7月29日(金) もう戻れないかも… 一昨日の件で、完全に状況がねじくれてしまった。 自分の気持ちをストレートに表現したことは少しも後悔してないけど、なんだか今、この5年間で一番しんどい。 それでももやもやして言い出せないまま何となく過ごすより、自分が本当に気持ちのうえで納得でき、安心していられるところに身をおくほうが良いだろう。 自分の身体(命)のケアを任せるべき人に信頼しきることができないなんて、やっぱり良くないから。 もう戻れないなら、前へ歩き出すしかないじゃないか。 こんな独り言をつぶやかずに、しっかりと心の落ち着くところを見つけるために。 7月28日(木) 二つのハーネス 犬の臭いがどうのこうのと騒ぎになっているけど、臭いの一番の原因はノエルの体臭ではなく、使い込んだハーネスにあると見ている。 とにかく雨の多いところに住んでいるから、皮製のハーネスは濡れたり乾いたり、生乾きがまた濡れたり、過酷な使用条件だ。 胴輪部分の皮はひび割れ、そこに臭いが染み込んでしまっている。 せめてもの臭い対策と思い、病院ではハーネスをロッカールームにおいて透析室に入るようにしたが、スタッフの皆さんには、盲導犬がハーネスなしでいることの意味はよく分からないようである。 ノエルをベッド下に入れているときは非常に細やかに誘導してくれるが、リードだけのノエルとふらふら歩いてるときは 「手を貸して」と頼んでも、あまりきちんとはしてもらえない(犬がいるんだから無理ないよね)。 いちおうベッドがどこにあるかぐらいは目や手で確認できないわけでもないので、適当に歩いてくるけど、やはり危ないような気がするし、しっかりノエルに誘導してほしい。 でもリードだけのノエルは「私の出るまくじゃないわ」と言わんばかり、ふわりふわりとわが道を行く。 このまえアイメイト協会に相談したとき、やはり染み込んだ臭いを完全に除去するのは難しいので、今のハーネスは雨の日に、そして晴天のとき用に新しいハーネスをもう一つ持つことを奨められた。 そして今日、そのニューハーネスが届いたのだ。 ハーネスも犬や人の体格に合わせてそれぞれサイズがあるんだけど、そういうのも協会で記録されてるんだね!ピッタンコサイズの真新しいハーネスに感激。 それはまるで新1年生のランドセルみたいにピッカピカで、皮の臭いも新鮮だ。 古いのと並べてみて思わず苦笑。 古いハーネスったら、実にくたびれている!皮はしわしわだし、ベルトはぐにゃぐにゃ。 新しいのをノエルにつけてみた。 硬くて身体になじまないからか、あまり嬉しそうじゃない。 「私のじゃないわ」と言いたいのか。鼻をツンと上に向けて私を突っついた。 「こっちがいい?」<BR> くたびれたほうのを見せたら嬉しそうに尻尾を振った。 そうだよね。このクタクタ感こそが、私たち8年一緒に歩いた証だものね。 二つのハーネスを玄関のフックにかけながら、何となくうるうるしてしまった。 7月26日(火) 事実の向こうにあるもの 先週の金曜日以来引きずっている病院の盲導犬受け入れ問題。 私はただ他の人にできるだけ迷惑かからないように、でも自分もいやな思いせずにすむようにいたいだけなのに、なんだかとても変な展開になってるような気がする。 話が平行線を辿り、主張がくい違い、私は息が詰まりそう。 この問題を通して分かったこと… 障害を持った人ならきっと一度や二度は経験したことがあるだろう。 病院やお役所なんかで。 家族やヘルパーに同行してもらうと、そこのお医者さんやお役人は、自分にではなく同行者のほうへ話しをする。 本人が返事をしていても、同行者に念押しをする。 まるで身体のどこかが悪かったら、正しい判断力や理解力もないかのように… 私の主治医もそうだった。 病気のこと、治療のこと、大切なことは何でも私ではなく、私の母に話すのだ。 ところが母はあるときから精神の病気にかかり、私の病院に現れることはなくなった。 