2005年5月
このページの背景は、ブルーの羽と水玉です。5月30日(月) 帰ってきました 旅行に出てから、美味しいものを食べまくっているので、やはりさすがにしんどくなってきた。 体重計に乗らないので、どれだけ水分が増えているやらさっぱり分からないし、疲れも手伝ってたいへんだるい。 ノエルのストレスも限界に近くなっている。 みんなは午後2時までプログラムが続くのだけど、私は夕方から透析を受けにいくのでお先に失礼することに。 朝7時半に駅まで車で送ってくださるというので、準備を整えて玄関で待ったが、なかなか車が来てくれない。 私の他二組が先に帰るとのことで、結局全員そろって出発したのは、7時50分に近かった。 おかげで電車1本逃しちゃったし、ほんとに飛行機に乗れないのじゃないかと心配で、駅でちょっと取り乱しそうになった。 なにしろ宮崎便はそれ以降夕方までないのだから。 特急を乗り継いでどうにか飛行機に間に合い、無事宮崎に帰れることになったが、ほっとしたらど〜っと疲れが出て、飛行機離陸する前から眠りに入ってしまった。 一度家に帰り、3時から病院へ。 ノエルにハーネスをつけると、玄関でクルリと向きを変え、寝室の自分のベッドに頭を突っ込んでうなだれている。 きっと 「もう行きたくないよ。疲れたよ。お願いだからここで寝かせて!」 と言いたかったのだと思う。 改めて、旅行中辛い思いをさせたことが申し訳なくて、ノエルに何度も謝ってしまった。 こんなとき、もしも家族がいたなら、ノエルを病院に連れてはいかないかも。 病院では、私もノエルもひたすら眠って過ごした。 楽しいことも、しんどいことも、いろいろあった三日間でした。 5月29日(日) 愛地球博! いよいよ万博観覧の日。 朝6時に、いきなり同室の人のパートナーが布団に乱入してきて目を覚ました。なんてワイルドなモーニングコールなんでしょう! この犬、前日からはじけまくってたのだ。 嬉しいときの喜び方が半端じゃない。 ひっくり返って、足をピンコピンコ蹴り上げる。体をクネクネしながら、部屋中を転げ回る。 それ言ったらノエルだって家では似たようなことするんだけど、なにせあちらは30キロもありそうな体格なのだから、20キロそこそこのノエがうひょうひょしてるのとは迫力が違うよ。 おまけにその子、抜け毛が多くて、私はたちまちアレルギー症状が爆発して、目やのどが痒くなってしまった。 でも、彼女も仲良くなってみると、なかなか可愛いやつで、私のことをとても気に入ってくれた。 万博会場では、ユーザー一人一人にボランティアの人が付き添って、1日たっぷりガイドしてくれた。 ボランティアの多くは、地元の大学生で、話をしながら歩くのがとても楽しい。 それにしても、万博で、ただでさえボランティアが不足するときに、私たちのためにあれだけの人員を確保してくださったとは、交流会のスタッフの方たちには本当に感謝! 私は出発までにあまり下調べができなかったので、いまいち効率的に回ることができず、いっぱい歩いたわりには、なかなかこれといったものに出会えなかった。 外国のパビリオンを中心に回ってみた。 フランス館で、塩の家を触った。 塩に600トンの圧力をかけて、硬い石のようなものを作り、それで家をこしらえてあるのだ。 触ってみても、説明されなければ、まさか塩でできてるなんて誰にも分からないな。 天井と壁が全面スクリーンになったシアターに入って、環境問題についてのフィルムを見た。 映像は私には光の塊みたいに見えるのでなんだかよく分からないが、効果音が大迫力で怖いくらいだ。 木が倒される音。氷が熔けていく音。山が燃える音。戦いに向かう戦闘機の音などなど。 タイのパビリオンで、いろんな木やスパイスの香りを嗅いでみた。 さわやかなのもあり、うへぇっと言いたくなるのもあり、梅干みたいな臭いのするのもあり、とても面白い。 万博長久手会場からゴンドラに乗って瀬戸会場に移動。ノエルはこのゴンドラがやたら気に入ったようで、目を輝かせながら、ゆったりと寝そべっていた。 瀬戸会場では、市民フォーラムで、私たちの会が盲導犬についてのフォーラムをやっていた。 