アル :「おはよう、ファル。」

朝起きると・・・

 ファル :「・・・? 誰だ?」
 アル :「・・・兄の顔を忘れたか・・・?」
 ファル :「は?アル兄?」
 アル :「以外の誰に見えるんだ・・・お前。」
 ファル :「いや・・・ちょっと鏡見て来いよ、アル兄。」
 アル :「・・・なんだ、コレは・・・」

シーフ(数年前の姿)になっていた。

 ファル :「で・・・原因はわからないのか?」
 アル :「思い当たる節は何もないな。」
 ファル :「ヘンなものを拾い食いしたとか、狩り中にかわったことがあったとか・・・」
 アル :「別に、何も。」
 ファル :「ロールバック食らった・・・ら俺も戻ってるだろうしなぁ・・・」
 アル :「うむ。」
 ファル :「アサシンの協会から除名されたとか?」
 アル :「そのシステムは聞いたことがないぞ。新実装か?」

二人でいろいろ原因を探ってみるが、てんで見当がつかない。

セラフィ:「おはようございます、兄さんた・・・ち?」
 アル :「あぁ、おはようセラフィ。」

普段どおり挨拶をしたはずのアルとセラフィ。

セラフィ:「えっと・・・どちらさまです?」
 ファル :「アル兄だよ、セラフィ。」

ファルが教える。

セラフィ:「アル兄さん!?ど、どうしてそんな姿に??」
 アル :「わからん・・・思い当たる節が何もないのだ・・・」
 ファル :「で、どーするんだ?アル兄。」
 アル :「どうするかな・・・まぁ、そのうち治るだろう。」

といいつつ、狩りの準備を始めるアル。

セラフィ:「その姿で狩に行くつもりですか?」
 アル :「うむ。コレはコレでいいものだぞ?弓も使えるしな。」

弓の弦を軽く弾く。

ピーン・・・

 アル :「ん、いい張りだ。シーフ時代に遊びで使ってたやつだが・・・十分いけるだろう。」
 ファル :「技術が高くないのに弓で狩る気かアンタは・・・」
 アル :「この方が属性にも対応できて便利なんだ。」
セラフィ:「・・・今までみたいに避けることはできないと思いますが・・・」

つまり、攻撃速度が遅く、倒すのに時間がかかるため怪我をしやすい。
セラフィはそのことを心配していた。

セラフィ:「それに、矢が切れたら・・・」
 アル :「案ずるな、同じくシーフ時代に使っていたこの素早さが上がるスティレットがある。」
 ファル :「属性短剣もあるんだから、弓やめたらどうだ?」
 アル :「久々に使ってみたいんだよ。アサシンじゃ装備できないしな。」
 ファル :「しらねぇぞ・・・アル兄だから大丈夫とは思うが・・・」
 アル :「先攻型モンスターのいないところでセラフィと狩ればいいだろう?」
セラフィ:「あぅ・・・私ですか・・・?」
 アル :「うむ、もしもの時は回復を頼む。それじゃファル、留守を頼んだぞ。」
セラフィ:「行ってきま〜す。」
 ファル :「へぃへぃ、行ってらっさい。」

ファルを家に残し、狩りに出かけた二人。

 アル :「さて・・・何を狩ろうか・・・」
セラフィ:「エルダーウィローなんてどうですか?」
 アル :「エルダか・・・妥当なところかな。 いや、ビッグフットやキャラメルのほうがいいかもな。」
セラフィ:「そうですか?」
 アル :「火矢と火属性短剣もあるしな。」
セラフィ:「なら、キャラメル山に行きましょうか。ゲフェンからがいいですね。」
 アル :「そうだな、ヨロシク。」

セラフィは杖を構え、詠唱を始める。

セラフィ:「天より降り注ぐもの、地より沸き立つもの、我今両者を束ね、ここに転移の扉を開かん・・・」

セラフィの目の前の景色が歪み始める。

セラフィ:「魔法都市ゲフェンへ・・・ワープポータル!!」

キイィィィィ・・・

地面から光の柱が立ち上り、アルとセラフィはそこに飛び込む。

シュウゥゥゥゥ・・・

 アル :「ふぅ・・・やっぱポタは便利だな。」
セラフィ:「ふふwお役に立てて嬉しいですw」
 アル :「さ、狩りに行くか。」
セラフィ:「はい。」

目的の場所に向かって歩き始める。そこに・・・

 アル :「お、マーティンがいるな。 試しに倒してみるか。」
セラフィ:「このくらい倒せないと、キャラメルなんかもってのほかですね。」
 アル :「そうだな。いくぞ・・・」

アルは弓を構える。

ギリギリ・・・・・・ヒュン! ドスッ

アルの放った火矢は見事に命中したが、倒すには至らなかった。
傷つけられ、怒ったマーティンが襲ってくる。
が、アルはその攻撃をことごとく避けていく。

 アル :「コイツの攻撃なんか、もらうかよ!」

短剣に持ち替え、斬りかかる。

ザッ ズバァッ ザシュッ 

幾度かの攻撃ののち、うずくまり動かなくなるマーティン。

 アル :「楽勝だな。ほい、モグラの爪ゲットっと。」
セラフィ:「はい、私がお預かりしますね。・・・にしても・・・」
 アル :「ん?」
セラフィ:「やはり・・・なんとなく残酷に思えます・・・」
 アル :「何言ってるんだ・・・お前もいつもエルダ砕いてるんだろ?」
セラフィ:「あの、あれは・・・血とか出ませんし、倒したあとは木の破片しか残りませんので・・・」
 アル :「まぁ、動物系とかは・・・な・・・」
セラフィ:「仕方ないことですけどね・・・私も狸とか熊とか倒してますし・・・」
 アル :「そうだろ?・・・って、熊!?お前・・・アコだろ?」
セラフィ:「あれ?言ってませんでしたっけ?私、殴りアコなんですよ。速さと力を鍛えてます。」
 アル :「はぁ・・・初耳だ・・・ってことは・・・ヒールは・・・?」
セラフィ:「ご心配なく、いちおう400は超えてますw」
 アル :「SP少なそうだし・・・二人分の回復は追いつかないな・・・」
セラフィ:「ですw」

突如シーフになってしまったアルに降りかかるさらなる災難(?)
妹はアコでも殴りだったという驚愕の真実。
ガックリと肩を落としつつも、アルとセラフィの狩りは[003]に続く・・・かも。

SSTOP