2007. 3. 31. Sat 暑い しばらくブリに動物病院へ行った。 狂犬病の予防注射をして、フィラリア予防薬をもらい、一通り健康チェックをしてもらった。 健康状態はきわめて良さそう。 あれほど苦労したのに、フードを変えてからというもの、体重もおしっこのPHも落ち着いている(19キロの6.5)。 あの頃の苦労はほんとに何だったのかな?こうして考えると、フード選びは本当に大切なんだなぁ。 11歳5ヶ月のノエル。体に以上なく、目もまだ悪くない。 獣医さんちのゴールデン(10歳)が、今年の2月に白血病で亡くなったらしい。 いつもノエルと比べては「ノエちゃんは若い」と言ってくださったものだが、今日は何だか寂しそうだった。 「まだまだ頑張れるよ。退職したらがたっとくるかも知れないからね、現役でいたほうがいいよ。」 などと言って励ましてくださった。 ほっとした気持ちでバス停に向かう。 それにしても今日のこの気温の高さは何だ? 確実に25度は超えていそう。 半そでシャツにパーカーを羽織ってきたけど、パーカーなんて脱ぎ捨てたい。 つい先週あでストーブたいてたのになぁ。どうなってんの? 2007. 3. 29. Thu 送別会 今年は例年になく移動が多いようで、うちの学校でも、教諭、寄宿舎指導員、事務職員合わせて14人が転退出することになった。 勤務年数のわりと長い人や、学校の中でみんなが頼りにしているような仕事のできる人、生徒に慕われる人気者など、顔ぶれを見ると、「どうか行かないで!」と言いたくなるような面々である。 送別会の席。送られる人たちが思い出や、残るみんなに伝えたいメッセージを語る。 笑えるエピソードを話しながら泣いている。聞いているほうも、ボロボロ涙をこぼしながら、ゲラゲラ笑っている。 寂しいなあ。でもい出会い、いい職場生活をしてきたんだなあ。 明日が過ぎて4月になれば、私たちみんな離ればなれだ。毎年繰り返しきたはずなのに、今年のこの強烈な寂しさは何だろう? 2007. 3. 28. Wed 小鳥の脳震盪 昼食休憩の後、午後の仕事に戻って間もなくのこと。 体育の女の先生が 「鶯(うぐいす)が窓にぶつかって墜落して動けなくなってます」 と職員室へやってきた。 その場に居合わせた教師たち(教頭以下5名)が一斉に飛び出す。ノエルも後からついてきた。 「これは目白だよ。鶯と間違えるか?」 と、すかさず理科の先生が言い、地面に落ちてぐったりとしている目白ちゃんを拾い上げ、手のひらで休ませた。 こんな状態で地面に転がっていたら、ほぼ間違いなく、猫その他の動物の餌食になるそうだ。 「首が折れてたら助からんなぁ。厳しいかもなぁ。」 などと言いながら、小鳥の体を温める理科の先生。見守る私たち。顔を伸ばして臭いを嗅ごうとするノエル。 この恐怖のクンクンが小鳥の気付け剤になったのか、数分すると彼(彼女かも知れないが)は目を開き、少しずつ頭を動かし始めた。だが、飛ぶ様子はない。 ある程度首がシャンとしてきたところで、理科の先生は、彼を木の枝に留まらせてみた。 鳥の足とはよくできたもので、力を入れると指が開き、脱力すれば逆に指が閉じてしっかりと枝に留まることができるのだそうだ。だからまだ弱っている彼でも、枝に置いてやれば、生きる力の続く限りはそこに乗っていられるらしい。 枝に留まらせ歯したものの、皆そこから立ち去る気になれず、じっと目白ちゃんの様子を見守っている。 (がんばれ目白ちゃん。飛べ!) 枝に留まったまま、彼はキョロキョロと辺りを見回す。地面から拾い上げたときとは比べ物にならない元気さだ。 10分、15分が過ぎた。 さすがに仕事もあるし、一部の教師たちは持ち場へ戻り初めていた。 「あ、飛んだ!」 突然の声に、戻りかけた先生たちがUターンしてきた。 発見者である体育の先生が、木を指差している。目白ちゃんは、最初に留まらされたのとは少し離れた別の枝に留まっていた。確かに飛んだようだ。 「やったぁ。良かったねぇ。」 感動しているみんなの前で、彼は再び羽ばたいて飛び上がった。 「バイバ〜イ。元気でねぇ。」 ふと職員室前の窓ガラスを見ると、それは掃除したてのピカピカ。 またぶつからなければいいけど… 2007. 3. 