私は母の病気は辛かったけど、今度こそ先生は私と直接向き合ってくださるに違いないと思っていたのだ。 しかし今回の盲導犬問題の中で、そうではなかったことがはっきりと分かってしまった。 頼る家族のいない私は、病院にとってはただの不安材料であり、重荷なのだ。 どんなに自立した人生のために努力しようと、身体の足りない部分をカバーするために自分なりの工夫をしようと、そんなことはとるに足らないのだ。 ある病院の透析室のHPを見た。 盲導犬と共に通院している視覚障害の女性が「自慢の患者様」というコーナーに紹介されていた。 自分の置かれた状況と比べてしまって、ものすごく悲しくなった。 でも、彼女がそんな風に紹介されていることを、同じ盲導犬使用者として、患者として喜べない自分はもっと悲しい。 7月23日(土) ノエちゃんやる気満々 昨夜の病院での件、アイメイト協会の方にメールで相談していたところ、午後返事があった。 やはり私の判断に間違いはないのだ。 励まされて少し気分がすっきり。 これと話は前後するけど、昼前から外出した。 一昨日無くしたバスカードは結局出てこないまま。 とにかくあれがないと不便なので、用事をすませた後、ときどき積み増しをお願いしている窓口で 「新しいバスカードください」 と言ったらお姉さんに変な顔をされてしまった。 そのお店のすぐ前がバス停だ。 歩いてもたいした距離じゃないんだけど、日がカンカンに照り付けていたので 「暑いからバスで帰ろうか?」 とノエルに言ったら、のそ〜っとバス停のほうを向きながら、なぜか顔が、バスの現れるのとは逆方向(つまり我が家の方)を向いている。 「どうした?」 と言ったら、私をじぃっと見上げて尻尾を振った。 「バスでしょ?ん?歩くの?」 歩くという言葉を聴いたとたん、ノエルの体がピックンと跳ねて、くるりと回った。 「ええ?ほんとに歩くの〜?」 ハーネスを握ったら力強く引いていく。その足取りが 「私歩きたいの!!」 と言っていた。 こんな真夏の午後に、我が家までの距離も知っているはずなのに、ノエルは最後まで疲れを見せず快調に歩いて帰宅したのだった。 7月22日(金) どうしても信用されないね 先日の、透析室での盲導犬受け入れに関する、他の患者さんの意識調査アンケートの結果が出たようだ。 結果としては、7割くらいの方は受け入れに理解を示しておられるとのこと。 しかし無回答の人や、衛星管理に懸念を示す人もやはりいるのが実態らしい。 まぁ、それはそうだろう。自分の命のために通ってきている治療の場に、「犬」がいるのだからね。 みんなが納得してくれるようにするためには、もう少し気を配り、がんばる必要がありそうだ。 とは言いながら、私は今までだって気配りを怠ったことはないつもり。自分がアレルギーになりかけながらもブラッシングは毎日するし、病院内でも毛が落ちないようにとか、不潔にならないようにとか、必要以上に歩かせないようにとかいろいろ考えて実行している。 ノエルだって、大嫌いな耳掃除や歯磨きをがんばってやらせてくれるようになった。 それでも使い込んだハーネスはいくら手入れしても臭いし、雨に当たった犬も臭い。夏、炎天下をは〜は〜言いながら歩いてきた犬はなんとも言えない体臭がする。 どうやら患者さんたちが気になっているのは、そこらへんの臭いや、どうしても防ぎようのない数本の抜け毛などのようだ。 そこで病院から提案があった。 私が病院にいる間に、2週間に一度ペットの美容室にノエルのシャンプーをしてもらい、私が帰るころにまたつれてきてもらうというのだ。 私はノエルの世話は自分でやりたいし、2週に一度なんて洗ったらよけい抜け毛が増えると思う。それにそういうことをしたからといって臭いは消えないはずだから、もっと他の手を使わないとだめだと思うと言ったが、なかなかドクターには通じない。 