2007年9月













2007. 9. 29. Sat
難病患者の就労を考えるシンポジウム
午後「難病患者の就労を考えるシンポジウム」というイベントに参加してきた。しかも、一参加者としてではなく、体験発表者として。 
とてもそんなところで話ができるような素晴らしい生き方をしているわけではないけど、以前通っていた病院で一緒に透析を受けていた患者さんが、難病患者を支援する団体のリーダー的仕事をされていて、発表者を選ぶときに私を思い出して声をかけてくださったのだ。 
 
盲導犬の話や、視覚障害者に関する学習の講師なんかは、わりと積極的に引き受けるほうなのだが、こちらのほうの話となると、かなり迷った。 
腎臓の病気については、今でこそこうして文章に書いたりしているけど、それができるようになったのは、ついここ2・3年のこと。ましてや口でしゃべるなどは、今でもあまり 
率直にできるほうではない。 
病気の自分を本当に需要できたのって、もしかしたら今回病院を替わってからなのではないかと思う。 
就職当時一応病気は持っていたものの、生活そのものは通常の人と全く変わらずにできていたので、腎臓患者として仕事探しをしたこともなければ、それがもとで職を失うような辛い経験をしたわけでもない。 
もちろん目が悪いことで就職活動は困難がいっぱいだったけど、それが難病患者さんたちの参考になるとも思えなかった。 
が、「あなたの生き方を通して、みんなにぜひ勇気を分けてあげてください」との説得に負けて、引き受けてしまった。 
引き受けたには引き受けたけど、めっちゃ緊張する!! 
日が近づくにつれて、ああやっぱやめとけばよかったなぁなんて後悔もしていたりして。 
 
午後2時。指定された場所にタクシーで到着したが、何とドアが閉ざされているではないか! 
しまった、違うところに下ろされたわ!と思ったときには既に遅く、タクシーは走り去っていた。 
あちらこちら電話をかけるがつながらない。結局会場の番号を104で聞きだしかけてみると、何と私がいるのは間違いなくその建物の前だった。 
連絡の行き違いだったようで、実は反対側の入り口から入るようになっていたのだ。 
この騒ぎでかなりはらはらしたため、話をしなければならない緊張がだいぶ吹っ飛んでしまい、かえってリラックスして話をすることができたかも。 
 
会場には、たくさんの患者さんの他、障害者や病気の人の就職活動をサポートする立場の人たちも多数来ておられ、次々に意見交換がなされていた。 
難病にもいろんなのがあって、そこは私のまるで知らない世界だった。 
皆病気の辛さと、社会の偏見から来る辛さとに苦しみながら頑張っている。 
私と同じコーナーで体験発表をされた方たちは、大腸の難病を抱えながら様々のことにチャレンジし続ける女性と、脊髄の難病を抱えながら、自ら障害者の自立のために活動されている方二名。 
バイタリティーと積極的な生き方に圧倒され、自分のしている話がとてもちっぽけでつまんないことに思えてくる。 
私の生き方なんて結局は自分の気持ちの向くままに学生生活を送り、あとは風に流されるように、その時々を過ごしてきたに過ぎない。 
しかしこんな私にも、会場の皆さんは拍手を送り、話が終わった後の休憩時間には傍に来て、「頑張りましょうね」と言ってくださる人もあり、本当にうれしかった。 
 
会場で声をかける人があるのでどなたかな?と思ったら、もと同僚の女性だった。 
久しぶりに会えたのでこれまた感激! 
終了後彼女が来るまで送ってくれることになり、懐かしい話などしながら帰った。 
 


2007. 9. 18. Tue
このごろ
ずいぶん久しぶりのノート。 
体調が悪かったり、生活環境がけっこう変化していたりで、なかなかこのページに向かうことができない。 
まぁ、そればかりではないのだけど、このごろちょっと考えるところがあって、なかなか以前のようにストレートに気持ちを表現することができなくなっている。 
ホームページも一度内容を見直す必要がありそうだし、でも、どこをどうしていいか分からず、ちょっと行き詰ってる感じ。 
そうこうしている間に、気がつけば一つ歳もとってるし、これはたいへんだ。 
物事を、すりガラス越しに見ているような、この感覚はいったい何なんだろう? 
そこに幸せがあって、良いものがたくさん用意されてるのに、ぼんやりとして、それを見極めることができないみたいな変な感覚のまま、時が流れていく。 
あまりにいろんなことを短期間に経験し過ぎたせいかな? 
たいてい秋の間に一度くらいは心が不安定になるけど、どうも今年はそれが少し早めにやってきたようだ。 
 


