルの空地があり、その奥には平原があってなだらかな丸い丘があり、丘の麓からは川というほどではないが細い清水のような感じの奇麗な水の流れが空地を通って歩道の近くまで流れていて、歩道の近くで地面に吸収されて消えている。丘の麓には水の流れが湧き出る小さな泉がある。ここからは豊富な冷たい水がこんこん湧き出ている。アパートの東側も幅50メートル奥行き100メートルの空き地があり、空地の東隣に3階建ての1階が小料理で2階がアパートの鉄筋コンクリートのビルがある。ここから東の方向は住宅街であるが家はぽつぽつという感じで経っている郊外の風景である。アカシヤとアパートの西側からが市街地で西に300メートルの所に189番の夢で登場する2つの道路が直角ではなく斜め60度で交差する信号機のある交差点がある。ここからさらに西に500メートル行くと商店街全体にアーケードがある駅前の商店街になっている。駅前には街で一番高い展望エレベーターがある20階建てのビルがあり、最上階に360度見渡せる展望室がある。近くには大型の駐車場があり、市役所があるので市であることが判る。 上記の街とアパートの部屋にいるところに場面が変わる。 朝早くに私が寝ているのにドアのそとで騒いで様々な要求までする者がいるので、しかたなくパジャマの上にパーカーを羽織り玄関のドアを開けると、かなりやせこけて、トラブルがあって落ちぶれてた108番の夢の長谷川信禎が恥をしのんで来たようなのであるが、非常識にもドカドカと部屋にあがりこみ、理不尽というか恩知らずとしか言いようのない暴言を吐き、あまりにも傍若無人すぎるために、周辺のよくない噂もいろいろあるために絶交状を突き付けることを決断して突き付ける。突きつけられた長谷川信禎がしばらく抵抗していたが、私の剣幕に諦めてでていく。 玄関のドアをしめて鍵をかけて少しホッとして水を飲んでから。 なんとなく、バルコニーに出ると、206号室がある鉄筋コンクリートのアパートの全ての部屋のバルコニーにふとんが干されているのを見て目を覚ます。 No 0317 1989 平成元年 12月28日 木曜日 空から自分自身を見る視点が、歩いている景色を見る視点とは別にある。自分の姿は287番の夢と同じ全体的にかなりスリムで、厚地の白のタートルネックの長袖のシャツの上に丈が短めの黒のジージャンに足がかなり細く見える黒のスリムのジーパンに黒のソックスをはき、横ジップアップの黒の革のハーフブーツを履いている。ヘアスタイルがショートボブになっている。 街を歩いて歯科医院に入り、奥歯の後ろの親知らずのさらに後に刺さってめりこんでいる異物除去の手術を受けている最中に場面が変わる。高さが20階のビルと同じで1キロ四方もある巨大な倉庫の中で107番の夢の12人の天使達と雪合戦をしているところで目を覚ます。 |