2004年11月

 今月の壁紙は音符です。やっぱ芸術の秋よねぇ!

 11月30日(火)
 10年研修もだいぶ終わりが近くなったけど、校内でやる分がまだ少し残っている。
 本日は研究授業2回目。
 たった一人の生徒を相手に授業をしているのを、他の先生たちが後ろで見ているのだから、生徒のほうはたまらないよね。
 いつもだったら英会話大好き、質問もいっぱいしてくれるのに、カチンコチンに固まってて、なかなかペースがつかめない。
 あせる私。
 結局指導案に載せた計画は、残り時間が10分くらいもあるところで終了してしまった。
 しかたがないのでアドリブで、指導案にはない活動をした。が、これが一番いい評価をもらってしまった。
 「ああいう応用練習がいいですね」
って。
 人に授業を見られることは確かに勉強にはなるけど、すごく恥ずかしい気持ちにもなる。
 10年選種とはいうけれど、いつまでもなかなか成長しないなぁって。

 11月28日(日) イルミネーション
 夕方、妹と「フローランテ宮崎」に行ってみた。
 先月妹に初めて教えてあげたら、けっこう気にいってくれて、おまけに1種の障害者手帳を持っていると付き添いまで無料で入園できるので、ちょっとぶらりって感じで。
 そこは数年前に、花の博覧会(正式には何て云ったか忘れた)が行われていた場所で、今は広い公園みたいになっている。
 いろいろな植物で飾ってあったり、お庭や垣根の見本みたいなのがあったり、ときどきコンサートとかイベントも行われていたり。
 先月行ったときは、かぼちゃの馬車とか、すごくハロウィーンっぽくなっていたけど、今度はもうクリスマス一色だった。
 花の形の電飾があったり、トナカイやサンタがいたり、木や花もいっぱい電球がくっつけられている。
 夜に行ったらきっとすごくきれいなんだろうな。
 ぜひ一度行ってみよう。

 11月27日(土) いろいろと
 やることいっぱいの1日なのに朝寝坊してしまった。でもまぁ何とかなりそうだ。遅い朝食の後、家の裏の美容室へ行った。
 1時間待ってもらわないといけませんと言うので、名前だけ予約して、動物病院へ行くことにした。
 ノエルに8種混合ワクチンをうってもらい、体重測定、腫瘍の状態チェック。予定が狂ったので残念ながら尿検査はできず、また年内にもう一度出直そう。
 一番でっかいお尻の腫瘍が長さ、幅とも1センチずつ小さくなっていた。このごろ前ほどボコッて感じがしないなぁと思っていたけど、やっぱり気のせいではなかったんだね!
 おまけに体重も500gのダイエット成功!やったねノエちゃん。この調子でがんばろう。
 美容室に戻ると、ちょうど1時間経ったところだったが、もう少し待っててくださいと言うのでソファに座っていたが、さらに1時間待たされた。
 しかも途中で順番間違えて「あ、今のは別の方でした。ソファに戻ってください。」
 この時点でかなりいらいらきてたんだけど、2時間はひど過ぎる。込んでるものはしかたないけど、それなら様子を見て途中で言いにきてよね!
 いいかげん我慢の限界に達し、後の予定もあるから予約取り消して帰ろうかと立ち上がったところに名前を呼ばれた。
 美容室の若いお姉さんに、「もうちょっとお客に対して失礼のない対応をしなさい」とひとしきりお説教めいたことを言いながら椅子に座る(教師の職業病か?はたまたただのおばさん化現象か?)。
 ようやく美容室の用事が終わったのが、なんと夕方5時前。
 それからノエルにブラシをして、洋服を着せて、畳に敷くシートを用意。自分も着替えて、病院の患者の会の忘年会に出かけた。
 普段食事制限だ、水分制限だと大騒ぎしている腎臓患者の集団が、透析二日開きの夜に、ごく一般の会席料理で宴会するなんて、新米患者のころにはそりゃぁ驚いたものだけど、今や私の中でもあたりまえの恒例行事になっている。
 患者もスタッふも一緒に盛り上がり、ビンゴにカラオケ。中には酔っ払った勢いでノエルに抱きついてる人とかいるし、すごく面白かった。
 来年も、みんな元気で集まれたらいいな。