2007. 9. 6. Thu
可愛がられ過ぎもちょっとねぇ
9月だというのに、暑いこと!未だに毎日35度だ。 
子供の頃は、この時期になると、長袖の用意を始めていたりした記憶があるんだけど(といっても、私自信は11月くらいまで半そでだったけど)。 
暑いのに加えて、貧血が治らない! 
先週よりも更に進んでいる模様。 
胃か腸に問題があるんじゃないかなんて言われたけど、どうやらそうではなさそうだ。 
早く治ってくれないと困る。 
授業だって、話しているうちに意識がもやもやっとなってくる。 
椅子に座って授業させてもらってるけど、まるで気合が入らないから、生徒だって面白くないだろう。 
2階まで、たった21段の階段を登るのが一台決心なのだ。まいるよほんと。 
 
今日も猛暑の中病院へ行った。部屋に入ったときは私もノエルもくたくた。 
ノエルなんか、ハーネスはずすのももどかしいみたいに、自分のベッドにどさっ!と倒れこんでしまった。 
私もベッドに上がったときにはもうまともに話す元気もない。 
ノエルのところには、相変わらずいろんな人が挨拶をしにくるけど、まぁご自由にノエルと遊んでやってくださいって感じで、私は体のだるさに負けて黙っていた。 
が、いきなりとんでもないことを言い出す人がいて、ようやくはっきりした意識のほうへ引き戻された。 
「ノエルちゃんにチーズ持ってきてあげたんだけど、食べさせていい?」 
「ええ?だめですよ〜。」 
こんなことを言う人がいるとはびっくりだ。しかも透析室なんかで! 
今時街中でもそういうこと言う人ってほとんどいないんだけどなぁ。 
チーズを持ってきたのは、昼間の患者さんで、私が入室する頃にちょうど治療を終わって帰られるのだ。 
看護師さんにも、チーズを持ってきたことを話していたみたいで、看護師さんは「そんなの絶対だめだよ」と言ったらしいんだけど、私に聞いてみないことには納得できなかったらしい。 
「やっぱりだめかぁ。じゃぁ私が自分で食べるわ。」 
と言って帰っていかれた。 
昨日は病棟に入院している患者さんが、自分が透析を受けるときにお菓子を持ってきてて、それは実際にその方が食べる分なんだけど、とっておいてノエルにあげてくれと言っていたらしい。 
ノエルが大切にされて、可愛がられて嬉しいんだけど、なぜか可愛がる=食べ物を与えるというのが、昔から日本人の犬に対するやり方みたいで、ちょっと違うよなぁと思ったり。 
相手の気持ちを傷つけないように上手に正しい犬への接し方を伝えていくのはとても難しい。 


2007. 9. 1. Sat
良い子たち
昨日臨時で貧血の検査をしてもらった。 
ヘモグロビンの数値が8.2! 
健康な人は13か14くらいあるのかなぁ?私でも10を超えればまずは問題なくバリバリ動ける。 
8.2ってのは、おそらく8年ぶりくらいに打ち出した数値ではないかと思う。どうりでしんどいわけだ。 
造血ホルモンを増やす注射をすると数値が上がってくる。今までも少し入れてもらってたんだけど、一気に3倍増量してもらった。 
きっとすぐに元気が蘇ることでしょう。 
季節もよくなってくるし、旅行の計画なども立ててるんだから、へばってる場合じゃないっての。 
 
へばってるわりには、今日は何だかひどく出歩く用事の多い日だった。 
1日中ってわけじゃなくて、ちょこっと出かけては帰ってくるという繰り返しだ。 
そんな外出途中の道で、とてもマナーの良い子供たちに出会った。 
小学生の女の子と思われる二人組みで、最初は私に話しかけているとは知らず、うっかり通り過ぎるところだった。 
「すみません!」 
駆け足でついてくる。 
「え?どうしたの?」 
「犬を触ってみたいんですけど、いいですか?」 
ハーネスつけて仕事してるときは原則人には触らせないし、無断で触ってくる人には腹が立ったりもするけど、こういう風に言われると、まず断れない。 
最近はこの近くの小学校には話しに行ったりはしてないけど、ちゃんと学習してるのかな? 
「いいよ、どうぞ。」 
二人は嬉しそうにノエルの背中やあごの下を撫で 
「かわいい」とか「大きい」とか言って喜んだ。 
決してきゃぁきゃぁ言ったり、しつこく触り続けたりしない。 
20秒くらいだったのかなぁ?満足そうに 
「ありがとうございました」と言ってノエルから離れた。 
ノエルのほうも、いきなり触られたときみたいに弾けることもなく、おとなしく体を撫でさせていた。 
これ、とっても普通のことなんだけど、その普通なことが、なかなかないんだなぁ。 
二人に会えて私もすごくハッピーな日になりました。 




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