韓国のユーザーさんがお話をしたり、会員の中から音楽の才のある人たちがコンサートをしたりして、一般の人たちへ盲導犬の理解を呼びかけていた。 こんな大きな場所で、たくさんの仲間が歩き、フォーラムを開いたことで、多くの人たちに私たちのことがアピールできたと思う。 今日は1日個人行動だったので、ノエルも怖い犬から離れて楽しく過ごすことができたようだ。 昨夜から緊張のあまりご飯をほとんど食べず心配していたが、開放感と、歩き疲れてさすがにお腹が減ったらしく、夕食は全部食べてくれた。 5月28日(土) 旅に出る 全国盲導犬使用者の会交流会が、愛知県で行われることになって、私たちも初参加。 宮崎から名古屋へは1日2便しか飛行機が出ていないので、朝8時代ので飛んだ。 新しい国際空港「セントレア」に降りると、到着ロビーまでの道を延々800メートルほど歩く。なんて広いんだ! 動く歩道があったけど、足元が、まさに真っ平らで、どこからが動く面なのか分からずちょっとびっくり。 なので動く歩道は二つだけにして(なんと五つぐらいも続いていたのだ)、あとは横の通路をひたすら歩いた。 名鉄とJRを乗り継いで、集合場所になってる駅まで行った。この間各乗り換え駅で職員の方が案内してくださるので、道がまったく分からない私も安心して移動することができた。 こういうとこ、やっぱり都会はいいよねぇ。誘導の仕方だってすばらしい。 JRの車内で5人ほどのユーザーさんと一緒になった。 ノエルはたちまちパニック状態で、犬たちの鼻の届かないところへ行って身を硬くしている。 やれやれ、どうなることやらと、これから先のスケジュールが心配になった。 集合場所の駅に着いて、集団で移動を始めると、ノエルは口から泡をふいている。 やはり他の犬たちが怖いのだ。 正直なところ、彼女の犬恐怖症がここまでとは思っていなかった。歳をとってからこんな目に合わせちゃって、なんだか悪いことをしたような気持ちになってきた。 心配したボランティアさんがお水をくださったが、飲もうとはしなくて、ひたすら他の犬から距離をとって歩くノエル。 その後も、ノエルは犬と出会うたびに泡をふいて私を困らせた。 2・3頭の犬たちとちょっと外でワンツーするだけでもだめなのだ。 交流会1日目のイベントは、韓国からきたユーザーの女性のお話とディスカッションだった。 韓国では盲導犬のことを「案内犬」と言うらしい。 1994年に訓練所が創設され、現在活動している犬は54頭。 もともと日本のようにペットとして犬を飼う文化がないので、盲導犬の普及にも、なかなか難しい面があるみたい。 夜は全員での懇親会。景品の当たるくじ引きゲームなどをして盛り上がった。景品には、万博の人気パビリオンの予約チケットなどもあったんだけど、残念ながら私ははずれてしまった。 私は使用者の会のメーリングリストにも入っているので、そこで普段からお話している人たちに会うのを楽しみにしていた。 そこで夜10時頃から、10人ほどのメンバーが1室に集まって、夜中まで語り合いとなった。 「Amiちゃんって、メールとだいぶ印象が違うねぇ!」 いったい何人の人にそう言われたことか。 どうも私は文章を書くと、ちょっときつい人というイメージを与えてしまうらしい。 自分では、文章を書いている自分のほうが、どちらかというと好きなんだけれど、人の見方はそうでもないらしく、面と向かって 「あなたメールでは損してるね」 なんて言う人まで現れる始末。 はい、これからは怖い人呼ばわりされないように気をけます! 5月26日(木) 1年生 2時間目に、小学部1年生の女の子が、先生と一緒に職員室の前を通りかかったので 「おはよう」 と言ったら、サササッと職員室の中へ入ってきた。 先生が 「手を出してごらん。ノエルちゃんがいるよ。」 と言うと、そっと前に手を伸ばして、一瞬驚いてその手を引っ込めたけど、勇敢にもまたまた気を取り直して触り始めた。 「ノエルちゃん!」 甲高い声で言って、キャキャッと笑う。 「さぁ、ノエルちゃんは何でしょう?動物園にいるかな?」 その問いに彼女は、元気良く 「山羊!!」 と答えた。(職員室の一同大爆笑) どうやら、あまり動物を触った経験がないらしい。