「あなたは一人暮らしで他の人のサポートも得られないから、どうしてもきちんとできないことがあるでしょう?プロの人に任せればあなたも楽だし、みんなも安心するから。」 と言われた。 盲導犬使用者は一人で犬の世話をするように訓練されているのだから、関係ありませんと答えると、 「ここは特別に清潔を必要とするところだから、他の施設に入るのとはわけが違うよ」 と。 それって、他の施設では多少の臭いも抜け毛も(見えない人のすることなのだから)許してもらえるだろうけど、ここは別格ですよということなのか? そんなはずはない。足の消毒こそしないけど、どこへ行くときだって私は手入れをいいかげんでいいって思ったことはない(体長悪くてやりきれなかったことは確かにあるけどね)。 見えないことだとか、一人暮らしだとかを理由にそんな風に言われるのはものすごく心外だと思った。 とりあえず私がなんとかがんばってみるから、気になることがあったときは教えてほしいと言って話を終わった。 なんだかもやもやしている私。 ひとまず日曜日はシャンプーにでも行きますか。 7月21日(木) ない! 朝バスを降りるときに、バスカードを機械に当てたら親切な運転手さんが 「あと680円ですよ」 と教えてくれた。 あと200円とか、残り少なくなると、機械に当てたとき「ピピ」と鳴るので、積み増ししなきゃと気がつくんだけど、その前に教えていただけるのはありがたい。 でもまぁ、今は急いでいるし、帰りに積み増ししてもらえばいいやと、そのまま降りて、定期入れに入れたカードをバッグのポケットにしまった。 ところが、帰りにバスに乗ったときにもまだカードが「ピピ」といわないのでちょっと変だとは思ったんだけど、まだ大丈夫だったかと思っていた。 降りるときになって、運転手の横の機械にカードを当てたが、反応がない。 何度タッチしても機会はだんまり状態なので、よくよく定期いれを見たら、なんとカードが入っていないのだった! あわてて乗客のみなさんに、私の座っていた座席のあたりを見てもらったけど、カードは落ちていないと言う。 ということは、乗る時点でカードはなくなってて、機械も反応しなかったのに、私が勝手に反応したと思い込んでいただけなのだろうか。 それならそれでやはりおかしい。 朝は確かに運転手さんが確認してるのだし、そのままバッグにしまったのだから、カードだけ落とすはずがない。 ひょっとしてバッグの中で定期入れからこぼれ落ちたかなと、中をごそごそ探してみたけど、やっぱりどこにも見当たらなかった。 これってどういうことなんだろう? いったいカードはどこへ消えてしまったのか? このまえ落っことしたときはケースごとだったから、たまたま中に一緒に入れてたもので私の名前などが分かって手元に戻ってきたけど、今度こそもう戻ってはこないだろうなぁ。 誰かが抜き取っていったとは思いたくないけど、考えれば考えるほど変だ! とりあえず、朝積み増ししとかなかったのだけが幸いだった。 なにしろ積み増しするとなったら私は最低でも5000円は入れるんだからね。 7月17日(日) 変な天気 梅雨明けしたのに、今日なんかよっぽど梅雨みたいな天気だった。 雨がざ〜っと降るわけじゃないけど、いきなりバラバラと降ってきては、あわてて傘を開いているうちにもう止んでいる。 傘を閉じて歩き続けていると、今度はいきなり強い日光が照り付けてきて、またまた傘を開く。 ほんとに、日傘にも雨傘にもなる傘持っててよかった! 教会に行って、午後3時半頃歩いて自宅へ向かう道に、出店がいっぱい出ていた。 どうやら近所のなんたら観音のお祭りらしい。 ノエルが花をピクピクさせている。 小学生が、何を売ってるお店か知らないけど、いっぱい群がっていた。 出店の列から逸れて、途中のコンビニで買い物をした。 商品をレジに持っていったら、レジのお兄さんが 「今日はお祭りやってますよ。」 と言う。 