 11月25日(木) 施設訪問
 総合的な学習の時間の取り組みの一つで、中学生と老人ホームを訪問した。
 昨年に引き続き2回目。
 文化祭のステージで発表した歌や合奏を聞いていただいた後、楽しいおしゃべりなどをして、1時間半が、あっと言う間に過ぎてしまった。
 先日の社会体験で、ノエルはどうやら、老人ホームというのはすごく楽しいところと思い込んだらしく、到着してお年寄りたちの出迎えを受けるなり、尻尾ブンブンの大はしゃぎ。
 またもや犬好きのおばあちゃんたちに可愛がられてご機嫌。
 車椅子に乗ったおじいちゃんがノエルを見て大きな声を出したので、私もホームの職員さんも「こっちに来て」とおっしゃってるのだと思い近くへ行ったが、実はまるで反対だったらしく、不自由な足にせいいっぱい力を入れて拒否されてしまった。
 ミスコミュニケーション。ノエルにもおじいちゃんにも悪いことしちゃったな。
 来週は知的障害者の施設を訪問予定。


 11月24日(水) 恥ずかしい癖
 大切な書類のことで隣の席の先生にご意見をうかがっていたら、つい話しにのめり込んで、いつも通院日に乗っている3時16分のバスを逃してしまった。
 おまけに道路が込んでて次のバスがなかなか来ない。
 病院までたどり着くのに1時間かかるから、結局到着したのは4時半過ぎだった。
 そのくらいの時間に、ちょうど専門のお弁当屋さんが私たちの夕食を届けにくる。
 店員のお姉さんがもってくることもあるけど、おじさんのときもある。
 透析室というのは土足厳禁。犬の足もきれいに拭いて入らなくちゃならない。
 ノエルの足を拭いて、ブルブルとかしないように、靴箱の前にダウンさせて、自分がスリッパに履き替えていたら、何やら治療室のガラス越に看護師さんたちの笑い声がする。どうも、こっちを見て笑っているらしく、ノエルがどうのこうのという言葉が耳に入った。
 どうしたかな?と足元のノエルに触ってみたら、なんとノエルは誰かの靴に鼻をガッポリつっこんで夢中で臭いを嗅いでいるではないか!
 本日は、おじさんが食事を持ってきたようで、すぐに出てくるからと、靴は床に脱ぎっぱなしになっていたのだ。
 おじさんが帰った後、スタッフたちは
 「ねぇ、ノエルって足の臭いが好きなの?それとも靴の臭い?」
 なんて言っている。いや、ここだけの話、どちらも好きみたいなんだけど。
 しばらく前は、ベッドわきに立っているドクターの足を、ベッドの下から顔だしてベロンとやった。注射針を握っていた先生が「ひゃぁ」と声を上げた。危ないったらありゃしない!
 それよりもっと前には、某ネットのオフ会に行ったとき、座敷まで上げてもらえなかったので下でステイさせてたところ、皆の靴を次々クンクンしてまわりボード上で笑いのたねになった。
 訓練中にきつく叱っておいたから、靴をかじったり持ち去ったりはしないけど、いくつになっても恥ずかしい癖はなおらないねぇ。


 11月23日(火) 静かな1日
 このごろ、忙しいわりには、日記に書くような特別な出来事がない。
 平和なのだから、いいと言えばいいんだけど。
 久しぶりに、休みを一人きりで過ごした。
 天気が良いのに、お散歩にさえ出かけず、家にこもっていた。
 いろんなことを考える。とりとめも無く…  ノエルにブラシをかけると、直径20センチの毛の塊になった。恐るべし!
 日向に座って編み物をした。
 ピンクのふわふわした毛糸でアンサンブルを作っている。
 しばらく編んでから、10段も下に失敗箇所発見!解いてやりなおす悔しさ、空しさ…  なんて面白くもないことを書き並べている。こんな日もたまにはいいね。

 11月18日(木) プリンセス
 久しぶりに出張。研修もだいぶ終わりに近づいてきた。
 妹が夕方迎えにきてくれたときに、一緒に来た姪がお菓子のクリスマスブーツを持っていた。
 ディズニーの可愛いブーツで、アクセサリーもちょっと入っている。
 その中に、髪の毛に櫛みたいにさして飾るティアラがあった。
 私の家に着いてから、ノエルと遊んでいた姪がいきなり
 「うわぁ〜、ノエル、ロマンチック〜!」
 なんて叫んでいるので(ロマンチックなんて言葉いつどこで憶えたの?)妹が振り向いて見ると、なんとさっきのティアラがノエルの頭にのっけられて、プリンセスノエちゃんになってたのだ。
 可愛いので携帯で写真撮っちゃいました。以下その写真だよ!
写真: 頭にお姫様の冠みたいな飾りを乗せて座っているノエル