尻尾を触って、耳だとか足だとか言っている。 初めは、ノエルが動くたびビクッとしていたけど、めげずに触り続けて怖いのを克服したようで、しまいには背中に乗ろうとしている。 「さ、教室に帰りましょう」 と言われても、なかなか離れようとしない。 しかたなく先生が無理やり引き離して 「それじゃ一人で教室に帰ってね」 と言われても、廊下の真ん中で 「ノエルちゃ〜ん!のえるちゃ〜ん!」 とはしゃぎまくって、まるで歩行訓練になっていない。 いやぁ、ここまで気に入られるとは! 授業妨害にならないよう、私たち、しばらくは彼女の前から身を潜めておいたほうが良いかもね。 5月24日(火) 盲導犬転落事故の真相 2週間ほど前になるだろうか、山口県で、盲導犬をつれた全盲夫婦が、駅ホームから犬と一緒に転落する事故があり、直後に、一部新聞で「盲導犬の誘導ミスが原因」との記事が載った。 これに対して一般の人たちから 「盲導犬がいても転落するんじゃ、盲導犬も信用なりませんね」 とのコメントがあったようである。 私は「盲導犬の誘導ミス」が真実だとは、どうしても思えなかった。 そもそも方向指示をするのはユーザーなのだから、誘導ミスがあるとすれば、それはユーザーのミスになるのだ。 それにしたって、いくらユーザーの指示でも、わざわざ下に落ち込むようなところに、目の見えている犬が飛び降りるとは思えない。 盲導犬関係のMLでも盛んに話題になっていたが、ようやく本日真相が分かった。 それはほぼ私の予想通りだった。 まず、ユーザーの夫婦は、自分の乗った車両の位置を勘違いしていた。 いつもの位置だと思っているので、駅に降り立ったとき、改札口が右前にあると考えそちらに進んだのだが、実際は違うほうにあったわけで、盲導犬にはそれが分かっていたから、一生懸命正しいほうへ二人を導こうとしたのである。 しかし依然として改札は右前と信じているユーザーは、左へ行こうとする犬を引っ張って右へ進み、自分のほうが前へ出る格好となり、島式ホームの反対側へ転落したというわけだった。 これで一目瞭然。あきらかにユーザーのミスだ。 決して犬の前を歩いてはいけないのだ。 決して犬を引っ張ってはいけないのだ。 いくら「そっちじゃないよ」と言いたくても、人間の引っ張る力に、犬はかなわない。 ちゃんと見えているのに、ホームの端へと引きずり込まれていくのは、さぞ怖かっただろうな! そのうえいいかげんなマスコミ報道で、だめだめ盲導犬呼ばわりされるところだったんだからね。 マスコミの皆さんには、ぜひ正しい報道をお願いしたい。 とは言いつつ、この事故、一方的にユーザーが悪いのだろうか? 駅ホームには点字ブロックもなかったそうである。 事故後急遽転落防止柵がつけられたらしいが、こんなこと起きる前に最低限の安全策はやっておいていただけないものでしょうか? 5月23日(月) 病院の連絡体制 私が透析を受けているクリニックには看護師さんが10人ほどいて、毎回交代で3・4人の患者を担当する。 本日私の担当についてくれたのは、わりと新入りで、つい1ヶ月ほど前から夜勤にも入るようになった人だった。 私はアレルギー持ちで、とくに二日開きの月曜には痒み症状が出やすいので、途中で痒み止めの注射を、透析ラインに投入してもらうことがある。 とはいうものの、痒くもないときに入れたってしかたないので、様子を見つつ、大丈夫そうなら、月曜であっても入れないのである。 通常、透析で痒みの出る人は、終わった後に症状が強くなる場合が多いので、この注射は治療終了時に入れるのだが、私の場合は、単純に透析に使う機器か薬品のいずれかにアレルギーを起こしているだけなので、終わってからではしかたがない。 ということは、終了時点で症状がなければ、やはり入れなくていいのだ。 という一連の流れが、どうやら今日の新入りさんには伝わっていなかったらしい。 この薬、ラインに投入されるとしばらく後に、体のあちこち(特に皮膚が柔らかそうな部分)がちょっとピリピリしてくるので、スタッフの動作が良く見えなくても入れられたことが分かるのだ。 新入りさんが治療終了の捜査をしながら、なにやかやと雑談をしていると、なんだか顔や指先が「ピリッ」となってきた。 