それで、私にどうしなさいと…? とりあえず「そうですね」としか答えようのない私でした。 7月15日(金) 梅雨明けしたら… いきなりものすごく暑い。 太陽の光と熱が地面からカ〜〜ッと照り返してくる。 立ち止まるとノエルが足踏みをしている。地面が熱いから、順に足を上げているのだ。 昨年はバス停にベンチ代わりのみかん箱のようなコンテナが置いてあったのに、今年は見当たらない。 その箱に腰掛けて、ノエルの体を膝にのっけて足を浮かせてやれば、いくらかでも彼女が楽になるのになぁ。 バスに乗ったら、とんでもないおんぼろバスで、クーラーが利いてないばかりか、ブレーキの音とドアの開閉音がやたらとうるさい。 おまけに運転手さんは、マイクをつけたままあくびやげっぷをなさるのだ! いちいちマイクはずすのもわずらわしいというか危険もあったりするだろうから、まぁ仕方ないといえばそれまでだけど、あんまり頻発されるのでちょっと不快な感じ。 さぁ、これからの季節はノエさん要注意だ。 夏ばてしても食欲だけは無くならず、ひたすら部屋でじ〜〜っとしているので、「夏太り」してしまうんだもの。 せっかくダイエットがうまくいってるのだから、ぜったい気をつけなければ! 7月14日(木) 疲れたねぇ 中学生の野外研修に合流。朝の9時から午前中いっぱい、グリーンウォッチングというゲームをやった。 一種のオリエンテーリングみたいなものなんだけど、チェックポイントはそれぞれ樹木が植えられている。 スタート地点で図鑑みたいな本を渡され、そこに書いてあることと、みんなの知恵を結集させて、樹木にかけられた札の裏に書いてある問題を解いていく。 チェックポイントは全部で18箇所。 時間のリミットもあるのだから、いつまでももたもた一つの問題を考えてるわけにもいかないし、回る順番も工夫しなくてはならない。 私は2年生の男子二人と、職員4名のチーム。 リーダーのT君は慎重な性格で、熱心に図鑑を調べて答えをひねり出している。 おかげでゴールしたのは一番最後だったけど、問題は18問中15問正解でトップ!やったね! 天気は良かったけど、昨日ほどのギンギラ日和ではなかったので、ノエルにべっちょり濡らしたベストを着せて、水もたくさん持って一緒に連れていった。 ゲームをやった場所は、県総合運動公園の中で、グラウンドやテニスコート、野球場の間に、ちっちゃな林みたいなところがポツポツしている。 木陰を選んで歩き、林の中で立ち止まると、風がさわやかで気持ちいい。 ノエルはやっぱりばててたけど、心配したほどではなく、ほっと一安心。 しっかり蓋が閉まるタイプのタッパーに入れた水は、タッパーの臭いがして気に入らないらしく、ほとんど口をつけない。 ゴールした後、生徒たちが昨夜泊まった部屋を見せてくれると言うのでついていくと、ノエルはいきなり勝手に壁のほうへ寄っていき、おいてあった防火バケツの水をガボガボ飲み始めた。 そんなにのどが渇いてたのにあのタッパーの水は頑なに拒否してたんだから、よほどまずかったのだろう。 幸い防火バケツは毎日水を取り替えるようなので、ノエルがお腹を壊す心配もなさそうだった。 私のほうはといえば、透析で水分を引いてしまってる体で気温32度の屋外を2時間半歩いたから、さすがに脱水状態で気分が悪い。 あわてて水をいっぱい飲んだら何とか持ち直したものの、食欲がなくなりそうな、いやな感じ… でも実際食事を前にしたら(バイキングで好きなものを食べられる)急にお腹空いたなぁって気持ちになって、これまたいっぱいいただいてしまった。 昼食後対処式をして、電車で帰校。みんなかなり疲れている(なのに明日は参観日!)。 最後、駅から学校までがやたらと長く感じられていやになる。 午後5時過ぎ、ようやく帰る時間。家のほうへ向かうバスがやってくると、ノエルはものすごく嬉しそうにステップを駆け上がった。 「やった〜あ!おうちに帰れる〜〜!」 