キャベツ.84KB  雹の被害
 
 群馬県は雷の名所であるが、雷雨は雹を伴うことも多い。 左の写真は雹によって壊滅的な被害を受けたキャベツであるが、 この時の雹の降り方は凄まじいものであった。 個々の雹の大きさは精々7〜8ミリ程度のものであったが、 その数が膨大なものであったのだ。 平成に入って間もない頃の降雹であったと記憶しているが、 80歳になろうとする父でも「初めて見た」と言うほどの激しさであった。 大抵は雹が過ぎ去った後は果物が落ちたように雹が散らばっているものだが、 この時は地面が白く見えるほど積もっていたのである。 地面に落ちた雹は地熱によって表面が溶けるが、 溶けた水が上に落ちて来た雹によって再び氷となり、 大きな一枚板のようになっていた。

葉菜.83KB
 左の写真も葉菜類の一種であるが、キャベツ同様壊滅的な被害を受けている。 葉を食べる野菜は食べる部分が直接被害を受けることになるので、 最も雹の被害が大きいと言えるかもしれない。 ここまで甚大な被害を受けなくても、 葉に穴が開いてしまえば普通に商品として出荷することは出来ない。

根菜.94KB
 これはジャガイモかと思われるが、断定するほどの自信はない。 しかし根菜類であることは間違いなく、 根菜の場合には食べる部分が地面の下にあるので、 葉菜類の野菜に比べれば被害は少ないと言うことが出来る。 しかしここまで地上部分がやられてしまうと、 根でも地下茎でも養分を蓄えることは出来なくなる。 地上の茎と葉が正常な状態に戻らなければ、 収穫は大きく減ることになる。

茄子.82KB
 手前はナスであるが、茎に直撃を受けて折れてしまっている。 まだ本格的に実をつける前なので直接収穫に影響はないが、 葉も茎もやられているので花が咲くような状態ではない。 直ぐに枯れてしまうようなことはないが、 これから葉をつけて茎を伸ばしていかなければならないので、 収穫出来るようになるまでにはかなりの時間がかかることになる。
 奥にあるネギもかなりやられているが、 これは雹の密度が高かったことの現れであると言えよう。 関東のネギは地面に近い部分を食べるので、 葉菜類としては被害は少ない方かもしれない。 しかし葉をやられれば成長は遅れるので、 やはり収穫量も減ることになるだろう。

小麦.69KB
 最後は小麦であるが、 実際に小麦を見たことのない人にとっては分かりにくい写真であるかもしれない。 穂の所々に見える卵形の物が小麦の実であり、 卵形が見えない部分は雹によって実が落ちてしまったのである。 丁度刈入れ時であったので実は落ちやすく、少量の大粒の雹よりも、 小粒でも数多くの雹が降った方が被害は遥かに大きなものとなる。
 雹の降り方は極めて局地的なもので、 道一つ隔てた隣の畑では被害は全く発生していない。 逸早く収穫した農家は幸い被害を免れたのであるが、 兼業農家で土日に刈入れようとしていた農家が被害を受けている。


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