ある時、セラフィとアルが共に行動していると、子供たちの声が聞こえてきた。 子供1 :「あっち行け!バケモノッ!!」 子供2 :「キモチ悪いんだよ!!」 などと大声を張り上げ、何者かに石を投げつけている。 アル :「・・・セラフィ・・・」 セラフィ:「はい。」 セラフィはアルの言葉の意味を理解したようだ。 二人同時に、石を投げつけられている者の元に駆け寄る。 アル :「やめろ、お前等!」 子供1 :「ゲッ・・・アサシン・・・!?」 石を投げていた子供たちは、アルを目にした途端に動きが止まる。 アル :「・・・悪ガキシーフか・・・なぜコイツに石を投げたりする。」 子供2 :「キモチ悪いんだよ。何だよ、オマエにはカンケーないだろ!!」 などと悪態をつく。 アル :「だが、ちょっと見過ごす事はできないな・・・」 子供1 :「うっせぇなぁ、どけよ!」 足元の石を拾い、また投げつけようとする子供シーフ達を見たアルは・・・ アル :「しかし、まぁ・・・なんだ。 お前等、なってないな・・・」 子供2 :「な・・・なんだよっ、ソレ!」 アル :「本当の石投げって言うのは・・・」 アルは足元の石を拾い・・・ アル :「こうやるんだ!!」 ヒュッ! 子供たちの間を、ギリギリかすめるような絶妙な所に石を投げる。 子供1 :「う・・・うあぁぁ! な、何するんだよ!」 子供2 :「お・・・覚えてろ!!」 憎まれ口を叩き、石を投げていた子供たちは走り去った。 石を投げつけられていた者の方を見ると、投げつけていた子供たちと同じくらいに見える金髪の少女だった。 アル :「ったく・・・あのガキ供・・・ひどいことをする。 セラフィ?」 セラフィ:「はい。 あの・・・兄さん・・・?」 アル :「どうした? セラフィ。 早くソイツにヒールを・・・」 セラフィ:「いえ・・・わかってますけど・・・その・・・」 アル :「一体何なんだよ・・・」 セラフィ:「それが・・・傷が・・・」 アル :「ん?」 よくみると、今まで血が出ていたはずの傷口が完全に塞がっている。 他の傷口にしても、普通では考えられないような異常な速度で回復していた。 アル :「これは・・・」 少女はセラフィとアルを振りほどくと、怯えた表情でこっちを見据えた後、走って逃げていった。 アル :「セラフィ・・・さっきの子の瞳・・・」 セラフィ:「えぇ・・・アレは・・・」 オッドアイ・・・二人はその単語を口には出さなかった。 二人とも理解していたからだ。 さっきの少女は、左眼は透き通るような綺麗な水色、もう片方は、金色に輝いていた。 (オッドアイ:直訳すると「奇妙な眼」。ここでは、左右の瞳の色が違う事を「オッドアイ」としている。) セラフィ:「兄さん・・・あの子は・・・」 アル :「あぁ、まず間違いないだろう・・・ しかもまだコントロールできてないようだ。」 セラフィ:「そうですか・・・では・・・」 アル :「厄介そうだが・・・もちろん、そのつもりだ。 行くぞ、セラフィ。」 セラフィ:「はい!」 二人は少女の後を追って走り出した。 果たして二人はなにをするつもりなのか・・・