って感じかな? ところが疲れていて二人そろって寝てしまい、ふと気がつけば家の前のバス停を三つも過ぎていたのだった。 7月13日(水) 留守番 バレー大会の疲れがようやく収まってきたところなのに、今日から中学生はまたもや校外で1泊の行事だ。 野外研修、速い話がキャンプみたいなものなんだけど、青島の研修施設へ出かけていった。 どうしても水・木でしか日程が組めなかったので、私は学校で留守番。明日の朝、他の先生二人と現地へ向かうことにしている。 学校にいても、普段中学部の授業しか担当してない私は、ひたすら職員室で机に向かい、さびしいばかり。 それにしても暑い! 海岸清掃なども予定されていたけど、無事やれたかな? 明日も植物の観察に出かけたりするけど、ノエルが心配。 おそらく2時間以上は外で過ごすから、ノエルをつれて歩くのは危険かも知れない。 7月11日(月) 試合の後 先週後半三日間バレー大会で熊本へ行っていた生徒たちが学校に戻ってきた。 間に土日があったのに、やたら疲れている。 授業をしていてもなんだかだらだらして、まるで集中できないみたいだし、あからさまに「ねむ〜〜い!」とうったえる子もいたりして。 バレーの試合は、大1日目、3グループに分かれて予選。福岡の高等盲学校と当たり、1セット勝ったものの、あと2セット負けたらしい。 その後鹿児島盲学校と戦って、こちらは勝ったようだ。 しかし決勝リーグに進めるのは3グループのうちのそれぞれ1チームだけ。 彼らのいたチームからはもちろん福岡の学校が決勝に出たわけだ。 「最初勝ってたのになぁ」と悔しそうに語る彼ら。でも、疲れを見せつつも、しっかり力を出した後の満足感が彼らを包んでいるのが感じられて嬉しかった。 7月8日(金) リードが知恵の輪に大変身 不思議なこと、続くときは続くものだ。 帰りに、バス停へ向かって歩いていると、何かがプラプラと左足にあたるので、さてはハーネスのバックルを停め忘れたかなと、ノエルに触ってみた。 ハーネスを止め忘れるなんてありえないと思われるかも知れないけど、私は実際にそれをやっちゃうような大どじなのだ。 いや、ときにはハーネスそのものをつけずにエレベータに乗り込み我ながらあきれ果てることも。 が、今回は、ハーネスはちゃんとノエルに固定されていた。まるでノエルの体の一部みたいにぴったりと。 気のせいだったかと、歩き出したらまたもやプラプラと足に当たる感触。 ハーネスじゃなければリードか? まさかとは思ったけど手を触れてみた。 まさかが的中!ノエルの首のチェーンカラーに接続されてるはずのリードが、ぶら〜んと垂れ下がっている。 つまり、私はハーネスの側の手に、何にもつながってない、ただの紐をぶら下げて歩いていたのだ。 間抜けなことするにもほどがある!とは思ったものの、はたして本当に私がどじったのか、ちょっと分からなくなった。 だって、学校を出るとき、確かにこの手でリードのナスカンをノエルの首輪にパチンと止めたんだもの。確かにそれをやった感触に覚えがあった。 それでリードの端を確認してみると、とても不思議なことがおきていた。 ナスカンの部分は、直径1センチくらいの金属の輪の中へ、もう一方の部品を差込、その先を、輪の直径よりもう少し大きくして抜けないようにしてあるのだけど、なぜかその抜けないはずの先っぽが抜けてしまってるのだ。 再びはめようとしても、大きいのだからもちろん、はまるわけがない。 しかたないから適当なところに無理やり止めて歩くことにした。 いったいどうしたっていうんだ?リードの先が知恵の輪になってたなんて、いやぁ知らなかったね!(笑) 後で病院の看護師さんに見せたら、ちょっと不思議そうだったけど、結局、金属が磨り減って、ふとしたはずみに抜けたのだろうと言ってた。 金属が磨り減ったなんて、びっくり! そりゃぁ毎日毎日歩いているのだから、そんなこともあるだろうけど、それにしても、ずいぶん歩いたんだなぁ。 