いつもは静かな街道が、今日に限って活気付き、人で溢れかえる。
そう、今日は年に一度の夏祭り・・・

 アル :「みんな、準備はできたか?」
 ジュノ :「ちょ、もーちょい待ってくれ;;」
 ファル :「ジュノは何そんなに手間取ってるんだよ・・・」
ケルビナ:「セラお姉様、とってもお素敵ですわぁw」
セラフィ:「ありがとうございますw」
ルーシィ:「ルビちゃんも、よく似合ってるよ?」
ケルビナ:「あら、そう言うルーちゃんこそw」

全員で夏祭りに行く準備をしている天使連盟のメンバー。
女性陣がすっかり仕度を終えているというにもかかわらず、
ジュノだけが未だに何か悩んでいた。

 ジュノ :「どうすっかなぁ・・・」
セラフィ:「ジュノ君、なにをそんなに悩んでるんですか?」
 ジュノ :「いや、ちょっとな・・・」
 アル :「みんな待ってるんだから、早くしろよ。」
 ジュノ :「わかってるって・・・ん、これでよし。みんな、おまたせ〜」
ケルビナ:「やっと終ったんですの?」
ルーシィ:「ねね、早く行こうよぉ〜」

ルーシィが待ちかねた様子でみんなをせかす。

 アル :「よし・・・じゃぁ行くか。セラ?」
セラフィ:「はい、モチロンw ワープポータル!」

夏祭り会場直通ポタ・・・
セラフィはすでに準備してあったらしい。

 ジュノ :「あれ? 天より・・とかいう詠唱はどうしたんだ?」
セラフィ:「あれは・・・面倒なのでw」
 ジュノ :「面倒だから・・・で省略できるのかよ・・・」
セラフィ:「それより、早く乗ってください。置いて行っちゃいますよ?」

見ると、その場にはジュノとセラフィしかいなかった。

 ジュノ :「ぁ、乗る・乗るよ!!」

あわててポタに飛び込むジュノ。
それを確認したセラフィも、光の中に入っていく。
到着した夏祭り会場は、まだ早い時間にもかかわらず
多くの出店が立ち並び、人だかりが出来ていた。