「あれっ?あの薬入れたの?」 「ちゃんと入れましたよ〜。月曜だから。」 なんともったいない!少し痒みはあったものの、薬まではいらないかと我慢したのだ。このごに及んで使うとは、4時間我慢したのは何だったの? もうずっと以前から、病院というところは、連絡体制が薄いなぁと思う。 以前入院したときは、飲み薬を忘れられていたので、持ってきてくださいと要求したのに、実際にいただいたのは2時間後、この間声をかけたスタッフ4人! それでもあのときは大病院で、患者の入れ替わりも激しいから、ある程度はしかたないが(それにしてもあの日はひどすぎ)、現在通っているクリニックはスタッフ10人程度で、患者は3グループにきちんと分けられ、毎回決まった人が来るのだ。 今日が初めてならまぁともかくとして、こういうことがけっこう頻繁にあるからたまらない。 こまごまとカルテには書き込んであるのだが、いったいどれだけ見ているのやら? 症状がひどくて、きつくて、いらいらしてぶち切れそうなときに、担当者が変わるたびに 「どんな感じなの?」 と一から説明を求められるのにはうんざりする。 「どうしてそんなに皆で同じこと聞くの!?」と、ちょっと不愉快を表しつつ言ったら 「ああ、じゃぁもう聞かないほうがいいんだね」なんて言われた。どういう解釈なんだか! これでもやっぱり患者がわのわがままなんだろうか? 面倒見てもらってるんだから、おとなしく、何度でも説明してあげるべきなんだろうか? こんな連絡不行き届きは、他の職場では通用しないと思うのだけれど。 5月22日(日) HP1周年 昨日は私どうやら、かなり精神的にダウンしてたみたい。 体調が優れないのも手伝って、ネガティブ思考に傾きがちで困ったものだ。 今日は教会に行って、午後3時過ぎまでみんなとおしゃべりしたりしていた。 夜も友達と長電話したりして、けっこう元気が蘇ってきた。 なにせ私、プロフィールにも書いてるとおり、浮き沈みがものすごいのだ。 世界最速のエレベーターでも追いつけないかも!(笑) 今日は5月22日。そう、このHPの誕生日だ。 もう1年経ったなんて、すごいな。 というか、まだ1年しか経ってないというほうが驚きかな? すっかりこのHPが私の生活の一部になってしまって、もうこれ無しで暮らしている私はありえないって思ってしまう。 1周年だから、何か特別なことをしよう。 何をしようかと考えたところ、友達に撮ってもらったりして貯まっているノエルの写真があることに気づいた。 いつかHPのどこかに貼ろうと思いながら、いくらかは貼ったものの、残りは貼るにふさわしいページが思いつかずそのままになっていた。 妹にメールで何枚か送ったら、 「うわぁ、いいねぇ」と絶賛している。 「これはどこかに貼るんじゃなくて、アルバムのページを作ればいいよ」とのアドバイス。 私のHP、あれやこれや書きまくってはいるものの、いまいちビジュアル性に欠けるし、この際妹の意見を採用するのはいい考えかも。 ということで本日さっそく作ってみた。 うん!けっこうこれはいけるかもね。 ということで、2年目に入りましたHP、今後ともよろしく! 5月21日(土) このごろ不安に思うこと あれやこれやの用事があって、たくさん歩き回った。 普段ならすごくにぎやかなはずの、土曜日の繁華街が、なんだか異様に静かだ。 さては、別の箇所にオープンしたショッピングモールに人をとられたかな? 木曜日に正式オープンしたようだが、ものすごい人が押しかけているらしい。 私も行ってみたいけど、一人では身動きとれないだろうし、一緒に行く相手もいないので、当分は行けそうにない。 郵便局で、通販で買い物した代金と、アイメイト同窓会の会費を払い込もうと、ATMでやってみたが、どうもうまくいかない。 お金の出し入れ以外の取引には、点字のガイドがついていないし、金額等の確認もできない。 何か中途半端なんだなぁ。 中の窓口で、郵便業務に当たっていた人に 「うまくできないから手伝ってください」 と頼むと、快く引き受けてくれた。 これと、これが点字や音声になってないから私じゃ無理なんです、と説明したら 「すみません」 と、まるで自分の責任であるかのように頭を下げた。 