^

レンゲソウ資料 ホームページトップページへ戻る

                             

ご 案 内
 クローバーハンターのタイトルなのにレンゲソウまで登場するのは、現在の農業にもっといかしてほしいという願いからです。現在日本の食料自給率は最悪です。
 昔、そう江戸時代の初めに かの徳川家康が農は国の基と言うことで、身分社会の桎梏を始めたときでさえ、士農工商と二番目の身分として(実態はともかく)農民を持ってきました。
 それだけ食料を生産すると言うことは重要なことなのです。国際分業という言葉もありますけれども、やはりなにがどうあれ食料は自給できるだけの基本はととのえるべきなのです。
 現在農業人口は減少と高齢化で離農が相次いでいます。これは酪農にも言えることですが、国の場当たり的な農業政策のふらつきによる生産者の疲弊ともいえます。でも幾多の困難をのりこえ先人達の屍を枕に農業者と酪農家は今日も頑張っています。
 バブルがはじけて失われた10年なんていっている間に若者や一部の中高年も農業に目をむけはじめ、新規就農もでてきましたし、過疎に悩む地方自治体も。村おこし町興しということでいろいろ補助もしてくれています。当然農協だって必死です、担い手がいなければ生産なんてできませんから。
 でも、そのまえにせっかく先人達が汗水たらして開墾してきた農地が死んでいっています。米で言えば減反政策が一番大きいのですが、様々な理由で離農した跡地が荒れているということです。
 人の住まない家は早く傷むのと同じで、耕されなくなった畑もまた死んでいきます。いざ新規就農で夢と情熱があっても休耕地を使えるようにするのは容易ではありません。農作物を生産するための土作りは時間がかかるのです。
 ということでどうせなら枯れたら肥料になるし、ついでに蜜もとれちゃうレンゲソウでせめて休耕地の命を継続させたいという思いでこの文を書いています。荒れた休耕地はまだ調査中ですが予想外に多いようです。新規就農者がすぐ活躍できるような下地作りも大切ではないでしょうか。
 それに加えて養蜂家も良質の蜜源を求めています。レンゲ蜜は高級品です(純粋品の蜜相場はキロ5000円前後)、休耕地の命をつなぎ。新規就農者のための基礎を作り、蜜もとれる。
 花は結構綺麗ですし。四季を通じて咲く品種や花の色もカラフルな品種もあるので、ハーブや園芸種の花のように手間がかからないガーデンエリアとして村おこしと町興しのネタにしてほしいものです。
 アグネス・チャンの歌にもでてくるレンゲソウでナショナルトラストのようにレンゲトラストなんていうのはどうでしょうかねと思っていましたら。
意外なことに
アムランの考えているようなことを現実にやられている「日本レンゲの会」という1983年に設立された団体が、休耕地のレンゲによる緑化やレンゲの普及に力を入れておりました。レンゲ祭りなども開催されているとのことで驚きました。同じような思いを抱かれている方々はたくさんいるということですね。以下御紹介です。

 

「日本レンゲの会」
 日本レンゲの会は1981年2月に早稲田大学のサークルを中心に緑化運動に取り組む数人の団体から始まり。大学生だけではなく社会人もふくめた日本の国土の緑化と農地の地力回復や山林のの保全に取り組む運動をしてきた中から。
 特にレンゲを利用して土壌改良を行いかつレンゲの種を播き、美しいレンゲの花畑をつくり豊かな大地を回復しようという運動と行動から始まりました。
 1981年に静岡県富士市と神奈川県平塚市の水田にレンゲを播いたのがこの運動の始まりです。
 レンゲ草による緑化運動は新幹線の沿線をベルト状にレンゲの花で彩ろうとする、遠大な計画であり。富士市須津地区が選ばれたのは、新幹線の車窓から富士山を背景にしたレンゲ畑の美しさを楽しみ、レンゲを見直してもらうことによって、全国への波及を狙って行われました。
 このあと、1983年12月28日に東京都港区六本木の国際文化会館にて設立会議開催。続いて、1984年5月20日に長野県南安曇野郡穂高町で日本レンゲの会設立総会開催し正式に発足し現在にいたっています。(日本レンゲの会ホームページの紹介記事より再構成しました)

日本レンゲの会の主な活動

@会員へのレンゲ種子の無料配布およびレンゲの播種
Aレンゲまつりの開催
Bパンフレット「レンゲ栽培の復権」および「レンゲとその作り方」の発行
C会報の発行
Dレンゲシンポジウムおよび国際レンゲ会議の開催
E中国へのレンゲ学術交流団の派遣
F農林水産省、林野庁など主催の緑の感謝祭への参加(毎年4月29日)

レンゲ草を用いた日本の国土の緑化など、多岐にわたる活動をしている団体です。ホームページへは下のバナーからお入りください。
「日本レンゲの会」様の左のバナーはこのコーナー専用にアムランが作成した物です。

   

^
食用にできます
  
レンゲソウは食べる事ができるのか?
レンゲソウは緑肥として利用される植物ですので食用にする方はほとんどいないと思いますが、毒はありませんので食べる事が可能です。レシピを調べてみましたので、興味のある方は試してみてください。
レンゲソウ 