ルーシィ:「なっつまっつりぃ〜♪」

ルーシィのとって初めてとなる夏祭り。
喜び勇んで、我先にと駆け出していく。

 アル :「お〜い、ルーシィ。あんまり俺たちから離れるなよ〜?」
ルーシィ:「わかってるよ〜。お兄ちゃんたち、早く早く〜」

前の方で嬉しそうに手を振るルーシィに、思わず笑みがこぼれる。

 アル :「ケルビナは初めてじゃないのか?」
ケルビナ:「はい。こちらに来る前に、何度か・・・」
 アル :「そうか。ま、とりあえず行くか。」

今にも飛び出しそうなルーシィを制止し、お祭り騒ぎに飲み込まれていく・・・


ところかわってジェイド達の居場所。 こちらも同じように、夏祭りに行く準備をしていた。  jade :「・・・・姉上、上機嫌はいつものことですが・・・その衣装は?」 ??? :「あ、ジェイドちゃん、お姉さまと一緒にお祭りに行きましょう♪」  jade :「・・・・・・・・・・。」 突拍子もないことを言うのは、いつものことだが今日は張り切り具合がいつもと違っていた。 ??? :「だーかーら、おーまーつーりー!! ジェイドちゃんと一緒に行きたいの〜!!」  jade :「はぁ・・・・・それでその衣装に着替えておいでなのですか?」 ??? :「そうよ、似合うでしょー♪」 そういってくるっと回って着ている衣装-浴衣-を見せびらかしている。 団扇なども用意しており、この用意周到さに妹のジェイドもややあきれ気味だった。 いつもの無計画さはどこへやら・・・ ??? :「でー、ジェイドちゃんのも用意してるから・・・・・着ろ♪」  jade :「お断りします」 ??? :「言うと思ったから、即実力行使ー!!」 姉はもう手馴れた手つきでジェイドのアコライトの衣装をパパっと脱がせ、 姉とおそろいの浴衣を着せる。  jade :「ちょ・・・ちょっと姉上・・・・まっ・・・・」 制止の声もなんのそのあっという間におそろいの浴衣を着せられてしまう。 はっきり言ってぱっと見は瓜二つ。 違いといえば姉は表情がコロコロ変わることと、利き腕くらいだ。 以前姉が妹のフリを続け臨時の人たちを困らせたというほど姉は妹の真似がうまい。 さすがに利き腕までは真似が出来ず勘のいい人に気づかれてしまってはいたが・・・・ ??? :「はい、でっきあーがりー♪さージェイドちゃん、一緒にお祭りを楽しみましょー♪」  jade :「・・・・はぁ〜・・・・わかりました・・・・お付き合いさせていただきます・・・」 ここまで来ては断ることも出来ない、というより断れない。 なぜならジェイドの着ていたもの「全て」姉の手の内であるからだ。 断ればどうなるかジェイドの想定の範囲内だった。  jade :「ですが、姉上そのおまつりの場所へはどうやって?」 ??? :「・・・・・・カプラさん転送の近くらしいからカプラさんご利用でいきましょう」  jade :「無論、姉上が持ってくれるのですよね?転送量」 ??? :「うー・・・わかったわよぅ・・・・・」  jade :「誘ったのは姉上なのですから当然です。」 ??? :「わかってるよぅ・・・はい、お金       それじゃ先にいってるから急いで来てね〜♪」 そういって姉はさっさと祭り会場へ飛んでいった。  jade :「まったく・・・姉上は・・・・・・・       それより・・・この格好じゃ・・・・・・」 ジェイドは妙に内股気味に頬を赤めながら会場へ飛んでいった・・・
一方、夏祭り会場の天使連盟一行。 ルーシィを先頭に、お祭り騒ぎの中を流し歩く。 そのルーシィはというと、物珍しげにキョロキョロと辺りを見回し、 今までに無いくらいに目が輝いている。 ルーシィ:「わぁ〜・・・いろんなお店があるねw」 セラフィ:「年に一度の大祭りですからね。」 ファル :「・・・アルベルタの時のことを思い出すな・・・」  アル :「ファル、それ以上言うんじゃない。」 ファル :「!? ・・わかってるよ。」 少し殺気立って、アルがファルを制止する。 アルにとっては、思い出したくないことなのだ。 感情を抑えようとしているアルの視界に、見覚えのある姿が映る。  アル :「あれは・・・ジェイドじゃないか?」 セラフィ:「え? ジェイドさん?」  アル :「ほら、あそこ。」 アルの指差した先・・・アル達が来た方とは反対側の、祭街道の入り口。 そこに一人たたずむ人影。 人ごみから少し離れているお陰で、その横顔がハッキリ確認できる。 セラフィ:「ほんとだ・・・あれはジェイドさんですね。ちょっと行ってみましょう。」 そう言うや否や、ルーシィに取って代わって一行の先頭に立ち、歩き出すセラフィ。 ジュノ、ファル、ルーシィ、ケルビナの4人は、その後に続く。 ケルビナ:「お知り合い・・ですの?」  アル :「あぁ、ちょっとな。」 セラフィ:「お〜い、ジェイドさ〜ん!」 セラフィの呼びかけに気付き、こちらに向き直る女性。 ??? :「・・・・はい?」 一瞬の間を空けて振り向く。 セラフィ:「ジェイドさん・・・ですよね? 