家でくつろぐアルに、セラフィからお呼びがかかる。
セラフィ:「アル兄さ〜・・・」
 アル :「ん?」
セラフィ:「あ、ああぁぁぁぁぁ!!」
 アル :「おぁ!? ど、どうしたんだセラフィ。いきなり大声出したりして・・・」
セラフィ:「兄さん・・・い、今・・・耳っ、動い!?」

驚きのあまり、うまく喋れていないセラフィ。

 アル :「セラフィ、落ち着け。なにが言いたいのか大体わかるが、よくわからんぞ。」

深呼吸をひとつ・・・

セラフィ:「アル兄さん、今その耳動いてませんでした?」
 アル :「耳? あぁ、このウサミミか?」

そう言いつつ、ウサミミをパタパタと動かしてみせるアル。

セラフィ:「やっぱり動いてる!」
 アル :「なんだ、知らなかったのか?」

アルはセラフィに問うが・・・

セラフィ:「か・・・」
 アル :「か?」
セラフィ:「カワイイ〜〜!!」

質問に答えるでもなく、アルに飛び掛るセラフィ。

 アル :「うぉ!? セ、セラフィ・・・落ち着けって・・・」
セラフィ:「それ、どういう仕組みで動いてるんですか?アル兄さん。」

セラフィはウサミミを掴んだり、引っ張ったりしている。

 アル :「イタッ! こらセラフィ、やめろ・・・ イタタ、痛いって!」
セラフィ:「え?」

意外な反応に戸惑い、セラフィは手を離す。

セラフィ:「い・・・痛い・・・?」
 アル :「あぁ、痛いぞ。」
セラフィ:「何で痛いんです? それ・・・ヘアバンドじゃ・・・?」
 アル :「やっぱり知らなかったのか・・・」
セラフィ:「?」

意味が理解できないのか、疑問符を浮かべている。

 ジュノ :「兄者のウサミミは頭から生えてるんだよ。」

セラフィの後ろからジュノが説明する。

セラフィ:「え・・・? ええぇぇぇぇ!!?」

さすがに驚きを隠せない。

 アル :「ま・・・そういうことだ・・・」

ウサミミを撫でて半分涙目になっているアル。

セラフィ:「は・・・生えてたんですか・・・それ・・・」
 アル :「うむ・・・ヘアバンドだったはずなんだが・・・いつのまにやら外れなくなっていたばかりか、
      さっきみたいに動かせるように・・・」
 ジュノ :「で、どうやら神経も通ってるらしい・・・と。」
セラフィ:「そうなんですか・・・それでいくら頼んでも貸してくれないわけですね・・・」
 アル :「セラフィのウサミミ姿を見れないのは残念でしょうがないがな・・・」
セラフィ:「ヒール!!」
 アル :「!!? イキナリどうした?セラフィ。」

アルがケガをしているわけでもないのにヒールをする。

セラフィ:「キュアー!!・・・は使えないから・・・ブレッシング!!」
 アル :「だから・・・一体どうしたんだ・・・」
セラフィ:「・・・呪いとかの類ではないかと思ったのですが・・・まだ外せません?」

グイっと

 アル :「イダダダ!!」
セラフィ:「ダメですか・・・ウサミミ付けてみたいのに・・・」
 アル :「こればっかりはどうしようもない・・・そのうち外せるようになるだろう。」
 ジュノ :「兄者も悠長に構えてるよなぁ・・・フツーは大騒ぎすると思うぞ?」
 アル :「ん、そーでもないだろ。 こうなってしまったものはしょうがないしな。」
 ジュノ :「ま、それはそうだが・・・」
 アル :「でも、コレはコレで面白いぞ?」

パタ、パタ・・・

 ジュノ :「・・・兄者、思いっきり楽しんでるな・・・?」
 アル :「もちろんだw」
セラフィ:「やっぱりカワイイ・・・ いいなぁ、私もウサミミ動かしたい・・・」

うらめしそうにウサミミを見つめるセラフィと、そんなことは露知らずウサミミを楽しそうに動かすアル。
そしてそんな二人を見て、なにやら困った表情のジュノであった・・・

SSTOP