花の咲く直前のツルの先10センチを食用にする。
葉は和え物で食用できる。
さっと熱湯で湯通しして甘酢のおひたし。
花も同様に熱湯で湯通しして砂糖をまぶしても美味しい。

    

レンゲソウについて
和名 レンゲソウ(マメ科)
別名 ゲンゲ
科名 マメ科 学名Astragalus sinicus

花言葉 感化・私の苦しみを和らげる

 性質と栽培方法
 レンゲの種子が発芽し、育成するためには適度の土壌水分が必要である。レンゲの育成適温は15〜20度であり、冬の寒さに対してはかなり強く、根が健全に育ったものでは−15度位の低温に耐えるが、育成期間中30度以上の高温が持続するような所では育成できない。さらに、花芽の分化(花が咲くには)低温が必要であり、秋に播種されたあとで冬の低温を経過し、春の温暖で長日条件下で開花する性質をもっている。
 レンゲソウはマメ科の特徴として根に根粒菌が共生しないと育成はきわめて悪く、越冬が困難である。レンゲの根粒菌は大豆やクローバの根粒菌とは異なるのでレンゲ根粒菌がいない土壌ではレンゲは生育できない。根粒菌は人工接種が可能であるので播種と同時に接種することができる。(レンゲ全書より)
Click Here!
Click Here!
Click Here!
栽培方法等
種まきは8月下旬から9月上旬(気温が低下すると育ちが悪い)に10アール当たり2kg〜4kg程噴霧器などを利用し種まきします。
初期成育を十分に行い、積雪の中での越冬に備える。種まきは刈り取り前の稲の中でも構わない。
または稲の刈り取り後に稲ワラをすき込みその後に播くのもよいです。
湿田より干田の方が良いため、水はけには十分気をつける。畑の場合も同様です。
 開花は翌年5月上旬から開花し中旬(地域によって差があります)ごろが一番美しい。
種子の採取
・6月下旬には豆状のさやだけが黒くなって残るので草刈機で刈り集め数日間天日乾燥させた後でシートなどの上でたたきおとして種を採取します。
 緑肥として、まあ肥料として利用するので、開花前であっても窒素分は土壌に蓄えられていますので、すき込んでしまって構わないです。
 蜜源として利用する場合のれんげ蜜は、香や味の面で最高級品といえます。
栄養効果ではソバ蜜に譲るようですが、れんげ蜜は他の花蜜の追従をゆるしません。
レンゲは越冬しないと開花しませんが、四季咲きという種類や白い花が咲く種類もあります。

 種子の入手 
 大量に種子が必要な場合の入手は各地の農協さんに相談すると良いと思います。
また岐阜県の養本社という会社が親切で、いろいろ相談に応じてくださいますので紹介いたします。

 (株)養本社(ようほんしゃ)
  〒501−0235 岐阜県瑞穂市十九条 
 電話05832−7−6600
 ファクス05832−7−4808
 レンゲソウの種子の価格は1キロあたり
 300〜400円で送料は別途となります。
 
 根粒菌の入手について

十勝農業協同組合連合会  農産化学研究所
 〒080-2464 帯広市西24条北1丁目1番地7
 TEL 0155-37-4325 FAX 0155-37-4327
上記のところでまめぞうという商品名で扱っています。
クローバ用・レンゲ用・大豆類用と各種ありますので入手の際は注意が必要です。
 レンゲ用は10アール用200gが900円以内で購入可能ですので、連絡のうえ相談してください。
家庭菜園でも豆類の収量アップに小袋で入手しやすい商品パッケージの根粒菌もありますので利用してみてはいかがでしょうか。

 参考文献
 推薦図書は、「レンゲ全書」 4,200円です。
編著者・安江 多輔 (岐阜大学名誉教授 農学博士) 
  発行所・社団法人 農山漁村文化協会

この本はレンゲのバイブルとも言える安江氏の大作といえる一冊です。歴史・性状・栽培・利用・文化・日本全国のレンゲ栽培などについて詳しく記されています。

 

ミニコラム
 クローバーだけに限りませんがマメ科の植物は根に根粒菌といって窒素を固定する細菌が寄生し根にこぶができます。
植物の生長にはリンや窒素などの有機化合物が必要なのですが、植物自体には人間で言う必須アミノ酸同様体内では合成できません。
 マメ科の植物に限っては窒素分の少ない荒れた土壌でも根粒菌のおかげで窒素を合成してもらうことで生育が可能です。ついでに植物の体内に蓄積した窒素分が枯死したあと肥料として土壌を豊かにしてくれます。
 このことに着目した農業技術としてマメ科の植物を畑で栽培し、土壌を豊かにして別の作物を育てると言うシステムが輪作といえます。
 マメ科の植物において肥料として利用されることの多い植物がレンゲソウです。クローバーも決して悪くはないのですが、いかんせん今日では雑草扱いであり、研究者がほとんどいない。
 もったいないことに蜜源としての利用がほとんどされていない(相場も純粋クローバー蜜はキロ2000円前後)。レンゲソウの方が蜜源としては最高峰といえる植物であるせいかもしれません。