いやぁ、そんなつもりじゃなかったんだけどねぇ。 夕方、3週間ぶりに実家へ帰った。 あいかわらず、世の中とはかけ離れた雰囲気のする我が家。 母が特別具合が悪いというわけでもないのだけど、なんとなく見ているとため息が出てしまう。 母のことをまるで誤解している父には、もっとため息が出るけどね。 父は、ぼんやりしている母に、大声で命令しさえすれば言うこと聞くと本気で思っている。 あの声聞いてると、こっちが病気になりそう。 母については、半年前の母に比べたら、それはすごい回復なんだけど、昔の、あまりに素晴らしい母を知っているだけに、今の状況をなかなか受け入れきれない。 他人から見たら過保護と呼ぶべき事態なのだと思うけど、私は母の愛情と見守りの中に、すっぽり包み込まれて生きてきたのだ。 自分と向かい合って話しをしている母と、以前のように気持ちがつながり合わないことが、耐え難い痛みとなって私にまとわりついてくる。 やっぱりこのごろ、ちょっと変かも知れない。 それなりに元気で、それなりに充実してるはずなのに、ときどきものすごく怖くなる。 一人ぼっちの今の私。どうなるのだろう? たとえば具合が悪くなって、人に連絡できないくらい弱ったとしたら、いったい誰が助けてくれるだろう? 入院したら、誰が面倒見てくれるだろう? つぶやいている私… 母が元気だったら 私が目以外はピンピンしてる状態だったら 妹が近くにいてくれるんだったら どれか一つでいいから返してほしい。 本気で神様に文句を言ってみた。 「なにも、そこまで徹底的に取り上げなくたっていいじゃないですか!」 いつでも答えは決まっている 「私はAMIに耐えられない試練は与えない」ってね。 まいっちゃうなぁ。 5月20日(金) 今週の私 なんだか、とっても久しぶりのお散歩ノート。 今週はあまりぱっとしない1週間だった。 忙しかったわりには充実感がない。おまけに少し体調も悪くてしんどかった。 透析中後半にかかるころから、お腹が気持ち悪くなってしまうのだ。 何と表現したらいいのか、とんでもない化学物質を飲み込んじゃって、その臭いが体中に充満してるみたいな。 もちろんそんな妙なものを飲み込んでいるはずはないけどね。 どうも私は医療に関しては、貧乏くじを引きやすいようだ。 昔から何かと人の経験しない症状が出てびっくりさせられる。 日本脳炎の予防接種をして本当に熱が出たり、局部麻酔で気を失ったり、眼科の薬で止まらない耳鳴りに取り付かれたり…。 3,4年も前から、透析中に口から出血するようになり、原因が分からないまま最近まで過ごしていた。 内科の先生もわけ分からないみたいだったし、歯医者にいったら歯周病と決め付けられ「ちゃんと歯磨きしなさい」なんて言われた。 どうにも腑に落ちない。 それが最近になって、おそらく血圧をコントロールしている薬の副作用かも知れないというのだ。 確かに、言われてみると、この薬今は1日おきに2錠飲んでいるんだけど、以前毎日飲んでたころはもっと症状がひどかった。 友達が調べてくれたところによると、この副作用が出るのは1000人に一人ぐらいだとか? まったく、とんだ大当たりだよ。 ひょっとしてお腹がおかしいのも、何かの副作用とかそういうのだったりして… 私、だんだん疑い深くなっていくようだ。 薬も病院も、大大大嫌い! 5月11日(水) 謎の郵便の正体は? 帰宅してポストを見たら、意味不明な郵便が届いていた。 A4三つ折くらいの封筒に、ビニール製の腕章みたいなものが1枚と、小さな紙切れが入っている。 きっとこの紙切れに何か説明が書いてあるのだろうけど、読めないのでどうしようもない。 どこかのセールスの品かな?それにしては妙なものだなぁ、なんて思いながら、その物体を携帯電話のカメラでパチリ。 この携帯、先週新しく買ったばかりなのだ。 写真を添付して、「これ何か分かる?」と、妹にメールを送った。 しばらくして、もっと全体が写ってないと何だか分からないと返事がきたので、今度は動画モードで撮影して再送してみた。 