 11月16日(火) 犬嫌い家族
 仕事から帰って、1階エントランスの郵便受けから手紙類をとっていると、入り口の自動ドアが開いて子供が入ってくる気配がした。
 ポストを閉めて、ハーネスを握って歩き出すと、ドアからこちらに向かっていた子供の足がピタリと止まって固まってしまった。
 かまわず進むうち、また自動ドアが開いて、子供がもう一人。でもこれまた固まってしまった。
 エレベータにたどり着いてボタンを押す。ずいぶん上に行っているのでなかなかやってこない。二人の子供は自動ドアの付近に突っ立ったままだ。
 やっとエレベータが着て、中へ乗り込んだところへ、さっきの子供たちのお父さんらしき人が自動ドアから入ってきた。
 3人でこちらへ来るのだろうと思って、開くボタンを押して待っていてあげたが、3人とも立ち止まったまま、何やらヒソヒソ言っている。
 「犬がいるんだよ。どうする?」
 「先に行ってもらおうか。」
 子供たちが父親に言う。普通はここで親が
 「あの犬はおりこうなんだよ〜。大丈夫だから、速く行こう。」
 ってなことを言うんだけど、今日のお父さんは違っていた。
 「うん…そうする?
 そしてもぞもぞと
 「お、おさきに…」
 やってらんない!言葉を全部聴き終わらないうちに「閉める」を押した。
 ああいう父親がいることも意外だったけど、あそこまで徹底した犬嫌い家族が、なんでまた、このペットOKマンションに住んでるんだか?とても不思議だ。

 11月14日(日) 盛りだくさん
 なんと久しぶりに教会に行った。その後実家に帰り、父を誘って皆で食事に出かけた。
 それから、友達の働いている薬局へ、これまた皆で買い物。父も私も痒い痒い病なので、良さそうなものがあると何でも試してみたくなる。
 木酢液(お風呂に入れると肌にいい)と、石鹸系のシャンプーを買って店を出た。
 次は叔母の家へ。この叔母は父の姉で92歳(決してAMIが60歳とかってわけではありません、父が歳とってからの子供なのでね)。
 私よりやや遅れて透析患者になった叔母のことを、ずっと気になりながら今日まで会えずにいた。
 窓際の明るい場所にベッドを置いて休んでいる叔母は、寝たきりとはいえ、けっこう元気そうだった。
 夜、先ほど書いた薬局勤めの友達が遊びにきて、食事をしたり、韓国で大ブームになっているという「泥パック」というのを妹と3人で試し塗りしたり(これがまじで泥遊びみたいですごいのだ)、楽しく、あっという間に時間が過ぎてしまった。
 仕事を持ち帰っていたけど、結局週末はほとんど手をつけず。
 自分のマンションに戻りノエルに食事をさせた後、この日記を書こうとパソコンに向かっていると、後ろで何やら怪しげな行動をするノエルの気配が!
 落ちていた何かを拾って食べようとしている。しているというか、食べちゃったんだけどね。
 実はそれ、このまえ姪っ子がボトルからばら撒いてしまったのを拾い残したタブレットで、ゴマミネラルというやつだ。
 何かを買ったおまけにいただいたもので、ゴマとは言ってもゴマの味なんてしない。お菓子のラムネみたいな食感で、けっこう酸味もある。
 もともとノエルは酸っぱいものが苦手で、そういうのはたとえ口に入れようとしてもあわてて出してしまってたのに、今日は、なんと食べてしまったではないか。
 こちらがあっけにとられてしまった。歳をとると味の好みも変わるものなのだろうか?

