キャッチャーボート
キャッチャーボート.106KB  商業捕鯨が終息してから久しくなりますが、 今ではキャッチャーボートの実物を見た人は、 と言うよりその名前さえ知らない人の方が多いかもしれませんね。 尤もキャッチャーボートと言うのは和製英語で、 英語では「 Whaler」と言うそうです。 日本語でも元々は「捕鯨船」ですから、どちらもそのものずばりの命名ですね。
 写真は日立造船舞鶴工場で入渠中のものですが、 撮影日を記したメモが見つからないので何時頃のものかは不明です。 しかし捕鯨砲が完全に撤去されている点から判断して、 捕鯨業務に復帰することは考慮されていないようです。
 キャッチャーボートは鯨を追いかけるので良好な運動性が要求されますが、 左下の写真のように船体に比して舵の面積が大きいようです。 船首が極めて高くなっているのも、 凌波性を高めて砲手を波から守ると共に鯨を狙い易くするためでしょう。 高い見張り所も一般の漁船には見られないものであり、 抵抗を減らしてスピードを出すための痩せた船型と共に、 捕鯨に徹した特異な船であると言うことが出来るでしょう。
 この船では右の錨がベルマウスから吊り下げられていますが、 この状態を「吊り錨」と言い、 この種の船では吊り錨の状態にして置かないと錨を打つことが出来ません。 ホースパイプに錨を収める形式の船では直接落とすことが出来ますが、 軍艦の場合には確実を期すために吊り錨の状態にしておくのが通例です。
 
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