2007年度 公共政策大学院 事例研究(現代行政T) 概要

                                             2007年9月1日


1.テーマ

    行政とメディア

2.概要

 現在の行政活動は、メディアの報道を通した世論の影響を大いに受ける。メディアによって伝えられる情報によって、国民は行政活動を監視することができるとともに、形成された世論の一面的な評価が行政活動を歪めることもないではない。

 この事例研究では、メディアの性質を考察し、報道の対象である行政活動が、どのように捉えられ、情報がどのように加工されて報されるかを考察する。メディアに関する研究は多いが、その大半は報道するメディアの観点からの考察である。この演習では、あえて報道される側の視点から、行政とメディアの関係を眺めてみることにしたい。

 
参加者には、抽象的、理論的な思考に加えて、実践的、現実的な課題へ取り組む姿勢が求められる。


3.授業の進め方

 1)現在、注目を集めている行政課題(年金問題、公務員制度改革、社会保険庁問題、原子力発電所の地震対策、地方分権改革等)をテーマとして取り上げ、それが背景としている事実を、新聞、テレビ等のメディアがどのように報道しているか、それが課題の形成と行政活動にどのように影響しているかを考察する。

 2)メディアが報道したものを、原資料および報道されなかった事実との対比において、報道される側の行政機関の観点から分析し、メディアのもつ特質やメディアへの対応方法について考察する。
 原資料については、行政機関その他のHP及び公刊された資料等を分析し、メディアとしては、新聞各紙、HPにおけるニュース報道を素材とする。テレビ等の映像メディアについては、可能であれば考察の対象とする。なお、公共政策大学院が講読している時事通信のWebsite「i-JAMP」の利用資格を与えるので、それを活用することを勧める。

 3)参加者は、各自自分が関心をもっているテーマを予め選択し、関連する文献等を調べておくことが望ましい。

 − 最初にテーマの決定を行い、それからいくつかの基本文献を講読し、メディアに関する議論の論点を学ぶ。

 − 各自、自分で選択したテーマについて@事実関係、Aメディアの報道の分析、Bその報道にみられる各紙の性格、Cメディアに一般的にみられる傾向とそれに対する対応策の検討、を順次行う。

 − 途中で、ジャーナリストおよび行政官を招いて、報道の仕方、され方についてヒヤリングを行う。

 − 授業では、一定の立場からの主張に対して、必ず反論を展開し、異なる立場から見た複数の像を描くようにする。その点で、柔軟な発想と主張を構成する論理的な思考力が要求される。

 − 授業で調べた事項は、蓄積し、最終的には公刊できる形でのペーパーにまとめ上げることを目標とする。成績の評価は、最終的なレポートおよび授業における平常点で行う。


4.授業予定

これはあくまでも予定であり、変更することがありうる。

回数 月 日 内容 備考
10月 3日 ガイダンス
   10日 文献購読
   17日 文献購読
   24日 文献購読
   31日 発表1
11月 7日 発表1
   14日 発表1
   21日 発表1(予備) ゲストスピーカー
   28日 発表2
12月 5日 −休講−
10    12日 発表2 ゲストスピーカー
11    19日 発表2
12  1月 9日 発表2
13    16日 総括討論1
14    23日 総括討論2

4.その他

  参加者の希望に応じ、学期途中ないし終了後に合宿を行い、集中的な総括討論を行うこともありうる。



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