   11月11日(木) 文書のレイアウト
 11月も3分の1過ぎたというのに、今日はやたらと暑かった。
 昨日から今朝にかけては、台風のときみたいな大雨だし、その後は28度とかで、やたらに蒸し暑い。まったくどうなっちゃってるんだろう?
 おまけに昨日インフルエンザの予防接種を受けたら(そのせいかどうかは分からないが)今日はちょっと風邪っぽい。

 学校で、書類を提出したら、タイトルの下の日付や名前などの事項をきちんとそろえたほうがいいねと、教頭先生がやり方を教えてくださった。
 こういうとき、点字では行の左端をそろえて、つまり一番長い行が右端まで来るように配置するのだが、ワープロなど使っていると「右そろえ」というのがあるから、右端を全部そろえておけばいいのだろうぐらいに思っていた。
 が、文字数の少ない行には適当にスペースを入れて、左右の端が全部そろうようにするのが良いという。
 こんなことは、毎日活字を読んで暮らしていればあたりまえなのだけど、生まれてこのかた、私が目で読んだ活字なんて絵本ぐらいだし、就職してからもそういうことを指摘されたことがなく、教師生活11年目にして初めて知ったのだった。
 点字使用者の感覚では、文字の間に不必要なスペースがあるほうが変って思うんだけど、活字の世界では、とにかくバランスが大切らしい。
 これもまた「文化」の違いか?
 HP上でも、ひょっとしてすごく常識はずれなレイアウトをやっているんではないかと気になることがある。
 ありがたいことに、多くの読者さんが率直に間違いを指摘してくださるので、私もたいへん勉強になっている。
 今後ともドシドシご指摘、ご指導ください。

 11月9日(火) 存在感のないバス停
 受験生の補習の日だったので5時半ギリギリまでがんばり外に出ると、このまえより更に日暮れが早くなっている。
 もう鳥たちも鳴いていないし、人通りもないのでなんだか不気味な道をバス停へ急いだ。
 が、学校を出るときにちょこっと他の先生と立ち話したのがいけなかったか、このまえは乗れたバスに間に合わず、更に20分ほどバス停に立っていなくてはならず、ほんとに心細い。
 17時58分のバスは遅れているらしかった。
 すっかり夜と化してしまったバス停にたたずんでいると、自転車の男性がすぐ横でブレーキをかけた。
 一瞬ギョッとする。だって、あの辺はけっこう妙な人が出没するって話だからね。
 でもそのおにいさんは妙な人ではなかった(疑ってごめんね)。
 「あの〜、失礼ですけど、さっきからずっと立ってらっしゃるのは、何か困ってるんじゃありませんか?」
 「いえ、バスが来ないから待ってるだけです。」
 「ああ、バスですか。向こうから来てますから、もうすぐですよ。」
 そんな会話を交わした。
 学校最寄のバス停では、ときどきこんな言葉をかけられる。
 「向こうへ渡りますか?」
 とか、
 「どこへ行くの?お手伝いしましょうか?」
 とか。私としては、そこはバス停なのだから、そこにいるってことはバスを待ってると思われて当然という気がするのだけど。いくら私が視覚障害者だからって、普通バス停ではそんなことは言われない。せいぜい
 「どこ行きのバスに乗るの?」
 と聞かれるだけだ。ということは、あのバス停って、あまりバス停として認識されていないのか?バス停の標識はあっても、ほとんど人々の意識の中に存在感がないのかも知れない。
 昔、ノエルに傘食べられちゃったとき、雨の中に濡れながら立っている私に、車の窓から傘を渡してくれた人があった。
 すごいことだが、昨年その方に公演先で再会した。
 「あのバス停、相変わらず屋根もベンチもないですねぇ。」
 と、その人は言った。
 今でもそうだ。盲学校の生徒たちが、雨の日は傘をさし、晴れた日はみかん箱をベンチ代わりにして座りながらバスを待っている。


 11月8日(月) シャンプー
 文化祭の代休。
 先月見つけたお店に、ノエルのシャンプーに行った。
 ステンレスのシャンプー用シンクに入れたら、いきなり後ろ足を突っ張って「バ〜ン」とすごい音を立てた。
 それからシンクの縁から頑なに頭を突き出して抵抗する。「何があろうとも、頭だけは洗わせんぞ!」ってことか?
 ときどきブルブルして水しぶきを飛び散らせる。
 終わってドライヤーをかけるときは、意外とおとなしくしていた。家のドライヤーほど嫌じゃないのかな。
 でも最後はまるで動物病院に行ったときみたいに、ドライヤーの台から飛び降りた。首を繋がれてるんだから危ないってば。
 とにかく、後のお掃除もお洗濯もしなくていいのでらくちんだけど、次に行くときはノエさんもっと抵抗するだろうなぁ。
 終わった後もう一度シンクのほうを向かせたら、足踏ん張って固まってたもの。
 どうも、怖いものがいっぱいあって困ったもんだ。

