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里親制度と養子縁組

制度改正により「養育里親」と「養子縁組里親」が区分されました

 養子縁組は民法上の制度であり、子どもと養子縁組をするのに必ずしも里親になる必要はありませんが、児童相談所が関わる要保護児童との養子縁組は児童福祉の見地から里親制度の中で行なわれています。

 一時的に里親家庭での養育が望まれる子どもは「養育里親」へ、養子縁組によって新しい親子関係を築くことが望まれる子どもは「養子縁組を希望するる里親」へ、子どもの事情にあわせて里親への委託が検討されます。

 戦後、児童福祉法が制定されて以来長らく「養育里親」と「養子縁組里親」に制度上の区別はありませんでしたが、社会的養護の担い手としての里親を増やすねらいで、2008(平成21)年の児童福祉法の改正(2009年4月施行)によって、里親は「養育里親」と「養子縁組によって養親となることを希望するもの(以下「養子縁組里親」と呼ぶ。)その他これに類する者」とに制度上区分されました。(児童福祉法第6条の3)

 そして、養育里親には認定の要件として研修を受けることが義務づけられ、里親手当が増額されました。一方、養子縁組里親には研修の受講は要件とされず(必要に応じて受講)、里親手当は廃止されました。
 

里親の制度上の区分(2008年児童福祉法改正、2009年施行)
里  親 
養育里親 養子縁組によって養親となることを希望するもの
その他これに類する者
○養育里親
(○専門里親を含む) 
○養子縁組里親
○親族里親 
・研修の修了が認定の要件
・里親手当が増額された
・研修受講の義務なし(必要に応じて受講)
・里親手当なし(子どもの生活費は支給)

 「養育里親」には「専門里親」が含まれ、「養子縁組によって養親となることを希望するものその他これに類する者」には、「親族里親」が含まれます。



里親認定の申請について

 「養育里親」と「養子縁組里親」が区分されたことによって、里親希望者は児童相談所や里親支援機関でのガイダンスを受けて、「養育里親」を希望するか「養子縁組里親」を希望するかを、選択をすることになります。 

◇養育里親を
希望する場合
 児童相談所に「養育里親」の申請をし、研修を受講する必要があります。
 研修には基礎研修と認定前研修があり、それぞれ講義と実習があります。基礎研修を受けて、養育里親について理解した上で、認定前研修を受けることになっています。
 家庭訪問調査を受け、都道府県(指定都市)の審議会を経て、認定されます。 
◇養子組里親を
希望する場合
 児童相談所に「養子縁組里親」の申請をし、家庭訪問調査を受け、都道府県(指定都市)の審議会を経て、認定されます。
 この場合、研修の受講は義務づけられていませんが、受講がすすめられている場合もあるので、研修については、児童相談所や里親支援機関に相談、お問い合わせください。


 ※養子縁組を希望するが、「養育里親」として子どもを短期間でも家庭で預かることや、受け入れの間口を広げることも考えてみようと思われる場合は、養育里親研修を受けて、養育里親としての登録をしておくことも考えられます。養育里親の資格があれば、こどもの事情の変化や受け入れには柔軟に対応することができます。子どもの事情によっては、養子縁組の可能性もあるがはっきりとせず、まずは養育里親を探すという場合もあります。よくわからないとき、迷ったときには、児童相談所や支援機関に相談してみましょう。

里親の申請・研修・認定・登録の流れ





相 談
①里親希望者は居住地の管轄の児童相談所(こども家庭センター)・里親支援機関で里親制度の説明を受ける。
 
研 修
②養育里親希望者は「基礎研修」を受講し、理解した上で「認定前研修」を受ける。
 養子縁組里親希望者は、研修の受講は義務化されていないが、必要に応じて受講できる。
 
申 請
③里親希望者は児童相談所に里親認定の申請を行う。
(※申請の時期については、②の研修の受講の前でも、並行しても、後でもかまいませんが、居住地の児童相談所や支援機関で相談・お問い合せください。)
 
調 査
④児童相談所から家庭訪問調査を受ける。
⑤児童相談所は都道府県へ調査結果をふまえた意見を提出する。
 
審 議
⑥都道府県は児童福祉審議会に諮問する。
 審議会は調査結果を審議し、答申する。 
 
認 定
⑦都道府県知事は審議会の意見に基ずき、里親として認定(または不認定)し、通知する。 
 
登 録
⑧認定を受けて登録を希望する人は、児童相談所に里親登録の申請をする。
⑨養育里親名簿に登録される。



里親と養親の法的立場の違い

 里親としての養育は、都道府県知事(指定都市市長)の委託により開始され、措置解除によって終了します。里親と子どもとの間には法律的な親子関係はありません

 里親に養育が委託されている間も、親権は実父母または定められた親権者にありますが、2005(平成17)年の児童福祉法の一部改正によって、里親に児童福祉施設の長と同様に、監護・教育・懲戒の権限と、就学の義務が明確化されました

 養子縁組とは他人との間に法律上の親子関係をつくることで、養子縁組が成立すると、親としての責任や権利は養親に移ります

里親・養子縁組

  • 里親制度と養子縁組

里親制度

里親の養育

  • 養育にかかる費用・里親手当
  • 最低基準
  • 被措置児童虐待について
  • 相談・支援

養子縁組

  • 子どもにとっての養子縁組
  • 特別養子縁組と普通養子縁組
  • 特別養子縁組

要保護児童

保護者のない児童または保護者に監護させることが不適当であると認められる児童

児童福祉法 第6条の4

 この法律で、里親とは、養育里親及び厚生労働省令で定める人数(※1)以下の要保護児童を養育することを希望する者であつて、養子縁組によつて養親となることを希望するものその他のこれに類する者として厚生労働省令で定めるもののうち、都道府県知事が第27条第1項第3号の規定により児童を委託する者として適当と認めるものをいう。

2 この法律で、養育里親とは、前項に規定する厚生労働省令で定める人数以下の要保護児童を養育することを希望し、かつ、都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う研修を修了したことその他の厚生労働省令で定める要件を満たす者であつて、第34条の18に規定する養育里親名簿に登録されたものをいう。

(※1)4人

里親手当の改正(2009年4月~)

養育里親手当:月額
(以前34,000円)→72,000円
(2人目以降は36,000円)
専門里親手当:月額
(以前90,000円)→123,000円
(2人目以降は87,000円)

親権

父母の、未成年の子に対してもつ、身分上・財産上の監督・保護を内容とする権利・義務の総称。(三省堂・大辞林)

※親権者
親権を行う者。父母が共同して行うことを原則とするが、その一方が行えないときは他の一方、また養子に対しては養親が行う。(三省堂・大辞林)

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★親権
★監護教育権
★懲戒権