先日はお世話になりましたw」 jade(?):「・・・いえ、こちらも色々とお世話になりました・・・」 その時かすかに口の端が上がっていることに気付くものはいなかった・・・  アル :「ジェイドは一人で祭りに来たのか? よかったら一緒に・・・」 jade(?):「申し訳ありません、実は姉とはぐれてしまったので・・・       早急に見つけないと屋台の食品という食品が・・・」 ジェイドは、相変わらず無表情に淡々と話す。 ジュノ :「食い尽くされる・・・のか? そりゃタイヘンだ!」 セラフィ:「私たちも手伝いましょうか? ジェイドさんに耳打ちもできますし・・・」 jade(?):「いえ、お気遣いなく・・・皆様はお祭りをお楽しみください・・・       見つかりましたら耳打ちをして、姉とともに合流したいと思いますので。       それでは・・・」 そう言って、深々と頭を下げ、背を向けて立ち去っていく。 セラフィ:「あ、あの! ・・・行ってしまいましたね。」 ケルビナ:「なんだか、おかしな方ですわね。」 ルーシィ:「気持ちが伝わってこなかったよ・・・警戒してたのかな?」  アル :「ジェイドはアレで普通なんだよ。警戒してたわけでも、なんでもない。」 ジュノ :「アル兄とセラ姉ぇのコト知ってる割には、初対面で話が通じない印象があったが・・・」  アル :「たしかに、妙に反応にズレが感じられたが・・・」 セラフィ:「無表情だったからそう感じただけじゃないですか?」 ジュノ :「まぁ、そういうことにしておくか・・・」 一行の中でも特に感性の鋭いアルとジュノだけは、不思議な違和感を感じていた。 しばらくすると、姉を探すといって別れたはずのジェイドが 少し頼りない足取りで正面から歩いてくる。 やや間を置いて、アルとセラフィを発見する。  jade :「あ、アル様、セラフィ様・・・お久しぶりでございます」 そういって深々と頭を下げた。  アル :「お久しぶりって・・・さっき会ったじゃないか。姉を探すって・・・」  jade :「えっ・・・・わたくしは今来たばかりなのですが・・・」 そう言いながらも妙に浴衣のすそをいじっている。  アル :「じゃぁ、アレは一体・・・」 不思議そうな顔をするアル。 その横で、セラフィが何かに気付く。 セラフィ:「ところで、さきから浴衣が気になっているようですが、どうかしたのですか?」  jade :「!!・・・・な、なんでもございません!!」 言い放ち、まるでベルトを締めるかのようにすそを閉じるジェイド。 気のせいか顔が妙に赤い。  jade :「そ、それよりもわたくしにさっき会ったと申しましたか?アル様」  アル :「あ、あぁ。 そこの入り口のあたりに一人で・・・       声をかけたら、姉を探すといってそそくさと人ごみに紛れて・・・」  jade :「・・・・・・申し訳ありませんアル様・・・・・・       その人がわたくしの姉上です・・・・・」 セラフィ:「えぇぇぇぇぇ!? あ、あの人が!?」  アル :「・・どうりで・・・なんか話が合わないと思ったんだよ。」  jade :「はい・・・わたくしたちは顔や髪の色など瓜二つで、よく見ないとわからないのですが・・・       特に姉上はわたくしの真似がうまく、他の方々を騙しては面白がっているのです・・・       驚いた顔を見るのが楽しいだけらしく、ほおって置いたのですが・・・・」 ジュノ :「そういえば、放って置いたら屋台の食い物がどうとか言ってなかったか?」 なんだかヤケに食べ物にこだわるジュノであった。  jade :「・・・・・・それも姉上です・・・・       お祭りは屋台を制覇してこそのお祭りなのだよ明○君などと・・・・」 すっかり姉の悪行にうなだれるジェイド。 ファル :「じゃぁ、ホントに屋台がヤバいんだ・・・?」  アル :「みんなで手分けして探そう。 さっき見たばかりだから、わかるだろ。」 セラフィ:「jadeさん、私たちも手伝います。 見つけたらwisしますね。」  jade :「皆様・・・有難うございます・・・」 ジェイドが深々と頭を下げる。  jade :「お気をつけください・・・・姉上は遊びの天才です・・・     何か罠を張っている可能性もあります」 アル :「大丈夫だ。 こっちは全員アサシン仕込だぞ?」 アルは得意気に号令を発する。 アル :「各自、己の保身を優先。目標を捕捉次第、至急報告の上、連行。       集合地点は、目標との初接触地点。指示は以上。みんな、気をつけろよ・・・ 散開!!」 アルの号令に従い、はじけるように散らばる天使連盟一行。 アル :「じゃぁ、俺も行ってくる。また、後で。」 そう言って、アルも人ごみに消えた。 ジェイド:「皆様・・・お気をつけて・・・」 そういってジェイドもよたよたと人ごみの中へ溶けていった・・・ jade(?):「・・・・ふふっ・・・・あとはー・・・わたあめとーべっこうあめとー・・・・       甘いものはやっぱりおいしぃー♪」 両手に大量の食べ物を抱えルンルン気分で歩いている ??? :「すみません」 jade(?):「・・・はい?」 