 11月7日(日)
 「元気元気芸術祭」というのが昨日から開かれている。私の参加している手芸教室のメンバーも、作品を展示しているので、今日午後から見にいってみた。
 一緒に編み物をやっている人たちの作品だが、普段個人的に作品を見せてもらうことは少ないので、じっくり見るのはこれが初めてだ。
 ベストやマフラー、座布団カバーなど、いろいろな作品があった。
 同じ形の作品でも、それぞれに糸や模様が違うし、一人一人の個性が出ているようで楽しい。
 私のサマーセーターは、ディスプレイ用のハンガーにかけられ、肩にベテランの方が編まれたショールがかけてあった。
 とにかく滑り易い糸で、何度も解けたり、大きすぎて編みなおしたりしているうちに時間がなくなり、最後はダダッと大急ぎで編んだから、あまり良い出来上がりとは言えなかったけど、とりあえず間に合って良かった。
 私の作品と合体してあったショールの作者と同じ方が編まれたワンピースを見たときは、本当にうっとりとしてしまった。
 美しい模様、高級感あふれる雰囲気。視覚障害者でもこれほど素晴らしいものが作れるのかと、思わずため息が出る。いつまでも触っていたいくらい。
 私もがんばって、良いものが作れるようになるぞ!
 作品展を見学し終わって、いっしょに来たYさんと外に出ると、いきなり呼びとめられた。
 2代前の盲学校の校長先生で、同行のYさんの高校時代の体育の先生でもあるそうだ。
 ちなみに作品展会場では、生徒のお母さんに会った。
 どこで誰に出会うやら分からないな。


 11月6日(土) 文化祭
 いよいよ文化祭本番。あまり寒くなくて良かった。
 放送担当の生徒と一緒に放送席に座り、ステージ発表に備える。
 いざ開始ということで、生徒が放送原稿を読み始めたと同時に体育館内の照明が落とされていった。
 暗いところの苦手な彼は、あわてて傍の電気スタンドのスイッチを押したが、なぜかライトが点かない。
 パチパチやってみるが、接触が悪いようだ。案内途中で途切れるのも見苦しい。こんなときは点字使用者がパワーを発揮なのだ!私が続きを読み、なんとか乗り切った。
 と、なんだか初めからハプニング。おまけに午後は担当の生徒が体調不良か何かでいなくなってしまい、これまた別の生徒と私とで分担して何とかクリアした。

 中学生のステージ発表は午後の3番目だ。
 私もソプラノリコーダーと歌の助っ人としてステージに上がったんだけど、なぜかやたらに緊張した。合唱をやってたころ、1000人を前にしてさえ、あれほどは緊張しなかったかな。ひょっとすると、大学4年のときのコンサートでソロを歌ったときに次ぐあがり方だったかも知れない。
 けど、この緊張が、なかなか心地いいんだよね。やみつきになるほどに。
 鼓動の高鳴りと、皆の音楽とが、全部溶け合って私を包んでいく。
 3曲目からは生徒たちだけのステージだったのでフロアに戻って観客になった。
 たった7人なのに、まるで30人くらいも歌っていそうな、元気溢れる合唱。
 ほんの昨日までできなかった部分も、ピタッとみんなの息が合っている。
 最高に感動した。さすがみんなだ!やっぱりやってくれたね!
 HP読者の方がお一人ご来場くださり、この感動をしっかりと味わってくださったようだ。
 教師をやってて嬉しいのは、こんな風にみんなと感動や達成感を共有できることなんだな。

 
   11月5日(金)
 1日中文化祭の練習、リハーサル、準備。
 いつもと同じ時間働いても、いつもとは違うことをしてると、すごくくたびれる。
 ノエルはここ1,2年、大きな音に弱くなってきたような気がする。リハーサルでガチャガチャやっていると、そわそわして、しまいには振るえ出した。
 だったらいちいち体育館までついてこなきゃいいのに、職員室に残していこうとすると、なんだか必至で後追いするので、しかたなくまた連れていくが、今度はマイクが不調で「ピォ〜〜〜ッ!」と強烈な音をたてたので、ノエルの振るえ方はただものではなかった。
 夕方病院に行くと、すぐに眠り込んでしまったが、やがて盛んに寝言を連発。恐ろしい体育館の夢でも見てたのかな。
 明日は本番で、私は1日中会場にいるのに、いったいどうなるのやら。