それもそのはず。私たちパートナーを組んで、来月でまる8年になるんだものね。 7月6日(水) 靴底崩壊事件 まったくおかしなことばかり起きる。 無事開通したと思った電話が、朝起きてみたら、またまた通じなくなっていた。 やっぱり学校から故障係りへ連絡しなきゃ!と思いながら、連絡する前にもう一度自宅へかけてみると、まるで何事もなかったみたいに留守電が流れる。 (おいおい、人のことからかってんのか?) とりあえずその後今までは無事通じているようだ。 電話のことはひとまずおいといて… 今日はひどい雨だった。 雨に強い靴を履いていこうと思い、靴箱からちょっと中が深めの靴を取り出した。 たぶんこの靴、1年以上履いてない。というより、存在そのものを忘れていた。 これなら雨もへっちゃらだ!なんだか掘り出し物を見つけたような気持ちになり、さっそくそれを履いて出発。 ところが、外に出てどれほども経たないうちに、足元から水が浸入してきた。 いやぁ、今日の降り方はひどいからなぁ、しかたないか…なんて思いながら歩くが、水はすごい勢いで入ってくる。 おまけに、かかとのほうがなんだか変な感じ。 一歩踏み出す旅に、違和感が強くなる。まるで、かかとがどんどん無くなっていくようなのだ。 さすがにただごとではないと判断して、雨の中で立ち止まり、片足を上げてかかとに触ってみた。 な!な!なんだこれは!!本当に、かかとがない! 紙粘土か何かみたいに、靴底が水に溶け出し、ボロボロと崩れていってるのだ。しかも両方! 悪夢みたい。昔、確か高校生のころ、旅行用の歯ブラシが使用中に突然口の中でバラバラに砕けたことがあったけど、あれに匹敵する驚愕の自体だ。 バスに間に合わなくなりそうだったけど、そのままでは学校に着くころには私の靴はきっと完全な底抜けになってしまうだろう。 急いで家に戻り、別な靴に履き替えて、後も振り返らずに再びバス停に向かった。 バスは雨のため遅れていたから、どうにか遅刻せずに出勤。 夜、帰宅して玄関を見ると、あのおぞましいボロボロの靴底の残骸が、あちらこちらと散らばり、床にもベッタリ張り付いている。 掃除機で吸い取り、雑巾で拭き取り、底抜けの靴をごみに放り込んでひとまず片付いたものの、外から自分の家の入り口まで、いったい私はどんな足跡をつけまくっていただろうかと、考えるとちょっと恐ろしい。 エントランス、エレベータの中、2階の通路と、このきたならしい紙粘土みたいな粕がガビガビにへばりついていたかも知れないのだ。<BR> マンションのみなさん、管理人さん、本当にごめんなさい! 読者のみなさん!しばらく履いていない靴にはくれぐれもお気をつけください。 7月5日(火) 電話が不通? 仕事のことで人から自宅に電話が入ることになっていたが、かかってきたのは携帯電話だった。 出てみると 「あなたんちの電話ずっと話し中だよ。」 と言う。 私はそのとき電話なんか使っていなかったし、だいたい私のところの電話は話中なら相手にメッセージが流れるようになってて、あの「プーップーップーップーッ」って音は聞こえることはないはずなのだ。 携帯で用事は済んだけど、とてもおかしいので調べてみることにした。 受話器を取り上げるが、何の音もしない。回線がつながっていないようだ。 コードやプラグや電話機を一つ一つチェックしてみた。パソコンをダイヤルアップで接続もしてみた。全部だめだ。 完全にプッツンしてるな。 113番(故障の問い合わせ)に携帯でかけてみたら、夕方から朝までは留守電らしい。 116番にもかけてみた。こちらは携帯からでは受付ないようだ。 いったいこれ以上何ができるって言うわけ? まぁ、携帯もあるし(ない人はほんとに困るよね)、とりあえず急いで電話を使う用もないので、明日にでもNTTに連絡しようと思い放っておいた。 