この携帯、TV電話もできる機種なので、相手もその機能があれば「ちょっと見てよ」とTV電話をすればいいのだが、あいにく妹は別会社の携帯なので、だめもとでビデオメールしてみたわけだ。 今度は「ちゃんと読めたよ!」と返事がきた。 ノエルのアイメイトナンバーなどを記したものだった。 法律で、身体障害者補助犬は全て、規定の大きさで表示をしなければならなくなったので、うちの協会でもそれをハーネスにつけられるよう、作成したらしい。 先週買った携帯が大活躍の一件でありました。 それにしてもアイメイト協会、なぜに点字の説明文を同封してくださらないのだろう? 5月10日(火) お客様大好きノエちゃん 去年の暮れに妹がポストのちらしで見つけてくれていたクリーニングの宅配サービスを利用してみた。 もともと近所のクリーニング店を利用していたけど、そこの家のうるさい飼い犬に会いたくなくて洗濯物を持っていくのを躊躇っていたのだが、とうとうそののクリーニングやさんはお店を止めてしまったという。 女性が二人、洗濯物を受け取りにきた。 一人は犬、もう一人は猫を飼っているという彼女たちは、ノエルを見て大喜び。 ノエルのほうでも、動物好きの人に会ったときは態度が特別すごいのだ。 じっとしてなさいと私が言うのもほとんど聞けないありさまで、どんどん私の前にしゃしゃり出て、二人に甘えようとする。 しまいには床に寝てお腹まで出してしまった。 「あらら、こんなにくつろいじゃった。」 「盲導犬って、おうちではこんななんですねぇ。私おうちでも街で見るときみたいにおとなし〜くしてるのかと思ってた!」 実に率直なコメントだ。 多くの人がこんな感想を持つようだ。 「確かにおうちでもいい子にしてる盲導犬もいますよ。」 ちょっと決まり悪い。とはいうものの、私が厳しく止めさせればノエルがいい子になれることは分かっているから、犬好きな人が来たときは大目にみている。 こうして、ノエルは日々お客様を待っているのである。 5月6日(金) 大雨とタクシーのハプニング 明け方目覚めると、猛烈に雨が降っていた。 風も雷も暴れているようだ。 ゴールデンウィーク明けでただでさえ憂鬱なのに、それはないでしょ!?と、すっかりいやな気分。 でも、私が家を出るころにはとりあえず雨は止んでいた。 ノエルが太ったからか、生地が縮んだからか、うちの母のお手製のレインコートが入らなくなってしまったので、やはり梅雨入り前なのでしかたなく、新しい既製品を購入した(今の母にはとても作れないから)。 薄いピンクでとっても可愛い。 雨でも嬉しかったことといえば、この可愛いノエちゃんをみんなに見せびらかせることぐらいかな? 実際おニューを着たノエは学校では大人気だった。 夕方もまた、私の心配を他所に、雨は1滴も降らなかった。 夜にはまた大降りになるとか。 土砂崩れなどの災害が起きなければいいけれど。 夜、病院の帰りにタクシーに乗った。 このごろは毎回タクシーを利用するので、だんだん顔馴染みの運転手さんも出てきた。 今年から宮崎市の福祉タクシー券交付に所得制限がついたらしく、私にはどうやら1枚ももらえないらしい。 改正どころか、これでは改悪だ。 いくら仕事をしていても、年間150回以上、毎度500円はらうとずいぶんな金額になる。 所得だとか、手帳の等級だとかでバッサリ切らないで、少しは個々の実態も考慮してほしいなぁ。 とりあえずもらえないものはしかたがない。 お金を出して料金をはらおうと思ったら、千円のつもりが5千円渡してしまった。 「5千円だけどいいの?」 あっだめだめ。それは今度病院に食事代をはらうやつだ。あわてて 「ごめんなさい。千円があります」 と言うと、5千円を私に戻し、千円を受け取ってくれた。 500円かかってるから、残り500円おつりもらわなきゃ。 が、500円のおつりなはずなのに、なぜか運転手さんはせっせとお札を数えている。 「1、2、3、4枚と…」 「あれ?今のも5千円でしたか?」 「ああそうか!千円やった!交換したの、もう忘れてるねぇ」 運転手さんは大笑いしながら500円渡してくれた。 5月4日(水) 再び一人 楽しい3日間が瞬く間に過ぎてしまった。 