 11月4日(木) お礼の品&お散歩
 先月16日に公演に行った公民館の方からお手紙を添えてお礼の品が届いた。
 もちろんそんなものをいただけるとは思ってもいなかったし、いただくような筋合いのものでもないのだけど、私の授業中に、同僚に預けていかれたようだった。
 大きな紙袋がズシッと重い。
 ノエルにあげてくださいと、たまごが入っている。そういえば話の中で、小学生が
 「ノエルの好きな食べ物は何ですか?」
と言ったので、ゆでたまごですと答えていたんだった。どうやらそれを思い出されたようだ。
 それにしても数がすごい。なんと20個!!
 ノエルだってダイエット中なんだから食べられないよ。
 私も食事制限つきなんだから、そんなに毎日たまごバクバク食べれるわけではないので、妹に「実家で使う?」と聞いたら半分使うと言った。
 それにしても持って帰るのがたいへんだ。割れたらまずいし、さらに手作りパンまでいただいちゃったんだから。
 ということで、勤務終了に合わせて迎えにきてもらうことにした。
 夕方5時。妹親子プラス1名、友人のHさんがやってきた。
 ちょうどそのとき職員室では、コーヒーを淹れるのに凝っている数学の先生が腕をふるい、喫茶室状態だった。
 外で待っていた3人を携帯で呼ぶと、中へ入ってきて、いきなり職員室がにぎやかなコーヒータイムとなった。
 結局たまごは3人で分けさせていただいた。
 やっぱダイエット中とはいえ、せっかくノエルにくださったのだから、一つや二つは食べさせないと悪いよねぇ?

 そんなこんなで、ノエルのお腹を眺めていた妹が
 「ノエちゃんのお腹、まじででっか〜い!」
 と言い、急遽夜の散歩に連れ出してくれることになった。
 ちなみにその間私はといえば、姪っ子をお風呂に入れる役だ。
 さんざんお風呂でままごとにつき合わされ、いいかげんしわくちゃになったころ、ノエルを連れて妹が戻ってきた。
 私がいないのだから、もちろんノエルはハーネスをつけていなかったのだけど、これがとんだ道草犬に変貌していたらしい。
 あちこちの犬の残した匂いを嗅ぎまくり、まるで躾けの悪いどこかの飼い犬みたいだったとか。
 それでもさすがにずっとヒールして歩くし、横断歩道の角では立ち止まるし、そのあたりはいい子だ…が…信号で立ち止まったとたん、妹の周りをクルクル回りだし、足を踏ん張って背中を丸め…
 おいおい、そこまで変貌するか!?
 そんなところでワンツーされてはたまらない。あわてて止めさせて家に帰ったということだった。
 いったいどういう犬なんだか…

 11月2日(火) 新紙幣
 昨日から新しいお札が登場して、今日は某視覚障害関連のメーリングリストがその話題で持ちきりだ。
 昨日職場に来た銀行の方に、同僚がお札を新紙幣と交換してもらったと言って私にも見せてくれた。
 新しいお金が発行されるたび、「触って区別し易いか」ということが話題になる。
 いろいろと工夫はされているようだが、未だかつて満足できる識別マークにはお目に(お手に?)かかったことがない。
 どうやら今回も、みんなの期待を満たすようなものではなかったらしい。
 それぞれのお札で、マークの形が変えてあったりして工夫の跡は見られるのだけど、とにかくそのマークの存在自体確認するのが難しいのだ。
 お札全体がザラザラしているために、マークもその中にうもれてしまいそう。
 それでも私などはわりと触覚には自信があるからいいけど、そうでもない中途失明の方などは苦労するだろうな。
 これまでもそうしてきたのだけど、やはりポケットのたくさんあるお財布を持ち歩いて、お札は種類ごとにしまう場所を変えておいたほうが得策だ。
 財布ばかりでっかくて困っちゃうんだけど、レジでもたつくよりはましだもんね。


 11月1日(月) 暖かな日
 11月になったら何だかあったか過ぎ。昨日まで寒かったのになぁ。
 午後から昨日の代休だったけど、2時頃まで学校にいたし、その後は病院だし、あんまり代休っぽくなかったな。
 新しいページにしたけど、今日は特に書くような出来事もないので、また明日。

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