YS−11
八丈島空港を離陸する、戦後唯一の国産旅客機「YS−11」型機
です。1962年に初飛行、1972年に製造が終了していますから、
現在僅かに運航されている機体は、
最も新しいものでも30年以上経過していることになります。
この写真は1977年3月に撮影したものですが、
周囲に障害物が無いので滑走路のすぐ傍で撮影することが出来ます。
離島航空路での使用を考慮したYSは離陸距離が短いので、
タキシング中から飛び去るまでの連続撮影がやり易かった機体です。
ズームレンズの焦点距離を大きく変える必要も無く、
一眼レフの手動巻上げでも十分に撮影可能でした。
まだ高度はそれほど高くないはずですが、既に主輪の引き上げを開始しています。
滑走路は島の中央の平坦地に設けられていますが、
島を2分するかのようにほぼ東西方向に伸びています。
写真では若干右に傾いているように見えますが、
既に右旋回を始めて針路を北の羽田方面に変えようとしているのかもしれません。
背景は標高854mの八丈富士で、火山なので頂上には小さいながらも火口があります。
飛行場の脇から頂上まで登山道が伸びており、
樹木が無いので頂上からは八丈小島と周囲の海を見渡すことが出来ます。
しかし火口の中へ降りると空しか見えなくなってしまうので、
島であることを忘れてしまいそうになります。
最後は羽田に帰ってきて着陸間近の状態で、既にフラップを出して着陸態勢に入っています。
着陸速度の遅いYSでは高度もジェット機より低く出来るのか、
こうした写真は撮り易いかもしれませんね。
もっと雲があれば綺麗な夕焼けとなったかもしれませんが、
航空機の運行時間に加え、自然が相手なので思うようには行きません。
八丈島への往路は船便を利用すると、
前夜に東京を出て翌朝島に着くことが出来ます。