今月の壁紙はクリスマスツリーです。

 12月31日(土)
 ☆犬違い
 今年も今日でおしまい。
 まるで実感はないが、明日はもう来年だ。
 実家で年越しそばを食べようと親が言うので、夕方出かけた。
 ノエルは、玄関でハーネスをはずし、足を拭いてやったとたん、勢い良く家の中へ駆け込んでいった。
 母が出てきて、私と玄関で話していると、奥から父が「お〜い」と母を呼んでいる。
 やや耳の遠い父には、まだ私が帰ってきたことが分かっていないらしい。
 「お〜い、リリーが上がってきちょるよ〜。」
 実家の庭で飼っているリリーはこのごろイングリッシュセターの本性丸出しのようで、頻繁に脱走したり、家に乱入して走り回ったりするらしい。
 だいぶ大きくなったリリーと、小柄なノエルはもうあまり大きさも変わらないのだろう、父は完全に見間違えてしまったのである。
 「あら、ノエルか。リリーかと想った。」
 と笑っていた。


 12月27日(火)
 ☆年末休暇
 昨日は学校で最後の会議。
 年末年始の休暇は29日からなんだけど、有給の残りもあるし、いろいろ用事もあるので、今日から休みにしてしまった。
 かなりのんびりした休みだ。どこか行くところ、遊ぶ友達でもあればいいのだけど、こんな時期に遊んでくれる人もいないし、かなりさびしい休暇になりそう。

 公立の病院が開いているうちに、さぼっていた眼科の診察を受けることにして、朝9時頃出かけた。
 皆考えることは同じなのか、病院はやたらと込んでいる。
 ノエルに座れる場所は無いかと探させつつ、待合廊下をうろちょろしていたら、いきなり
 「ノエルちゃん」
 と声がする。こんなところで誰だ?呼ぶなら私を呼んでよねぇなどと想いながら振り向いたら、私の学校の生徒だった。
 生徒といっても50代の男性で、理療科に在籍している。直接教えているわけではないけど、学校でも出会えば必ず声をかけてくれる。今日は奥さんと来ていて、奥さんが盲導犬がいるよと教えたらしかった。
 椅子に座って彼と雑談をしながら待ったので退屈しなかった。
 診察後、1階ロビーで会計を待っていたら、今度は知らないおじさんに声をかけられた。が、初めは自分に話しかけられているとは想わなかった。
 「おはようございます」
 顔は受付のほうを向いたまま挨拶をする。いくら私が見えない相手だからって、顔をこちらへ向けるぐらいしてくれればいいものを。
 二度挨拶されて、あわててその人のほうを見たら、犬を触って良いかと言い、いいとも悪いとも答えないうちにもう撫でている。
 返事をするまで待ってくれれば、こういう場合少しぐらい触らせてあげないわけでもないけど、ちょっとむっときたので
 「すみませんが仕事中ですので。」
 と言って触るのを止めてもらった。
 いやなことはなぜか2度3度続けて起きる。
 病院を出てバスに乗ったら、けっこう乗客が多いのに、二人がけの座席に一人ずつ別々に座っている親子発見。
 他に空席がないので、後ろの人が指示してくれるまま、子供の隣に座った。
 ノエルは席下へ要れず通路にダウンさせた。つまり子供とノエルの間に私がいて、子供が直接ノエルと触れ合うことはない。
 ところがこの子がかなり犬嫌いらしく、私が横に座ったとたん、怖い怖いと騒ぎ出すありさま。
 「ママ、犬怖い。怖いよ〜。」
 と何度も繰り返す。母親は前の席に座って黙っている。
 だんだん私の我慢が限界に達してきた。
 「怖くないでしょう?あなたに届かないし大人しくしてるでしょう?だいたいあなたたちなんで別々に座ってるわけ?」
 子供にも母親にも聴こえるように言った。
 子供はそれっきり黙った。母親も何も言わなかった。まったく困った人たちである。