人ごみと大量の食べ物のせいで、声の方へは首しか向けずにいた。 セラフィ:「ジェイドさんのお姉さん・・・ですね。」 jade(?):「・・・・何を仰るのですか・・・・先ほどお会いしたばかりではありませんか・・・」 セラフィ:「たしかに、ついさっきお会いしましたよ、『本物のジェイドさん』と。」 jadeの姉:「・・・・・・・・・・にぱ♪」 言われた途端、明らかに子どものような笑顔を見せる。 jadeの姉:「あらあら・・・・もうばれちゃいましたカー       ジェイドちゃんのお友達のようで・・・・       いつもジェイドちゃんがお世話になっています(ぺこり)」 いつのまにやら手荷物を下ろし、正面向いて挨拶をする。 セラフィ:「あ、いえいえ・・・こちらこそお世話になりまして・・・       じゃなくて、同行・・・願えますか?」 jadeの姉:「あららー任意同行ってやつですかー?       まだわたあめとべっこうあめが残っているんですよー       すぐ済みますから・・・そのあとでもよろしいですかねぇ?」 言いながら、すり足で下がっていく姉。 逃げるというより位置を調節しているような・・・・ セラフィ:「後で一緒にお祭りを回るつもりですので、       そちらは後にしていただけるとありがたいのですが・・・」 jadeの姉:「(ちらっ)・・・・残念、交渉決裂ですね〜・・・・       まだジェイドちゃんのおみやげも買っていないので       これにて退散させて(じりっ)・・・・・いただき(じりっ)・・・・・・ますよっ!!」 言い放つと巾着袋を取り、明かりの届かない空間へと逃げ込んでいった。 セラフィ:「仕方ありませんね・・・ならば、力づくで・・・」 セラフィの片目が真紅に染まる。 封印状態の「本気モード」だ。 セラフィ:「明かりが無くても・・・コレで! ルアフ!!」 青白い光が、辺りを照らし出す。 jadeの姉:「あややー・・・・これは分が悪いですねー・・・・       うーん・・・貧乏だからあまり使いたくないのですが・・・」 そういって取り出すはハエの羽。 jadeの姉:「お祭りですし、走って逃げましょう!!」 軽やかに死角死角へと逃げ込む。 セラフィ:「クスッw こちらは一人じゃ・・・ないんですよ?」 いつのまにかジェイドの姉の背後にルーシィが構えていた。 ジェイドの姉の動きに合わせて位置取りを欠かしていないが、 ジェイドの姉は気付いていないようだ。 −ルーシィ、行きますよ?− −うん、いつでもいいよ。− 耳打ちで気付かれぬようにタイミングを合わせ、一斉に飛び掛る。 jadeの姉:「ひっ・・・な、なに!? あわわ〜・・・・・」 ルーシイの突然の飛び掛りに反応も出来ず、しっかりお縄となった。 セラフィ:「捕獲完了です。みなさん、集合場所へ。」 ギルドチャットで全員に報告し、ジェイドに耳打ちをして集合場所である入り口へ向かう。 そこにはすでに、ジェイドを除く全員が集まっていた。 しばらくすると、浴衣の裾を押さえながら、ジェイドがよたよたと歩いてきた。 jadeの姉:「あややー・・・・お知り合いの方がこんなにいたとは不覚でした・・・       けちけちせずにハエでも使えばよかったですねぇぃ・・・」 あとから歩いてくるジェイドを発見して・・・ jadeの姉:「あ、やっほーjadeちゃん、お祭りたのしんでるー?」  jade :「・・・・姉上・・・・人様を困らせるのもいい加減にしてください・・・       それと・・・・・えしてください・・・・・」 息を切らし姉を叱るジェイドだが、語尾がほとんど聞えなかった。 jadeの姉:「うーん・・・初対面のおちゃめないたずらだったんだけど・・・・ダメ?♪       あと、最後のほうが聞えなかったんだけど・・・?」 姉は妙に余裕があった。 ジェイドは真っ赤になってうつむいてしまった。  アル :「とりあえず一件落着・・かな。みんな、お疲れ様。      それから・・セラフィ。いくら任務とはいえ、人前であまり能力を出すな。       厳重注意だ。」 セラフィ:「すみません・・・」 セラフィはうつむき、申し訳なさそうに答える。 −ところで・・・ジェイドさん?− こっそり、気付かれぬようにジェイドに耳打ちするセラフィ。 −その浴衣・・・もしかして下着が・・・?− −!!・・・・あの・・・・その・・・・・姉上に無理やり着替えさせられたときに  ・・・・その・・・・− 湯気が上がるほどに真っ赤になるジェイド。 −あ・・あの・・・・申し訳ありません・・・その・・・・くれぐれも内密に・・・・− −わかっていますよ。かく言う私も・・・− ちらり・・・と、ジェイドの方に浴衣の裾の脇にある切れ込みを開いてみせる。 セラフィも下着をつけていなかった。 −浴衣ですと、下着のラインが気になってしまって・・・  それに、和服は下着をつけないのが基本と聞きましたし・・・− −そ・・そうなのですか・・・・− つけていないことを聞き、同姓にもかかわらず、より真っ赤になるジェイド。 