23. Fri 別れの季節 終了識が終わり、生徒たちは、新学期を迎えるまで春休みになる。 卒業式と共寂しいのは、同僚の何名かは必ず今月いっぱいで転勤したり退職したりしてしまうという事実。 転勤については、やや複雑な思いをもっている私である。 とにかく、毎年毎年、私は必ず見送る側だ。 複雑な気持ちを抱きながらも、親しい同僚との別れに、本人の目の前で涙を流したり、ことさらに別れを惜しむような言葉を口にしたことはない。あえてそうしているというよりは、自分の無意識な部分で、そういう感情を押さえ込んでしまうのだ。 だから、私には別れのさびしさをかみしめたり、思い出や感慨にしんみりしたりすることはないのではないかと思っていたなんて、友達から言われたこともあった。 別れに際して、マワりの人たちみたいに名残を惜しむ言葉をかけてあげることもできず、感情をストレートに表すこともできず、淡々と握手などして、去り行く人を見送る。 一人になったとき初めて、涙があふれ出してくる。寂しさと、大した言葉も交わせなかった後悔に圧倒される。 なぜそうなのか。いつになったら、別れ方が上手になるのか… 今年もまもなくその解きがやってくる。 2007. 3. 21. Wed 悪いけど、尋ねてません 私は乾燥体質でアレルギーが出やすく、しかもマンションの水道水は消毒の塩素がたっぷりだから、とても沸かしたてのお風呂にさらでは入れない。 ここ2年ほど、木酢液をお湯に混ぜて入っている。 炭焼きをするときの煙を蒸溜水で抽出したもの(?)だとかで、かなりスモーキーな香りがするけど、お湯がまろやかになって、とても気持ちいい。 その木酢液が無くなりつつあったので、薬局に買いにいったが、どうやらないみたいだった(店員が分からないだけっぽくもあったけど)。」 それでは替わりになりそうな入浴剤をくださいと頼んだら、三つほど出してくれたので、その中から良さそうなのを選んで購入することにした。 もし使ってみて良い感じだったら、また買えばいい。そのために商品名を聞いておこうと思って 「名まえは何ていうんですか?」 と尋ねてみた。すると店員さん、間髪入れずに 「僕ですか?」 (えっと…そうじゃなくて…) 思わずこちらが赤面してしまうなぁ。 「この入浴剤の名まえですけど、教えてください」 と言い直したら、彼も恥ずかしそうに笑いながら教えてくれた。 なんて書いている私も以前ノエルの名前を聞かれたのに自分の名前を答えて恥ずかしい思いをしたっけ 2007. 3. 13. Tue 卒業式 ついにこのときがやってきた。 10年以上の教師生活の中で、卒業生の担任をしたのは初めてだ。 私が名前を呼ぶ生徒は一人だけ。だからこそ、心を込めて呼んであげたい。 しゃきっとした返事をして、彼は立ち上がり、卒業証書を受け取った。 熱いものが心にこみ上げた。 2007. 3. 9. Fri ラスト三日 卒業式を来週の火曜日にひかえ、いよいよ教室を片付けたり、思い出を整理したりしなくてはならなくなってしまった。 生徒は、朝から、お世話になった先生に渡すカードを作ったり、中学生活3年間の写真をアルバムにまとめたりと忙しい。 アルバムにただ写真を貼るだけでは、視力のない彼にはあまり意味がないから、点字でタイトルを書き、1枚1枚の思い出をテープに録音して一緒に残すことにした(私ならそれも一緒にアルバムに書き込むところだが、彼は文字より音声がお好みなのである)。 できるだけ自然体で残そうということになり、私たちも参加して、わいわい言いながら録音した。 たとえば、野外研修のときの1枚。男の子3人が裸足で海に入ってはしゃいでいる写真では 「ああ、これねぇ!暑かったとよねぇ。海にじゃぼじゃぼみんなで入って、気持ちいいかったとよねぇ。」 ってな感じ。 音楽発表の写真の感想の後には、そのとき歌った曲を挿入したりして、なかなかいい。世界にたった一つの、声のアルバムができた。 私も彼の中学生活3年間のうち2年は学級担任として、残りの1年も教化担当として一緒に過ごしてきた。 いろいろ苦労したこともあった。日々の出来事に一喜一憂しながら、共にいろんなことを学んできた気がする。 いよいよあと三日。