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 ポケットゲーム

 ICからLSI、そして超LSIと電子回路は小型・大容量化が進み、 生活の至る所にコンピュータが利用されるようになって来た。
 コンピュータとゲームとは密接な関係にあると言って良く、 パソコン(当初はマイコンと呼んでいた)の普及もゲームソフト無くしては有り得なかったと言えるだろう。 ゲーム専用機としては任天堂が開発したファミコンが驚異的な売り上げを記録し、 他社もこれに追随して様々な機種が発売されている。
 ゲーム専用機は更に小型化されて携帯用のゲーム機が出現するようになったが、 これはゲームの本質から見て必然の成行きであると言えるだろう。 ソフトを入替えるだけで色々なゲームが楽しめるのだから、 従来の携帯ゲームに比べたら格段の進歩であったことは間違いない。 勿論超小型化した単機能のゲーム機も発売されているし、 万歩計等他の機能を主としたものにゲーム性を持たせたものも発売されている。
 コンピュータゲーム機が従来の携帯ゲームの売上げにどの程度影響したのかは知らないが、 姿を消した携帯ゲームが多いことからやはり大きな影響があったものと思われる。 勿論携帯ゲームにも流行と言うものがあるだろうから、 一概にコンピュータゲーム機によって駆逐されてしまったと判断することは出来ない。 やはり実際に構成部品を操作して遊ぶ従来型の携帯ゲームには、 画面を見ながらボタンを操作するだけのゲーム機には無い面白みがあるのだから。
 そんな従来型ゲーム機の一つにトミーのポケットメイト・シリーズがあったが、 9月には人気のある機種を復刻版として再発売するそうである。 私もこのシリーズのゲーム機は何種類か持っていたのであるが、 プラスチック製のゲーム機を機械的な操作によって遊ぶのだから損傷は避けられず、 現存しているのは4種類だけである。 トミーの今回の再発売計画ではアンケートで発売機種を決定したようだが、 私の持っている機種では将棋以外は予定されていないようである。 これを機会にコンピュータゲーム機で育った若い人にも、 是非直接操作する従来型ゲーム機の良さを知ってもらいたいものである。
 以下私の持っている機種を紹介することとする。
 
 先ず最初は再発売予定の「将棋」であるが、 左の写真は製品としての状態ではなく、駒を切り離して使用状態にしたものである。 大きな利点としては蓋をすれば逆さにしても駒が落ちることが無いので、 詰将棋を解くのには便利であると言うことが出来る。 ただし余った駒を置く場所が無いので、盤面の構成には工夫が必要である。
 盤の底はスポンジになっているので、駒を押すと凹むようになっている。 密集した駒を動かす場合には、両側の駒を押し下げて間の駒をつまむことになるのだが、 慣れれば特に難しいことでもない。
 持駒の格納は9個まで可能であるが、 この枡を横向きにすれば14個可能となる。 しかし見栄えが悪くなるので採用されなかったのであろう。
 
 次は「四次元パズル」と言うゲームだが、 四次元と言う名称は4種類のパターンが存在するためのようである。
 左に示すのは3面と4面で、4個の鉄球を指定された丸い凹部に乗せれば完成である。 余り傾斜を大きくさせると一旦乗った鉄球が落ちてしまうので、 その兼ね合いがコツである。 4番の方が厄介なゲームであった。
 反対側の1面と2面は2個の鉄球を指定された場所に収納させるものであるが、 やはり一旦収納した鉄球を保持したまま別の鉄球を収納するのにコツが必要であった。
 単純なゲームであるが鉄球が動くだけで可動部が無いので、 壊れずに長持ちするのが大きな長所であろうか。
 
 3番目は「ハッピーダウンゲーム」と言う名称が付けられている。 中央の少し湾曲したバーを下にあるダイヤルで操作し、 上から落とした鉄球を誘導して得点を競うゲームである。
 放って置けば両側の0点か2点の所に落ちてしまうので、 小刻みにバーを操作して鉄球を左右に移動させて落とすのがコツである。 慣れないうちは一段ずつ鉄球を落としていくのだが、 一気に落としてしまった方が上手くいく場合もあった。
 なお鉄球の速度が速いほど難しくなるので、 ゲーム機本体の角度によっても難易度は大きく異なってくる。
 
 最後に紹介するのは「マーブルキャッチゲーム」で、 これは下にある水色の玉受けを左右に移動させ、 落ちてくる鉄球を受け止めるゲームである。
 キャッチした鉄球は中央の丸い穴から右下の得点ゾーンに入れることが出来、 逃したボールは下の大きな窓から失点ゾーンに入るようになっている。 中央の赤い部分は不透明なので鉄球を見ることが出来ず、 僅かに見える窓の部分等から鉄球が落ちてくる方向を推測するのがコツである。
 玉受けは手で直接動かすのだが、 長く使っていると磨耗や汚れで動きが鈍くなってくる。 これはこの種の機械的な操作によるゲームの宿命的な欠点であると言えるが、 それを克服するのも人生修行(いささか大袈裟な表現だが)と思えば苦にはならないだろう。
 
 9月に発売される復刻版は6種のゲームがセットになっているが、 予約販売の限定版では「将棋」ゲームの駒は文字が金色になっているそうである。 実用面から言えば黒文字が最適なのであるが、 プレミアム版として金文字の将棋ゲームを持っているのも一興であるかもしれない。

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