アル :「セラフィ〜?」 セラフィ:「あ、アル兄さん。 なんですか?」 アル :「ルーシィ見なかったか?」 セラフィ:「ルーシィ? あ、そういえばこの間から居ませんね・・・」 アル :「この間? あぁ、ファル達にケルビナのこと紹介した時か?」 セラフィ:「はい。」 アル :「あ〜、そのことでちょっとな・・・アイツだけケルビナとマトモに話してないから、 ちょっと紹介しとこうと思ったんだが・・・」 セラフィ:「ん〜・・・ドコ行ったんでしょう?」 アル :「ま、出かけてるならいいか。」 ジュノ :「おいおい兄者・・・そんな悠長に構えてていいのか? ルーシィだって一応・・・」 アル :「ま、誰かさんみたいに特定の単語でキレることはないから平気だろう。」 セラフィ:「・・・アル兄さん・・・?」 セラフィの言葉には少しトゲがあった。 ジュノ :「それもそうだが・・・」 セラフィ:「でも、ルーシィのことです。 何かトラブルに巻き込まれていないといいのですが・・・」 アル :「怖がりなトコは治ってないしな。」 ジュノ :「俺、ちょっと辺り見てくるよ。」 アル :「いや、待て。」 アルが制止する。 アル :「どうやら・・・その必要はないみたいだ。 ったく・・・」 ジュノ :「その必要はないって・・・」 アル :「いつのまにアサシンになったんだか。 なぁ、ルーシィ?」 セラフィ:「え? アサシン??」 アル :「黙ってそんなトコに隠れても、俺にはわかるっての。 セラフィ・・・」 セラフィ:「はい?」 アル :「そこでルアフしてみてくれ。」 セラフィ:「あ、はい。」 セラフィの周囲を青白い光の球が飛び回り、隠れている者を見つけ出す。 そこにいたのは・・・ ジュノ :「ルーシィ!?」 セラフィ:「な、なんでそんなトコに?」 ルーシィ:「やっぱ、ますたーにはわかっちゃうね・・・」 アル :「当たり前だ。 ダテにウサミミつけてないぞ。」 ジュノ :「なんでそこでウサミミが出て来るんだよ・・・」 アル :「小さな音も聞こえるからだ。」 ジュノ :「あ〜・・・そうだったな。 兄者のウサミミは。」 セラフィ:「でもルーシィ、ほんとにいつのまにアサシンに?」 アル :「祝いの準備なんてしてないぞ。」 ルーシィ:「ちょっと・・・みんなを驚かせたくて。 それと・・・」 ジュノ :「それと?」 ルーシィ:「私ももう一人で旅や戦闘ができるんだって・・・証拠。」 セラフィ:「証拠って・・・」 ルーシィ:「今まで、護られてばっかりだったから。 今度は・・・私が・・・ 私が、戦闘に不向きなセラお姉ちゃんを護る番。」 アサシンになり、さらに凛々しくなったその表情を見る限りでは、本気のようだ。 セラフィ:「ありがと、ルーシィ。 でも、私は平気だよ。」 ルーシィ:「でもっ! 今まで護ってもらったし、私のほうが戦闘向きだし!」 アル :「ルーシィ・・・いくらアサシンになったからって・・・」 ルーシィ:「ぅ?」 アル :「ウチにアサ用の装備は余ってないんだ・・・厳しい言い方をするが、 転職したからといって戦闘能力がそんなに飛躍的に上がるわけじゃない。」 ルーシィ:「あぅ・・・」 アル :「俺が使う物しかない以上、今までと装備は変わらないんだから、迂闊な行動はするなよ?」 ルーシィ:「んぅ・・・わかった。」 少しうつむき、残念そうに返事をするルーシィ。 ルーシィ:「でも、これで少しはますたーに近づけたかな?」 アル :「装備と経験上、まだまだ遠いが・・・いちおう近づいた事にはなるな。」 ルーシィ:「ね、ますたー。 たまには・・・装備貸してね。 私も狩りに行きたいし。」 アル :「わかったわかった・・・ Lv的にも、セラフィと組むのが丁度いいだろう。」 セラフィ:「そうですね。 まぁ、戦闘型の私には支援なんてほとんど出来ませんけどw」 ルーシィ:「ううん、無いよりは全然いいよ。 これからもお世話になりますw」 セラフィ:「ところで、アル兄さん?」 アル :「ん?」 セラフィ:「当初の目的・・・忘れてません?」 アル :「あ、そうか・・・すっかり忘れてたな、ケルビナのこと。」 ルーシィ:「ぅ?」 転職試験中でいなかったルーシィはケルビナのその後など知る由も無く、首をかしげていた。