日本基礎化学教育学会の活動を顧みて

−会報100号までのまとめから−

日本基礎化学教育学会会長  齊藤幸一

 日本基礎化学教育学会は,1990(平成2)年1月に当時日本私学研究所化学研究室研究員の宮田光男氏(日本基礎化学教育学会名誉会長)のよびかけにより,それまで,桐朋高校で長年続けてきた化学実験研究会を発展的に解消した形でスタートした。 設立趣旨は,簡単に言えば,「中学・高校の先生方を中心とした学会」をつくることであった。現在は月例会を中心に活動している。
 今回会報100号までのまとめから日本基礎化学教育学会の活動を顧みて,この紙面にまとめを試みたが,いままでの活動が多岐にわたるので,以前「化学と教育」誌に私が書いた文章をお読みいただくことで,本学会が歩んできた道のりを紹介することにした。
 多くの方々に,活動を理解していただき,今後の活動にともに参画していただければ幸いである。

継続は力なり

前会長  大井手 幸夫

 平成2年,日本基礎化学教育学会が発足してより,今年で14年の月日が流れ,その間発行された会報も100号を突破(今年1月)しました。
 その内容も,学会設立の趣旨に宮田会長(現名誉会長)が述べられている精神を原点に,現場での授業の閤題点や,生徒に興味を持たせる実験教具の開発など,数々の成果を上げております。
 特に最近では,池本先生(都立大学名誉教授)を中心に,JCEの翻訳や追試の実験など,中・高の現場で活用できる興味深い研究が発表されております。まさに「継続は力なり」の言葉のように,会員の先生方の今後の活躍を期待しております。

 ところで,今年の全国理科教育大会は,奈良大学を会場として,「新発想の理科教育−古都からの発信」のテーマに,全国から約600名が参加し8月3,4,5の3日間,理科教育の充実と発展のため,熱心な討議や研究発表がありました。
 本学会員・光塩女子学院中・高等科の宮本正彦先生が・日頃の研究や教具(シャルルの実験器,箱型簡易ガスビュレットなど)の開発など理化教育への多大な貢献が評価され,第75回日本理化学協会総会において,平成16年度,教育功労賞を受賞されました。御目出度うございます。

来年は,東京大会で,「科学的な自然観の育成を目指して−感じる,試す,考える−」を主題として,東大駒場キャンパス,東京女学館中学・高校を会場として,8月3,4,5の日程で行なわれます。学会の先生方のすばらしい研究を学会内だけで埋もれさせては勿体ないと思います。

 日本基礎化学教育学会の名を全国の先生方に知ってもらう意味でも,是非東京大会での発表をお願い致します。研究発表原稿〆切は,平成17年6月10日です。

生徒の二ーズに応じて                

名誉会長  宮田光男

 学会の会報が100号に達し,実に快挙である。まず研究会の企画運営に携わってきた学会の各委員の方々に心から感謝申し上げたい。
 研究会ごとに提出される実験は,特に生徒の興味を引きつけるものが多く,これを現場の先生方が利用しておられ,化学教育界に新風を吹き込んでいる。一般に化学研究会の実験は特定の先生方の発表機関となってしまいがちで,先生には興味を持てるものが多いのだが,この実験が必ずしも,生徒の関心を呼ぶかどうかというと,どうも首を傾けざるを得ない。特に21世紀の生徒はパソコンに非常に興味を持っているので,学会ではこのパソコンを巧みに利用した実験についての研究を積極的に行なってきた。そしてその成果を次々に会報に発表している。
 時代と共に生徒の二一ズも急速に変化していくので,これに対応するために学会では新たなる研究を企業とタイ・アップしながら進めている。学会会報の100号を契機に学会の更なる発展を期待している。