その様子を見て姉は jadeの姉:「あれー?どうしたのジェイドちゃん?」  jade :「な、なんでありません!!それよりもまず謝罪を果たすのが先です!!姉上!!」 何とか話を変えようと必死であった。 ジュノ :「まぁ、俺たちはどちらにせよ初対面だからいいけどな・・・」 ルーシィ:「ますた〜とセラお姉ちゃんには、謝った方がいいと思うな・・・」 ケルビナ:「特にセラお姉様は怒らせたら・・・」 「あの時」のことを思い出したようで、ケルビナは身をすくめている。 jadeの姉:「ばれてしまったし、皆さん申し訳ありませんね♪」 あまり悪びれている様子がない。 むしろまだ余裕がありそうだ。 アル :「なにか引っかかるが・・・まぁいいか。あらためて、よろしく。」 セラフィ:「みんな揃ったことですし、あらためてお祭りに行きましょうかw」 姉の様子を特に気にするでもなく、天使連盟一行も余裕ムードだった。 ジュノ :「そういえば、アネキさんの名前は?」 すっと立ち上がり、深々と頭を下げて jadeの姉:「改めて自己紹介させていただきますね私はAmber(アンバー)といいます。     ジェイドちゃんとは・・・・まぁ双子ということで♪     お祭りということでアトラクション風にしてみましたが・・・・・     ご迷惑をかけたようですね・・・・・」 改めて深々頭を下げ、謝罪をするアンバー。 jade :「・・・わたくしの双子の姉です・・・・       皆様姉上のせいでご迷惑をおかけいたしました」 ジェイドもまた、深々と頭を下げた。 ジュノ :「しかし、ただ『真似が上手』なだけじゃなくて、逃げ足まで速いとは・・・・」 アル :「まるで昔の誰かさんだな。」 セラフィ:「・・・そうですね。」 ジュノ :「あ〜・・・その話は置いとこうぜ。 俺ら3人しかわかんねぇから。」 自分の事と悟ったジュノは早々に話題をそらせようとする。 アル :「まぁ、改めてヨロシク、アンバーさん。」 Amber :「はい、みなさんよろしくですね♪」 子どものような屈託のない笑顔を見せる。  jade :「アル様、皆様はこれかお祭りへ行かれるのですか?」 アル :「というか、ジェイド姉妹も含めてみんなでまわるつもりなんだが・・・?」 アルの言葉に、天使連盟一同がうなずく。 jade :「そうなのですか・・・・ですが皆様のジャ・・・」 Amber :「いいですねー、みんなでたのしんじゃいましょー」・・・」 引こうとしたジェイドの言葉をさえぎり、アンバーが同意をした。 ジェイドはやはりあきらめ顔だった・・・・  jade :「わかりました・・・・アル様、ご同行させていただきます」 ジェイドは深々頭を下げた。 ジュノ :「まぁ大勢いたほうがなんかあったときも安心だろ。」 アル :「何か・・・か。 何も起こらないだろ。」 ルーシィ:「ね〜、早く行こうよぉ・・・ 私、射的やりた〜い」 セラフィ:「そうですね。ここで話しているのもなんですし、お祭りに行きましょう。       わたあめとべっこうあめもまだですしね・・・w」 Amber :「わったあーめ♪べっこーあーめ♪・・・・・・」 すっかりいたずらのことも忘れて、うきうきで屋台を回るアンバー。 やや後方から妙にあたりを見回しながらついてくるジェイド。 −ジェイドさん、やはり気になりますか?− セラフィがそっと囁く。 −あ・・・いえ・・・・実はこういった行事物に参加するのは  初めてなので・・・・珍しいのです  ・・・・・・あと・・・・まぁ・・・気にはなりますが・・・− と、ジェイドは言った。狩やら姉の後始末やら色々あるので、 こういったことを知らずにすごしてきたのだ。 −そうでしたか。ルーシィも初めてなので、はしゃぎすぎて困っているのですよ・・・− 苦笑するセラフィ。 −それと・・・気になる物ですが、下着の事も気になるでしょうけど・・・  私が言っているのは、周りの雰囲気のことです。  お祭り騒ぎに紛れて、なんだかおかしなざわめきが聴こえるのですが・・・− たしかに、遠くの方でなにやら祭りとは違う騒ぎが聴こえる。 −・・・・・・お祭りとしての騒ぎにしては妙ですね・・・− 言われてようやく気がつき、注意深く辺りを見回す。 −・・・悲鳴に近いものが聞えますが・・・・もしや!!セラフィ様!!− −たぶん・・・そうですね。− アル :「みんな、ちょっと止まれ。」 何かに気付いたアルがみんなを止める。 ファル :「どうした?」 ジュノ :「枝・・だな。」 コク・・・とアルが頷く。 ケルビナ:「どうするのですか? 装備、持ってきていませんわよ?」 ルーシィ:「私も持ってないよ〜・・・」 アル :「まずいな・・・俺たちのほうに流れてきてる。ここは・・・」 アルが身構えた。 ジュノ :「みんな、コレを!」 ジュノが天使連の一人一人に布に包まれた物を投げる。 アル :「これは・・・『殺天』!?」 ファル :「『鎖眩』じゃないか!」 