「また時間ができたらおいでよ」 と、空港行きのバスを見送ったら、急に気が滅入るほどのさびしさに襲われた。 この街では、私は本当に一人なのだ。 古い友人は県外にたくさんいる。 でも、ここでは本当にさびしい私。 5月3日(火) 楽しい1日 わざわざ遠方から友達が来たら、はりきって食事を作ったり、地元ならではの場所へ案内したりするのが、あるべき態度なんだと思うけど、私ときたら、実にもてなしのマナーがなっていない。 朝はゆっくり、のんびり起きだして、朝昼兼用の簡単な食事。 視覚障害者の二人歩きは、けっこう神経を使うので、思うように気楽に楽しむというのが難しい。 こんなことなら、あまり出歩かずにおもいっきりおしゃべりしているほうがいい。 たあいもない話を1日中しゃべりまくり、風が涼しくなったころ、ようやくちょっと出かけてみようかという話しになった。 しかも出ていった先はいつものお散歩コース。 さすがに美味しいものだけは食べてもらおうと、夕食は地元名物「ちきんナンバン」を食べにいった。 これは、なかなか好評だった。 その後夕風にあたりながら、家までの道をぶらぶら歩いて帰った。 5月2日(月) 代休 先週金曜日(29日)の代休。 福岡からやってくる友達を夕方4時に迎えるので、朝から病院に行った。 トラブル無く透析を終えて、外に出たら、かなり激しく雨が降っている。 ノエルの簡易型レインコートと私の折りたたみ傘がバッグに入っていたので、とりあえずは雨から身を守ることができたけど、買い物をして、そのままMちゃん(友達)を連れて帰るのは、けっこうたいへんそう。 あまりたくさんの買い物もできないし、傘があるとはいえ、ちっちゃな折りたたみでは、いくらの役にも立たないので、いったん家に帰ってまたすぐにバスで出直した。 空港からやってくるバスを、大通りのバス停のベンチに座って待った。 そろそろ着くころだけど、ちゃんと会えるかなぁ?と思っているところへMちゃんから携帯がかかってきた。 話している私を見て、ベンチで隣に座っていた女性が 「あら、相手の方、あっちの端で電話かけてるわよ」 と言う。 眼が悪いものどうしの待ち合わせでは、けっこうありがちなことなんだけど、その女性は、気がつかなくてごめんねと申し訳なさそうだった(別にまったく彼女に責任はないのだが)。 実はこのMちゃんとの待ち合わせには、昔からけっこう可笑しなトラブルが起きる。 学生時代、福岡の私のアパートにMちゃんが来るので、私は最寄の地下鉄西新駅で彼女を待っていたのだけど、彼女のほうは博多駅で私を待っていたのだ。 携帯もない時代のことで、やっと留守電チェックで実態が理解でき、私が博多まで迎えにいき、無事我が家に帰ってきたのは、待ち合わせの約束をしてから2時間以上も経ってからのことだった。 なんていう思い出話なども含めて、私たちは夜遅くまで話し込んだ。 ノエルも、2年ぶりに会うMちゃんを憶えていて、すっかりご機嫌。 小柄なMちゃんは、ノエルのジャンピングアタックを見舞われてあたふたしていた。 5月1日(日) ノエル早くもばてばて? とんでもない雷の音で目を覚ました。 そのせいか知らないけど、またしてもとても怖い夢を見ていた。 だいたい私って、あまり面白い夢、楽しい夢は見ないのだ。 これは出かけるのは無理かと思っていたけど、9時頃には晴れ間が見え始めたので、とりあえず雨に備えての傘やノエルのレインコートを持って外に出た。 朝から暑い。 日光を受けた地面から、一気に蒸気が立ち上り、その湿気といったら最悪だ。 ノエルがは〜は〜と言い出し、すぐに足が遅くなってしまった。 まだ5月になったところだというのに、この先やってくる夏、大丈夫かな? 教会でノエルに水をもらったけど、何ゆえか飲んでくれなかった。 自宅できれいな水を与えられているから水道水なんていやなんだろう、と、牧師先生は推測していたが、どうもそうとも言えないような気がする。 水飲んでくれたほうがいいのだけど、結局1日かかっても、家に帰っても、あまり飲んでくれなかった。 あまりばてちゃうようなら、スポーツドリンクをあげるしかないかな? とにかく脱水禁物なノエさんなので。 外に 「お散歩ノート」のトップへ トップページへ |