 
    12月25日(日)
 ☆クリスマス
 今年の年末は、やたらとさびしい。
 忘年会やら、クリスマス会やら行われても、何かと都合が合わず、一つも出席できなかった。
 極めつけは自分の教会のキャンドルサービスに出られなかった。
 例年24日にやるのを、だいぶ日も迫ってから唐突に、今年は23日(金)に変更となったのだ。
 連休中だから金曜のほうが近所の人が来易いようにとのことだったけど、それならそれで、カレンダーは初めから決まってるんだから、年度初めの計画立てる時点で決定しておけばいいものを。そう簡単に週末の通院予定を変更することはできないのだ。何か、自分なんかと無関係にいろんなことが進んで、かなりブルー。
 教会には幾人者ノンクリスチャンのお客があったと喜んでいた。でも教会員である私は、こんな大切なお祝いの日を、みんなと一緒に喜ぶことができなかった。
 24日も1日一人。まったくクリスマスらしき雰囲気無し。
 ただ、23、24と続けて、ホームページのチャットにたくさんの友達が遊びに来てくれたのが最高に嬉しかった。
 そして今日。ようやく教会のみんなに会えて、クリスマス礼拝。その後みんなでなべを囲んでの合餐会。
   夕方、友達と街に出た。商店街の片隅で、友達の知り合いの人たちがやっている聖歌隊がキャロルを歌っていたので、30分ほど聞いた。
 すごく綺麗なハーモニーで、今まで何だかガラーンとしてた私の心も、ようやく温かくなってきたようだ。25日も終わりに近づいてやっとクリスマスを迎えることができたなぁって気分。
 友達と、食事のできる店に入って、夕食をしながら延々と話し込んだ。
 よほど私が食事に苦労してると想っているのか、このごろこんな風につきあってくれる友達も非常に少ないのだ。
 何やかやとしゃべりまくり、私のしぼんだ心も、かなり元気回復!友人に大感謝!


 12月22日(木)
 ☆驚くべき寒さ
 年内の授業最後の日。もちろん2学期制なので終業式はないが、ちょうどお家の方が帰省する生徒を迎えにみえたりするので、それに合わせた形で、参観日になっていた。
 3時間目が参観授業ということで、中学部は総合の時間だったが、みんなでグランドソフトボール(視覚障害者用の野球)をやることになっていた。
 だが、本日はものすごい寒さ。この冬一番、というか、12月にここまで寒いのは近年にはなかったような気がする。
 あまりに寒いので、野球を止めて体育館でバレーボールにしませんか?と提案する人もいたのだけれど、生徒も体育科の先生も考えを替える気持ちはさらさらなさそう。
 運動場に出ると、びゅ〜〜っと、すさまじく冷たい強風が吹いていた。
教員もゲームに参加していたが、私はできないので、ベンチでアナウンス係りだった。
 ウインドブレーカーを着て出たのだが、何の助けにもなってない。寒いこと寒いこと!
 体育科の先生が、ダウンの入った長いコートを貸してくれた。きっと直接試合には出ないスタッフなどが着るためのものなのだろう。それを身にまとうと、ようやく耐えられる程度になった。
 「1番、サード○○君」などと、甲子園っぽくアナウンスしてみる。なかなか面白い。保護者の方や寄宿舎の指導員たちがたくさん授業参観にやってきた。皆震えながら試合を観戦し、応援している。戦っているのは「ファイターズ」と「ガンバローズ」。
 ガンバローズの逆転勝利で試合終了。
 立ち上がって校舎へ帰ろうと歩き出すが、なんだかふらふらしてうまく歩けない。なぜだか周りの温度が下がると、私はときどきこういう状態になるのだ。高校のころなんか、よく水温の低いプールで目を回していた。まったく動けなくなり保健室へ担ぎ込まれてしまうのだ。おまけに最近は血圧も不安定なので、寒さが本当に苦手なのである。
 どうにかこうにか校舎へ入り、ほっと一息。つくづく、私は寒い地方には住めないと想う。
 後で聞いたところによると、本日は最高気温が5度だったようである。
 「バス大丈夫だった?」
と、川の向こうから通勤している先生に聞かれたので、大丈夫とは何のことかと不思議に想ったが、なんと川向こうでは雪が降っていたのだそうだ。それも積もるほどに。
 実家でも積もったらしい。
 私の住んでるあたりや、学校の付近ではまったく降らなかった。同じ市内で、川のあっちとこっちというだけで、そんなにも違うものなのか。これはびっくり!
 でも、どうせここまで寒いのなら、雪の少しくらい、降ったほうが良かったなぁ。きっと生徒たちが大喜びしたはずだから。