セラフィ:「私の『澄零』まで・・・」 ケルビナ:「私の愛用の剣、よくご存知でしたわね・・・」 ジュノの投げた包みは、天使連盟の一同がそれぞれ愛用している武器だった。 ジュノ :「こんなこともあろうかと、密かに持ってきておいたんだ。       今まで隠してるのはタイヘンだったが。」 アル :「ジュノ、でかした! よし・・・ジェイド姉妹は下がっててくれ。」 ジュノ :「その格好だ。装備なんてないだろ?ここは俺達『天使連盟』が食い止めるよw」 Amber :「にぱ♪ こんなことも(?)あろうかとこのくらいは用意がありますよーw       折りたたみですから若干弱体してますがFWくらいは出せますから」 と、浴衣の袖から折りたたみ式の杖を取り出す。  jade :「では・・・わたくしは後方より援護くらいはさせていただきます!!」 二人とも殺る気・・・もといやる気十分だった  アル :「アンバーはマジだったのか、頼もしいな。 ともあれ、少し下がってくれ。」 アルの指示で、全員が数歩後退し、アルが突出する形となる。  アル :「まずは・・・コイツだ!」 迫り来るモンスターの集団に向かって放り投げられたレッドジェムストーン。 頃合を見てアルが指を弾く。  アル :「ベノムダストぉ!!」 パチンッ 途端、レッドジェムストーンが砕け、毒々しい色の霧が広がる。  アル :「僅かだが、これで敵の動きも鈍るだろう。 ケルビナ、ファル、ルーシィ、いくぞ!       ジュノとアンバーは後方から攻撃を。 セラフィとジェイドは支援を頼む!」 敵の一団に向かっていく4人・・・と、ジュノ。  アル :「おいジュノ、お前なにやってるんだ!?」 ジュノ :「いや、さすがに弓持ってたらバレるだろ?今回は短剣だよ。」 アル :「なるほどな。じゃぁ、行くぞ!」 各々、得意の戦法で敵を捌いていく。 ケルビナ:「その程度の攻撃では、このケルビナはビクともしませんわよ!」 持ち前の耐久力で、持久戦を繰り広げるケルビナ。 ファル :「おらぁぁ! どけどけぇぇぇぇぇ!!」 カートを振り回しながら敵を蹴散らすファル。 アル :「ジュノ、短剣で大丈夫か?」 ジュノ :「まぁ、見ててくれって。」 ジュノが短剣の一突きで敵を撃破する。 持ち前の器用さで、的確に敵の急所をついているようだ。 アル :「こりゃ、俺も負けてられないな・・・」 皆の戦い振りに感心しつつも、自然と士気が上がるアル。 天使連盟一の実力者とあって、まるでダンスでもしているかのように、次々と敵を打ち倒していく。 Amber :「あややー・・・私たちの活躍の場がなさそうだねージェイドちゃん」 とはいえ必死にFWを立てていた  jade :「・・・皆々様、大変お疲れ様でありました・・・」 討伐が終わると、ヒールやら周りの人への介護など大忙しであった・・・ Amber :「☆σ∇σ ニパッ!!皆さんお強いですねー」 すっかりイベントの一環と、頭で思ってしまったアンバーである。 セラフィ:「みなさん、お疲れ様でし・・・た・・・!?」 安堵の表情から一転、驚愕するセラフィ。 ケルビナ:「セラお姉様、どうしたんです・・・の!?」 そこに見えたのは、なんと深淵の騎士であった。  アル :「こんなモノが控えていたのか・・」 自然と険しい表情になるアル達。  アル :「みんな下がれ。 ここは俺が・・・」 ケルビナ:「お一人でどうなさるおつもりです!」  アル :「いいから下がれ!」 ケルビナ:「!? は、はいっ!」 またも、アルを孤立させる一同。 セラフィ:「兄さん! いくらなんでも無謀です!!」  jade :「・・・!!!・・・・そんな・・・」 なんと深淵の騎士はジェイドのすぐそばに現れた。  アル :「クソ・・・間に合え!!」 アサシンならではの素早さでジェイドを突き飛ばし、深淵の騎士から救う。 が、それはアル一人で深淵の騎士に立ち向かうという結果を招いた。  jade :「キャッ・・・・・あ、アル様!!・・・・くっブレッシング!!ヒール!!」 突き飛ばされてもすぐさま起き上がり、必死の援護をする。  アル :「支援感謝! さて・・・どうするかな。 あの手は使いたくなかったが・・・       この際、仕方ないか。」 ためらったアルだが、何かを決心し、深淵の騎士に飛び込む。  アル :「うおぉぉぉぉぉ!!」 次の瞬間、一行の目に映ったものは、ウサミミのない異様なオーラを放つアルと、 アルの手にしている異常な形のカタール、それと、崩れた深淵の騎士の鎧だった。  アル :「みんな、無事か?」 ゆっくりと振り向き、微笑むアル。 その両瞳はいつもの深い青色ではなく、銀色に輝いていた。 セラフィ:「兄さん・・・ウサミミは・・? それに、その目は・・・?」 jade姉妹「・・・・・・!!!」 二人はただただ驚くばかり・・・ ジュノ :「発動・・・したのか。」  アル :「あぁ、仕方ないだろ? こうしなきゃ・・・」 ファル :「アル兄! ウサミミの呪い、解けたのか!?」  