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卒業


3月15日


 昨日のお昼に卒業が決まって、夕方から病院行って、今日の朝にはもう部屋を明け渡すように言われてしまった。どうやら次のクラスの入校式が、今日の卒業式のすぐ後にあるらしい。にしてもあんまりだなぁ。おかげで、透析後に寝る時間も削って荷造り、荷造り、掃除、片付け!ふ〜〜つっかれたぁ!!
から、すっかりばてばて!!やっとベッドに入ったのが午前1時だった。
 朝10時から卒業式。クラスメートの一人が、卒業を目前にご家族の急病でお家に帰宅され、残る二人だけでお先に卒業式を迎えることになった。
 私ともう一人のクラスメートが真ん中に座り、周りをライオンズクラブからの来賓や同窓会の人、協会職員の方々に囲まれて、一人一人から暖かいお祝いと、激励の言葉があった。その後私たちが挨拶をした。何かとても熱いものがこみ上げてくる。うまく話せない。「うるさいくらいよくしゃべる」と言われたほどの私が、たどたどしく、言葉につまり、感情だけがあふれて涙が出そう。
 今までの人生で最大の辛い別れの後、やはり人生最大の感動と達成感を味わった今回の訓練。私自身、この訓練をやり通せるのか、内心とても不安だった。 透析導入してしばらくの間、その日1日ずつどうにか過ごしていくのがせいいっぱいだった私。元気絶頂のノエルにまともな仕事もさせてやれず、もう私にはアイメイトを持つこともできないのかな、なんて思ってたあの頃。その私がこうして4週間、他の人と全く同じ行程をやり通すことができた。それは訓練に際していろんな配慮をしてくださったアイメイト協会の方たちのおかげであり、いつも励ましてくれたみなさんのおかげ。そして、いつもすぐ傍にいて私に原気と喜びと幸せを与え続けてくれたノエルのおかげだ。本当にこの日を迎られて、ティンクルと正式なペアになれて嬉しい。
 挨拶が終わると、協会の人たちが一人一人来て、硬く握手をして、言葉を送ってくださった。もうだめだ、まじで涙が出てきた。学校を卒業するときにさえ泣いたことのない私なのに!

 担当指導員さんが空港までついてきてくれて、ティンクルとの(訓練じゃない)初歩き。仕事ぶりはグッドグッド!たまたま東京に出張した帰りという友達と同じ便に乗ることになって、ティンクルについてあれやこれやと話しながら、あっと言う間に宮崎へ帰ってきた。
 ノエルを連れて帰ったときは飛行機を怖がってたいへんな騒ぎだったので、今日もちょっと覚悟してたけど、ティンクルはちょっと不思議そうにしただけ。びびる様子もなく、物珍し気に、あちこちきょろきょろしている。通路の向かい側からアイコンタクトを送ってくるらしいお客さんに愛想振りまいてるし、まるで余裕。初めて空のの旅を大いに楽しんだみたいだった。
 さて、家に到着してからのティンクルだけど、私に対して尻尾も振ってくれるし、遊んでやれば大喜びするけど、ハウスにおとなしく伏せているとき、なんとなく心細そうだ。ついさっきまでは指導員が傍にいたし、ティンクルの場合は私が病院に行くとき指導員室で見ててもらったりしてたから、他の子たちよりもマスターチェンジが遅く、まだまだ私の犬になりきれてないところもあるのだろう。早くこの子が安心できるように、信頼し合えるペアになれるように、私も頑張ろう。それが、私を支えてくれる全ての人たち、そして、アイメイトと暮らす素晴らしさを教えてくれたノエルへの感謝に繋がるはずだから。


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