牧場主のお気に入り図書館

 

 ごあいさつ   
 ここは図書館について図書館司書資格を持つアムランの図書館に関する薀蓄とアムランのお気に入りの本を紹介する全く個人的なページです。

 

図 書 館 四方山話
図書館といいますと、まず学校の図書室からはじまり、市町村の図書館にお出かけして調べものや、お気に入りの本探しに行くというのが一般的な利用の始まりだと思います。
 学校の図書室は規模としては小さいわけですけれども、これが大学の図書館ともなりますと、建物も蔵書の数も相当なものです。総合大学の図書館になりますと、下手な市立の図書館もかなわないほどの質と量がそろっています。
 最近の図書館は本だけではなく、ビデオやCDの収集もしている所があり、下手なレンタルビデオ店顔負けのラインナップの図書館もあります。また、インターネットが閲覧できる所も相当ありますので、書籍という形式にとらわれない総合情報ステーションとしての役割を持つようになってきています。
  
図書館司書とは整理と調べ物のプロ
アムランは図書館に勤務しているわけではありませんが、図書館司書資格を持っています。
図書館司書というと、図書館のカウンターで図書の貸し出しと返却の手続きをしたり、本棚の整理をしている人というイメージが大きいと思います。
確かに図書館の業務のなかで目立つのは図書の貸し出しと返却と本棚の整理なのですが、図書館司書というのは図書館の経営者であり、図書の研究者なのです。
そして、情報検索と読書のプロフェッショナルなのです。
図書館司書の主な仕事

 ・図書の貸し出し返却業務
 ・図書の分類と整理
 ・レファレンス (資料調査に対するアドバイス・定型的な疑問に対する調査回答)
 ・読書指導
 ・ストーリーテラー(児童を対象とする読み聞かせなど) 
国会図書館や大学、大規模な都道府県や市等の図書館以外の小規模な市町村の図書館の場合は、図書の貸し出し返却業務と図書の分類と整理に追われて、図書館利用者のニーズに充分こたえるための業務が不十分な図書館が多いと思います。
図書館というのは単に本を陳列しておいたり保管するだけの場所ではなく、効果的に利用されなくてはいけない場所なのです。図書あるいは情報を探して利用する人達のコーディネーターが図書館司書なのです。

 

お気に入り図書館
アムランの趣味と独断での本の紹介コーナーです。
   
第一弾
「宇宙船ビーグル号の冒険」  ヴァン・ヴォークト 沼沢洽治訳  創元推理文庫
                                        初版1964年 
                                        1974年の25版所有 
1939年と1943年の2回に分けて発表され1950年に長編小説としてまとめる形でアルフレッド・エルトン・ヴァン・ヴォークト(1912〜2000)によって著されたSFの古典名作である。
レビュー
様々な分野の科学達が乗った宇宙空間調査船ビーグル号。この宇宙船が出会う宇宙文明と怪物達と科学者達との知恵比べ。人間の社会の縮図ともいえる宇宙船の中の科学者達の人間関係のドラマが、もはや古典SFとなったこの小説に生き生きとした彩りを与えています。
一言
ネクシャル・データランド・ファーム・アムランのネクシャルの由来はこの小説に出てくる総合科学(Nexussalism・ネクシャリズム)からの造語です。
「宇宙船ビーグル号の冒険」は東京創元社より発行されておりますが、2006年6月30日現在は在庫なし、再版予定なしのために興味のある方は図書館から貸りるか、古本市場にて入手してください。スポンサースペースの楽天ブックスブックオフもよろしく!
   
第二弾
「オズの魔法使い」  ライマン・フランク・ボーム 佐藤高子訳 ハヤカワ文庫
                                       初版1974年
                                       1994年の34刷所有
1900年にライマン・フランク・ボーム(1856〜1919)によって著された、アメリカの不朽の名作児童文学です。21世紀の現代に読んでも新鮮さを失わないファンタジー文学の傑作です。幼児向けの絵本や小学校低年齢向けの簡単に編集されたものやハードカバーの装丁や文学全集のものもいくつかありますが、新井苑子さんの美しくもファンタジックな挿絵が楽しいハヤカワ文庫版を紹介します。
レビュー
「オズの魔法使い」はオズの国にドロシーというアメリカのカンサスに住む少女が、竜巻に家ごと飛ばされて、かかしやブリキの木樵りや臆病ライオンといった仲間を従えて冒険をするところからはじまります。魔法と優しい心が豊かな恵みをもたらすストーリーであり、オズシリーズの第1作目になります。オズシリーズは14冊続きます。「オズの魔法使い」以外はあまりなじみがないと思いますので、以下シリーズ紹介もいたします。
シリーズ紹介               全てハヤカワ文庫に収録
第1作 「オズの魔法使い」
第2作 「オズの虹の国」
第3作 「オズのオズマ姫」
第4作 「オズのエメラルドの都」
第5作 「オズのつぎはぎ娘」
第6作 「オズのチクタク」
第7作 「オズのかかし」
第8作 「オズのブリキの木樵り」
第9作 「オズと不思議な地下の国」
第10作 「オズへつづく道」
第11作 「オズのリンキティンク」
第12作 「オズの消えたプリンセス」
第13作 「オズの魔法くらべ」
第14作 「オズのグリンダ」
一言
オズシリーズはライマン・フランク・ボームが発表した順番に翻訳されていないものがあるために翻訳順に読むと時間の流れが前後して違和感を感じます。 第3作の「オズのオズマ姫」と第4作の「オズのエメラルドの都」の間に、先に第9作の「オズと不思議な地下の国」と第10作の「オズへつづく道」を読んでから第5作の「オズのつぎはぎ娘」以降の作品を読むと、シリーズのストーリーがつながって理解しやすいと思います。
       
第三弾
「だれも知らない小さな国」   佐藤さとる       講談社文庫
                                        初版1973年
                                        1978年の15刷所有
日本の児童文学の名作コロボックルシリーズの第1作目。1959年に自費出版されたものが同年に講談社から刊行されて現在に至ります。佐藤さとるさんといえばコロボックルシリーズだけではなく「ぼくのつくえはぼくの国」「おばあさんの飛行機」などの多数の名作児童文学作家です。
レビュー
主人公せいたかさんが、少年のころに見つけた秘密の場所「小山」には小さなコロボックル達が暮らしていた。大人になったせいたかさんとコロボックル達の心あたたまる交流とハラハラする事件を乗り越えた先には幸福が待っている。村上勉さんの素朴ながら存在感のある挿絵が、だれも知らない小さな国ワールドを豊かなものにしてくれています。
シリーズ紹介                全て講談社文庫に収録
第1作 「だれも知らない小さな国」
第2作 「豆つぶほどの小さな犬」
第3作 「星からおちた小さな人」
第4作 「ふしぎな目をした男の子」
第5作 「小さな国のつづきの話」
一言
第5作の「小さな国のつづきの話」には図書館が登場し、図書館司書見習の女の子が主役として登場します。アムランの知る限りでは図書館司書が見習とはいえ主役級で登場する話は「小さな国のつづきの話」以外では読んだことがありませんので、図書館司書としてはお勧めしたい一冊です。

 

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