アル :「いや、あのウサミミは呪いじゃなくてだな・・その・・」 ファルは、アルの『動くウサミミ』を、すっかり呪いだと思い込んでいたようだ。  アル :「まぁ、詳しいことはそのうち話すよ。」 見るとアルの両瞳は深い青色に戻っており、ウサミミもしっかり『生えて』いた。 jade姉妹:「・・・・アル様(さん)・・・・一体・・・・?」 さすがは双子、驚きの息もぴったりだ。  アル :「あぁ、まぁこれは・・・なんだ・・・」 セラフィ:「アンバーさん、私の眼が紅くなったのはご存知ですよね?あれみたいなものです。」 説明を渋って詰まるアルを、セラフィがすかさずフォローする。  jade :「・・・・・とりあえず、アル様、ありがとうございました・・・・」 つきとばされたそのままに深々と頭を下げ、感謝を述べるジェイド。 Amber :「まぁ誰しも秘密はつき物ですから〜」 と、にこやかに言ってみせる  アル :「あぁ、まぁ・・・みんな無事で何よりだ。」 そう言ったアルの左腕から、一筋の血が滴る。  jade :「・・・!!アル様血が・・・・」 あわてて駆け寄るジェイド。  jade :「・・・・・・申し訳ありません・・・SPが尽きてしまっているので、       これでご容赦ください・・・」 言ってアルの腕を取り、血をなめ取るジェイド・・・・ 浴衣のすそを裂き、それを包帯代わりとして腕に巻きつけていく。 Amber :「ま・・・ジェイドちゃんったら、だいたーん♪」 もうノリノリのアンバーである。  アル :「あ、あぁ・・・すまない・・・」 そこでセラフィが何かに気付く。 セラフィ:「じぇ、ジェイドさん! その浴衣は・・・!」  jade :「え・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 言われて下を見れば生足全開、腰あたりまでスリットが伸びていた。 無論のこと下着を着けていないため、角度によっては「色々」見えそうである。 Amber :「あらあらージェイドちゃん、やっちゃったねー♪」 笑っているようだが目が笑っていない・・・・ どうやらベストポジションでのSS取りに懸命のようだ。 セラフィ:「アンバーさんの仕業だったのですか・・・」 ジェイドが下着をつけていないのがわざとでないと知っていたセラフィが突っ込む。  jade :「ああああ姉上!!!はやく返してください!!!」 すそを必死に押さえ訴えるジェイド。 Amber :「☆σ∇σ ニパッ!!これのことかなー?」 そういって巾着袋から取り出そうとするアンバー。 ありえないスピードでひったくるジェイド。 その間わずか0.2秒のことであった。  アル :「・・・俺が・・・目で追えなかった・・・?」 ジュノ :「は・・・速えぇ」  jade :「はぁー・・・・はぁー・・・・」 顔も真っ赤で必死の形相・・・・ そそくさと奥の草むらではき直し、とりあえずの応急処置を施して戻ってくる。  jade :「姉上・・・今度という今度は許しません・・・」 ジェイドはアンバーの顔を掴み、ありったけの回復魔力を左手に込める。 Amber :「ジェ・・・ジェイドちゃん・・・それはやめよ?ね?     おねーちゃんが悪かったから・・・・・」 アンバーの恐怖はマックスまで上がっていた・・・・  jade :「姉上ならわかりますよね・・・・水を与えすぎた植物がどうなるか・・・・       そして・・・・人体に施せば・・・・どうなるかっ!!」 魔力をため一気に人体へ回復力を送り、一時的に代謝機能強制促進させる。 ゆえに年を取るのが驚くほど早くなる・・・ セラフィ:「なるほど・・・そんな方法もありましたか・・・」 セラフィは何かを必死にメモしている。 Amber :「ね・・・ね・・・・ほんとにやめよ・・・・?       一瞬でも年を取るのが女の子にとってどんなに辛いかわかるよね? ね??」 必死の説得もジェイドは聴く耳を持たない。 もはや目も据わって殺る気満々である。 セラフィ:「薄い浴衣一枚で下着をつけないのがどんなに恥ずかしいか考えもしないほうが悪いです。」  jade :「わたくしの愛した姉上はもういません・・・・サヨウナラ・・・・・       グレイトフル・デッド!!」 一気に魔法力を送られたアンバーはナイスバディの姿を通り越し、老人へと姿を変えた・・・ ケルビナ:「・・・恐ろしいですわね・・・」 ルーシィ:「おね〜ちゃんだけは怒らせちゃだめだね・・・」 Amber :「・・・・・・・・・・」 返事がない・・・老衰寸前のようだ・・・・  jade :「・・・・・・やりすぎたかもしれませんね・・・・       まぁ30分もあれば元に戻りますからほおっておきましょぅ」 容赦ない一言を捨て放つジェイド。  アル :「・・・仲がいいのか悪いのか・・・」  jade :「さ、皆々様・・・・おばかな姉上はほっておいて帰る事にいたしましょう」  アル :「ジェイドがそう言うなら・・・まぁ、置いていくか。       俺らが口出しできることじゃねぇし・・・」 セラフィ:「ジェイドさんたちは、どこに戻るのですか?」  