今まで自分が経験してきたどの卒業式よりも感慨深いものがある。 2007. 3. 8. Thu 送別遠足 高校の入学試験も終わり、我がクラスの生徒も卒業を待つのみ。 中学部4名しかいないのに、3名が卒業生という、とんだ事態になっている。 朝から生徒と教師合計11名で送別遠足に出かけた。遠足というよりは、校外学習って感じでもある。 まずは、学校からさほど遠くないところにある陶芸の工房で、手捻りでお皿やカップなどを作る体験をした。 私も中学の頃、美術の授業でけっこうこういうの作ったものだから、生徒たちがやってるのを見ると、何かとても懐かしく、久しぶりに何か作ってみたくなった。 手回し轆轤の上に粘土を広げ底を作る。そこへ長く細く転がした粘土を、ぐるぐる螺旋状に積んでいく。 その後壁面を指で鳴らし、好みの器の形に整えていく。 4名とも楽しそうに、自分の好きな器を作っていた。 乾かし、素焼し、本焼きまでで約1ヶ月〜2ヶ月かかるそうで、出来上がったものは学校に送ってくださるとのこと。みんなで楽しみに待とう。 お昼前、シーガイアの施設内を走る無料のシャトルバス(そんなものがあること事態私は最近まで知らなかったのだが)に乗り、イオン宮崎ショッピングセンターへ移動。センター内のピクニックコートと呼ばれるところで昼食。 その後生徒たちが思い思いに店を回り、記念の品お購入したり、ウインドーショッピングしたりしていた。 洋服屋さん、お菓子屋さんなど回ったけど、結局彼らが一番盛り上がったの百円ショップだったような… ところで、このショッピングセンターには、誘導など介助を希望する人がいつでも担当の人に声をかけられるように、入り口付近にハンディフォンが設置されている。 そういうのが使えれば、私たちのようなものでも、一人で買い物にくることができそうだ。ということで、市内方面から到着するバス停と、そこからハンディフォンのある入り口までの道を歩いてみることにした。 入り口から外に向かって点字ブロックが敷いてあった。が、辿っていってみると、それはバス停ではなく、駐車場のほうへ伸びている。 一方バス停のほうはといえば、途中で点字ブロックが途切れ、10mほどの通路を歩かなくてはならないのだ。 この通路、バスの停まる側はたくさんの柱、反対側は壁際に溝。私はノエルと一緒にどうにか歩けるが、白杖歩行の全盲の人なんかは、とても自力歩行は難しいかも。 視覚障害者といえども、誰か介助の人と来ていたら点字ブロックは使わないことが多いし、介助無しで一人でくるとしたら、駐車場へ行く必要などない。つまり、駐車場に向けて点字ブロックを敷いておくなんて、ほとんど無意味なのだ。 近いうちにショッピングセンターの方にお話してみようかな。 といった感じで、楽しく、貴重な1日となった送別遠足 生徒たちも思い出に残る一時だったようだ。 2007. 3. 6. Tue 珍しい! 私とほぼ同じくらいの歳の同僚が、昨日から歯が痛いと言い出し、今日の午後空いた時間を利用して歯医者へ出かけていった。 2時間ほどして、かわいいプラスチックの丸いケースを持って、笑いながら戻ってきた。 「あの先生、歯フェチやわ。それとも、歯医者さんて、やっぱみんな歯に執着するのかなぁ?」 どうやら彼女を悩ませていた痛みの原因は親不知だったらしいけど、歯医者さんはその親不知を見るなり 「うわぁ、ちっちゃい!こんなかわいい親不知、ものすごく珍しいよ〜!」 なんて歓声をあげたのだそうだ。 そんな驚くべきミニサイズの親不知でも痛みになったりするものなのか、とにかくあっという間に抜歯できたが、取り出したのを、先生はさらにまじまじと見ていたそうだ。 そして、 「これ珍しくてかわいいから、持って帰りなさい。ちょっと虫歯になってるけど、直してあげるから。」 と、おもむろに自分の手の中でその歯を治療し、薬品をかけて綺麗に磨き、 「ほんとはこれ、子供にしかあげないんだけどね。」 と言いながら、例のプラスチックケースに入れてくれたのだという。 「そこまで言われていらないとは言えないもんねぇ。ありがとうございま〜す!ってお礼言ってもらってきたんよ。」 歯医者といえども、抜いてしまった歯を治療する先生なんて初めて聞いたなぁ。