 
     12月20日(火)
 ☆久しぶりに間違えられた
 就職5年目ごろだっただろうか。卒業式の近いある日、バスの運転手さんに
 「お姉ちゃん、卒業はまだね?」
 と言われたことがある。視覚障害者だし、盲学校には大人もいっぱいいるから、生徒に間違えられてもそれほどショッくではないのだけど、最近はそれもあまりなくなったなぁと想っていたのだ。が、今日久々に生徒と間違えられた。しかも、どうやら高校生あたりに見られたようなのである。
 図書室で、中学生の男の子と一緒に絵本を見ていた。活字と点字が併記してある絵本だ。絵のところまで綺麗にタックペーパー(それに点字を書いて貼り付けたりできる透明なシール)を絵の形に切て貼って、元の絵にきちんと重ねて貼ってあるのだ。その細かい部分まで良くできてる点訳本の緻密さに感動したりなどしていた。
 そこへ、週2時間ほど外部から理療科の授業にみえる先生が入ってこられた。どうやら図書室が控え室になっているらしい。
 「へぇ〜、良くできてますねぇ。あなた、これ触って分かるの?」
 と話かけてこられ、いろいろな絵を見せて、私に
 「何の絵だか、点字の説明を見ないで分かる?」
 もちろん分かるのもあれば、分からないのもある。あまりに細かく画かれていたり、視覚的イメージで画かれていたりすると、よく分からなくなるのだ。
 ギブアップして点字のほうを触って
 「ああ、なるほど、飛んでいる鳥ですか。」
 とか言ったら
 「点字を読むのは抜群に速いねぇ!」
と歓心していらっしゃる。
 そのうち授業前のチャイムが鳴り、一緒に来た生徒が教室に帰っていった。私はなおもしばらく椅子に座って本を見ている。すると
 「あなたは授業に行かなくていいの?」
 「次はないので、ゆっくりで大丈夫ですよ。」
 「授業がない時間もあるの?あなたは何年生の生徒さん?」
 話かける口調から、ひょっとして生徒と想っておられるのかとは感じていたけど、聞かれなければ黙っているつもりだった。でも尋ねられてはしかたがない。
 「職員なんです。」
と答えるこちらのほうが何となく決まりが悪い。案の定先生はあわてて
 「そうですか。それは失礼しました。何学部の?」
 中学部だと答えたら
 「そうですかぁ。あなたは生徒さんととても打ち解けていたし、いばってるところが全くないから、ほんとに先生だとは分からなくて、すみませんでした。」
と何度も謝っておられる。ようするに、友達どうしで本を見にきてる中高等部の生徒二人だと想われたようなのである。
 先生も授業に行かれるとのことなので、私も職員室に戻りさっそく今の出来事を他の先生に話した。
 「へぇ!いばってないから先生と想わなかったと言われたの?それじゃぁ、逆を言えば、先生は皆いばってるってことか、あはははははは!」
と面白そうに笑っている。こんなコメントをさっきの先生が聞いたらあせるだろうなぁ。フォローしようがない。思わずつられて笑う私であった。

 
 12月15日(木)
 ☆1年ぶりに
 中学生たちと、老人保健施設を訪問した。毎年訪れていて、今年が3度目だ。
 だんだん恒例のイベントとなりつつある気がする。
 お年寄りたちは楽しみに待っていてくださるし、生徒もやる気満々、まったく自然体でお年寄りの手をとり、話しかけ、共に楽しんでいる。
 温かな心のふれあいに、感動が広がっていく。
 こんな生身の体験を、私はほとんどしないで成長してきたなぁと想う。
 私なんかが決して教えることのできない大切なものを、生徒たちはこうしてしっかり学んでいるのだ。