jade :「わたくしは住処があるのでそこへ戻ります」 セラフィ:「そうですか。では私たちはこれにて失礼します。」  jade :「途中までご一緒してもよろしいですか?」 セラフィ:「はい、よろこんでw」 ジェイドを加え、ゆっくりと祭りを後にする天使連盟一行。  jade :「そういえば・・・・アル様・・・」 ジェイドはアルの頬に手を当て、じっと目を見つめた。  jade :「・・・不思議な瞳ですこと・・・」 はたからみればMK5(マジでキスする5秒前(笑))  アル :「なっ・・・!?」 間近に迫るジェイドに、身を引きかけるアル。 ケルビナ:「ちょ、何をなさってるんですの!!」 なぜかケルビナが憤慨する。  アル :「ま、まぁ・・この瞳は・・・ちょっとした理由があってな・・・」  jade :「もっと・・・・よく・・・・・見せてくださいまし・・・・・」 やや目がうつろになり、じっと見つめるジェイド。 悦に入っているようにも見える・・・  アル :「あ、いや・・・これ以上は・・・その、なんだ・・・       よく見ても普通だと思うが・・・」 慣れない状況にたじろぐアル。 いつも凛々しさがなく、逆にかわいくも思える。 両手でアルの頬を押さえなおも顔をちかづけるジェイド  jade :「・・・・ですが・・・・目の奥に何かを隠している・・・・       そう例えられるような瞳ですね・・・」 言い終わると、アルの頬に口付けをするジェイド。  アル :「うぁっ!?」 突然のことに、思わず後ずさってしまうアル。 ケルビナ:「ちょ、ちょっとアナタ、なにをしてるんですの!       アル様にきっ・・キスなんて!!」  jade :「・・・・・・・・・クスッ♪」 明らかにキャラが変わってる。 それに、心なしか頬が昂揚している。 そう・・・・発情しているといえば正しいか・・・ ともかくそんな感じに見える。  アル :「とにかく! かっ帰るぞ!」 アルの頬が赤く染まっているのは言うまでも無かった。 しばらく歩くと、分かれ道に差し掛かった。 セラフィ:「私たちはこっちですけど、ジェイドさんは?」  jade :「・・・・・・・・・〜♪」 上機嫌な様子だが、足元がおぼつかない。  jade :「わたくしはーこちらですのでーここでお別れですねー・・・♪」 ジュノ :「そっか、お別れか・・・ほいじゃ、またな。」 ファル :「またどこかで会おうぜ〜w」 ルーシィ:「今日は楽しかったよw」 ケルビナ:「いつか殺りますわ・・・(ボソ」 各々別れを告げ、それぞれの家路につく天使連一同とジェイド。 まだアルの様子がおかしい。 セラフィ:「アル兄さん、どうしたんですか?」 アル :「いや、なんでもない・・・気にするな。」 見ると、顔の赤みが引いていない。 どうやら、こういうコトに関しては奥手のようだ。
その頃、しなびたアンバーはというと・・・ Amber :「えぅー・・・・ひどいですよぉー・・・・       ここまですることはないじゃないですかぁ・・・       むぅー・・・・・・きっぱりとおいてっちゃぅしー・・・       寂しく一人で帰るとしますよぉーだ」 ようやく老化から回復したアンバー。 蝶の羽を取り出し、住処へと帰っていった。 様子のおかしかったジェイドはというと・・・・  jade :「・・・・ふぅ・・・ようやく魔法酔いからさめましたわ・・・・       こんな記憶が飛ぶほど酔うなんて・・・・・・       何かよからぬことをしていなければよいのですが・・・       明日にでもアル様達にお伺いするとしましょう。」 そういって住処へと入っていった。
かたや、天使連盟一同。 ジェイドと別れてすぐに、セラフィのポタで「居場所」に到着していた。 ルーシィ:「あ〜、楽しかったw」 セラフィ:「疲れましたね〜・・・」 みんなグッタリといった様子だ。 ファル :「しっかし、あんなトコで枝なんてやるかねぇ・・・」 ジュノ :「武器持っていって、正解だったな。」 ファル :「ホント、あれは助かったぜ〜w」 ケルビナ:「ところで、アル様は・・・?」 ジュノ :「あそこでボーっとしてるけど?」 一人、窓際で外を眺めるアル。 顔の赤みは引いたようだ。 ケルビナ:「どうしてしまったのでしょう? やはりあのジェイドとかいう女のせいで・・・」 セラフィ:「いえ、違うと思います。」 ケルビナの予測を退けるセラフィ。 セラフィ:「兄さん、『封印解除』しましたから・・・制御装備をつけたままで、       中途半端な開放をしただけでもかなり負担がかかるんです。       それに加えて、その場で再封印しましたから・・・」 たしかに、深淵の騎士に襲われたとき、アルはごく短時間だけ両目が銀色に変化した。 セラフィ:「今まで正気を保っていられたのも、さすがアル兄さんと言ったところですね。       今はそっとしておいてあげましょう。」 そう言って、ケルビナを引いてアルから離れるセラフィ。 あらためてアルの凄さを知った一同であった。