天使連盟のメンバーの『居場所』
そこには、通常とは異なった食物も置かれている。
それらは食することにより、さまざまな影響を与えるという・・・


アル :「ちょっと狩りに行ってくるよ。スグ戻るつもりだ。」 セラフィ :「行ってらっしゃい。私はその間にご飯の支度でもしておきますねw」 アル :「あぁ、よろしく頼む。今回も期待してるぞ。」 セラフィ :「はい、お任せくださいw」 狩りに行くアルと、それを見送るセラフィの、いつもながらの会話。 そこへ偶然、ジュノも通りかかる。  ジュノ :「ぉ、兄者。今から狩りか?」 アル :「あぁ。」  ジュノ :「シッカリ頼むぜ? 兄者は一家の稼ぎ頭なんだからなw」  アル  :「まかせとけって。じゃ、行ってくる。」  ジュノ :「がんばれよ〜」 アルの背中を見送るセラフィとジュノ。  ジュノ :「ところで、セラ姉ぇ、今からメシの準備か?」 セラフィ :「そうですね・・・アル兄さんもスグ戻ると言っていたので        そろそろ仕度したほうがよさそうですね。」  ジュノ :「今回はどんな料理作るんだ? よかったら手伝うけど?」 セラフィ :「ジュノ君は手先が器用ですからねw じゃぁ、少しお願いします。」  ジュノ :「よしきたw」 器用さ故に、なんでもそつなくこなすジュノと、料理担当のセラフィ。 二人の共同料理というのも、今となっては珍しいものではなくなっていた。  ジュノ :「で、まずは何をすればいい?」 セラフィ :「そうですね・・・そこのカート、何が入ってますか?」  ジュノ :「カート? これか・・・ってコレ、ファル兄のカートじゃんか・・・」 セラフィ :「そうですけど、ちょっと違います。ソレ、ファル兄さんのお古なんですよw」  ジュノ :「そか・・・そういえばファル兄、カート変えたもんな。」 雑談をしつつ、カートをあさるジュノ。  ジュノ :「ん〜と、カボチャにニンジン、イモにチーズに各種ハーブ・・・        それと、リンゴにブドウってとこかな。イロイロ入ってるなぁ・・」 セラフィ :「それでもこまめに整理してるんですよw        じゃぁ、とりあえずカボチャを一口大に切ってもらえますか?」  ジュノ :「了解っ! 切るのはトクイだぜ〜w」 お得意のナイフを片手に、皮の硬いカボチャを、いとも簡単に切っていくジュノ。 セラフィ :「それじゃ私は、コレとコレと・・・あとはコレですね。」  ジュノ :「ぉ、セラ姉ぇ得意の、特製ハーブスープか?」 セラフィ :「その通り〜w これ、好評ですからねw」 さも嬉しそうに、得意料理を仕立てていくセラフィ。 使っている食材の量は、あきらかに目分量だが・・・  ジュノ :「ホイ、カボチャ完了。お次は?」 セラフィ :「そうですね・・・ちょっとお鍋を見ててもらっていいですか?」  ジュノ :「ほいさ。お安い御用w」 ジュノに鍋を任せ、その横の棚を探るセラフィ。 そこで、見慣れないものを見つける。 ビンに詰められた、ブルーベリーのような食材・・・ ビンのラベルには、なぜか『満20才未満ノ食用ヲ禁ズ』と書かれてあった。 セラフィ :「? なんでしょう、これは・・・ 20歳未満禁止なんて・・・        ちょっと、ためしに一つ・・・」 セラフィは「それ」を口の中に放り込んだ。 セラフィ :「ん・・・これはなかなか・・・いけますね。        今度、料理・・に・・・」 ドサッ おかしな物音に気付き、ジュノはセラフィのほうを見る。  ジュノ :「・・・セラ姉ぇっ!?」 床に倒れ伏すセラフィを見て、ジュノは急いで寝床に運び、横たわらせた。  ジュノ :「ルーシィ! ファル兄! ケルビナでもいい。誰かちょっと!」 ジュノの叫びに反応して、3人がほぼ同時に集まってくる。  ファル :「大声出してどうしたんだ・・ジュノ・・・」 ケルビナ :「せ・セラ姉様! 一体どうなさったのですか!?」  ジュノ :「わからない・・・料理中に突然倒れて・・・」 ルーシィ :「料理・・・だいじょうぶなの?」  ファル :「ジュノ、セラのことは俺らに任せて、おまえは料理を。」  ジュノ :「わ、わかった。」 ―・・・一大事なハズなのに、なんでみんな料理の心配を・・・?― 疑問に思いながらも、セラフィを3人に任せて調理に戻るジュノ。 幸い、ベースとなるスープの味付けはセラフィが終らせていたので、 ジュノは煮込むだけでよかった。  ジュノ :「これでヨシっと・・・ 食材、テキトーに選んで放り込んじまったけど        大丈夫・・・だよな?」 いささか不安げなジュノであった。  アル  :「帰ったぞ〜」  ジュノ :「あ、兄者。おかえり〜」  アル  :「ぉ、ジュノか。セラフィはどうしたんだ?」  ジュノ :「それが・・・料理中に突然倒れて・・・」   アル  :「なっ!? 大丈夫なのか?」  ジュノ :「今、ファル兄達に見てもらって・・・」 と言いかけたとき、フラフラとセラフィが顔を覗かせる。 セラフィ :「ぁ、アル兄ぃさん、おかえぃなさ〜い」   アル  :「セラフィ!? 大丈夫なのか?」 セラフィ :「あはぁw らいじょ〜ぶれすよぉ? それよりもにぃさん・・?」 セラフィはなぜか服をはだけ、フラフラとアルに近寄る。 そしてアルの手を取ったかと思うとおもむろに指を舐め・・・ セラフィ :「ひぃ〜る、れすよぉ〜? キャハ☆」   アル  :「せ、セラフィ!?」 さすがに動揺するアル。 他の4人も、何が起きたか理解できず、固まっている。 セラフィ :「あはぁw 兄さぁ・・ん・・・」 ぽふっ アルの胸元に倒れこみ、そのまま抱きかかえられて寝床に戻るセラフィ。   アル  :「これは・・・?」 アルは、セラフィがおかしくなった原因に気付いたようだ。  ジュノ :「どうした? 兄者?」   アル  :「そういうことか・・・」 4人はワケがわからずキョトンとしている。   アル  :「ジュノ、セラフィが料理中に倒れたといっていたな。」  ジュノ :「あ、あぁ。 俺に鍋を任せて、戸棚を探っている時に・・・」 アルは開け放たれたままの戸棚から、何かを取り出した。   アル  :「コイツだ。」  ジュノ :「なんだ、コレ・・・ 『満20才未満ノ食用ヲ禁ズ』って・・・」   アル  :「セラフィはこれを食べたんだろう・・・」 ケルビナ :「これは・・・何ですの?」   アル  :「『キュールベリー』。アルコール分はないが、食べると飲酒と同じ効果が  ある。だから20歳未満は食用禁止なんだ・・・」 ルーシィ :「ってことは、おね〜ちゃんは・・・?」   アル  :「ただ酔ってるだけだ。さしずめ、『酔いどれ姫』ってトコロだな。」 安堵の溜め息を漏らす4人。 当のセラフィは、酔っている間のことを何も覚えていなかったという・・・