が、何の気なしに夜の9時頃受話器を上げてみると、ちゃんとつながっている! さては今朝のひどい雷で壊れてて、復旧作業中だったのかな? まぁ何でもいい。つながってくれてるなら安心。 ちょっとあせったヒトトキでした。 7月2日(土) 懐かしい人たち 幾分暑さが和らいだようなので(といってもやはり蒸すけどね)、久しぶりに少し長い距離を歩いた。 ちょっと必要があって、昔住んでいたアパートの1階でやっている病院へ行った。 だいたいいつもノエルはそのへんを通ると、すぐにアパートへ入っていこうとするのだ(もう4年も経つのに)。 今日もそれをやりそうになったので、違うよと言って病院の入り口のほうへ行くように言うのだが、思い込みの激しい彼女は、半分パニック状態。 バス停のほうへ向いたり、またアパートのほうへ向いたり、病院のほうを向かせても方向転換してまたまた階段を上がろうとしたり。 おまけに、アパートの隣(たぶん今もお弁当やさんだと思う)のおばさんに 「ああ、前ときどき来よったワンちゃんやねぇ」 と言われてしまった。 その後バスで街へ出て、郵便局へ行き、じゃぁ帰りは家まで歩こうかと、メインストリートまで戻ってきたところで 「先生お久しぶり〜!」 と言う人がいる。何年経っても、この「先生」ってのを街中でいわれるのにはドキッとする。 声をかけてきたのは、聾学校の先生で、私と同期で一緒に昨年研修を受けたりしていた方だった。 中学生の生徒さんと、その子のお母さんが一緒に来ている。 犬が大好きな子で、いくら止められてもノエルを撫でずにはいられないみたい。 盲導犬や聴導犬のことも良く知っていて、 「パピーウォーカーになりたい」 と話してくれた。 どの程度私の言葉が聴こえているのか分からないままに、あれやこれやと話しかけてみるが、やはり直接ではあまり分からなかったのかな?先生とお母さんがフォローしてくれてたみたい。 どうしたら視覚の人間と聴覚の人間がうまく話せるのかな?ネット上ではまったくあたりまえに言葉が交わせるから少しも困らないのだけど。 3人と別れて我が家方向へ歩いてくると、例によってノエルが「コンビニに入ろうよ」とせがむ。 そういえば買うものがあったし、と思って彼女の願いをかなえてあげることにした(暑いのに洋服着てがんばってくれたから、お例にね)。 「せんせ〜い。久しぶり〜!」 おやおや、また先生ですかぁ? 3年前まで学校の事務室にパートで来ていた女性だった。 コンビニの通路で学校の話などして、とても懐かしかった。 本当に、思わぬ人に立て続けに会うものだ。 7月1日(金) 猛暑 雨もそれほど降らないままに梅雨が終わりそうだ。 日本の一部地域では水害になるほど雨が降っているというのに、本当に降ってほしい地域ではまったく降らず、水不足が深刻化しつつあるようだ。 宮崎は水に恵まれているのでありがたいけど、それにしても毎日ギラギラと太陽が照り付けて、暑いこと暑いこと! ノエルが歳を重ねる毎に、この季節が心配になる。 きついだろうな。可愛そうだなと思うけれど、3時に学校を出なければならない私には、どうしてやることもできず。 水曜日、学校の冷蔵庫で自宅から持ってきた保冷剤を冷やしておいて、それをノエルの体に当てながら歩いてみた。 少し小さめのパックだったので、あっという間に解けてしまった。 それで今度は、家庭科室で氷を分けてもらい、ビニール袋に詰めて持って歩いた。 これはなかなか良かった。 いざとなれば袋から一粒出して食べさせることだってできる(とはいうものの、ノエルはあまり氷は好きではない)。 は〜は〜と荒い息のノエルの首やお腹に氷の袋を当てると、少し穏やかになった。 このまえは病院に着くなり、床に転がってぐったりとなってたけど、今日はしっかり元気が残っていた。 「ほ〜ら、着いたよ。暑かったね、ごめんね。」 と言ったら、そよそよと尻尾を振ってくれた。 すごく愛しいノエル! お散歩ノートのトップへ トップページへ |