話を聞いていた全員爆笑してしまった。 珍しいのは同僚の親不知よりも、先生自身じゃないのかな。 2007. 3. 4. Sun 交流会 宮崎県盲導犬友の会の交流会が久しぶりに行われた。 盲導犬使用者7名、それにガイドボランティアの人が数名加わって、楽しい一時を持った。 2頭目のパートナーに代替した人がどんどん増えて、今やノエルが断突で年長になってしまった。 中には36キロもある大物がいて、これがなかなか元気がいいので、思わず圧倒されてしまった。 いつも、盲導犬に関する耳よりな情報や、自分の犬がやらかしたおかしな失敗談などですごく盛り上がる。 友の会で全員そろって活動することはほとんどないので、交流会は毎回とても楽しみだ。 もう少し盲導犬の数が増えればもっといいのだけどなぁ。 2007. 3. 3. Sat ! 私のところには、点字雑誌など、けっこう大きめの郵便物が届くことが多い。それらはマンションの郵便受けに入らないので、特別に私専用の「大型郵便物用かご」を、エントランスの隅に置かせてもらっている。 そのかごには、私専用である旨表示しているのだが、ときどきゴミ箱か何かと勘違いしてるんじゃないかと思うようなものが入れられていることがある。 不要なチラシとか、丸めたレシートとか、お菓子の包み紙などなど(このマンションに、そんなモラルのない人が住んでるなんて残念)。 今日、郵便物をチェックしてみたら、またまた変なものがかごの中に入れられていた。 しかもでかい。何だろう?レジ袋みたいなビニールに入っていた。 わさわさした感触だったので、初めは、シュレッダーで切り刻まれた紙くずかと思った。 そこへたまたま私の隣の部屋の住人が通りかかり、ビニールの中身は千切り大根だと教えてくれた。それに干し椎茸もあるらしい。 名前もメッセージも何にも書いてないというから、どうやら私に誰かが持ってきてくれたわけではなさそう(もっとも、たとえ持ってきてもらっても困るくらい大量にあったんだけどね)。 しかたがないので、そのまま放置して外出したのだが、1時間後に帰宅してもう一度かごを見ると、その袋はすっかり姿を消していた。 どうやら、私の郵便かごが一時的物置に使われた模様。 何だかなぁ〜! 外出先の郵便局で、窓口にいた女性にちょっと手を貸してほしいと頼んだら「は、はい。では失礼いたしま〜す。」とこちらに出てきた。 名前、住所、電話など記入する書類があったので頼むと 「あの、では、申し訳ありませんが〜、住所をおっしゃっていただけますでしょうか〜?…はい、はい、申し訳ございませ〜ん」 「ええ、それでは〜、あの、お名前、、お名前をお願いできますでしょうか〜?はい、あ、すいませ〜ん」 用事を頼んでいる10分くらいの間、彼女はずっとこの調子で話続けた。 私が頼んで書いてもらってるのに、なんでこんなにすみませんやら、申し訳ないやら連発するんだろう?けっこう聞いてて疲れる。何だかな〜! そうして用事を手伝ってもらってる横で、小さな女の子を連れた若い母親がやはり何か書き物をしていた。 女の子は退屈らしく、お母さんに話しかけたり、書き物をするための台にぶら下がったりしている。 とはいっても、そんなにやんちゃに遊んでるわけじゃなくて、ちょっと暇つぶししてる程度だ。 だが母親のほうはひどく機嫌が悪い。 「ちょっと!仕事の邪魔するんじゃないよ!…んも〜、なんで言うこと聞けないの!?」 「ほら、洋服なんでこんなきたなくするの?もう買ってあげないからね。」 子どもの言葉や行動の一つ一つに片っ端から否定的なことを言っているようで、聞いていてなんだか辛い。 やがて女の子が私のほうを振り返り 「ねぇママ〜、ほらワンワン、かわいい。」 と言った(言っただけで、別に触れたわけでも、ノエルに声をかけたわけでもない)。 すると母親は、すかさず言ったのだ。 「何してるの?!仕事してるんだよ、そのワンワン。邪魔したらだめ!」 私は黙ってその場を立ち去った。 何だかな〜! 別に邪魔なんかしてなかったのになぁ!ああ、それだけでも言ってやればよかった。ちょっと後悔。 どうかあの子の無邪気な笑顔がいつまでも消えませんように。 " ALT="">過去ログ一覧へ戻る トップページへ 携帯用トップへ |