 12月14日(水)
 ☆無力感
 生徒に傷を負わせてしまった。
 石油ストーブが、保護柵をつけないまま置いてある教室。前から、危ないなぁと想っていたけど、安全策はとられないまま。
 見えない生徒の立場を一番分かってあげられるはずの自分が、安全面への配慮を強くうったえきれないでいた事実。ものすごく後悔している。
 また、たとえ危険が近くにあっても、そこにいたのが私でなく、見えている先生だったら、彼を守れただろう。しかたのないことだけど、けっこうショックなのだ。
 さらに、彼の傷の状態を、見て確かめられない私は、彼の冷静な態度だけで軽く考えてしまい、処置を遅らせてしまった。
 驚いた人たちが彼を取り囲み、やれ水で冷やせ、やれ病院の手配と走り回る中、まったく呆然として手をこまねいている私。
 本当にどうしようもない学級担任で申し訳ない!
 無力感、自分への失望に打ちのめされた。
 こんな私にも、人を育てる仕事をさせていただく意義があるのですか?ほんとに…



 12月4日(日)
 ☆めでたくMサイズ!そしてハプニング!
 久しぶりにお店でノエルのシャンぷーをした。
 前にも書いたけど、ここは体重でシャンぷー台の使用料金がすごく違うのだ。しかも、M(中型)とL(大型)の境界線は20kg。
 前回利用したときは、ノエルは20.4kgで、大型料金2900円を取られた。これって、けっこう高いよね。
 先週動物病院で計ってもらったとき19.5になってたから、ひょっとすると今日はMサイズかも!と期待して体重計に載せた。
 「19.85.おお、やったぁ!
 ぎりぎりながら、めでたくMサイズ。2100円なり。これって、けっこう大きい差だよね。
 今日はスタッフが皆忙しいようで、サポートについてくれる人がいなくて、私一人でノエルを洗った。
 意外と大人しく洗われている。助けを求める相手がいないから観念したのかな。
 ドライヤーの台にも、かなり協力的に飛び乗ってくれた。
 すっかりきれいになったノエルとお店を出ると、外はどんより曇って、やたら寒い。ノエルの身体も震えている。
 風邪ひかないかな?きちんと乾かしたから大丈夫かな?なんてことを考えつつ家の方向へ歩きだしたら、いきなり通り沿いの家の垣根の向こうから、大きな犬に吼えたてられた。
 ノエルが例によって逃げ腰で足を速める。たったかたった…
 と、突然腰を落として道路に座り込んだ。
 触ってびっくり。なんと、人んちのまん前でワンツーのポーズだ。どうやらトイレを我慢してたみたい。
 我慢してたところに、冷たい外気と怖い犬の声とで、ついにおもらしだ。
 ああ、こんなことなら、シャンぷーの最中におもらししててくれたほうが良かったよ。
 どうすることもできず、そのまま人様の家の前を離れる私であった。お家の方ごめんなさい。

  
 12月3日(土)
 ☆バザーと見にコンサート
 所属している教会で、バザーをやった。
 会員などが、家庭で使わないものや、手作りの食品、物品などを会堂に陳列して売るのだ。
 かなり最近になって唐突に開催日が決まり、チラシを配る時間もあまりなかったので、前にやったときほどのお客の入りは見られなかった。
 前はすごい人で、会員がゆっくり品物を見て回れる余裕ができたころには、良い品物はほとんど残ってないという状態だったのだが。
 バザーの途中に、会員による見にコンサートも行った。
 まずは、いつもピアノを弾いているnちゃんと、私とkさんというご婦人とで1曲。その後牧師先生が自作の歌をギターで弾き語り。4曲ほどあった。
 とても良い歌だったけど、観客がほとんど身内ばかりだったのが、なんとも残念。


☆  12月1日(木)
 ☆冬だなぁ!
 12月になったとたん、朝の気温がめちゃくちゃ低い。
 わりと保温力のある我が家なのに、起きた瞬間からブルブル震えている。
 ひどいのは職場。とても室内とは思えない寒さだ。
 お昼になって、外がわりとぽかぽかしてきても、学校の中はツンドラみたいに寒いのだ。
 ストーブは配布されたけど、灯油使用量も、使っていい温度設定も、今までよりずっと厳しいみたいだし。
 ノエルは相変わらず陽だまりで「ホットドッグ」になっている。
 夕方、バスうに乗ったら、ガンガンに暖房が効いていた。
 これはまた熱すぎだ。バス会社、財政きびしいはずなのに、これじゃエネルギーの無駄使いだよ!
 この極端な気温差に、私の身体もどうにかなりそうだ。昨日から、しばらくぶりに痒い病が猛威を振るっている。
 ああ、冬はまだこれからなのに、苦手な季節到来である。
 
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